新米神様の贈り物


 

 



「なるほど、ここが地球だね」

 ひとりの男の人が、日本という国の東京という街を見おろしていました。

 よく見たら、その人はふわふわと宙に浮かんでいました。
 でも、下を歩く人たちは誰も騒いでいません。
 その男の人が見えていないみたいです。

 それもそのはずです。
 その人は、今は人間には自分のことが見えないようにしていたからです。

 実は、彼は神様なのです。

 彼は、ほんの2ヶ月前に履修カリキュラムを修了して神様の免許を取ったばかりの新米神様なのでした。
 そして、自分の担当する場所が、生命体の存在する26の星と、生命体の生まれる可能性のある18の星のあるエリアに決まり、前任の神様からの引き継ぎを終えて、この、住人たちが『地球』と呼んでいる星に来たばかりだったのです。






「さてと、神様になって初仕事だから、やっぱり困っている人の望みを叶えてあげるっていうのがいいな……」





 神様は、ふわりふわりと宙を漂いながら、困っている人がいないか探していました。





「ん?あれは?」

 誰もいない空き地の陰で、小さな女の子がうずくまっているのに神様は気づきました。
 下を向いて、どうやら泣いているみたいです。




「どうしたのかな、お嬢ちゃん?」

 神様は空き地に降り立つと、その子には自分の姿が見えるようにして声をかけました。

「うわっ!なんだよ!?どこから出てきたんだよ、おっさん!?」

 いきなり現れた神様に、女の子はすごく驚いたみたいでした。
 それに、なんだか言葉遣いが乱暴です。

 でも、その子の顔に涙を流していた跡があるのを神様は見逃しませんでした。

「いま、きみは泣いていたんじゃないのかい?」
「なんだよ、どうでもいいだろ、そんなの!」

 ぶっきらぼうにそう答える女の子は少しおびえているようでした。

「怖がらなくていいんだよ。僕は怪しい人じゃないから」
「うそつけっ!そんな変なカッコしてて、すっげえ怪しいじゃないか!」
「ん?この格好がそんなに怪しいかな?」

 神様は首を傾げながら自分の姿を確かめてみました。

 頭と両腕を通す穴の開いた白い布を身につけて腰紐を巻いた、ごく普通の神様のコスチュームです。
 それは、この星の人たちの服とは違うことはわかっていましたが、でも、この姿でないと自分が神様だってことがわかってもらえないはずです。

「怪しいやい!……あれ?でもそんな服、どっかで……あ!ひょっとしてあんた?」
「ん、なんだい?」

 やっと自分が神様だとわかってもらえたのかと、神様は少しうれしく思いました。

「あんた、ルシウスって名前なんじゃないか?」
「誰だい、それは?僕はそんな名前じゃないよ」

 たしかに、神様の格好は古代の人の服に似ていました。

 でも、この間まで神様の免許を取るために一生懸命勉強していた彼は、現代の日本にタイムスリップしてきたローマ人のことなんか知っているはずがありません。

「いいかい、僕は神様なんだよ」
「神様?あんた頭おかしいんじゃないのか?」
「そんなことはないさ。まだ新米ほやほやだけど、正真正銘ホンモノの神様なんだから。ここでの初仕事に困っている人を助けてあげようと思って、君が泣いているのを見かけたんだよ。何か悲しいことでもあったのかい?」
「余計なお世話だろ!」
「そんなこと言わないで。僕はきみの望みを叶えてあげたいだけなんだから」
「あんた、本当に神様だってんのかよ?」
「ああ」
「だったら、金くれよ」
「え?」
「同情するなら金をくれ」

 もちろんこの星に来たばかりの神様が、そんな20年ほど前に流行った言葉なんか知っているわけがありません。

 でも、どうやら女の子がお金に困っているらしいということはわかります。

「なあ、あんたが本当に神様だったら、あたしに金をくれよ」
「いや、それは……」

 神様は返答に困ってしまいました。

 もちろん、ここでお金を出して彼女にあげるのは簡単です。
 でも、それで済ますのは、神様になるために必死で勉強した彼のプライドが許しませんでした。

「なんだよ、できないのかよ。あんた神様なんだろ」
「うん、そうだけどね……」

 神様は考えました。

 今ここでこの子にお金をあげると、しばらくは助かるでしょうが、それでは本当の解決にはなりません。
 この子が困っている、根本的な問題を解決しないと、また彼女は泣くことになるでしょう。
 だから、もうこの子がお金のことで悲しまないようにしないと……。



 その時、神様にいい考えが浮かびました。



「そうだ!きみにお金をあげることはできないけど、その代わりに、僕がこの世界を変えてあげよう」
「世界を変えるって?」
「うん!お金なんかなくても、みんなが楽しく幸せに暮らせる世界にしてあげるよ!」
「なに言ってるんだよ、あんた!?やっぱり頭おかしいんだろ?」
「いいや、できるさ。なんたって僕は神様だからね。まあ、見てなって」



 そう言うと、神様はふわりと浮かび上がりました。

 女の子は、驚いて目をまん丸にしています。



 神様は、一度女の子に微笑みかけると目を閉じて集中しました。


 ……ベースはこのままでいいかな。
 いくつか作り替えて……それと、人間たちの心と記憶と……そうだな、歴史も少し書き換えないといけないかな。

 これは、けっこう大技だぞ。
 でも、初仕事だし頑張らなきゃ。





「じゃあ、行くぞ。それーっ!」

 神様は頭の中でイメージを固めると、腕を振り上げました。

 すると、神様の手から光があふれてきて空一面を覆っていきます。

 その様子を驚いた顔で見ていた女の子が、急にバタリと倒れました。

 それを神様は優しい笑顔を浮かべて見おろしていました。

「ぐっすりおやすみ。そして、次に目が覚めたら、もうきみはお金のことで悲しむことはなくなるから」

 小さな声でそう言うと、神様は真剣な顔になりました。

 その手から出てくる光は、どんどん空に広がっていきます。






 その日、地球全体がまばゆい光に包まれました。
 それは、半日近く地球を覆っていましたが、それを見ることができた人はいませんでした。
 なぜなら、その間、人間はみんな眠っていたからです。





























「しまったー!もうこんな時間だ!」

 朝、私、森下明梨(もりした あかり)が目を覚ますと、時計は8時34分を指していた。

「やだもう、急がないと遅刻だよーっ!」

 慌てて飛び起きると、急いで服を着替える。

 いくら大学までダッシュで10分のところに部屋を借りているとはいえ、朝9時からの講義にはさすがにぎりぎりの時間だ。

 髪を整えるのもそこそこに、冷蔵庫から朝食代わりの野菜ジュースを出した。
 もともとが寝ぼすけの私は、朝ご飯をこれで済ますのには慣れている。



 行儀悪く紙パックに口をつけてジュースを流し込みながら、時間がないというのについいつもの癖でテレビのスイッチを入れた。



「……このノートパソコンが、今ならお値段なんと20セックス!」
「ぶふーーーーっ!」

 テレビから流れてきた言葉に、私は思わずジュースを吹き出してしまった。

「しかも、分割払いなら月々1セックスの24回払でもご購入ができます!」

 画面は、朝によくやっている通販のCMのようだった。
 だけど、言ってることが普通じゃない。

 ……これ、ギャグだよね?
 新しいバラエティー番組でも始まったのかしら?

 でも、朝からやるにはあまりに過激で下品な表現じゃない?
 それに、分割払いでしっかり金利も取ってるところが芸が細かい。

 いちおう、私は経済学部なのでそういうところにはうるさかったりする。

「ていうか、こんなことしてる場合じゃないわ!遅刻よ、もうっ!」

 ふと我に返って、私はそんなバラエティー番組のことは放っておいてテレビを消すと部屋を出て行く。









 結局、1時間目のフランス語の授業は5分の遅刻だった。








「あー、もうっ!また寝坊しちゃった!」

 授業が終わって、私は友達の井上美咲(いのうえ みさき)に愚痴をこぼしていた。

 今日は、一時間目の後は昼まで講義はない。
 そんな時は、仲のいい美咲と使っていない教室でおしゃべりするのが空き時間のいつもの過ごし方だった。

 今年受けているフランス語の先生は、遅刻した学生に大量の宿題を出すので有名だ。
 それを次の週に提出しないと、遅刻した日の出席を認めてくれない。
 語学の授業は3回欠席すると即アウトで単位がもらえないから、遅刻した人間は泣きながら宿題をこなす羽目になる。

 だいたい、大学2年生になる今でも私にはこの第2外国語の授業の意味がわからない。
 どうせ話せるようになるわけでもないのに、ちんぷんかんぷんな発音や文法を勉強しなくちゃいけないし、専門とは関係ないのに単位を取らないと留年なんてどうかしてると思う。

「まったく、明梨も懲りないわよね。これで遅刻何度目なのよ?」
「だって、私、朝は弱いんだもん!」
「あのね、大学から徒歩圏内に住んでる下宿生がなに言ってんのよ。私なんか電車で1時間以上かけて通ってるんだからね」

 学校から結構離れた実家から通っている美咲にそう言われると、私には返す言葉もない。

「それに、宿題を提出したら出席を認めてくれるんだからまだましじゃないの。遅刻を認めずに即欠席扱いにする厳しい先生もいるらしいわよ」
「う……それはそうだけど……」
「だいたい、明梨は弛みすぎなのよ。それは、全部の授業に真面目に出ろとまでは私も言わないけど、落としたらいけない授業くらいはきちんと出ないと」
「ううっ……」

 美咲の説教に私はたじたじだ。
 だいたい、根が真面目な美咲は成績優秀で遅刻欠席もほとんどないから言い返す余地がなかった。





「おーい!井上!国際経済原論のノート貸してくれよ!」





 そう言って私たちの何でもおしゃべりに割り込んできたのは、やっぱり同じ専攻の真田くんだった。

 彼もほとんどの授業が私たちとかぶっているので、何かとよく話をする。
 気さくなスポーツマンタイプで、ルックスも結構いい。

 ただ、体育会のサッカー部に入っているから授業をサボることが多いのが玉に瑕だ。
 で、その分のノートは私たちに頼ることが多い。

 ま、頼りにしてるのは私のよりも美咲のノートなんだろうけど。





「またぁ?いつの分?」
「先週までの3回分なんだけど」
「あの先生出席とらないからってサボりまくってるわね……」

 そう言いながら、美咲は鞄の中からノートを取り出した。

「でも仕方ないわね、まあいいわ。じゃあ、1セックスね」

 一瞬、私は自分の耳を疑った。

 今、美咲ったら『セックス』て言わなかった?
 まさかね……。

 もう一度言うが、美咲は気はいいけど根は真面目な子だ。
 冗談でも『セックス』なんて言わないし、そんなことを言っているのを今まで聞いたことがない。
 特に、男の子相手には。

「て、うそっ、マジ!?」

 ほら、真田くんだって驚いてるじゃない。

「ノートで1セックスはちょっと高いんじゃないか?」

 ……って、ええっ?

「あら、私のノートはそれくらいの価値はあるわよ。だいいち、個人間の契約は商品を提供する側が値段設定をするのが原則でしょ」
「ちえっ、仕方ねえなぁ……通帳からでいいか?」
「ダメ、直払い指定ね。だって真田くんいい男なんだもん。セックスするチャンスを逃す手はないわよ」

 ちょ、ちょっと、なに言ってるの、美咲?

 私には、ふたりの会話の意味が全く見えない。

「わかったよ。今でいいのか?」
「真田くんがそれで良かったら私は構わないわよ」
「じゃあ、ちょっと先に用事済ませてくるから15分くらい待っててくれないか」
「いいわよ」





 真田くんが教室を出て行くと、私は慌てて美咲に詰め寄った。





「ちょっと美咲!今のは何なのよ!?」
「何って、また真田くんがノートを借りに来ただけじゃない」
「いや、そうじゃなくってその後のっ!」
「え?……ああ、それは、ノートの代金が1セックスは高いと思うけどね。でも、個人間の契約は双方の合意があれば成立するって決められているし、料金は払う方じゃなくて受け取る方が設定できるんだからいいじゃないの。まあ、あれで払ってくれるところが彼のいいところなんだけどね」
「美咲!あなたいつからそんなことで体を売る子になったの!?」
「明梨ったらなに言ってるの?私が売ってるのは体じゃなくてノートの写しよ。それで代金を受け取るのは何も問題ないじゃない」

 美咲は、そう言って不思議そうに私を見ている。

 だめだ、なんか会話が全然かみ合ってない気がする。

「だからっ、せせせ、セックスってどういうことよ!?」
「なに顔を真っ赤にしてるのよ?」

 それは顔も真っ赤になるわよ。
 だって、そんなのまだお昼前の空き教室で口にする言葉じゃないもの!

「ノートを貸してお金を取るんならまだしも、セックスなんて!」
「どうしたの、明梨?だから、そのお金をもらうんじゃない」
「セックスのどこがお金なのよ!?お金っていうのはお札とか硬貨とかのことでしょ?」
「なに変なこと言ってるの?熱でもあるのかしら?高校の時に歴史の授業で習わなかった?お札や貨幣は国ごとに単位や価値が異なるし、為替の暴落や、インフレ、デフレのリスクがあるから、それを避けるために人類は性行為を世界共通の通貨にすることにしたんじゃないの。性行為には個人の趣味やセクシュアリティーによって多少の価値観の相違はあるけれど、国単位での価値の相違はほとんどないでしょ。だから両替する必要もない。性行為を通貨にすることによって、人類は初めて真に全世界共通の経済を成立させることができたし、セックスを通貨とすることが活力につながって生産性も上がった。こんなの、セックス経済学の基礎理論じゃないの」

 いや、知らない!
 基礎理論もなにも、そもそも『セックス経済学』なんて聞いたこともない!

「冗談でしょ。そんな話聞いたこともないわ……」
「そんなわけないでしょ。去年私と一緒にセックス経済学概論の講義を受けたじゃないの。私はそんな冗談は言わないし、だいいち、経済学部の人間がそんなことも知らないなんてあり得ないわ」
「だって、そんな……性行為が通貨だなんて……」

 茫然としている私を、美咲は怪訝そうに見つめている。

「今日の明梨ってばなんか変よ。……いい?女だったら、1セックスが10フェラ、1フェラが10手扱きでしょ、男だったら1セックスが10クンニ、1クンニが10手マンって決まってるでしょ。まあ、1セックスの代わりに当人同士の嗜好によってアナルセックスで代用できるオプションもあるし、少額の場合は乳首とか任意の性感帯を刺激することでも代用はできるのは知ってるわよね。当人の嗜好によるものの他にも、オプションはホモセクシャルの人の場合にも適用されるし、他にも、中間的な価格設定でパイズリみたいなものが使われるし、胸の大きさによってはパイズリを素股に変えることもあるわね。重要なのは、支払う側は決められた方法で相手を気持ちよくさせてイカせることでしょ。ねえ、どうせまた居眠りして変な夢でも見てたんでしょ?どう、これで少しは現実に戻ってきたかしら?」

 ……いや、現実に戻るどころの騒ぎではなかった。

 真面目なはずの美咲の口から飛び出してくるとんでもない言葉の連続に、私は軽い目眩を覚えていた。

「だって、だって……そんなの男が楽しいだけじゃない……そんなのおかしいよ……」
「おかしいのは明梨の方よ。だって、私たちも気持ちよくなれるじゃない。支払う方も支払われる方も気持ちよくなれるなんて、こんないい経済システムそうはないわよ。それに、セックス経済が成立してから性犯罪が消滅したのは知ってるでしょ。まあ、買い物をしたらいつでもセックスはできるんだし、男にとって精液は貴重な財産なんだから無駄遣いはしたくないだろうし、当然のことよね」
「でもっ!買い物するたびにセックスしてたら私たちすぐに妊娠しちゃうじゃない!」
「また変なこと言ってる。子供の時に学校で習わなかったの?現代では世界中の食べ物に避妊薬が添加してあるから、私たちはどれだけセックスしても妊娠するわけないじゃないの。子供が欲しかったら、両者合意の上で避妊薬の入っていない妊娠食を10日以上食べ続けてから子作りに励むんでしょ」
「に、妊娠食……」

 また訳のわからない言葉が出てきた……。
 なんだか、聞いているだけで頭がくらくらしてくる。

「だいいち、性行為を通貨にしてるんだから避妊対策は最重要課題じゃないの。それに、これで人口のコントロールも容易になったし、生産と消費のバランスもとりやすくなって食糧問題も一気に解決。いいことづくめじゃないの」
「でもでもっ!セックスなんて一回やっちゃたらおしまいじゃないの!そんなのでどうやって利益になるのよ!?」

 そうだよ、セックスが通貨なんておかしいじゃないの!
 いちおう経済学部なんだから、そんなの絶対に納得できない。

「ホントに熱でもあるんじゃないの?」

 美咲が、私の額に手を当てる。

「……別に熱はないみたいね。ほら、明梨も持ってるでしょ、これ。電子セックス通帳」

 そう言って、美咲はスマートフォン状のものを取り出した。

「本当はあんまり人に見せるものじゃないんだけどね。今日の明梨なんだか様子がおかしいし、これはほとんど携帯料金の引き落とし専用に使ってる予備の通帳だから特別に見せてあげるわ。残額は8セックスに19アナルセックス、これは私があんまりアナルセックス好きじゃないから、アナルで支払いを求められたときはこれで済ますために多めにしてあるんだけど。それと6フェラと5手扱き、素股とパイズリが2ずつね。まあ、このあたりは体で支払ってもいいからそんなに沢山は入ってないけど……明梨もそうでしょ?これが電子セックスね。電子セックスでそのまま支払ってもいいし、体で支払ったら、それが電子セックスに換算されてお店や企業の利益に計上される。こんなの、基本中の基本じゃないの」

 そう言われても、私には答えようがない。

 だいいち、電子セックス通帳なんて見たことも聞いたこともないし、それに、私の脳味噌はもう溶けそうなくらいに混乱していた。

「そんなっ!でも、体で支払えるんだったら、誰だって働かないで遊んで暮らすに決まってるじゃないの!そんなのでどうやって生産性を維持できるのよ!?」
「そりゃ、食べるだけなら自分の体だけで支払っていけるでしょうけど、着るものや住むところはどうするのよ?光熱費ならまだ体で払える金額かもしれないけど、家賃なんかは全額体で払うとしんどいんじゃないの?それに、ちょっとした電気製品なんか買っても10セックスから高いものだと100セックスになるわよ。そんなの一度に体で払ったら男だろうが女だろうが廃人になるに決まってるじゃない。分割払いにするとしても、もし、家やマンションを買ったりしたら1万セックスを超えるわ。そんなの、体だけの支払いで受け付けてくれるわけないじゃない」
「じゃ、じゃあ、その支払いはどうするの?」
「やっぱり寝ぼけてるのね。そのための電子セックスじゃない。明梨だってバイトしたお給料や親からの仕送りはこうやって電子セックスとして通帳に入ってるでしょ?」

 美咲が、呆れたように大きくため息をつく。

「みんな、働いた分のお給料はたいてい電子セックスでもらってるはずよ。で、金額の大きな買い物や気が乗らない相手には電子セックスで支払えばいいのよ。まあ、さっきの私と真田くんみたいに個人間の契約だと支払う側は支払う相手の要求に従わなきゃいけないのが原則だけど、店で買い物をする分には電子セックスだけでも済ませることができるはずよ。もちろん、店員がいい男だったら体で支払ってもいいしね。こうやって、気分によって体での支払いと電子セックスを使い分けることができるのって便利でしょ」
「でも、セックスで支払うのなんて時間がかかるじゃない。もしみんながセックスで支払ったらどうなるのよ?レジなんかすぐパンクするじゃないの」
「だからどんな店や企業だってレジ要員や料金回収の人員は沢山抱えてるじゃない。これで新しい雇用も生まれるし、料金回収のための人手は慢性的に不足してるから失業の問題もほとんどないし」

 いや、その結論はともかく言ってる内容がさっきからとんでもないんだけど。

 あまりにとんでもなくて、なんだか、こめかみがずきずきと痛くなってくるみたい。

「……ねぇ、その電子セックスって、どこが発行してどこが保証してるの?」
「ニチインに決まってるじゃないの」
「ニチイン?」
「そう、日淫。日本淫行ね。ひとりの人間が生涯にできる性行為の回数には限りがあるから、世界の総人口の限界を超えた電子セックスを発行するとシステムの崩壊を招きかねない。だから、世界淫行は各国の人口とGDPをもとにそれぞれの国の中央淫行に電子セックスの上限を定めているの。これも、世界中の総人口と、生産と消費のバランスがとれているからこそできることね。そして、各国に割り振られた電子セックスは、日本だと日淫と政府によって……」
「もういい!もうわかったから!」

 話が無茶苦茶な上に、難しい方向に行きそうになったので、私は慌てて美咲を押しとどめる。

「やっと目が覚めた?」
「う、うん!思い出した思い出した!そ、そうっ、ちょっとね、変な夢見たのよね!なんかリアルだったから、現実と区別がつかなくなっちゃって!ははっ、はははは……」

 私は、笑ってごまかす。

 もちろん何がどうなってるのかわかってないけど。
 でも、このまま美咲の話を聞いていたらこっちがおかしくなりそうだ。

 美咲の言ってることはとてもじゃないけど信じられない。
 どう考えても私をからかっているとしか思えない。

 でも、美咲がこんな冗談を言うなんてもっと信じられない。








「おう、待たせたなっ!」







 その時、真田くんが教室に戻ってきた。

「あ、来た来た。じゃあ、さっそく始めましょ」

 真田くんを見て、美咲が服のボタンを外し始める。

「ちょ、ちょっと!何するつもりなのよ、美咲!」
「何って、セックスに決まってるじゃない」
「って、ここでやるの!?」
「え?だって、ここはこの時間は使っていない空き教室じゃないの」
「いやっ、そーいう意味じゃなくてっ!」



「森下、どうかしたの?」
「うん、それがね、明梨ったら今朝からちょっと変なのよ。なんか、おかしな夢を見て、それを本当だと思っちゃったみたいでね」
「はははっ!森下らしいな」



 狼狽えまくっている私をよそ目に、美咲と真田くんの笑い声が響く。



 とか言っているうちに、美咲はすっかり服をはだけてしまっていた。

「ほら、明梨のことはいいから早くしましょうよ、ね」
「おう、そうだな」

 真田くんの手が伸びて、美咲のブラを外す。

「ちゃんと私を気持ちよくしてよね、真田くん」

 げっ、やばい!その笑顔やばいって、美咲!
 なんていやらしい顔してんのよ!

「はいはい。支払う側は手を抜かずに相手を気持ちよくさせてきちんとイカせるのが義務だって、井上の口癖だよな」
「だって、当たり前のことでしょ。……あっ、んふうんっ!」

 私の見ている前で真田くんが美咲のおっぱいに舌を這わせて、もう片方の乳首を指でつまんだ。

 やだ、美咲ったらなんて声出してんのよ……。

「あんっ、そこっ!んんんっ!」
「ホント、井上って乳首弱いよな」
「んふうううううっ!ああっ、そんなに乳首いじめないでえぇ!あふうんっ!……あらっ、明梨っ、どこ行くの?……ああんっ!」
「……私、朝ご飯食べてないからちょっと売店行ってくる」
「そう、じゃあ、また後でねっ!ああうんっ、いいわよっ、真田くんっ!」

 一瞬、美咲は私の方を見たけど、すぐに真田くんとのエッチに夢中になったみたいだった。

 それに、こっちを見たときの、美咲の顔……。
 ものすごくいやらしく潤んだ涙目だった。
 あんな美咲、初めて見る。

「はあんっ!そこっ、感じちゃうっ!あぅ!」

 私は、耳をふさぐようにして美咲のいやらしい喘ぎ声が響き始めた教室を後にする。

 朝ご飯を食べていないのは本当だけど、とにかく一人になりたかった。
 一人になって、混乱した頭を整理したかった。





* * *






「…………」




 売店に来て、私はまた絶句してしまった。

 なんで?レジが10台もある……。

 私の記憶だと、ここはレジが2台しかないはずだった。
 なのに、それが5倍になっている。
 
 心なしか、売店のスペースも前より広くなっている気がする。

 だけど、私が絶句したのはレジの数じゃなかった。

「ん……んふ、はふ……」
「うんっ、いいよっ、もう少しだ!」

「じゅっ、んむむむっ、じゅるるっ!……ど、どうですか?」
「はああんっ、イイっ、イイわよ、きみ!」

 10台のレジのうち、列ができてるのが8列。
 それぞれ、男の子と女の子が4列ずつ。
 男の子の列の先には女の店員さんがいて、女の子列の先には男の店員さんがいた。

 そして、列の先頭では男の子は女性店員のアソコに、女の子は男性店員のおちんちんにしゃぶりついていたのだった。



 ……なによ、これ。



「くうっ、いっ、いくぞっ!」
「んっ、んぐぐぐぐぐっ!」

 私の目の前で、ふたりの呻くような悲鳴のような声が上がった。

 男性店員がポニーテールの女の子の頭を両手で押さえつけている。
 喉の奥までおちんちんを飲み込んで、苦しそうに目を瞑っている女の子のポニーテールが揺れていた。

「んぐぐぐっ!……こくっ」

 おちんちんをいっぱいに頬張った女の子の喉がごくっと鳴った。

 やだっ、もしかして精液飲んでるの?

「んんっ、んふううううう……」 

 息が苦しくなったのか、その子がおちんちんから口を離した。

「ああっ!ふわああぁ!」

 その顔に、まだ出し切っていなかった白濁液が降り注いでいく。

「ふわぁ……ん、ぺろ……」

 顔中が白濁液でべとべとなのに、彼女は嫌がるどころかトロンとした表情で顔に付いたそれをすくっては舐めている。

「うん、OKだよ。はい、こっちが商品と……これで顔を拭いて」
「……ふぁい。ありがとうございます」

 店員から、サンドイッチとペットボトルのお茶を受け取ってから、彼女は手渡されたペーパータオルで顔を拭くと、ふらふらとレジを後にする。
 頬を赤く染めたその顔は潤んだ涙目になって、口許にはうっすらと笑みが浮かんでいた。

 さっきの美咲と同じ、いやらしい微笑みが。



「おい、おまえ今ので5発目だろ。交代だよ」
「ああ。後は頼んだ。俺、ちょっと休憩するから」



 気づくと、男性店員の方に奥から来た別な店員が声をかけてレジを交代していた。



「それじゃあ、次の人」
「はい」

 列に並んでいた、おにぎりとお茶を持ったおとなしそうな女の子が前に出てくる。

 でも、やっぱりその子の顔にもうっすらといやらしい笑みが浮かんでいた。




 ……うそ、まさか本当に美咲の言ったとおりなの?




 私は、茫然として売店の様子を眺めていた。

 本当に、今さっき美咲に説明されたとおりの状況だった。

 そんな嘘みたいな話が本当になってるなんて……いったい、どうなっちゃってるの?

 ……あ、でも、あのふたつのレジは普通みたいね。

 よく見ると、行列のできていない2台のレジでは、あの目を覆いたくなるような恥ずかしいことは行われていないみたいだった。
 別に、そのレジを利用している学生がいないわけじゃない。むしろ、そこのレジに行く方が人数は多いくらいだ。
 見ると、みんな手にスマートフォン状のものを持っていて、それでさっさと会計を済ませているみたいだった。
 だから、行列ができないんだわ。

 そうか、こっちのレジは電子払い専用なんだ。
 あっちを利用したらあんなことをしなくていいのよね……あっ!

 そこで私は思い出した。

 さっき美咲に見せてもらった、電子セックス通帳、みんなあれを使ってるんだ。
 でも、私はそんなものさっき初めて見たくらいだから持っているわけがない。

 だったら、私もあっちのレジに行かなきゃダメなの……?

「じゃあ、始めますね」
「ああ」

 私の視線の先では、また別な女の子がうっとりとした顔で男性店員のおちんちんを握っていた。





 無理無理無理無理っ!
 あんなの、私には絶対無理!






 いったい何があったっていうのよ?

 ……だめ、こんなところにいたら頭がおかしくなりそう。



 もう、買い物どころではなかった。
 それどころか、すっかり気分が悪くなって私にはもう午後の講義に出る気力すらなかった。



 今日はもうお家帰ろ……。



 そのまま、私は売店を後にすると足取りも重く自分の部屋へと帰っていったのだった。






* * *







 それから5日ほど、私はほとんど引きこもり状態だった。

 買い物なんてもってのほか。
 外に出るのも怖かった。

 食べる物は買い置きしておいたお菓子と冷蔵庫の中にあったものでなんとかした。




 その間、テレビを見て手に入れた情報は、美咲の話を裏付けるものばかりだった。

 間違いなく、世界の共通通貨はセックスになっているみたいだった。
 そして、1セックスはだいたい5000円くらいの価値だということもわかった。

 でも、そんなことがわかったからって、はいそうですかと知らない人とセックスをする気になんてなれない。

 ただ、ニュース番組を見ていて、世の中がものすごく平和だということはわかった。
 ほとんどが穏やかな話題ばかりで、後は事故のニュースが少し。
 事件や犯罪のニュースはほとんどなかった。

 それも美咲の言ったとおりなんだけど。

 ていうか、今、最大の社会問題が性欲の減退したお年寄りや性的不能者のための電子セックスによる補助の問題って、なによそれ?
 しかも、それも一時的な問題で、セックス経済導入後のコントロールされた人口統制下ではいずれ解決されるだろうって、そんなの問題でもなんでもないじゃない!



 いった、この世界はどうなってしまったっていうのよ?



 私の知らない間に、世の中がすっかり変わってしまった。

 ……いや、世の中が変わったんじゃないんだわ。

 この5日間、いったい何があったのかと必死で考えていて、私はあるひとつの結論に達していた。

 たしか、パラレルワールドっていうの?マンガかなにかで読んだことがあるわ。

 自分の住んでいる世界とよく似た世界がいくつも存在しているって話。
 でも、その世界は少しずつ違っていて、中には男と女が逆転してる世界もあって、マンガだとよくそのパラレルワールドの自分と本当の自分が入れ替わったりするんだけど。

 きっとそれなんだわ!

 私、何かの弾みでこのとんでもないパラレルワールドに迷い込んでしまったのよ!

 じゃあ、この世界にいた私は?
 私の世界に行っちゃってるってこと?

 きっと、こんなとんでもない世界にいるんだからものすごくいやらしい子で、今頃、私の世界でエッチしまくってるんじゃ!?

 ダメダメダメッ!
 そんなのダメよ!
 私がヘンな女だと思われちゃうじゃないの!

 そんなことになる前に早く自分の世界に戻らないと!

 ……でも、どうやって!?








 ピンポ〜ン♪








 あれ、インターホンが鳴ったけど……。

 なんだろう?

 ひょっとしたら、ずっと学校行ってないから心配して美咲が様子を見に来てくれたのかな?










 私がドアを開けると、初めて見る男の人が立っていた。

「どうも〜、電気代の回収に来ました〜。今月もよろしくお願いしますね〜」

 そう言って、その30代半ばくらいの男の人はにこやかに笑っている。

 今月も、って、ひょっとしてこの人、いつも来てるの?




 ……ん?

 今、電気代の回収って言わなかった!?
 そそそ、それって!






「今月の使用量は263キロワットですので、料金は1セックス1パイズリフェラですね。森下さんは電子セックスからのお支払いじゃなくて、いつも直払いをご希望でしたよね〜」
「え?あっ、そ、それはっ……!」

 違う!それは私じゃなくてもともとこの世界にいた私のはずよっ!
 だって、そんなこと私が希望するはずないじゃない!

「あれ、どうしたんですか、森下さん?」
「いっ、いえっ!ちょ、ちょっとですね!」
「体調が悪いんでしたら、今月は電子セックスでのお支払いにしましょうか?」

 いや、そうしたいのはやまやまなんだけど、私、その電子セックス通帳なんてものを持ってないのよ。

「あのっ、電子セックス通帳をなくしちゃって!」
「それは大変ですね!もう淫行と警察には連絡しましたか!?」
「はっ、はい……」

 いや、そもそも無いんだから連絡も何もしてないし。
 もしかしたら、部屋を探したらあるのかもしれないけど、そんなものがあるのも嫌で探してすらないんだけど。

 ていうか、その淫行って言うのやめてよね。

「じゃあ、ひとまずは安心ですね。でも、通帳がなかったら、やっぱり今日は直払いですか。でも、森下さんはいつも直払いですから問題ないですよね」

 まあっ、通帳がなくても体で支払えるなんて、セックス経済ってやっぱり便利!

 って、そんなこと思うわけないでしょ!!
 問題大ありに決まってるじゃないの!!





 あ、でも、これって電気代なんだよね。
 もしかして、支払わなかったら電気止められちゃうのかな……。

 ものが公共料金だけに、不安が頭をもたげてくる。





「では、今月も直払いでよろしいですね?」
「は、はい……」






 結局、電気を止められてしまう恐怖に私は勝てなかった。






「それでは、始めましょうか」

 その人を部屋の中に入れると向かい合って立つ。

「まずは、パイズリからですか?」

 いや、まずはも何も、そんなのやったことないわよ。

 それは、子供じゃないんだから他の子の話でどういうことをするのかは聞いたことがあるけど……。

「どうしたんですか、森下さん?」
「いえっ、なんでもないです!」

 もう、しっかりしなくちゃ!
 これをしないと電気が止まっちゃうのよ!

 そ、それに、そうよっ、この世界ではあっ、当たり前のことなんだから、はっ、恥ずかしくなんかないのよっ!



 自分にそう言い聞かせて、私は覚悟を決めた。

 まず、床に膝をついてその人のズボンをずらせる。



 やだっ、もうこんなに大きくなってる!



 トランクスの上から見てもわかるくらいに、その人のおちんちんは大きく膨らんでいた。

 私がトランクスもずり下げると、赤黒く膨らんだ棒が現れた。

 なるべく、そっちを見ないようにして私は服のボタンを外して胸を出すと、両手を使って乳房でそれを挟み込んだ。

 やだっ、熱いものがおっぱいに当たってる!
 それに、変な臭い……。

 顔を背けるようにしていても、饐えたような臭いがつんと鼻を刺す。

 ええっと、この後はどうしたらいいんだっけ?

 私は、とりあえず両手を使って、挟んでいるそれごと揉むようにおっぱいを動かす。

「んっ、くううっ……」

 いや……気持ち悪い……。
 おっぱいに挟まれて、おちんちんがドクドクしてる……。



「どうしたんですか、森下さん?なんだかしんどそうですけど。やっぱり体調が悪いんですか?」
「い、いえっ、違います!」

 体調が悪いんじゃなくて、純粋にこんなことするのが嫌なだけよ!



 う、なんだか変な臭いがきつくなってきたみたい……。
 ひょっとして私、これを口に入れなきゃいけないの?

 私の脳裏に、大学の売店で店員のおちんちんをしゃぶっていた女の子の姿が浮かぶ。

 無理よっ!
 あんなの、絶対にできるわけないじゃない!

 じゃあ、どうしたらいいんだろう……?

 男の人のおちんちんを胸に挟んだまま、いくら考えてもいいアイデアは浮かんでこなかった。


























『あーっ!ここにも書き換え漏れの人がいたんだねっ!ええっと、この子のデータは、と…………あった、これだな!よしっ、このデータで書き換え、っと!』
















 ……え?なに?
 今、誰かの声が聞こえた気がするけど?

 あ……れ……なんだか、目眩がする……頭がくらくらして……なにか……頭の中に入ってくるような………………。





















「ちょっと、森下さん!どうしたんですか!?」



 ……あれ、私?
 私、何をしてたんだっけ?



「大丈夫ですか、森下さん!?」
「え?あ、はい、大丈夫です」

 そうよ、私、電気代の支払いをしてたんじゃないの。

 私の担当のこの人、小谷さんのおちんちん、とてもしっくりきてすごく気持ちいいから、私、いつもこの人を指名して直払いしてたじゃない。

 ああ、私のおっぱいの中で熱いおちんちんがドクンドクンって脈打ってる。

 この熱いおちんちんをこうやっておっぱいで擦りあげると……ああ、なんて気持ちいいの……。

 それに、この臭い。
 なんていやらしくていい臭い……。

 もう我慢できないわ。

「れるっ、じゅぶ、んむっ、むふうっ……」

 その臭いに誘われて、私はたまらずおちんちんに舌を伸ばす。

 ん……やっぱりおいしい……。
 それに、こうやって舐めながら鼻で息をするとエッチな臭いがいっぱいに広がってくる。

「んっ、ぺろっ、ふうん、んふぅ、れぅっ、れろぉ」

 私は、夢中になっておっぱいでおちんちんを扱いてあげていた。
 そして、おっぱいの動きに合わせて顔を出すその先っぽを舐め、しゃぶりつく。

「んぅ、むふぅ、んんっ、じゅぶ、じゅるっ、じゅじゅっ!」

 先っぽからお汁が出てきて、おちんちんすごくおいしい……。

 でも、どうしてなの?

 いつもならもっとじっくり味わっていたいのに、なんだか今日はがっついちゃう。
 もう何日もセックスしてないみたいに体が疼いて仕方がないの。

 あ、私、早くアソコにおちんちん入れたいんだ。

 でも、電気代は1セックス1パイズリフェラなんだから、まずはパイズリフェラの方を支払わないといけないわよね。

 だったら、もっと激しくおっぱいで擦りあげて……。

「むふううううっ!はうっ、んむっ、じゅるっ、じゅぼぼっ!」

 やだっ、本当に今日の私って変よ!?

 こんなに乳首がカチンコチンになって、おっぱい感じすぎ!
 なんか、ずっとエッチを我慢してたみたい!

 ああっ、今、おちんちんがビクビクって震えた!

 来るのね!
 ちょうだい!私に、おいしい精液いっぱいちょうだい!

「じゅぼっ、じゅむっ、はむっ、んっ、んむむむむむっ!ああああああっ!」

 おちんちんを咥えこんだ口の中に、熱くてどろどろした濃いのが吹き出してくる。
 パイズリしながらじゃ、どんなにしっかり咥えても咥え方が浅くなるから、勢いで口から外れたおちんちんの先から熱い精液が顔に降り注ぐ。

 でも、それがまたいいのよね。

 熱くて、いやらしい臭いでいっぱいになって、どんどん興奮してきちゃう。




「ふううううううぅ……。小谷さん、まだいけますよねぇ?」

 そう言うと、私は小谷さんを押し倒す。

 私、知ってるんだもん。
 電気料金の回収をやってるだけあって、小谷さんは絶倫なんだから。
 だから、一回射精しただけじゃ小谷さんのおちんちんは萎えたりしない。

「じゃあ、いいですか?」
「ええ、もちろんですよ」
「いきますよ……んんっ!はあああああんっ!」

 押し倒した小谷さんの上に馬乗りになると、私はスカートの中に手を入れてショーツをずらし、そのまま一気におちんちんをアソコに入れた。

「あんっ、はあんっ、イイっ!やっぱり小谷さんのおちんちんイイわっ!もう最高!あんっ、あっ、ああんっ!」

 アソコの中が堅くて熱いおちんちんでいっぱいになって、興奮が一気に頂点に達してしまう。
 小谷さんの堅いのが私の中の襞を擦るものだから、気持ちよくって勝手に腰が動いちゃう。

「あんっ、すごいっ!今日のセックス!すごくイイっ!あんっ、はあんっ!」
「っ!最初は体調でも悪いのかと思ったんですけどっ、今日の森下さんっ、いつもより激しいですね!?」
「あんっ、んんっ!ごっ、ごめんなさいっ!私、支払う側なのにっ、私ばっかりこんなに気持ちよくて!」
「そんなことないですよっ!今日のすごく乱れた森下さんっ、すごくいいですよっ!それにっ、僕もものすごく気持ちいいですから!」
「あっ、ありがとうございますっ!じゃあっ、もっと激しく腰を振りますからっ、もっと気持ちよくなってくださいねっ!あんっ、あっ、あっ、ああああんっ!」

 私の腰の動きが、どんどん早く激しくなっていく。

 でも、それは別にサービスじゃなかった。
 まるで、何日もセックスに飢えてたみたいに体が勝手に動いてしまうの。
 奥までおちんちんが欲しくて、腰が止まらない。

「あっ、あんっ、ここっ、イイっ!奥にっ、ずんずん当たってる!あんっ、はんっ、ああっ、もっと、もっとおおおおぉ!」

 もう、本当に変だよ。
 今日の私、一回じゃ満足できそうにない……。

 本当に小谷さんとのセックスは相性がいいし、小谷さんのおちんちんは本当に気持ちいいんだけど……。

 激しく腰を振って、アソコの中いっぱいで快感を感じながら私はそんなことを考えていた。

 本当は小谷さんともっとセックスしたいんだけど、電気代は1セックス1パイズリフェラだから、それ以上セックスするのはセックス経済のルールに反してしまう。

 でも、こんなに体が火照って疼くの、一回のセックスじゃおさまらないよ……。

 それに、気づいたら私、ものすごくお腹空いてるじゃない。
 まるで、このところろくなもの食べてなかったみたいに。

 あれ?私、ここ数日の記憶がすごいあやふやなんだけど?

 まあいいか。
 今はこんなに気持ちいいんだし……。

 ああっ!くっ、来るっ!

「ふあああああっ!あっ、あああああああああああああぁぁっ!

 貪るように激しく腰を振っていたアソコの中で、膨らんだおちんちんが震えたかと思うと噴き出した熱いもので私の中が満たされていく。

 あまりの熱さに頭の中で火花が散ってるみたい。

「ぁあっ!あううううううううううぅ!」

 まだ、アソコの中でどくどくと熱いのが出てる。
 もう、目の前がクラクラするくらいに気持ちいい。

「んんぅ……ふわぁああぁ……」

 そのまま頭の中が真っ白になって、気がつくと私は小谷さんの上にぺたんと体を伏せていた。












「それじゃ、今月の電気代は徴収しましたから、これ、領収書です」
「はい。また来月もお願いしますね」

 領収書を受け取ると、ぺこりと頭を下げて私は小谷さんを見送る。

 もう、ちゃんと服は着てるんだけど、まだ体の火照りはとれてない。
 さっきのセックスで火が点いたみたいにずっとアソコが疼きっぱなしで、ショーツだって穿き替えなくちゃいけないのがわかるくらいにぐっしょり濡れてる。

 それに、空腹感もひどくなってるし……。



 あっ!そうだっ!今日は何かいいもの食べに行こう!
 1セックス支払ったらかなりのごちそうが食べられるよね!

 料理がおいしいのはもちろんだけど、できればおちんちんが堅くて大きくてセックスの上手い店員さんのいるレストランがいいな!

 ちょっとネットで検索してみよう!
 お腹もそのくらいなら我慢できるわよね。
 ……どこがいいかしら?




 私は、携帯を取り出すとお店の検索を始める。





 もうっ!おいしいものを食べることができて、その上セックスもできるなんて、やっぱりセックス経済って最高よね!

























「さてと、もう書き換え漏らしてる人間はいないかな?」

 空の上から、神様が地球を見おろしていました。

「やっぱりこれだけの人数がいると一度に全員っていうのは無理だったかなぁ?でも、これで全員完了したはずだけど……」

 神様は、この数日の間、自分の力が届かなかった人を探しては、一人ずつ神様の作りかえた世界用の記憶に書き換えていたのです。

 それもこれも、みんなが楽しく幸せに暮らせるようにするためでした。

「うんうん!みんな楽しそうだねっ!」

 地球の人たちを見おろしながら、神様は何度も何度も頷きました。

 どの人もみんな、本当に楽しそうで気持ちよさそうで、幸せに暮らしています。

 これで、この星ではもうお金のことで悲しむ人はいなくなるでしょう。
 あの時泣いていた女の子も、今はどこかで幸せに暮らしているに違いありません。



「よしっ、ここはこんな感じでいいかな!じゃあ、次の星に行くとするか!」

 そう言うと、神様は地球を後にして次の星へと飛び立っていきました。

 めでたし、めでたし

 
 
< 終 >


 

 

戻る