key


 

 

番外編


 俺はビルを見上げた―――高い。

 それもそのハズ、この街の[中央]を構成する一角のビルだ。高くないワケがない、このビルの存在だけで都市としての評価も上下するのだ。
 都市としての外景はもちろん、そこから生み出される利潤を核とした企業都市としても、だ。
 だが、中で働く本人達とその周辺にいる他人にとってはただのどこにでもある普通の高層ビルにすぎない。

 ただ、違和感があるとすればそれはここを出入りする男女の比率だろう。

 ―――圧倒的に女性が多い。

 ほとんどが女性、しかもみな年頃の女性ばかりだった。
 入り口にいる受付は当然ながらその側に立つ守衛もみな女性、まるで世界には男がいなくなったんじゃないかと思うほどに錯覚を催すほどに、男という匂いがしなかった。

 とはいえ、全く影がないというワケじゃない。
 当然のように外部の人間、営業などでやってくる男の影がある。が、ちらほらと見える男共の反応はみな同様、入るときは意気揚揚としていて出てくるときは意気消沈しているという有様だった。
 ―――ムリもない。まず真っ当に取引をしようとする会社ならウチの会社に男は送り込まないのが公然の秘密であり、やってくるのは女の園と聞いてなにかをカン違いしてやって来る考えなしに他ならない。
 そして連中は思い知る。
 取引先の年下の小娘にネチネチとイビられる位ならハゲ頭の上司に頭ごなしに怒鳴られるほうがマシだ、と。

 ここにいる俺はその多分にもれず、まるっきりの[無知]でこの会社がどういう会社かもロクに知らないまま採用試験を受け、受かってしまい、なんの因果か社員証―――ICカードを持っていた。

 さすがの女の園も男女雇用機会均等法とかいう公の法は守るらしく、毎年いく人かの男をやってくる以上、採用せざるを得なかったらしい。
 だが、現在の社内における男女比1:8000。
 もちろん1は俺だ。……いろんなイミで冗談じゃない。
 何故か俺より前に入った連中も、同期に入った仲間たちも、辞めざるをえない状況に陥り、というよりは辞めざるを得ない状況に追いこまれ、みな一様に社会的信用と男のプライドをズタズタにされ、入社時よりも数段フけた顔になってどこぞの二丁目に源氏名を貰いに行くハメになった。
 残った俺はというと社外の連中からはありもしない妄想と羨望を一身に受けては嫉妬され、社内の女どもからはまだいたのか、今度はどんな罠を仕組んでやろうかといわんばかりに軽蔑の視線を一身に浴び、明日から精神科にでも通いつめないとヤバいかもしんない、とか本気で思っていた。もちろん、カバンの中には胃薬と転職雑誌が常備されている。
 

「あつー……」

 とりあえず、この眼前の超高層の氷室で凍え死ぬよりはこの拷問じみたコンクリートジャングルの蒸し焼かれた方がまだマシだと回れ右して歩こうとしたもののどちらにしてもこの世の地獄だと気付き、そのどちらからも逃げるようにして木陰に入ることにした。

「はぁ……どうにかならないモンかねぇ……」

 と、ため息をついたその時、
「―――っ!」
 木陰の暗闇に慣れると中に何かもぞもぞとうごめくモノが目に付いた。

「んっ……うぅぅ……」

 ……そう、それが一週間前、心身ともに弱っていた俺、大鷲 碎菟(さいと)が、弱っていたからこそ同情できた相手との出会い、そしてヒラ社員だった頃の話―――
  


 一週間後、より日差しがきつくなった感のある太陽を感じながら俺はあの時と同じようにビルを見上げていた。
 ビルの中も外も何も変わりない。
 少なくとも表向きはなにも、かわって、いない。

 一方、俺の外観は大分変わっていた。
 紅い。
 ただ、ひたすらに紅い。
 オマエはカン違いした金持ちのボンボンか1丁目の、しかもNo.1のホストかといわんばかりに、紅い。

 それだけならまだいい。 片目―――左目には、眼帯をしている。
 しかも医療用じゃない。海賊や戦国武将がしていたような黒革の眼帯を赤くした眼帯だ。
 はっきり言ってカタギじゃなく、893と言った方が早いだろうがこんな格好でそんなことを言ったら本職の方々が怒るだろう。
 いや、認めたくないがコスプレとかいう部類に入るかもしれない。
 それくらいに、奇抜すぎる格好だった。

 ちなみにこの格好で満員電車に乗って半径1メートルにヒトの輪ができて以来、公共の交通機関は使用しなくなった。
 大分慣れたがこんな格好をしている本人が一番恥ずかしい想いをしているのは内緒のハナシだ。

 そして俺の胸に光る社員証。
 今の俺の役職は―――課長だった。



 以前のように迷うことなくエントランスに入る。
 すると入り口からエレベーターに伸びる道程の両脇を重役一同が整列し、こちらを見て微笑んだ。
 入り口にずらりと並んだ社員一同の中心を俺は歩いていくとふと、その中の一人から声をかけられた。

「お帰りなさい、課長、仕事はどうだったの?」 

「上々だよ、件の企業は近いうちにウチの傘下に収まってくれる手筈になった」

 まるで社長かそれに匹敵する来賓のような出迎えを受けながら俺はツン、ととんがったメガネをかけた気の強そうな女性に顔を向けて答えた。

「ところで社長代理(・・・・)、何か変わったことは?」

「えぇ、課長、また産業スパイが網にかかったわ。
 こちらに潜入していた部署と依頼していた組織が書かれてるわ」

「そうか、困ったモンだねぇ、ホント」
 どうでもいいことのように―――本当にどうでもよかったのだけれども、そんなことを口にして赤ハンコが幾重にも押印されたファイルを受け取る。
 他の社員はイチ課長である俺が社長の前で軽口を叩いても眉をひそめることなく、俺がエレベーターに向かうと列の中から一部の重役達がつき従い、それ以外の社員達は俺達がエレベーターの中に消えるまで一切微動だにせず、心からの笑顔で俺たちを見つめていた。



 紅い硬化ガラス張りのエレベーター、社長代理と選り抜きの美女―――部長以上の重役たちしか乗れないエレベーターに乗ると70階以上のビルの上層、通称[本丸]の更なる最上層、要は女性のみで構成される重役以上の社員たちの居住区も兼ねたエリア、[大奥]へと昇り出した。

「ふぅ……」

 エレベーターが昇りだして数秒後、突然、俺があきれたと言わんばかりにため息をつくと見慣れない少女に声をかけた。どこかで会った気がしたんだがいまいち思い出せない。

「君はたしか………誰だっけ?」

「あ、は―――はい、本日付で課長秘書につきました西島 可奈子と申します、どうぞよろしくお願いします」

 狭い箱の隅で自分は場違いなんじゃないだろうかといった風に周りをみてからちょこん、と恥ずかしそうに頭を下げた。
 あぁ、そういえば何日か前にこの少女を自分の秘書にするよう便儀を計ったのをすっかり忘れていた。

「なら、聞いてないか?
 [課長秘書は天守まで昇りきる間にお付きの上司に奉仕してイかせなければならないって」

「え?え?」
 ワケが分からないとばかりに目を丸くする西島さんを端で見て俺はロングのメガネ―――社長代理とセミロングの副社長に顔を向けた。

「仕方ないな、それじゃ社長代理達、お手本を示してくれ。
 社長代理と副社長なんだから社員の模範になるよう、しっかり、ね」

 そう言うと副社長はキツそうな表情を一変させ、うれしそうに顔をほころばせて俺にしなだれかかってきた。

「分かったわ、課長、いい?新しい秘書さん、私達はあなたたちの模範にならなければならないから今回は特別にお手本を示して上げる、さ、真由美」
 真由美、と呼ばれた社長代理は呼ばれた時には既にブラウスをたたみ終わり、下着姿になって四つん這いになると不機嫌そうな声をあげた。

「さ、早く私に座りなさい課長。早く座ってくれなきゃアタシのクビが飛んじゃうじゃないの」

「あぁ、そういえばそうだったな。
 どんな時でも[課長に奉仕してイかせられなかったらその部下の責任をとって直属の上司が降格させられる]んだよな」

 別に俺に奉仕するのはエレベーターの中で、秘書だけとは限らない。だから前の社長代理も今は最下層の[城下]にいる。

「そうよ。
 いい?課長秘書さん。わたし達はそうやって上司が困らないよう、勤め上げなきゃ行けないの。
 あぁ、[城下]に落とされるなんて考えただけでも怖いわ、早く私に腰かけなさい」

「分かったよ。それじゃ副社長、よろしく頼む」

 はい、と熱を込めていう副社長にズボンと下着を膝まで脱がされた状態でそういうと俺は社長代理の背に腰掛け、頭と尻に手をかけ、足を開いた。

「あぁ、久しぶりだわ、この匂い……」

 待ちきれないといった風に思い切り鼻で息を吸い込みながらそういうとぶるっと身体を震わせて待ちきれないといった風に肉棒を味わいだした。
 俺はというと副社長を見おろしながら社長代理の肛門と口を手をのばして犯していた。

「あ、おぉうっ!くふぁっ、あふうぅぅっ!」

 にゅぷっ、くぷんっ、ちゅくっ!

 肛門に指を出し入れされる快感に悶えながらその喘ぎを出す口でオレの指をいとおしそうに一生懸命しゃぶる。

 密室という空間、決して少なくない人数で乗っているため俺達の熱気が室温を上げ、他の重役たちを発情させていた。

「はぁっ……んんんっ……」
 とはいえ、表立って感じるわけにはいかないため、誰もがスカートの上からもどかしそうに股間を撫でている。
 
「ほら、副社長、そのデカいおっぱいは飾りか?
 前にいっただろう。そんなのはオレのを挟むくらいにしか使い道がないんだからそいつも使って奉仕しろよ。それとも使い方すら忘れたか?」

「わ……わすれるワケないじゃない。
 使い方だってあれだけ練習させられたんだから……」

「ほら、それじゃ早くしろ、時間がもうないぞ?」

 そういうと俺は社長代理の肛門に出し入れする指の本数を2本に増やし、第2関節までだったのを2本まるまる奥まで入れて腸液をかきだす様に挿入しだす。

「あ、おぉうっ!くふぁっ、あふうぅぅっ!」

「ほら社長代理、もっと頑張らないと副社長がやりにくそうだぞ、降格されたいのか?」

「ふぁ……っ、ふぁああぃっ……っ!」

 悦楽に泣きかけながら何とか四肢に力を入れようとするも再び俺の両手が動いてがくがくさせてしまう。
 その間にも副社長が巨乳でオレの肉棒を包んで必死になって擦りあげようとするも濡れていない胸の間をなかなか滑ろうとしなかったが、しばらくすると薄白いなにかが潤滑油となってリズミカルに滑り出した。
 その正体は分かってる。
 この二人がこの地位に座り続けている証―――カリ首を擦りあげる勃起した乳首から分泌されているモノだ。

「ひぅっ!くふぅんっ……っ!んふぅ……っ!ぃやぁ……妊娠してないのにオッパイミルクがぁあ……っ!」

 困惑しながらも快感に押し流されるように巨乳が特有の柔らかさをもって俺に強く押し付けられ、左右異なったリズムで上下していく。
 しかも―――

どぴゅっびゅるっぴゅっ

 常時ミルクをにじませている乳首が強く亀頭やカリに押し付けられるたびに母乳を射精するように吹き出すのだ。
 予期しないタイミングで生ぬるい母乳に包まれる感覚は何度味わっても飽きない。

「っく!
 そろそろ―――出るっ!」

「はぁっ……だしてっ!
 おっぱいミルクでチンポミルク出してぇ……っ!」
 仕舞いには自分の母乳と先走りで混ざった亀頭に舌を絡ませ、一生懸命になって射精を促す!

びゅ―――っ!びゅるっ!びゅくっびゅくんっ!びゅくんっ!びゅくっ、びゅくびゅくびゅくっ!

「ひっ!?あ、ふぁっ!ふぁっ!ひぃああああぁぁぁ〜〜〜っ!」

 同時に果てる社長代理。
 副社長はというと今も自分の顔からたれ落ちる精液と乳首から射乳される母乳を胸の谷間で受け止めながら大切そうに犬が水を飲むように舌を突き入れては味わっていた。

ちゅっ、ちゅうっ、ちゅるるっ!

「はあぁぁ……おいしぃ……」

 そこへチン、とエレベーターが止まる音がして扉が開くのと共に空調によって調整された涼しい空気がそれまで温室だった箱に流入してきた。

「ギリギリで合格だったな。
 それじゃ二人でちゃんとあと片付けしとくこと。分かったね」

「えぇ、分かったわ、課長」
 そう言いながら社長代理は副社長の顔にこびりついた白濁液を舐め取りながらこちらに流し目を送ってきた。


80F 本丸

「あ、あの、課長……」

 おずおずと自信なさ気に秘書になったばかりの少女がこちらに呟いてくる。

「私の部下は……」

 ま、当然の質問か。

 俺は指環をポケットの中で弄びながら一人ごちた。

「さっきもエレベーターの中にいたけどオレの前の秘書が今、家政派遣部の部長をやってるからソイツがキミの上司ってことになる。そのうち挨拶に行かせるからちゃんと挨拶するんだぞ」

「は、はいっ」

 部長達はそれぞれの部長室に入っていく。
 ちなみに普段はこの階下10F、70F〜79Fまでが重役達の居住区となっており、中にはスパ顔負けの大浴場やプール、エステやレストランも備え付けられており、中層以下の社員たちの憧れの象徴になっている。

 俺と秘書も同じ様に社長室のさらに奥にある自分達の課の部屋に入る。

 薄暗い。明かりがないのじゃなく、お化け屋敷のように周りは見えるものの、部屋全体は暗闇に支配されていた。
 別段、驚きはしない。ウチの課じゃこれがデフォルトの状態なのだ。
 そして特筆するとすれば―――広い。
 無思慮にただ広い空間がそこには広がっていた。
 部長室と社長室の面積がこの階の半分を占め、もう半分がウチのこの部屋だからムリもないのだが。
 やたら遠く、間の空いた奥には行かず、手前にあるオフィスデスクにスーツを投げ捨てた。
 この机たちも場違いな感じがあるが、あったらあったでけっこう重宝している。
 なによりこれは部下たちの机、なくてはならないものと言い換えた方が早い。
 その部下達はというと―――俺はドア付近にある出勤状況を示す為の小さいホワイトボードを見た。

課長 大鷲 碎菟           帰社
主任 隠岐乃=A=弛那     社外
秘書 西島 可奈子    社内
課員 龍造寺 静        社外 
 
 みんな、といっても二人だが出払っているようだ。
 俺は自分の帰社、というところに張ってあるマグネットを社内に置き換えると秘書に向き直った。

「さて、と、仕事にでも向かおうか。さ、秘書、付いてきな」

「は、はいっ!」

 そう言うと俺は小走りになって向かってくる秘書を呼び止めた。

「ダメだろ、[課長秘書は社内で課長の後を付いてくるときにはちゃんと正装]しなきゃ、ほら、家政派遣部に行って挨拶ついでにちゃんと引継ぎをしてきなさい」

「はっはいっ、たいへん申し訳ありませんっ!」

 何度も頭をシェイクさせて家政派遣部長室に向かう。
 ちなみに家政派遣部というとなんだかお堅いイメージがあるが、つい先日、俺が社長に上申した社内改革案が重役会議を通ってからは派遣するのは全員未成年のメイドになり、その中で特に有能なものはそれ以降もメイド長として社内にある専門学校の講師として新人達の教育にあたっている。

 なお、それら新人メイド達の卒業試験は俺が取り仕切っており、その試験内容も至ってシンプルで家事能力、対人能力、そして性技能力、それらが教育段階開始時のクライアントの依頼通りになっているかを調べ、その際、最終試験として第三者を俺と執り行うというものだった。
 その中でも特によかった彼女に俺の秘書化を推し進めといたんだが……さすがに家政婦からキャリアウーマンになるには無理があったのかところどころでボロが出ている。
 はやまったかな……と考えながら赤い壁面を見ていると家政派遣部長室の自動ドアが開き、卒業試験でトップだった少女が入ってきたときの半分以下の高さになって出てきた。

 四つん這いになり、紅い首輪をし、恥ずかしそうにリードとカードらしきものを咥えている。ちなみに全裸ではなく、下着姿で上のブラの先端部には何かポケットのようなものが付いていて下の尻尾のついたパンティにも張子のようなものが二つ、ポケットが一つ張り付いていた。
 俺は咥えられたモノをとるとカードの表面のパネルを手早く操作するとポケットに入っているローターが一斉に震えだし、通路に響き渡るくらい大きな鳴き声が響いた。

「わっ、わうっわうぅぅぅ〜〜〜〜〜っ!」

 びくびくびくびくっ!

 身体をのけぞらせて思わず痙攣するとそのままその場にへたり込む。が、俺はそれを許さない。
「ほら、今のは全部同時に動かしたとはいえ最弱だったんだ。
 [秘書はお付の上司の命令には喜んで絶対服従]するんだから早く立ちな、じゃないと―――」

 黄色いパネルを押すと一斉にモーター音が大きくなり、再び鳴き声が木霊した。

「ほら、早く立て、もう一段強くできるんだぞ?」
 そういうとギクっとしたかのようにビクつく四肢に力をこめ、両膝と両肘を絨毯に付けると俺はパネルを操作して再び最弱にした。

「そうそう、この状態に早く慣れてくれな、できれば早くさっきのよりもより強い責めに悦べるように」

「わんっ」

「そう、いい子だ。
 さ、それじゃ仕事場にでも行こうかね」

 そう言うと俺は再び重役専用のエレベーターに乗るとカードリモコンを備え付けのスロットに通す。
 するとそれまで1Fから80Fまでしかなかったボタン群の数字の前に[B]が付きだし、地下までの直通便へと変わる。

 秘書に舌でB30Fのボタンを押させると、エレベーターが特有の浮遊感をもって降下し箱の中は沈黙に包まれた。

 その代わり視線は感じる。
 秘書―――可奈子がどうすればいいのか分からないのだろう、おろおろしてオレの顔と股間を交互に見つめなおしている。
 イスになればいいのか、それとも奉仕をしたほうがいいのか決めかねているらしい。
 まぁ、そんな事をする必要はない。
 コンピューター制御によってエレベーターの昇降はスローペースで5分以上かかるが課長専用のこのカードをスロットに通す事によって地下まで―――

チン

 一分とかからない国内最速の超高速エレベーターになる。

地下30階。
 エレベーターのドアが開くとオレとリードを牽かれた秘書―――可奈子がまるで犬の散歩のように四つん這いになって出てきた。
 奥にはまるでホテルの廊下みたいにカーペットの敷かれた赤味がかったオレンジの柔らかい光で満たされた通路が奥まで広がっていた。

 そして左右に配置されたそれぞれの部屋が独房になっている。
 独房というと重々しいイメージを受けるがウチの会社の[独房]は一流ホテルのスイートに近い。
 違うのは自由に部屋の出入りができないことと、専属のルームサービスがいないことくらいだろう。
 手にしていたマスターキー―――さっきから使っているカードキーを使って部屋の中に入ろうと扉を手にすると―――

 どだんっ!

 何かがぶつかってそのまま俺を押しのけていこうとするが俺に触れた瞬間、何かに反発したかのように再び部屋の中に倒れ込んだ。

「きゃっ!」

 叫び声を上げる頃には扉は再び閉ざされ、ぶつかってきたモノと俺と秘書は完全世界から隔離された。

「人にぶつかっといて随分なあいさつだな。この会社じゃそんなことは教えてないはずだが?」

「特務課の課長……っ!」

 中に倒れ込んだ女が反応を示した。
 今にも飛び掛らんといわんばかりにこちらを睨んでくる。
 だが、これは怯えそうになるのを空元気で隠しているに過ぎない。
 まぁ、怯えているのは俺に対して、ではなく、俺の所属している課に対してなのだが。

 世界的総合大企業、九頭グループ。
 ゆりかごから墓場までの全てを提供する彼等をトップにもつウチ―――日本支部はこの数年で国と深いところまで提携することに成功し、それまで旧財閥系の担っていた国内の武装火気製造シェア――――――自衛隊火器装備製造シェアまで掠め取るという信じられない神業まで行使し、国を牛耳る組織の一角として君臨している。
 もちろんそれに至る過程はけっして清貧を貫いてできる芸当なんかじゃない。
 故にその過程におけるシッポを掴もうと世界中の企業と国家公安の一部が動くのだがそれらは一切、見つかる事はなかった。
 ちなみに国家公安の一部というのはなんてことない、上層は完全に本社が掌握しているので動くのは一部の私怨や義憤にいきまく新人や組織の下部にいる正義漢だったりする。
 
 そして企業の裏側、[過程]を現在、担っているのは俺の部署であり、この会社唯一の課である[特務課]だったりする。
 構成は俺1人と助手が3人。
 4人で1班(フォーマンセル)で動くのはこの会社の基本行動マニュアルであり、それが4班で1組、4組で1つの係となり、41係で1部となり、各部署が3部署、都合8000人でこの会社は構成されている。
 ちなみに上の人数だと1係分足りないがそれは俺の課に関わる人間と上層部の人数を足せばちょうどになる。
  
「こんな事してすむと思ってるのっ!?

 九頭グループの活動マニュアルは知ってるけどこんなこと許されてなんか―――っ!」

「分かっているんだろう?ウチは特務課だ」

「そんなのは分かってる!私が言っているのは他の九頭グループにも特務課なんてない、本来、この非合法活動をしているのは私が潜入していた公安第3部ってことよ!」

「ほう、よく調べたな。
 確かに、社内調査を行い、内通者の摘発に務める公安一課、逆に社外に対しスパイを送る二課、そして今オレの特務課の行っているその他、摘発者の尋問、社外組織の篭絡等、非合法に関する実務は確かにオマエ達、三課の仕事だったハズだ。
 だが、残念だったな。許されたんだよ」

「へっ!?」

「俺がここ数日、海外出張してたのはな、本社でその許可をもらっていたからなんだよ」


 社長の危篤による不在をいいことに課長になり[社内改革]を行っていた俺は数日前、物陰から現れた黒服の男達に気を失わされ、そのままどこかへ連行された。

 気がつけばどこかワケのわからない、熱くも寒くもない、だがそこにいるだけで自分の意識さえ失いかねない場所だった。
 そして自分も鎖で宙吊りにされ、手足は拘束具でぎっちりと締め上げられた上に、両手の指同士が二本ずつ指錠によって背中あわせに完全に固定されていた。

「……くそっ」

 そこがどこだかは分からなかったが場所はわかっていた。

 ―――そこはおそらく、九頭の中枢。

 そこに現れたのは一組の男女。
 どちらとも俺くらいの、二十歳にいくかいかないか位の若々しい眉目秀麗な男女だった。
 誰かは分からないがかもし出される威圧感からどんな人物だかは分かっている。

 九頭が内の二頭、九人からなる企業のトップの内の二人だ。

「……おかしいじゃないか、なんでウチの直系とは違う別グループのトップ二人が俺なんかに会う必要がある?」

 ……こうまでされちゃ俺も[力]が使えない―――否、使えたとしても目の前の二人には通用しない。そう[直感]できた。できるのはせいぜいこうやって悪態をつくことぐらいだろう。

「……別に。ただ私達は代理を任されただけだから」

「だからその役目をお前に丸投げすることにしたんだ」

「……なに?」

「だから、丸投げ。あの建物の所有権はいろいろ絡まりあっててね。他の4人が共有している物件だから手を出すのもめんどくさいんだもん」

「といっても心配するな。
 俺達が手を出せばそれこそ、それぞれ息のかかった国と国とを動かしてケンカもするが内部の人間が内装をどう変えようと知ったこっちゃない。さいわいあの建物を実質的に運営していたのはお前たちの言う[倒れた社長]でな。
 他の連中はそこら辺で布教してたり学生やってたりで金さえ入ってきてりゃなんの文句も言わないような連中だ」

「だから内装ならいくらかえても世間の好評とアガリさえ入ってくれば誰も、困らない、か」

 ―――まるで地回りだ。

「……なら、何でこんなマネをした。使いでもよこせばいいだろう」

「突然、力を手にした人間ってのは大概思い上がるからな。
 首輪の鈴の存在くらい教えておかなきゃ何もかもをダメにしてしまう」

 全てを把握していて、好きにさせていたって事、か。

「そ、上には上がいることくらい知っておいてもらった方が本人の為だからね」
 ―――完全に見下してやがる……

「……必ずアンタ等を見返す企業にして噛み付いてやるぜ」

「いい目だ。遂行者の目だ。
 ヒトで在る事を捨て己が欲望の為に超越しようとするモノの眼だ。
 そう言ったモノにこそ九頭の門は開かれる」

 ……そう言えば聞いた事がある。
 九頭グループは血族ではなく、有能なモノをその首に据える―――と。

「会社じゃ特務課なんて作ってお茶目しているようね。
 いいね、正式に任命するよ。オオワシ、本日付でその指輪を持つモノ(・・・・・・・)を特務課の課長に昇進するモノとします」

「ふん、受領――――――してやるぜ」



――――――

―――



「そしてようやく一昨日、帰ってこれた。今じゃ本社お墨付きの正式な特務課長だ」

「そんな……」

「待たせて悪かったな、ここまで遅くなったのは腹いせに企業を一つ堕としてきたからだ。
 ―――これを使って、な」

 そう言って俺は眼帯をめくった。

「な……っ!」

 驚く女の声、ムリもない、眼があるべきそこには[なにか]が在った。

 眼、というにはあまりにも―――あかい、紅い方陣を収めた水晶球。
 線対称でフラスコに両端に三叉の蓋をしたような紋様が円の中に紅く線になっている。


 あかい、あかい、なにか。


 何か、がそちらを向くのがわかると女の眼から光が失われた。

 これがこの会社を変革させた俺の契約した魔神・ゼパルの能力。
 今の会社を見ても分かるとおり、真紅公と呼ばれるコイツは精神を操れる。
 ただし、女性限定、という難点があったが、ここでは関係ない。

 問題はただ一つ、能力の使用条件が以外にシビアだったというコトだ。
 真紅公の能力使用条件、それは四方を紅で囲まれた空間で相手の視界の半分以上、即ち50%以上をその名の通り、赤で覆い尽くして指輪を発動させなければならないことにある。

 その証拠に今まで俺の意見が通ったのは全て赤で周りを囲まれた場所だった。そしてその為に俺は今の外見になった。
 社内も中層、2の丸から上層の調度品はほぼ赤で統一してある。
 外部にこのウワサが流れて、女性支配の象徴だ、とまで言われたがなんて事ない、俺の能力をいつでも行使できるようにする為にこうしただけだ。
 実は壁も赤に変わる。
 とはいえ、普通の人間が赤という色で覆い尽くされた部屋にいれば3日といわずに精神に支障をきたす。そのため、普段は数時間に色が変わる仕様で、俺が見回る数時間はスイッチ一つで社屋が赤い空間になるよう、弄くった。
 工事費は多額に及んだが別に俺の懐が痛んだわけじゃないのでどうでもいい。

 なにより、指に嵌められた四つの指輪さえあればそれこそなんでもできるがこれだけいい土壌ってのは準備するだけでも一苦労だ。
 しかもこれだけの大規模な土壌ともなると社会に違和感を感知させずに用意させるとなればそれは不可能としかいえないだろう。
 だからそっくりそのまま頂く事にした。

 だが、それは特務課を手に入れるまでの経緯、社外に出たらこんな便利な内装があるワケない。
 しかも手に入れた当初、俺は疎まれこそすれ、意見なんか聞いてもらえる立場じゃなかった。
 壁の色替えなんて言おうものならそれを口実に首にされていた。

 なら、どうしたのか? 
 その秘密は俺の内に隠されていた。
 そして、それを手に入れる代償に俺は左眼を魔神達に差し出すことになった。
 あまりにも自分の、いや、ヒトの力を超えた力を短期間に手に入れようとしたのだからムリもない、だが後悔はしていない。
 結果、代わりに得たのはもともと俺に備わっていた魔眼と言うには不出来な、だけどそれだけで十分すぎるほどの左眼の覚醒。

 その球体に浮き上がった魔法陣の魔神の力を行使することができるもともとの俺の左眼。
 魔神たちの言うところ、空白の万眼(ジェネラル・サイト)と呼ばれる、それだけでは何の役にも立たない魔眼に昇華し切れなかった眼らしい。

 だが、努力では決して至れない特性がそれには備わっていた。
 即ち、一日一回のみ、代償も発動の鍵も要らずに契約したモノ達の力を行使できるという、デタラメな器を通りこして超能力にも等しい特性。
 この眼のおかげで条件さえ合えば複数の魔神の力を同時に行使することも可能となる。

 なにより、視界の中に赤が備わっていなくても、この眼が対象を見るだけでゼパルの力が行使できる―――!

 数秒ほど見て眼帯を元に戻した頃には女はとろん、と光のない目をしてそこにヒザを付いていた。

「俺の声は聞こえるか?」

 こくり、と意思のない顔が上下に振られる。

「まず始めにだ。俺が怖いか?」

 スパイはこくん、と頷き、「うん」と弱々しく口にした。

「いいか?それは仕方ない事なんだ。それは俺を裏切ろうといていたんだから。
 もし裏切らなければ怖い思いなんてしなくてすむんだ。
 怖いのは嫌だろう?どうだ?裏切るのを辞めるか?」

「……怖いの、いや……うらぎるの……やめる……」

 怖いのはいやだから裏切るのはやめる、と何度も心に刻み付けていく。

「よし、いい子だ。裏切らなければ安心だ。
 今度はご褒美だ。気持ちいいのは好きか?」

 またぞろこくん、と頭をたれる。

「よし、それじゃこれからは俺の声を聞くだけで気持ちよくなる。
 俺に褒められるだけで絶頂しそうな快感に襲われる。
 ―――代わりに、だ」

 そう言いながら俺は指輪に力をこめ、もう一つのゼパルの力を発動させる。

「俺に関する事でしか決してイけない。
 仮令、今まで付き合っていた男がいようとももうなんとも感じない。
 その分、俺に抱かれれば今まで感じた事もないような快感に襲われる」

 もう一つの力。力を揮った対象を不感症にしてしまう魔技。
 しかも今回はその条件を著しく制限、強制、固定化する。

「あとは、だ。
 [紅い王の命令(レッド=オーダー)]と言われるとそのあと言われた事には意識があってもその命令に絶対に従わなきゃいけない。
 [紅の王の命令(クリムゾン=オーダー)]と言われるとそのあと言われた事には無意識にその命令に従わなきゃいけない。
 さ、いま言われた事は意識して覚えていない。その代わり体と無意識はしっかりと覚えている。さぁ、起きろ」

 すると眼光に光が戻り、それまでと同じ様な反応を示した。

「―――ほら、なにしてる?[紅の王の命令]この会社で侵入者として捕らえられたらまず服を脱いで身が潔白であるのを証明するものだろう?」

 そう言うと

「そ……そうね……ほら、アタシはどこも怪しくはないんだから見なさいよ」

 そう言ってそれまで身を包んでいた布を全て取り払うと産業スパイ―――ファイルに書いてある名前―――内藤 晶は恥ずかしそうに股間と胸を隠しながらこちらを向いてきた。

「怪しいところがないならなんで手で隠しているんだ?
 怪しいところがないって言うんならちゃんと見えるようにしろ」

 そう言うとしぶしぶ手を所在無さ気にぶらぶらさせたあと、気をつけと同じ様な体制になった。

「ほ、ほら、もういいでしょ」

「いいや、まだだね。ちゃんと調べないと」

「な、なら早く調べなさいよっ!」

「あぁ、そうだな」

 そう言うと俺はゆっくりと近づいて注視しだす。

「ん?」

 俺は何かに気付いたようなフリをして前後の穴を親指と人差し指の第一間接を埋め込む!

「きゃふぅっ!」

「[紅い王の命令]こことここの中に何か隠してないかちゃんと拡げて見せてくれよ」

「そっそんなことできるワケ―――」
 ない、と叫ぼうとしてその声は驚愕に彩られた。

「なっ!なんで―――!?」

 腰から浮き上がらせて、ほどほどに濡れた股間を俺に向けてよく見えるよう両手で拡げて来た。

「なっ!いやあっ!」

「ふむ、まだ見えないな。
 [紅い王の命令]もう少しほぐさなきゃいけないみたいだからオナニーでもしてほぐしてくれ」

「イヤよ!なんで人前で―――」
 しなきゃいけないのか、そう言おうとしたものの、晶の身体は自分から横になって自分の股間を慰め出す。

「はぅっ!ううぅ……っ!」
 そして今度は勝手に動く身体に困惑しながら体育すわりを崩した格好、要はM字開脚になり、股間に指を出し入れをし出す。

「だめっ!こんなのだめえぇ……っ!」

「ほら、[紅の王の命令]いつもと同じ様にしなきゃいけないんだから道具を使うんだったらそこに在るのを使え」

 そういってカードキーのリモコンを操作すると壁が一部迫り出され、大人のオモチャが一杯に詰まった棚が出てきた。
 それを見ると晶は中から大きいのサイズのバイブを取り出し、自分の秘部に出し入れをし出した。

「スゴイな、晶は。
 そんなに太いのがいいのか?[紅の王の命令]だ。正直に答えろ」

「はひぃっ!すきっだいすきですぅっ!」

「それじゃバイブと本物、どっちが好きだ?」

「ホンモノっ!オチンチンっ!オチンポっ!すきっすきぃっ!」

 ……流石は腐っても産業スパイ、身体を使った作業が好きなのは天性の素質だったか。
 激しさを増す晶。だが、どことなく違和感を感じている。
 そう、いつもより太いモノでも、いつもより動きが激しくてもうイっていてもおかしくないのに一定以上、快感が増してこない。
 まるでイく寸前で寸止めされているようだ
 今の情感にしてもそう、さっきまで目の前の男が触っていた場所と言葉を反芻するように繰り返ししごくことによって維持しているに過ぎない。

「な……なんでぇ……?
 なんでイケないのぉ……っ!」

「あぁ、一つ言い忘れてた。
 オマエは他の連中同様、オレに関する事でしかイケないどころか感じないようになってる」

「なっ、そんな―――っ!?」
 顔面が蒼白になる。

「だけどな、オレのモノになるって言うんだったら―――[紅い王の命令]、今までの2倍の感度で3回立て続けにイけ」

「えっ?あっ!あっあっあぁぁぁぁあああぁぁぁぁぁああああっっ!
 んっ!、あぁんっ、すっ、すごい……っうっ、くうぅっ……んっ……だ、だめェ……っ!」

ぷしゃあぁぁっ!ぴゅぴゅっ!

「溶けちゃうっ!溶けちゃうっ!気持ちよすぎるよぉぉぉっ!イっちゃうぅぅぅ!」

びゅ―――っ!びゅるっ!びゅくっびゅくんっ!

「ほら、あと一回だ」

「しんじゃうっ!らめっらめらめらめええぇぇっ!!!」

びゅるっ!びゅびゅっ!びゅるるっ!どぴゅっ・・・びゅる・・・・・・ぴゅっ・・・・・・どぴゅっ・・・
 

「はぁっはぁっはぁっ……!」

 今まで感じた事もない快楽に翻弄され、ようやく解放された晶は味わったこともない余韻に酔いしれていた。

 そろそろいいか。

「ほら、可奈子…いや、カナ、初仕事だ」

 そう言うとそれまでの戒めを断ち切るかのように可奈子が立ち上がった。
 長い間、四つん這いになっていたのが堪えているのか、それとも二穴に収まるようティルドーの付属した特製の下着に酔いしれているのか、ふらふらとなりながらこちらに完全に発情して熱っぽい顔で近づいてくる。

「オマエのもてる全てを使ってコイツを責めあげろ」

「はい、課長」

 そう言うとオモチャ箱にあった反り返った張り子を手にとると愛おしそうに舐めあげたあと、自分の秘部のティルドーに背中合わせになるように取り付けると晶の背後に回り身体を弄りだした。
 可奈子の秘部は上つきなため股間から生えた擬似肉棒はその反り返りと相まって普通の男に見劣りしない。
 そしてそれで何度も晶の股間を執拗に撫で上げながら耳や首筋に舌を這わせながらその両手は乳房をもてあそんでいた。
 一方、責められている晶は短時間で自分の弱点を次々と探り当てられていくにつれ蒼白になり、悲鳴にも似たあえぎ声を上げていた。

「らめぇ……っ、イったばかりでぇ……っ!」

「感じすぎちゃうんですよね。とっても可愛いですよ」

 そう言うとペニスバンドを晶の濡れきった秘部に擦りつけすべりを良くするとそのまま後ろの穴に―――突き入れる!

「あ、おぉうっ!くふぁっ、あふうぅぅっ!」

「あら、ここは敏感じゃないみたいですねぇ。
 でも少し我慢してくれればすぐに気持ちよくなりますからね」

 そう言うと晶の耳をかみながら恥ずかしそうにこちらを見ながら腰を動かしだす。

「うぉぅっ!うぁんっ!おおおぅっ!……おふぅっ!」

 結合部をこちらに見せ付けるように座位になるとそのまま自分も楽しむかのように腰をくねらせる。

「んはぁあああ……っ、もっと感じてくださいぃ、私のオシリにはこれより大きなのが入ってるんです、とっても気持ちイイんですよォ……っ」

 あれだけ自信無さ気だった顔がウソだったかのように加虐する悦びが前面に出てきている。

ちゅっ、ちゅぽっ、ぬぷっ、にゅぷんっ!

「あ、おぉうっ!くふぁっ、あふうぅぅっ!はぁ……んはぁ……っ!ふぁっ、あああぁっ!」

 当初、苦しみに満ちていた晶の声が次第に甘いものに変わっていくのを察して挿入するペースを若干遅くしてゆっくりと、小さく、だけど確実に聞こえる声で可奈子は囁いた。

「もっと気持ちよくなりたいですか?
 オシリ……アナルでも今のオマンコみたいに感じた事がないくらいに気持ちよくなりたくないですか?
 課長のオチンポ、オマンコに挿れてほしくないですか?
 すっごく気持ちイイんですよ、それ以外なにもいらないくらいに」

 同性の、同年代の、しかも自分の知らない快楽を知っている。

 それだけで警戒感が下がる。

「あぁ……でもぉ……っ!」

 そう、それは目の前の男にしかできない事。

「それだけは―――……」

「だ、そうです、課長」

 可奈子はそう得意げに言いながら俺の顔を向くように晶の顔をこちらに向ける。
 ―――いい仕事だ。

 俺だけにしか感じさせられないにも関わらず、その縛りの上で限界寸前まで容易に性感を揚げ、俺がゼパルの力を使って強制的に洗脳するように可奈子はナチュラルに刷り込みを行い、洗脳を行う。

 これが可奈子を秘書に選んだ理由だ。
 男に対しては被虐的に、女に対しては加虐的に、そして天性の性技を持ち、恥じらいを持ったまま任務を行い、それを快感に換えられる。
 ある意味、これ以上ない逸材だ。
 あとは―――

 俺の力で完全無比に、堕とす。

「[紅いの王の命令]さぁ、言え、オマエの本心を」

 選択肢はもう無い。
 それを認識させ、自覚させ、思考させる。
「ほ……し、ぃ……っ!」
「ほら、ちゃんと言え」
「そう、ちゃんと―――って言わないとご主人様に、課長に伝わりませんよ?」

 可奈子の囁きが晶に浸透していく。

「欲しいですぅっ!課長のっ!ごしゅじんさまの極太オチンポをぉっ!私の淫乱なオマンコに入れて欲しいですぅっ!
 しりあなっ、あなるっ!ごしゅじんさまのオチンポを受け入れられるケツマンコに変えてくださいぃぃっ!」

「その為にならなんでもするか?」

「はいっ、しますっ!させてくださいっ!」

 そう言うとなんとか自由になる自分の両手を使って自分の女性器を拡げてこちらに突き出してきた。

「よし、じゃあくれてやる」

「はいぃっ!ありがとうございますぅっ!」

ぬっ……ちゅぅっ……くぽっ…………んちゅうぅっ……

「はぁっ!はぁっ!んはぁっ!はぁ……っ!ひあぁっ!いくイくっ!ああああぁぁぁぁああああああああ―――っ!」

びくっ!びくびくびくんっ!

 挿れただけで身体を痙攣させてイってしまう。

「これで終わりじゃないぞ。これからが―――本番だ」

「カナにもご褒美だ。好きなだけ感じろ」
 そう言うと手早くカードキーを操作してティルドーとローターの振動を最大にする!

「はっ……はいぃっ!…………とっても、とってもぉ……んはぁっ!きっ、気持ちっ……いいですぅ……っ!」

 膣壁越しに振動が響く。

「ひっ!?あ、ふぁっ!ふぁっ!ひぃああああぁぁぁ〜〜〜っ!」

 晶は先ほどからイキっぱなしで、開けっ放しの口からはよだれが止まらなくなっている。

「はぁ……はぁっ!はぁ……はあぁん……っ!ああああああ〜〜〜〜〜〜〜〜ぁっ!!」

ぬっ……ちゅぅっ……くぽっ…………んちゅうぅっ……じゅぼっ、ちゅぶっ、ぐちゅぅっ、ぬちゅんっ!

「溶けちゃうっ!溶けちゃうっ!気持ちよすぎるのぉぉぉっ!ふあぁぁぁぁっっ!まらイっひゃうぅぅぅっ!」

「そろそろイくぞ……っ!」

「……っ!わっ……私もいっちゃいますうぅ……っ!」

じゅぼっ、ちゅぶっ、ずちゅぅっ、びゅるるるっ!びゅるっ!びゅるびゅるびゅる!

どぷっ、どぼぉっ!びゅぶっ!どくどくどくどくんっ!

「きゃふぅっ!ひあぁっ!ひぅぅっ!ひぁ、あ、ぁひっ!ひああぁあああっ!」
 
 子宮を白濁液が満たし、収まりきらなかった分がモノを抜くと同時にごぷり、と音を立てて溢れ出した。



 80F、本丸[天守]
 部屋の最奥にさっきの3人はいた。
 俺は特務課の薄暗い部屋の中、課長用のイスの上に座ると秘書が失礼します、と言ってひざまつくと赤のスラックスの中から俺の分身を取り出してあやし出した。
 だが俺は下半身をなぞり出す感覚に興味がないと言わんばかりに自分の目の前に膝まつく女を見た。

「いいのか?今まで自分がいた場所を裏切る事になるんだぞ」

「構いません。そんなことより課長にお仕えすることだけが私の悦びなんです。課長に悦んでもらう事だけが私たちの幸せなんです」

 その顔に浮かび上がっている表情に偽りはなかった。
 おそらく俺が死ねと言えば喜んで命を断つだろう。
 まぁ、そんなことをする気はさらさらない。
 利用できるものは骨までしゃぶり尽くしてから捨てる主義だ。
 せいぜい役に立ってもらって飽きたら下層にでも落ちてもらおう。

「さて、と……」

 眼前に広がる虚空をみる。
 本社からはゴーサインが出た。
 これからは秘密裏に動く必要はない、か。

 とはいえ俺が社長代理にでもなってしまえばそれだけで大ニュースになって業界内を駆け巡るだろう。
 そんなの―――世間にも、階級なんかにも興味はない。
 ここに在るのは主人と従僕達だけなのだから。
 だから今のままで問題はない。
 例え、実質的に労働するのは下層の人間と俺だけで、中層以上は奴隷牧場だったとしても問題、ない。

 活動に必要な金はもう一つの真紅の鎧で身を纏った28位の魔神たるベリスがありとあらゆる金属を金塊に変えてくれる。
 そのため、働かなくても金は、上がりは入る。
 ―――だが、俺の目的は九頭に、ヤツ等に勝つコトだ。
 そのために様々な業種、そして従僕が要る。
 その為には金ではなく、手が要る。
 手っ取り早く金を積めば味方になるのもいるが、それだけでは動かない連中の方が鷹揚にして使える。
 ありとあらゆるネットワークを持ち、それらを駆使しなければアイツ等には勝てない。

「………………」

 俺は指を見る。
 右手には親指以外、それぞれの指に光るものがあった。

 5位、ありとあらゆる秘密を発見する封印の総統であるマルバス。

 28位、ありとあらゆる金属を黄金に変換してしまう残虐公、ベリス。

 40位、昇進と降格、地位を司るラウム。

 そして―――真紅公、ありとあらゆる女を好きなようにでき、不妊にすらできるゼパル。

 たった4つ、されどこれ以上ない4つの指輪をあの魔女から授かった。

 だが―――
 まだ、他の指輪がある。

 全ての指輪を手にする必要がある。
 それこそ1つ1億で買おうと金は準備したものの、当の魔女がいなくなった。
 まるで売る相手はもう決まっているのだと言わんばかりに何の情報も入らない。
 ならば、それでも、かまわない。
 ぐ、と手を握る。

 なら―――売った相手から奪えばいいだけだ。
 これまで整えてきたネットワークがどれだけのものか試す腕ならしにはちょうどいい。
 より多くの獲物を。
 より多くの従僕を。
 そして全てをこの掌に収める。収めてみせる。
 俺は薄暗い、だが何よりも紅い部屋の玉座でそれを汚すように白濁を吐き出した。

 
 
< おわり >


 

 

戻る