Key


 

 

第一章の2


 職員室から教室に戻ると俺は一番前の窓際の席を見た。
 俺とクリスとのやり取りを見ていた相良 水鶏の席だった。
 席についているのが本人であるのを確認する。
 相良 水鶏(くいな)。
 どのクラスにでも一人はいるデマゴーゴス、つまり煽動屋だ。
 罪の意識もなく、見たことにある事ない事尾ひれをつけて他人が興味を示すようにニュースメイクをしてクラス中に囃し立てる。タチの悪いことに関しては見本みたいな女だ。
 外見はかわいい部類に入るだろう。
 身長は160そこそこ。ショートカットに切られた髪に誰からも情報が聞きだせるようにそうなったのかと思うほどに愛嬌のある雰囲気をもっている。
 だが、あくまで外面は外面だ。
 自覚もなく毒を垂れ流すようなヤツは俺は好かない。 向こうも俺の視線に気付いたらしく、こちらこちらに好奇の視線を向けてきた。
 俺は視線が絡み合う寸前で視線をはずし、自分の席、窓際の一番後ろの席に向かう。
 その間にも相良が意味ありげな視線でこちらを覗いてくるのが分かったがあからさまに無視してやった。
 席に座ると相良が席を立ちこっちに来るがその前に隣の席でしゃべっていた朱鷺乃と御嘉神が俺に話を振ってきた。
 相良もそれを見て足を留め、所在なさげに自分の席へ戻っていった。
 ―――安心しろ、俺もオマエに用があるんだ。後でたっぷり相手をしてやるよ。
「それでからす、保健室には行ってきたの?」
「いや、今まで海鵜先生のところで質問されてたんだ。
 気分が悪くなって休んでたところが繁華街前だったモンだったからそれを見たヤツが何か勘違いをしたらしくてさ、誤解をとくのだけで一苦労だった」
 苦労したように肩をすくめて苦笑する俺。
 今のセリフはもちろん聞き耳を立てていた相良にも聞こえたのだろう。横目で見ると納得の行かない顔をしていた。
「そりゃ災難だったね」
 暗にそりゃ自業自得でしょ、という御嘉神。
「だけど先生に言ったのって誰だったんだろうね?」
「さぁね、先生に聞いてみたけど教えてくれなかったよ」
「当然でしょ。教えたりなんかしたら先生に言う意味なんかないでしょ」
「それもそうだな」
 そう言って俺は目だけを相良に向けると安堵したかのような顔をしていた。
 その後は先生が来るまで他愛のない会話になり、授業が―――始まった。

「ここで]を二乗して―――」
 教師の声が響く教室の中で俺は考え事をしていた。
 ここ数時間でいろいろな事がわかった。
 この指環はダンタリオンという魔王の力が宿っているということ。
 そしてダンタリオンの能力、他人の心を読み、時には思考を思うがままに操れるということ。そしてそれには条件があること。
 条件、心を読むには自分の一部が直接相手に接触するか[あるもの]に接触しなければならないということ。そして思考の操作は指環をそれぞれに接触させなければならない、ということだ。
 分かったが俺は何も知らない。
 ダンタリオンの事、他の指環にすむ魔神たちの事、そして―――こんな力をもつ指環を持ちながらも自分から使おうとせずタダ同然で売ってきた魔女の事。
 何も、知らない。
「…よし」
 俺はこれからどうするかを考えだす。この退屈な授業が終わる頃にはきっと整頓がついているだろう。
 そう思い、俺は再び思考についた―――


 五限が終わり、最後の休み時間になると俺は席を立ち、列の最前列に歩き出した。
 授業中、この後はどうするか計画をしっかりと立てたので後はそれを実行に移すだけだった。
 その始めに俺は相良の席に向かった。
 本人は気付いていない。
 そしてかするように手を振り、指環を相良に触れさせる。
 そして触れたその一瞬、一瞬で[書き換え]は完了する。
 誰に気付かせることなく、誰に魅せることなくその作業は完璧に行われた。
 あとは放課後を待つだけだ。


 放課後になり、掃除を担当するグループは掃除を始め、それ以外の連中はそろって部活や塾に向かう。
 俺は普段、誰も立ち入らない第二図書館、こちらの方がただ単純に近い―――に足を向け、ある時間になるまで本を読むことにした。
 第二図書館に入るとこの学校で唯一、学校指定の帽子をかぶったメガネの先輩が俺を迎えた。
「あら、烏君、こんにちは」
「ひじりセンパイ、どもっす」
 椙森 聖(すぎもり ひじり)先輩。
 この第二図書館の専門図書委員だ。
 [専門]というのはこの第二図書館は教室に近いとはいえ、図書館のある第三棟は教室や購買のある第一、第二棟とは違う特別教室の連なる別館にある。
 その上、専門書や稀高書以外取り扱っておらず、一般の市立図書館のようにみんなが借りていくような新書や文庫、辞典などは一階にある第一図書館で取り扱っている。
 センパイがここの専門図書委員というのは、センパイ以外にここの鍵は持っていないらしく、実質センパイがいるときにしか開かないからだ。
 管理上問題があるような気もするが、今のところ問題も起きてはいないので放置されているらしい。
 ちなみにこの第二図書館、他の生徒達曰く、「開いているのを見たことがない」場所とされている。おかげでここの存在を知ることなく卒業していく生徒や怪談の舞台にもようする生徒まで現れる始末だった。
とはいえそいつ等がどういう頻度で来ているのかは明白で実際は開いている時間が限られているだけでほぼ毎日開いている。俺は暇さえあればここに来るようにしていた。
 ここはいつも人がいない様に静かで今日も室内にはオレと先輩しかいなかった。
 聖センパイ。
 常に笑顔で見るものをほっと安心させてくれるが同じ事をしているオレには分かる。
 その笑顔は御面だと。
 能面じゃない。能面は見る角度によって感情が変わる。
 ―――が、御面はいつだって笑ってる。
 そんな同じ匂いのする人間に俺は心地よさを感じていた。
 センパイ、ひいてはオレの本質。
 笑顔でウソをつき、笑顔で他人を踏みにじり、笑顔で自分の望みを具現化する。
 互いに相容れないものだと理解しながら、だからこそ、センパイの近くにいることを俺は望んだ。
 互いに歩み寄るようなマネはしない。ただ寄り添い、そこにあるだけの関係。
 そして広大な本棚の群。
 ここは暖かい、なのに寂しい。
 これが本来、図書館の持つ雰囲気なんじゃないかと最近は思うようになっていた。
「また―――暇つぶしさせてもらいますよ」
「えぇ、どうぞごゆっくり」
 優雅にそう言うとセンパイは再び持っていた本に目を帰した。
 どんな本を読んでいるのか興味を持ち覗いてみたが英語でもない文字で書かれていた。
―――そうだ。
 オレは思いついてセンパイの[あるもの]に触れて何を考えているのか読めないセンパイの心を読もうとした。
 この指輪さえあれば―――
「・・・・・・え?」
 な―――どういうことだ?
 思わず驚きがもれる。
「どうしました?」
「い、いえ、何も…」
 俺は乾いた声で何とか返事をする。
 読めない。
 センパイの声が思考が全く流れ込んでこない。
 どういうコトだ?
「あら、その指輪―――」
「!」
 心臓が跳ねる。
 まさかセンパイはコレの事を―――?
 もし良かったらもう少し見せていただけませんか?
「えぇ、いいですよ」
 ここでは少しも焦らすに平静を保っていたほうがいい、そう思って俺はセンパイに指輪を近づけた。
 少しずつ、少しずつ近づける。
「ふむふむ、珍しいですね、真鍮製ですか」
「えぇ、露店で買ったんですがものの見事に騙されましたよ。
 それにしてもよく見ただけで分かりましたね」
 どうでもいい会話をしながら少しずつセンパイに近づける。
 [あるもの]に触れてもダメなら本人に直接触れればどうだ?
 あと5センチ、あと3センチ、2センチ…
 そんな俺の心を見透かしたかのようにセンパイが
「―――そろそろ止めていた方がいいですよ」
「!?」
 瞬間、全てがとまった。
 腕も、息も、心臓も、思考も、何もかもが停まった。
「直接触れれば私の心は読めるでしょうが―――多分カラス君、狂い死んじゃいますから」
「―――!」
 知ってる、センパイはこの指輪の事を知っている!
「センパイ、この指輪のコト―――」
「ダンタリオンさんは有名ですから」
 ―――!ダンタリオンの事まで―――!
 口に少し丸めた手をあて優雅に小さく頷くセンパイ。
「――――――・・・」
 おれは、そのしぐさを、こわいと、おもった。
「そんなに硬くならないでください。
 別にとって喰うわけじゃないんですから」
 それはまるでダンタリオンのセリフと同じ―――
 背筋が冷たく―――いや、凍る。
 まるで脊髄が氷に変わったように全身に寒気が走った。
「あらら、大丈夫ですか?」
 そう言って俺の顔の前に手を振って見せるセンパイ。
 そんなセンパイをよそに俺は凍ったまま高速で思考をしていた。
 もしセンパイが俺を殺すつもりなら俺を止めなかっただろう。
 そして何より指輪を見ただけでダンタリオンの力の宿った指環だと理解した。それは俺よりもこの指環達に関して詳しいということ。
 この指輪、ダンタリオンの話じゃ指を通したモノの命を奪おうとするモノまでいるという。
 命がかかっている。
 覚悟を決めろ。
 息も、固唾も、このヒトに対する恐怖も飲み込んで今はただ前に進め。
 目に光が還る。
 そしてそれを見て手を振るのを止めたセンパイに俺は真剣な目をして
「センパイ、教えてもらえないか、この指輪の事や―――なんで先輩がコレの事を知ってるのかを」
 ダメ元で話す。
 もしこの人にとって害のないことなら話してもらえるハズだ。
「そうですねぇ…」
 くそ、短い間だけだったとはいえ、心を読み、書き換えることに慣れきっていたため、心を読めない人間に苦手意識が芽生え出していやがる。
 俺は緊張した面持ちで返答を待つ。だがセンパイは若干の沈黙の後―――
「えぇ、いいですよ?」
 こともなげに返答してきた。
「いいのか、センパイ?」
「えぇ、カラス君はこの図書館の数少ない常連さんですから。
 コレも何かの縁でしょう」
 そう言ってセンパイは席を立つと図書館の奥、専門書の中でも古文書の部類、つまり今で言う本と呼ばれるモノが本と呼ばれるカタチを成していなかった時代のモノ、一篇の紙束とそれとは異なる一冊の本を持ってやってきた。
「センパイ、それは―――」
「はい、この本の原版ですよ。
 そう言うとセンパイは何語というよりも文字かすら分からない風化しかけた紙切れを見せてきた。
 そしてこちらもなかなか古い本。
「そしてこちらが内容が劣化しない程度に描かれた写本ですよ」
 そう言って次に本を差し出してきた。
「―――・・・読めないんスけど」
「そしてこちらが―――」
 そう言うとセンパイは帽子に手を突っ込み、何やら探る仕草をみせるとなんと中から何か分厚い冊子が出てきた。
 ・・・どう考えても頭と帽子の間にあったとは思えない厚さと重さだった。
「わたしがなるべく内容が劣化しないように訳した日本語版です」
「あるなら最初から出して欲しかったんですが・・・」
「なるべくなら読めるようになって欲しいんですけどねぇ」
 小首を傾げて困ったように笑うセンパイ。普段なら愛想笑いもしただろうが今はそんなことをしている場合じゃ―――ない。
「すいません・・・何せ時間が惜しいモンで」
「そうですね、命に関わりますからねぇ」
 笑顔で言ってのけるセンパイ。
「シャレになってないです、それ」
 俺も笑顔で冗談の様に本音を言う。
「それじゃ―――コレも一応帯出禁止なモノですからここで読んでいってください。
「センパイが訳していてもですか」
 えぇ、その指輪を売った人がこの近くでうろついていた場合、あなたがコレ持っていることを知ったとたん、殺しに来ますけどそれでもよろしいのでしたらいいんですけど」
 再び、笑顔で困ったように小首をかしげる。
「素直にここで読ませていただきます。
 でも―――」
「でも?」
「今日はちょっと用があるんで明日から読み出そうと思うんですがセンパイ、明日もここ、開放してくれますか?」
 そう、今日はこれから大事な用がある。時間にしてそろそろのハズだ。
「えぇ、といいたいところですけどコレからはしばらくは予定があるので……」
「そうですか・・・」
 くそ、このまま今日の計画は延長してできるかぎり読んでいくしか―――
「あ、そうだ。
 いい考えがあります!」
 そう言うや否やセンパイはポンと胸元で手をうつと再び帽子に手を突っ込むと、何やら小さい鍵が出てきた。
「ここの鍵のコピーです。
 コレとあの訳文の見返りにしばらくここの司書をして欲しいんですがいかがでしょうか?」
 そう言って鍵を差し出してくるセンパイ。
「いいんですか?」
 そんなコト御安い御用だ。いや、それどころかむしろ願ったりかなったりだ。
「えぇ、ここの本は全て帯出禁止なのでこの司書用の机に座っていてくれるだけでいいです。
 ここを開けるのも気が向いたときだけで週、2,3回開けてくれればいいんで」
 改めて聞くととんでもない図書館だな、おい。
「それではよろしくお願いしますね?」
 そう言ってセンパイは司書用のテーブルの上に鍵を置いた。
「確かに、承ります」
 そう言って俺は司書用のテーブルの上から鍵を手にとった。
「それじゃセンパイ、ありがとうございました」
「いえいえ」
 俺は鍵をポケットにいれ、センパイに感謝を述べ、図書館のドアに手をかける―――と、後ろからセンパイの呼ぶ声が聞こえた。
「あぁ、それとその指輪をつけたまま保険医に会ったり生徒会長の影を踏んじゃいけませんよ、特に後者なんて―――私に触れるのと同じ結果になりますから」
 幾分余裕が出てきた俺はその言葉を噛み砕く。
 さっき生徒会長と保険医は先輩と同質のモノかと思った。だがそれは違うらしい。
 保険医に指環を見せてはいけない。それは保険医にはこの指環がどんなモノか分かるということ、つまりクリスの言う[同業者]だろう。
 そしてセンパイと生徒会長。二人は同じようなモノで思考を読もうとすれば狂い死ぬ。 
 そんなが人間いるのか?分からない。
 だが、センパイは生徒会長に指環を見せてはいけない、とは言わなかった。これは会長はこの指環については何も知らないということ。即ち二人は普通のヒトとは異質なモノ―――ってトコか。
「あの―――」
 更に詳しい話を聞こうとする、だが、
「深い詮索は―――ナシですよ?」
 先に釘を刺された。
「―――はい」
 貴女がそう言うのだったら今はそうした方がいいのだろう。
「あぁ、それにしても―――」
「なんですか?センパイ」
「カラス君、読めないって言ってたあの本の文字と同じ文字で書かれた本―――この前読んでましたよね?」
「さぁ、何の事でしょうね」
 オレはすっとぼけてみせる。
 やっぱり知ってたか。
 センパイは笑顔だ。
 だからオレも笑顔で―――ウソをついた。


 教室に戻ると朱鷺乃が一人そこにいた。
 朱鷺乃は窓の方、夕焼けをずっと眺めていた。
「お、珍しいな朱鷺乃」
「あ、カラス君」
 俺が声をかけると朱鷺乃はそれまで見ていた夕焼けから目を離し後ろにいた俺の方を向いた。
 後光の夕焼けがまぶしくて朱鷺乃の顔はよく見えない。
 が、朱鷺乃の[あるもの]から流れ込んできた心がかすかに揺れるのを感じ―――俺はダンタリオンの指輪の力がなくなったわけでもなんでもないことに密かに安堵した。
「部活行っていたんじゃないのか?」
 確か朱鷺乃の部活は新体操部だったはずだ。
「うん、そうなんだけど今日はもう―――」
「ひかり様、お迎えに上がりました」
「―――!」
 気配がないのに背後から声がかかる。忘れてた。確か朱鷺乃には1年に付き人の―――
「みなぎちゃん、もうそんな時間?」
「はい、まもなく叔父が迎えに上がる時間です」
「今日は何に行くんだっけ?」
「今日は茶道の如月先生のところです」
 なるほど、お稽古事、ね。
「うん、それじゃ帰ろっか。
 からす君、せっかく声かけてきてくれたのにごめんね?」
「ううん、俺こそ突然声かけて悪かったな」
 お辞儀して廊下を駆けて行く二人。
ちっ
 あの二人の心を誘導したところで迎えに来るみなぎの父親であるオッサンがいる。
 オッサンを心変わりさせたところでそのまた後ろがいる・・・
 朱鷺乃を落とすにはもう少し算段を練った方がいいな。
 千歳にあんなマネをさせたとはいえダンタリオンの力もどこまで強制力を持っているのかも分からない。
 それより今は―――
「あれ、ひかりは帰ったの?」
 そう言って女子が一人教室に入ってきた。
 オマエにはあることないこと触れ回ってくれたお礼をしないとな―――くいな。
 そう思いながら俺は相良に返答し、
「あぁ、いま後輩のなんつったっけ?
 側女の…」
「あぁ、みなぎちゃんが来たってコトはもう帰ったんだ」
 そう言って相良は俺の前を通り自分の席に向かう。
 そうすることによって夕焼けに伸ばされるくいなの[あるもの]。
 すると―――入ってきた。
 昼に俺が細工したとおり俺がこの時間にいるとなんとなく思い、やってきたが本当にいるとはラッキーだったと思っている。
 そして、少し朝のことをほのめかしてあの美人と何があったか探り出してやろう、と。
「ねぇ、カラス、聞きたい事があるんだけど」
 他に誰もいないとだけあって少し小ばかにした態度で俺に声をかけてくる相良。
「なんだい?」
「朝の繁華街で何をしていたの?」
「へぇ、海鵜先生にオレの事を話したのはオマエだったか」
 てっきり否定するもんだと思っていたが相良はそれを肯定してきた。
「そう、それなのにあの二人には違う事言って、先生に問いただしてもカラスが朝からいたのにナニ言ってるのって怒られるんだもん。
 一体何があったのかなーって思うじゃない」
「もしオレが話さなかったら―――?」
「アンタに関してある事ないコト―――みんなにバラ撒くよ?」
 それをいうと同時に相良の顔が豹変する。
 ―――そうか、それがオマエの本性か。
 勝手気ままな精神と同時に相良が持っているオレに関する情報が逐次俺に入ってきた。
「――――――・・・」
 俺は黙りながら内心感心していた。
 よくまぁ、俺に関してここまで集めたモンだ。
 その中には朝の事も含まれ―――なるほど。
 オレがクリスとお金のやり取りをするのは見ていたがアタッシュケースの中までは見れず、その対価として受け取ったモノがなんだったか知りたがっていたのか。
 ふん、そんなコトか。
 この件に関して話した相手、知っている事全てが分かったからもう良かった。それよりも今、見過ごせない情報が俺の中に入ってきた。
「相良、なんでお前が十年前の事を知っているんだ?」
「!?」
 相良の表情が豹変する。
「な、なんのことよ!?」
 かなり内心驚きつつも高圧的になる事を忘れてはいなかった。
 だが―――だがな、人には触れちゃいけないモノがある。
 それに触れられた以上、俺も―――
「質問してんのはオレだ、答えろ。
 さもなきゃどうなるか分かるな?」
 そう言って俺は誰のモノかは分からないが自分の前にあった机に力をこめた。

みしっ

 木製の合板にヒビが入る!
「!」
 ヒビの入った机と表情をいっぺんさせた俺に気圧され、顔に恐怖が走る―――くいな。
「答えろ、答えなきゃお前を死んだ方がマシな目にあわせる」
「あ、あぁぁ・・・知らない、知らないよう。
 ナニよ、十年前の事って、そんなの知らないわよう!」
 泣きべそをかきながら怒ったように泣きわめく。
 残念だったな、いくら怖がったフリをしてもダメだ。
 俺とオマエとじゃ役者としての格が違う。
 いくら怖がっていたとしてもそれはオマエの本性じゃないし、そもそも怖がるってのはそんな簡単にガクガク震える事じゃないんだよ。
 それに―――聞こえる。
 こうして怖がったフリをしていれば罪悪感の一つでも湧くだろう、というオマエの姦計が―――
 もう良いや、これから先は奴隷になったオマエの口から吐かせてやるよ。
「・・・相良、知ってるか?」
「何よっ、何も知らないわよ」
「Culiosity Killed the CAT」
「―――へ?ナニ言ってんの?」
「だから言ったんだよ―――」
 俺は腕を振り上げる。
 手には夕焼けを拒むかのように反射する指環。

―――教えてやる。

「好奇心は―――」

―――コレがお前の―――

「猫をも―――」

―――知りたがっていたモノの―――

「殺すってなぁッ!」

―――正体だよ―――!

 そして―――俺は夕焼けに伸びきったくいなの[影]に向かって腕を、手を、指環を振り下ろす!

バンッ

 大きく机をたたく音がした後、くいなの様子が急変しだした。
「あっ」
 びく、と体を震わせ、どこか顔が赤くなり怯えるように俺を覗きこんできた。
「そういえば俺も人から聞いたんだがオマエ、俺のこと好きなんだってな?」
「なっ―――!」
 俺の発言に顔を真っ赤にするくいな。
 俺に関する一切を思い出した際に気持ちの裏側にあったもの、それが俺への恋慕の感情だった。
 それを指輪の力を使い、限りなく高める。
「誰にもしゃべった事ないのになんで―――」
「そうか?俺も聞いただけだからな」
 お前の心にな、と心の中だけで嘲笑う。
 それにしても他人の情報を漁るだけ漁って自分の情報はきっちりガード、か。
 他にもくいなが他人にはバラしていない自分だけの秘密を読み込もうとする。
 あった。今、とびきり面白そうな事があった。
「なぁ、相良、いや―――くいな、オマエって経験したことあるか?」
「く、くいなって・・・カラス、どうしたのよ・・・それに経験って…」
 名字ではなく、ファーストネーム―――名前を呼ばれる事によってぼっ、と赤くなるくいな。
「どうなんだ?セックスしたコトあるのか、ないのか?」
「な、なんでそんな事聞くのよ!」
「知りたいか?」
 そう言うとくいなは俺の眼光に気圧され、う、と押し黙り、数拍を置いて
「―――…あるわよ。
 なぁに?カラスも私としたいの?」
 この期に及んで大人ぶって俺を見下すように見栄を張るくいな。
 いかにも余裕といった顔になりこちらを挑発的な顔で見てくる。
 ホント、見栄っ張りだな。いや、かわいいというべきか。
 そしてその計算高さには感心する。
 くいなにしたいか、といわれればそれこそ大概の野郎連中は金を握らせてでもヤリたがるだろう。
 だけど、それはフェイクだ。
 こんな局面でコレだけの芝居を打てるお前にはほとほと感心するよ。
 片思いの人間に襲わせて[初めて]を奪ってもらおう、なんて、な。
 だけどな、なんでもオマエの思い通りになると思ったら大間違いだ。
「そっか、幻滅したな」
 そう言って俺は軽蔑のまなざしで睨んだ。
「!?」
 それまで強気の仮面をかぶっていたがそれも俺のそんな一言で霧散してしまったらしい。
 それまでの態度を一変させて余裕のない声を上げた。
「ちがっ!
 うそっ!うそなのっ!お願い、嫌いにならないで!お願いっ!」
 髪をふりみだし、涙目になって懇願するくいな。
 この言葉に―――偽りはないようだった。
 お前は相手と接するのに主導権を握っていないと安心できないようだがこれからは握られっ放しの安心を与えてやるよ。
「だけど、くいなは今セックスしたコトがある、ってしっかり言ったじゃないか」
「ウソなのっ。
 そういえばカラスがしてくれるかもって。だからっ!」
「そうなのか?」
「そう、そうなのっ!」
 分かってる、分かってるけど―――な。
 くいな、それでも俺はまだお前を許す気にはならないんだ。
「それでもしたことがあるだなんていった以上、信じるわけにも、な」
「そんな・・・ならどうすれば信じてくれるの?」
「そんなの簡単だ、膜があるかないか確認せれば分かるんじゃないのか?」
「なっ―――!」
 オレが触るサマを想像したんだろう、羞恥で真っ赤になり目をそらしてうつむくくいな。
「どうする?別に俺はいいんだぜ?
 軽蔑したままでもオレにはどうでもいいことなんだから」
「―――………」
 俺の突き放すような発言にくいなの心は張り裂けそうなくらいの悲しみとコレまでにない恐怖が走った。
 だけどこれでも俺の心には波風一つ立たない、いや、嘲るような笑いがこみ上げていた。
 そうでもしなければ今この場でこの哀願する少女を狂人にしてしまいそうなくらいの激情が俺の心の表面、薄皮一枚隔てた部分で荒れ狂っていた。
 人の心なんか覗けなかった方が良かったんじゃないかと思うほどの―――激情。
 それを残り残った理性で何とかコントロールしようとする。
 ふと、指輪が眼に入る。
 ダンタリオン、そう、そうだな、契約、したんだっけな。
 俺の王国を見せると。
 それが心的外傷を刺激されたからって最初っからてこずってどうする?
 俺は未来を約束した。
 過ぎた時代は後からする事がなくなってからふり返ればいい。それがどんなに忌まわしい過去だったとしても、だ。
 俺は口を歪め、気持ちを落ち着ける。大丈夫、大丈夫だ。
 気がつくと目の前でくいなが泣きそうになりながら真っ赤になって自分のスカートをめくって腰を前に突き出していた。
 白とライトグリーンのストライプの下着で覆われたくいなの下半身が露出された。
 それにしても、やっぱり子供、か。
 昼休みに見たちとせの下着に比べればどちらが大人のかは一目瞭然だろう。
 そんなコトを考えているとくいなが何か言ってきた。
「触って、カラス、私のここ、触って調べてよ・・・!
 私がっ、そのっ、しょ、処女だって調べてようっ」
「ヤダね」
 俺はその哀願を一蹴した。
「なっ!なんで―――っ!」
「何でオレが命令されなきゃいけないんだよ。
 物事には相応しい言葉づかいってのがあるだろ」
「あ、あぁぁ・・・」
「さ、もう一度だけチャンスをやるよ、もしそれでもダメだったら俺はこのまま教室を出て行く、そしたら俺はお前を一生軽蔑し続ける。いいな?」
「は、はい」
 つばを飲んで少し強気になるも、すぐさま自分のしている事に気付いて真っ赤になるくいな。
「か、からす様。
 どうかここを調べてくいなが処女だと確認していただけませんか・・・っ!」
「ここって―――どこだ?」
「え、それは…」
「ここか?」
 俺はそう言ってくいなの唇に手を当てる。
 少しビクついたもののさらに顔を赤くしてぼぅっとするくいな。
「ち、ちが―――」
「じゃ、ここか?」
「んっ!」
 今度は双丘の頂を少し強く押す。
「ち、違います…っ!」
 俺はそれだけ聞くと俺は指を引っ込める。
「じゃ、どこだ?」
「こ、ここですっ」
 そう言って腰を突き出してくるが俺は取り合わず、
「ここじゃ分からないからちゃんと名前で呼べよ」
「そんな・・・」
 真っ赤な顔から一転して真っ青になるくいな。
「じゃあ、いいや。
 俺も暇じゃないんでとっとと帰――」
「お・・・・おま、おまんこ・・・」
「よく聞こえない」
「お、おまんこをかき回して調べて下さいっ!」
「最初から言え」
「からす様。お願いしますっ。
 どうかくいなの、お、おまんこを調べてくいなが処女だと確認していただけませんかぁっ!」
「へェ、良くそんなコト先生に告げ口した相手に頼めるよな」
「そ、それは大変申し訳ありませんでした、だからお願いっお願いします!
 嫌いにならないで下さいっ、そのためにならどんな事でもいうこと聞きますからどうかっどうかお願いしますっ!くいなのおまんこっおまんこを調べてください!」
「分かった、分かった。
 じゃ、調べてやるよ」
「あ、ありがとうございますっ」
 俺が分かったといった途端、涙目から笑顔で答えるくいな。
 俺はほくそ笑んだ。
―――大変なのはむしろこれからだぜ?
「よっと」
「きゃっ」
 俺はくいなをお姫様のように抱きかかえて椅子から机に下ろした。
 俺のそんなパフォーマンスだけでただでさえ赤いくいなの顔は真っ赤になる。
 いつまでそうしていられるかな?
 俺は口を歪めるとくいなの目をじっと見つめた。
「あぁぁ・・・」
 まるで夢のようだと惚けるくいな。
「さ、脱がすぞ?」
 そう言って俺はパンティを脱がそうとしてある事に気付く。
 股間部が既にびしょびしょだった。
「―――もしかして見られて濡れたのか?
 こりゃ、もし処女だったとしても露出狂の素質があるな、くいなは」
「そ、そんなぁ・・・」
 そりゃ濡れもするだろう。
 さっきだき抱えたときに俺を見れば見るほど体が火照るよう無意識に介入したのだから。
 そうとも知らずくいなは俺の機嫌を損なうまいと常に俺を見続けていた。
 結果、下着はもうその機能を果たしていないくらいに濡れていた。
「恥ずかしいヤツだな、コレじゃお漏らしと変わらないじゃないか」
「あぁぁ、ごめんなさい・・・」
 そう言ってくいなは顔を覆った。
 ちゅく…
「っ!ひんっ」
 下着越しに性器に触れるとビクっと体をふるわせる。
 そして丹念にそこをなぞりだす。
「んっ、ふくっ、んんんん…」
 声が漏れるのを気にしてかきゅっと唇をかみ締めているくいな。
「ほら、脱がすから腰を浮かせ」
「んっ」
 そしてそのまま腰を浮かせパンティを脱がすと特有の甘い匂いがし、そして幾重にも愛液が糸を引き橙の橋を作り机の上に落ちた。
「こんなに机を汚して…匂いが染み付いたらどうするつもりなんだ?」
「あぁぁ…」
 困ったようにくいながうめく。
「まぁ、いいか。
 それじゃ確認するぞ?」
「―――っ!
 は―――はいぃ…」
 俺はその返事が終わるかどうかのところで濡れそぼったくいなの蜜壷の中に自分の中指を少しずつ埋め込んでいく。
 ちゅく、という水音に愛液でよく滑る温かくやわらかい肉の感触がまとわりつく。
「はあぁっっ…!」
 もう出来上がっているのか思わずくいなが快感に喘ぐ。
「………」
 じゅぽっじゅぽっじゅぽっ!
「んはあぁぁぁぁぁあああああっ!」
 俺は思いついて中指の第二関節までを激しく出し入れし、親指で所々頭を出している淫核を横から刺激し、人差し指でその間―――尿道付近をマッサージし出した!
「あっはぁっ!だめっだめですっ、からすさまあぁっ!」
「何がダメなんだ?」
 そう平然と答えを返しながらも一向に指の動きは休ませない。
「そっっそんなきもちぃっ、ことっされたらぁっ!
 あたしっ…っ!」
「そうか―――」
 すっ
「―――!」
 動きを止める。
「え―――なんで―――」
「だって」
 第三関節まで埋まった中指を少し曲げる。するとそこにそれ以上進もうとする[何か]があった。
「確認できたからな」
 そう言うと俺はすっとくいなの中から指を抜くとハンカチで手を拭きつつくいなに笑顔で
「疑って悪かったな、相良さん。
 それじゃ―――」
 皮肉を込めてさん付けで呼ぶと俺はくいなに背を向け教室の出入り口へ行こうとする。
 が、そうは問屋が卸さない。
「ま、まって…下さいっ」
「なんだ?」
 案の定、くいなが俺を呼び止める。
「ガマンっ我慢できないんですっ!からすさまっ、お願いしますっ。
 どうか私のここを使ってくださいっ」
 そう言ってくいなは両手で膣穴を拡げこちらに良く見えるように見せ懇願してきた。
「イヤだね」
「えっ!?」
 何で、と青ざめるくいな。
 するとしばらく沈黙が続く、どういえばいいのか分からないのだろう、だが、それとは裏腹にくいなの視線は目の前にいる俺を見ている。
 俺を見続けるということは―――より一層身体が火照るってコトだ。
「あぁぁっっ!」
 もう限界が近いのかあえぎ声を上げるくいな。
 息もたえだえに真っ赤になりながら半べそで懇願してくる。
「お・・・お願いですぅ・・・
 か・・・からす様・・・わ、私の、お・・・・おま、おまんこを使って気持ちよくなっていただけませんでしょうか?」
 俺は笑って[いつもの]口調に戻す。
「ふうん、俺、相良がそんな淫乱だなんて思ってもいなかったよ。放課後の教室で自分から股を開いてそんなコトを言うなんてなんか幻滅しちゃったよ。相良のこと結構かわいいと思ってたのに残念だなぁ」
「あああぁっ!
 淫乱でもいいんですっ。お願いっ、お願いしますっ。なんでも言うこと聞きますからっ」
 このまま放っておけば自分からいじりだすかもしれないが―――先ほど発情した今では俺に触って欲しくて仕方ないという刷り込みをしておいたので俺が手を出さなければずっとこのままだろう。
 まぁ、もういいか。
 俺もそろそろ我慢の限界だ。
「分かったよ、仕方ないなぁ。
 じゃ、これからは何でも言うことを聞いてもらうよ?」
 俺はさもいやいやそうに付き合うといったそぶりを見せる。だがくいなにはそんなもの見えていないようだった。
「はいっ!はいぃっ!なんでも言う事聞きますっ!御主人さまの言うことはなんでも聞きますっ!だからっだからお願いしますっ!」
 そう言ってくいなは俺に抱きついてきた。
 どこかで聞いたようなフレーズ、まぁ、他に思いつかないから別にいいのだが。
「分かったから、ほらそこのロッカーにスカートをまくって手をついて」
 そう言うと俺はくいなの後ろにある掃除用具入れのロッカーを指差した。
「はいっ!」
 もう余裕がないのかくいなはスカートのすそを口に含んでパンティをヒザまで下ろしたら倒れこむようにロッカーに手をついた。
 その衝撃で中にある箒やちりとりが崩れ落ちる音を立てる。
「はやくっはやくおねがいしますっっ。ごしゅじんさまぁ」
 スカートを口に含んでいるためもごもごと蕩けた様に、うわ言のように言葉を紡いで俺を待つくいな。
「ヤラシイなぁ、相良さんは、お尻の穴までひくひくしてるのが分かるよ」
「ああぁぁあぁぁ・・・」
 まだ赤くなるのか。
 そんなコトを思いながら俺はズボンのベルトを緩め、これ以上ないくらいに膨張した怒張を取り出すとくいなの熱くなった蜜壺の中に自分のモノを埋め込んだ。
「はああぁぁぁぁ・・・・」
 まるで脱力するかのように吐息を吐くくいな。
 俺は俺であまり余裕がなかった。
 別にもう射精しそうだというんではない。
 いくら熱く濡れそぼっていたと入ってもくいなは初めてでいきなり入れようとしたのが間違いだった。指でほぐしておかなきゃそれこそ入らなかったと思うくらいくいなの膣は狭かった。
 ―――それでも俺は少しずつ押し進んでいく。
 幸い、くいなは快感の方が圧しているのかあまり痛みを感じていないようだったので、お構いなしに進んでいく―――と、なにか進行を邪魔するものに突き当たった。
 俺は口を歪めた。
 腰を掴んでいる指に嵌まっている指環から再びくいなに意識介入をする。
 初めての相手には全てを捧げなきゃ―――な。
「くいな、キミの処女、もらうよ?」
 くいなのお望みどおりキザったらしく演出する。
「はっはっはいっ、どうかくいなの処女もらってくださいいぃっ!」
 その台詞が言い終わるかどうかというタイミングで俺は一気に幕を突き破る!
「ああああぁぁぁっ!」
 するとどうしたことかこれ以上ないくらいにくいなの膣が収縮する!
「くぅっ!」
 まるで俺のペニスをしごき上げるかのような膣の動きに俺も耐え切れず自分の情欲がこみ上がって来るのがわかった。
「イクぞ、くいな!」
 そう言うと俺はくいなの中に俺の精子を打ち出した。
「あっ、あんっ!でてる・・・でてます・・・」
 絶頂後の倦怠感に身を任せながらもくいなは俺が出す精に膣を刺激されてさらに感じているようだった。
 いくらか正気が戻ったようだな、なら―――
 俺は再び律動しだす。
「あぁっ!ご主人様ぁっ」
 感じすぎるのかすぐに何を言っているのか分からないあえぎ声になり、口を開きっぱなしでよだれをたらし制服を塗らした。
「らめっ、らめぇ、ひもひ、ひもひよしゅひてぇぇっ!」」
 いまだ結合部分からは血と精液が混じりあったピンク色の液体が流れ出ているがこの様子なら痛みは走っていないだろう。
 俺はさらに自分に都合のいい挿入にするべくペースを激しくした。
「あっあああぁっはああああぁぁぁぁぁぁっっっ!!」
 再び身体をびくつかせるくいな。
「いふっ!いっ!いっひゃうぅ・・・っ!」
 びくっびくっびくんっ
 それと同時に膣も同じように蠢く。
 が、そんなコトも関係ないように俺は挿入を激しく、ペースをあげた。
 くいなはもう何回イっただろうか、俺もようやくイキそうになってきた。
「ほらっくいなっいくぞっ!?」
「いくっいくっまらいっひゃううううぅぅぅ!」
 俺は両手で腰を固定し、一番くいなの深い部分、つまり子宮に思い切り亀頭をぶつけ射精する!
「ひぐうぅっっ!」
 ぷしゃああああぁぁぁぁっっ
 俺がイクのと同時に子宮に先端をぶつけられた痛みに悲鳴をあげながら失禁するくいな。
 それと同時にくいなは失神し、股間から液体を垂れ流しにして倒れようとしたところを何とか俺が抱えるハメになった。


「あれ、ここは―――」
「気が付いたか」
「あっ」
 眠気がいっぺんに覚めたという風に目を見開いて俺を見るくいな。
 そして―――顔を赤らめながら自分のスカートを手に取ると履くことなく自分の股間を隠した。
「ご、御主人様、今まで一緒にいてくださったんですか?」
 この様子なら俺の、ひいてはダンタリオンの魔術が解けたという様子はないな。
「ご主人様?」
「あ、あぁ。そうだけどそれがどうかしたのか?」
「あぁ、うれしいです、ありがとうございます」
 そう言ってくいなはオレに擦り寄ってこようとしてくる。
 これじゃまるで恋人気取りだ。
「―――…」
 俺は伸ばされてきたくいなの手を突っぱねた。
「ごっ、ご主人様?」
「何か勘違いしているようだから言っておく。
 別にオマエはオレの特別ってわけじゃない。
 分かったか?分かったならおいそれと馴れ馴れしくするな」
「そんな―――」
 不満そうな声を漏らすくいなにオレはため息をついた。
「分からないならいい、それならオマエは―――」
 用済みだ。
 そう言おうとしたところで何を言おうとしたのか悟ったのだろう、くいなが慌てて
「も、申し訳ありませんでしたっ
 身のほど知らずなことを―――!」
「フン、分かればいい
 だが二度目はないぞ」
「はっはいっ!」
 そう言って俺は窓の外をを見る。
 闇の帳とそれに覆われる黄昏、そして―――第二図書館。
 冬からの季節の偏移だろう、最近夜になるのが遅くなってきている。
 さて、と。
「帰るんだろ、校門までなら送っていくぞ」
「は―――はいっ!」
 俺は多少ぶっきらぼうになっていうとくいなは嬉しそうに声を上げた。
 また空を見上げる。
 空には宵の明星が輝いていた。
 さて、明日の獲物は誰にするか―――

 
 


 

 

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