作品

まきまき
Key
 夢を見た。何度も、何度も同じ夢。
 [そこ]には俺がいた。
 絢爛たる衣装を纏った俺がの眼下には、知らない連中がひざまづいていた。

■作者様による設定資料ページ
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魔術
第一章の1  カーテンから朝日が差し込み、スズメの声が聞こえていた。
「お兄ちゃん・・・?」
 気が付くと妹の雪花がおずおずと俺を覗いていた。
「ん、せっか。おはよう」
第一章の2  図書館に入るとメガネの先輩が俺を迎えた。
「あら、烏君、こんにちは」
第一章の3  その日の夢は少しだけ変わっていた。
 それまで不鮮明だった人物の顔がはっきりしていた。
 一人が―――くいな。
 そしてもう一人。
第一章の4  狭い部屋、詰まるところ、俺の部屋だがその箱の中に重苦しい空気が満ちている。
「さて、と。どうする?」
第一章の5  朝、目が覚めると昨日までは俺の部屋に入るのにも赤面していた妹が足に抱きついたまま俺の肉棒に奉仕していた。
第一章の6  放課後になり、くいなの情報も入らず、朱鷺乃も習い事だというので行動を起こすに起こせず、千鳥と雪花と共に帰ろうと昇降口で靴を履き替えようと自分のげた箱を開けると、何かが落っこちた。
第一章の7  俺は大きい邸宅の前にきていた。
 そう、ここは朱鷺乃 ひかりの家の前だ。
 俺の背には奴隷になったこの館の主の妹がいる。
「さ、案内してもらおうか」
番外編  俺はビルを見上げた―――高い。
 それもそのハズ、この街の[中央]を構成する一角のビルだ。
第二章の1  あれから数日が経った。
「―――ん、あぁ……」
 下半身に違和感を覚えて眼がさめた。
第二章の2  初めて自分以外の指環使いと相対したというのに焦りはなかった。
 さっきまで浸かっていたぬるま湯が瞬時に沸騰し、視界には目の前の女しかいなくなった。
第二章の3  あれから2日、休日になり他の指環使いと本格的に遭遇するべく一人で街にきていた。
 目的地はくいなに聞いた場所から近場を一ヶ所チョイスした。
第二章の4 「お兄ちゃんっ、はやくはやくっ!」
「あら、ご主人様にせっかちゃん、おはようございます」
 そこには竹ホウキをもってエントランスを掃いている新たな住人、華南がいた。
第二章の5 「―――マルコシアス公、卿に伝授してもらった剣技を使い、いざ推して参る」
 そう言って指輪をはめた遼燕寺が俺に向けたのは背に負っていた一降りの木刀。
 場の緊張感が一気に臨海に達する。
第二章の6  あれから2日が経った。なんのことは無い。佐乃との戦いでの負傷が原因だ。
 あの後、やはりというか自業自得というべきか丸一日、意識不明の重体に陥り、遼燕寺家かかりつけの闇医に世話になっていた。
第二章の7  もしもし、僕です、2―B、出席番号6番のカラス―――烏十字です。
 学園祭の件で担任の海鵜先生に…はい、そうです…あぁ、千歳か?俺だ。白鷺はもう学校にきてるか?
番外編2  その日、ボクはカミサマに逢った。
 不幸なボクをカミサマは選んでくれた。
 そう、ボクは、選ばれた人間だったんだ―――
第二章の8 「―――……ご主人様、二つほどいいでしょうか」
「…なんだ?」
「新しい住人を募集したいと思うんですが…」
第二章の9  マンションの入り口には竹箒を持った華南と千鳥がいた。
「…おまえ、その格好でそこにいたのか?」
「―――へ?なんか問題あるの?」
第二章の10  目を覚ますと全員が固唾を飲む中、俺は自分のベッドの上に横になっていた。
 時計を見ると午前0時。日が変わったところだった。
「ご主人様…」
第二章の11 「どっちかってーと大将の身体自体が変調してるのかもしれんね」
「…変調?」
「あぁ、指輪を使い続けることによって魔術回路が刺激され活性化している」
第二章の12 「えぇと…この部屋で間違いないはずなんですけど…」
 自信なさ気にくいなが呟く。
「どういうつもりだ」
 俺が虚空に声をあげると部屋に声が響いてきた。
(ごめんごめん、指輪を使ったらペナルティだって言うのを忘れていたよ♪)
第二章の13 「そろそろ出発の時間ですよ」
 いつものカーテンの開ける音と共にそんな声で眼が覚めた。
「ふあぁ…朝メシは?」
 華南は小さく盛られたサンドイッチの皿とコーヒーの乗っかったトレイを差し出してきた。
第二章の14 「ふああぁぁ…ん?」
 珍しく自分で目が覚める。と、なんか肩口が重い。
 というか、巨乳だった。
「………おぉ」
第二章の15  学園祭の翌々日―――後片付けをした俺たちは昼過ぎに街中―――九頭ビル前に集まっていた。
第二章の16 「せっか、指輪を渡してくれ」
「―――え?」
第二章の17  誰にも気づかせずマンションを出て約束の場所に行こうと歩くこと5分。
 後ろに気配を感じた。
第三章の1 ―――夢を見た。
 俺が玉座に座り、うつろな目で見下ろしていた。
第三章の2 「心が…聞こえない―――?」
 愕然とした。
第三章の3  雁屋の肥満体からくり出される一撃一撃はどれも緩慢だったが、重さの乗った実にいい一撃と評するしかなかった。
終章  夜鷹は―――半分、生き返った。


 

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