S.N.S.

〜Sexual Networking Slave〜


 

 



前編

Online Part 1




 その日、退屈な授業も終わって、あたしたちが鞄を手におしゃべりをしていた時のことだった。

「そういやさ、俺、SNSをやってみたいんだけどさ。おまえらはやってんの?」

 クラスの男子のひとりが、そんなことを聞いてきた。
 SNSはもちろんソーシャル・ネットワーキング・サービス。
 ネット上でのコミュニティをつくっていろんな人と交流できるWebサービスのことで、21世紀のはじめに登場して100年ちょっと経った今でも、ネット上で人と人を結ぶ場として人気がある。

「え? やってるけど。ていうかSNSやったことないの!?」
「いや、だって俺は部活で帰るの遅いし、夜は疲れてて寝るのも早いしさ。でも、SNSやるといろんな子と知り合えるっていうしさ」
「ふーん……なに色気づいてんの?」
「そっ、そんなんじゃねえよ! だいいち、みんなやってるから俺だけやってないってのもカッコ悪いじゃんかよ」
「別に、みんなやってるからって無理してやらなくてもいいと思うけどなー」
「じゃあカナはやってないのか?」
「やってるけど」
「やってんのかよ!」

 あたしの言葉に、その子が派手にずっこけながら突っ込んでくる。
 まあ、体育会系の子ってみんなこんな感じだよね……。

「で、おまえがやってるのはどれなんだよ?」
「え? ヴァーチャトピアだけど」

 ヴァーチャトピアっていうのは、大手SNSのひとつでVirtuatopia、略してVTって呼ばれることもある。
 いちおう、日本では会員数で1位争いをしてるところだ。

「へえ、VTなんだ……」
「うん。やっぱり大きなところの方がいろんな人と知り合えるし、あそこはセキュリティーがしっかりしてるらしいから安心だしね」
「そうそう。だから私もVTよ」
「そうなの? じゃあ、友達になろうよ」
「いいよ……って、リアルの方で友達なんだけどね」
「いいじゃんいいじゃん!」
「って、おまえらだけで盛り上がるなよな。……でも、やっぱり大きなところの方がいいのか」
「そうよねー、私もDNLだしね」

 って別の子が言う。
 あ、DNLっていうのは、ドリーム・ネット・ランドDream Net Landの略。
 やっぱり大手SNSのひとつね。

「そっかー……やっぱり大きなところにするか……」

 と、最初に聞いてきた男子は腕組みして考えている。

 その時、それまで黙って話を聞いていたリサちゃんが口を開いた。

「あら、私はリーボだけど?」
「へえ〜、リサちゃんってリーボだったんだ」

 リサちゃんはあたしと小、中、高とずっと同じ学校で、家も近所だから一緒に帰ったりする仲良しさんなのに、全然知らなかった。
 ……あ、リーボっていうのはわりと新しいSNSで、ちゃんとした名前はRevol(リーヴォル)っていうんだけど、語感もいまいちだし呼びにくいんで、みんなリーボって言っていた。
 まだそんなに規模が大きくないはずだから、リーボをやってる子はあたしが聞いたのはリサちゃんが初めてだけど、みんなも同じみたい。

「リーボってそんなに大きくないだろ? どうなんだ? 楽しいのか?」
「え? すっごく楽しいわよ」

 男子の質問に、リサちゃんがそう答えている。
 すると、別な男子が割り込んできた。

「俺、前にリーボ入ってみたことがあるけど、あんまり楽しくなかったけどな」
「そうなのか?」
「うん、あんまり人も多くなくて、寂しい感じがしたぜ」
「まあ、大手のところに比べたら少し寂しかもしれないけど、私はあそこでたくさん友達ができたから」
「そうなんだ」
「まあでも、いろいろ話を聞いてみたけど、初心者は大きなところの方がいいのか……」
「そうかもしれないわね」
「それが無難だと思うけどなー」

 言い出しっぺの子の言葉にみんなが頷いて、そこでおしゃべりはお開きになった。

「じゃあ、帰ろっか、リサちゃん」
「そうだね」

 リサちゃんに一声かけて、あたしたちはいつものように一緒に帰ることにする。








「まあ、あの子たちにはリーボの楽しさはわからないわよね……」

 校門を出て、しばらく歩いてから、リサちゃんがぼそりとそう呟いた。

「え? そうなの?」
「そうよ。それに、あの子たちにあそこの楽しさを教えるのはもったいないもの」

 なんか、吐き捨てるようにそんなこと言うのはリサちゃんらしくないし、どこか妙な言い方だけど。

「でも、リーボってそんなに楽しいんだ?」
「うん。……て言っても、私もまだ始めて3ヶ月くらいなんだけどね」
「そうなの!?」
「そうよ」
「へえぇ……あたしもやってみようかな……」

 たった3ヶ月でそんなに好きになれるなんて、よっぽど楽しいんだ……。
 リサちゃんの言い方に、あたしもちょっとリーボに興味が出てきた。

「そうね。私も、カナだったらきっとあの楽しさがわかると思うな」
「どうして?」
「だって、カナはかわいいもの」
「え〜、なによ、それ?」
「かわいい子はSNSでも人気があるのよ。決まってるじゃない」
「そうかな〜。なんかリサちゃん変なの〜」
「とにかく、カナが興味あるんだったら、あとで私から招待状送っておくね」
「あ、リーボって招待制なんだ?」
「招待じゃなくても入れるけど、招待された方が最初から友達もたくさんできるし楽しいよ」
「そうなんだ。じゃあ、お願いね」
「うん、わかった! じゃあね!」
「うん! バイバイ!」

 話をしてるうちに家の近くまで来たから、そこであたしたちは手を振ってバイバイしたのだった。






* * *







 家に帰ると、あたしは鞄をベッドに放り投げて、ヘッドセット型の端末をかぶる。

 昔はパソコンやタブレットっていう端末があったみたいだけど、あたしは教科書の中でしか見たことがない。
 西暦2138年のこの時代には端末はほとんどが装着型になっていて、あたしが普段使ってるのは腕時計型のもので、そこからの神経接続を通じて展開されるヴァーチャルモニターを操作してたいていのことはできる。
 ただ、今の時代ではゲームやSNSのほとんどがVR、つまりヴァーチャル・リアリティになってて、神経や脳とより深く接続する必要があるからこういうヘッドセット型の端末を使わないといけなかった。

 端末を起動して少しすると、目の前のランプが赤から緑に変わって、初期画面が映る。
 それを脳波感知で操作して、ヴァーチャトピアにログインする。

 次の瞬間、あたしはここでの自分の部屋にいた。

 今、ここにいるあたしは、ネット上のSNS空間での電子個体。
 いわゆるアバターっていうやつ。
 でも、現代のヴァーチャル・リアリティー技術だと、限りなくリアルに近い感覚を持っている。
 それに、このヴァーチャトピアは実名制のSNSだから、姿もリアルのあたしそのまま。
 だから、本当に日常生活の感覚と変わらない。

「だれかお友達からのお知らせが入ってないかなー?」

 そう思ってチェックしてると……。

"生クリームたっぷりのロールケーキ作ってみました"

 ていうチサトさんの写真付きメッセージがあった。

 チサトさんはここでのあたしのお友達のひとり。
 歳はあたしのお母さんと同じくらいだっていってるけど、すごくきれいで料理上手な素敵なお姉さんみたいな人。
 だって、見た目もすっごく若いんだもん。

 チサトさんのメッセージがまだ10分くらい前なのを確認して、こっちから連絡する。

「あっ、チサトさん。カナでーす!」
「あら、こんにちは、カナちゃん」
「写真見ました! ロールケーキ、すっごく美味しそうですね!」
「ありがとう。じゃあ、食べに来る?」
「うん! 食べる食べる!」
「ふふっ! じゃあ、待ってるからすぐにいらっしゃい」
「はいっ!」

 会話を切って、すぐにあたしはチサトさんのところに飛ぶことにする。

 リアルの世界では、チサトさんは北海道に住んでるらしいけどここではそんなの関係ない。
 それに、どれだけ感覚がリアルでも、今のあたしはあくまでもネットの中の電子的な存在だから移動も楽だ。
 SNS上の操作で、一瞬でチサトさんの家の前に着く。

「いらっしゃい、カナちゃん。さあ、あがってあがって」

 来るのがわかってたから、すぐにチサトさんがドアを開けて出迎えてくれる。

「おじゃましまーす!」

 家の中に入ると、中はお菓子作りをした後の甘い匂いでいっぱいだった。

「わー、いい匂いー!」
「すぐに紅茶淹れるから座っててね」
「うんっ!」

 チサトさんに勧められて席について待っていたら、すぐに大きめに切ったケーキと熱々の紅茶を持ってきてくれた。

「うわぁ、美味しそう!」
「さあどうぞ、食べて食べて」
「いただきまーす!」

 いただきますをして、パクッとひとくち。
 口の中いっぱいにたっぷりのクリームと、ふわふわのスポンジの甘さが広がっていく。
 こんなにいっぱい生クリーム使ってるのにすっごく軽くて、何個でも食べられそう。

「美味しいっ! クリームまでふわふわで、全然重たくないです!」
「うふふっ、それはね、泡立て方にコツがあるの。時間をかけて泡立てるとかえって食感が重たくなっちゃうから、手早くきめの細かいクリームにするのよ」
「へえぇ……」

 チサトさんの説明を聞きながら、ケーキをペロリと平らげてしまった。
 よく考えたら、今のあたしはアバターだし、このロールケーキだってネット空間のものなのに、味も食感も本物のケーキにしか思えない。
 こういう時、本当にヴァーチャル・リアリティーってすごいと思う。

「あら、もう食べちゃったの? おかわりはどう?」
「食べます! すっごく美味しいし、こっちでならいくら食べても太らないもの!」
「まあっ」

 チサトさんが口に手を当てて笑うけど本当にそう。
 ここでなら、体重のことを気にせずにいくらでも食べることができる。

 こうやって、現実だと知り合えないはずの遠くの人とお友達になれて、リアルの世界ではできないようなことができるのがVRSNSの良さよね。
 ホント、ヴァーチャル・リアリティーの仕組みを考えた人って天才だわ!!





 その後、チサトさんからおかわりをもらって、いろんなおしゃべりをして、晩ご飯の前に自分の部屋に戻る。

「あ……リサちゃんからメールが届いてる……」

 ログアウトしてすぐに、リサちゃんからメールが来てるのに気づいた。

「たぶん、リーボの招待状だ。でも……ご飯の後でいいよね」

 メールの内容は、さっきリサちゃんが送るって言ってたリーボの招待状だってわかった。
 でも、今から新規登録してたら時間がかかるから、それはとりあえずご飯の後にすることにした。






* * *







 晩ご飯を食べて、お風呂にも入って、髪を乾かしてからあたしは自分の部屋に戻った。
 そして、もう一度ヘッドセットをつける。
 
 リサちゃんのメールに付いてた招待状を開いて、リーボへの登録を始めようとする。

「なにこれ? ……へえぇ、特別招待アカウント? これをクリックするだけで登録作業を始められるんだ……」

 どうやら、他のSNSみたいに新規アカウントを作成するんじゃなくて、この招待状にあるアカウントで登録ができるみたいだった。
 やり方が違っててちょっと戸惑うけど、リサちゃんからの招待状だし、あたしは特に不審に思うこともなくそれをクリックした。

「……あ、れ? なに……この感じは……?」

 なんだか、肌がチリチリして全身の毛が逆立つような感じがする。
 それに、頭の奥の方が熱くなってくるような……。

「きゃっ! …………あ、あれれっ!?」

 次の瞬間、あたしは見知らぬ部屋にいた。

「もしかして、ログインしちゃったの?」

 突然のことに、あたしは自分がリーボにログインしたんだってことがすぐにはわからなかった。
 ていうか、突然すぎるわよ!

 普通ならアカウントを作ってログインする前に、自分のプロフィールの作成やアバターの設定をしなくちゃいけないのに。
 それこそ、匿名型のSNSなら姿や性別も変えられるからそういうのを細かく決めなきゃいけないし。
 そりゃ実名制のSNSだったらアバターの設定は端末が登録者から読み出したリアルの世界のデータをもとに自動で作るけど。
 それでも自分のプロフィールくらいは自分で作るし、アバターの服装や髪型とかを決めなきゃいけないのに。

「……って、どうして!? これ、制服じゃないの!?」

 自分の格好を見て、それがうちの学校の制服だって気づく。
 アバターの自動作成でも、こんな服装まで再現されることはないはずなのに。
 ていうか、あたしはお風呂上がりだったから着てたのはパジャマだったし。

「え? なんで? どうして?」

 わけがわからなくて、頭の中がクエスチョンマークでいっぱいになる。
 
 それに、この部屋……。

 簡単なベッドと机、椅子みたいな基本的な家具があるだけの、どっちかというと殺風景な部屋。
 普通なら、SNSでの自分の家も最初に細かく設定できるはずなのに。

 あたしは、ヴァーチャトピアでやってるのと同じように、SNSメニューを起動させようとする。
 これはリアルの世界で私が装着してる端末を通じた操作だから他のSNSでも基本操作は同じだと思うけど……。

「あれー? なんで?」

 たしかに、メニューは出てきたけど選択肢がものすごく少ないし、今のあたしに必要なものはなさそうな感じ。

「とにかく、誰か見つけてここでの操作の方法を教えてもらわないと……」

 そう思って、その部屋を出る。

 そこは、両側に同じようなドアが並ぶ通路になっていて、突き当たりにエレベーターのドアっぽいものがあった。
 っていうことは、ここはビルの中なのよね?

 とりあえず、あたしは真っ直ぐにエレベーターの方に行ってみる。
 たどり着いたエレベーターの脇に、大きく4っていう数字があった。

「……4、ってことはここは4階よね?」

 なんか、このビルの中って人の気配がしないし、とにかく外に出ようと下方向のボタンを押す。

 そして、1階に降りると……。

「……あっ!」
「あら? 新しい子ね?」

 エレベーターホールに、女の人がいた。
 見た感じ、あたしよりはずっと年上そうだけど、チサトさんよりも若いか、同じくらいかな? って感じがする。
 淡いグレーのスーツを着て、アンダーフレームの眼鏡にアップににした髪をまとめた、落ち着いた雰囲気の人だった。

「あのっ、あたしっ……」
「うん、特別招待アカウントで新規に入ってきたのよね?」
「えっ? どうしてわかるんですか?」
「だって、このビルは特別招待アカウントで入ってくる子が最初に来る場所ですもの。私はマナミ。ここの管理をしているの。あなたの名前は?」
「あっ……あたしはカナっていいます」
「そう、よろしくね、カナちゃん」
「はっ、はいっ、よろしくおねがいします!」

 そう言って、その女の人、マナミさんがニッコリと微笑むから、あたしも慌てて頭を下げる。
 この人……見た目は働く大人の女の人って感じだけど、笑うとすごく優しそう。

「じゃあ、さっそく行きましょうか?」
「行くって、どこにですか?」
「特別招待アカウントのみんなが集まってる場所よ。そういえば、カナちゃんは誰に招待されたの?」
「あの……リサちゃんです」
「ああ、リサちゃんのお友達なのね。あの子は毎日来てるから、きっと今日もいるわよ」
「へえぇ、そうなんだ……」
「さあ、私たちも行きましょ」
「あっ、はいっ!」

 あたしの手を引いて歩き出したマナミさんの後に続いてそのビルを出る。

 外に出ると、そこにはいかにもVRSNS空間らしい、清潔感に溢れた街並みがあった。
 ヴァーチャトピアの街もそうだけど、リアルの街と少し違うのはテーマパークの中みたいに華やかな店が並んでるところ。

 ふーん、けっこう賑わってるんだ。

 それが、あたしの第一印象だった。
 それほど大きくないSNSだから、もっと寂しい感じかなって思ってたんだけど。
 それは、たしかにヴァーチャトピアほどじゃないけど、そこそこの人で賑わってる感じがする。
 まあ、あっちは単に人が多いだけじゃなくて遊びに行く場所もたくさんあるんだけど、こっちはどうなんだろう?

 そんなことを考えながら、マナミさんの後について行く。

 でも、クラスの子が言ってたほど悪いところには見えないけどな。
 たしかに普通すぎるっていえばそうなんだろうけど……。
 それが物足りないって感じる人もいるかもしれないけど、街にいる人たちはみんな楽しそうだった。



「さあ、こっちよ」
「……あっ、はい」

 マナミさんに手招きされて、メインの通りから路地の方に入っていく。
 そして、一軒のビルの前で止まる。

「ここよ」

 そう言ってマナミさんが指さしたのは、ビルの入り口脇から地下へと続いている階段だった。

「ここ……ですか!?」

 ……って、なにこの階段!?
 ちょっと深すぎじゃないの?

 中を覗き込んだあたしは思わず素っ頓狂な声を上げてしまった。
 だって、入り口からじゃ暗くて先が見えないくらい深いんですもの。

「さ、行きましょ」

 マナミさんが降り始めると、階段にぱっと灯りが点った。
 あたしも、その後ろからついて行く。





 その階段は、本当に深かった。
 地下5階……いや、6階くらいまで降りてるみたいだった。

 ようやく下まで着くと、そこには扉がひとつあった。

「じゃあ、カナちゃんが先に入って」

 扉の前で、マナミさんがあたしにそう促した。

「……え? は、はい……」

 なんだかよくわからないけど先に入らなくちゃいけないように思えて、あたしはその扉を開ける。



「いらっしゃい、カナちゃん!」
「ウェルカム!」
「ようこそリーボへっ!」
「歓迎するよっ!」

「えっ!?ふええええっ!?」

 いきなり大歓声に迎えられて面食らってしまった。
 そこは、レストランかなにかみたいな部屋になってて、たくさんの女の子があたしを出迎えていた。

「いらっしゃい、カナ。よく来たね」
「リサちゃん……」

 拍手している女の子たちの中からリサちゃんが出てきて、あたしの手を握る。

「どうしてあたしが来るのがわかったの?」
「それはマナミさんが知らせてくれてたからだよ」
「そうなんだ……」

 マナミさん、いつの間に連絡してたんだろ?
 あ、でも、SNSの世界だったらいくらでも連絡する方法があるよね。

「ほら、カナったらそんなとこに突っ立ってないで中に入りなよ」
「あ……うん」

 リサちゃんに手を引かれて店の中に入ると、そこにいたみんながあたしを取り囲む。

「カナ、この人たちがここでの私のお友達。……まあ、これが全員じゃないけど、今日ここに来てる人はみんな呼んだから」
「はじめまして、カナちゃん。私はアキナ」
「私はユキね」
「あたしはカリン。よろしくね」

 その場にいるみんなが自己紹介しながら握手してくるけど、こんなに大勢の名前はいっぺんに覚えられないよ……。
 歳も、あたしやリサちゃんと同じくらいの子から、マナミさんみたいにずっと大人の雰囲気のある人まで様々っぽい。
 でも、共通してるのはすごくかわいらしい子からきれいな人まで、みんな美人揃いだってこと。

「あ、あの……どうもよろしくお願いします……」
「ほらほら、みんなもそんなに急いじゃダメよ。カナちゃんが戸惑ってるじゃないの」

 取り囲まれたあたしが困ってると、マナミさんが助け船を出してくれた。

「そうそう。時間はたっぷりあるんだから、ちょっとずつ仲良しになっていけばいいよ」

 そう言って、リサちゃんがあたしを真ん中のテーブルに着かせる。

「それよりも今日はカナの歓迎会だよ。さあ、みんなでぱーっとやろう!」

 リサちゃんのかけ声に、その場にいるみんながまた歓声を上げる。
 それに続けて、奥の方から飲み物の入ったグラスが乗ったお盆を手にした女の子たちが出てきた。
 そして、飲み物を持ってきた子も含めた全員にグラスが行き渡ると、マナミさんがグラスを手に立ち上がった

「それじゃあ、カナちゃんがリーボに来たのをお祝いして、乾杯しましょう」
「乾杯!」
「かんぱーい!」

 みんなが一斉に乾杯して、グラスを飲み干す。
 あたしもそれにつられて、その飲み物をくいって傾ける。

 その、ピンク色の飲み物は、少しトロッとしていて甘酸っぱかった。

「ねえねえ、リサちゃん。これって、お酒じゃないの?」

 飲んでしまった後で、あたしは思わず隣にいたリサちゃんにそう訊ねていた。

「大丈夫よ。たとえSNSの世界でも、未成年はお酒飲んじゃダメって決まってるもの。これはお酒じゃなくて、この店で人気の特製ジュースなの」
「そっか……そうだよね」

 あたしはもちろんお酒なんか飲んだことないからわからないけど、そう言われるとそんな気がする。
 それに、甘くてすごく飲みやすいし、本当にジュースなんだよね……。

「さっ、私たちとも乾杯しよっ、カナちゃん!」

 そういって、さっき挨拶してくれた人……ユキさんだっけ? ……があたしのところにやってきた。
 あたしよりも年上っぽいけど、ベリーショートの可愛らしい感じのする人だ。

「あら? カナちゃんったらグラスが空じゃないの。……ねえっ、おかわり持ってきて!」
「はーい!」

 元気な返事と一緒にあのジュースの入ったグラスを持ってきたのは、髪を三つ編みにした、あたしと同い年くらいの女の子だった。

「さあ、どうぞ、カナちゃん。私はマコっていうの。仲良くしようね!」
「う、うんっ」
「じゃあ、改めて乾杯しようか!……かんぱーい!」
「かんぱーい!」
「か、かんぱーい……」

 ユキさんとマコちゃんたちがあたしを囲んで、また乾杯が始まる。
 それが終わると、また別な子たちがやってきて乾杯を繰り返す。

 そうやって、その特製ジュースを何杯飲んだのかもわからなくなった頃……。

「あ……れ……?」

 なんだか、体がふわふわする不思議な感覚に包まれる。
 それに、お風呂上がりみたいに火照ってるような気もする。

 ……どうしたんだろう?

「ねえリサちゃん、これって、本当にお酒じゃないんだよね?」
「そうよ」
「でも、さっきからあたしなんか変なの。体がふわふわするみたいで……」
「うん、それでいいのよ。……ちゅっ!」
「……んんっ!? んむぅううううっ!?」

 なんか変だと思って近くにいたリサちゃんに改めて訊ねたら、いきなりキスされた。
 次の瞬間、腰が抜けたみたいになって椅子にへたり込んでしまった。

 じーんと痺れたみたいな感覚がして、下半身に力が入らない。
 ううん……下半身だけじゃない、全身の力が抜けていく見たいに感じる。
 リサちゃんの唇があたしの唇に当たる、フニッとした感触がすごく柔らかくて優しく感じた瞬間に、あたしの体がおかしくなってしまったみたい。

 でも、それだけじゃない……。

「ちゅば、れる……んっ、ちゅむっ……」
「んっ!? んむんふぅううっ!?」

 あたしの唇に当たるプニプニとした感触の向こうから、少し弾力のあるものが滑り込んでくる。
 それが、口の中をくすぐるみたいに動き回ると、なんだか頭の中がほわんとなってくる。
 背骨が震えるみたいに痺れてきて、体に力が入らなくなるみたい。

 ……これ、リサちゃんの舌?

 あたしの口の中でリサちゃんの舌が動く、くすぐったいような、むず痒いような、でも、なんだか自分の体がトロトロに溶けていくような、不思議な感覚。

 リサちゃんって、すごくキスが巧いんだ……。

 唇を合わせて、口の中を舌が滑っていくだけなのに、それがすっごく気持ちいい。
 体だけじゃなくて、頭の中までふわふわってなってくる。
 女の子同士でこんなことしてるのに、全然気にならない。
 むしろ、女の子同士だから安心できるって感じ。

「ん……むふ、んふぅううう……」

 いつの間にか、あたしは自分で力を抜いてリサちゃんのキスに身を任せていた。

「……ぷは、ふぁああああ」

 どれだけ長い間キスをしてたんだろう?
 やっとリサちゃんが唇を離して、あたしたちはじっと見つめ合っていた。

「リサちゃん……すっごくキスが上手……」
「ありがとう、カナ。でもね、それはさっきのジュースのおかげなんだよ」
「ふえぇ? どういうこと?」
「あのジュースを飲むとね、感じやすくなっていっぱい気持ちよくなれるの。だからほら……ぺろっ」
「リサちゃ……? あんっ、ひゃううううううっ!?」

 リサちゃんがあたしに抱きついて、首筋を舐めた。
 それでまた背筋がゾクゾクッて震えて腰が抜けちゃった。

「ぺろろっ……ちゅむっ、れろっ……」
「ひゃうっ! ふあっ……りっ、リサちゃぁんっ!」

 リサちゃんが、ペロペロとあたしの首から耳の後ろまで舐めていく。
 そして、耳たぶを甘噛みした。

「……はむっ」
「きゃふぅうううううっ!」

 リサちゃんの柔らかい唇が耳たぶをコリッて挟んだ瞬間、あたしの体がびくんって跳ねた。
 なんだか、感覚がいつもと全然違う。
 本当に敏感になってて、耳たぶにビリビリと痺れるような、でもすごく甘く感じる刺激が体の中を駆け巡っていく。
 それだけでも気持ちいいのに、耳の裏にかかるリサちゃんの吐息が熱くて、あたしの頭の中まで熱くてほわほわってなってくる。

「リサちゃんっ……あたし、おかしくなりそうだぉおおっ……」
「それでいいんだよ、カナ。……さあ、もっと気持ちよくなろうね」

 そう言うと、リサちゃんが手際よくあたしのブラウスのボタンを外していく。

「だめだよリサちゃん! みんないるのにぃいい……」
「大丈夫よ、ほら」

 あたしの制服を脱がせながら、リサちゃんが周りを見るように促してくる。

 あたしたちのすぐ側ではユキさんとマコちゃんが、向こうではマナミさんも、みんな下着だけの姿になっていた。
 それだけじゃなくて、店の中にいる女の子たちはみんな、服をはだけたり、下着姿になったり、裸になったりしている。

「みんな……でも、こんなの、他の人が来たら……」
「だから大丈夫。ここは特別招待アカウントの子しか入って来られない場所だから。一般アカウントの人はここの入り口を見つけることすらできないの」
「……そうなんだ」
「だからなんの心配もいらないんだよ。これでいっぱい気持ちよくなれるね、カナ……ん、ぺろっ!」
「ひゃあぅうんっ!」

 ブラまで外して丸見えになったあたしの胸を、リサちゃんの舌がチロッて舐める。
 それだけであたしは大きな喘ぎ声をあげてしまっていた。

「うふふっ……カナったらかわいい。……んちゅ……あむっ、ちゅむっ……」
「ひゃうぅうっ! ふあっ、やあっ、それっ、すごすぎだよぅうううっ!」

 リサちゃんがあたしの乳首にそっとキスしてから、軽く咥えて吸いついてくる。
 しかも、もう片方の乳首を指先で弄りながら。
 さっきの耳たぶの何倍も強烈な、甘く痺れる刺激が駆け抜けていって体がビクンビクンって跳ねるように痙攣する。
 あたしの頭の中が、どんどん気持ちいいのでいっぱいになっていく……。

「やだ……カナちゃんったらすっごくかわいい顔して……」
「ホントだー」

 ふと気がつくと、ユキさんがあたしの体を抱きかかえて、マコちゃんと一緒にこっちを覗き込んでいた。

「カナちゃん、肌もスベスベしててきれいね」
「それに、おっぱいもすっごくきれいな形してるよ。ほら、すっごく弾力があるし……」
「それはマコだってそうだよ」
「えへへっ……ありがと、リサちゃん」
「ひゃぅうんっ! ふぁあああっ、そんなにあっちこっち! ……あふぅううううんっ!」

 ユキさんとマコちゃん、リサちゃんが楽しそうにおしゃべりをしながらあたしの肌を撫でたり、胸をつついたりする。
 そのひとつひとつが気持ちよくて、あたしはもうみんなにされるままだった。

「はうっ! ……ふぁあああっ!?」



 その時、不意に頭の奥の方が熱くなってくるような感じがした。
 いや、さっきから頭の中はぼうっとして熱っぽい感じはしてたけど、それとは違う熱さ。
 それに、この全身の毛が逆立つようなチリチリする感じもどこかで……。

 ……そうだ。
 ここにログインする時に感じたのと同じだ。

「りっ、リサちゃん……なんだか頭の奥が熱いよぅっ! それに、肌がチリチリするのっ……」
「ああ、それはね、リアルのカナとアバターとのリンク率を上げてるからなの」
「……あたしとアバターの……リンク率を?」
「そう。でも、なんの心配もいらないよ。体とアバターのリンク率が上がればもっと気持ちよくなれるんだから」
「そうなの?」
「そうよ。だから……」
「ふああっ!? リサちゃんっ!?」

 リサちゃんがあたしのショーツを脱がしていく。
 ユキさんに後ろから抱きすくめられているから、あたしはなにもできずに裸にされてしまった。

「うわぁ……カナのここ、いっぱいおツユ出して、ヒクヒクしてるよ」
「ほんとだぁ……すごくエッチでかわいいー!」

 あたしのアソコを覗き込んで、リサちゃんとマコちゃんが笑顔で頷き合う。

「さてと……カナのおツユはどんな味がするのかな……?」

 そう言うと、リサちゃんがあたしのアソコに顔を近づけてきた。

「やあっ! そんなとこっ……汚いからだめだよっ!」
「カナの体で汚いところなんかないよ。……じゅっ、れろぉっ……」
「ひぃあああああああんっ!」

 アソコに息がかかる冷たい感覚の後に、熱くてヌルってした感触がアソコの中に潜り込んできた。
 そのままねっとりとワレメに沿って動くと、アソコから頭までビリビリと電気が走って体がきゅっと反り返る。

「うん、すごくえっちな味がしておいしいよ。……ちゅるっ……ぺろろっ!」
「やんっ……リサちゃんっ! ひゃうっ、いぁあああっ!」
「もうー、カナちゃんったらビクビク震えてほんっとにかわいいんだからー。じゃあ、私はおっぱいに……ちゅむ、あふ」
「ふあっ!? マ、マコちゃんっ!? はぅうううううっ!」
「うふふ……カナちゃん、とても気持ちよさそう。……ちゅっ!」
「んんっ!? んむんふぅうううっ!?」

 リサちゃんがピチャピチャと音を立ててあたしのアソコを舐めてるだけでもどうにかなりそうなくらい気持ちいいのに、マコちゃんが乳首を吸ってきて、さらにユキさんがキスしてくる。
 もう、あたしには快感からの逃げ場がなかった。

「んぐっ! んむむっ! んふぅううううううううううううんっ!」

 あっという間に頭の中が白くなって、体がつま先まで引き攣ってガクガクと震える。
 そのまま全身が痺れたみたいなって、ガクッと力が抜けた。

「イッたのね、カナちゃん」
「間違いないよー、ほら、トロンって顔して、この表情もすごくいいねー」
「ホント。すごくいいイキ顔してるよ、カナ」

 あたしを覗き込んでいる3人の顔が、ゆらゆらと揺れているみたい。
 頭が完全にショートしてしまって、ふわふわしてる。

 すると、リサちゃんがぐっと顔を近づけてきた。

「どう? 気持ちよかった?」
「……うん」
「また気持ちよくなりたい?」
「……うん」
「そうだよね。カナは気持ちいいのが大好きだものね?」
「……好き」
「だったら、またここに来ようね?」
「……うん」

 リサちゃんの言葉に、ぼんやりと頷き返す。
 だって、すごく気持ちよかったし、この気持ちいいのは嫌いじゃないって思うし……。
 ううん、嫌いじゃないどころか、すごく好きかもしれないって思える。
 だから、また気持ちよくなりたい。

「だったら、今度からログインしたらここに来るようにしようね。じゃあ、メニューを起動して、カナ」
「……うん」

 リサちゃんに言われるままに、あたしはSNSメニューを起動させる。
 すると、目の前にヴァーチャルモニターがオープンモードで浮かび上がった。

「それじゃあ、ここをこうして……次はここ……で、ここをチェックね……」
「うん……うん……」

 まだ頭の中がふにゃふにゃでまともに考えることもできないけど、リサちゃんに誘導されながらメニューを操作する。

「うん、これでよし……っと。これで、今度からカナはログインすると直接ここに来るようになるよ」

 あたしの耳許でリサちゃんが嬉しそうに囁く。
 そして、首筋にそっとキスしてきた。

「ゃん、ひゃぅううん……」

 肌に当たる優しい感触が、あたしをまた甘い心地よさに誘い込んでいく。
 でも、なんかじれったい。
 こんなに優しいキスじゃ物足りない。

 そんなあたしの気持ちを、リサちゃんたちはわかってたみたい。

「もう一度訊くよ。カナは気持ちいいのが大好きだよね?」
「うん……大好き……」
「じゃあ、今日はもっといっぱい気持ちよくなろうね」

 そう言って、リサちゃんが背後に回ってあたしの体を抱く。

「じゃあ、今度は私がこっちねっ! ……んふ、ちゅるっ」
「もう、マコちゃんったら。……それなら、私はこのかわいいおっぱいにしようかな。……あーむ、ん、ちゅ」

 今度はマコちゃんがあたしのアソコに顔を埋めて、ユキさんが乳首に唇を押しつけてきた。

 するとたちまちあのじんじんと痺れる快感がアソコとおっぱいから溢れてきて、頭の中が気持ちいいのでいっぱいになっていく。

「はうぅうっ! やあっ! だからぁっ、いっぺんは激しすぎるようぅううっ!」
「でも、気持ちいいでしょ、カナ……ふふっ、ぺろ……」
「あうっ! リサちゃぁああんっ!」

 リサちゃんが、耳の後ろの敏感なところをねっとりと舐めながら囁いてくる。
 その声すらも甘い刺激になって、あたしをおかしくしてるみたい……。

「ね、気持ちいいんでしょ、カナ?」
「うんっ、気持ちいいっ、気持ちいいよぅうううっ! ああっ、ふぁあああああああっ!」

 マコちゃんがアソコをペロペロと舐めてきて、ユキさんがおっぱいの先を口の中に含んで乳首を舌先で転がす。
 そして、リサちゃんがあたしのお腹や背中を撫でながらうなじを舐めて、耳を甘噛みしてくる。

 3人に敏感なところを弄られて、あっという間に頭の中が真っ白になっていく。

 これ……ホントにすごすぎだよぅ……。
 ていうか、あたしもう、なんかおかしくなっちゃてる。
 アソコやおっぱいだけじゃなくて、リサちゃんがお腹や背中を撫でてるのでもゾクゾクしちゃう。
 あっちこっちが敏感になってて、体のどこを触られても感じちゃってる。 

 ふああぁっ!
 もうだめぇええっ!

「あふぅうううっ! ひゃぁああああぅん!」
「うふふっ! イクの、カナ? またイッちゃうの?」
「ひゃうぅ! ふあっ、リサちゃんっ、あたしっ、ひゃぁああああああああっ!」

 体中で気持ちいいのが爆発して、全身の筋肉がきゅうって縮こまったみたいに体が強ばる。
 リサちゃんに抱きすくめられた状態で、あたしはビクビクと体を震わせていた。

「すっごーい! カナちゃんのアソコからえっちなジュースがいっぱい溢れてきたよー!」

 あたしの股間に顔を埋めているマコちゃんが歓声を上げる。
 って、やだ、恥ずかしいよ……。

 それなのに……。

「カナったらもうイッったんだぁ。でも、まだまだこれからだよ。何度でも、イカせてあげるからね。……はむっ、ちゅっ、ちゅむっ」
「……えっ、リサちゃん? ……はうぅんっ! やあっ、あたしっ、まだイッてるのにっ、そんなっ、はげしっ……! ひゃくぅううううううっ!」
「そうね、カナちゃんにはもっと気持ちよくなってもらわないとね。……あむっ」
「わー、どんどん溢れてくる! ……じゅるるっ!」

 まるでタイミングを合わせたようにリサちゃんが首筋にキスの雨を降らせてきて、ユキさんが乳首を甘噛みしながらもう片方の乳房を揉む手にぎゅっと力を込めた。
 そして、マコちゃんがエッチな音を立ててアソコに吸いついてくる。

「ふぁああああっ! こんなのっ、またイッちゃっ、イッちゃうぅうううううっ!」

 こんなのイッちゃうに決まってる。
 ただでさえおかしなくらいに敏感になってるのに、イッたばかりの体を3人がかりで責められて我慢できるわけがない。

 また目の前がぱぁって真っ白になって、体がきゅって固くなる。
 だけど、リサちゃんたちは止まらない。

「まだまだだよ、カナ。……ちゅっ、れろぉ」
「うふふっ、カナちゃんの乳首、こんなにコリコリになってる……」
「さっきからカナちゃんのここ、おツユが止まらないよー」
「あふぅうううんっ! やああっ! イッてるのにっ、まらイッひゃ……ぅうううううっ!」

 イッてる途中なのに、またつま先までビリビリと痺れが突き抜けていく。
 さっきから、体はヒクヒクと痙攣しっぱなしだった。

 気持ちいいのを通り越して、頭も体もすっごく熱くなってる。
 頭の中はぼんやりして、この気持ちいいことしか考えられないし、舌も痺れてうまく動いてくれない。
 それなのに、この快感の洪水は治まらない。

「ひゃうっ! らめっ、まひゃイッひゃっ、イッひゃううううううううううっ…………!」

 もう何回目かわからないけど、頭の中で気持ちいいのが弾けた瞬間にブツッてなにかが切れたような気がしたかと思うと、そのまま目の前が真っ暗になった。















「はぁっ、はぁっ……ん、んんっ!」

 気がつくと、目の前は暗いままだった。
 ただ、視界の端で点滅している緑のランプで、ヘッドセットを被っているんだってわかった。

「あたし……強制的にログアウトされちゃったの?」

 あたしのアバターが気を失っちゃったから、セーフティ機能が働いて強制ログアウトされたのかもしれない。
 いや、こんなのあたしも初めての経験だけど、ヴァーチャル・リアリティーのシステムにはそういう機能があるって聞いたことがあった。

 ……それにしても、すごかったな。

 さっきまで、自分がリーボでしていたことをはっきりと思い出せる。
 あれはヴァーチャル・リアリティーの世界でのことのはずなのに、今もあたしの体や頭にあの余韻が残っているように思える。
 これまで何度もゲームやSNSでヴァーチャル・リアリティー体験をしてきたけど、こんな感じは初めてだった。

「これも強制ログアウトのせいなのかな?」

 それは、向こうで経験したことを実際に経験したことのように思えるのがヴァーチャル・リアリティーだけど、ログアウトした後にこんなに強烈に向こうでの感覚が残ってたなんてことはこれまでなかった。

「……あっ」

 ヘッドセットを外して立ち上がった時に下半身に冷たい感触を感じて、思わず声を上げてしまった。

「やだ……こんなにぐしょぐしょになってる……」

 見ると、ショーツはもちろん、パジャマのズボンまでぐっしょりと濡れてた。

「SNSで経験したことでこんなになるなんて……」

 ヴァーチャル・リアリティーの世界での経験のせいで、リアルの体がこんなになったことなんてなかった。

 手にしたショーツを顔に近づけてそっと臭いを嗅ぐと、なんだか生臭いような、すごくエッチな臭いがした。
 それが、さっきまであたしがリーボでしていたことの記憶を呼び覚まして、顔が熱くなってくる。

「と、とにかく新しいのに着替えないと……」

 クローゼットからショーツとズボンを取り出して、着替えようとする。
 でも、ショーツを穿こうとする途中で手が止まった。

「さっきの、すごく気持ちよかったな……」

 あたしは自分でもあまりしたことはなかったし、特に好きっていうわけでもなかった。
 だけど、リーボでリサちゃんたちにエッチなことされて、ホントに気持ちよかった。

「ここをこんな感じで……んっ、はうぅっ!」

 自分の指をアソコに少し潜り込ませるようにして、割れ目に沿って滑らせると、すぐに甘く痺れる快感か全身を駆け抜けていく。

「ふあっ……あっ、あれっ? じっ、自分でするのっ、こんなに気持ちよかったっけ? ……ひゃぁんっ!」

 今までひとりエッチした時よりも、明らかに気持ちよかった。
 もしかしたら、リーボでの経験で快感を感じるセンサーが開いちゃったんじゃないかって思うくらいに今までと全然違う。

「あんっ、気持ちいいよっ、アソコをクチュクチュするのっ、気持ちいいっ!」

 気持ちよすぎて、指の動きを止めることができない。
 下半身裸のままベッドに倒れ込むと、そのままアソコを弄り続ける。

「ひゃうんっ! いいよっ、これっ、すごくいいっ! あんっ、はぁああんっ!」

 ……ホントは、リーボで3人にされてた時の方がずっと気持ちよかったように思う。
 でも、これでも十分に気持ちいい。

「あぁんっ、んっ、んふぅううっ!」

"カナは気持ちいいのが大好きだよね?"

 夢中になってひとりエッチを続けてるあたしの頭の中で、さっきのリサちゃんの言葉がリフレインしている。

「うんっ、大好きだよっ! あたしっ、気持ちいいの大好きっ! はうっ、ひゃぁあああああんっ!」

 頭の中のリサちゃんの声に頷きながら、あたしはさらに激しくアソコを弄り続けたのだった。

 
 


 

 

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