望み

〜禁断の薬〜


 

 

第四話:玉川 豊子






 キーンコーンカーンコーン。

「あー、終わった、終わったーっ」

 義男はぐっと伸びをして、凝り固まった筋肉をほぐす。
 首を振って、こきこきと鳴らすと席を立ち上がった。

「部活に行くかーっ」

 そう言って、武道場へと向かった。
 今日がテストの最終日。
 故に、今日から部活解禁だ。
 胴着へと着替え、胴をつけると、部員全員で走り込む。剣道部の走り込みは少々変わっていて、部長が殿へとつく。
 そして、部員全員は部長に抜かれないように走らなければならない。抜かれた者は素振り百本追加で部長の監視の元、行われる。
 部員は何とかそれを避けようと必死に走るのだった。

 5kmの走り込みを終えると、3分インターバルをおいて、素振り二百本をする。先ほどの走り込みで部長に抜かれた者はこの素振りが三百本になる。
 部長は常に三百を振っているので部長が終わるまで終えてはならない。

「298,299,300!!」

 それが終わると基礎体力トレーニングとして、腕立て50回、腹筋50回、背筋50回、スクワット100回をやる。
 一年などはこの時点で体力が尽きてしまう。

「よし、3分休んで、追い込み!!」

 皆、ローテーションで決められた自分の相手と組む。横一列に並んで一斉に打ちながら移動する。片方は打ち役、もう片方は受け役だ。端まで移動すると打ち役と受け役を交代してまた反対側まで移動する。
 それを5セット繰り返す。
 
「よし、かかり稽古3分交替2セット始めっ」

 かかり稽古とは受け手の隙を見つけて打突部位に打ち込んでいく稽古法で、受け手もただ立っているだけでなく、悪い打ち方などには応じて打たせないようにする。これでいい打ち方を身体で覚えるのだ。
 パンッパパンッ
 小気味いい音と部員達の叫ぶ声が道場に木霊する。
 義男もその中でいい音を鳴らしていた。
 日は傾き始め、西向きの窓から差し込んでくる光はだんだんと赤みを帯びてきた。

「よし、勝ち上がり始め!」

 勝ち上がりとはここの部活特有の練習で、部員全員、トーナメントで試合をして、勝った者から今日の練習をあがれるというものだ。部長は最後まで居なければならないからシードで一番最後に入っている。

「お疲れ様でしたー」

 義男は早々と勝ち、さっさと道場を出て行った。
 制服に着替えて外へ出る。
 外では剣道部の生徒が固まってなにか言っていた。

「おい、あれって・・・」
「まじかよ・・・」
「おい、お前声かけてこいよ」
「お前こそ行ってこいよ」

 肩を押し、肘で押し、なにやら言い合っている。

「どしたー?」
「おお、義男。あそこを見ろ」

 片方が義男の首に手を回し、校門を指さした。そこには玉川 依子が立っていた。
 まっすぐにおろした黒い長髪。
 そして、お嬢様学校の制服。
 間違いなく依子だった。
 不安そうな、困ったような顔をしている。
 一にも二にも無く、義男は駆けだした。

「依子!」

 声に反応し、義男を見た依子の顔から不安や怯えが一瞬で消え去った。
 そして、満面の笑みで義男に応える。

「義男君」
「どうしたんだよ。こんなところで」
「義男君を待っていたの。一緒に帰ろうと思って」

 依子はもじもじとしながら言う。
 その仕草に、義男は嬉しくなった。

「全然、方向が違うのに・・・ありがと」

 そう言って、義男は依子の肩に手を添えて一緒に歩き出した。
 手が触れた瞬間、依子の顔が赤くなった。



「それでね、お姉ちゃんがね・・・・」
「うん」

 帰り道。真っ赤に染まった住宅街を歩き、二人は話し合う。
 主に依子が言い、義男が聞き役という立場だったが、義男にはそんな事はどうでもよかった。
 憧れだった依子が自分の隣にいる。その事実が義男を浮かれさせた。
 そして、それは依子にとっても同じだった。

「あ、そうだ。お姉ちゃんのところへよってもいいかな?」

 依子は不意に声を上げる。
 そこは豊子のアパートのすぐ近くだった。

「ああ、いいよ。一緒に行こう」

 義男は笑顔で頷くと、二人でアパートへと向かっていった。


 コンコン

 何度ノックしても返事がない。

「あれ?」
「留守なんじゃないの?」

 首をかしげる依子に、義男は言ってみる。

「でも、今の時間ならいるはずなのに・・・」
「居るよ」

 突然、横から声が聞こえた。
 義男達がそっちを向くと、手に買い物袋をもった豊子が梨をかじっていた。

「買い物によってなければね」

 そして、豊子は軽くウインクをした。
 無造作に義男、依子の隣を通りドアを開ける。
 そして、サンダルを脱ぐと義男達の方を向いた。

「はいらないの?」

 義男達はいそいそと靴を脱ぐと、豊子の部屋へと上がり込んだ。

「適当にすわって」

 小型の冷蔵庫に食材を詰めると、梨を義男へと放り投げる。義男はキャッチするもなにがなんだかわからないでいた。
 そして、まだ台所へと立っている豊子へと目を向ける。豊子は依子達に背を向けて何かをしている。ストン、ストンという音と、シャリシャリという音が響く。さらに綺麗に切り分けた梨を乗せ、依子の前へと置いた。

「あ、ありがとうお姉ちゃん」

 そして、豊子は前と同じく壁へと寄りかかり、本を読む。片手には梨が握られており、時々かじっている。
 まるで義男達が居ても居なくても関係ないようだった。
 そんな豊子の動きにいい感情を持っていなかった。
 何か言ってやろうと、義男が立ち上がった時、不意に腕を掴まれた。
 義男がそっちをみると、依子が義男の腕を掴んで首を振っていた。
 しかたなく、義男が座ると、豊子は本を置いた。

「やる?」

 ゲームを取り出して、義男に聞く。
 義男は豊子の隣に座り直した。コントローラーを手に取り、画面に相対する。そのゲームは義男がゲーセンで何度もやったソフトだった。
 なんどかプレイする。しかし、義男の自信とは裏腹に義男は負けてばかりだった。
 義男が打倒に燃えている間にいつの間にか依子も加わっていて、3人でゲームをしている。
 不意に豊子はコントローラーを床におくと、立ち上がり、台所へと向かった。

「おい、勝ち逃げかよ」

 義男の愚痴に反応せず、豊子は米をとぐ。炊飯器にかけ、米を炊き始めると、冷蔵庫を漁りだした。
 トントンという小気味いい音。
 鍋やグリルを使い、てきぱきと用意をしている。

 そして、突然電話を取ると、どこかへと電話をかける。

「・・・もしもし。あ、豊城? あたし。今日、父さんと母さんは? うん、うん。わかった。じゃあ、依子はうちでご飯食べてくから用意しないでいいよ。んじゃ」

 豊子は受話器を置くと、また無言でいや、鼻歌を歌いながら料理を続けた。
 その動きに義男と依子は気づかなかった。

 何も言わず、豊子はテーブルの上に食事の用意をする。
 三人分、きっちり茶碗も用意してあり、鮭の切り身とほうれん草のお浸し、なまこと豆腐のみそ汁がおいてあった。

「自分でよそって、食べな」

 短く、それだけ言うと、豊子は食事を前に手を合わせる。
 軽く礼をしたかと思うと、ご飯をよそって、もくもくと食べ始めた。
 それに続き、依子もご飯をよそる。

「いただきまーす」

 豊子のように両手をあわせると、ご飯を食べ始めた。
 義男はいきなりの展開について行けず、どうしようか悩んでいる。

 そこに姉妹の目をむけられる。

「食べないんですか?」

 依子は聞くが、義男はどう答えていいのやら分からなかった。

 ぐぅぅぅぅぅぅ〜〜〜〜。

 義男の腹の虫がなった。
 義男は顔を赤くして、依子はくすりと微笑んだ。豊子だけが何事もなかったかのように食事をしていた。
 結局、義男もご飯をもらっていた。


「依子、さっさと帰りな」

 豊子は食器を洗いながら依子に言う。
 依子と義男はゆっくりと座っている。

「そうだね」

 依子はゆっくりと立ち上がる。鞄などを持つと、靴を履き始めた。
 義男も急いで支度をする。

「送ってくよ」

 後に立って義男は言う。
 依子は振り向くと満面の笑みで応えた。

「うん」
「おい」

 豊子の声に振り向いた義男に向かって何かが飛んできた。

「うおっ!?」

 慌てて、キャッチするとそれは懐中電灯だった。

「あぶねーなっ!!」
「・・・・」

 義男の罵声に取り合わず、豊子は食器を洗っている。
 すでに依子は外に出ていた。
 ちっと舌打ちをして義男は外に出る。

「返しに来なよ」

 ドアが閉まる前に豊子が呟いた。



「どうしたの、それ?」

 義男が持ち出した懐中電灯に疑問の声を上げる依子。

「豊子さんが・・・投げつけてきた」
「ふふふっ、お姉ちゃんらしい」

 依子はくすくすと笑っていた。
 ぱっと道を照らす。常夜灯の明かりが少ないこのあたりでは、懐中電灯の明かりが結構必要だった。
 住宅街の小径。大通りほど明かりのないその道を依子と義男は歩いていく。
 常夜灯と家々の明かり、懐中電灯の灯火と星の光が暗闇に明かりを入れていた。

「綺麗・・・」

 依子が空を見上げて言う。

「うん」

 義男も空を見上げると頷いた。中天には山羊座が浮かび、依子達を見守っていたが、義男も依子も星には詳しくなかった。
 そして、いろいろと談笑しながら歩いていく。
 やがて、一軒の大きな家の前まで辿り着いた。

「ここが私の家。まあ、私が買った訳じゃないんですけどね」

 えへと依子は舌を出す。
 その家はとても大きくて、その洋風の邸宅は高そうな雰囲気を醸し出している。義男は依子がお嬢様である事を今更ながら実感した。
 ギィと音を立てて、勝手口が開く。そこからメイド服を着た若い女性が出てきた。
 若いといっても、少女という年ではない。おそらく20代の半ばあたりだろうと義男は勝手に予測した。

「お帰りなさいませ、依子お嬢様」
「あ、豊城さん。こちらは吉岡 義男君。私のお友達」
「あ、ど、どうも・・・」
「玉川家で侍女をさせて頂いている、豊城(ほうじょう)と申します。以後、よろしくお願いします」

 義男は手を後頭部に当てて礼をする。
 それに対し、豊城は完璧な角度で礼をした。

「それじゃ、俺はこれで」
「え? もういっちゃうの?」

 依子が残念そうな顔をする。

「うん。これを豊子さんに返さないと行けないしね」

 義男は手に持った懐中電灯を持ち上げて苦笑した。
 依子はそれを見ると寂しいような何とも言えない表情をする。

「依子さん?」
「・・・ううん。なんでもない」

 俯いてしまった依子を義男がのぞき込む。依子は顔を上げ、にっこりと微笑んだ。

「それじゃ、またね。義男君」
「うん、それじゃ」

 義男は来た道を戻っていく。
 その後ろ姿を依子と豊城は見ていた。
 豊城はそっと依子の頭へと手を置く。

「あの方が好きなんですね?」
「・・・・・うん」
「がんばりましょう。あの方にずっと見ていてもらえるように」
「・・・・・うん」
「さ、中へと入りましょう」
「・・・・・うん」

 依子は豊城に付き添われ、勝手口から家の中へと入っていった。



 義男がしばらく歩いていると、目の前に豊子が立っていた。
 そこは常夜灯の間で明かりの届かないところである。
 そこで豊子は空を見上げていた。

「や」
「何してんだよ」

 義男はぶっきらぼうに言う。
 豊子には何故かそんな風に接してしまうような雰囲気があった。

「星が綺麗なの。見ないと損だよ」
「なんだそりゃ」

 つられて義男も空を見上げる。空には雲も月もなく、ただ星のみが無数に散らばっていた。

「まあ、どうでもいいや。ほら、懐中電灯」

 義男はスイッチを切って、放り投げた。それをぱしっと受け取った豊子は懐中電灯を使い、自分を下から照らした。
 子供達がよくやるような事ではあるが、通常と逆の影の付き方をみると、やはりそれは見てて怖い。

「なに? 依子は送って、あたしは送ってくれないわけ?」

 下から顔を照らしたまま豊子は言う。そして、そのままよってくる。

「・・・わかったよっ」

 豊子に押し切られ、義男は豊子を送っていく羽目になった。
 懐中電灯は義男が持ち、二人で並んで歩く。
 その姿は先ほどとほとんど同じだが、二人の雰囲気は全く違う。
 聞き役に回って、場を和ませる依子と、話をする雰囲気ではないが、どことなくいい雰囲気の豊子。

「義男。ついたよ。義男?」

 義男がその雰囲気に取り込まれていると気づいたらアパートの前だった。
 豊子は義男の方をみている。

「なにやってんの?」
「あ、ああ・・・うお、いつの間に。まあ、いいか。じゃ、俺は帰るから」
「ちょっとまった」

 豊子はそう言って、義男を家に連れ込む。
 そして、冷蔵庫を漁ると缶ジュースを二本とりだし、一本義男へと放り投げた。

「飲んでいきなよ」

 豊子の雰囲気には断れない押しの強さが存在する。
 義男は手に持ったジュースをみてから、靴を脱いで上がり込んだ。
 壁を背もたれにして座り込むと、豊子もその隣へと座る。二人合わせて、プルトップを引き上げるのを偶然に炭酸のジュースを飲み始めた。

 ゴクッゴクッ

 静寂。
 隣の部屋、上の部屋からの音は聞こえるものの、ただそこにあるのは液体が喉を通る音のみだった。

 ジュースを飲み終わった豊子は、その空き缶を放り投げる。空き缶は綺麗に弧を描き、部屋の隅に置いてあったゴミ箱へと入った。
 義男はその妙技に呆然としながら、ジュースを飲む。豊子より一足遅れてジュースを飲み干した義男はテーブルに空き缶をおいた。
 そして、帰ろうと立ち上がり駆けた瞬間、義男の視界と唇はふさがれた。驚いた義男の間隙をぬって、豊子が舌を差し入れる。
 長い長い、そして濃密なキス。
 舌を絡ませ、唾液をたらし込む。
 ふっと我に返った義男が豊子を引き離すと、豊子と義男の間につっと銀色の糸がひいた。

「とよ・・・・」
「やって・・・・我慢できない」

 義男の言葉を遮って豊子が言う。瞳が蕩けていた。
 そして、服を脱ぎ出す。Tシャツ、ジーパン、そしてブラジャーにパンティ。
 あっという間に豊子は素っ裸になった。突然の行動に義男は動けないでいる。
 豊子はもう一度義男に口づけをして、押し倒した。
 義男の制服を脱がし、すでに立っているモノに指をはわせる。

「あんたがあたしをこんな風にしたんだから・・・」

 舌を絡ませ、指をはわせ、ひくつくソコを義男の太股にすりつける。

「依子じゃこんな知識はないでしょ?」

 そう言って、豊子は義男と上下逆さまになる。いわゆるシックスナインのポーズでピチャピチャと義男のモノを刺激した。
 胸で挟み、揉み上げる。そして、先を舌で刺激する。まずは軽く触れるように、そして、だんだんと舐めるように。
 いきなりの刺激に義男の胸はどくんと大きくなった。
 血流を早めている。
 豊子のソコはすでにびちゃびちゃに濡れており、たらたらと義男の顔へと液を垂らしている。
 豊子は先端をちろっと舐め、裏筋をつつつとかすかに撫で上げる。

 ビクンッ!!

 そのかすかな刺激に義男は放出してしまった。真っ白なゲル状の液が豊子の顔へと降りかかる。豊子はそれに頓着せずに再び、義男のモノを刺激した。
 義男も目の前に広がる口へと舌を伸ばす。そして、両手も使い、豊子の下の口とその近くにある豆を刺激する。

 ビクンッ!!

 今度は豊子が震える番だった。下の口から出てくる涎が義男の顔を濡らすが、義男は気にせずに刺激する。とりわけ、豆を刺激すると豊子が大きく震えた。
 豊子も負けじと義男のモノを刺激する。全体を口でくわえ、顔を前後させる。時々、震えて義男のモノに軽く歯が立ったりもするが、それすらも上り詰める刺激になる。
 そして、義男も刺激に震える時、豊子の豆を刺激する。快感はぐるぐる回り、二人はどんどん上り詰めていく。

「そ、そろそろ・・・」

 義男が呻く。その言葉に豊子は上下逆さまにした。
 ソコを義男のモノへとあてがう。
 一呼吸置くと、豊子は一気に突き入れた。

 ぶちぶちぶち!!

「・・・・・!!!」

 豊子に破瓜の痛みが走る。あまりの痛みに一瞬止まるも、再び豊子は動き出す。
 邪魔なのか、ゴムの髪留めをはずす。髪の毛がぶわっと広がり、豊子は依子になった。
 白いゲルをつけ、涎と涙を垂らしている。そして、蕩けた瞳で見つめる姿に義男はさらに興奮した。
 義男からも突き上げる。
 二人の動きは同調して、二人にさらなる快感を与えた。
 豊子の身体は前へと倒れ、義男の眼前へとくる。
 豊子と義男は濃密なキスをしながら、腰を振り合っていた。

 ピチャピチャ
 グチュグチュ
 パンッパンッ

 様々な音が部屋に木霊する。
 義男も豊子もどんどん上り詰めていった。

「ぷはっ」

 二人の口が離れる。銀色の糸はいつまでもつながっている。

「も、もうだめ・・・」
「お、俺も・・・」

 その言葉を聞いた豊子は蕩けた瞳で義男を見る。

「ねえ、出していいよ。今日は大丈夫だから」

 耳元で囁き、二人は限界に達した。

「・・・・・・!!!」

 二人は歯を食いしばり、叫び声が漏れないようにする。
 義男のモノはドクンドクンと放出し、豊子のソコはビクンビクンと受け入れた。
 そして、二人の意識は遠くなった。



 トントントントン。
 義男は規則正しい音で目を覚ました。まだまともに働いていない頭を振って辺りを見回す。そこはいつも見慣れた自分の部屋ではなかった。
 上半身を起こして、毛布が掛けられている事に気づく。そして、じぶんが裸だという事にも気づいた。
 瞬間的に毛布で身を隠し、自分の服を探す。綺麗にたたんですぐ隣に置いてあった。
 義男はそれに手を伸ばすと、毛布の中へと引き込んだ。

「着る前にシャワーをあびた方がいいよ」

 部屋に響く声。豊子は台所でこちらに背を向けていた。
 そして、義男のほうをむくとにかっと笑う。

「昨日のにおいがついたままだからね」

 思わず、義男は自分のにおいを嗅ぐ。よく分からなかったが、行為の後そのまま寝てしまったのも事実だった。
 義男はシャワーを借り、身体を洗い流す。石鹸やシャンプーを使い、入念に洗った。

 シャワーからでると見事な朝食が待っていた。
 焼き鮭に味海苔、みそ汁に和え物など、100%和食だ。
 豊子は何も言わず、義男を見ている。

 何となく、豊子の言いたい事が分かった義男はテーブルに着いて、ご飯をよそった。
 豊子はそれを見ると、両手をあわせて礼をする。
 義男も豊子を真似て、礼をして、ご飯を食べた。

 義男は豊子の料理の味に驚き、ご飯をおかわりする。
 結局、義男は三杯おかわりをした。

「ありがと、飯うまかった。じゃあな」

 義男は豊子に礼をいい、そのまま学校へと向かった。
 最後まで豊子はそっぽを向いたままだったが、耳が赤くなっていた。






 
 


 

 

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