ソウルホッパー・ケン


 

 

第三話


(体の動き、感情、感覚、思考とまではやってみたか・・・、あとやってないのは・・・、行動の間ってあったから、ここ使えば、憑依して体を一個ずつ動かさなくてもいいのかな? 他には・・・ルール・道徳ってあったよな・・・でも、まだ奥のほうには色んな部屋があって、色んなことが出来るのかも・・・。)

 几帳面にノートを取るようになった健人は、丁寧に綿密に、自分の出来ることと出来ないことを書き連ねて、時々は時間をあけて再整理、再検討しながら自分の領域を拡大させていった。2週間もすると、それはちょっとした量の研究レポートのようなものになった。

 コツを覚えると、少ない幽体の分離で効率的、効果的に人に影響を与えることも出来る。それだけではなく、鍛えるように幽体を本体から出し入れして、意識して動かすことで、幽体自体も強く、小さな部分の切り離しで人に強い影響を与えられていくような、変化が感じられる。体の動きから始まって、感情や感覚、考えにも影響を与えられるようになったものの、この点には、もっと拡大出来る支配領域はあるような気がする。多香子姉ちゃんの中も、楓の中も、小部屋を抜けて次の部屋にいっても、その先でも三頭身のお姉ちゃんたちや楓たちの作業部隊が、粛々と作業をしているような物音がするのだ。

 そこには無限の可能性を感じたが、無防備に突き進んでいくことには、慎重な健人は少しの不安を感じていた。最近相手の内部深くに警戒もなく潜り込んでみた後は、その体を離れて健人の本体に戻ってきた後でも、微妙な違和感が自分に残った。例えば多香子お姉ちゃんの体の中の奥深くを、無遠慮に散策して戻ってくる。するといつに無く、残り時間で勉強をしなければならないような焦燥感を感じる。体が疲れているのに、柄にもなく問題集を開いてみたりした夜もあった。楓の中を突き進んだ後では、ストレッチをした後で冷蔵庫の中のスイーツ(そんなものは無い)を食べて寝たくなったり、双葉先生や和佳先生の奥深くを弄んだ夜には、ふと生徒たちの進路のことを気にしてみたりした。

(幽体で入らせてもらう相手の、奥の方の部屋に行くほど、気を張って短い時間での滞在を心がけないと、こっちも相手の影響を受けちゃうみたい・・・。お姉ちゃんとか身近な人だったら、そんなに大きな問題じゃ無いかもしれないけど、全然知らない人の影響をもろにかぶっちゃうのは怖いから・・・、これは注意だね・・・。)

 相手の感情や感触をモロに受け止めていると、こちらの幽体もかなりの影響を受ける。部分的にシャットアウトしておかないと、健人は自分が保てなくなるような不安を覚え、警戒するようになった。

 他にも、漠然とした不安を感じて、注意するようになったことはあった。夜ごと、幽体で街を散策してみる健人だったが、より遠くまで楽に行ってみようと、高く長いジャンプをして距離を稼ごうとすると、上へ行くほど重力が弱くなるような体感がある。その気になれば8階建てのビルを飛び越して、地下鉄1駅分くらいはジャンプ出来そうなのだが、そうすると着地までに20分もかかってしまった。

(上に行くほど、重力が弱くなる・・・。もし、ある高さから上が重力ゼロ・・・。それどころか、マイナスの重力みたいに、上に引っ張られちゃったら・・・。怖っ。僕、帰ってこれなくなっちゃうかも・・・。)

 本能的な恐怖を感じ取って以来、健人はあまり一度のジャンプで高く、遠くへ跳ぼうとすることは控えるようにした。それどころか、幽体でのジャンプは、出来るだけ休憩場所を多く確保しながら、小刻みに跳ぶのが、実は効率的な移動方法だと、実感するようになった。休憩場所・・・。つまり他の人の体だ。自分の本体から離れるほど、幽体が薄くなっていくような気がする。そんな時は他の人に一度憑依させてもらって、(そこで幽体の一部を切り離したりせずに)次の場所にジャンプすると、幽体の薄れは回復していることが多い。つまり、人から人へ、憑依を繰り返す。まるで川面から顔を出す岩を跳び継いで、向こう岸に渡るように進むと、一番効率良く外の世界を幽体で移動することが出来るようだった。

(操りたい標的以外は、中継地みたいなものだね。あまり深入りせずに、すぐ次の人までジャンプ。大体、中継地の人の視界の範囲内くらいから、次の中継地を探すと、一番効率良く、サクサク移動出来る感じかな?)

 幽体でいる間の移動や作業は、効率を意識しながら行うと、本体の物理的な移動や作業よりも随分と短い時間で済ますことが出来る。はじめのうちはスルーーッ、フワフワと、気の抜けるほど緩慢な動きだった健人の幽体は、物理世界の制約の外に行くという明確なイメージを持つことが出来るようになると、一瞬で人の内部の小部屋に複雑な命令を残したり、短い時間で街の散策をすることが出来るようになった。


。。。



 稜青学園高校1年E組は、ここ一ヶ月ほどで混乱の度合いを増していた。チャイムが鳴ると同時に、女子生徒たちが困った声を上げながらもスカートに手を入れて自分で自分のパンツを降ろすと、隣の男子生徒の頭に強引にかぶせてしまった日があった。優等生の久住沙希や、委員長の倉橋美冬といった真面目な生徒も、嫌がる隣の男子の頭に無理矢理かぶせてしまったし、ホカホカのパンツをアゴまで深くかぶされて、喜んでいるエロ男子もいた。堂前楓は最近熱愛中と噂される土屋健人のもとにわざわざ駆け寄ってきてパンツをかぶせた。なかには恥ずかしがる男子を追いかけて、運動場まで出たところでやっと相手を押し倒してパンツをかぶせた女子もいた。「体が勝手に」、「急にこうしたくてしょうがなくなって」、「股間が息苦しくて我慢できなくなったから」、「隣の男子の頭に似合うかと思って」、一列に並ばされてお説教を受けた女子たちは、皆それぞれ違う言い訳をしながらも深く反省していたようなので、許された。普段は素行の良い生徒だったのに何故・・・と、職員室でも話題になったが、生徒指導の滝澤双葉が、「バドガール」とかかれた肌も露なピチピチのワンピースで職員室に入ってきた瞬間、話題はそちらに切り替わってしまった。下着が完全に見えてしまっていることを叱責されたが、右手に持っていたビアジョッキの中身がノンアルコールだったことがわかって、停職は免れた。

 滝澤先輩の件を聞いて震え上がったのが、当の1−Eの担任、上園和佳先生だった。同じ教育大学の2年先輩、尊敬する滝澤先輩。自他共に厳しく律して、その美貌を超えて優秀な教師との評価を得ていた先輩が、「不適切な衣服」の一点で、停職ギリギリの不祥事とされてしまうのなら、自分はいったいどうなるのだろう? 先月から密かに「オープンな性教育」を展開していた和佳先生は、自身、奥手でこうした分野に疎かったことも反省し、体当たりで性教育を行ってきた。テストケースとして土屋君という生徒に協力してもらい1週間ほど毎日色んな体位や方法、最後は色んな器具を使って性行為教育カリキュラムを組み立ててみた和佳先生は、恥ずかしさをかなぐり捨てて、既にクラスの半数の男子と関係を持ってきた。残りの半数の指導を終えたら、次は女子にも同性愛というものがあることを体で理解してもらった上で、より健全な性の道を自ら選んでほしい。そんな計画を立てていたところで、自分の生徒たちの問題行為と、敬愛する先輩の不祥事を聞いたのだ。即席の性教育方針はさすがに揺らいだ。

 しかし、和佳は、ホームルームの時間に教卓に立ち、今では生徒でありながらも良き相談相手である、土屋君と目が合うと、自分の決意を新たにした。小さく深呼吸した後で、生徒たちに語りかける。

「皆さん、よく聞いてください。今日の数学の授業の最後に、利岡先生にご迷惑をかけてしまった話は聞きました。先生は、ちょっと悲しかったけど、皆さんを責めません。学校生活のストレスや、多感な時期の失敗というものはあるものです。先生も先日、なぜか変な気持ちになって、下着みたいな格好で皆さんにベタベタしてしまったりして、あとでとても反省したばかりです。」

 優しい先生の言葉に、1−Eの生徒たちはホッとしていた。特に真面目とリーダーシップで音に聞こえる、キリっとした美少女、倉橋委員長などは、可愛そうなくらい縮こまってうなだれていたので、肩から息をゆっくり抜いた。

「けれど、これからは、気をつけなければいけません。これ以上、私たちのクラスが学校の中で笑われないように、クラスの秘密はしっかりクラスで守りましょう。そのための、ルールを、これから皆さんと相談したいと思います。」

 男子も女子も、ウンウンと音を立ててうなずいた。今日の先生の言葉はすごく説得力があり、みんな納得するべきだという気が教室内に充満している。ような気がする。

「例えば、自分の話からしますと・・・、先生は最近、クラスの男の子たちと、隠れてセックスをしています。」

 倉橋委員長をはじめ、何人かの女子は、「んっ?」と眉をひそめた。半数ほどの男子は遠い目をして微笑んでいた。

「インターネットや有害図書などで過激で問題の多い性描写や性情報が飛び交っている中、ごく普通に現実の女の人の体の素晴らしさを、皆さんには早く知ってもらいたいんです。それに、先生としても皆さんのことをよく知って授業の指導などに生かすため、皆さんの性感帯の位置や趣味趣向、精液の濃さなどを熟知している必要があります。そして・・・これは、最後になりますが、最近先生は性欲が強いんです。・・・日を追うごとに、強くなってきているような気がします。この獣のような性欲の発散。これら3つの利点を考えても、先生はクラスの外には秘密にしながらも、皆さんとこれからも盛んにセックスをしていきたいと考えています。そして皆さん同士にも、もっとオープンに、大胆に交流をして、仲良くなっていって欲しいんです。どうでしょうか?」

 パラ、パラと、数人の男子を皮切りに拍手が起こり、大きな拍手の輪になっていく。堂前楓や倉橋美冬は眉をひそめながら、久住沙希や小松茉莉は首をかしげながらも、仕方なしに、気の無い拍手をしていた。何かがスルリと自分を通り抜ける感じを受けるたびに、クラスの新しいルールには絶対に疑問を挟むべきではないような気がして、抗議の心が押し潰されてしまう。

(そんなの、絶対に変っ! ・・・だったとは思うけど・・・、もう、皆の賛成で決まったんだから、私たちも・・・従うべき・・・なのかな? ・・・なんだよね? ・・・)

 自信無さ気に、楓と沙希が視線を交わして、まだ少し首をかしげながらも、うなずきあってみせる。楓が委員長を見てみると、委員長はもっと強い調子で頷いていた。

(本当はそんなこと嫌だけど・・・、クラスの総意なんだから、委員長の私が率先して、皆のお手本を示すしかないわ)

「これから皆さんと相談しながら、少しずつクラスの決まりを作っていこうと思いますが、まずは皆さん、お互いのこと、男の子は女の子の体がどれだけデリケートで温かいか、女の子は男の子の体がどれだけ逞しくて頼もしいか。身をもって確認してみましょう。隣同士、立ち上がって向かい合って、一歩ずつ近づいてください。」

 ガラガラと椅子が引かれる音がして、1−Eの生徒たちが立ち上がる。堂前楓と上園和佳教諭が、土屋健人の前に駆けつけたのは同じタイミングだった。

「堂前さん? あなたのパートナーは、門田君でしょ? 門田君、可哀想よ。」

「ノ、ノドカ先生だって、別に健人のところ来なくたっていいでしょ? 健人の隣は鬼塚さんがいるのに・・・。」

「・・・じゃ、鬼塚さん、ゴメンなさい。申し訳ないんだけど、門田君の隣に行って上げてくれる? 土屋君と堂前さんと、私でここだけ3人で組になりましょう。」

 今日に限っては異様な説得力のオーラをまとっている和佳先生だが、根は気が弱くて柔和な人なので、健人を独り占めすることはかなわなかった。

「では皆さん、レディーファーストの精神が大人の紳士には必要ですから、まずは男の子がひざまずいてあげましょう。さっきの騒動のあとで、まだ女の子にパンツを返してあげていない男子がいますね。意地悪をしてはいけません。隠しているパンツを出して、女の子に穿かせてあげてください。」

 先生が言うと、男子たちが動き出す。なかには向き合った相手に対して文句を言い合うカップルもあった。

「なんだよ、お前なんかとこんなことしたくないぞ。」

「こっちのセリフだってば。私アンタなんかじゃなくて、他に好きな人いるのに!」

「目の前の女の子が、もうパンツを穿いていたら・・・、そうですね、一度脱がせてから、ちゃんと穿かせなおしてください。急いで乱暴に扱ってはいけませんよ。丁寧に、優しく接するんです。女の子も、その優しさには応えてくれますよ。」

 和佳先生にたしなめられる間にも、男子も女子も、赤くなりながらも少し相手を優しく扱わなければいけない気がしてくる。スカートに肩まで覆われながら、モゾモゾと丁寧な作業をする男子。あるいはスカートの裾をちゃんと捲って、男子の作業を助けてあげる女子もいた。さっきまでいがみ合っていた気の強いカップルは、今は男子の鼻がつくぐらい女子の股間に顔を埋めながら、下着のフィット具合、ヘアーの隠れ具合を確かめてあげている。その男子の頭を、髪を撫でつけるように女子が両手で抱えていた。二人とも随分気持ちが入ってきてしまっている。

「今度は、女の子たちの手で、自分の下着を降ろして、男の子を受け入れてあげてください。こうして協力し合えば、乱暴なことにはならないでしょう? 男の子は、優しく目の前のヘアーにキスしてあげてください。女の子の一番大切でデリケートなところを守ってくれる、大事な部分なんですよ。」

 和佳先生は自分で言いながら、顔を赤らめてパンツを降ろしている。その先生の股間へのキッスに時間をかけすぎると楓から小さなキックが入るから、健人は2倍忙しい。平等な時間、右に左に、チュッチュと繰り返さなければならない。

「変な匂いなんて思ってはいけませんよ。慣れていないだけです。これが人間の匂いだし、女性の匂いなんです。一方で、もしちゃんと洗っていなかったり、おトイレのあとでちゃんと整えていなかった女子がいたら、ちゃんと反省しましょうね。これからは教室の中では、いつ誰にこの場所を愛してもらうことになるかわからないのですから、レディーは身だしなみには気をつけて、いつも清潔にしましょう。」

 慣れない男子は、率直な感想を漏らす。立ったままで恥ずかしさに硬直している女子もいた。まだファーストキスも経験していなかったお嬢様の久住沙希は、スカートの裾をまくって協力していたものの、自分の股間に顔を押しつけているガサツな加藤に「想像してたより匂い強いね」と言われると、思わず両手で顔を隠す。スカートがファサッと加藤の頭にかぶせられた。男子たちは、もう和佳先生に誘導されなくても、一人ずつ、キスする範囲を広げていく。確かめるように指と口と鼻から吸い込む息とで、クラスメイトの股間を自由に調べ周りはじめた。

「女子のなかで気分が悪くなった人は手を挙げてくださいね。嫌悪感はだんだんおさまって、快感が勝つはずです。優しく扱われれば、女の子の体はちゃんと良い反応を返すはずですよ。ほら、みんな気持ちよくなってきたでしょう? 男子の中で、可愛がっている女の子の部分が湿ってきた、濡れてきたという人がいたら、手を挙げてくださいね。」

 挙手していた女子が一人ずつ手を下ろしていくのと入れ替わりに、ポツ、ポツと、跪いた姿勢の男子たちの手が上がり始める。パートナーの男子が手を上げると、倉橋委員長は恥ずかしそうに周りの目を気にして肩をすくめていた。クラスの中でも濡れやすい方だったと、初めて気づかされた瞬間、皆にもそのことを知られてしまったのだ。

「慣れていない子は最初のうち、なかなか濡れにくいものです。気にしないでくださいね。自宅でも時々自分でしてみる習慣をつけると、反応も良くなりますよ。」

 和佳先生が説明をすると、倉橋美冬はいっそう赤くなって唇を噛む。頭の回転の速い美冬は、言葉の裏を読んで、まるで自分が習慣的オナニー愛好者だと担任に言いふらされているような気がしたのだった。恥ずかしさで目眩がした。

「男の子はまだ女の子が濡れていないようでしたら、割れ目がつながる上の部分に隠れた、豆のような部分、クリトリスといいますが、そこを優しく舌先で舐めてあげてください。最初はゆっくりと、だんだん強く舐めてあげましょうか。・・ぁっ・・・。」

 和佳先生だけではない。半分くらいの女子たちが、電気が走ったように、声を漏らして背筋をビクッと反らせた。すでに大多数の手が上げられていた。小松茉莉も、悔しそうに目の前の男子が手を上げるのを見守った。

「女の子で、今、手を上げている子はいませんね。皆、気分悪くないようですので、今度は、女子は、気持ちが良い時に左手を上げましょう。では男子は、みんなクリトリスを舐めてあげてください。」

 女子の手が綺麗に全員上がる。

「つ・・・次は・・・優しく、大事な穴に、指を入れてあげましょう。・・・大勢の初めての男の子が想像しているよりも、下の方にありますよ。・・・うっ・・・そう。そっと大事に指を少しだけ入れてあげましょうね。抵抗がある場合は強く入れないで下さい。初めての子は大事にしてあげましょう。」

 またも、女子の大多数が手を上げる。何人か、痛そうに顔をしかめて、手を上げていない女子もいた。

「では次に、お尻の穴を触ってあげましょう。柔らかくマッサージをするように、ほぐしてあげるだけでいいですよ。」

 多くの女子が気味悪そうに震え上がる中、久住沙希をはじめ、何人かの女子がピンッと左手を上げていた。少しだけ周りが動揺する。大人しくて、西洋人形のような美形のお嬢様、久住沙希は、真っ赤な顔をブンブンと左右に振って、周りの視線に否定をしめそうとするのだが、左手は誰よりもビンッと天へ伸びていて、降りる様子も無い。何か言おうとした沙希は、口をパクパクさせることしか出来なかった。

「初めての経験でも、こういう場所を触られて快感と思う子もいますし、嫌だと思う子もいます。膣やクリトリスと違って、他の部分は人それぞれの反応がありますから、女の子一人ひとりを見つめて、ちゃんとその子に合った愛し方をしてあげましょうね。」

 とてもいい話を聞いたような気がしたので、女子も男子も頷いたが、久住沙希はまだ、恥ずかしさから解放されていない。ショックで放心したように口を開けたままだ。加藤に肛門を好き勝手弄られながら、左手を高く上げたままでいた。

「それでは女の子の反応を見ながら、男の子たちはそれぞれ自分なりのやり方で、女の子をエクスタシーに導いてあげましょうね。可愛い子の処女は残してあげないといけません。そういうものの扱いは、ここの土屋君が上手なので、後日彼に任せることにして、処女膜は傷つけないように気をつけながら、クリトリス、膣口、その付近のビラビラ、場合によってはお尻の穴やオシッコの穴を指や口で優しく愛撫してあげましょう。女の子でイッてしまった子は、右手も上げてください。」

 一瞬、著しく不公平なことを言われたような気がするが、男子たちは目の前の仕事に全力で取り組んでいて、気にならない。女子もほとんどが抵抗をするどころではなかった。

 クラスに女子たちの恥ずかしい声が響き渡る。集団クンニは一人ずつのペッティングよりも相乗効果があるのか、それともこの異様な雰囲気に呑まれてしまったのか、すぐに両手が上がってバンザイのポーズで荒い呼吸をしている女子が増えてきた。先頭集団の中には倉橋委員長もいた。ガサツそうに見えて意外とデリカシーや優しさがあるのか、加藤は久住沙希がヴァージンであるしるしを確認すると、クリと肛門攻撃に限定してあげた。両目を固くつむって、首を左右に振り続けていた沙希は、執拗なお尻攻撃の果てに、両手を上げさせられた。和佳先生や楓は、健人の愛撫を交代で受けていたが、二人ともこうしたことの経験を積んでいるのか、比較的早くに二人とも両手が上がった。最後のカップル、見た目からして如何にも不器用そうな日比野と、女子柔道に一本に打ち込んできた川岸の「下手そうペア」が最後となる。それでもやっと川岸の両手が上がると、クラス中に拍手の音が響き渡った。

「はい、お疲れ様です。それでは立場を交代しましょう。レディーの嗜みとして、立派なフェラチオを身につけましょうね。男子が立って、女子は跪きましょう。」

 やっとすべてが終わったと思っていた女子たちの何人かは、目を丸くして助けを求める。和佳が細かく指示を続けていく間にも、楓は委員長の異議申し立てを期待したが、倉橋は既に両膝を合わせたまま床について、男子のズボンのチャックに両手を当てていた。久住沙希も丁寧に正座をして、加藤の股間に、恥ずかしさでまだボンヤリしている頭を寄せている。堂前楓と小松茉莉も、視線を交わしてしぶしぶ頷きあうと、フェラレディー研修に飛び込んでいくことになった。

(うわーーーっ、シンドイけど・・・、ここで気を失ったら、全部オシマイだっ・・・。頑張れーぇぇっ)

 この教室で一番気力を振り絞っているのは、実は土屋健人だった。本体で和佳先生と楓の二人を相手しながら、幽体の一部で和佳先生の口を使い、残りの幽体の大部分で、クラスメイトの中の「効きが弱い」生徒を探しては制御する。両隣のD組とF組はそれぞれ先生を操って移動教室に行かせていたものの、時々は気にして幽体の目を飛ばす。こんな大規模な集団を同時に制御したのは初めての経験だった。それでも、クラスを丸ごと支配下に置いたという結果は、健人の研究をさらに進める重要なステップになった。


。。。



 1年E組のホームルームは、この日以降、性教育とクラスの調和促進の場としてたびたび活用されることになった。翌日には男子が一つずつ前の席に変わり、新しいカップリングで上半身を脱がせ合うと「ペッティングの基本と応用」を皆で学んだ。下半身以上にバラエティに富んだサイズとかたちのオッパイを提供して、女子たちは男子たちに効果的な揉み方を学習させたし、女子たちはキスから自然に男子の乳首を舌で刺激する、玄人芸を身につけはじめた。お互いに目を閉じて反応を隠そうとしていても手の上がり具合で感じていることを正直に伝えてしまうため、クラスメイト同士でテクニック上達の最高の教材になりつつあった。

 健人に呼ばれ、初めてを捧げた後は、「解禁女子」として、他の男子のモノも受け入れるようになる。1−Eの女子は一部の容姿、性格のエキセントリックな子を除いて、3週間後には皆が、クラスの男子全員のおチンチンを受け入れ、精液も飲み干して、タマの味も覚え、合体記念の写真を撮った。ここまで来ると、全員仲良くならざるを得なかった。

 和佳先生の言いだした「クラスのルール」は、少しずつ増えていった。

 ■ ホームルームや(和佳先生が担任する)古文の時間は、フリーセックスだが、それ以外の時間はお互いに相手を気遣って行動する。

 ■ クラスの結束を強める印は、下着交換。サッカー選手が健闘を称えあうように、申し出られたら爽やかに男女でもパンツを交換して抱き合って別れる。

 ■ 「おさわり10秒ルール」として、女子は9秒以内の愛撫は、クラスの男子には認める。触られてるのを見た周りの女子は、指差しでカウントを取って、その女子を守ってあげる。一度はっきり愛撫が止まって、両手が離れたら、また9秒までは再度の愛撫OK。男子は女子が傷つかないように愛撫すること。

 ■ お弁当や飲み物は求められたら、快く口移しで交換し合う。但し見てて気持ち悪いので、あんまりグチャグチャと口で噛んだものは駄目。可哀想だし。

 ■ 誕生日のクラスメイトがいたら、そのクラスメイトの指定する生徒は5人まで裸で首にリボンを蝶結びにした状態で、プレゼントとして1−Eからそのクラスメイトに贈られる。5人はその一日の間、何でも言うことをきいてあげる。

 ■ 全てのルールは、クラス統合の象徴としての土屋健人が指定する子は適用外となる。また、土屋健人の提案には、全員、ルールを一旦棚上げしてでも従う。

 まるで誰かがノートに箇条書きしたことを丸々読み上げているように、和佳先生がルールの追加を提案していく。1−Eの生徒たちは、特に疑問を持つこともなく、皆で新ルールに合意していった。最近ではルールの正しさや平等さ、自分に対しての利益、不利益はあまり関係ないと思うようになっている。E組はルールがあることでみんな平和で楽しく生活出来る。クラスの外には絶対の秘密となっているルールが増えることは、皆の結束がより強まることだと思うし、ルールに積極的に従うことで、お互いに「E組愛」を見せたがった。

 小松茉莉は通っている進学塾で他校の上級生と知り合って、プラトニックな恋愛を始めたのだが、お互いまだ、手を握って帰るだけ。キスは今年の夏の花火大会でしただけだった(今年のクリスマスはまた何かあるかもしれないと思っている)。それでもE組にいる間は、求められたらお茶を激しいディープキスをしながら口移しで飲ませあうことも誰にも拒まないし、イガグリ頭の前田君の誕生日にはプレゼントに指定されたので、お願いされるままに笑顔で駅弁ファックに応じた上に、男女入り乱れて6人でローションまみれの乱交で果てた。倉橋委員長も、男子に気軽にヒップを撫でられるたびに、口では怒りながらも、9秒までは、しっかりお尻を突き出して、触りやすい体勢をとってくれる。小柄な久住沙希は、男子たちのパンツ交換要望に恥ずかしそうに応じてパンツを降ろすも、その日一日、サイズの大きい男子のブリーフやトランクスが膝までズリ落ちてきてしまうのを何度も直しては我慢する。皆、クラスメイトとルール遵守のためなら、個人の主義主張を綺麗に忘れて、身も心も尽くす気になっていた。

 率先して体を張っているのは和佳先生だ。男子にも女子にも、気軽にたわわなオッパイや、柔らかいお尻を差し出して、ニコニコしている。古文の授業は派手な乱交パーティになるので、男子たちは古文の2時限も前からウズウズしている。しかし、先生はいつでも皆の自由になるわけではない。例外ルールとして土屋健人の指定がまだ外れていない上園和佳先生は、必ず誰よりも先に、健人に触れてもらってから、みんなのものとなることになっている。教卓の後ろにしゃがみ込んで、モゾモゾと健人に大事なところを弄らせる和佳先生は、顔だけ教卓の上に出して、恥ずかしそうな笑顔で皆にもう少し待ってくれと許しを乞う。健人が指を入れた後で、初めて先生のあったかいおマ○コは他の生徒たちのモノや玩具を受け入れられる決まりなのだ。先生のおマ○コが解禁になると、ノドカ派の生徒たちが群がってくる。教卓から出てくる、服装の乱れた先生。いつもそんな時には堂前楓だけが、怖い顔で先生を睨みつけるのだった。


。。。



(体の動き・・・、行動・・・、感覚・・、感情、考えに、ルール、道徳・・・うーん、社会通念みたいなものかな? あとは、記憶も見たり加えたりすることが出来る部屋があった。これはおっきな部屋だったな、迷いそう・・・。もっと奥には信念とか、本能とか、まだまだ部屋のドアが見えたけど、ドアは重そうで大きかったし、滅多に作業員の出入りもなさそうだった・・・。もっと練習つまないと、ちょっとした影響与えるにも、僕の幽体、大部分消費しちゃいそうだったなぁ・・・。)

 健人がノートをめくりながら、ふと腕組みをして考え込む。E組丸ごと実験の場に出来るという環境を手に入れた健人は、幽体離脱の可能性の追求をどんどん加速させていた。今夜もそろそろ、時間だ。

「おっと、もうこんな時間だ。早くしないと巡回ルートが乱れちゃうからね。」

 健人が本体からビュッと幽体を飛ばす。深夜パトロールの始まりだ。最初はいつも、多香子姉ちゃんの部屋からだ。

「んー、はかどる・・・。・・・はかどる・・・。」

 お姉ちゃんの独り言。黒いセーターに下は何も来ていない状態の多香子は、椅子の上に膝を開いてしゃがみこむような体勢になって、右手で問題集に書き込みながら、左手はもう一本のペンを丸いキャップごとアソコに突っ込んでいた。オナニーをしながらだと勉強の効率が3倍になる。健人が毎日のように刷り込んでいる暗示が、多香子の固い信念になっているのだ。

(やっぱり、一気に人の信念を捻じ曲げるより、こうやって、毎日コツコツと、幽体のほんの一部を置いていった方が、より深く影響を与えられるみたいだな。勉強頑張ってて、感心だから、お姉ちゃんにご褒美。3分後に爆弾みたいなオルガズムが来るように仕掛けてあげるね・・・。癖になって勉強が進むといいな。えっと感覚の部屋・・・と。)

 満足そうに健人が幽体の右手をグニャッと伸ばして、多香子の背中に手を入れる。多香子の内部にお土産をしかけたことを確認すると、次の目的地へ飛び立つ健人。外の道を行く、ジョギングのお兄さんの本体に飛び降りると、間髪入れずに、犬の散歩をするトレーナー姿のお姉さんに跳び移った。

(あんまり夜が深くなると、街に人がいなくなっちゃって、移動が効率悪くなるから、チャチャッと回るには、この時間帯までだよね。)

 健人が飛び込んでいったのは、幼馴染の楓の家。楓はいつも通り、ストレッチを終えてそろそろ寝ようとしていた・・・。それでも寝つけないらしい。抱き枕にしがみついて、寝返りをうっていた。

(相変わらず、楓の部屋はヌイグルミと漫画が多いな・・・。可愛いけど、馬鹿なんだよな・・・。)

 健人が部屋を見回すと。数週間前よりも、違和感のあるものが増えている。まず壁にはデカデカとポスターが・・・。それもプロが撮ったような完成度ではない。明らかな素人の手作りポスター。それも土屋健人自身の全身写真がデカデカと貼られていた。彼氏とはいえ、この大きさのポスターは・・・少々イタイ感じがした。楓のベッドの上、天井間近にも、まるで敬虔な信者が教祖様の写真を掲げるように、A4サイズの健人のスマイル写真が、額に入れて飾られていた。よく見ると、楓のしがみついている抱き枕にも、不器用に健人の顔写真が貼り付けられていた。

「アンタ、今日・・・。和佳先生がもうイッてるのに、しつこく指入れたり出したりしてたでしょう? ・・・私わかるんだからね・・・。心美ちゃんの初めて奪う時も、必要以上にムード出してたでしょう・・・。ウン、ゴメンナサイ。」

 始めは、健人の幽体が話しかけられているのかと思って、ドキッとしたが、よく見ると楓は、抱き枕に話しかけている。声色を変えて、枕(健人)の返事まで自分で返していた。

「健人。アンタねぇ。私というものがありながら・・・。・・・ゴメンヨ、カエデ、キミガイチバンダヨ。」

「あー、もうっ健人・・・。もっと、私を見ろーっ。健人のバカーッ。」

 抱き枕に張られた健人の顔写真にブチューッ・・・と吸いついたあと、楓は枕の上下をひっくり返して足で枕を抱え込んで股間を枕にこすりつけた。いつの間にかパジャマのズボンもパンツも放り投げていた楓が腰を振ると、アンダーヘアーが写真にこすられる音がシャカシャカとした。

「・・・コラーッ、楓、ドタバタしないで、寝なさいっ。」

「・・・あっ、・・・ごめんなさーい!」

 ふと我に返った楓が顔を赤くしながら、階下のおばさんに返事をする。楓のおばさんは怒ると怖かったことを、健人も思い出した。

「コホンッ、まぁ、今日のところはこれくらいにしてあげるから、明日はもっと彼女を大事にするように。いいわねっ、健人。・・・オヤスミ。」

 恥ずかしそうに一度、咳払いをした楓は、機嫌を直して枕をまた上下グルリと回し、顔写真にこんどは小鳥のような可愛いキスをして、枕を抱いて眠りについた。

(大事にって・・・、今日だって一回激しくヤッたじゃん・・・。・・・ま、こんなことしてくるところを、僕に見られてるって知ったら、楓が恥ずかしくて大暴れしそうだから、見てないふりしてあげるよ。じゃ、オヤスミ、楓。)

 健人が次の家を目指して飛び上がる。千鳥足で家路をいく酔ったオッサンたちを軽やかに跳び移っていって、目的地のデザイナーズ風のお洒落な家に飛び込んだ。ベッドでは小松茉莉がもう寝ていた。でも寝苦しそうだ。手足をバタバタ、クネクネさせながら、体をよじっている。

「あぁ・・・、やめて・・・アリさんたち・・・。アリクイさんも、も、もっと優しくして・・・、そ、そこは、そこはぁ・・・・。」

 寝言をいいながら何度も寝返りをうつ茉莉は、ここのところ毎晩、動物や生き物にイジメられる(可愛がられる?)夢を見て喘いでいた。今日の夢は裸の茉莉が全身にまんべんなくハチミツを塗られていて、そこにアリが群がってチクチクとムズ痒い刺激を与えてくる。そこに4匹の大アリクイがご馳走を貪って舌でベロベロ、ズボズボとやってくるという夢だ。

「ひっ・・・、ひぃいい、そこは、それ以上入らないの。駄目。あ、アリさんもそんなところは噛んじゃ駄目なの・・・、あぁ、もー・・・、助けて・・・。」

 苦しそうなのはちょっと可哀想だけど、健人は助けてあげるつもりはない、健人が茉莉に残した指示は『毎晩、生き物図鑑を読んで寝る。寝たら、密かにあこがれるような、アブノーマルな動物プレイの夢を見る。』ということだけ。蟻も大アリクイも、茉莉が考え出したシチュエーション。きっと邪魔をするのも野暮なはずだ。毎朝、茉莉が起きると、グッチョリ濡れたパジャマとシーツが、まるでお漏らしをしたような、派手な潮の地図を作っている。プラトニックな交際を続ける他校の彼氏には絶対に言えない、茉莉の恥ずかしい目覚めだ。茉莉は彼氏には、「昨夜も貴方の夢を見たんだよ」とか可愛いメールを打つだろう。しかし本当はオオアリクイ。知っているのは茉莉と健人だけだ。

(じゃぁ・・、今日のお土産はちょっとだけ・・・。明日、登校中に蟻を見たら、また今感じてる快感が全身を駆け巡るよ・・・。あ、この季節、もう蟻はいないかな? ・・・ま、起きてからのお楽しみだね。)

 小松家の家を飛びぬけると、小刻みにウォーキングの中年夫婦に憑依しながら、三段跳びの要領で、白亜の豪邸に飛び込む。今日は久しぶりに、久住家の様子を伺ってみる。乙女チックななかにも気品を感じられる豪奢な寝室で、沙希お嬢様は四つん這いでお尻を突き立てておられた。

「むっ・・・、むぅぅ・・・、むぅぅううん・・・。」

 まるで、猿轡を噛まされた人質みたいな、くぐもった声を出しているので、心配した健人が近づいてみると、沙希は大きく開いた足の間に、右手を通して、背筋が弓なりに反るほど上にしたお尻を弄っていた。白いネグリジェが捲くれ上がり、これまた白いお尻が丸出しになっている。足を大きく開いているせいで、お尻の穴まで剥き出しになっている。手に持っているのは、茹でたグリーンアスパラガス。沙希の顔はベッドに押し付けられて、深くシーツを噛んで声を押し殺している。厳格な家族に絶対にバレないように気を使いながらの、入念なアナルオナニーの真っ最中だったのだ。

「むぅう・・・、うんっ・・・ふぁあああんっ」

 シーツを噛み千切りそな勢いで、時々顔が上げられる。右手で器用に捻りながら、ホカホカで温かくなっているアスパラを、イケナイ穴に押しこんでいた。自制心が強くて、相当てこずった沙希ちゃんも、この前のクラスクンニの日に、お尻で感じる素質があることがバレてしまっているのだから、健人の敵ではなかった。執拗に『もっとお尻で感じることをやってみよう』と囁かれ続けるうちに、ここまで自分で開発してしまったのだ。随分深くまでアスパラを入れると、今度は沙希は両手と両膝をグッと踏み込むように構える。ここからは健人も見たことのない、沙希の成長を披露する場だった。

「む・・・ぐっ・・・・ふあぁぁ・・・、ふぁ・・・・、ふんっ・・・」

 沙希が力を入れると、深く入り込んだはずのグリーンアスパラが少しずつ、また外に出てくる。「いってこい」の往復で二度美味しい、沙希ならではのアナルオナニーだ。「お人形さんのよう」と言われて照れてうつむいてきた、恥ずかしがり屋の美少女も、健人の幽体の一部を種を植えて水をかけるように育てられ、いつの間にかこんな性癖、こんな性技にまで開花させていた。

(おっ・・お父さん、・・・お母さん・・・ごめんなさい・・・。沙希は・・・こんな変態な子に、なってしまいました・・・。あっ・・・いぃっ・・・最高っ・・・・)

 深い悩みを抱きながらも、アスパラが出て行く瞬間には睫の長い可憐な顔を、トロトロに蕩けさせてだらしない笑みを浮かべる。世界がグルグル回るほどの強い快感で陶然となる沙希。高価なシーツはどんどん涎を吸ってくれているが、声が少し漏れるのは、今日も心配。沙希は後ろめたさと情けなさと、そして何よりも強い、気持ち良さのなか、何往復もアスパラの出し入れで悶えていた。

(やった。ついに沙希ちゃんにも、「指示した以上の」成果が出てきてる。やっぱり粘り強く、刷り込み続けるのが一番強力な影響を与えられるみたいだね・・・。沙希ちゃんの変化も嬉しいけれど・・・。でもちょっと悩みが多いみたいだから、もっと爽やかな目覚めをプレゼントしてあげようかな?)

 また一つ、小さな幽体の一部を残して、久住邸を飛び立つ健人。新しい実験を一つ置いて、次の目的地へ出発だ。


 倉橋家ではまだ美冬の部屋の電気はついていた。美冬が励んでいるのも、やはりオナニー。それでも沙希とはまた、少し趣向が変わっていた。

「うっ・・・すっ・・凄い。・・・やっぱり、ドレッシングに、七味もまぜた方が・・・。」

 倉橋は準備万端。冷えないように暖房をしっかりいれて、全裸で座椅子にこしかけて、足をバタバタさせていた。手にはお箸と小さい器。まるで鍋物でも食べるような準備だが、箸の先は、自分の乳首を摘んでいた。ちょんちょんと箸先を器のドレッシングにつけると、敏感な乳首やクリトリスを包む柔らかい肉を、摘んでみては嬌声を上げる。敏感な体を利用した、ツンツンオナニーだ。ドレッシングの油分と塩気、それに七味が絶妙な刺激をくれる。これだけで充分なおかずになっているようだった。小洒落た背の高い丸テーブルの上には、様々な小皿が並べられ、調味料を溜めている。勉強熱心な美冬らしい、研究意欲の旺盛なオナニーっぷりだ。伸びてしまうほど、すこし強めに乳首を上に上げる。唇をかみ締めて堪えているが、油で滑る箸がツルッと乳首を解放してしまうと、一気に美冬の背中も座椅子にもたれかかった。

「ふぅっ・・・堪らない。これ・・・とまんないよっ・・・・。」

 健人が股間を見てみると、用意周到な美冬が尻の下にもティッシュを敷き詰めているのがわかる。感じやすく濡れやすい。自分の体質をよく理解した美冬の秘密の嗜みだ。

(ふふふっ・・・皆、それぞれのプライベートレジャーを満喫してるみたいだね。・・・感心、感心。)

 満足した健人が、そろそろ自分も家に帰ることにする。健人だって疲れないわけじゃない。今日も明日も本体はなかなかハードなセックスマラソンだ。


 パトロールを終えた健人が自宅に戻ると、隣の部屋で多香子姉ちゃんが椅子ごと床に倒れて失神していた。激しすぎる絶頂で倒れたのか、エクスタシーで仰け反っていて椅子が倒れて頭でもぶつけたのか、とにかく、黒セーター1枚でマングリ返しでいても、幸せそうな寝顔だった。

(また風邪引くよ、姉ちゃん。)

 本体に戻ってから、健人は姉の部屋に行き、ベッドに運び上げてから毛布をかぶせた。


「コケコッコーッ、コッ、コココッ、コケッ・・・」

 翌朝、6時に久住家の豪邸には、ニワトリを真似た、沙希の大声が響き渡った。ベッドの上で手を羽のようにバタバタさせると、カーペットに降りて首をカクカクと前後させながら、ニワトリを真似る沙希は、心配した家族に囲まれてようやく正気を取り戻すと、赤く小さくなって「寝ぼけてたみたい・・・。」とだけ呟いた。ニワトリになった夢。いつもの沙希の落ち着いた娘ぶりと180度違う、幼く可愛らしい事件に、久住家は珍しくホンワカとした笑いに包まれた。

「これを餌にする夢でも見たのかい?」

「そっ、それは駄目なのっ!」

 年の離れた優しい兄が、枕元のアスパラに気がついて、拾い上げてあげようとしたところ、あわてて沙希が飛びついて、珍しく乱暴に奪い取って部屋を飛び出す。階段をドタドタと降りていく沙希の無邪気で元気な姿を眺めて、家族はまた笑うのだった。


。。。



「へー、今月のラッキーアイテムはノート。逆に注意アイテムは・・・と。男子はスリッパだって・・・。女子の注意アイテムは、抱き枕、アスパラガス、ハチミツ、お箸か・・・。癖になっちゃうかもだって。なんだかよくわからない占いだなぁー。」

 健人が雑誌を大きな声で読み上げながら、独り言を言ってみる。放課時間中の、たまたま静かになっていた教室で、倉橋委員長と堂前楓、小松茉莉、久住沙希がビクッと肩を震わせた。沙希が真っ赤になっている。楓は首を伸ばして口をアワアワさせている。倉橋美冬は興味なさそうな素振りをしながらも、健人の席をチラチラと振り返っている。皆、耳をダンボになるくらいそばだてていた。

「万が一、注意アイテムが癖になっちゃったときの対策は・・・。」

 ゴクリッ。小松茉莉の席のあたりから、生唾を飲み込む音が聞こえてきた。

「再来月号にてご紹介。お楽しみに・・・だってさ。変な占いコーナーだなぁ。」

「そっ・・・そんなぁ・・・。」

「再来月って、無責任よ!」

 久住沙希と倉橋美冬が、思わず立ち上がってしまっていた。

「へ? どうしたの? 委員長に久住さん・・・。アスパラとかお箸とか、何か思い当たることでもあるの? この雑誌の占い、全然当たらないけど、他に読むものないから、暇つぶしに読んでたんだけど・・・。」

 健人がとぼけた顔で聞いてみると、沙希だけでなく、美冬の顔も真っ赤になった。

「なんでもない・・の。ゴメンね。」

 沙希が席について顔を両手で隠す。

「う、占いなんて、非科学的だから、・・・引っかかっただけ・・・。ア、アハハハ。」

 倉橋委員長は珍しく余裕の無い強張った笑顔で空笑いをしていた。逆に健人は、笑いを堪えて無垢な表情を保つのに必死だった。ツネッてる太腿が痛い。

「抱き枕・・・、ラッキーアイテムって書いてなかったの?」

 楓が不満げに健人の手元の雑誌に手を伸ばそうとするので、健人は慌てて机の中に雑誌をしまおうとする。

「ほら、もう授業始まるよ!」

 容赦なく手を伸ばしてくる楓には幽体の手を突っ込んで、放課が終わるまで黒板の前でラジオ体操をしてもらわなければいけなかった。

(皆、学校で澄ました顔で、『清楚な美少女生活』するのも大変だね。僕だけは皆の秘密の顔、全部見てあげてるからね。・・・ま、僕が植えつけちゃった性癖なんだけど・・・。)

 健人の根気良い研究が、確実に芽を伸ばしていた。


。。。



(ユリイカッ! ・・・・これって、やっぱり新しいブレークスルーなんじゃない?)

 健人がガッツポーズをとっているのは夕方近くの1−Eの教室。『元・1−Eのファッションリーダー』黒谷アヤメの席の前で、だった。

「ど・・・、どうしたっぺか? 土屋どん?」

 ウェーブをかけていた髪を手ぬぐいで隠してしまっているアヤメは、朴訥そのものの表情でポカンと口を開けていた。

 先月までは1−Eのファッションリーダーを自称して、白ギャル大人メイクでモデルっぽい顔立ちと体型を際立たせていたアヤメだったが、健人の悪戯で「超田舎っぺ」という自意識を植えつけられ、ダサいファッションに衣替えしていた。土イジリの邪魔になるからと、以前はあれほど熱中していたマニキュアもやめて爪を短くし、校則ギリギリのミニスカートだった服も、今はスカートの下にモンペを穿き、その下はフンドシで頑張っている。言葉遣いはアヤメの想像上の田舎モノというイメージが行き過ぎたのか、江戸時代のお百姓さんみたいになっていた。以前は大学生と付き合っていることを鼻にかけて、クラスの男子を小馬鹿にしていたが、今は「都会に行ったことがある」という言葉を聞くだけで、どんな男子をも羨望の眼差しで見上げ、ホイホイ股を開いている。

 そのアヤメに対しての日々の刷り込み効果をチェックしに来た健人は、小さな変化に気がついた。

(前は・・・無理矢理、コントに出てくるお百姓さんみたいなメイクをさせてたはずだったと思うけど・・・。眉毛・・・、自毛で繋がってる? ・・・鼻毛もこんなモッサリ出てなかったと思うし、・・・肌も、前よりずっと赤ら顔になってる・・・。これ、単にお手入れサボってるんじゃなくて・・・。)

 健人の思いは観察するごとに確信に変わっていく。

(体にも・・・、体の動きだけじゃなくて、体そのものにも、ちょっとずつ、影響与えてる?)

 もはや健人の自由自在な施設実験室となっている1−Eでは、健人は思いついたことは即実行するようになっていた。6時限目の授業は先生がエスケープしてしまって急遽キャンセル。健人以外の男子が全員、机でスヤスヤ眠る中、黒板の前に全裸の女子たちが2列に整列して、「休め」のポーズをとらされた。全員、ちょっと苦しそうに眉を潜めている。なかにはあごを上げて感じ入っているような女子もいた。

「うっ・・・、胸が、胸が張るよぅ・・・。」

「ちょっと・・痛いような・・・、あ・・、なんか、変・・・。」

 くちぐち女子たちが体の異変を訴えるが、なかなか健人の期待する効果は現れないようだった。健人が腰をかがめ、10センチくらいの距離で、オッパイを間近に観察して回る。

「みんな、もうちょっと我慢して。オッパイから・・・、母乳出してみてよ・・・。高校生なのに、赤ちゃんいないのに・・・、ピューってオッパイ出たら、実験成功なんだ。頑張れ!」

 一人ずつの体に自分の幽体の一部を出し入れしながら、健人も必死に格闘している。女の子たちの乳首は全員ツンっと上に伸びて、痛いくらいに勃起している。休めの姿勢のまま限界まで胸を反らして、応援団長のような姿勢になって気張っている全裸の美少女たちは、急な胸の張りやシコリに戸惑いながらも、健人の指示に懸命に従順に従っていた。

「あっ・・・あっ・・・あぁ・・・。」

 力尽きて、何人かの女子が膝をつく。無理をさせすぎるといけないので、健人も限界に近づいているように見える子から、一人ずつ支配を解いていった。

(うぅん・・・駄目か・・・・。・・・おっ? 野村さんは?)

 吹奏楽部の野村リンさんは、豊かなバストと小さめの乳首の持ち主だったが、健人が回診しながらチェックすると、乳首が透明な液で濡れていた。間近で凝視すると、乳首からうっすら液がにじんでいる。

(おぉっ? これは?)


 しかし、図書館で調べてみた健人は、この実験が結局失敗だったことを理解した。稀に妊娠前にも乳腺から液が分泌される子がいるらしい。やはり、妊娠もしていない女の子に、景気良く母乳を噴き出してもらうというような無茶な肉体改変は出来ないらしい。

(体の動きや反応、感覚は操れたから・・・。今ある体の機能というかメタボリズムは強化出来るけど、過度に物理的な変化は作れないってことかな? 結局、ホルモンの分泌とかを支配してるだけなのかも・・・。)

 失敗も経験するが、健人はめげない。数日後には体へ影響を与える小部屋の近くに、生理現象を司る小部屋があることを発見した。この二つの部屋と思考の部屋。三つを定期的に行き来すると、相手の(最初の実験台は多香子お姉ちゃんと楓だったが)美容と健康はかなり効果的に掌握できた。さらには根気良くこうした部屋を弄ることで、楓の若干のバストアップにも成功した。

(急な肉体改造っていうのは出来ないけど、食生活や運動、生活習慣にメンタルヘルス。そしてホルモンの分泌を総合的に支援すれば、バストアップも美肌化も、色気を増したイイオンナの大量生産も可能だな・・・。でもこれ、幽体離脱道の研究者というよりも、お洒落雑誌のコラムニストとかの仕事のような気もする・・・。いまいち、悪戯の楽しさは無いよね。・・・ま、可愛い子が溢れることに文句は無いんだけど。)



 艶々の肌と潤んだ唇で、セクシーさを増した多香子お姉ちゃんが1−Eの教室を訪れて健人に膝枕で耳掃除をしてくれている。その健人にお弁当を食べさせてくれるのは、胸の谷間を強調するようになった堂前楓。十代の若さを取り戻したようなピチピチした表情で健人の腕と足にマッサージをしてくれているのは肌襦袢一枚の上園和佳先生と、子供サイズのピチT(カエルのプリントがついている)1枚で横にはべる滝脇双葉先生。。かいがいしく手や足の爪を磨いてくれているクラスメイトたち。健人の机では倉橋委員長が懸命に宿題を代行してくれている横で、久住沙希がまめまめしく机と椅子の水拭き。小松茉莉は細心の注意を払いながら教科書、ノート、問題集の配置を整えて次の授業の準備を。みんな全て健人一人のためにしてくれている。黒板の前では最近プロポーションが日本人離れしてメリハリが出てきた女子たちが5、6人。長ボウキをポールに見立てて、ラスベガス張りのポールダンスを披露して、健人に体の成長度合いと日々の練習の成果を見せてくれていた。教室の中を行き来する女子たちも、どこかみんな。制服が持て余すようなムチムチとした体つきや、モデルのようなスリムなクビレを誇りながら、お尻を振って歩いている。ムンムンと、オンナのフェロモンがたちこめる、妙に艶っぽい教室から、窓の外の景色をみると、学級菜園で麦藁帽子に半纏とモンペで農作業に精を出している黒谷アヤメの姿が小さく見える。男子たちも皆笑顔。女子たちは恍惚のような多幸感を感じて、うっとりと笑みを漏らす。稜青学園高校1年E組の、新しい日常だった。

 
 


 

 

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