夢の続き 〜 第2章 〜


 

 

幕間 1


 夢を、見た。
 翠色の、夢だ。

 夢の中、『彼』が私に会いに来てくれた。
 ただそれだけで、夢の中の私は幸せだった。

「だけど……」

 夢の内容を思い出し、私は憂鬱になる。
 彼に、あんな姿を見せてしまった。
 夢の中で“まで”、あんな、汚らしい私を。

『何を今更……』

 心の中、そんなふうに呟く、自分がいる。

『何を今更、そんなこと言っているの?』

 …そう、その声は、正しい。
 こんなにもよごれている、きたならしい私。
 その私が、たとえ夢の中でとは言え、綺麗になれるはずなんて、無いのに。

 夢の中で私がした、汚らわしい行為。
 彼は、私のことを、どう思っただろう?
 侮蔑か、軽蔑か。あるいは、それ以外の何か、嫌悪と言った感情か。

『何を今更…』

 再び、その声が聞こえる。
 いつだって、その言葉は正しい。

 そう、私は、望んでいたのだ。
 彼の足元にひざまづき、彼にねじ伏せられることを。
 彼のものに奉仕し、彼のもので汚されることを……。
 夢の中、確かに私は、その穢れた、浅ましい行為に喜びを感じていたのだ。

「ミノル、さん……」

 彼の名をつぶやく。
 それだけの行為が、こんなにも愛おしい。

『せめて、夢の中だけでも…』

 胸元にしまった、小さな、鍵。
 私はその鍵を、両手でぎゅっと握りしめた……。

 
 


 

 

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