MC三都物語


 

 



大阪編:前編 すぐそこに潜む闇






 その日も、チャイムが鳴って退屈な授業が終わった。

 あたしは、すぐ後ろの席のサッちゃんに声をかける。

「なぁなぁサッちゃん、一緒に帰らへん?」
「ごめん!今日はこれから塾やからあかんねん」
「そうかぁ……ほならしゃあないなぁ」
「また今度な」
「うん」

 すまなさそうに手を合わせると、サッちゃんは鞄を持って教室を出て行った。
 今度は、律ちゃんの机の方を見る。

 あ、今日ももう律ちゃんいてへんわ。

 あたしが見た先の机には、もう鞄もその姿もなかった。

 吉田律子ちゃんと、サッちゃんこと今宮幸子(いまみや さちこ)ちゃん、そしてあたしの3人は仲がよくて、前はよく一緒に帰っとったのに。
 2学期になってから、律ちゃんはひとりでさっさと帰るようになってしまった。
 どうしたのか訊いてみても、うまくはぐらかされるだけではっきりしたことは言ってくれない。
 サッちゃんも塾に行き始めてこのところ忙しそうだ。

 律ちゃんも塾に行き始めたんかな……?

 あたしたちのクラスは、いちおう就職希望者よりも進学希望の方が人数が多い。
 大学受験を考えている子は、そろそろ勉強に本腰を入れないといくらなんでもまずい時期や。

 あたしも、就活をするのが面倒やったから去年の進路調査の時には進学希望にしたんやけど。
 でも、特にしたいことがあるわけでもないし、どうしても大学に行きたいわけでもない。
 この間も、このままの成績でどうするつもりなんやと、担任の先生にお説教をされたところだ。



 ……あたしも、ちゃんと勉強した方がええんかな。



 周囲の就職が決まった子や、受験勉強をがんばってる子を見ると、あたしだけ取り残されたみたいな気がする。

 でも、なんかやる気が出えへんなぁ。





 ぼんやりとそんなことを考えながら正門を出ると、商店街の方に向かう。

 まあ、商店街いうても半分露店みたいな感じで、地元の人が来るだけのちっちゃなもんやけど。



 商店街の入り口にある酒屋で、いつものように酒を飲んでいる山田のおっちゃんを見つけた。

「なんや、おっちゃんまた明るいうちから酒飲んどるんかいな?」
「おっ、今学校の帰りなんか、マコちゃん?」

 マコっていうのは、あたし、堀川真琴(ほりかわ まこと)のことや。

 コップ酒片手に、山田のおっちゃんはすっかり上機嫌だ。

 ここは、別に居酒屋やのうて普通の酒屋さんのはずなんやけど、いっつも何人かのおっちゃんが酒を飲んでいる。
 お店の中に、立ったままの大人が4人くらいで囲める台があって、あとはレジ横のカウンターで缶詰を開けてコップ酒……て、そんなのって他所でもあるもんなんかいな?

 山田のおっちゃんは、あたしんちのお向かいさんで、ここの常連さんや。

「あんまり酒飲んでばかりやと体壊すで」
「いや、ワシはまだまだ若いさかい大丈夫や。酒も女もまだまだいけんで」
「なにアホなこと言うとんのん」
「マコちゃんももう少し大人になってええ女になったら抱いたるで」
「あほんだら!なに言うとんねん、このスケベ親父!」

 ずかずかとその場を立ち去るあたしの背後から、おっちゃんの楽しそうな笑い声が聞こえてくる。

 もう!ホンマに最低やわ!
 あたしかていちおう女の子なんやから、もうちょっとデリカシーちゅうもんを考えて欲しいわ!



 ま、でもあのおっちゃんにデリカシー求めるだけ無駄やな。



 ぶつぶつ言いながらあたしがやってきたのは、自称”フルーツパーラー・ヤマモト”。

 ……て、見た目は普通の八百屋やけど。

 だいたい、ホウレン草やキャベツが並んでるフルーツパーラーなんてありえへん。
 ていうか、看板におもいっきり”山本青果店”って書いてあるやん!

「タケさん、ミックスひとつちょーだい」
「おっ、いらっしゃい、マコちゃん!」

 いつも元気なタケさんがジューサーの準備を始めた。

 この、自称フルーツパーラーは店頭に置いたジューサーで、注文してからジュースを作ってくれる。
 おっきめの紙コップに入った搾りたてのミックスジュースが1杯150円だからかなりお得だ。

 ちょっと前までは、サッちゃん、律ちゃんと3人でここに来て、ジュースを飲みながらおしゃべりするのが日課やったのに。

「はいどうぞ、マコちゃん」
「ありがと、タケさん」

 150円渡してタケさんからコップを受け取り、ストローで吸うと、どろりと濃厚な甘みが口いっぱいに広がる。

「最近はいっつもひとりなんやね」
「うん、サッちゃんは今日は塾やし、なんか律ちゃんも忙しそうやから」
「へぇ」
「ほら、あたしたち3年生やんか。せやから何かと忙しいみたいやねん」

 と、タケさん相手にぼやき始める。
 あたしが小さい時から知ってるし、気さくなタケさんはあたしのいい相談相手だ。

「人ごとみたいに言うてから。マコちゃんかてそうやろ?」
「ホンマ、人ごとやわ。あたし、別に大学行って勉強したいこともないし」
「将来やりたいことはないのん?」
「うーん、とりあえずは楽しく暮らせたらなぁって思うけど」
「ははは、それは誰かてそうちゃうのん?」
「いや、ちゃうねんちゃうねん!別に、遊んで暮らしたいって言うとるわけやないねんで!そら、働かなあかんのはわかっとるけど、どうせなら楽しんでやれる仕事がええやん!」
「それも誰かて一度は考えることやで。でも、そんな仕事はなかなかないで」
「うーん、やっぱりそうかぁ。……あーもう、どないしよ」
「ほんなら、ここでバイトせえへんか?」
「……へ?」

 タケさんの言葉に、思わずジュースを啜るのを止めてしまった。

「今やりたいことがないんやったら、うちでバイトしながらやりたいこと見つけたらええんと違うか?」
「うーん、ここでバイトかぁ……」

 指先でストローを弄りなから少し考え込む。

 そうか、タケさんところでバイトかぁ……。
 たしかに、やりたくもないことをするくらいならその方がええかもしれん。
 タケさんはええ人やし、ここに買い物に来る人なんかみんな顔見知りやし。

「いや、マコちゃん?そんなに真剣に考え込まんでも……。まあ、冗談半分や思うて、もし、ホンマにやりたいことがなかったらぐらいに考えたらええから」
「うん、ありがとう、タケさん」

 残っていたジュースをずずっと飲み干すと、空になったコップをタケさんに手渡す。

「また来てや、マコちゃん」
「うん、ごちそうさま」



 店を出ると、あたしは、うーん、とひとつのびをする。

 タケさんと話しているうちに、だいぶ気持ちが楽になった。
 ま、なんとかなるやろ、とか思ってしまう。

 それにしても、この町はええ人ばっかりや。
 キタの人間には、恐いとかガラが悪いとかよう言われるけど、この町は身内にはすごく優しい。
 なにより、あたしの生まれ育った町やし。




 あ!そう言えば、今日は!

 あたしが急いで本屋に飛び込むと……あった!

 お気に入りのマンガの最新刊が平積みになっているのを見つけて、一冊手に取った。

「おばちゃん、これちょうだい!」
「あら、いらっしゃい、真琴ちゃん。420円ね」
「はい、500円」
「それじゃ、お釣り80万円」

 おばちゃんからお釣りと、マンガの入った包みを受け取るとあたしは店を出る。

 一部では天然記念物扱いや都市伝説扱いされてるけど、お釣りに”万円”を付けて返してくる大阪のおっちゃんおばちゃんはホンマにいる。
 特に、小さな商店街はかなりの高確率でいる。
 というか、この商店街の人はほとんどがそうや。
 まあ、あたしはもう慣れっこになってるからなんとも思わへんけど。




 さてと、帰って早速読もうっと!

 ……ん?
 なんか忘れていたような?

 えーっと……?




 ああっ、そうや!
 おかんに買い物頼まれてたの忘れとった!
 ええっと、今朝渡されたメモっと……。

 なんやて?ソース!?
 ふつう大阪の家庭がソース切らすか?信じられへん。
 で、キャベツ?……またタケさんとこ行かなあかんやん。
 あとは豚バラスライス、と。

 ……今日の晩ご飯はお好み焼きやな。そうやなかったら焼きそばかいな。

 つうか、もう商店街からかなり来てもうたで。




 しゃあないな、近道しよか。




 あたしは、向きを変えると路地裏の駐車場に飛び込んだ。

 この駐車場はあたしが小学生の頃から裏側のフェンスが破れていて、向こう側の駐車場に簡単に抜けることができる。
 そこからさらに向かいのマンションの駐輪場を通り抜けると商店街はすぐそこだ。





「うぐうっ!くうっ……こんなことして組が黙っとるとおもっとんのか、われっ!」





 ……え?

 L字型の駐車場の角を曲がる手前で、奥の方から男の人の怒鳴り声がするのが聞こえてきて立ち止まった。

 なんや?喧嘩か?
 たしか、今、組とか言ってへんかったか?

 このあたりで喧嘩があるのはいつものことやけど、さすがになんかやばそうな感じや。





「構わねえな。今のところアレのことに気づいてるのはてめえだけだからな」

 別な男の人の声も聞こえる。

 でも、これ、東京弁や……。

 ここら辺ではまず聞くことのない標準語にあたしは戸惑う。



 曲がり角の塀に身を隠すようにしてそっと覗くと、数人の男の人がひとりのおっさんを取り囲んでいた。



「な、なんでそんなことがわかるんや!?」
「さあ、なんでだろうなぁ?」
「だいたい、今頃はテツが組にっ!……そんなっ……ま、まさかテツが!?」
「ふん、おしゃべりはここまでだな」
「な、なんやと……!」
「てめえさえ消えてくれたら、俺たちとアレのことは当面はばれないってことだ」
「くっ、くそっ、われっ!……がっ、ぐはっ!」

 取り囲んでいた男たちがおっさんをボコボコにし始めた。



 いくらなんでもにこれはやばすぎるやろ……。



 どうやら、あたしはホンマにやばい人らのやばいところに遭遇したみたいやった。

 ここはさっさと逃げた方がええな。

 そっと忍び足で後ずさると、あたしはそのままその場を立ち去ろうとした。



「……ひっ!」



 振り向くと、目の前にごつい男の人が立っていた。



「なっ、なんやっ!?……やっ、なにすんねんっ!」

 いきなり男の人があたしの腕を掴んで奥に引っ張っていく。

「なにすんねん!離してや!」

 振りほどこうと暴れても、腕をがっしりと掴まれたまま奥に連れて行かれてしまう。

「……兄貴」
「おう田村、どうしたんだ、そのガキは?」
「いや、車をこっちに回してきたらそこの陰からこいつが見てたんでさ」
「ふーん……」

 兄貴って呼ばれた人があたしをじろじろと舐め回すように見る。
 色の濃いサングラスをかけているから年はよくわからないけど、かなり若いような気がする。

「なるほどな、これを見てたってわけか……」

 サングラスの人がちらりと見た先……。

 そこには、さっきのおっさんがぐったりと倒れていた。

「じゃあ、おまえを帰すわけにはいかねえなぁ」
「なに言うてんね……!」

 その人があたしの方に踏み出してきて、思わず出かかった言葉を途中で飲み込んでしまった。

 サングラスの下のその表情はわからない。
 それでも気迫に射竦められたみたいに舌がうまく動いてくれない。

 この町にもごろつきみたいな奴はぎょうさんおるけど、そんなんとは根本的に違う。

 ……こいつはホンマもんや。
 マジでヤバい奴や。

 今まで感じたことのない恐怖に、足が竦んで冷や汗がにじみ出てくる。



「……!」



 不意に、サングラスの男がふらりと体を沈めた。



「え……?」



 痛みはなかった。
 ただ、胸のあたりに、ドン、と何か当たる感触と息が詰まる感じ。

 下を見ると、あたしの体に肘をぶつけるようにしているサングラスの男。
 でも、全てがぐにゃりと歪んでいく。

 それが当て身を食らったんだと気づく暇もなく、あたしの目の前は真っ暗になった。





* * *







「……ここは?」

 目が覚めると、真っ暗な場所に寝かされていた。

「どこや、ここは?……つうっ!」

 体を動かそうとして、あたしは頭の上に持ち上げた格好で両手が何かに括りつけられていることに気づいた。

「くそっ、なんやねん!」

 両足をばたつかせてもがいても、両手を縛っている紐みたいなものは解けない。

「くそっ、くそっ!……うっ!?」

 やみくもに暴れていると、いきなり明るくなって目が眩んだ。



「よう、随分と元気だな、嬢ちゃんよ」



 ようやく目が慣れてきて、声のした方を見る。

 すると部屋の入り口に、あのサングラスの男が立っていた。

「あ、あんたはっ!」

 そうや……あたしはこの男に!

 ようやくあたしは、さっきのことを思い出した。

 ……さっき?
 そういや、今、何時頃なんや?

 この部屋には窓がないから、今がまだ夕方なんか夜になっとんのかもわからへん。

「そういや自己紹介がまだだったな。俺は東暁人(あずま あきと)」
「あんたの名前なんか聞いてへんわっ!!くそっ!ここはどこやねん!?」
「どこかって?いちおう、俺の部屋だけどな」
「……なんやて!?くそっ、あたしをどうするつもりなんや!?」
「昼にも言っただろうが、あの現場を見られたからにはおまえを帰すわけにはいかねえって」
「ほ、ほんなら……あたしもあのおっさんみたいに……!?」

 昼間、駐車場でぐったりと倒れていたおっさんの姿が頭に浮かんだ。

「いや、若い女を殺す趣味は俺にはないからな」
「なんやて!?せやったら、あんたらやっぱりあのおっさん殺したんか!?」
「さあて。どうだかな」

 そう言ってそいつはサングラスを外した。

 やっぱりや。
 思った通り、結構若いやんか。
 でも、目つきがやたらと鋭い。

 そして、にやつきながらこっちに近づいてくる。

「いやっ……な、なにするつもりなんや……!?」
「心配すんな。殺しやしねえから」

 そう言ってその男はスーツのポケットから銀色のケースを取り出した。

「その代わり、あのことをしゃべる気もここから帰る気もなくさせてやるぜ」

 ケースからそいつが取り出したのは、小さな注射器だった。

 ……シャブやっ!

 それを見た瞬間、あたしはそう思った。

 いつも酒屋で立ち飲みしとるおっちゃんらが言うとった。
 この辺ではまだ簡単にシャブを手に入れることができるらしいで、って。

「あんたっ、あたしをシャブ漬けにするつもりなんか!?」
「へえ?シャブなんて言葉知ってんのか?かわいい面して結構ワルなんじゃねえのか?」
「違うわっ!おっちゃんらがそんな話しとるのを聞いとっただけや!そんなもん見たこともあらへん!」
「ふーん。まあでも心配すんな。これはシャブじゃねえから」
「じゃあ、なんや言うねんっ!?」

 あたしの頭の中で、ニュースでやってた新型ドラッグとかいう言葉が駆け回っていた。
 なんとかっていうカタカナばっかりの名前やった。

「まあ、おまえに女の悦びってやつをたっぷり味わわせてくれるもんさ」
「やっ、こっち来んといてっ!くそっ!」
「暴れるんじゃねえよ!」

 男が、必死に暴れるあたしの、括りつけられて動けない腕を掴んだ。

「離してやっ!」
「ほら、じっとしてろ。針がずれるだろうが」



 あたしの抵抗もむなしく、手首のあたりにチクッと痛みが走る。

 打たれてもうた……。
 いやや、あたし……このままおかしくなってまうんか……?



「これでよし、と」
「い……いやや……そんな……」
「泣くこたぁねえよ。すぐにたっぷりと気持ちよくしてやるからな」

 そいつはベッドの横にある椅子に座ると、涙を流しているあたしを口許をにやつかせて眺めていた。




「……さてと、そろそろ効いてきた頃だな」




 5分くらい経ってからやろうか。
 そいつが立ち上がってあたしの方に手を伸ばしてきた。

「……いや……な……にするつりや?……ひああああああぅ!?」

 制服の上から胸を触られただけなのに、つま先までびりびりと痺れるような刺激が走った。

「なっ、なんやっ、これ!?あうっ!いああああああああっ!」

 胸をぎゅっと押さえつけられると、さっきのよりもっと強い刺激が頭のてっぺんまで突き抜ける。

「どうだ?服の上から胸を触られただけで感じるだろ?」
「あっ、アホか!感じてへんわっ!……はうぅ!うああああああああっ!」
「ふん、そんな声上げて感じてないだと?だったら、直に触ってやろうか?」
「いやっ!あうっ、やめっ、やめてっ!そんなところに手ぇいれんといてやっ……あうっ、いいいっ!」

 制服の中に手が潜り込んでくる。
 その手が普通に肌に当たっただけでビリビリきて、勝手に声があがってしまう。

 せやのに、その手がブラをどけて乳首を挟むようにおっぱいを鷲掴みにした。

「ひいいいっ!いひぃいいいいいいいいいいいいっ!」

 背中からつま先まで攣ったようにきゅっと引っ張られる。

 全身がじんじん痺れて、なんや自分の体やないみたいや。
 それに、今、目の前が真っ白になったで?

「なんだ?もうイっちまったのか?」
「……ふあぁ?な、なんやて?」

 頭の中でドクドクと自分の心臓の音が響いて、相手の声が聞こえにくい。
 そうでなくても、頭がくらくらしてうまく考えることができへんいうのに。

「おいおい、意識まで飛んじまったんじゃねえだろうな?まだ、胸を掴んだだけなんだぜ」
「ふぇ……?ああっ、ふあああああああぁ!やあっ、んふうううううっ!そんなに、おっぱい、弄らんとって……」

 あたしのおっぱいを掴んだ手が、ぎゅっ、ぎゅっ、て揉む。

 そのたびに、ビリビリと電気が走って体が跳ねる。
 勝手に、いやらしい声が出てきてまう。

「ふふっ、いい声出すじゃねえか」
「ふあ?あっ、あふううううんっ!」

 耳元で囁かれたときに、首筋にふっと息がかかった。
 それだけなのに、首から背中のあたりがゾクゾクしてまたいやらしい声が洩れる。

「あっ!はうううっ!」

 また、ふうっと息を吹きかけられて首がきゅっと反る。
 頭の中がふにゃふにゃに溶けそうになって、体から力が抜けていく。

「ふん、息がかかっただけで感じて感じちまうのか?胸でこんなんなら、こっちだとどうなんだろうな」
「ふえぇ……?なに……なんやて?」

 頭の中がほわんとして、言ってることがよくわからへん。
 それに、体に力が入らへん……。

「ふああっ……あっ、ああんっ!」

 あ……なんか…スカートの中に入ってくる……。
 ふとももに当たって、それだけで体が、きゅうっ、ってなる。

「ああっ!ひああああああああああああっ!?」

 …………あ、あれ?

 今、何があったん?
 また、目の前が真っ白になって……?

 アソコがじんじん痺れて、なんや、ものすごう熱い……。

「あふうっ!はんんんんんんんんっ!」

 そうか…そうなんや……アソコの中に、指が……入って……。

「んんっ!はううううううううううううっ!」

 …………!
 ま、またやっ! 
 今、意識が飛んどった。

「いいいっ!ひああああああああっ!あかんっ!こんなんっ、あらひっ、おかひくなりゅうううううっ!」

 あかん……あかんて。
 そんなにアソコの中くちゅくちゅされると、頭がぼうっとしてきて、なんも考えられへんようになる。

「ああ、いいぜ。おかしくなっちまいな」
「そんなっ!はひっ!ひいいいいいいいい!」

 いやっ、そんなに激しくせんとって。
 体がどんどん熱くなって、痺れたみたいにぼんやりとしてきて……そんなにさられたら、あたし、あたし……。

「らめっ、もうらめぇ!あらひっ、らめになるううぅ!はううっ、うひぃいいいいいいいいいいいいいいっ!」

 あかん、なんか出とる……あたし、お漏らししとんの?
 おしっことちゃうけど、なんか、出とる……。

「こんなにたっぷりと潮を吹いて、随分といやらしい体じゃねえか」
「ひ…ひお……?」

 しお……って、これ、お漏らしやないの?

「なんだ?もう舌も回らねえのか?」
「あう……ふあ……あらひ、おもらひひらっらんやないの?」
「あぁ?なに言ってんだ?」
「おひっこ、もらひれ……」

 あかん……舌が動いてくれへん……。
 それに、頭も体もふわふわして、もうどうでもよくなってくる。
 体も思うように動いてくれへんし、こんなんじゃ、もうこの人されるままにしかならへんやん。

「ああ、これは漏らしたんじゃねえよ。おまえのマンコから女の汁が吹き出てきただけだ」
「おんなの…ひる……?」

 そうか、おしっこやないならええんや。
 なんかもう、アソコが熱くて熱くて、他のことはもうどうでもええ。

「おまえ、随分とクスリの効きがいいな。その分だと、体が熱くてしょうがねえんじゃないか?」
「うん……からだ、あづくであづぐで、あらひ……おかひく、なりゅ……」
「しょうがねえな。じゃあ、その熱いところにいいものをくれてやるよ」
「はひ……?」

 もう、あたしの頭は全然働いてなかった。

 なんか、足下の方でガチャガチャ音がしてるけど、そっちを見るのも億劫やった。
 だいいち、全身がぐったりとして力が入れへん。

「じゃあ、いくぞ」
「ふあ……?」

 アソコの入り口に、何か堅いものが当たった。

 そう思った次の瞬間だった。

「ふあああっ!あっ、ああああああああああああっ!」

 その、堅くて熱いものがあたしの中を思いっきり擦った。
 その瞬間、あたしの全身が燃え上がった。

 そう感じたのも束の間、あたしの頭の中はまた真っ白になった。
 そして、それからの後のことは、なにも覚えていない……。






* * *







「あ……」

 目が覚めると、真っ暗な部屋。

 ものすごく体がだるい。
 それに、揺れてみたいに頭がくらくらする。

「そうや……あたし……」

 あたし、変なクスリを注射されて……そして……そして……。

 その後のことはよく覚えていない。思い出したくもない。



 ……誰か、助けて。






「おう、目が覚めたのか?」






 不意に、パッと部屋が明るくなった。

「あ、あんたか……」

 そこに、あの男が立っていた。

「どうだ、気分は?」

 にやにやしながら、そいつはベッドの脇まで来る。

「そんなん!ええわけないやろうがっ!」
「そうか?でも、昨日はあんなにに気持ちよさそうだったじゃねえか」
「そっ!そんなわけあらへん!」
「なに言ってやがる。しまいには、何度も気持ちいいって言いながら自分で腰振ってたくせに」
「な、なにデタラメ言うとんのや!そ、そんなこと……」
「いいや、呂律が回ってなくて聞き取りにくかったけど確かに言ってたぜ」
「そ、そんな……あたし……」

 まさか?
 いや、そんなわけあらへん。
 あたしが自分からそんなこと言うわけがないやんか。

 でも……。

 途中から、ぷっつりと記憶が途絶えて、どうしても思い出せへん。

「おいおい、本当に覚えてねえのか?いつから記憶が飛んでたんだ?」
「そんな……そんなこと……」
「まあいい。それなら体に思い出させてやるだけだしな」
「え……?あっ!」



 完全に不意打ちやった。



 手首に、またチクリと鋭い痛みが走った。

「ま、またっ!?」
「どうだ?少しは思い出したか?」
「またあの変なクスリ打ったんか!?」
「ふふっ……そうだな、その前に、昨日はさんざんセックスして体もベトベトだろうから少しきれいにしてやるよ」
「え?ええっ!?」

 その時になって、あたしははじめて自分が裸で寝かされていたことに気づいた。

「ほら、こっちへ来な」
「やっ!ああっ!」

 あたしをベッドに括りつけていた紐を解くと、腕を掴んで引っ張り起こす。






「ちょっとそこでじっとしてろよ」

 あたしをバスルームに連れて行くと、その中に放り込んだ。
 中では、もう湯船にお湯が張られていて、湯気が充満していた。

 そして、すぐにそいつも服を脱いで中に入ってきた。

「ほら、そろそろ効いてきた頃だろうが」
「ああっ!ひあああああああっ!」

 腕を掴まれただけやのに、また昨日と同じようにビリリッと刺激が走った。

「なっ、なにすんねん!あうんっ、ふあああああああああんっ!」

 後ろから抱きすくめられると、一気に鼓動が早くなって、頭に血が上ってきてもうわけがわからなくなる。

 密着してる部分が大きい分だけ、まるで体を丸ごと刺激されるみたいや。

「それじゃ、俺がきれいにしてやるよ」
「ふえ?ふあっ、ひゃううううっ!」

 男がシャワーを捻ると、あたしの体に当てた。

「はうっ、ひゃあっ!やめっ、やめてっ!ひううううううっ!」

 その、さわさわとくすぐったいのを何十倍もきつくしたような感覚に、体がヒクヒクと痙攣する。

 なんで?
 ただ、シャワーを当てただけやのに……。
 あれや……あのクスリのせいや。
 昨日も、注射されてから体がおかしゅうなったんやないか。

「ほら、ここなんかどうだ?」
「うひゃあああっ!あかん、あかんって!ひいいっ、うひいいいいいいっ!」

 おっぱいにシャワーを当てられた瞬間、跳ねた足がガタンと盥を蹴飛ばした。

 ザアザアとシャワーの当たる小刻みな振動がおっぱい全体をひっきりなしに刺激して、揉まれるのよりもよっぽどたちが悪い。

「ひゃうううっ!あふっ、こそばゆいって!はうっ、ひぃいあああああ!」

 乳首を中心に、円を描くみたいにシャワーを当てられる。

 これ、くすぐったいのと少し違う。
 シャワーの細かい振動に刺激されて、ゾクゾクとおかしな感覚がこみ上げてくる。

「ひゃうううううううっ!」

 勝手にビクンッて跳ねる体を後ろから抱きすくめられてまたビリビリ電気が走った。
 前からはシャワーの小刻みな刺激が、後ろからはじんじんと痺れるような刺激が全身を冒していく。

「いひっ、うひいいぃあああああああああっ!」

 急に、シャワーの向きが変わってアソコにまともに当たった。
 もうこそばゆいどころの騒ぎやなかった。
 一瞬、湯気に飲まれたみたいにあたりが白く曇ったように思えた。

「はうううううううううんっ!」

 後ろから抱きかかえられたまま、体がまたビクンと大きく跳ねる。

「ほら、そんなに感じてるじゃねえか」
「そっ、そんなことっ!ひゃうっ、うふうううううっ!」

 そんな……あたし、感じとんの?
 そんな、まさか……。

「ひゃうっ、はっ、はうっ、はううっ、ううんっ!」

 集中的にアソコにシャワーを当てられて、下っ腹のあたりがどんどん熱くなってくる。
 お腹がひくひくと震えて、自然と声が途切れがちになっていた。

 頭も体もじんじんと痺れて、なにも考えられへんようになってくる。
 体が熱くて、アソコに当たるシャワーの刺激に身を任せたくなってくる。

「ひゃんっ!あかんっ、もうやめてっ!あうっ、あっあっあっ、ああっ!あううううううううううんっ!」

 またや……。
 また、目の前が白うなった……。

 体に力が入らなくなって、あたしはその場にぺたんと尻をついた。
 ブルルッ……と体が震えて、言いようのない開放感に包まれる。

「はあぁ……ふやああああぁ……」
「おいおい、漏らしちまったのか?」
「ふああぁ?」

 ぼんやりと前を見ると、流れていくお湯に黄色っぽいものが混じっていた。

「いやぁ……恥ずかしい……」

 アソコの周りはずっと痺れっぱなしで、もうお漏らししたのかどうか、その感覚すらなかった。

 でも、目の前のそれを見ると、ほわんとした頭にもお漏らししたとわかる。

 ……あたし、こんな格好でお漏らししてもうた。
 恥ずかしい……。

「恥ずかしがるこたあねぇだろ」
「え?……ふええ?」

 言われたことの意味がわからへんかった。
 別に、頭がほわんとしてまともに考えられへんからやない。
 何を言いたいんか、ホンマにわからへんかった。

「昨日はもっといやらしい汁をたっぷりと出してただろうが」
「ふえ……?」
「どうせ、今ももう垂れ流してるんじゃねえのか?」

 不意に、シャワーが止まった。

「ほら、こんなにヌルヌルしてるぜ」
「あふうううううっ!」

 内ももをさすられると、あたしの喉から甘ったるい声が漏れる。

「そんなん……シャワー掛けられてたんやから…当たり前やんか。……あっ、はあんっ!」
「それにしちゃよく滑るよな。俺は別にシャンプーもローションも使っちゃいねえぜ。……ほら」
「んんっ!?んふううううううんっ!」

 本当に、あたしのももをヌルッと滑って、指がアソコの中にするすると入ってきた。

「あぁんっ!んふぅうううん!」

 あたしの中で、くちゅくちゅと指が動いているのがわかる。
 それに、指先がアソコの中のあちこちに当たって、痛いほどにじんじんする。

「なんて声出してやがる。……ほら、立ちな」
「あうんっ!いああっ!?」

 今度は、両脇を抱えられて無理矢理立ち上がらせられる。

 訳もわからないまま、肌と肌が触れる痺れる感覚に体が震える。

「ほら、昨日はこれがかなり気に入ったみたいだったよな」

 アソコの入り口に、堅くて熱いものが当たる感触。

 この感触は……たしか……。

「んんっ、んくぅうううううっ!」

 その堅いものが、アソコの中に入ってくる。
 熱くて、堅くて、アソコの中を思い切り擦っとる。

「くふうううううううううっ!ああっ、ふああっ!気持ちっ、気持ちええっ!」

 ……ええっ!?
 あたし、今、気持ちええって言うた?

 そんな……そんなっ?
 ………………でも、ホンマに気持ちええ……。

 あたしの中が堅くて大きいものでいっぱいなる息苦しい感じも、アソコの中が擦れる少し痛いような、それでいて痺れるような感じも、全部が気持ちええ。
 それを、快感やと感じてしもうとるあたしがいた。

「ふあああああっ!あうっ、なっ、中でっ、いっぱいに擦れとるっ!」

 な……なんでやっ!?

 あたし、両手を前の鏡に突いて、自分から腰を後ろに突き出しとる……。
 鏡は湯気で曇ってるから、自分がどんな顔しとるのかはわからへんけど。

「あううんっ!気持ちええっ、大きくて熱くてっ、すごくええよっ!」

 あかんっ!これっ、気持ちよすぎる……。
 シャワーで濡れとる分、昨日よりスムーズに動いて全然苦しゅうない。

 ……え?昨日より?

「やっぱり、体はちゃんと覚えてるじゃねえか」

 ああっ、今!?

 今、一瞬浮かんだ動画のような光景。
 裸でこの人に抱きついて……あたし、自分で腰を振っとった……。

 ほんなら、この人の言うたことホンマなんか?

 少しだけやけど、思い出したような気がする……。
 あたし、昨日もこうやってこの人のを入れられて、喜んで腰を振っとったような気がする。
 いろんな姿勢で何度も何度も……。

「ひゃうっ!んふううううううっ!」

 後ろから伸びてきた手が、いきなりおっぱいを掴んだ。

「あかんっ、あかんて!中っ、入れながらおっぱい触られるとっ、感じすぎてまうやんか!」
「でも、それがいいんだろ?」
「せっ、せやけどっ!それっ、気持ちよすぎてっ、あたしっ!んくううううっ!」

 おっぱいをきつく掴まれると、アソコが、きゅうっ、てなる。
 中と外、下と上、体のあっちこっちが気持ちようて、もうわけがわからんようになってくる。

 そうや……昨日もあたし、こうやってアソコの中におちんちん入れられながらおっぱい弄られとったやんか。

 ホンマや……この人の言う通りや。
 体の方がよう覚えとる。
 気持ちよくて、体が喜んどる。

 こうやって堅くて熱いおちんちんにアソコの中を擦られていると、頭はぼんやりしてくるのに不思議と昨日のことをどんどん思い出してくる。



「あんっ!!ひゃうっ!?」



 いきなり、後ろから体を抱き上げられた。
 そのまま、湯船に腰掛けた彼の膝に乗っかる格好になる。

「ああんっ、はうっ!なんや、これ!?ものすごくええやんかっ!」

 姿勢が変わると、中で擦れる場所も変わって新鮮な刺激を感じてしまう自分がいた。

「本当にいやらしいやつだな」
「そっ、そんなん言わんといてっ!あうんっ、んふううんっ!ええっ、めっちゃええよっ!」
「そんなにいやらしい声でなに言ってやがる」
「せっ、せやかてっ、それも全部あんたのせいなんやからねっ!あっ、あんっ!ああっ、そこっ、そこがええのっ!はうんっ、ああっ、これっ、すごいいいいいいっ!」

 下から突かれるのに合わせてあたしも腰を動かすと、中がゴリゴリされてものすごく気持ちいい。

 あたしたちの動きに合わせて跳ねた足が、バシャバシャとお湯を蹴る。

「はううううっ!あああっ、そんなぁっ、またっ!」

 背後から伸びてきた手が、またおっぱいを揉んだ。

「あっ、あかんって!そんなんされたら、あたしっ、気持ちよすぎておかしゅうなるっ!んふうううううっ!」

 あかん……気持ちようて、あたし、溶けてまう……。

「ああ、いいぜ。おかしくなっちまえよ」
「そっ、そんなぁっ……ふあああああっ!あっ、それっ、激しすぎやっ!」

 後ろからぎゅっと体を抱きしめられて、下からずんずんと激しく突き上げられる。
 すると、全身が燃えるみたいに一気に熱くなる。

 頭もアソコも熱くて熱くて、ドロドロに溶けてしまいそうや。

 体が芯からじんじん痺れてきて、アソコがきゅんきゅん震える。
 気持ちよくて気持ちよくて、なんか幸せな感じや。

 もう、エッチことしか考えられへん。
 もっとこうしていたい。もっともっと気持ちようなりたい。

「はううううっ!?ああっ、まだ大きくなるん!?アソコの中でっ、ビクビク震えとるっ!」

 な、なんや?
 アソコの中でおちんちんがまた膨らんで、ビクビク震え始めたやんか。

「なに言ってやがる。それも昨日経験済みだろうが?」
「ふえええええっ!?」
「昨日はたっぷりと出されて随分喜んでたぜ」
「たっぷり出されてっ!?はうっ、ふあああああああっ!」

 出されて……なにを……どこに……?
 喜んでた……?

 あかん……なんも考えられへん。
 ただ熱くて、気持ちようて、もう、どうでもええ。

 あたしは、このままずっとこうしてたいんや。

「ほら、いくぜ」
「ええ?ああああっ、んふうううううううううううううっ!」

 アソコの中で、何かが弾けた。
 熱いおちんちんの先から、もっと熱いものがびゅびゅって出てきてる。

 アソコの奥に熱いのが当たって、目の前が真っ白になる。
 全身が強ばって、ひくひくと痙攣する。

 そうか……そうなんや……。
 出されとる……あたしの中に……いっぱい……。
 出されるって、このことやったんや。
 でも、すごく熱うて、気持ちええ……。

「んっ、んんっ……むふうううううううぅ……」

 まだ、出とる。
 熱いのがぴゅって出てくるたびに体が勝手に震える。
 なんだかふわふわして、すごくええ気持ちや。



「ふううううぅ……あんっ!」



 あたしを抱きかかえたまま、彼がざぶんと湯船に体を沈めた。

 張ってあったお湯はぬるくて、火照った体の方が熱いくらいだ。
 でも、かえってそれがのぼせた頭にはちょうどいい。

「んん……あふ……ちゅ……」

 彼と繋がったまま、くるりと体の向きを変えるとその唇に吸い付く。
 キスなんてしたことないけど、自然と体が動いてもうた。

「ちゅっ、んふ……んんんっ!?」

 いきなり、あたしの口の中に向こうから下が入ってきたからびっくりして口を離した。

「なんや、もう……びっくりするやんか……」
「なんだ?舌を入れたこともなかったのか?やっぱりまだガキだな」
「あたりまえやんか。……キスするのかて初めてやのに」
「ほら、もう一度してみろ。本物のキスがどんなもんか教えてやる」
「うん……ちゅ……んむむ!?」

 また、あたしの口の中に舌が入ってきた。

「むむむっ……んふううぅ……」

 あたしの口の中で舌が動き回って、くすぐったいような変な感じ。

 でも、なんでやろう?
 こうしてると、また体がじわっと熱くなってくる。
 アソコが疼いて、ひくひく震えとるのが自分でもわかる。

 欲しがっとる……。
 アソコがまた、あの熱いのがいっぱい欲しいって言うとる。

「んちゅ、むふうううぅん……んんんっ!」

 キスしたまま、腰をくねらせるとアソコの中に入ったままのおちんちんが擦れる。

 あ……また堅くなってきとる。

 さっきまで、少ししぼんだ感じだったのが、あたしの中でまた堅く大きくなっていた。

 うれしい……これでまた気持ちようなれる。

「あふ……あっ、あんっ!ええよっ、またっ、大きくなっとる!あんっ、ああんっ!」

 あたしが腰を動かし始めると、ジャブジャブとお湯が跳ねる。

「もっとっ!ねえっ、もっと気持ちようなりたい!あんっ、あふうっ!」

 お湯に浸かっているせいで、のぼせるような感じに拍車がかかる。
 熱くて、頭がぼうっとしっぱなしやけど、もう止まらへん。

「んふううううっ!あうっ、すごいっ、あっ、あああっ!」



 すごい、こんなに気持ちええことがこの世にあったんや……



 あたしは彼にしがみついて、夢中で腰を振り続けた。





* * *







 ああ……気持ちええよ。
 もっと気持ちようして。
 もっと、もっとや……もっと一緒に気持ちよくなろ…………。
 ねえ、アキトさん……。





「あ……なんや、夢かいな……」

 目が覚めると、いつもの真っ暗な部屋。

 そういえばあたし、もうどのくらいここにおるんやろう?
 最初の4日くらいまでは覚えてたけど、その後は数えてもいない。

 毎日、いっぱいセックスして、いっぱい気持ちようなって……。



「……アキトさん?」



 名前を呼んでも、返事は返ってこない。

 あたしは、体を起こすとベッドの上で膝を抱える。

 嫌や……。
 ひとりは嫌や。
 ひとりやと気持ちようなれへん。
 あたしはもっと気持ちようなりたいのに。
 体の芯まで熱くなるセックスいっぱいしたいのに。
 ひとりは暗くて寒くて、気持ちようなれへんから嫌や。




「おう、起きてたのか、マコト」




 部屋がぱっと明るくなって、アキトさんの声が聞こえた。

「あっ、アキトさん!」

 ドアのところに、あたしをいっぱい気持ちよくしてくれる人が立っていた。
 ベッドから降りると、あたしはアキトさんに駆け寄る。

「もう仕事は終わったん?」
「ああ。どうだ、飯でも行くか?」
「うーん……それよりも、エッチせえへん?」
「おいおい」
「ううん!あたし、ご飯よりも気持ちようなりたいんや!」



 呆れたように笑っているアキトさんの腕を引いてベッドの方に行く。



「な、ええやろ、アキトさん?」

 あたしは、背伸びをするとアキトさんにキスをする。

「ちゅっ……んむ、ん……んちゅ……」

 あたしの方から舌を伸ばして、アキトさんの舌に絡める。
 最初はびっくりしたけど、こうやって舌を入れるキスにもだいぶ慣れた。

「んむむ……ちゅう……ん……」

 やっぱり、少しくすぐったくて変な感じや。
 ホンマは、唇の触れる柔らかい感触の方が好きやねんけど。
 でも、こうやってお互いの舌と舌を絡め合っているのはすごくいやらしい感じがして、エッチな気持ちが高ぶってくる。

「むぐ……んふううぅ……」
「ふう……。キスもだいぶ上手くなったじゃないか」
「だって、毎日アキトさんといっぱいキスしたんやもん。そら、上手くもなるわ。……あふうっ!やっ、やんっ、そこぉっ!」

 おっぱいを揉まれて、体がビクンって震える。

「なんて声出してんだ?本当にいやらしい胸してやがるな」
「もう、あたしがこんなにいやらしくなったのもアキトさんのせいなんやからね!あん……はぁあん……いやぁ……んっ!」

 おっぱいを触られてると、胸がきゅうんって切なくなってくる。

 いやって言いながら、あたし、感じてもうてる。
 この後のことを期待しとる自分がいる。
 乳首が固くなって、コリコリって弄られるとビリビリきて思わずいやらしい声が出てまう。

 うん、おっぱい揉まれるだけでもすごく気持ちええんやけど……でも……。

「ねえ、注射打って、アキトさん。なぁ、お願いや」
「くっくっ、しかたねえな」

 アキトさんが、苦笑いしながら注射を取り出してあたしの腕にお薬を打つ。

 チクリと腕に針が刺さって、小さな注射器の中の液体が入っていくのを見ているだけで胸が高鳴ってくる。
 このお薬は、あたしをもっと気持ちよくしてくれる。
 もちろんこのままでもおっぱいもアソコも気持ちええんやけど、この注射を打ったら全身が性感帯みたいになって、何をしても気持ちええ。

「これでよし、と」
「ほなら、エッチしよっ!ねっ、ねっ!」

 辛抱できなくて、あたしはアキトさんのズボンを脱がせるとパンツの下からおちんちんをつかみ出す。
 それを手で握って擦ると、あたしの手の中でむくっと大きくなってきた。

「あたしが気持ちよくしたげるから。アキトさんのおちんちん、大きくしたげる……ふふっ、ん、ぺろっ」

 アキトさんの顔を見上げながら手を使っておちんちんを擦りあげると、その先っぽをペロリと舐める。

 ん……アキトさんの味がする。

 ぐんぐんと大きく堅くなったその先から、透明なお汁が出てきた。

「じゅるっ、ぺろっ……どう?気持ちええ?」
「ああ、いい感じだ」
「ちゅるっ、あふ、れろぉ……んん……ほら、こんなに大きくなったで、アキトさん」

 おちんちんの先っぽのお汁を舌ですくうと、エッチな味と匂いが口の中に広がる。
 それに、アソコのあたりがズキズキと疼いて体が熱うなってくる。
 すごく……すごくいやらしい気持ちになってまう。

 それは、おちんちんを舐めたせいもあるけど、さっきの注射が効いてきたんや。

「しよ、アキトさん。な、早うしよ?」
「そう言うマコトは準備できてんのか?」
「ひゃうっ……あうぅん……あっ、ああんっ!」

 アキトさんの指が、ショーツの中に潜り込んできて割れ目をなぞる。
 それだけやのにじんじんと体が痺れてくる。
 指先で撫でられたアソコの入り口がひくひく震えて、いやらしいおツユがいっぱい溢れてきとるのがわかる。

「なんだぁ?もうこんなに濡らしてんのか?」
「うん!あたしはさっきから準備OKやったもん!」

 ホンマは、目が覚めたときにはもう濡れてたんやけど。
 いやらしくて、気持ちええ夢見てたから、その夢で濡れてもうたんや。

「せやから、アキトさん……」

 あたしは服を脱ぎ捨てると、ベッドの上に仰向けになってMの字になるように大きく足を開く。
 そして、迎え入れるようにアキトさんに向かって両手を差し伸べた。

 すると、アキトさんもベッドに上がってきてあたしの足を抱える。
 そして、片手であたしの手を取り、もう片方の手でおちんちんをあたしの割れ目に当てる。
 その、堅いおちんちんでアソコをノックされる感触に、あたしの期待は最高潮に達した。

 そして……。

「はうっ、んふうううううううううぅ!」

 中の襞を擦りながら、あたしの中にアキトさんのおちんちんが入ってきた。

「ふああああっ!きっ、気持ちええよっ、アキトさん!あっ、ふあああああああっ!」

 アキトさんのおちんちんが奥まで入ってきて、体がぐっと反り返って持ち上がる。
 いつものことやけど、注射を打たれるとアソコが敏感になりすぎて、入れられただけで軽くイってまう。

「くふううううううっ!んんっ、動いてやっ、アキトさん!あうっ、はんっ、はうううううっ!」

 アキトさんが動き始めると中で熱いのが擦れて、あたしの体が一気に燃え上がった。
 じんじんとした痺れが全身に広がっていって、気持ちがほわんとしてくる。

 それが気持ちよすぎて、最初の頃はそれだけで意識が飛んでしまうこともあった。
 でも、今のあたしはもっともっと気持ちようなりたいんや。

「ふああっ!ええよっ、アキトさん!あんっ、ふああっ、はあんっ!」

 アキトさんの体にしっかりと足を絡める。
 すると、アキトさんが腕を伸ばしてあたしの体を抱き起こした。

「あうっ、あっ、あああああっ!ひうっ、んくぅうううううううううぅっ!」

 ああ……あたし、またイってもうた。

 体を起こしたせいで子宮が下に降りてきたのか、おちんちんの先が奥にゴツゴツと当たる。
 気持ちいいのが全身に響いて、頭のてっぺんまで快感が突き抜けていくようや。
 あんまり気持ちようて、すぐにイってまう。

「ふあああっ、アキトさんっ、アキトさんっ!あんっ、ああっ、気持ちええっ!そこっ、気持ちええよ!」

 アキトさんに抱きついて腰を揺すると、たちまちあたしの中が快感でいっぱいになっていく。

「んふうううっ!すごいっ、奥までっ、擦れてっ、ふあっ、すごくっ、気持ちええっ!」





 ……ごめんな、タケさん。あたし、もうタケさんのところでバイトできへん。
 だって、あたしは自分のしたいことを見つけたんやから。
 アキトさんとのセックスはこんなに気持ちよくて、毎日こんなに楽しいんやもん。
 あたし、ずっとアキトさんとこうしていたい……。

 不意に、おとん、おかん、タケさん、学校の友達、山田のおっちゃんや町のみんなの顔が頭に浮かんだ。
 でも、それもほんの一瞬のことや。
 みんなの顔はすぐに消えて、あたしの全てが気持ちよさでいっぱいになる。

 もう、みんなのことはどうでもええんや。
 あたしは、それよりも大事なものを手に入れたんやから。





「ああっ、気持ちええっ、気持ちええよっ、アキトさん!もっとや、もっともっと、一緒に気持ちようなろっ!あんっ、ふあああああっ!」

 ……またイってもうた。
 でも、何度でもイキたい。
 もっといっぱい気持ちようなりたいんや。

 あたしは、アキトさんとセックスする快感と幸福感に包まれて、夢中で腰を振り続けた。

 
 


 

 

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