タクマ学校


 

 



その6


高校生 正木啓一


 ふと教室が騒々しくなっているのに気がついて、教科書にアンダーラインを引きながら熟読していた僕の集中が途切れてしまいました。また自主学習の時間を、ミツオが潰そうとしてるみたいです。彼の席の周りに人だかりが出来つつあります。本当だったら、先生がそれを制止しなければいけないはずなんですが、川添先生はいつの間にか、男のクセにバレリーナになりきって、黒板の前で跳ね回っています。柿本ミツオが転入してきてからというものの、うちのクラスはすっかり勉強に適さない環境になってしまいました。僕としては残念なことなんですが、同時になぜかとてもドキドキすることだと感じてしまいます。クラス中の誰も彼が催眠術師だということをクラスの外に漏らしたがらないのは、みんなこのドキドキ感を楽しんでしまっているからではないでしょうか。恥ずかしい目に合わされた女子の中にすら、他の女子が次のターゲットになって笑いものになる様を期待してしまっているような雰囲気があります。僕も勉強どころではなくなってしまって、ミツオの席の方に駆け寄りました。彼は自分の席の後ろに立っていました。彼の席に座っていたのは、不安そうな顔で、周りを見回している高城千里でした。高城は眼鏡を外すと純日本的な美形なんですが、とにかく大人しくて内気な性格なので、普段は男子とはほとんど喋らない子です。隠れファンは男子の中にもそこそこいるんですが、なかなかシャイで文学の世界に没頭している彼女と打ち解けられる奴はいませんでした。

「じゃあ、今日はこの千里っちに、思いっきりハジケちゃってもらおうかな? シャイなキャラを打ち破って、明るくなってもらいましょー。」

 周りの男子が囃し立てます。女子も意外と悪ノリして「イエーイ」とか言いながら拍手しちゃってるヤツが結構います。高崎はもう泣きそうな顔になってて、ミツオにお願いしていました。

「あの、柿本君、私・・・そんなの、いいです。・・だって・・」

「ほら眠ってー。」

 ミツオが問答無用で指を鳴らすと、話の途中だった高崎が、そのまま目を閉じて、椅子の背もたれにガクンと体を預けちゃいました。あまりのあっけなさに、みんな笑っていますが、僕らだって多分ああなっちゃうはずです。このクラスはもう全体が、彼の催眠術の遊び場になってしまっているのだから、どうしようもないんです。ミツオは机の中から、アルコールランプを取り出すと、火をつけて、高崎の顔の前に突き出しました。もう片方の手で、彼女の眼鏡を外します。

「千里ちゃーん。可愛いお目々を開けてくださ〜い。この炎をよく見てね。一見何の変哲もない理科室のアルコールランプ。でもこの火が揺れるのをよーく見てると、千里ちゃんはとってもリラックスしてきます。気持ちいいねー。ところで千里ちゃんは嘘って好きですか? 嫌いですよねー。大嘘つきは大嫌いでしょ。みんなそうだよねー。もちろん千里ちゃんは正直ですね。きょうはいつもよりもさらに、とーっても正直な千里ちゃんになります。」

 高城が若干寄り目になりながら、揺れてる日をまじまじと見つめます。

「この火を見ていると千里ちゃんはとーっても正直になります。どんな質問にも本当のことを、1秒も躊躇わずに答えるようになりますよ。わかりましたね。」

「はい・・。」

「千里ちゃんはどんな子ですか?」

「千里は・・正直な・・子です。」

 口がポカンと開いたまま、呆けたような顔で火を見つめる高崎は、完全にミツオの術中にはまっちゃってるみたいでした。

「ではでは、千里っちの秘密を全部曝け出しちゃう、インタビューのお時間です。千里ちゃん。まずはみんなの前で大きな声で、自分のサイズを告白しちゃいましょう。あなたの3サイズは上からいくつですか?」

 一瞬高崎の呆けた表情が曇ったけれど、ミツオがアルコールランプを突きつけると、一層寄り目になって火を見つめながら、高崎は答え始めました。

「は・・はい。上から・・78、・・59・・80・・です。」

 男子が「オォーー」と低い声をあげる。本当を言うと、僕はこのサイズが普通と比べてどうなのかということはよくわからないけれど、いつもの、恥ずかしがり屋の高城の口から、彼女の体の秘密を聞けたということに、どこか得したような気がして、興奮してしまいました。

「正直に質問に答えると、気持ちがいいですねえ。千里ちゃんは、一つ質問に答えるごとに、身に着けているものを一つとっていきますよ。なぜかわからないけどそうしたくてしょうがない。ほら、ミツオ君のいうとーりになっちゃう。」

 ミツオがランプをゆっくり上に上げていくと、つられるように高城は立ち上がって、炎を見つめたまま、上履きを脱いでいきました。

「正直に何でも答えると、どんどん身軽になれますよー。さてさてお次の質問は?」

 ミツオが周りを見回すと、男子が調子に乗って手を上げて、高崎に順番に質問をしていきます。高崎は自分のブラジャーのサイズがAカップであることも、ブラジャーを着け始めたのが小学6年の時からだということも、今は好きな男子が小説の主人公しかいないということも、そして実際の男子は怖くて、初体験どころか、まだファーストキスもしたことがないということなどを、全部自分で暴露してしまいました。どんどん質問が浴びせられていくうちに、靴下もジャケットもリボンも、シャツもスカートも脱いでいってしまい。透けるように白い肌が、すっかりみんなの目に晒されてしまいました。下着は真面目な高城らしい純白です。

「ハーイ。私も質問でーす。」

 調子にノって、女子の工藤までが手をあげました。ミツオが指名すると、社会見学で質問をする元気な生徒みたいな素振りをしながら、嬉しそうに高崎を追求しました。

「えっとー、千里は男の人とキスもしたことないって言うけど、男の人のこととか考えて、エッチな気分になったりすることってありますか? あと、もしエッチな気分になったら、その時どうしますか?」

「って二つも質問してんじゃん。まあ今日は大サービス。千里っち、身も心も素っ裸になっちゃおー! さあ大きな声で正直に答えましょー!」

 ミツオがみんなを煽りながら高城をけしかけると、下着姿で気をつけの姿勢になってる高城は、アルコールランプの火を凝視したまま、いつも聞いたことがないような大きな声で答えました。

「は・・、あの・・はい。あります! その・・ちょっとエッチな気分になります。・・・あの、大人向けの小説とか、たまに・・そんなつもりで読んでいるものじゃなくても、ヤラしいシーンとかあって・・。生理の前とかだと・・特に、ちょっとだけ、エッチな気分になります。そういう時は・・布団の中で・・ちょっとオナニーしたりします。」

 言い終わらない内に、高城は手を背中に回すと、ブラジャーのホックを外して、男子がみんな息を飲んで見守る中、ブラジャーのカップを胸から外していき、小ぶりでおわん型の形のいい胸をみんなに披露してしまいました。腕は体の横につけて、胸を隠そうもしていません。白くて丸い胸の真ん中に、ほとんどないぐらいの乳輪と、肌色の乳首がついていました。男子だけでなく、女子もなぜか興奮して高城の操られる様を見守っています。僕のクラスはみんな、誰かがミツオに操られていると、凄く興奮してしまうようになってしまっているんです。

「千里は身も心もスッポンポンになるんだって、言ったでしょ。もっと正直に、元気よく暴露しますよ。千里は何も隠せない。千里、本当にちょっとだけエッチな気分になるの?」

 一瞬だけ、前髪に火がついちゃうんじゃないかというぐらいアルコールランプを高城の目の前に突きつけて、ミツオが質問をすると、高城の目が大きく開いて、背筋もさらにピンと伸びると、高城は大声を出しました。

「ほ、本当は、ちょっとだけじゃなくて、凄くエッチな気分になります! 私は何度もその小説のエッチなシーンを読み返していますし、毎週1回はオナニーします!」

 クラス中の爆笑の中、高城は勢いよくパンツを下ろして、淡くてカールした下の毛まで出してしまいました。僕らは腹を抱えて笑いながらも、高城がパンツから足を抜く時に見える、ツルンとしたお尻や、ちょっとくすんだピンク色のアソコの一部をしっかりと目に焼きつけました。

「さー、綺麗さっぱり、千里ちゃんは秘密のベールを剥ぎ取ることが出来ました。千里ちゃんはもうすっかりみんなに本当の自分を曝け出すことが出来ましたね。とってもいい気分でしょ? ほらこの豆乳首も、チヂレ気味の陰毛も、ムッツリスケベな性格も、みんなにわかってもらえて、す〜んごい嬉しい。そうでしょ?」

 高城の顔がまた呆けたようになって、だらしなく笑みをこぼしました。

「はい。・・ふふふ。嬉しいです。」

「千里っちは、この嬉しい気持ちが忘れられなくなるよ。みんなに積極的に本当の自分を曝け出す、ちょっとエッチだけどとっても素直な、ポジティブ人間になるんだ。小説じゃなくて本当の男子にも積極的にアピールしたくなるよ。色んな男子と、色んなエッチなことを試したくなるんだよ。そうでしょ?」

「え・・・で、でも・・。」

 急に高城の表情が曇りだしました。頭を抱えて首を左右に振りながら、泣きそうな顔になると、ちょっと目に正気が戻ってきてるようにも見えました。

「どうしたのかな? 僕が指を鳴らすとまた深−い眠りに入るよ。ほらパチン。」

 全裸の高城がミツオの腕にダランと寄りかかりました。ミツオはアルコールランプを机に置いて、高城をゆっくり椅子に座らせました。

「千里ちゃんは相変わらずとても正直ですよ。千里ちゃんはミツオ君の催眠術にかかっていて、なんでもミツオ君の言う通りになっちゃうんです。僕がそう言ったんだから、千里ちゃんはいっぱい男の子とエッチなことしたくなってるでしょ?」

「はい。エッチなことしたいです。でも・・やっぱり凄く怖いです。したいけど男の人が怖くて・・考えてると頭がどんどん痛くなります。」

 ミツオはマンガの登場人物みたいに両手を左右にあげて「お手上げ」のポーズをとると、近くの男子に話しかけました。

「千里ちゃんはよっぽど怖がりみたいだね。本当は勢いに乗せてノリで乱交までもってくっていう、スピード感溢れる脚本だったんだけど、ちょっと作戦変更ね。」

 ミツオはゴホンと偉そうな咳払いを一つして、素っ裸のまま椅子に身を委ねてる高城の耳もとに顔を寄せると、口調を変えて呼びかけました。

「千里ちゃんは今から、さらに深い催眠状態に入っていきます。ゆっくり目を開けて、またアルコールランプの火を見ましょう。炎が揺れるのをみていると、心がどんどんあったまって、今よりもさらに柔らかくほぐれていく。どんどん奥深くまで、僕の声が届いていくのがよーくわかる。千里ちゃんの深層心理の奥底にまで、僕の言葉が刷り込まれていきます。刻み込まれていきます。それはとってもいい気持ち。そうですね?」

「はい・・いい気持ちです。」

 蕩けたような顔つきで、高城が答えます。

「千里ちゃんは、男子とエッチなことをするのが怖いですか?」

「・・・はい。怖いです。男の人が怖いです。」

「深―い催眠状態に落ちている千里ちゃんは、これまで自分でも気がつかなかったことも、全部答えることが出来ますよ。千里ちゃんは本とか一杯読んでるから、世の中には怖い男の人ばっかりじゃないってことは知ってますよね? でもどうしても怖い。じゃあどうして、男の人が怖くなったんですか?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・テレビ・・。」

 高城はしばらく呆然とした顔で火を眺めていて、突然小声でつぶやきました。

「はい? しっかり思い出してきましたよ。どうして男の人が怖いのか、正直に説明してみましょうね.」

「正直・・・はい。千里は正直な子です・・・。幼稚園の頃、家に帰って、子供の番組を見ようとしてたら、違うチャンネルで・・カンフーの映画がやってました。男の人たちが凄く乱暴に戦ってて・・血とか一杯出てて・・みんな怖い顔で大きな声出してて・・・・・すっごい怖くなって大声で泣きました。すぐにお母さんが来てくれたけど、その時すっごい男の人たちが怖かったです。本当に怖くて・・・。」

 みんな、突然の真剣な雰囲気に、シーンとして聞き入ってしまいました。どうするんだろうと思ってこの状況を見守っていると、ミツオだけが、ニカッと笑って、高城に呼びかけました。

「はい。よくわかりました。千里ちゃんはテレビでやってたカンフー映画を幼稚園児の時に見て、トラウマになっちゃってたんだね。原因さえわかればもうミツオ様のもんです。タクマ流催眠術のプロ、ミツオ様の手で、今日千里っちのトラウマは癒しちゃって、イメチェンまでしてあげましょー。はい、千里ちゃん、スタンドアップ!」

 ミツオが指を鳴らすと、弾かれたように高城が立ち上がりました。ミツオが教室の後ろのスペースに彼女を連れてきます。身を隠すものを何もつけずに、直立不動になっている高城をおいて、ミツオは棚に駆け寄ると、しばらくカセットを漁って、ラジカセと一緒に持ってきました。

「いい? 千里っち。千里っちは今日で男性恐怖症を克服しちゃいます。なぜなら、あなたは、トラウマだったカンフー映画の登場人物以上のカンフーの使い手に変身しちゃうからです。もしも怖い映画で見たような乱暴な男の人がまたあなたを怖い目に合わそうとしたって、あなたが世界一のカンフーの達人なんだから、誰もあなたに適わないんです。僕が変身させる限り、何も怖くない。ほら、音楽が鳴り始めると、千里は最強のカンフーマスターになりますよ。ポチっとな。」

 ラジカセから、「燃えよドラゴンのテーマ」が鳴り始めると、高城の表情が一変して、急にアクションスターみたいに強面の顔を作り始めました。音楽に合わせてファイティングポーズをとると、細身の体を隠そうともしないまま、空手かカンフーか何かの真似を全身で始めます。

「ほら、敵が来た。楽勝でやっつけろ。チサト・リー!」

「アチョー! チョー! トゥ!」

 シャイで普段大声なんか出さないはずの高城が、大口を開けて奇声を上げるのを見て、みんなもまたおお盛り上がりになりました。ミツオの煽りたてるままに、高城は奇声を上げながら、全裸で見えない敵を片っ端から倒しているつもりになっています。足を高く上げて蹴りを出すたびに、アソコが丸見えになって、みんなが声を上げます。

「アーァァ、ハチョー!」

 決めのポーズで勝利をアピールする高城に、みんな大笑いで大きな拍手を送りました。ふと気がつくと、ミツオはギャラリーの中に入りこんで、さっきの工藤を立ち上がらせようとしていました。

「ちょっと、何で私? なにを・・。」

 工藤の目の前でミツオが指を鳴らすと、工藤はあっという間に大人しくなります。工藤の耳もとに何か囁いた後で、ミツオがプロレスの司会者みたいな口調で、高城に呼びかけます。

「さあ、チサト・リー、次の敵はコイツだ! 乱暴そうな男だぞ! ヌンチャクの使い手だ!」

「ホチョー!」

 工藤は奇声を上げると、見る間に上着を脱ぎ捨てて、ブラジャーも外すと、映画のヌンチャク使いみたいにブラジャーを振り回したり持ち替えたりしながら、高城を威嚇し始めました。工藤はなかなかの巨乳タイプで、ブラジャーをぶん回すとタプタプと胸が左右します。僕らギャラリーは男子も女子も、一層ヒートアップして二人を応援しました。

「チサト・リー、コイツはなかなかの強敵だ! ここは酔拳を使おう。酔っ払いの真似をしながら戦う技だぞ!」

 ミツオに言われると、高城は険しい表情が途端に緩んで、両目の黒目が上にあがって寄り目になると、急に千鳥足になって、ヨロヨロとフラつき始めました。口では相変わらずカンフーっぽい掛け声を出しているけど、口の端からはベロをだらしなく出して、ただの裸で泥酔してるオッサンみたいな素振りになってしまいました。ミツオが同じように声をかけると、工藤まで酔拳を始めて、なんだかとても戦っているようには見えない状況になってしまいました。

「ヌンチャク使いのヒロミ・チェンが弱ってるぞ! 必殺の豆乳首パンチだ。オッパイでビンタしろ! ちっちゃいオッパイでもビンタだ! ワン、ツー!」

 高城が大真面目で胸を揺すりながら工藤を攻撃している光景は余りにも間抜けで、僕らは床に転がって笑ってしまいました。

「ヒロミ・チェンがダウンだ! チサト・リーは強い! 邪魔する奴は乳首先一つでダウンだー!」

「ホアァァァー!」

 工藤がゆっくりと床に倒れて、高城が嬉しそうに勝利のカンフーポーズを取ると、みんなの興奮と笑いは最高潮に達しました。両手を高々と上げて、一本足になって、鶴みたいに決めポーズをとってる高城は、完全に僕らの知っている高城とは別人だと思いました。

「はい、千里っち、お疲れー。眠っちゃおうーか。浩美はそのまま催眠から醒めます。ハイ、パチン。」

「ちょっと、ヤダッ、私の服は? どうなってるの?」

 さっきは調子にノって高城に質問してた工藤は、赤くなりながら、ブラと上着を取りに右往左往し始めます。ミツオは高城を支えながら、席に戻りました。

「はい、千里ちゃんはカンフーで、乱暴な男たちを次から次へとやっつけました。みんな血も出てないし、気絶させられただけで、そんなに傷ついてないですよ。千里ちゃんの腕前があれば、怖い男たちが来ても、怖い事態にはならないんです。カンフーマスターの性格は、千里ちゃんの意識の深―いところに隠れちゃいましたが、普段でも、男の人が怖いという思いは、もう感じませんね。」

「・・・はい・・。もう怖くないです。」

 高城はさっきとはまた一転して穏やかな表情になっています。

「もう、男の人は怖い存在ではないです。男の人は、千里をエッチな気持ちにしてくれる、千里の大好きな存在です。」

「はい。大好きです。」

「千里はクラスの男子が大好き。クラスの男子の言うことは出来るだけ聞いてあげたい。みんなに気持ちよくなってもらいたい。そうしたら、千里も気持ちいい。そうですね。」

「はいそうです。千里は男子みんなと、気持ちよくなりたいです。」

 高城の呼吸が、激しく運動していたさっきよりも荒くなってきました。体がモゾモゾと、もどかしげに動いています。

「男子だけじゃありませんよ。千里は求められれば女子にだって、とことんエッチな自分を曝け出しちゃいます。恥ずかしいことがなくなっちゃうんじゃないですよ。千里は恥ずかしいがりながらも快感をむさぼるんです。いつでもどこでも、誰とでも、恥ずかしい自分を、エッチな自分を正直にみんなにアピールしましょうね。そうするたびにすっごい幸せな気分になれる。さあ僕が指を鳴らすと、千里のバラ色の学園生活が始まりますよ。ほら、パチン。」

 ミツオが高城に眼鏡をかけてあげて、指を鳴らすと、高城は、真っ赤な顔のまま、嬉しそうに周りをキョロキョロと見回します。僕らクラスメイト一人一人を、幸せの絶頂みたいな表情になりながら、潤んだ目で顔から股間からジロジロと見つめてきました。それまで処女だった高城は、それから半月も立たない間に、クラスの男子全員とエッチをしてくれました。彼女のおかげで、うちのクラスはさらに団結が強まったんですが、僕が心配したとおり、みんなの勉強の時間はさらに縮まったのでした。




高校生 藤田キヨヒコ


 駅近くの駐車場のトイレにつくと、梢は躊躇せずに僕に続いて男子トイレのボックスに入って、手際よく制服を脱いでいく。人気のない、悪臭の漂う公衆便所の中で、かつての僕らモテない男子の高嶺の花だった梢が、僕の要求に忠実に、脱衣していく。制服の下には、ブラとパンツが一体化した、荒い網タイツ柄のボディストッキングが現れる。商売女ぐらいしか身に着けないような、破廉恥な下着だ。

「キヨヒコ君。梢のイヤらしい姿を、しっかり見てください。」

 障害者用の、少しだけ広めのボックスの中で、発情したみたいに顔を上気させてる梢が、Mっ気を出しながらお願いしてくる。この子は本当に、僕と付き合い続けるためならどんなことでもするつもりらしい。僕の気まぐれの注文に、必死になって合わせて、自分を僕の好みのタイプにぴったしマッチさせようとしている。その思い込みの深さのせいか、時々自分が本当に彼女のご主人様にでもなったような気がしてくる。思いつきでSMっぽくしようと決めたのに、なんだか今の僕らにはしっくりくるシチュエーションみたいだ。

「イヤらしいとか自分で言っちゃってるけど、秋山さん、勘違いしてない? そんな貧乳見せつけられても、全然色気とか感じないんだけど。ここ一ヶ月、さんざん揉んであげてるのに、その乳、全然成長してないじゃん。」

「そ、そんな、ゴメンなさい。許して下さい。」

 僕が苛めると、ボディータイツを気分たっぷりにお腹まで下ろしつつあった梢は、目に涙を浮かべて謝る。彼女にとって、僕に嫌われるということは、死ぬことよりも辛くて恐ろしいことなんだって、藤堂さんは言っていた。梢も本気でそう信じきっているみたいだった。

「ゴメンなさい。私、キヨヒコ君が大きいのが好きなら、手術受けて大きくするから。EカップにでもFカップにでもしてもらうから、だからそれまで待ってて下さい。貧乳でも梢を捨てないで下さい。」

 目に涙をためて、梢が土下座する。汚れた床に這いつくばって、惨めなお願いをしている梢は本気だ。今の梢だったら、僕が許可すれば、僕のために豊胸手術だろうと、売春だろうと、犯罪だろうと、嬉々としてやると思う。そう考えると、藤堂陽子の催眠術の威力は、僕も怖くなるぐらい凄いものだ。陽子にお金を払って、梢を僕への愛の虜にしてもらった、この僕も怖くなるぐらいに。

「シリコンばっかの巨乳なんて御免だよ。まあ乳は相変わらず小さいままだけど、秋山さんのケツの穴は最近随分入れやすくなってきてるから、許してあげるよ。さっさとそれ全部脱いじゃってよ。」

「は、はい。ありがとうございます。」

 僕に許してもらった梢は、ドキッとするぐらい可愛らしい、満面の笑みを浮かべて、タイツを脱ぎ捨てる。陰毛が前の部分だけ小さなハート型に整えられて、残りは全部綺麗に剃ってある。こないだのプレイの痕跡だ。かつて僕と一緒に彼女に憧れてた級友たちの誰が、彼女が今こんなことになってるって想像するだろうか。男子便所の障害者用ボックスで、クラスで一番女子に人気がないとされている僕に、惜しげもなく肢体を晒す学級委員のこの落差が、いつもながら僕を激しく興奮させる。

「ぼけっと突っ立ってないで、早くマンコをしっかり開いてみせてよ。してほしいことがあるんでしょ。」

「は、はい。ゴメンなさい。気が利かなくて。梢は、この・・・グロ・・、グロいマンコに、キヨヒコ君の綺麗なおチンチンを、ぶち込んで欲しいです。お願いします。」

 梢が地べたに座り込んで、恥ずかしげもなく足を開いて、右手でアソコを左右に引っ張ると、クチュっていう音がして、もう既に濡れている秘部が露わになった。僕に見られているだけで、挿入準備完了になるぐらい、梢の体は感度も濡れ具合もよくなっている。便所特有の悪臭の中で激しいペッティングもする気になれないので、前戯なんてとばして、さっさとインサートすることにした。洋式便器のふたを開けて、便器の端に直接梢の両手をつかせて、尻をこちらに向けさせて両足を思いっきり開かせる。尻を思いっきり高く突き上げさせると、梢の頭は、便器にずっぽり入り込んじゃうんじゃないかというぐらい、低い位置になった。僕はそんなことは気にせずに、ズボンと白いブリーフを膝まで下ろして、こり固まった一物を後ろから挿入した。最初ちょっとした抵抗があって、途中からズリュッと奥に入り込む。梢の体内の熱い粘膜が、握り返すように僕のモノを包み込んだ。陽子の催眠術と連日の僕とのセックスのせいで、梢の体は前戯なしでも即ヤレるような、性交マシーンに改造されつつあるんだ。

「しまった、秋山さん。僕昨日、風呂入るの忘れてたよ。僕のモノには一杯チンカスついちゃってたみたいだけど、そのまま入れちゃったよ。秋山さんの体の中、バイキンだらけになっちゃうかな?」

 僕がSMちっくな気分を盛り上げるために、言葉責めをしてみると、秋山さんは、辛そうな体勢を保ちながらもこちらを向いて、色惚けしたような顔で答える。

「いいの。キヨヒコ君のものだったら、何でも梢の宝物だから。カスでもなんでも、もっと梢になすり付けて。もっと梢を汚して。・・・アッ・・ああ・・。梢幸せ・・・。」

 僕が梢の答えに満足して腰を突き立てると、梢も心底嬉しそうな声を、ため息混じりに漏らす。彼女と付き合い始めたばかりの頃とは違って、僕も随分、インサートからフィニッシュまで長持ちするようになった。パン、パンと景気のいい音を立てながらも、まだ会話を続けることにした。

「梢・・、君の・・・夢は何だったっけ?」

「私の・・ハァッ・・夢は、・・キヨヒコ君と、ずっと一緒に暮らすことです。・・・・結婚してもらえなくても・・いいから・・アハァッ・・、召使でも、奴隷でもいいから・・・ずっとキヨヒコ君の・・そばにおいてもらうことです。キヨヒコ君が・・望むんなら・・風俗とかビデオとかで・・・アァァン・・お金稼いだりして・・キヨヒコ君の・・・負担にならないように・・・するから・・・」

 いつの間にか、梢の方からも尻をこっちに打ち付けてくる。腰を激しくグラインドさせる。腕が苦しそうにブルブルふるえているのにも関わらず、自分からさらに強い快感を求めて、腰を激しくグラインドさせる。二人して獣みたいに荒々しく腰を打ちつける。

「違うよ・・それは、君の・・今の夢だろ・・。4月の始めに・・、みんなで自己紹介カードを・・書いた時には、・・梢はなんて言ってたんだっけ? その時の文章を出来るだけ忠実に・・・思い出して言ってみてよ。」

「はぁ・・それは、・・あの・・・旅行代理店でのツアープランナーか・・経営コンサルタントです・・・。私は・・アァッ・・・人にものを教えるのが好きだし・・・ハッ・・一流のキャリアウーマンというものに・・・アッ・・・憧れているので・・・将来は・・一杯・・勉強して・・・・はぁぁん・・・男の人に負けないように・・・ビジネスの・・第一線で・・・活躍・・した・・あぁぁぁあ! ・・駄目・・イッちゃう・・・もう・・・あぁ・・。」

 薄暗く、悪臭のこもった便所の中で、便器に手をついてバックで犯されながら、僕らのアイドルは、以前の希望に満ち溢れた将来の夢を語ってくれている。でも梢自身に言わせると、それは他人の目と自分のプライドを天秤にかけて弾き出したようなもので、本当の自分の夢じゃなかったそうだ。だったら今の現実の方が、梢にとってはずっと幸せなんじゃないかと、僕も思う。自分が心底惚れ込んだ最愛の人と、一生結ばれる人なんて、世の中にどれぐらいいるんだろう? 少なくとも今は、このままどうなってもいいっていうぐらい幸福だ、僕も梢も。僕は家業を継げば収入も人並み以上にあるはずだし、梢を一生大切にしていく覚悟も自信もある。ただ、催眠術なんて、いつ効果がなくなるのか、僕にはわからない。もしそうなったら・・・普段は女子に気持ち悪がられる僕なんかの、素の魅力だけじゃ、梢は僕の許には留まってくれないはずだ。だからこの効果が消えないうちに、梢を頭から足まで、完全に僕のものにしなきゃ、安心できない。少しでも早く、少しでも深く、梢を僕なしでは生きられない存在に堕としきっておかなければ、安心なんてできない。梢には、ちょっとでも早く、僕の赤ちゃんを身ごもって欲しい。何とかして彼女が暗示から醒めないうちに、僕らは結婚するんだ。後戻り出来ないところまで行くんだ。




女子高生 高城千里


「千里っち! 昨日の夜もオナニーしたの?」

 廊下を歩いていると、クラスの男子が後ろから声をかけてきます。

「うん。昨日は柿本君と高木君のこと考えながら、お風呂でじっくりやったよ。あんまり長風呂だったから、お母さんに怒られちゃったけど、すっごく気持ちよかったの。」

 明るい声でにこやかに答えると、近くを歩いてた、違うクラスの女の子たちが、信じられないという顔で、私たちを見てきます。みんな、私があまりにも男子と仲良くお喋りしているので、羨ましいのでしょうか。

「俺たちのことはオカズにしてくれなかったんだ。寂しいな。」

「えっと、それは・・・ゴメンね。じゃ、今晩は、西山君と岡見君のことをオカズに激しいオナニーするわね。」

 私が上目遣いで男の子たちと話し込んでいるのを横目に、さっきの女子はヒソヒソ話をしています。みんな陰でコソコソ話なんかしてないで、正直に素直に自分をアピールすればいいのに・・・。

「でも俺たちは、実はオカズよりも、メインディッシュになりたいんだけどなー、なんて・・・。」

 岡見君がヤラしい冗談を言いながら、私のお尻に手を回してきます。冗談まじりに、しかも友達と一緒に言いにこないと私を口説けないなんて、男子って本当に気が小さくて、可愛い存在ですね。私はお尻をプリプリ振って岡見君の手を受け入れて、自分の胸を岡見君に押しつけてあげながら、西山君の股間を、ズボンの上からちょっと強めに指で弾いてやりました。西山君は「アッ」とか情けない声を上げて跳ね上がって、ヘッピリ腰になっちゃいます。岡見君も、私の襟元から黒いブラを覗き見て、押され気味になっちゃいました。

「私ってば、最近どんどん経験値があがって、グルメになっちゃってるから、中途半端なメインディッシュじゃ、我慢できないわよ。昼休みに、二人まとめて退治してあげちゃうから、覚悟して待っててね。」

 私はちょっとズレた眼鏡を右手でお姉さんっぽくかけなおすと、ドギマギしてる可愛らしいクラスの男子二人を置き去りにして、教室に戻ります。3限目は川島先生の授業だから、きっと隙が出来るはずです。川島パイゴン先生がみんなにサービスしてる隙に、ミツオ君に迫っちゃおう。時々彼が指を鳴らすと、急に自分のしていることが恥ずかしくてたまらなくなったりしちゃうんですが、そんな時以外は、いつも楽しくて気持ちのいいことばかり起こるんです。お昼休みの予定も出来たことだし、今日も充実した一日になりそうです。私は胸を張って風を切りながら、とってもすがすがしい気持ちで廊下を歩いていきました。

 
 


 

 

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