この素晴らしくも理不尽な世界に


 

 



(……どうしよう、止まらない)

 美穂は困惑していた。
 それは風呂に入ろうと鏡の前に立った時、ただ少し、ほんのささいな気持ちで自分の胸に手を触れただけだった。
 するとどうだろう、身体の奥底から何かがこみ上げてきて心が疼いた。
 
 そこで彼女は、最初は軽い気持ちで、自ら胸を撫でるなどして自分の身体を慰めだした。
 しかし身体の疼きは一向におさまらず、それどころか身体がどんどん火照ってきて止まらない。その為、行為は徐々にエスカレートしていき、全身から発せられた大量の汗からか、熱いと思った彼女は我慢できず、着ているものはほとんど脱ぎ捨て、ピンクの下着一枚のみになる。
 そして自らの乳房、腹や股の間などに直に触れ、激しく自慰行為に没頭していく。
 しかし身体の疼きはおさまるところを知らず、その手はどんどん激しくなっていった。

(どうして、まだ足りない……)

 指を一本、二本入れ、それでも足りず指の数をどんどん増やして秘所を弄り、手で強く激しく乳房をまさぐりながら乳首を指の間で挟み、そして胸を強く揉みしだく。

 されど身体のそこからあふれる快楽も、胸の疼きも秘所の物足りなさも一向にとどまるところを知らず、美穂は頭がおかしくなりそうな気分だった。

(も、もうダメ……)

 美穂は意を決し、半裸に素足のまま自分の部屋の扉を開け、外へ飛び出す。

(あっ……どうしよう)

 すると、足に触れるひんやりと冷たい感触が彼女の頭に冷静さを少し取り戻させた。
 
(何か着ないと……でも、誰かに触れてもらわないと……してもらわないと……)

 玄関の前で立ち止まり、恥ずかしさからか更に胸の鼓動が激しくなる。
 すぐに戻って何かを着れば良いだけの話、しかし今の彼女にはそれが浮かばない。
 そしてそれを考えるだけの余裕すら今の彼女は持ち得ていなかった。

(どうしよう……誰でもいい……誰か……)

 美穂は息も絶え絶え、全身から汗をかき、震えながら内股で立ちすくし、自分の胸を激しく弄りながら考えた。
 
(誰でも良いから、男の人……)

 誰か男の人に触ってもらえば何とかなる。今の美穂は何故かそう強く確信していた。

(男の人……誰か男の人……そうだたしか……)

 そこで美穂は足早にそのまま歩き出す。
 誰かに見られたら……しかし身体の疼きを一刻も早くどうにかしたい。
 今の美穂は羞恥心から徐々に紅潮し、それが身体に更なる疼きと快感を与え、胸と秘所をまさぐりながらはぁはぁと息を切らし、されど急ぎ目的の部屋の前へ向かった。

 そして扉に手を触れる。

 しかし開かない、鍵がかかっているため当然である。

 ドンドン! ドンドン!

 気持ちの昂ぶりからか、自然とその手は強くドアを叩いていた。

(アキトくん、いないの! アキトくん!)

「あ、はーい」
 
(よかった、いた!)

 その声に美穂は一瞬安堵し、その後すぐに自分の状態に気づき少し困惑する。

(いきなりこんな姿で、どうするどうする! えええっと、えっと……)

 早く中に入れて欲しい、だけどどう説明すれば良いかわからない、でも誰かに見られたくない。それは彰人でも同じ、でも誰かに触れて欲しい。様々なことが脳裏に浮かび、彼女は軽くパニックになっていた。
 そして待ちきれず、扉をまた激しく叩きはじめた。

 ドンドンドンドン!

 その手は早く出てきて欲しいという思いと、誰かに見られたくないという思いから強く扉を叩き続けていた。

(まだ……まだなの……?)

「ハァ……あああアキトくん、アキトくん!」

 恥ずかしさからか、喉は自然と声を震わせる。

(はやく……はやくきて……)

 美穂はもう待ちきれないという思いで扉の先からその男が現れるのを待った。
 そして、ガチャッと扉が開くと、挨拶しながら現れたその男は、美穂の姿に目を見開くと、驚きの声を上げた。
「こんばんわ美穂さ……うわっ!」

 その顔からは美穂に驚きと信じられないものを見るような視線を感じさせた。
 そして彰人は、驚きのまま、少し心配そうに美穂に尋ねた。

「ど、どうしたのですか? そんな格好で」
「おおおおお願いがあってきたの……」

(どうしよう……ここでの生活が……でも……)

 今後の生活に支障をきたすのは間違いない、しかし彼女はもう我慢ができなかった。

「わわわわ私を犯して!」


____この素晴らしくも理不尽な世界に=困惑____


「み、美穂さん?」

 彰人は困惑していた。
 夜半、突如激しくドアを叩きながら現れた訪問者。それが昼間は長く整っていた黒髪も乱れ、顔は紅潮し息も絶え絶え、半裸で全身から汗をかき身体をぶるぶると震わせ、唯一残るピンクの下着も身体にべっとりはりつくほどに濡らしている若くて綺麗な女の人だった。
 しかも何の用かと言えば『犯して欲しい』と一言。わけがわからない。
 そんなアキトの前で、美穂はがくがくと足を震わせながらも片手でその大きくふくらんだ胸を、もう片方の手はパンツ越しに股を弄っている。そして彰人の言葉をいまかいまかと待っていた。

「あああアキトくん、ととにかくいれて! おおおねがい!」
「あ、わかりました。とにかく中に」

 我慢でできず口を切った美穂の尋常ではない空気を感じさせる声に、とりあえず中にあがって貰うことにした彰人は、自らドアの横に立ち、美穂を中に先導しようとした。
 
(あ、これは強引に入れた方が良いかな?)

 しかし美穂は下を向いたまま、もう歩くことすら困難なくらい身体をふるふると揺らしていた。
 足は少しずつドアの方へ近づいているのだが、ほとんどまともに歩けていない。
 そこで彰人は、苦しんでいる美穂の前に手を差し出す。
 すると美穂はまるで呆然としているかのように蕩けている顔を彰人の手に向けた。

「美穂さん、何があったか知らないけどとりあえず中へ」

 らちがあかないと思った彰人は、そういって、美穂の手を強引に引っ張り中へ連れ込んだ。

「ひゃっ、ぁあっ!」

 すると、美穂は突然、男に手に触れられて生まれた感触に驚き、悲鳴に近い声をあげた。

「わっ」

 すると彰人はその声に驚き、バランスを崩した。
 そして、二〜三歩片足で跳ね、部屋の中に向かって身体を傾ける。

 ドサッ。

 ガチャッ。

 彰人は咄嗟に美穂を抱きしめるようにそのまま床に倒れ、美穂も彰人の上に被さるように倒れこんだ。
 そして、ドアは二人の後ろで勝手に音をたてて閉じた。

「いててっ」
 彰人は少し強く打った背中を自分で軽くさすりながら立ち上がろうと身体を起こした。
 すると、彼の唇に甘く柔らかいものが触れた。

「んっ(えっ、美穂さん)」

 彰人の口に美穂の唇が重なる。そして舌が強引に絡ませようと、彰人の唇を強引に押し上げて入ってくる。すると彰人は、何とか逃れようと首を逸らし、口が自由になると美穂に発した。

「美穂さん、ちょっと待って! どうしたの! ほんとに」

 彰人は、行為に没頭しようとする美穂を必死で止めた。
 見ると美穂の目はトロンと蕩けており、口も半開きのまま涎が少し垂れていて色々我慢できないという顔をしていた。
 そして美穂は、真剣に彼女を心配し、行為を止めようとする彰人を見つめて、少し安堵の気持ちをつくり、そしてこう呟いた。

「ごえん、あさ……い(ハァッ)……でももう……(ハァ)……我慢、できなくて……」

 その甘い声は、呂律(ろれつ)が回っておらず、女性特有の汗の匂いと、あたりに充満しはじめている異様な空気と重なり、彰人の理性を更に深く蝕む。

「と、とにかく落ち着いてください、そしてから何があったか話せるだけ教えてください」
 
 とにかく事情が知りたいと話す彰人に、美穂は先ほどの事を話せる範囲で話そうとした。

「わらひ……胸触っていたら……おさまらなくて……それで……ここへ……」

(アキトクン、げんめつしているかな……でももう、我慢できない……)

 美穂は蕩けきった脳で心配そうにしている彰人の顔を見つめ、少し複雑な気持ちになった。

「胸、胸ですか、大丈夫ですか」

「そう……ほらひるま……さわひたいって……おもっていた……へひょ……」

「で、でもこういうの良くないですよ! そりゃ触りたいですけど、冷静になって!」

(アキトクン……やさしい……ひどいことしているかな、わたし)

 目の前の彰人の態度をみて、美穂は軽く罪悪感に包まれた、と同時に、身体の火照りも関係してか、今の彰人になら何をされても良いという気持ちが芽生え始めていた。そして蕩けた頭で彰人のパジャマのボタンに手を触れると、そのまま外し、彰人の上着を脱がし始めた。

「ちょっと、美穂さん。落ち着いて!」

「ごえんね……でもわたひ……もう我慢でひにゃいの……」

 そして、彰人の前をはだけさせると、今度は彰人のズボンのゴムに触れ、そしてずらしはじめた。すると、ある事態に気がついた。

(あれ、アキトクン……固くない……こういう……で、男の人……普通……興奮……かな……アキトクン……すごい……)

「あひとふん……わらひ……ひひょふ……ふわっ(彰人くん私、魅力ないかな?)」

 美穂はもう、呂律が完全におかしくなり、まともに話すことすら困難になっていた。

 そして自分の身体の上で蕩けている美穂の状態に、どうにも手を出せずにいた彰人は、理性を強く保ち、そして冷静に考えた。

(美穂さんあきらかに普通じゃない、胸を触ったらなった? 誰かに何かされたか、とにかく何とかしないとまずい、こうなったら……ええい、仕方ない……どうなるかわからないけど……)

 彰人は若干躊躇して美穂の毛が一切生えておらずすべすべの二の腕に触れた。

 すると、突如ある女性の声が耳に入ってきた。

「どうしたの?」

 見上げると、大型サイズのシャツ一枚に身を包んだシスが、倒れて抱き合っている二人を、少し複雑そうな表情で見下ろしていた。
 二人の会話が気になって様子を見に来たのである。

(だれ……このこ?)
(そうだ。シスなら!)

 突然現れたシスを、美穂は涎を垂らしたまま蕩けきった瞳で見上げていた。
 そして、シスの姿をみて少し安心した彰人は、すぐシスにこう発した。

「シス頼む! 美穂さんが明らかにおかしい。お前の能力(ちから)で何とかならないか?」

(ちか……? なに……?)

 すると、シスは少し美穂をじっと見つめた後、小さくうなずいた。
 そしてシスは、彰人を下に抱き合うように倒れている二人に近づくと、そのまま美穂の頭を撫でるように触り、目をつぶった。そして目を開くと、彰人にこう説明した。

「脳に不自然な波長がある、多分誰かに何かされたのだと思う」

(やはり何かあったのか、止めたいけど今は我慢だ)

 シスの言葉に納得すると、彰人は自分の服を脱がしにかかっている美穂に無抵抗に身を預け、シスに質問を投げつけた。

「どうしたら美穂さんは治る?」

 するとシスは、彰人の質問に少し複雑そうな表情を作ったあと、彰人に馬乗りになっている美穂の、その汗ばみ薄いピンク色の乳首がぴんと突き出し、豊満に盛り上がっている胸に後ろから触れた。
 
 美穂は突如胸から感じた全身を鋭く貫くような快感に、思わず声を上げた。

「ひゃっぁぁぁあああっ!」
「美穂さん!」

 声を上げる美穂に驚いた彰人は思わず声をかける。そしてシスは美穂の胸を弄りながら彰人にこう答えた。

「さっき言ったけど、一度発情した身体を戻すことはできない。多分誰かに何か仕込まれていると思うから(彼女を)気持ちよくさせながら解いていく」

「あ、わかった」

 その言葉に、彰人は一瞬安堵した。しかし美穂の発した言葉でまた困惑する。

「ひゃっ……らめらほ(だめなの)……(ハァッ)……もっひょ(もっと)……ほおひふ(おおきく)……はいと(ないと)」

 美穂はシスに胸を弄られながらそう、息を切らしながら話した。

 そしてシスは、そんな美穂にいくつかの問答を繰り返す。

「大きな手でないとだめ?」

「はへ(だめ)……へ……ぃぅ(ていうか)……ほほと(おとこ)……へは(でないと)」

「もっと大きな手を持つ男の人に胸を触られたい?」

「ひは(いや)……へは(というか)……ほほへは……はほ」

(何て言っているかわからない……)

 美穂の言葉は彰人にはもう完全に理解できず、彰人はただ、シスと美穂の会話が終わるのを待っていた。

「え、無いと駄目なの?」

「ほう……へは……はふ……はへ……」

「そう、わかった。彰人、お願い手伝って」

 そして一通りの質問が終わると、シスは彰人に助力を頼んだ。

「わかった。でもどうすれば良い?」

「待って、その前に確認する。ねえ」

 そういって、シスは美穂の胸を触りながら美穂に質問した。

「美穂さんは、男の人に胸を触られながら中に射精されたいのね」

(そんな馬鹿な!)

 その言葉に、彰人は仰天した。しかし美穂ははぁはぁと息を切らしながらこう答えた。

「ほう……はは……ははに……ほう……はへ……はい」

「中に射精されないとイけない?」

「……ほう(そう)」

 美穂はそう言い終わると同時に蕩けた表情のまま精一杯頷いた。

「だって、アキト」

「ちょっと待った!」

 その答えに彰人はたまらず『まった』をかけた。

「それを、その……何かわからないけどさ、それを変えることはできないのか?」

 そう、彰人は冷静にシスに聞いた。
 するとシスは少し汗ばんだ顔で話した。

「暗示や催眠、彼女に何らかの影響をもたらしているものを極度に変更するのは危険、何故なら少しの___」

 すると、シスが話している途中で、アキトがシスの言葉に声を重ねた。

「「少しのきっかけでひとのこころは簡単に壊れてしまうから」」

「えっ」
 突然自分の口から発せられた言葉に、彰人は驚きの声を上げた。すると同じく少し驚いていたシスはその後少し嬉しそうな表情を作り、すぐにまじめな表情に戻ると、再びアキトに話しかけた。

「いまは美穂さんが優先」

 そういわれはっと我に返った彰人は、シスにこう返した。

「そうだな、わかった。それでどうすればいい?」

 するとシスは美穂から離れると、着ている大きなシャツに手をかけた。

「ちょっと脱ぐね」

(わっ)

 そして、あっという間に脱ぎ捨てると、裸になった。その肌は余程熱いのかシスも全身から汗を発していた。

「……はへ……?」

 すると、美穂は下腹部の辺りで何かが動く感触を感じ、すこし腰を浮かして覗き込んだ。

「……あれ?」

 つられてシスも美穂と彰人が触れ合っている下腹部を覗き込み、それに少し驚いたシスは、不思議そうに彰人に疑問をぶつけた。

「……いまのいままで、たたなかったの?」

 その言葉に、彰人は少し恥ずかしそうに答えた。

「いや、緊張しちゃって……」

 なんと彰人のペニスは、美穂の裸体を見たり、キスしたり、一連の流れに加え美穂が自ら下腹部をこすりつけたり、ズボンを脱がしたり、シスと話している間何度もその柔らかな両手で包み、触り、何度も弄られたりもしていたのだが、その間ずっと小さく柔らかいまま一切の反応を示さなかったのである。
 それは実は突然の異常事態に気が少し動転していて、更に激しい緊張感と、はたまた彰人自身の強すぎる自制心からか、ずっと欲情することなくおさまっていたのである。
 しかしシスが脱いだとき、はたまた裸を見たときか、どきっとした拍子に少し反応して、今少しだけ大きくなっていた。
 それはまるで、彰人は今はじめて欲情したと主張しているかのように感じさせた。

「ああ、そっか……、さっきしたばかりだし、それに……」

 そう独り言のように呟きながら納得したような表情を作ったシスは、すぐにそばで座り込み、二人の間にその手を割り込ませると、彰人のモノに手を触れた。
 そしてくにくにと指先で弄っても彰人が一向に大きくならないのを確認すると、少し強引に、全身が赤く染まり、汗ばんでいる美穂の身体を彰人から引き剥がして少し待つように促した。
 その後、凄く物欲しそうにしている美穂の傍らで彰人のモノに顔を近づけ、彰人に少しぶっきらぼうに呟いた。

「これじゃ、返って失礼よ」

「うっ、いや、まずいと思ったらとことっ……ぅわっ!」

 彰人が話している途中で、シスは彰人のモノを口に含めた。
 そのときに感じられたぬるっと温かく、見事に絡みつくシスの唾液の感覚に、彰人はたまらず仰け反った。

「んぐっ、ぷはっ、ゲホッ! ゲホッ!」

 すると、シスもたまらず口を彰人のソレから離し喉を抑えながら苦しそうに咳をした。
 見ると彰人のモノは先程までとまるで別物のようにそそり立っていた。
 余程気持ちよかったのか、彰人の肉棒はすっかり元気になってしまったのであった。

(小さかったものが突然口の中で一気に膨張して喉まで届いた感じかな?)

 そしてシスは、少し咳をしながら彰人にこう話しかけた。

「美穂さんは、男の人に胸を触られながら射精されないと……ケホッ……止まらないみたいだから、お願い……私も色々……ケホッ……手伝うから」

 そういうシスの表情は喉を抑えながら少し暗い雰囲気をだしていたが、すぐ平静を取り戻した。そんなシスに、彰人はこう返す。

「ああわかった、とりあえず……美穂さん」

 そういって二人のそばで膝を折り曲げて倒れこんでいる美穂さんに話しかけた。

「はへ……はふ」

 気がつくと美穂は、濡れてびしょびしょになったパンツは脱ぎ捨て全裸になり、一心不乱に自慰に耽っていた。
 それを見たシスは、彰人の額を軽く叩き、こう発した。

「早くしないと、美穂さん危ない」

「ああ、わかった」

 彰人は、起き上がり美穂の身体に近づき、そっと肩に触れた。
 すると美穂は、彰人に気づくと激しく身体を弄りながら蕩けきった表情のまま、こう答えた。

「あひほ……ふは……ははへ……はふ……ふへ……ほは」

(意味わからん)

 美穂の言葉に困惑していると、シスが横から口を出した。

「通訳する、『私に魅力がなくてごめん』って言っていたの」

 その言葉をうけ、彰人は少し慌ててこう返した。

「そ、そんなこと無いですよ。美穂さんは凄く魅力的です」

 そういいながら、彰人は恐る恐る慎重に美穂の身体に手を近づけた。

「ほはは……へっ……ほ……ひはは……はひ……」

「そんなこといっても、たたなかったし、だって」

 その言葉に、彰人はどきっと身体を震わせ、そして言った。

「いやいや、本当に凄く魅力的ですよ。だって___」

 そういって、彰人は美穂の豊満な胸に触れた。

「ひゃうっ!」

 たまらず美穂は声を上げる。
 美穂の胸は彰人の手を包み込み、揉まれるまま縦横無尽に形を変えていく。

「ほら、この大きな胸だって凄く触っていて、気持ち良いし」

 そういって、美穂の乳房を蹂躙する、そのやわらかく温かい。また、汗のぬくもりがまた彰人を刺激し淡くピンク色の乳首が更に彰人の心を焦がしていた。

「ひはっ……ほは……はは……はふ……ふは?」

 すると、通訳しようとしたシスが少し前のめりになり、止まった。

「どうした?」

 気になり声をかけた彰人に、シスは少し複雑そうな顔を見せた後発した。

「違う、何でもない、大きい胸、好きなの?」

「もちろん大好きです! ていうか嫌いな人はいないって!」

 ぽかっ。

「いてっ」

 突然彰人は頭を叩かれた。
 というか気づけバカ。

「ふは……はふ……はは」

「待って、彰人そのまま弄っていて」

 突如シスは寝そべっている美穂の身体を少し起こし、美穂の頭を自分の膝の上に乗せると、頭を撫でるように手で触れた。そして美穂に語りかけた。

「何で違うの?」

「ほ……ふ……へ」

 美穂はもう限界なのか、もうほとんど言葉を発せずにいた。
 たまらず彰人は少し心配して、胸を弄りながら美穂に話しかける。

「大丈夫ですか?」

「ほ……は……ふ」

(ぜんぜんわからん、流石にやばくないか)

「『大丈夫』だって。後は私に任せて、それより今は胸に集中して精一杯……気持ちよく……させてあげて、その間に書き換える」

 美穂の言葉に困っている彰人にシスはそう話しかけた。
 それをうけ、少し頷いてこう返す。

「わかった。とりあえず任せる」

 そう言われ、シスは少し頷き、そして膝の上の美穂の顔を覗きこむ。

(あっちにも触れてみたいな……)

 すると彰人は、シスと美穂の顔の間から覗けるシスの大きくはない、小振りだが健康的な美乳に目を奪われた。その視線に気づいたシスは少し恥ずかしそうに、されど内心怒っているのか、睨みつけるような瞳で彰人を見つめ返した。

(やばっ!)

 その視線に少しまずいと思った彰人は慌てて、両手に触れている、汗ばんでいるが、豊かで綺麗な乳房に目を戻した。
 そしてその胸に没頭する、やわらかく、あたたかく、弾力もあり、大きくて手におさまりきらない、そしてぴんと立ち、完全に自己主張している乳首に触れるとただでさえ痙攣(けいれん)気味に震えている身体は更に気持ちよさそうに震え、そして指先で弄るとまたびくんと身体がはねた。少し弄る、はねる、軽くつまむ、震える、転がすように弄る、反応する。

 などと彰人が弄っていると、シスが少し心配そうに美穂に語りかけるように話し出した。

(さてと、上手くいくかな)

「よく考えて、美穂さん」

「ふぁ……(何を?)」

「何故その大きさの手でないといけないの?」

「は……ふあ……はふ……(その大きさでないと、イけないから)」

「ほんとうにそう? 今気持ち良くない?」

 シスはそういって、胸を触っている彰人に美穂の注意をむけさせる。

「はふ……ふは……はひ……(気持ちいいけど、物足りない)」

 美穂は先程までと変わらずあまりに身を焦がし続ける快楽の連続に頭が麻痺し、蕩けきった表情にトロンとした瞳、口からだらしなく涎を流し、思考をほとんど失った脳で、半ば茫然としながらシスの声に耳を傾けていた。

「どうして、気持ちいいなら、もっと集中して」

「ふは……はひ……あふ……(集中? 気持ち良い、嬉しい、確かに、気持ち良い)」

「そのあき……うん、彰人に触られるの、嫌?」

「ほはっ……ほほっ……、はひっ……ふあっ、……はっ……ふあっ、……(違う、今日も、彰人くんならまだ良いと思った、けど)」

「……つづけて」

「はふ……ひはっ……へほ……ひゅうっ……ふは……はは……はひっ……(さっきだって、彰人くんになら触られても良いと思った、けど足りない)」

「大きな手でなくても、気持ちいいはず。もっと彰人の手に身を任せてみて」

「ほへ……? はひ……ふ、ふ……ふはっ……はふっ……(え? 彰人くんの……あっ、そこっ、気持ち良い、確かに気持ちいいよ)」

「でしょ、なら彰人でも、いいえ、彰人の方が良いかもしれない、いま考えている理想より今の彰人かも、あとは、心のままに従ってみて」

「ふは……はひっ……ふぅっ……ふはっ……はふっ(そっか、手が違うけど、彰人くんはもっと気持ち良い手をしている、そっか、そうだね、彰人くんが、彰人くんが良い)」

「なら、続きも彰人で、良いよね」

「ふはっ……ふひっ……ひはっ……はひっ(うん、違う。彰人君が良い。されるなら彰人君が良い!)」

「ならそのまま、そのまま心に従って」

「はっ……ひはっ……ひゅはっ……(わかった。彰人くん、彰人くん、そのまま犯して……彰人くん……彰人くん!)」

「よしそのまま…………アキト、何とかなった」

「あ、ああわかった」

(本当に上手くいったのか?)

 美穂の胸に没頭しながら二人の一連の会話を聞いていた彰人は、シスの言葉に戸惑いながら返した。そしてシスがそういっても、少し信じられなかった。
 そんな彰人に対し、シスは膝の上にある美穂の顔を覗きこみ、何かに気づくとはっと顔を上げ、彰人に話しかけた。

「アキト、もっと(胸)触りたいかもしれないけど早くしてあげて、美穂さんそろそろ危ない」

 シスの膝の上で美穂は、手をだらりと力なく床に下ろし、目の焦点も怪しくなっており、もう言葉も発せないほどに憔悴しきっていた。
 それを見た彰人はいろいろと覚悟を決めて、ふぅっ息を漏らした後、こう呟いた。

「わかった、それじゃ美穂さん、行きますよ」

 そういうと、彰人は美穂の膝に手をやり、蜜が洪水のように溢れ出している美穂の秘所を広げた。美穂の足もほとんど力を残しておらず、彰人のされるまま、容易く両膝は押し開かれた。

「うわっ」

 そこは彰人も驚くほどびしょびしょに濡れていて、何かを欲しがるようにぱくぱくとまるでそこだけ別の生き物のように動いていた。

「彰人、楽しみたいだろうけど早く、もう持たないかもしれない」

 美穂の秘所を見て軽く感動している彰人を、シスはそういって急かした。

「ああ、ごめん。じゃあ美穂さん、いれますよ」

 そういうと、彰人は美穂の腰に手をそえ、慎重に腰を突き出した。

「くあっ!」

(凄い……熱い……!)

 美穂の中は蜜で溢れかえるほどになっていたのだがとても狭く、それは彰人の男根を容赦なく締め付けた。

(やばい……気持ちいいっ……!)

 すると、美穂の中を味わっている彰人の顔を見ると、シスは慌てて膝の上の美穂の頭を床に下ろし、そのまま急いで彰人に触れた。

「うわっ!」

 すると、彰人のペニスを、びくんっ! と更に激しい快感が貫いた。

「ごめん、でも美穂さんもう限界だから、胸触りながら早く!」

 そういいながら、シスは彰人の両手を美穂の腰から離すと強引に美穂の大きくふくらんだ二つの乳房に押し付けた。そして少しはねた美穂の身体にそのまま覆い被せるように彰人の身体を傾けさせた。
 とうの美穂は既に目の焦点があっておらず、顔は茫然とし口はぱくぱくと泳がせていた。
 その美穂の姿を見て、シスはたまらず彰人に触りながら叫んだ。

「彰人ごめん!」


 すると彰人は全身を貫く強烈な快感と腰から上ってくる強い射精感に全ての抵抗が奪われ、腰を激しく痙攣させると、美穂のなかに熱く煮えたぎったものを放出した。

「ぐわっ! ぬぉっ! うぉおおお!」

「はへっ……はっ……ひゃっ……ひゃぁあああ!」

 その快感に身を貫かれた美穂はようやく声を取り戻し、嬌声をあげながら身体を強く反り返した。その射精は恐ろしい勢いで弾かれ、衰える気配を見せぬまま一分近く続いた。
 そして、射精の間、二人は叫び声にも似た嬌声を上げ続けた。
 
「わっ! ずわぁああ!」

「ひゃっ! きゃぁああああ!」

「ああっ! うぁあああっ!」

「あっ! ひゃあっ! ひゃうっ! あうっ!」

 美穂はその快感のままに身を委ね、彰人も欲望のままに吐き出し続けた
 


 そして、射精が終わると、美穂は一息発したあと、ぐったりと倒れた。

「あっ! はっ! ……ふぅ……ふぅっ……」

 それにつられて、彰人もどっと疲れをあらわした。

「はぁっ……はぁっ……はぁ……」

 そして、ぐったりと倒れこんだ美穂の体内からまだ少し元気なままのソレを取り出すと、ドロドロと溢れるほどに流れる白い液体が零れはじめていた。
 彰人は流石に疲れ、そのまま後ろに倒れるように手をついた。
 すると、そんな彰人を見てシスは肩を叩き、こう囁いた。

「おつかれさま……ごめんね、美穂さんももう限界を超えていたから」

 そう声をかけられると彰人は、少し心配そうにしているシスを見て、びっしょり汗をかきながらもなんとか笑い、言葉を返した。

「良いよ。それよりシスもお疲れ様。あとは美穂さんが無事なら、良いけど……」

 するとシスはこう話した。

「大丈夫、彰人には悪いと思ったけど、さっき強引に射精させたとき彰人の身体も弄ったから受精しないはずだし、美穂さんはおそらく『ある大きさの手を持つ男の人に胸を触られながら射精されないと絶頂を迎えられない』って施されていたと思うから、暗示か催眠か、または別の何かかもしれないけど、触ってほしい手の大きさだけをいじって、あとは条件を揃えたから満足できたはずだよ」

 その言葉を聴き、彰人は安心し、少し嬉しそうに答えた。

「そっか、ならまあ起きたら元に戻っているかな? まあ無事なら何よりだけど」

 それを聞き、シスも少し安堵の表情を作る。すると彰人はそんなシスをみて、こう囁く。

「にしても、おまえ普通に話すな。普段からそれくらい話してもらえると有難いけど」

 その言葉を受け、シスは少しはっとしたような顔を作り、そして不安げに口を切る。

「ねえ、彰人……」

「どうした?」

「起きて正常に戻ったら、美穂さんどうするかな?」

「あっ!」
 
 二人の目の前でぐったりと眠っている美穂を見て、彰人は少し焦りながら考えた。

 もし今美穂が目を覚ましたらどうなるのだろう。
 半裸で自ら犯して欲しいと頼み込み、犯される。
 仮に覚えていなかったとしても自分は他人の部屋で裸、しかも膣内射精されたあと。
 このままではいらぬ誤解を受けかねない。
 そう彰人は思った。

「シス、どうしたら良いかな?」

 不安になり、シスに聞き返す。するとシスはこう答えた。

「善意でも襲ったのは事実だし、もしも覚えていなかったらレイプされたって思われるかもしれない。仮にそう思われなくてもこれからの付き合いには支障をきたすと思う。今のうちに美穂さんの部屋に運んでおいたら、もしかしたら目覚めたとき夢と錯覚するかも」

(なるほど……それが良いか……それにしても何か理不尽な気がする)

 彰人はシスの言葉を聞き、釈然としないがそれが一番だと考え、実行に移すことにした。

(向こうから来て応対して、一応助けたのに、なんでこっちがまた困るのさ……全くもう)

 色々げんなりしながら、彰人は美穂の身体を運ぼうと慎重に触れる。
 するとシスが、そんな彰人を見てこう答えた。

「かなり凄かったから当分起きないと思うよ。それより先に外見てくる」

 ガチャッ。

 そういうと、シスはそのまま玄関を開ける。

(おまっ! お前何も着てない!)

 動揺する彰人をよそに、シスはそのまま外に飛び出していった。
 そして数十秒後、シスは顔を少し赤くして、慌てて戻ってきた。

「大じょ……どうした?」

 するとシスは、帰ってくるなり彰人に目もくれず、一目散に洗濯機やお風呂場の方へと駆け込んだ。
 そして、がたがたと激しい音が響いたあと、丁寧に折り畳まれた巨大なバスタオルと小さなタオルを一枚ずつ手に持ち、彰人の白いワイシャツを上から羽織って、少し震え、頬を染めながら出てきた。

(やっぱりシスも恥ずかしいのか)

 シスは顔を恥ずかしそうにしたまま彰人に小さい方のタオルを渡すと、美穂の身体を大きなバスタオルで丁寧に包み込み、タオルの中で美穂の身体に何かすると、少し唇から何かを垂らして出てきた。
 そして彰人に部屋の鍵は開いていたからそのまま運ぶようにと促した。

「鍵開けたままとは無用心だな。にしてもおいてきたあとどうしようか……って軽い」

 美穂を持ち上げると、まるで赤ん坊、いや大きいだけで中身空っぽなものを持ちあげるかのように軽かった。
 すると、その反応をうけて、シスがこう返す。

「ならまだ安全だと思うから、窓を開けて帰ろう。それとさっき軽くした。2〜30分で戻るはずだから大丈夫」

(窓と玄関……どっちも危ないけど、窓の方が良いか)

 二階の窓はつきぬけになっていてそこから各部屋に入れるようにはなっている。
 しかしそこへ登って入り込む手段はまずないため、二人は窓から帰ることにした。

 そう決心しながら美穂を抱え上げると、慎重に玄関から出て、その後足音立てず静かに、されど急ぎ美穂の部屋に向かった。そしてシスに開けてもらい中に入ると、電気をつけっぱなしででてきたようで、あちこちの電気がついたままになっていた。

(あれ、シス?)

 するとシスは彰人が部屋に入ると扉を静かに閉め、そのまま何処かへ行ってしまった。
 彰人は少し不思議に思ったが気にせずそのまま美穂の部屋に踏み入る。
 そこには先程まで着ていたと思われる衣服があちこちに四散していて、彰人は少し戸惑った。三つの部屋のうち、玄関入ってすぐの部屋は綺麗なのだが、左の部屋にはまだ大量の荷物が置いてあるのが見え、やむなく右の部屋に入ったのだが、布団もベッドも見つからなかったので奥の部屋にあった緑で縦長のソファーに美穂の身体を寝かせた。
 すると、白いカーテンで閉められたベランダの方からどんどんと窓を叩く音がし、彰人がカーテンを開けて覗きこむとシスが外から回り込み、手を振っていた。
 彰人は部屋の鍵を開けると、シスが鍵を開けてきたと話し、ベランダから中に進入した。

 そして彰人は女性の部屋を探ることに抵抗があったためシスに頼み寝具を探してもらおうとしたが、シスはソファーで大丈夫と答え、部屋の扉の鍵を閉め、美穂の服を拾うと美穂のまわりにわざと散らかすように放り捨て、美穂の身体からバスタオルを剥ぎ取った。
 
(あれ?)

 すると、彰人は美穂の身体に先程吐き出した大量の白い液体が綺麗さっぱりなくなっていることに気がついた。それで先程のシスがした行動を思い出し、シスに向かって言った。

「飲んだろ」

 するとシスは少し恥ずかしそうにコクンと頷き、そのままベランダの方へと歩き出した。
 彰人もその後に続き、カーテンをキチンとしめ、ベランダに出た後大窓を閉めるとそのまま部屋に戻った。

 こうして、なんとか無事、ことを終えた二人。

 しかし、部屋に戻った彰人とシスは、窓の鍵をしめ、互いに顔をしばし見つめあうと、ふぅっと一息吐いた後、どっとその場にへたり込み、そろってこう言い放った。

「「つかれたぁ」」

 そして、こみ上げてくる疲労感と共にこう考えた。

(何かよくわからないけど、凄い脱力感だ……俺はともかく、シスなんて美穂さんのためを思ってやっていたのに何でこんなことに……そりゃまあ、美穂さんのオッパイ大きかったし、やわらかいし、熱くて、良い匂いして、気持ちよかったけど……だけど)

 そう考えながら、ちらりとシスを見つめた。するとシスは、ぐったりと疲れたような横顔を見せて、へたり込んだまま呆然とその場にたたずんでいる。

(シスなんて何も、それこそ何もなかったぞ……一番の功労者なのに……)

 そう思いながらシスを見つめていると、ソレに気づいたのかシスは彰人の方を覗くと、そのまま少し甘えるように彰人に寄りかかった。そしてそのままこうささやく。

「ねえ……もう寝よう……つかれた」

「そうだな……寝よう」

(とりあえず、おつかれさま)

 そう思いながらシスの頭を撫でると、そのままの格好で布団に入ろうとした。
 するとシスがあることに気づき、彰人の手をつかみ、言った。

「あれ……少し待って」

 そういって、シスは素早く彰人の下半身にもぐりこむと、彰人の汚れたままになっているそれに舌をはわせた。

「わっ! ちょ、まっ!」

 思わず驚く彰人。すると丁寧に舐め取りながら、シスは彰人にこう話す。

「タオル、しなかったの?」

(……あ)

 彰人は結局、シスが持ってきたタオルを使わず全裸のままサンダル靴を履き、美穂のベランダからそのサンダル靴を履いて、そのまま帰ってきたのであった。

(俺も結構抜けているな……)

 そう彰人が思っているあいだに、シスは綺麗に精液を舐め取り終えると、心中複雑そうに、こう呟いた。

「なんで……今はあっさりたつの?」

(何故って言われても……)

 あっさり元気を取り戻している彰人のモノを見て、彰人とシスは、肉体の神秘というものを少し感じていた。
 そして、シスはこう静かに呟いた。

「……わたしだってほんとは……」

「ん? ごめんもう一回言って」

 彰人にはよく聞こえず、もう一度シスに尋ねる。
 するとシスは少し慌ててこう返した。

「今日は疲れているから、これ以上無理って……言ったの」

「ああ、りょうかい」

(色々気になることもできたけど、後で良いよね)

「俺も疲れた、もう寝よう」

「……うん」

 その後二人は、玄関前で美穂が脱ぎ捨てていったピンクでびしょびしょの下着など一切気づきもせず、吸い込まれるようにそのまま布団の中に入って行き、そのまま二人とも仲良く床についた。

(…………ばか)

 
 


 

 

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