見習い退魔師ユカリ


 

 



2.母を奪還


 きしみながらドアが開いた倉庫の中は真っ暗でしたが、物凄い魔物の気配が充満し、私はあろう事かアソコがキュンと反応してしまい、新たな花蜜がドクンと溢れ出てしまいました。もうパンツで吸収し切れず、冷たい感触がツーと内腿を伝い落ちて、小さな女の子がおもらししちゃったのと変わりません。魔物感度が優れてるためとは言え、戦闘の前に股間を濡らしてしまう私の体の嫌らしさには困ったものでした。

「ユカリ、沢山いるぞ。お前にも見えて来るじゃろう」

 おじいちゃんの言葉に無言でうなずく私。この圧倒的な魔物の瘴気を間違えるはずもなく、まもなく真っ暗闇の中で蠢く魔物達の姿が「見えて」来ました。もちろん人の目には見えない魔物ですから、本当に見えるわけではありません。ですが、大伴家の血を継ぐ人間には、魔物を感知する力が備わっており、おぞましいその姿がありありと視野に浮かぶのです。光源などなくとも構いません。かなり大きな倉庫の床には魔物がビッシリとひしめき合っていました。気の弱い人ならこんな物が見えたら卒倒してもおかしくありません。蛇やミミズのような姿と言えばわかり易いでしょうか。大量の気色悪い肉色の触手が獲物を求めてウネウネと蠢いているのが見えてきました。

 ――誰かいる!

 魔物を退治するだけなら造作もない事ですが、その時誰か人の気配がしました。密かに呻き声が洩れて来るのです。おじいちゃんもそれに気付いたのでしょう。手探りで明かりのスイッチを探していました。その人を傷つける事は出来ませんから。そしてその人はやはり予想通りだったのです。

「明かりを付けるぞ」

 すると眩いばかりの光が出現して、初めは逆に目をパチクリしてしまいました。すぐに慣れた視界には、床一面を埋め尽くして蠢く触手の群れが捕えている人の姿が飛び込んできます。

「香澄さん!」
「ママ!」

 見るもおぞましい触手の群れには興奮して、獲物を狙うハンターのように凝視出来る私ですが、その光景には目を背けたくなりました。退魔師の正装である巫女姿で床に転がされていた母香澄は、触手にまとわりつかれて拘束され、無残にも性的凌辱を受けていたのです。巫女服はほとんど脱がされて、母の美しくも淫らな裸体は縄のように変化した触手によってギチギチに縛り上げられ、胸と股間を守る下着に潜り込んだ大量の触手が嫌らしく蠢き、おまけに口にまで太くて嫌らしい男性器の形になった触手を突っ込まれて言葉を奪われていました。

 ――ママが感じちゃってる!

 ですが、私にとって最も衝撃的だったのは、母がウットリと忘我の表情を浮かべている事でした。それは娘である私にも明らかな、途方もない性の歓びに魂まで奪われたようなエクスタシーを表していたのです。

 一般人には見えない魔物は悪霊のようなもので実体がなく、物理的な脅威はないんですけど、大伴家の人間のような霊能力者は感知するだけでなく、攻撃される危険があるのです。そのため優れた退魔師である母は、「見えない」触手の縄で縛り上げられて動けないのでしょう。いつもなら魔物など簡単に撃退する力のある母ですが、余程強力な敵に不意打ちされたのかも知れません。厳重な結界で封鎖されたこの屋敷の中ですから、まさかと油断していた心のスキを突かれたのではないでしょうか。

 そして魔物を感知し撃退する霊能力は、両刃の刃です。男性の武術家にも引けを取らない母の強靭な肉体は触手縄の強烈な緊縛で封じ込められ、触手に蹂躙される淫らな責めを嫌と言う程感知させれ、悶え狂っているのでした。

「ユカリ、目を背けてはならぬ。しっかり狙いを定めて、魔物を討つのじゃ」

 おじいちゃんの声が聞こえたのでしょうか。その時母も情欲で濃桃色にけぶる目を見開いて、私の姿をしっかりと見据え、魔物の触手で無残に蹂躙されている自分の姿をしっかり見なさいと言ってるような気がしました。恥ずかしいから見ないで、などと言う軟弱な母ではないのです。だから私も挫けそうになる気持ちを奮い起こして、母の乳房と女性器に集中し狼藉を働いている触手達の姿を目に焼き付けました。

 ――コイツら、女の狂わせ方が分かってるんだ。これじゃ、ママだって耐えられるわけがない

 形だけになってしまった胸当ての下に潜り込んだ触手は乳首に巻き付いてブルブル慄え、乳房全体を柔らかく揉みほぐすような動きを見せています。そして股当ての下に集合した触手は、陰核の包皮を巧みに剥き上げて本体に巻き付き、束となって卑猥な男性器様に変化すると母の女性器に侵入して蠢いています。さらに体の下になって見えませんが、排泄器官を責めている触手までいるようでした。

 少し観察しただけで見て取れた触手達の攻撃は、女性を性の快楽で篭絡するのに特化した嫌らしいものでした。「淫魔」と呼ばれる下級魔物の一種で、倒すのは簡単な雑魚ですが、女性のエクスタシーを餌に成長する怪しからぬ魔物であると習いました。

「親玉が隠れとるのかも知れんが、香澄さんを解放するのが先決じゃ。いくぞ!」

 一刻の猶予もならぬとばかりに両手を組み合わせたおじいちゃんは、「臨兵闘者皆陣烈在前!!」と裂帛の気合を込めて印を切ると、床でひしめきあって蠢いていた触手に「気」を浴びせていきます。それは私が知らない引退前のおじいちゃんが優れた退魔師であった事を彷彿とさせる鮮やかな魔物退治の術で、母へたどり着く道を塞いでいた汚らわしい触手の群れはアッサリと消滅し、後には水たまりが残っているだけでした。

 ――おじいちゃんって、こんなに凄い退魔師だったんだ……

 実はおじいちゃん大伴守は入り婿で、大伴一族と血の繋がりはありません。祖母も霊能力に乏しく、男性の霊能力者である守に頼んで大伴家を存続させたのだとか。自分はよそ者だと言う引け目を感じているおじいちゃんは、大伴本流の母に対して、自分の娘なのに「香澄さん」と敬称で呼んでますし、孫である私のことは「ユカリちゃん」なわけです。でも初めて目にするおじいちゃんの魔物退治の技は、母や私に全く劣ることのない見事なものでした。

「ユカリちゃん。思った通り、雑魚じゃったわい。後は、ユカリちゃんがとどめを刺してみんかの」

 床を埋め尽くしていた大量の魔物を一掃して一息入れたおじいちゃんは、すっかり緊張が解けていつもの口調に戻り、母を縛り上げて凌辱している触手を退治してみないかと持ち掛けました。魔物は一種の思念体で実体はなく、鋭敏な体質の母は魔物の思念を受けて苦しんでいますが、気を浴びせれば消滅するのですから危険はないのでしょう。雑魚だと言うおじいちゃんの言葉を信じた私は両手を組んで印を結びました。

「臨兵闘者皆陣烈在前!」

 そして母を雁字搦めに捕縛している触手縄に気を浴びせていくと、塩を掛けられたナメクジのように消えてしまい、自由になった母が身じろぎを始めました。口を塞いでいた触手も消滅させると、母の一言で報われた気持ちになりました。

「ユカリ、ありがとう」

 でもまだ油断は出来ません。今なお、エネルギーを貪ろうと母の乳房と局部に食い付いて活動してる淫魔が残っているのですから。母もさんざん苦しめられた触手を退治してくれと、慄える指で示しています。こんな下級な魔物など一捻りで退治してしまう実力者なのに、うっかり急所に喰らいつかれてしまった自分を恥じる意味もあって、母は真っ赤に火照った顔を恥じらいと怯えで歪めていました。私は、母を苦しめるゲスそのものの触手の群れに憎しみを込めると、まず乳房に巻き付いた淫魔に向けて気を浴びせました。

「ふうんっ!」

 すると洩れそうになった声を、母が手で口を塞いで防いだのです。私の気を浴びた触手は難なく消えていったのですが、母はビューッと液体を乳首から放出していました。

「何、淫魔の最期っ屁じゃ。香澄さんに害はない。ユカリちゃん、最後の本体をちゃっちゃと片付けてやりなさい」

 ――嫌だ! 何これ? オチンチンだよね。でもママが生やしてるみたい

 本体を退治しようと目を向けた私ですが、さすがにギョッとして躊躇っちゃいました。母のエクスタシーで成長を遂げた触手が大きな男性器に擬態して、股当てから完全にハミ出ていたのです。でも、気になったのは、オチンチンの亀頭部が外に向かっており、まるで母が生やしているように見えた事です。触手なら退治出来ますけど、母の身体の一部では、と躊躇った私をおじいちゃんは笑いました。

「はっはっは。ユカリちゃんが恥ずかしがるのも無理はない。男のナニにそっくりじゃからの」
「ユカリ、大丈夫よ。早く討って」

 おじいちゃんにからかわれましたが、私は決して「おちんちん」を恥ずかしがってるわけではなく、母の体と一体化してるように見えたので、母を傷つけてしまう事を恐れていただけなんです。それどころか、魔物に反応してしまう嫌らしい体の欲情が凄くて、乳首とクリちゃんはもうビンビン。アソコからドクドクとオシッコ同然の体液を垂れ流して、床にボタボタとこぼしちゃってるイケない子なのでした。もちろん、そんな事言えるわけはありません。

 ――私処女なのに、「おちんちん」に興奮しちゃうなんて……ママも大丈夫って言ってるし、やっちゃえ!

 私は異常な欲情をぶつけるように、「おちんちん」に擬態した触手の魔物目掛けて気を放出しました。すると、ソレが一瞬ビクビクッとおののいてブシャーッと精液? を発射し、母があられもない歓喜の声を絶叫したのですが、次の瞬間綺麗に消えていました。

 
 


 

 

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