馴奴(じゅんど)七

〜微熱依存〜


 

 



中編

治療はスローセックス





 その夜。

 愛莉は竜泉寺に言われたとおりにぬるめのお風呂にゆっくりと浸かり、手早く髪を乾かしてから20分ほどストレッチをして布団に潜り込んでいた。

「すごい……いつもと違うかも」

 いつもなら毛糸の靴下を履いていても足が冷たくて寝つけないくらいなのに、その日はまだ体がほの温かく感じられる。

「先生の言ったこと間違ってなかったんだ……」

 ホッと幸せな息を吐いて布団をかぶる。
 手足の冷えに悩まされずに眠れそうなのは久しぶりだった。




 しかし、それも深夜になると。




「うーん、寒っ……」

 ブルッと体を震わせて愛莉は目が覚めた。
 寝るときは温かかった手足の先が、すっかり冷えてしまっていた。

「やっぱり、そんなにすぐには治ったりしないよね……」

 布団の中でぎゅっと体を縮こまらせてぼやく。
 夜、寒さで目が覚めるのはいつものことだったが、眠りにつくときに淡い期待を持っていただけに少しがっかりしていた。

「あっ、そうだ! あれやってみようかな?」

 ふと、学校で竜泉寺がやってくれた体を温める方法を思い出した。

「手足が冷えるときは自分でやればいいって先生も言ってたしね…………ええっと……ここを、こう……んっ、はあぁんっ!」

 もぞもぞとショーツの中に手を潜り込ませてアソコの入り口に指先を押しつけると、思っていたよりも強い刺激に大きめの声が出てしまった。

「たしか、じっくりゆっくりとするんだったよね……? ……ぁんっ、んふっ!」

 竜泉寺の指の動きを思い出しながら、割れ目に沿っておそるおそる指を動かす。
 それだけなのに保健室で感じたのと同じ、ビリッとする感覚が走ってどうしても声をあげてしまう。
 でも、それがもっと欲しくなって指をもう少し深く潜り込ませる。

「やだ、これ気持ちいい……あぁああんっ、ここいいっ……はんっ、はううんっ!」

 アソコの内側を指先で擦ると、ゾクゾクする快感がこみ上げて頭まで駆け抜けていく。
 竜泉寺にされていたときもそうだったが、そうやってそこを弄るのはたしかに気持ちよかった。

「気持ちいいよっ……んっ、はぁあんっ! あぁっ、はうっ、体がっ、ポカポカしてきたぁっ……」

 じんっと痺れる快感が広がっていって、全身がじわじわと温かくなっていくのを感じる。

「ぁあんっ……あったかいっ……きゃううっ!」

 あまりの心地よさに弄る動きを大きくすると、弾みで指がより深く中に潜り込んでしまう。
 思わず大きな声をあげて背中が弓なりに反る。
 しかし、その強烈な刺激がまた良かった。

「やぁああんっ! すごいっ、すごく熱くなってきたぁっ!」

 さっきまであんなに手足が冷え切っていたというのに、もうすっかり気にならなくなっていた。
 そればかりか体が火照るくらいに熱くなって額に汗が浮かんでるのを感じる。 
 体が温まってくる心地よさとアソコからビリビリ伝わってくる心地よさが相俟って、指を動かすのが止まらない。

「あはぁああんっ、いいようっ! これっ、すごくいいのっ!」

 敏感な場所を弄るたびに体をビクッと跳ねさせて、愛莉は夢中になって指を動かしていた。
 頭の中がぼんやりとのぼせるほどに熱くなって、フラッシュのような光が視界に飛び交う。
 保健室で竜泉寺にされた時と同じ、大きなうねりが体の奥からこみ上げてくるのを感じる。

「ふぁああああっ! くるっ、すごいのくるぅううううううっ!」

 体を強ばらせた愛莉の顎が跳ね上がる。
 きゅうっと背筋を反らせた姿勢のままひくひくっと体を震わせて、糸が切れた人形のように体から力が抜けた。

「はぁっ、はぁっ、はああぁっ……」

 大きく息をしながら快感の余韻に浸る。
 全身がホカホカして蕩けるような心地よさに包まれていた。

「ふううぅー、気持ちよかったぁあ……」

 そのまま、身も心も解すような温もりを感じながら愛莉は再び眠りに落ちていったのだった。






* * *







 翌日。

「あ、おはよーっ!」
「おはよ」

 朝、教室で仲のいい子といつものように挨拶を交わす。

「なんか、愛莉ってば今日はやけに元気じゃない?」
「そう? 私はいっつも元気だよー」

 そう答えながらも、愛莉自身いつもより調子がいいのを実感していた。
 昨夜はあれから朝まで目を覚ますことはなかった。
 こんなにぐっすり眠れたのは久しぶりな気がするし、睡眠をきちんと取れたせいか起きたときに感じた手足の冷えもいつもより軽い気がした。

 たった1日でこんなに違うなんて、そんなことあるんだー。
 ひょっとして、あの先生ってホントはすごい人なのかもね。

 はっきりと感じられる変化に、竜泉寺に対して抱いていたイメージが変わってきているのを愛莉は感じていた。







 とはいえ、授業が始まると。

 ううっ……やっぱり冷えてきたぁ……。

 3時間目の授業が始まる頃には足先がかなり冷えてきていた。
 もともと冷え性の愛莉には、学校の固い椅子で座ったままの姿勢でいることは辛かった。

 でも、こんな時には……。

 愛莉は前屈みになってそっとスカートの裾を持ち上げ、その中に手を潜り込ませる。

 体が温まって気持ちよくなれるんだから、この方法って最高だよね。
 あ、でも授業中だから声を出さないようにしなくっちゃ。

 周りに気づかれないように注意しながらショーツの上から割れ目を指でなぞる。

「……っ!」

 ビリッと走る鈍い刺激に体を強ばらせて、こぼれかけた声を押し殺す。
 その姿勢のまま、割れ目に沿って指を滑らせる。

「……ぁ……ん……っ!」

 アソコからこみ上げてくる鈍い快感に声を殺して、ブルブルと肩を震わせる愛莉。
 さいわい彼女の席は一番後ろの隅だったこともあって、その様子がおかしいことに気づいている者はいない。

 いや、正確にはひとりだけ気づいていた。
 1時間目の授業中からちらちらと様子を窺っていた栗原由佳が、愛莉のやっていることを確かめようと目を凝らす。
 それで彼女がなにをしているのか気づくと目を丸くして、咄嗟に教科書で顔を隠した。
 その肩が細かく震えているところを見ると、どうやら笑いを堪えているらしい。

 もちろん、当の愛莉は由佳が気づいているとは思ってもいない。
 ショーツ越しに敏感な場所を擦っては声にならない呻きをあげる。

「……ぁあ……んっ!」

 あん……気持ちいいけどこんなのじゃ足りないよぉ……。
 これくらいじゃ体が温まらないじゃない。
 ……もっと、もっとだよ。

 薄い布一枚を隔てた刺激では物足りなくなって、愛莉はショーツの下に手を滑り込ませる。
 そのまま割れ目の中に指を潜り込ませると、昨夜一番気持ちよく感じた入り口のすぐ裏側を擦った。

「……はぅうううっ!」

 ビリリッと突き抜けるような強烈な刺激に、さすがに声を抑えることができなかった。

「なんだ? ……どうしたんだ、岬? 腹でも痛いのか?」

 さすがに今の声は先生にも気づかれてしまったが、前屈みになって机の下に手を入れている愛莉の姿に腹痛でも起こしたと勘違いしたようだった。
 咄嗟に愛莉もそれに調子を合わせることにする。

「あ、はい、ちょっと……」
「大丈夫か? ひどいようなら保健室に行くか?」
「いえ……」

 大丈夫だと答えかけて、あることがひらめいた。
 このまま保健室に行けば誰の目を憚ることなく体を温めることができる。
 そればかりか、竜泉寺に体を温めてもらうことができるかもしれない。

 そこで、愛莉は一芝居打つことにした。

「痛たたたっ!」

 お腹を押さえて大袈裟に痛がってみせる。

「おいおい、大丈夫じゃなさそうだぞ。やっぱり保健室に行った方がいいんじゃないか?」
「は、はい……そうですね……」
「じゃあ、誰かに付き添ってもらうか?」
「あっ、それはいいです!」

 先生の言葉に由佳が立ち上がりかけたのが視界の端に映る。
 しかし、それを拒むように慌てて首を振った。
 せっかく保健室に行けるのに、付き添いがいたら意味がない。
 たとえそれが、昨日一緒に保健室にいた由佳であっても。

「本当に、ひとりで大丈夫ですから」
「そうか、でも気をつけろよ」
「はい……」

 体をくの字に折ってお腹を押さえ、顔を顰める演技をしながら教室を出て行く。




「ほらほら、みんな静かに。授業を続けるぞ」

 愛莉が出ていって少しざわついた空気を鎮めるように、先生の声が響く。
 その中で、ひとり由佳だけがニヤニヤと意味ありげな笑みを浮かべていたのだった。






* * *







 そして、保健室で。

「ん? どうしたんだい、岬さん?」

 授業をしているはずの時間にやってきた愛莉を、竜泉寺は少し驚いた顔で迎えた。

「それがぁ……授業を受けてるうちに体が冷えてきたから昨日教わったあれをやってたんですよねー。そしたらついつい声が出ちゃって、バレちゃったかなーって思ったんですけど先生はお腹が痛いのと勘違いしたみたいで、じゃあそういうことにしておこうかなって思って保健室に来ることにしちゃいましたぁ」

 と、愛莉はペロッと舌を出して悪びれた素振りも見せない。
 しかし、さすがに言い方がマズかったと思ったのか慌てて言葉を付け足す。

「でもでも、体がすっごく冷えて辛かったのは本当なんですよー」

 これには竜泉寺も内心苦笑いしつつ、表向きは大真面目で相談を受ける体を装う。

「ふむ……やっぱり、すぐに良くなるものでもないしね」
「そんなことないですってば。たった1日でこんなに効果があるんだって驚いちゃったくらいなんですよー。でもぉ、学校の机って椅子は固いし足元なんかガラガラじゃないですか。あんなのに座ってずっと授業受けてたら体も冷えちゃいますよー」
「なるほどね。でも、他のみんなだって同じ条件で授業を受けてるんだし。昨日も言ったけど最近は若い子でも冷え性に悩んでるケースが増えてるから、岬さんの他にも我慢しながら授業を受けてる子がいるかもしれないだろう?」
「う……ごめんなさい……」

 諭すような竜泉寺の言葉に愛莉はシュンと項垂れる。

「まあでも、重度の冷え性をさらに悪化させるような環境は保健医として見過ごすわけにもいかないしね。例えば、授業中は膝掛けを使って足が冷えないようにしてみたらどうだい?」
「あ、そういうのができたらいいけど、いいのかな?」
「授業の前にちゃんと説明して許可を求めたらだめだって言う先生はいないと思うけどね。男の先生なんかはたかが冷え性と軽く見がちだけど、きみたちの年齢でそういう体調の不順を放置しておくと後々大変なことになるおそれもあるからね。僕からも他の先生方に言っておくよ」
「本当ですかぁ? お願いですよ!」
「ああ。ところで今日はどうするんだい?」
「……え?」
「体が冷えて辛いんじゃないのかい? せっかく保健室に来たんだし、僕が温めてあげるよ」
「いいんですか!?」
「もちろんいいに決まってるさ。じゃあ、そこのベッドに腰掛けて」
「はい!」

 竜泉寺の言葉に、愛莉の表情が一気に明るくなる。
 そのまま、嬉々としてベッドに腰掛けた。

「じゃあ、昨日やったことを同時にしてみようか」

 そう言うと、竜泉寺はポケットからペンライトを取り出して、それをカチカチと操作する。



 しかし、愛莉の目の前で点滅し始めたのはオレンジ色ではなくてピンクの光だった。



 それを見た瞬間にたった今まで期待に満ちていた愛莉の瞳から光が失せて、暗く濁っていく。
 そして、その顔にはどこか虚ろな、それでいて弛緩した笑みが浮かぶ。

「ほら、この光を見ているとすごく気持ちいいよね?」
「……はい」
「こうしてまた気持ちいいところに連れてきてくれたから、この声の言うことはなんでも聞いてしまうよね?」
「……はい」

 ペンライトをかざした竜泉寺の言葉に、愛莉は力の無い声で頷いていく。

「じゃあ、これから聞く質問に正直に答えてくれるかな。きみは、保健室の先生が教えてくれた冷え性対策のことはどう思う?」
「……すごく効き目があると思います。体がすごく温かくなって……それにすごく気持ちいいです」
「そうか。きみはそれを気持ちよく感じてるんだね?」
「……はい」
「じゃあ、その感覚をもっと求めていこう。その気持ちよさを求める心にもっと素直になるんだ」
「……はい」
「そう、それでいい。ところで、きみはセックスをしたことがあるの?」
「……ありません」
「そう。じゃあ、セックスをすることをどう思う?」
「……好きな人となら、してみたいです」
「じゃあ、好きでもない人とセックスするのは?」
「……嫌です」
「そっか。……ところで、昨日も言ったけど、保健室の先生のすることはきみの冷え性を治すために必要なことだからなにをされても疑ってはいけないよ」
「……はい」
「たとえそれが保健室の先生とセックスをすることでも、それはきみの冷え性を治すためなんだ。だから、保健室の先生のことを好きでなくても抵抗なく受け入れてしまうよ」
「……保健室の先生とセックスをするのも……私の冷え性を治すためだから……保健室の先生のことを好きでなくても……抵抗なく受け入れます」
「うん。……それと、もしかしたらきみはそれで痛みを感じるかもしれない。でも、初めてのセックスでの痛みを、きみは熱いと感じてしまうよ」
「……初めてのセックスでの痛みを……私は熱いと感じてしまいます」
「だから、初めてのセックスでもなんの心配もいらないよ」
「……初めてのセックスでも……なんの心配もいらない……はい」
「うん、それじゃあ3つ数えて手を叩いたら、きみは先生に体を温めてもらうために保健室に来たところで目を覚ますよ。……1、2、3」

 竜泉寺が手を叩くと愛莉の瞳に光が戻り、キョロキョロと周りを見回す。

「どうしたんだい、岬さん?」
「あれ、私……?」
「岬さんは授業中に体が冷えたから、温めてもらいに保健室に来たんだろ?」
「あ、そうだった! ……やだなぁ、私、なんかぼーっとしちゃってましたぁ」

 愛莉は自分の頭をコツンと叩いて、照れ隠しに笑う。

「とにかく、さっそく始めようか。いいかい、昨日やったことを今日は同時にやってみるからね」

 そう言うと、竜泉寺は手にしていたペンライトをカチャカチャと弄る。
 それを愛莉の目の前にかざすと、今度はオレンジ色の光が点滅しはじめた。

「さあ、これを見つめて」
「はい」

 言われるままに、愛莉は目の前のライトを見つめる。

 片手でペンライトをかざしたまま、竜泉寺はもう片方の手を愛莉のスカートの中に潜り込ませた。
 それを冷え性の処置だと完全に刷り込まれている愛莉は拒む素振りを見せるどころか、むしろ自分から足を開いていた。

「あはぁんっ、ぁあんっ……」

 秘裂の中にくちゅりと指が潜り込んできただけで、愛莉は鼻にかかったような声を洩らす。
 そして、肉襞を掻くように竜泉寺の指が動くと……。

「あふぅううんっ……あふっ、気持ちいぃんっ……!」

 ペンライトを見つめたままうっとりと目を細め、甘く喘ぎはじめた。

「はぁああん……もうこんなにっ、あったかくなってきたぁ……」

 口をだらしなく半開きにして緩みきった表情を浮かべた愛莉の頬が赤く染まっていく。

「あぁあん……すごいよぉ……このライトと一緒だと、すごく体がポカポカしてぇ……はぅううんっ、すごくきもちいいっ!」

 トロンとした眼差しで点滅するライトを見つめる愛莉の額に汗が浮かんでくる。
 昨日仕込まれたオレンジの光に対する暗示と竜泉寺の指遣いによって秘所に加えられる刺激のせいで、愛莉の体はすっかり上気して火照っていた。

 すっかりトロトロに熱くなった愛莉の秘部に、竜泉寺の指がもう1本潜り込んできた。

「はぅうううううっ……ああっ、熱いぃっ……すっごく熱くてっ、それいいぃんっ!」

 2本の指に感じやすいところをかき回されて愛莉の体がビクンと震える。
 もう、竜泉寺にされるがままその快感に完全に身を任せていた。

「ふぁあああっ、いいっ、すごくいいのぉ……はぁあああん、あったかくて、きもちいいぃ………………え? ふえぇ?」

 いきなり指が抜かれて、快感の波が止まる。
 何が起きたのかわからないといった様子で首を傾げて、愛莉は竜泉寺を見上げた。

「先生、どうして止めちゃったんですかぁ……?」
「うん、今日はもっと体が温まることをしようと思ってね」

 竜泉寺が言ったその言葉に、愛莉は思わず身を乗り出して反応していた。

「もっと体が温まることですか? それっていったい……?」
「セックスだよ」
「えっ!? まさか……」

 あまりにあっさりと、そしてはっきり言われてさすがに愛莉も驚きを隠せなかった。
 しかし、竜泉寺は相変わらず穏やかな笑みを浮かべていた。

「まあ、きみの年齢じゃまだ知らないだろうけどね。セックスは冷え性を治すのにすごく効果があるんだよ」
「……本当なんですかぁ?」
「嘘なんか言うわけないよ。セックスをするとすごく体が温まるからね。なにしろ、冷え性の治療のためのセックスもあるんだ」
「そうなんですね……」

 昨日、冷え性について愛莉に解説したのと同じ表情、同じ口調で竜泉寺がそう説明する。

 でも、そう言われると本当だと思えてくる。
 実際に、昨日竜泉寺に言われたことを守っただけで見違えるくらいに冷え性の悩みが軽くなった。
 そんな相手が間違ったことを言うわけがないと、そう思える。

 そんなにあっさりと信じてしまうのも実際にはさっき掛けられた暗示の効果なのだが、そのことを愛莉自身がわかるはずもなかった。

「で、どうする? やってみるかい? いやだったらやめておくけど」
「やります! そんなに冷え性に効果があるんだったらやってみたいです!」

 だから愛莉は、念を押す竜泉寺の言葉に力強く頷いていた。

「うん、じゃあ服を脱いでもらおうか。きっとすごく体が熱くなって汗をかくから。そのままだと制服がぐしょぐしょになってしまうしね」
「わかりました」

 言われたとおりに制服を脱いで裸になると、竜泉寺もベッドの上にあがってきた。
 そして、不自然なくらいに前を覆っていた白衣を捲る。

「ほら、これがこれからきみの中に入るんだ」

 そう言って、赤黒く屹立したペニスが愛莉の前に突き出される。

「すごい……こんなに大きくなってる……」

 もちろん、愛莉もそういうことに全然知識がないほどの子供ではなかったが、実際に勃起した男性のものを見るのは初めてだった。
 大きくなるとは聞いていたがここまでとは思っていなかった。

「嫌じゃなかったらちょっと触ってみてごらん」
「はい……」

 竜泉寺に促されて、おそるおそる手を伸ばしてみる。

「……熱い。それに、ビクンビクンってしてる……」

 軽く握った手の中のものは思っていたよりも硬く、トクトクと脈打っていた。
 それに、驚くほど熱い。

「ね、熱いだろう?」
「はい……きゃっ、まだ、大きくなるの?」

 愛莉の手の中でビクンと震えたそれが硬さと大きさを増したように思えた。
 驚いている愛莉を見て、竜泉寺も表情を緩める。

「ああ。……どうだい? これがそこに入ってきたらすごく体が熱くなるって思わないかい?」

 そう言って、竜泉寺が愛莉の股間を指さす。
 さっきまでの愛撫で、そこにある裂け目はヒクヒクしながら蜜を溢れさせていた。

 自分のそこにこんなに大きなものが本当に入るのか、少し怖くもある。
 しかし、指を入れられただけであんなに体が温かくなるのだから、こんなに硬くて熱いものが入ってきたらどれだけ体が熱くなるのか想像もつかない。
 でも、きっとすごく熱くなれる。
 竜泉寺がさっきのよりも体が温まると言うのだから間違いない。
 なら、その温もりが欲しい。

 それに、ただ体が温もるだけじゃない。
 指であんなに気持ちよかったんだから、この大きいのだともっと気持ちいいかも。
 そんな期待が膨らむ。
 竜泉寺とセックスをすることに、今の愛莉はなんの抵抗もなかった。

「はい……はいっ! きっと、すごく熱くなると思います!」
「それなら、やってみるかい?」
「はいっ! お願いします!」
「じゃあ、仰向けに寝てくれるかな?」
「わかりました!」

 愛莉が言われたとおりに寝転ぶと、竜泉寺がその両足を抱え込む。
 そして、濡れそぼった裂け目に肉棒を宛がう。

「それじゃあ始めるよ。最初は痛いかもしれないけど我慢するんだよ」
「はい……はうんっ! ……うっ、くうぅっ! ふくぅううううううんっ!」

 竜泉寺の言葉に頷くと、アソコに当たった硬くて熱いものがぐっと入ってきた。
 それが入り口のあたりを擦ったときに快感が走ったのも束の間、すぐにズキンと痛みが走って愛莉は歯を食いしばった。
 そのまま、アソコの中を裂き広げるようにその硬いものが入ってくる。

「大丈夫かい、岬さん?」
「……だっ、大丈夫です。……はぁっ、くふぅっ」

 気遣う竜泉寺の声に涙目になって答えるが、実際にはズキンズキンと灼けるような痛みが響いていた。
 それに、アソコの中に感じる異物感。
 大きなものがいっぱいに入ってきて、喉元までこみ上げてきているような息苦しさを感じる。

「あまり無理しなくてもいいんだよ。初めてで慣れてないんだから痛くて当然さ。でも、その痛みはどこか熱さに似てないかな?」
「……ふえぇ? そっ、そう言われるとっ、たしかに熱いですぅうううっ!」

 言われてみたら、その焼け付くような感じは熱さに似ている。
 いや、実際にその感覚はすごく熱く感じられた。

「ね、熱いだろ? 次に僕の方から動くけど、そうしたらもっと熱くなるからね」
「はっ、はいっ…………はううううっ!? ……あうっ、はくぅうううううっ!」

 アソコの中をいっぱいに塞ぐその大きなものがゆっくりと出ていくのを感じる。
 かと思うと、またゆっくりと入ってきた。
 本当にゆっくりとした動きで。
 そして、それがまた出ていって入ってくる。
 じわりじわりと、たっぷりと時間をかけて。

「……はくぅうううううっ! ……あふぅううううううっ! ……せっ、セックスって、こんなにゆっくりとするものなんですか?」
「これはきみの体を温めるためのやり方だからね。それにはこうやってゆっくり動いた方がいいし、初めてのきみの体への負担も多少はましだからね」
「そっ、そうなんですねっ! ……はうっ! かふぅうううううっ!」

 熱さはともかく、息苦しさをごまかすために口をパクパクさせて大きく息をしながら竜泉寺の言葉に耳を傾ける。
 とにかく、初めての経験だからなにもかも手探りだった。
 セックスが、いや、男の人のおちんちんがアソコの中に入ってくるのがこんなに息苦しいなんて思ってもいなかった。
 しかし、それも最初よりも少し和らいだ気がする。

「はくぅぅうううううっ! あふっ、ふぅうううううっ!」

 竜泉寺のゆっくりとした動きに合わせて息を吐くと、息苦しさがだいぶ紛れる。

 すると、今度はアソコの中でのおちんちんの動きをよりはっきりと感じるようになっているような気がしてくる。
 ゆっくりと出入りするたびに、アソコの壁を擦っていくのを確かに感じる。
 さっき手で握っていた、硬くて熱いものの形がはっきりとわかるくらいだった。

 それに、アソコの中が擦れるときに走るこの感覚。
 それを自分は求めていた気がする。
 まだ多少息苦しさはあるが、これは……。

「はうぅううっ!? あはぁあああああああんっ!?」

 あまりに突然の絶頂に、愛莉の体が弓なりにしなる。
 それを快感だと認識した瞬間に、体の中がそれでいっぱいになって爆発したのかと思ったほどだった。

「あぅっ! はぁああんっ! 気持ちいいっ、きもちぃいいいいっ!」

 竜泉寺や自分の指で弄っているときの快感とは比べものにならない。
 お腹の中をいっぱいに埋めたそれが動くときに擦れると気持ちのいい電流が走る。
 入り口のあたりに引っかかるとビリッと体が跳ねるほどの快感が弾ける。
 そして、それが奥に入ってくると頭がおかしくなるくらいにずぅうんと響く。
 愛莉は今、アソコ全体で快感を感じていた。
 そこが、そのためにあるのだと思えた。

 しかも、そこに入っている竜泉寺のものがゆっくりと、そして絶え間なく動くせいで快感の波も止まらない。
 痺れるほどの甘い刺激を生み続ける無限機関のように。

「すごいぃっ、これすごいのぉおおおっ! ……あふっ、はぁああああああんっ!」

 ブリッジのように頭で支えた体勢になった愛莉の体が、小刻みに痙攣していた。
 間断なく与えられる強烈な刺激に、絶頂から降りてくることができない。

「ふぁああっ、あついぃいいいっ! 熱くてっ、すごくきもひいいのぉおおおっ!」

 愛莉の肌は噴き出た汗でぐっしょりと濡れていた。
 弧を描くように持ち上がったお腹も、つんと上向きに突き出た乳房も汗に濡れてヌラヌラと光っている。

「あひゃぁああああっ! あちゅいぃっ! しゅごくあちゅくて、きもひいいっ! あひゃぁぅうんっ! きもひいいっ、きもひいいようぅうううっ!」

 蕩けた頭の中がぐちゃぐちゃになってなにも考えられないまま、ただその熱と快感だけを受け止める。
 ずっとイッたままの愛莉のアソコが、痙攣しながら肉棒を締めつけていた。

「ひゃあぅうううううっ! ふああっ、しゅごいっ、しゅごくいいのっ、あぁんっ、あちゅくて、びりびりして、しゅごくいいよぅうううっ!」
「……くぅっ!」

 愛莉の膣がひときわきつく収縮したかと思うと、竜泉寺が短く呻く。
 次の瞬間、熱を帯びた愛莉の体の中が、さらに熱いもので満たされていくのを感じた。

「ひゃぁああっ! あちゅいあちゅいあちゅいあちゅいのぉおおおおっ!」

 神経が焼き切れるかと思うくらいの快感の奔流に、頭の中が真っ白な光で染まっていく。
 身も心も解けてしまいそうな熱に包まれて、愛莉はそのまま意識を手放したのだった。

 
 


 

 

戻る