翌朝。 「あら、おはよう、奈菜」 「おはよう、母さん」 朝、学校に行く準備を整えて下に降りると、母さんに挨拶をする。 昨日警察の人にアドバイスをもらったおかげでそれくらいの心の余裕が生まれていた。 「おはよう、奈菜ちゃん。今日はなんだか機嫌が良さそうだね」 この男のことは無視無視。 相手にしたらダメよ。 ……なにニヤニヤ笑ってるのよ? いやらしい笑みを浮かべてこっちを見て。 ふん。 そんな態度をしてられるのも今のうちよ。 もう、あんたに私を犯すことはできないし、昨日の話のとおりなら2日後には警察の人が来てくれるんだから。 つまり、今日と明日を耐えきったらそれで私の勝ちよ。 「じゃあ、学校行ってくるね、母さん…………ゃんっ!」 アソコの栓が擦れたはずみで変な声が出ちゃった。 動くとアソコの中のあちこちに当たってビリってなるのが欠点よね、これ。 それに、トイレに行くたびにいちいち外して入れ直さないと、とてもじゃないけどこれを入れたままでおしっこできないし。 いろいろと不便なことがあるけど、でも、そのくらいは我慢しないと。 それもこれもこの男に犯されないためなんだから。 「どうしたの、奈菜?」 「え? うん、なんでもないよ。じゃあ、行ってきます!」 首を傾げている母さんを適当にごまかして家を出る。 「ぁんっ! んんんっ!」 小走りに走り出すと、アソコの中でまたコリッて擦れた。 「おはよう、絵美!」 「あ、おはよー、奈菜。……ねぇ?」 「ん? なに?」 「なんか、奈菜ったら、顔赤くない?」 「ええ? そう?」 「うん、すごく赤いよ。それに、なんか息切れしてるみたいだし。そんなに走ってきたの?」 「ううん。少し早歩き程度だけど」 授業前の教室で、絵美とそんな会話を交わす。 本当に少し早足で歩いただけだけど、たしかに体はすごく熱くなっていた。 足を動かすたびにアソコの中で栓がゴリゴリ動いて、なんかお腹の辺りからジンジンと痺れる感じが広がってきて、体が熱くなるのを感じていた。 「ぁっ……はうっ!」 「どうしたの、奈菜?」 「ううん、なんでもないってば」 またアソコの中で栓が擦れておかしな声が出たのを慌ててごまかす。 「このところの奈菜ってなーんかヘンなのよね〜」 「だからそんなことないって! やだなぁ、もう絵美ったら〜」 できるだけ、いつものようにふざけてるふりをする。 どのみちごまかすしかないのよね。 あいつのスイッチのせいで本当のことは話せないんだし。 まあ、それもあと少しの辛抱だけど。 「ほら、授業始めるぞー、みんな席に着けー」 その時、そう言いながら1限目の数学の先生が入ってきたので自分の席に戻った。 休憩時間。 トイレを済ますと、ショーツを戻す前にアソコに栓をする。 「んっ……んんんっ、あふぅうんっ! ……ほんっとに、トイレの時が不便よねー」 授業中にただ座ってるだけならまだ我慢できるけど、こうやってトイレに行くたびに栓をいったん出してまた戻すときの感触は、ついついおかしな声が出ちゃうくらいビリビリくる。 正直、学校では栓を外しててもいいかなとも思うけど、あいつが私のどういう行動にスイッチを仕掛けてるのかわからないし、自分の身を守るためにもアソコには栓をしておいた方がいいわよね? だけど……なんだろう? この感じ? あ……そうか、あの男とセックスしたときの……。 アソコに栓をするときの、硬くて大きいのがいっぱいに入ってくる感じが、あいつに犯された時の感覚に似てることに気づいて気分が凹む。 嫌なこと思い出しちゃったわね……。 でも、この栓はあいつにもう犯されないためのものなんだから、感覚は似てても全然意味は違うの! それにしても、本当にアソコがいっぱいに擦れる感じ、あのときの感じに似てる。 いったん意識するとあいつに犯された時のことをどうしても思い出してしまう。 あのときは私もなんかおかしかった。 それもきっとあいつの仕込んだスイッチのせいだと思うけど。 そうよ。 あんなやつに犯されて感じるはずがないじゃない。 気持ちいいかもとか思ったのもきっと何か理由があるのよ! 「はぁ……」 あのときのことを思い出すと気が滅入ってため息が出ちゃう。 私の体が自分の意志とは全く違う行動をして、あんな最低な男に初めてを奪われたんだと思うと今でも泣きそうになる。 「だめだめ! なに落ち込んでるのよ!? 私はあいつとの勝負に絶対勝つんだから!」 そう自分に言い聞かせると、パンッと頬を叩いて気合いを入れた。 そして、3限目の英語が終わって……。 「あーもう、今日の体育はやだよー」 着替えながら絵美がぼやいていた。 「え? なんで?」 「だってぇ、この前の体育のときに次は持久走だって先生が言ってたじゃん」 「あ、そういえばそんなこと言ってたわね」 「あーもう、運動できる人間は余裕なんだから〜。あたしみたいな文系頭脳労働派がなんで体育なんかしなきゃいけないのよ〜」 「はいはい、ぼやかないぼやかない」 絵美は大げさに嘆いてるけど、もともと体を動かすのが好きで走るのも苦にならない私は持久走なんか特に気にしていなかった。 だけど、それが大間違いだってことはすぐにわかった。 「はあっ、はあっ……あぁんっ! はううううっ!」 ちょっとこれ無理! アソコに入れた栓がゴリゴリ擦れて普段どおりに走れない! こんな状態で走れるわけがないじゃない! しまった……体育の間だけ栓を外しとけばよかった。 そう思ってももう後の祭りだ。 「んっ! ……はあっ、はあっ……あんっ! んんっ! あぅんっ、はああぁっ!」 ダメだ……頑張って走ろうとするとアソコの中が栓でグチャグチャにかき回されるみたいな……。 それで、お腹の奥の方から熱く痺れてくるような感じ。 これってどこかで……? ああ、そうか……あの男に犯されたときもこんな感じだったんだ。 でも、それとこれとは全然違うんだから。 だけど、この体がふわふわする感じも、頭がぼうっとして目の前が白くなっていく感じもあのときと似てる。 「はあっ、はあっ……はんんんんっ!」 やっ!? なんか来るっ! あのときみたいなすごいの来ちゃうっ! 「ふああああああぁんっ!」 あの、痺れるような刺激が一気に弾けて全身を駆け抜けていく感覚。 それと同時に下半身から力が抜けてその場に膝をついた。 「おいっ!? どうした、羽村!?」 「羽村さん!?」 「大丈夫!? 奈菜?」 両手両膝をついて大きく喘いでいる私のところに体育の先生と絵美たちクラスメイトが駆け寄ってくる。 「大丈夫か、羽村?」 「は、はい、大丈夫です……きゃあっ!」 立ち上がろうとしたけど、両足に力が入らなくて尻餅をつく。 「おいっ、無理するなよ。熱中症かもしれんからな」 「い、いえ、本当に大丈夫です」 「熱中症って、今日はそんなに暑くないですよ〜」 「そうよね。それに運動の得意な羽村さんだし」 「おまえらな、運動が得意でも、そんなに暑い日じゃなくても、体調次第では熱中症になることはあるんだぞ。ここ数年、毎年のようにニュースになってるだろうが」 「ふえええ、先生がまともなこと言ってる」 「ねー。ちょっと見直しちゃったかも」 「なにこんなときに軽口言ってるんだ。それよりも、誰か羽村を保健室に連れてってくれ」 「はーい、じゃああたしが行きます!」 そう言って手を挙げたのは絵美だ。 「そうか、それじゃ頼むぞ」 「はい。それじゃ奈菜、肩貸してあげるね」 「いや、ホントに大丈夫だから」 「そんなこと言わないでおとなしく保健室行くの。もしなにかあったら大変だよ。……それに、あたしもついでに持久走サボれるしね」 そう言って絵美はペロッと舌を出した。 そして、保健室で……。 「うーん、軽い熱中症かしらね。とはいえ、体温も異常はないし意識もはっきりしてるから救急車を呼ぶほどじゃなさそうだけど」 熱を計った体温計を見ながら保健医の先生が呟く。 「そんな……救急車なんて大げさですよ」 「なに言ってるの。熱中症は命に関わる場合もあるんだから大げさなことなんてないわよ。……はい」 そう言って、先生が水の入ったコップを差し出す。 「とりあえず飲んでおきなさい。あなたたちの年頃って、特に女の子はトイレが近くなるからってお水やお茶をあまり飲まない子が多いでしょ。そういうのも熱中症の原因になるのよ。だから水分補給」 「は、はあ……」 とりあえず、素直に水を飲んでおくことにする。 だけど、熱中症じゃないのは私自身がよくわかってる。 たぶん私、イッちゃったんだ。 つい最近同じような感覚を味わったばかりだから間違うはずがない。 まいったなぁ……。 アソコに栓をすることであいつに犯される心配はなくなったのはいいけど、こんなデメリットがあったなんて思いもしなかった。 次の体育の日っていつだったっけ? 今度は授業の前に栓を外しておかないと……。 「で、どうするの?」 「はい? なにがですか?」 「救急車は必要ないとして、今日のところは早退してちゃんと病院で検査してもらう?」 「あっ、いえ、大丈夫です。このまま授業に戻ります!」 「でも、熱中症は最初は軽い症状でも後からひどくなることもあるのよ」 「ほ、本当に大丈夫ですから!」 自分が熱中症じゃないことはわかってるから、病院で検査なんて必要ない。 それはまあ、そこまで熱心に授業を受けたいわけじゃないけど、早退してあの男のいる家に早く帰るのはさすがに気が進まない。 「しかたないわね。まあ、今日はそんなに暑くないし。でもいい? もしちょっとでも気分が悪くなったらすぐに言うのよ」 「はい」 渋々ながら承知してくれた先生に頭を下げて教室に戻る。 「奈菜! もう大丈夫なの!?」 昼休みの間に教室に戻った私を見て、絵美が駆け寄ってきた。 「うん、大丈夫大丈夫。ちょっとくらっとしただけだから」 「そうなんだ。でも、珍しいよね、奈菜が体育のときに倒れるなんて」 「だから、大げさだってば。それよりも早くお昼済ませないと。購買にまだパン残ってるかなー」 「そう言えば奈菜ってば3日連続でお弁当じゃないよね。なんかあったの?」 お昼のパンを買いに行こうとしたら、絵美が不思議そうに訊いてくる。 「え? あ、いや、ちょっと母さんが風邪引いちゃってね、私の方からお弁当はいいから休んでてって言ったの」 もちろん、母さんがあの状態じゃお弁当どころじゃないんだけど、とりあえず家のことに関してはどこにスイッチがあるかわからないから適当なことを言ってごまかす。 「そうだったの? 大変じゃん!」 「そうでもないよ。もうだいぶ良くなってきたみたいだから」 「ふーん。とにかく、おばさんにお大事にって言っといてね」 「うん、それじゃお昼食べる時間がなくなるから」 そう言って購買に向かう。 絵美にずっと嘘ばかり言ってるけど、こればっかりはしかたがない。 それに、あと少しで状況が良くなるのは本当なんだから。 そして、学校が終わって。 「ただいま」 玄関を入って、リビングの方から漏れてくる母さんの声。 これって、また……。 なんとなく、嫌な感じがする。 母さんのこういう声は2日前に聞いたのと同じ……。 「……はああぁんっ! たっ、隆夫様ぁ、私、ちゃんと気持ちよくできてますかっ!? あんっ! あぅううんっ!」 「ああ、すごくいいぞ」 「あっ、ありがとうございます! わっ、私も隆夫様のオチンポ気持ちよくて……はぁあああっ!」 リビングでは、ソファーに座ったあの男の上に母さんが跨がって、激しく腰を揺すっていた。 もちろんふたりとも裸で。 「ああぁんっ! 隆夫様のオチンポでおまんこが擦れてっ、ふああっ、すごく気持ちいいっ! あんっ! はぁううんっ!」 「母さん……」 自分の母親がこんな男に自分からこんなことをしているの姿は、何度見ても怒りと悲しみがこみ上げてくる。 だけど、ここは我慢よ。 ここで怒りを爆発させたらこいつの思うつぼだ。 また一昨日と同じ結果になるのは目に見えている。 だから、私は唇を噛んだままそっとドアを閉じて自分の部屋に向かった。 「……くっ! あんなやつの思い通りにさせるなんて!」 机の上にカバンを放り出して、がっくりと椅子に腰を落とす。 母さんのあんな姿を見た後の、このやるせなさと無力感。 あの男の好き放題にさせるしかないのが本当に悔しい。 「それにしても、母さんったらあんなに気持ちよさそうに……」 さっきの母さんの、恍惚とした表情がまぶたに焼き付いて離れない。 すごく気持ちよさそうで嬉しそうで、私の知らない、そう、女の人って顔をしていた。 すごくいやらしくて、その、なんていうか……色っぽいというか。 「やっぱり……あれが気持ちいいってことなんだよね?」 一昨日あいつに犯された時のことと、今日の持久走の時の感覚を思い出して、ふとそんなことを思った。 「んっ……なんか、アソコが熱くて……ムズムズするみたい」 なんだか体が熱くなってきて、アソコがむず痒いような感じがして、無意識のうちに股間に手を伸ばした。 「……ぁんっ!」 指先で栓を押さえた瞬間、ビリビリした刺激が走った。 「んっ……んんっ! やっぱり、これって気持ちいいかも……んんんっ!」 アソコの栓をグリッて押し込むようにすると、ビリリッとアソコから電気が体を駆け巡っていく。 その、痺れるような刺激を気持ちいいと感じている自分がいた。 すごく体が火照って、アソコが疼いて、この刺激を欲しがっているみたいに思える。 「あぁんっ、すごいっ、これ気持ちいいっ!」 いつしか私は栓をぐいぐい押し込むようにして、夢中になって自分でアソコをかき回していた。 今ではそれを快感だとはっきりと自覚していた。 「やっ、わたしっ、自分でこんなっ! ……でも、これはいいのっ、これはあいつに犯されないようにするためのものなんだから! 自分の身を守るためのものだから大丈夫なのっ! ……あんっ!」 そんな言い訳めいたことを口にして、自分からこんなことをしている後ろめたさを振り払う。 それくらいにその行為は気持ちよかった。 とてもじゃないけど途中で止めることなんてできない。 むしろ、いっそう力を込めて奥まで栓を押し込んでいた。 「ふああああっ! これすごいいいいっ! ……やっ、くるっ、きちゃうっ! わたしっ、イッちゃぅうううううっ!」 あの、体の中でなにかが弾けるような感覚が襲ってきて、目の前が白くなる。 今までは、なにが弾けてるのかわからなかったけど、こうやって自分でしたらよくわかる。 快感が弾けてるんだ。 アソコの中を擦る気持ちいいのが爆発して、体全体が快感でいっぱいになる。 それがイクってことなんだ。 「ん……でも、まだ体が熱いよ。アソコがムズムズして、気持ちいいのもっと欲しいよ……んっ、はうううっ!」 一度イッたはずなのに、体の火照りが全然治まらない。 それに、アソコがまだまだ気持ちいい刺激を求めてる。 そんな気がして、また栓に手をかける。 「あぁんっ……これいいようっ! アソコの中自分でグチュグチュして……はうううんっ!」 「へえ、奈菜ちゃんはやっぱりエッチな子なんだね」 「……きゃあっ!?」 いきなり聞こえた声に思わず悲鳴をあげる。 見ると、部屋の入り口にあの男が立っていた。 「なっ、なによっ!? なにしに来たのよ!?」 「なにって、ちょっと奈菜ちゃんの様子を見にね」 そう言ってあの男はニヤニヤ笑っている。 「なっ、なにがおかしいのよ!?」 「いや、奈菜ちゃんがひとりでそんなことするくらい効いてるのがおかしくてね」 「効いてるって、なにがよ?」 「もちろん、仕掛けたスイッチだよ」 秋本はそう言ったけど、私にはなんのスイッチに引っかかったのか見当もつかない。 「ど、どこに……どこにスイッチがあったのよ?」 「さっき、奈菜ちゃんは僕とサトミのセックスを見ただろ? それがスイッチになっていたのさ。僕とサトミのセックスを見ると奈菜ちゃんの体が発情するっていうね。スイッチが発動して発情した奈菜ちゃんの体は疼いて、エッチな刺激を求めてしまうようになってるんだよ」 「そんなっ……!?」 秋本がスイッチの種明かしをして、ようやく自分の体に起きている異変の理由がわかった。 こんなに体が火照ってるのも、自分で気持ちいいのを求めてしまったのも全部そのせいだったんだ。 「そんなところにスイッチが仕掛けてあったなんて……」 「でもさ、よく考えてごらん。奈菜ちゃんが僕に初めて犯されたとき、奈菜ちゃんは初めてなのに気持ちよく感じていたはずだよ」 「そそそっ、そんなことないわよ!」 「ごまかしても無駄だよ。あのとき、奈菜ちゃんは僕とサトミのセックスを見ていただろ? だから発情した奈菜ちゃんは初めてでも気持ちよく感じるエッチな体になってたんだよ。つまり、あのときの奈菜ちゃんは僕とサトミのセックスを見たことによるスイッチと、僕とサトミのセックスを止めようとしたことによるスイッチの両方の影響を受けていたんだ」 「……あっ! それで!」 あいつに犯されたとき、自分の体がなんかおかしかったように感じた、その理由がやっとわかった。 だけど、秋本は楽しそうな笑みを浮かべたまま話を続ける。 「でもね、僕とサトミのセックスを見て発情した奈菜ちゃんの体は、そのままでは治まらないんだよ」 「……? どういうことよ?」 「発情しきって疼く体を治めるには、僕とセックスしないといけないのさ」 「はあっ!?」 「さっきから見てたけど、一度イッたのに奈菜ちゃんの体は火照って疼いたままだろ? それを鎮めるには僕のチンポでセックスするしかないんだ」 「卑怯者! あんた本当に最低だわ!」 秋本の説明を聞いた瞬間、私は声を荒げて罵っていた。 だけど、秋本は平気な顔をして笑っている。 「でも本当のことだからね。今の奈菜ちゃんのその状態は僕とセックスしないと治まらないんだよ。それとも、ずっとそのままでいいのかい? だったら僕はかまわないけど、どうする?」 そう言って、余裕たっぷりの笑みを浮かべる秋本。 こいつ、本当に最低だわ。 そうやって、私の方からお願いするようにしてるのね。 ……え? 私の方から? そうだ! こんなときのためにアソコに栓をしてるんじゃないの! 一昨日は私がスイッチに引っかかったからあんなことになってしまったけど、同じ仕掛けにそう何度も引っかかるわけがない。 だから今度は私の体がエッチになるようにして、それに心が折れた私の方からお願いしてセックスするように仕向けるつもりなのね。 でも、今は大丈夫。 アソコに栓をしてるからこいつはおちんちんを絶対に入れることはできない。 つまり私さえこの状態を我慢してれば、こいつは私を犯せないってことじゃないの! 私の方からセックスをさせるつもりの秋本の意図に気づいて、少し心に余裕が生まれた。 なにしろ、私にはアソコに栓をしてるっていうアドバンテージがあるんだから。 「ふふん。このくらい我慢してみせるわ。どのみちあんたは私に手出しできないんだから」 「それは、アソコに栓をしてるからかな?」 「なななっ……なんであんたがそれを知ってんのよ!?」 秋本の言葉に、思わずうわずった声をあげてしまった。 アソコに栓をしてることをどうしてこいつが知ってるの? これは警察の人に教えてもらったことなのに……。 「ねえ奈菜ちゃん、アソコに栓をするっていうのは身を守る正しい方法なのかな?」 「あっ、当たり前じゃないの! 栓をしてたらあんたは私を犯すことはできないんだから!」 こいつ、なに言ってるの? そうだわ、私を動揺させて栓を外すように仕向けるつもりなんだわ。 でも、その手には乗らないわよ。 これは警察の人が教えてくれた方法だから間違いはないのよ! 「くくくっ……ハーハッハッハ! 我ながら傑作だな、これは!」 私の返事に、秋本は我慢できないみたいに腹を抱えて笑い始めた。 「なっ、なにがおかしいのよ!?」 「ごめんごめん。それじゃあ奈菜ちゃん、"アソコの栓に関することは全部忘れて正気に戻ってみようか"」 そう言って、秋本がパンッと手を叩いた。 すると、一瞬目眩がしたような気がして……。 ……あれ? ……私なにを? ……んんっ!? な、なにかアソコでゴリって? なんなの、この違和感は? ……って、えええっ? 「きゃあああああああっ! なななっ、なんでこんなものがっ!?」 なんとも言えない違和感を感じて股間に手を伸ばすと、自分のアソコの中に硬い棒のようなものが入っていることに気がついて悲鳴をあげる。 慌てて引き抜いたそれをまじまじと見つめる。 「いったいなんなのよ、これは……」 ピンク色のバナナみたいに曲がっていてイボイボの付いたそれは、色といい形といい見るからに気持ちの悪い代物だった。 「いやぁ、奈菜ちゃんがそんな物を使ってるいやらしい娘だったなんてね」 「なっ、なに言ってんのよ! ……そうだわ! これもあんたのせいね!?」 そうよ……目の前で楽しそうに笑ってるこの男。 こいつは母さんに催眠術をかけてあんな状態にして、私にも催眠術でおかしなことをしようとしてるやつじゃないの! なんでこんな物がアソコに入ってたのかはわからないけど、きっとこいつのせいに違いないわ! 「人聞きが悪いことを言うね。それは奈菜ちゃんが自分で入れたんじゃないか」 「だとしてもそれは私の意志じゃない! あんたが催眠術でなにかおかしなことをしたんでしょ!?」 そう言って、そのいかがわしい棒を秋本に投げつける。 それを左手で受け止めて秋本は肩を竦めた。 「危ないなぁ。こんな物を人に向けて投げつけちゃいけないよ。それに、これは僕が奈菜ちゃんのためにと思って、学校に行ってる間に用意しておいてあげたものなんだけどなぁ」 「やっぱりこれはあんたが持ってきたのね!?」 「そうだよ。それにしても、本当にこれで良かったのかい?」 「なにがよ?」 「これを僕に渡してしまって良かったのかい?」 「なにわけのわかんないこと言ってんのよ?」 「なるほど。……じゃあ、"この栓のことを思い出してみようか"」 そう言って、秋本がパチンと手を叩いた。 すると、クラクラって軽い目眩がしたような気が……。 って、うそ!? やだ!? なんで!? さっきの私、アソコに栓を入れることをおかしなことだって思ってた! それで、自分で抜いて投げつけてしまった。 私、なんでそんなことをしたの? あれはこいつから身を守る大事なものなのに。 「ちょっと! それを返してよ!」 「あれ? でもこれを投げつけたのは奈菜ちゃんの方だよ」 「そっ、それはそうだけど……」 「だから訊いただろ? 本当にこれを僕に渡して良かったのかいって」 「あんた! また催眠術で私になにかしたでしょ!?」 そうに決まってる! 大事なアソコの栓を自分で引き抜いて投げつけるなんて、そんなこと私がするはずないじゃない! きっとなにか催眠術が絡んでるんだわ。 もしかしたら、なにかのスイッチに引っかかったのかもしれない。 でも、なにがスイッチになったのか全然わからない。 「まったく、人聞きが悪いなぁ」 「だって、そうに決まってるもの!」 「でも、奈菜ちゃんが自分で変だと思って引き抜いたのは確かだよね?」 「だからそれがおかしいって言ってるのよ!」 「でも、現実に奈菜ちゃんがこれを自分で引き抜いて僕に投げつけたんだよ」 「それは……そうだけど」 「ということは、奈菜ちゃんは僕に犯されてもしかたがないよね」 「はぁっ!? なんでそうなるのよ!?」 いきなり秋本が論理を飛躍させてわけのわからないことを言ってきた。 「だって、この栓さえしていれば安全だったんだよ。これがあれば僕は奈菜ちゃんを犯すことができないからね。でも、それを自分から抜いたからには僕に犯されても文句は言えないよね」 「うっ……でも、それはあんたが催眠術でなにかしたから……」 「僕と奈菜ちゃんの勝負は奈菜ちゃんが10日間で僕のものにならないよう耐えることだったよね? そのために、僕が催眠術で仕掛けたスイッチを回避するか裏をかくか耐えるかしなくちゃいけないんじゃなかったかな?」 「そ、それは……」 「奈菜ちゃんは気づいてないみたいだけど、そもそもこうなったきっかけは奈菜ちゃんがあるスイッチを起動させたせいなんだからね。それはつまりスイッチを回避できなかったってことだろ? だったら、勝負の上では今の状況を受け入れるしかないんじゃないかな?」 「う……」 ……悔しい。 秋本の言うことに全く反論できない自分が悔しい。 自分でもなにがどうなってこんなことになったのかわけがわからないけど、私が自分で理解できない行動を取ってしまったってことはなにかのスイッチが絡んでるんだろうってことはわかる。 それだけに、どうしてさっき自分で栓を抜いてしまったのか。 自分自身でやったことに対する後悔しかない。 項垂れている私に向かって秋本が一歩近づいてきてズボンのベルトを緩めた。 「それに、体はまだ火照って疼いてしかたがないんじゃないかな? さっき言ったよね? 僕とサトミのセックスを見て発情した奈菜ちゃんの体は、僕とセックスしないと治まらないって」 「……あんたってホントに卑怯だわ」 そう絞り出すのがやっとだった。 本当に卑怯で、姑息なことしかしないやつだけど、こいつの言うことを認めるしかなかった。 さっきからアソコがジンジンと熱く疼いて、その熱のせいで体が火照りっぱなしだったから。 「さてと、どうする、奈菜ちゃん?」 「……今回だけよ」 「ん?」 「今回だけは私のミスを認めるわ。だから……あんたとセックスしてやるわよ……」 自分からそう言うのは屈辱以外の何ものでもなかった。 だけど、今のこの状況ではそうする以外に方法はなかった。 「今回だけ、か。奈菜ちゃんは本当に強情だなぁ」 そう言って秋本がズボンを脱ぐと、すでに大きくなってるおちんちんが剥き出しになった。 グロテスクなくらいにそそり立っているそれを見ただけで、ただでさえ火照った体の熱がさらに上がった気がした。 「さてと、じゃあ、今日は立ったままでしてみようか」 「きゃあっ!?」 秋本が私の後ろに回り込んで背後から体を抱える。 その態勢で、私の股間に手を滑り込ませてきた。 「ひゃううううっ!?」 「うんうん、さすがにさっき自分でやって1回イッただけあって濡れ濡れだね。というかふとももまで垂れてきてるじゃないか」 「うっ、うるさいわね! ……ひゃうっ!? はうううっ!」 ショーツ越しに硬いものが当たって変な声が出た。 一瞬感じた冷やっとした感触から、ショーツがそれだけぐしょぐしょになってたのがわかる。 でも、それだけに薄い布一枚を挟んで熱くてドクドク脈打ってるものがあるのを感じる。 それがゆっくりと擦れただけでビリビリ痺れる快感がこみ上げてくるけど、こんなものじゃ全然足りない。 こんなの焦らされてるみたいで、かえって体の疼きがひどくなる。 「強気なこと言ってても、これだけぐしょぐしょに濡らしてたら説得力がないねぇ」 「だからそれがうるさいって言うのよ! よっ、余計なこと言ってないで、するんだったら早くしなさいよ!」 「本当に奈菜ちゃんは素直じゃないね。早く入れて欲しいんだったらそう言えばいいのに。でもまあ、今日のところは勘弁してあげるよ。じゃあ……」 「ひゃんっ! ……ふああっ!? ひゃふぅううううううううううっ!」 秋本の指がショーツをずらすのを感じたかと思うと、熱くて硬いのがメリメリッてあそこに入ってきたのを感じた瞬間に頭の中が白く弾けた。 「おやぁ? 奈菜ちゃんったら入れただけでイッたのかな?」 「だからっ……うるさいっての!」 口では強がってみせるけど、こいつの言うとおりだ。 私、おちんちんが入ってきただけでイッちゃった。 全身を貫いた快感の余韻のせいでまだ体の震えが止まらない。 「ふうん。でも、奈菜ちゃんのここは僕のチンポをこんなに締めつけて離さないんだけどねぇ」 「そんなのっ……きゃうっ! きゃふうううんっ!」 アソコの中で熱いのがグリッて動いて、こみ上げてくる快感に大きな声が出た。 快感……そう、私はそれを快感だって認めてしまっている。 さっき自分でしたときにこの刺激は気持ちいいって気づいてしまったから。 いや、栓で弄ったときとは比べものにならない。 こんなに最低な男なのに、こんなやつ大嫌いなのに、この硬くて熱いのでアソコの中を擦られるのはキモチイイ。 「とにかく、奈菜ちゃんのここはすっかり受け入れる準備ができてるみたいだから、僕も楽しませてもらうよ」 「あふううっ! やっ……今動かれたら……はうっ! あっ、あぁんっ!」 私を後ろから抱いた秋本が腰を動かし始めると、アソコの中でおちんちんが暴れはじめる。 快感の波が絶え間なく襲ってきて、私の口からは自分でも信じられないくらいの甘い声が漏れていた。 「すごくいい声出すね、奈菜ちゃん。すっかりエッチが気に入ったのかな?」 「そっ、それはぁっ、あんたのスイッチのせいでっ、エッチな体になってるからぁっ! あんっ!」 「いやいや、奈菜ちゃんがもとからエッチなだけなんじゃないかな?」 「そんなことない! 今度だけ! わたしがっ、栓を抜いちゃったから、今回だけしかたがないのっ! はんっ! それっ、深いっ! あうっ、はううううっ!」 秋本が私の両腕を掴んで、引っ張りながら腰を打ちつけるとさっきまでよりずっと深いところまでおちんちんが入ってくる。 この体勢って逃げ場がなくて快感がダイレクトにっ! アソコのいちばん奥までいっぱいに擦れてゴツゴツって! 「やっ、ふかっ! だめっ、イクッ! またイッちゃっ……イクぅううううううううっ!」 この快感を覚え込まされた体はあっけなく登りつめてまたもやイカされてしまう。 だけど、おちんちんは熱さと硬さを保ったままアソコの中で暴れ続ける。 「やっ、らめぇっ! イッてるっ、イッてるのにそんなの、はげしっ……ひゃうううっ! まらイクぅううううううっ! らめっらめぇええっ! ひょんなされたらっ、わらしっ、おかひくっ、おかひくなっひゃうううっ!」 立て続けに何度もイッてるのか、イッたまま降りて来られなくなってるのか、それすらもよくわからない。 気持ちいいのが大きすぎて、頭と体のキャパを超えちゃってる。 頭の中が焼き切れたように熱くて、舌が痺れてうまく動いてくれない。 それでも、アソコから否応なしに快感が送り込まれてくる。 なんだか……周りがぼやけてなにも見えない。 目の前が白いのか黒いのかよくわからない。 なにも……なにも考えられない。 「らめぇ……もうきもひいいのらめぇええっ!」 「くううっ! 奈菜ちゃん! そんなに締めつけたらっ、もう出るよっ!」 「ふええっ!? ……あふっ、おちんちんおっきくっ!? ……ふあっ! あちゅいのがっ! これしゅごいっ! まらイクッ、イッひゃうううううううううっ!」 アソコの中で擦れるおちんちんがさらに膨らんだような気がしたかと思った次の瞬間、熱いものが奥に叩き付けられた。 お腹の中で爆発が起きたみたいな衝撃が、そのまま快感になって全身を貫く。 「しゅごいっ……熱いのビュクビュクってっ……はううううううっ! やぁ……イッひゃう……こっ、こんなのらめぇ……」 ほとんど意識が飛びかけていて、自分でもなにを言ってるのかよくわからない。 ただ、ビクビク震えるおちんちんから熱いものが噴き出してくるのを感じて、私はまた絶頂に達していた。 「ふうう……すごく良かったよ、奈菜ちゃん」 「ひゃふぅうう……」 掴んでいた私の両手を秋本が離すと、私の体はそのままベッドに倒れ込む 思考はほとんど停止したままで、秋本に言い返すこともできない。 「それじゃあこれは返しておくからね。せいぜい頑張るんだよ」 そう言って秋本がベッドの上になにが投げて部屋を出ていく。 私はしばらくの間、ベッドに突っ伏したまま身動きもできないでいた。 ようやく体の火照りと連続絶頂の余韻が醒めてきて、重い頭を巡らして秋本の置いていったものを見る。 それは、アソコの栓だった。 ……私、どうしてこれを抜いちゃったんだろう? まだうまく働かない頭でそんなことを考える私の目から、熱いものが零れ落ちる。 自分のミスがこんな結果を招いたと思うと、涙が溢れてくるのを止めることができなかった。
|