僕の彼女は催眠術をかけたときしか素直になってくれない


 

 



最終話

そして、初めての……





 で、中間テストも終わり、その成績が帰ってきた日。

「すごーい! どうしたのケンタ? 今までの最高点じゃない?」

 ベッドの上に並んで座って僕の点数を見た優帆が驚きの声をあげた。
 それもそのはずで、全科目の合計で今までのテストで取った最高点を28点も上回っていた。
 ……それでもまだ優帆には大差で負けてるんだけどね。

「まあ、わからないところをかなり優帆に教えてもらったから」

 今回の試験前、僕の部屋で勉強してる優帆につき合って一緒に勉強してた。
 で、理解できてなかったところをみっちりと教えてもらった。
 ついでに、こと勉強のことになると優帆はかなりスパルタだっていうのも身をもって思い知ったけど。
 ていうかそういうときは普通に話せるのに、どうしていちゃつくときは催眠術をかけないとまともに話すことすらできなくなるんだよ?

 ただ、そうやって僕も勉強を頑張ろうって思ったのは、心に決めたことがあるから。

「あのさ、僕も優帆と同じ大学受けようと思うんだ」

 それが、この間優帆の話を聞いて出した結論。

「えっ? でも……」

 優帆の、ちょっと驚いた顔。
 それもそうだよね。
 僕の成績だと、これからかなり頑張らないと優帆の志望校には入れない。
 だけど、これはもう決めたことだから。

「せっかく幼稚園からずっと同じところに通ってたのに、大学だけ別々なんて癪じゃんか」
「そんな理由で? 別にひとり暮らしするような遠いところ狙ってるわけじゃないし、あたしもケンタも今までどおり家から通うでしょ。だったら家に帰った後は今と変わらないじゃない?」
「だけど、優帆とできるだけ一緒にいたいしね」

 もちろん優帆と同じ大学に行って、なるべく一緒の時間を過ごしたいっていう思いもあった。

「ちょっ、なに恥ずかしいこと言ってんのよ!」
「だってそう思ってるものはしかたないじゃん」
「……でも、同じ大学に行っても学部が違ったらいつも一緒にいられるわけじゃないよ。それにあたしは外国語系志望だけどケンタは情報系でしょ? あそこのシステム情報学部ってかなり難しいはずだよ」
「それでも頑張るよ。……この間、あっちの優帆のときに話してくれただろ。僕にふさわしい彼女でいるために頑張らなくちゃって思ってるって。だから僕も、優帆にふさわしいカレシでいたいなって思って。優帆のカレシでいる資格というか、そのための証みたいなものが欲しいんだ。だからそのために、勉強を頑張って優帆と同じ大学に入りたい」

 この間の話を聞いて思った。
 もちろん優帆と……って、主にあっちの優帆とだけど、一緒にいちゃいちゃできるのは幸せだけど、それに甘えてちゃいけないって。
 この先もずっと優帆といちゃいちゃラブラブでいるために僕ももっと頑張ろうって思った。
 一緒の大学に入ろうっていうのは、そのための僕の決意宣言みたいなものだ。

 だけど、僕の話を聞いた優帆の頬がポッと赤く染まっていく。

「ケンタ……」
「とにかく、それだけ優帆のことが大好きだってこと」
「ちょっ! まっ、また恥ずかしいこと……! んっ!? んむむっ!?」

 顔を真っ赤にしてる優帆を抱きしめて、その唇を奪う。

「んっ! んふっ、むむっ! ……んっ、んちゅっ!?」

 いきなりのキスに驚いたように、優帆は大きく目を見開いている。
 その唇の隙間に僕の方から舌を潜り込ませて、優帆の舌と絡め合う。
 素直モードのときは優帆の方から積極的に舌を絡めてくるから、僕がリードするキスっていうのもすごく新鮮だったりする。

「ちゅむっ、んふ……ん、あふ、れるっ、んちゅむ……」

 舌を絡め合っているうちに、僕の腕の中で強ばっていた優帆の体から力が抜けていくのがわかる。
 それに、おそるおそるといった感じで優帆の方からも舌を絡めてきた。

「んっ、んんっ、えろ、んむ……んっ、ちゅる…………んむっ!? んんんんっ!?」

 目を閉じ、体を預けてキスに集中し始めた優帆のブラウスの裾から手を突っ込むと、ブラを跳ね上げておっぱいを掴む。

「……ふぁっ! ちょっ! やだっ、ケンタったらなにしてんのよ! あんっ、はんんっ!」

 いきなり胸を揉まれた優帆がキスを中断して抗議してくる。

「でもさ、この間一緒にお風呂に入ったときに好きなだけおっぱいを見ても触ってもいいってあっちの優帆が言ってたじゃん」
「やっ、それはっ! ……ああぁんっ!」
「じゃあ、触ったらダメなの?」
「だからそれはっ! はぁんっ! ……もうっ、ケンタの意地悪! そっ、そんな風に言われたらダメって言えないじゃん! ……あんっ、はぁあああんっ!」

 いや、僕が意地悪なんじゃなくて普段の優帆が素直じゃないだけだと思うけどな。
 だいいち、さっきからそんなに甘い声出してるし、乳首だってこんなに固くなってるじゃん。

「やああっ! ダメッ! コリコリ乳首っ、感じすぎて弱いからだめえええええぇっ!」

 そっか、このコリコリ乳首が弱かったのか。
 じゃあ遠慮なく。

「あぁんっ! ふぁああああっ! やんっ、ダメって言ってるのにっ! あんっ、やぁああああんっ!」

 固く勃起した乳首を指先で摘まんだり弾いたりすると、優帆が甘い声をあげて派手に喘ぐ。

 うーん、これクセになりそう。
 だって、こうやって悶えてる優帆がすごくかわいいんだもん。

 そんな感じで優帆のおっぱいをずっと弄ってたら。

「やだっ! あたしイクイクッ! もうイッちゃううううううーっ!」

 僕に抱きかかえられた優帆の体がビクビクッて跳ねるように震えた。
 そのままその場にへたり込んだ優帆が僕を見上げてくる。
 放心したようにボーッとした表情で、だけど頬を紅潮させてうるうると震える瞳でこっちを見つめる優帆はドキッとするくらいかわいかった。
 それに、その潤んだ瞳は素直モードの優帆が発情してるときと同じ目だ。

 ……ということは。

「優帆、もしかしてエッチしたいの?」

 そう言うと、僕はしゃがみ込んで優帆のスカートの中に手を潜り込ませる。
 指先が触れた優帆のパンツは、もうぐしょぐしょに濡れていた。

「優帆のここ、もうこんなに濡れてるよ?」
「やだっ! もっ、もうっ、ケンタったら……!」

 そう言って、優帆は両手で顔を覆う。

 だけど、僕はもう知ってるんだ。
 こっちの優帆もあっちの優帆もどっちも優帆なんだって。
 別人かと思うくらいに性格が違ってるように見えても、結局は同じなんだって。

 だから、優帆のここがこんなにぐしょぐしょに濡れてるってことは……。

「優帆もエッチしたくなってるんでしょ?」

 僕の言葉に、優帆は顔を覆ったままなにも応えない。
 だけど、きっとそのはずなんだ。

 だから優帆のパンツの中まで手を突っ込むと、濡れ濡れになったアソコに指を入れた。

「……ぃぅっ!」

 その瞬間に、優帆の体がピクンと震える。
 それでも顔を手で覆ったまま、声を押し殺してるみたい。
 だけど、アソコから溢れてきたエッチな汁で僕の手はすっかりヌルヌルになってる。

 ……ホントに素直じゃないんだから。

 そのままアソコの中を指で掻き混ぜてると溢れてくるおツユの量はどんどん増えていって、あっという間にスカートに染みができるくらいの大洪水になった。
 そこで、もう一度尋ねてみる。

「エッチしたくないんだったらもうやめようか?」

 すると、優帆は両手で顔を覆ったままふるふると首を横に振った。

 やっぱりエッチしたいんだ。
 それでもその返事が精一杯だなんて、僕の彼女は本当に恥ずかしがりやで、そして素直じゃない。
 だけど、そんな優帆のこともかわいいと思う。

「じゃあ、エッチしたいんだね?」

 その言葉に、やっぱりなにも言わないまま縦に首を振る。
 まだまだ素直になったって言えないけど、僕にはその反応だけで充分だった。

 ズボンを脱いで手早くコンドームを着けると、優帆のパンツを脱がせてアソコにチンポを当てた。

「行くよ、優帆」

 僕がそう言うと、優帆は相変わらず顔を覆ったまま小さく頷いた。

 だから、そのまま優帆のアソコの中にチンポを突き入れる。

「……ひぅっ! ……っ! ……んんっ!」

 奥までチンポを突き入れると、優帆の体が軽く弓なりに反る。
 それでも、必死に声を噛み殺しているみたいだった。

 僕はいったん出口近くまでチンポを引くと、もう一度奥までズンと突く。

「……ぅぅぅっ! ……ぁんっ!」

 顔を覆った手の下から、必死に押し殺した喘ぎ声が聞こえる。

 ホントに素直じゃない。
 でも、すごくかわいい。

 チンポでアソコを突くたびに体をプルプル震わせて、声にならないよがり声をあげる優帆がかわいくてたまらない。
 本当に、なにもかもが新鮮だった。
 だって、素直モードじゃない優帆とセックスをするのはこれが初めてなんだから。

 恥ずかしさで縮こまってるのか、いつもよりも優帆のアソコの中がきつい気がする。

「ぃぅっ、ぁぁっ! んっ、ぁぅっ、ぃっ、ぃぁっ……!」

 そのきつきつの中をズンズンと突くと、顔を隠した優帆が声を殺して喘ぐ。

「ぁぁぅっ、ぁぅっ、ぁぁっ……っ!」

 今日の優帆の中、本当にきついや。

 アソコのきつさと、恥ずかしそうに顔を覆って悶える優帆のかわいさに興奮して、自分でもチンポがいつもよりも膨れてるような気がする。

 ……あれ?
 今、奥の方に……?

 チンポの先が優帆の奥にゴツッて当たったような感触がした。

 すると……。

「ふぁああああああんっ!」

 さっきまでとうって変わって大きな喘ぎ声をあげると、優帆が顔を覆っていた両手を投げ出した。

「ふわぁっ! 奥にっ、奥に当たってる! 気持ちよくてっ、声抑えられないぃっ!」

 そう言うと、優帆はイヤイヤをするように首を振る。

「ああぁんっ! やあっ、いいっ……気持ちよすぎてっ、恥ずかしいのにっ、大きな声出ちゃううぅっ!」

 ゴツゴツとアソコの奥を叩くように突くと、優帆が身を捩らせて派手に喘ぐ。

 別に声出してもいいじゃん。
 ていうか、素直モードのときはもっと大きな声で喘いでるし。

「やあぁんっ! 恥ずかしいっ! 恥ずかしいのに気持ちいいようっ! あんっ、はきゅうううんっ!」

 恥ずかしがりながら快感に悶える優帆は、まるで泣き出しそうな、それでいて目尻の緩みきった蕩けた表情を浮かべていた。
 そんな優帆の姿だけで、こみ上げてくるものがある。
 それに、奥に当たるたびに優帆のアソコがチンポをぎゅうって締めつけて……。

「くううぅっ! もうイキそうだよ、優帆っ!」
「あっ、あたしもイキそう! あんっ、ふぁあああっ!」
「一緒に、一緒にいこう、優帆!」
「うん! ケンタ! ケンタぁっ!」

 優帆のふとももを抱えると、僕はラストスパートとばかりに腰を打ちつけた。
 限界ギリギリのチンポできゅうきゅうに締まった優帆のアソコを突くのは本当に気持ちよくて、あっという間に射精しそうになる。

「優帆っ! イクッ、もうイクよ!」
「あたしもっ! ああっ、ふわぁあああっ!」
「くうっ! イックぅううううっ!」
「ひゃぅううううっ! イクイクイクぅうううううっ!」

 僕と優帆がイッたのは、ほとんど同時だった。
 堰き止めていたものが一気に迸る爽快な快感が背骨を駆け上ってくる。
 しかも、優帆のアソコがチンポを締めつけながらヒクヒク痙攣して、あまりの気持ちよさに腰が砕けそうなくらいだ。


 少しの間そうやって絶頂の余韻に浸った後で、僕は優帆の横に寝転ぶ。


「……もう、ケンタったらいきなりなんだから!」
「でも、すごく気持ちよかったよね」
「バババッ、バカッ!」

 僕の言葉にすっかり狼狽えながらそう答えると、優帆はくるっと背中を向けてしまう。

 あっちのエロエロな優帆もいいけど、こっちの優帆の反応も初々しくていいな。

 ふて腐れたような、それでいて恥ずかしそうなオーラを漂わせてる優帆の背中が微笑ましくて、ついついにやけてしまう。

「……ねえ、ケンタ」

 すると、向こう向きのままで優帆が話しかけてきた。

「なに?」
「……あ、あたし、もっと普通にケンタのかっ、彼女でいられるように頑張るから。ケンタともっと普通にいっ、いちゃいちゃできるようにする。それで、学校でもマリやチーちゃんや他のみんなに応援してもらえるような、そんなカップルになるように努力するからっ」

 うん、そうしてもらえると僕もいろんな心配しなくてよくなるんだけど。
 でも、そういう風に言ってくれるようになっただけでも大きな前進だよね。
 優帆って勉強はできるし、僕とのこと以外だと学校でも普通に明るく元気でいるのに、こういうところはまるで小さな子供みたいなんだから。
 だけど、それは優帆の生まれつきの性格だからしかたないか……。

 一生懸命さが伝わってくる優帆の背中を見つめながら、その声に耳を傾ける。

「でっ、でもっ、やっぱりすぐには難しいと思うからっ、そっ、そのときはっ……」

 うん、わかってるよ。
 ちゃんと催眠術をかけてあげるから。

 もしかしたら、僕はものすごく贅沢な体験ができてるのかもしれない。
 催眠術のおかげで、あっちの優帆とこっちの優帆の見せるいろんな表情を楽しむことができるんだから。
 エロエロで元気いっぱいの素直モードの優帆も、こうやって恥ずかしがりやで素直じゃない優帆もどっちも大切な優帆だし、どっちの優帆も大好きなんだから。
 だから、この先も優帆に催眠術をかけていくことはやめないと思う。

「わかってるよ、優帆」

 そう言うと、僕は後ろから優帆を抱きしめる。

「ひゃぁあああっ! だだだっ、ダメッ、努力はするけど今すぐは無理っ! だからっ、だから今はあっちのあたしにしてぇっ!」

 本当にしかたないやつだよな……。
 抱きしめただけで慌てふためいてる優帆の姿に、思わずクスッと笑ってしまう。

「うん、じゃあ、こっちを向いて、優帆」

 僕の言葉にコクンと頷くと、優帆は体をこっちに向ける。

 その、恥ずかしそうに赤く染まった顔にそっと手を当てて、僕はあの言葉を口にした。

「"素直な優帆になって"」

 
 


 

 

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