温泉宿


 

 



 あ〜あ、女三人で温泉になんか来るんじゃなかったよ。
 そりゃあ世間は温泉ブームとかいって、女性客を狙った温泉は雑誌とかでもたくさん紹介されている。
 それなりにお洒落な温泉地もあるし、若い女性のグループでも安心して旅行できるってのも確かだわ。
 でもやっぱり温泉ツアーってオヤジ趣味だと思う。

「ねえ〜、理恵〜〜」
 沙也香がみやげ物屋の軒先からおいでおいでしている。
 何かと思って近づいてみると、でんでん虫と殿様ガエルが相撲を取っている妙な絵柄の湯飲みを手にして、これカワイ〜なんてやってる。どういう趣味よ!あんた!
 美穂はというと、この子はもともとボーっとしたところがあるんだけど、休憩所の縁台に座り込んで、空を見上げて団子食ってる。太っても知らないぞ……。
 沙也香と美穂とあたしは、高校時代の親友同士で、あの頃は仲良し三人組とかいわれていたんだ。
 高校卒業してからあたしは大学に進んだけれど、沙也香は親のコネで就職して社会人、美穂は家事手伝いって言ってるけど、手伝ってないし、つまりはフリーターってこと。
 三人別々の人生を歩んだんだけれど、お互いの家も近いし、時々集まっては楽しくやっている。

 今回の旅行はもともと沙也香の発案で、一泊二日の日程で田舎の温泉くんだりまでやって来た。
 まあ、あたしは貧乏学生だし、美穂もいってみりゃプータロー、OLの沙也香にしたってこの不景気に、いつリストラされるかわかったもんじゃないとくれば、どーんと海外旅行というわけにもいかないか……というわけで、じゃあ温泉にでも行こうかってことになった。
 やって来た温泉は、東京から車で四時間の山の中。
 いちおうガイドブックにも写真入りで出ているほどの温泉地で、温泉街は昼間からけっこうな人出で賑わっているし、若者をあてこんだお洒落な店もそこかしこに見られるけれど、旅行客といえば、家族連れか、カップルばっかり……。
 季節は秋だというのに、うらうらした陽射しがまぶしく、日に焼けやしないかと気が気でない。
 沙也香ときたら男は現地調達よなんて景気のいいことを言っていたけれど、湘南の海水浴場や、万座・嬬恋あたりのスキー場じゃあるまいし、若い男の子だけのグループなんていやしないわよ。

 さて、日暮れ時にたどり着いた温泉宿はというと、表にでっかく「明石屋旅館」という看板を掲げた、木造二階建ての古びた和風旅館。
 玄関を入って廊下を案内されると、けっこう奥まりがあるのがわかった。
 部屋はもちろん和室。女三人で泊まるには十分なくらいの広さはある。
 畳の間の中央には座卓がでんと置かれ、定番のお茶と菓子が用意されている。
 窓辺は板の間になっていて、小テーブルをはさんで籐製の安楽椅子が二つ、向かい合わせに置かれている。
 ホントの日本旅館だよ、こりゃ……。
 せめて部屋からの眺めでも良ければ素敵なんだけど、窓の向こうは昼でも暗い雑木林……。モモンガでも出そうだよ。

 なんだかんだとやっているうちに日はとっぷりと暮れてきた。とりあえず、お風呂はあとにして、料理とお酒で盛り上がろうってことになった。
 あたしらの発想がそもそもオヤジなのかしら……。
 料理はというと、まずいとは言わないけど、山国らしい山菜料理でも期待してたのに、出てきたのはありきたりの刺身や天ぷら、その他もろもろ……。
 とにかくビールをじゃんじゃん持ってきてもらって、呑めや歌えの馬鹿騒ぎという次第になった。

 いいかげんお腹もいっぱいになって、一段落した頃、思い出したように美穂が言い出した。
「ねえねえ……ここの旅館、露天風呂が名物なんだって……行ってみようよ」
 この一言で、いまいち盛り上がりに欠けたあたし達の瞳がぱあっと輝いた。
 そうよ! 何といっても温泉に来たんだから……。温泉といったら露天風呂よ……!
 あたし達は部屋を出ると、浴衣姿でいそいそと渡り廊下を歩いて行った。
 「露天風呂」という案内板の行きつく先まで来たところではたと足が止まった。
 風呂場の入り口に札がかかっており、こう書いてあった。

 大浴場(露天風呂)は午後八時以降男湯になります

 どうやらこの旅館には露天のある大浴場と、内風呂のみの小浴場があり、時間制で男湯と女湯が入れ替わるらしい。
「美穂ぉ……いま何時?」
「九時十分」
 げげっ、これって最悪……!
 せっかくここまで来て露天風呂にも入れないなんて、何のためにこんな田舎まで来たのかわからないよ――――。
 脱衣場の前でああでもないこうでもないと、口から泡をとばしていると……。
「ねえ、君たち東京から来たの?」
 馴れ馴れしく声をかけてきたのは、あたし達と同じくらいの年かっこうの男の子だった。
「そうだけど……」
 もしかしてナンパ? とか思いながら彼の服装に目がいった。旅館の名前の入った法被を着ているところを見ると、ここの従業員?
「あんた旅館のひと?ちょっとこれひどいんじゃないの……!?」
 沙也香が食ってかかった。
 お風呂の時間なんて聞いてないわよ、お料理もぱっとしなかったしさ、部屋からの眺めなんて最悪……! と、ここぞとばかりに三人がかりで口々に文句をたれると、男もたじたじとなって、まあまあまあと……。
「三十分ぐらいしたらもう一度来てみてよ。僕がうまくやっとくから…」
 な〜んか妙にさわやかな笑顔が信用できるんだかできないんだかわからないんだけど……。
 とにかく何か考えがあるらしい……。露天風呂入れなかったら承知しないわよ……!
 うん、大丈夫、まかせて……ということで、その場は納得して部屋に帰ったんだ。

 三十分して行ってみると、さっきと違って「清掃中」という札が出ている。
 変だな、と思って脱衣場を覗いてみると、さっきの男が裾をまくって、脱衣場の床に掃除機をかけている。
「あ…どうぞ、入って」
 この日はどこぞのオヤジどもの団体客があって、大浴場は男優先の時間割になっていたらしい。
 そこをこいつは浴場の清掃時間ということにして、入浴客を締め出してしまったというわけか。
 ホッホッホ、なるほどけっこう気がきくじゃないの。
 それじゃあお言葉に甘えてってことで、三人は脱衣場に入ったんだけれど、なぜかこの男いつまでもあたし達のそばで突っ立ってニヤニヤしてる……。
 なによ、これからレディの入浴タイムよ。
「出てってよ」
「清掃中ってことで空けてるんだから……僕がいなきゃ誰か来たとき困るだろ。絶対覗かないからさ……。それにあとから誰も入れないようにするから君達だけでゆっくりしなよ」
 何だかんだいって口がうまいんだコイツ。
 それにけっこうカワイイ顔してるし……。
 あたし達もしたたかビールを飲んで酔っ払っていたせいか、気が大きくなって、ま、いいかってな感じで、とりあえずコイツを片隅に追いやって、浴衣を脱いで裸になると、露天風呂へと歩みを進めた。

「うわぁ……!」
 あたし達は思わず歓声をあげた。
 自然の岩石をあちこちに配して、庭園風にまとめた湯船は、ゆうに二十畳ぐらいの広さはある。
 高台にあるこのお風呂からの眺めは、夜の山が神秘的な静けさをたたえて迫って来るようで、もう最高!
 近くを流れる川の音と、虫の声が聞こえる。そして空には満天の星が輝いていた。
 あたし達はさっきまでの不機嫌もどこかへやって、湯船につかると、手足を思い切り伸ばした……。
 
「こっち見ないでよ――――!」
 と、あたしがどなると、見ないよ―――とあいつの返事が返ってくる。
 どうなんだかわかったもんじゃない。
 いまあいつはあの岩場の向こうでデッキブラシをかけているはずだ。
 あたし達は広い湯船につかって、温泉を満喫している。あ〜〜いいお湯ね……。
 さっきからまわりを変なやつがうろちょろしているのは気になるけど……。
 でも若い男に覗かれながら、お風呂に入るのってけっこうスリルがあるのよね……。
 三人一緒っていう安心感もあるし……。それにやっぱり旅に出た解放感かな。

「理恵のおっぱいおっきい〜〜〜!」
 うるさいわね――、あんたに言われなくてもわかってるわよ、沙也香。それもわざとらしくおっきな声で、恥ずかしいわね――。
 沙也香は湯船の中でお尻をぷかぷか浮かべて泳ぎ始めた。
 美穂ったら、大胆にも身体にタオルを巻きもしないで、湯船の中でずぼっと立ち上がった。それじゃ絶対見えてるって……。
 あたし達は、だんだん悪ノリし始めた。
「背中流してもらっちゃおーかなー」
 なーんてね、とか思わせぶりな声をかけると、あいつったら、
「はい! はい! はい! いま行きま〜〜す!」
 と走ってきては大げさにズッコけてみせる……。
「お生憎さま」
 
 さて、酒飲んで長湯をしたもんだから、あたし達三人はすっかりのぼせ上がってしまった。
 部屋に戻って布団のうえでのびていると、コンコンとドアをノックする音がする。
 こんな時間に誰だろうと思ってドアを開けてみると、酒瓶とつまみを山のようにかかえたあいつが立っていたんだ。
 白い歯を見せて、あの馴れ馴れしい笑いを満面に浮かべている。
「何かしら?」
「今日は迷惑かけちゃったからね。差し入れだよ、差し入れ」
 そう言ってそいつはあたし達の部屋に入って来ようとする。
 いくらなんでもずうずうしいんじゃないって思って、あたしはちょっとイヤな顔をしたんだけど、沙也香と美穂ときたら、ま、いーからいーからとか言って、なしくずしに部屋で一緒に飲むことになっちゃったのよね。

 いったん敷いた布団をめくりあげて、場所を確保すると、車座になって飲み始めた。
 あいつは話し上手で、昔は東京にいたんだけど、サラ金に借金重ねて夜逃げ同然に家を飛び出して、この温泉に流れ着いた……。
 なんて洒落にならんようなことを面白おかしく話してくれた。
 エッチな話題には、あたし達も大笑いして、すっかり盛り上がって……。
 だけど、そのうちに変な雰囲気になってきたんだ。
 あいつが持参した缶ビールや、なんとかいう透明な酒をいい気になって飲みすぎたのも悪かったけど、そのうちもっとヤバイものが出てきたのよ……。
 
 温泉地名物だとか言ってあいつが懐から取り出したのは、ハトロン紙につつまれた粉末のようなものだった。
 よく見るとそれは黄緑がかった色をしていて、何か植物を乾燥させて細かく砕いたものらしい。
 これって絶対まずいよね〜って、あたし達は顔を見合わせたんだけど、もうその時は自制心なんてどこかに飛んでいたんだと思う。
「ひとつまみ、ほんのひとつまみでいいんだよ」
 まずあいつが少量の粉末を自分から呑んで見せたもんだから、あたし達も何となく安心して、あいつの言うままに、それぞれその粉末を指先でつまむと、口に入れて呑みこんだ。
「味しないね―――」と、あたし。
「ね、ね、これからどうなるの?どうなるの?」
 沙也香は興味津々らしく、いい気になってはしゃいでいる。
 でもいちいち説明なんかしてもらわなくても、あたし達の身体に異変が起こるのに、それほど時間はかからなかった。

 あたしもせいぜい気分がハイになるくらいのものだろうって思ってたんだけど、このハイテンションってやつがけっこう曲者だった……。
 五分も経った頃だろうか、もっと早かったかもしれない。
 突然、目の前がグニャリと歪んだ。
 お酒に酔ったのとは違う、今まで経験したこともない感覚に、あたしはあわてて、立ち上がろうとしたけど、立ち上がれずに、その場にへたり込んだ。
 ちょっと、何これ……!?
 急にまわりが昼間みたいに明るくなって、頭の中にチカチカチカって電波みたいなものを感じた。いや、ホントだってば……。

 あたしは仰向けにひっくり返りそうになるのを、かろうじて手をついて、踏みとどまったんだけど、浴衣の裾が割れて、大股開きになり、ちょうどあいつが座っている正面に向かって、パンツが丸見えになっちゃった。
 あいつはそれを見て、ニヤニヤ笑ってるし……やだ、見ないでよ! 恥ずかしい……!
 あたしはのろのろと座りなおしたんだけど、もう浴衣の乱れなんてどうでもよくなってきた。
 そういえばさっきから沙也香の様子がおかしい。
 季節は移り変わって秋の夜。もうクーラーを入れないとダメ、というほどの暑さでもないのに、沙也香はダラダラと滝のような汗を流している。
「暑い、暑い……暑いよぅ……」
 沙也香ったら浴衣を肌脱ぎにして、上半身を剥き出しに……って、沙也香! あんたブラはどうしたのよ!?
 おっぱい見えてるじゃないの……!
 いつの間にか沙也香のヤツ、浴衣の下の下着を脱いじゃってる……!
 ということは、もしかして……パンツ穿いてないの!?
 
 その時、あたしの背後に誰か人の気配がした。
 見ると、美穂がぬうっと立ち上がって、あたしの方を見下ろしていた。
「私……オシッコしたくなっちゃった……」
 何て単刀直入な物の言い方よ。ガキがママにトイレに連れてってもらうんじゃあるまいし……。
 たしかトイレなら、出入り口の近くにあったはずだけど……。
 でも美穂は、まるで夢遊病者のように、フラフラと部屋の真ん中に進み出ると、さっきまでの酒盛りで缶ビールやら空いた酒瓶やらが置かれた座卓によじ登った。
 そして、座卓の上にしゃがみこむと、浴衣の裾を捲り上げ、ショーツを下ろした。えっ……嘘?まさか本当に……。でも……。
「美穂、ダメよ、そこトイレじゃない……」

 聞こえているのかいないのか……美穂がほうっと息を吐くのが見えた。次の瞬間……。
 じゃあああ〜〜〜〜〜〜〜っ
 と、ものすごい音がして、飛沫が飛び散った。
 美穂ったら本当にオシッコしちゃったんだ。みんなの見ている前で……。
 でも不思議とやっちゃいけないことをしているって気がしないんだよね……。
 美穂も排泄の余韻にひたっているのか、膝小僧を抱えて、うっとりした顔をしているし、そこまでやれるのが羨ましいっていうのか……。
 あたしもイ・ケ・ナ・イことがしたい……。そんな気分になってきた……。

 気がつくと沙也香のヤツ、浴衣も帯もみ〜んな蹴り飛ばして真っ裸になってる……。
 窓際の安楽椅子でへたばっているあいつの腕を引っぱって「脱いじゃえ、脱いじゃえ」と挑発している。
 イヤらしいったらありゃあしない。相変わらず男に手が早いんだから……。
 そうよ、沙也香……! あんたは昔から好きモノだったのよ……!
 高校時代のあんたの悪行も、みーんな知ってるんだから……。
 でも、はっきり言ってセックス・アピールならあたしの方が断然自信ありよ……。

 あたしは残った缶ビールをグビリとやると、すっくと立ち上がって(あたしは颯爽と立ったつもりだったけど、相当あぶなっかしい様子だったらしい)、邪魔くさい浴衣を肩から脱ぐと、足元にかなぐり捨てた。
 ついでにブラとパンツもポイしちゃって、一糸まとわぬハ・ダ・カよ……!
 その時ほうり投げたパンツが、あいつの足元にふぁさっと落ちた。
 あいつったらそれを拾って帽子みたいに頭に被るじゃないの。
 やだ……それ高かったんだから……。
 なんか沙也香があたしのこと睨んでたけど、あたしは構わずに、安楽椅子に座ったあいつの前で膝をついた。
 ベルトに手を伸ばし、ズボンと下着をずり下ろすと、あいつのギンギンになったペニスがぶるんっと飛び出した。
「すご〜い」
 あたしは目の前のペニスにむしゃぶりついた。アイスキャンディーでも食べるみたいに、舌を使ってれろれろと舐めまわす……。あいつがビクンっと反応した。

「ずる〜い、あたしも……」
 沙也香が横から割り込んできた。
 たちまちあいつのサオといわず、タマといわず、あたしと沙也香の唾液でべトべトになった。
 ペニスの先端をはむっと唇で軽く噛むようにすると、なんかヌルヌルした糸がひくし……。
 あいつはのけぞって必死に何かに耐えている。
 ほーら、キモチいいならキモチいいって言いなさいよ……!
 あたしは、このままイカせてやるって思ってたんだけど……。
 その時突然、あたしは予想もしていなかった力で、真後ろから引っ張られ、もんどりうってひっくり返った。

 美穂だ。そこらへんでへたばってたとばかり思ってたのに、いつのまにか復活して……乱入してきた。
 何を思ったか後から、あたしのおっぱいを抱きしめてくる。身動きが取れない……。
 何よこれ、殿中でござるってやつ?それともまさか美穂ったら変な趣味があるんじゃないでしょうね!?
 やだっ! おっぱい揉まないでっ!
 あたしが脚をじたばたさせていると、沙也香があたしの足首を押さえつけた……。
 ちょっと! 何する気!?
 沙也香があいつに目配せして、「ねえ、やっちゃいなよ……」
 じょ、冗談でしょ?イヤよ、こんなの! 離してよ……!
 あいつがゆっくりと立ち上がった。げっ! 逃げられない!
 ビンビンにそそり立ったモノが天井を向いて脈打ってる。

 ああん! 二人の女友達に無理やり押さえつけられて、頭に女物のパンツ(あたしんだけど)を被った見ず知らずの男に、こんなひなびた温泉宿の一室で犯されるのが、前世から定められたあたしの運命だっていうの……!?
 あいつが覆いかぶさってきた。あっ! 先っぽが、当たってる……。は、入ってきた……。
 ずにゅ〜〜って、身体の奥まで貫かれた。
 なんか、脳天にかけて電気が走ったような……。そしてあいつは、あたしの中で動き始めた。
 ふんっ……! んふっ……! あはッ……! うくッ……!
 沙也香ったら布団に這いつくばって、じっと覗き込んでる。

「あはは――、理恵のアソコに出たり入ったりしてる――」
 ばかぁ……! 見るな――――っ!
 沙也香なんぞに言われんでも、自分でもたいへんなことになってるのがわかる。
 上半身は美穂に抱きすくめられて、動けないし……。あたしの……アソコは……おツユを、垂れ流し続けてるし……あいつが、動くたびに……クチュっクチュって……いやらしい音がしてるぅ……!
「エッチだぁ……! 理恵ってば、エッチだぁ……!」
 そんな……こと……言ったって……キモチ、いいんだもん。こっ、声が……出ちゃうよぉ……。
「ああんっ……! ふぅん……! くふっ……! はぁん……! ひゃうっ……!」
 もう、ガマン……できないぃ―――――っ!!

 …………?……急に下半身が自由になったと思ったら、沙也香のやつ絶頂に達する前にあいつを押し倒していたんだ。
 そのまま、あいつの上に乗っかって、腰を沈めた。
「あふんっ……!」
 沙也香のアソコが、あいつのペニスを呑み込むのが見えた。
 これであたしと沙也香はめでたくマラ姉妹ってやつ……って何呑気なこと言ってるのよ………!
 ちょっとぉ、順番ぐらい守りなさいよね……!
 あたしのところからは、沙也香のデカい尻が激しく上下動しているのが見える。
 ややしばらくして、下になっているあいつが「ううっ……!」とくぐもった声をあげて、身体を反り返らせる……。
 沙也香の動きが止まった。
 あっ……膣内(なか)に出してる……。
 赤ちゃんできちゃっても知らないぞ……。

 なんか記憶が途切れ途切れになっているんだけど、沙也香とあいつが、ヘンな体位で絡み合っているかたわらでボーッとしていると、いきなり美穂が抱きついてきて、あたしの口の中に舌を入れてきた。
 あたしはもう力も入らずに、美穂に押し倒されてしまって……ああん、道ならぬ恋……ってか?!
 あたしの乳揉んでないで、自分の乳揉めよ……。
 ちょっとキモチいいけど。
 ああんッ……。うふン……。いや……あはん……。
 上になった美穂が、自慢のデカ尻をぶるぶる振って……。
 あっ、これってもしかして……。美穂……誘ってるんだ……。ズ―レの真似して、オトコを挑発してる……。
 シてぇ〜〜、シてぇって。
 案の定、あいつは沙也香から離れると、赤黒いモノをギンギンにおっ立てて、美穂のヒップに食らいついてきた。
 そのまま後から入れちゃった……。

「いやはあああ〜〜〜〜ん……!」
 くっ……苦しい、美穂。あんたのおっぱいで口がふさがれて、い、息ができない……!
「ひいいッ……! きゃん! ひいあッ! ううんッ!!」
 人の身体の上に重なって、エッチしてるんじゃないわよ!
 目の前で美穂のおっぱいがぶるんぶるん揺れてて、腰使ってる振動がつたわってくるし、いやらしいオツユは流れてくるし、ヘンなニオイするし……。
 もうこの部屋にはメスとオスしかいない……。

 それからあとのことはよく覚えていない。
 あたしもまた抱かれたような気もするけど……。
 頭の中にピンクの雲が広がっていくような感覚があって……あたしは意識を失った。

 う〜〜〜っ、頭がガンガンする。
 朝、目が醒めるとあたし達三人は布団の中にいた。
 宿の女の人が朝食だからって起こしに来てくれたんだけど、三人とも裸かそれに近い状態で布団にくるまっていたわけで、きまりが悪いったらありゃしない。
 部屋は乱雑なまま、あいつの姿は消えていた。

 昨日の夜は変なことになっちゃったし……。
 あいつとシラフで顔を合わせるのは気まずいな〜って思ってたのよ。
 朝食は広間で取ることになっていて、あたし達はだいぶ遅くに食事に出てきたんだけど、宿の従業員の人達はけっこうまめまめしく、配膳やら何やらで働いてる。
 でもここの従業員ってよく見ると、年のいったオジサンやオバサンばかりなんだよね。
 あいつくらい若いのがいればすぐに気づくはずなんだけど……。
 さりげなく注意してはいたんだけど、あいつの姿は見つからなかった。
 沙也香も美穂も同じことを考えているらしい。

「……確か宿の人で若い男の人がいましたよね……?以前、東京にいたとか……」
 あたしは思い切って給仕のオバサンに訊いてみたんだけど、心当たりがないと言う。
 ゆうべ泊まったお客にもそんな男はいないっていうし……。
 とすると、あいついったい何者よ……?
「若い男がどうかしましたか?」
 って、訊かれても詳しい説明なんてできるわけないし……いえ、何でもないんですってあわてて誤魔化した。

 あたしはゆうべの事を冷静に思い返してみた。
 そういえばあいつ旅館の従業員だなんて一言も言ってなかったよな……。
 あたしたちは思わず顔を見合わせた。
 朝食もそこそこに部屋に戻ると、自分たちの荷物を引っ掻き回して中身を確かめてみた……。
「何も盗られてない……!」
 お金も貴重品もちゃんとあったんで、あたし達は胸をなでおろした。まあ、そういう問題じゃなかったんだろうけどね……。

 その日は、温泉の近くの観光スポットとか見て回ったんだけど、沙也香も美穂もボケ〜っとしちゃって、遠いところでも見ている時間が多くて、観光どころじゃなかった……。
 あれから誰もゆうべの話題には触れようとはしなかった。
 何も盗られたわけでもないし……ま、いいかって雰囲気はあったと思う。

 でも……ね、沙也香にも美穂にも内緒なんだけど、実は……白状すると……あたしのお気に入りのパンツが一枚……なくなってたんだよね……。

 
 
< 終 >


 

 

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