馴奴(じゅんど)二

〜定期検診〜


 

 



後編 お薬はお口で……




 火曜日。
 佐知子が待ちわびた、竜泉寺の検診の日がやってきた。

 由佳の触診のおかげで、なんとかこの日まで頑張れたと佐知子は信じていた。
 先週、由佳の触診の後、佐知子が気付いたときにはもうだいぶ遅い時間だったが、翌日には体の疲れがだいぶとれているような気がしたのも事実だ。だいいち、すっきりと目覚めて、その後しばらくは気分良くすごすことができた。
 それに、由佳は佐知子のこと思って、佐知子の疲れをとるために触診してくれたのだ。

 そして、今日、竜泉寺の検診を受けることができる。

「木下です」
 保健室の前に立ち、佐知子はドアをノックした。
「どうぞ、入ってください」
 中から、竜泉寺の声が聞こえてきた。

「入ります。えっ?」
 保健室に入った佐知子が見たのは、跪いて竜泉寺の肉棒を口にくわえている由佳の姿だった。
「何をしているの、栗原さん?」
 戸惑いながら問いかけた佐知子にチラッと目を向けると、由佳はいったん竜泉寺の肉棒から口を離す。
「ん、あふ、あ、これは、お口で竜泉寺先生のお薬をいただいているんですよ」
「お口で?」
「ええ。お口でいただいても、竜泉寺先生のお薬はすごくよく効くんですよ」
「そうだったの」

 私もお口で竜泉寺先生の薬をもらいたい……。
 そんな願望が、佐知子の中に湧き上がってくる。

「お口で竜泉寺先生のお薬をいただくのにはコツがいるんですよ」
 そんな佐知子の願望を見透かしたように由佳が言う。
「だから、木下先生は少しそこで見ていてくださいね」
 そう続けると、由佳は再び竜泉寺の肉棒に口を近づけていく。

「ちゅ、ぴちゃ、ぺろ」
 まず舌を伸ばすと、由佳は丁寧に肉棒を舐め上げていく。
「んふ、ちゅる、ちゅ」
 ぴちゃぴちゃと、わざと大きな音を立てるようにして由佳は竜泉寺の肉棒を舐め続ける。
「ん、あふ、んむ、ん」
 目に見えて大きくなった肉棒を指で支えると、由佳は肉棒の先を口に含む。
「あむ、んん、んふ、じゅ」
 竜泉寺の肉棒をくわえ、ときおり湿った音を立てながらしゃぶり続ける由佳。
 しかし、佐知子には由佳の口の中で舌がどのように動いているのかはわからない。
「あふう、んっ、んむっ、ちゅるる」
 由佳が、竜泉寺の肉棒を深くくわえ込み、熱心にしゃぶっていく。
 それを見ているだけで、佐知子はなぜか体が火照ってくるのを感じていた。
「んっ、ちゅぼっ、んふっ、ちゅばっ」
 竜泉寺の肉棒をくわえたまま、由佳は頭を前後に振りはじめた。
 太く大きくなった竜泉寺の肉棒が、滑るように由佳の口を出入りしている。
「んっ、んむむむむっ!んんーっ!」
 由佳が、肉棒を深くくわえ込んだかと思うと、大きく呻く。
 そして、由佳の体がビクンッ、と大きく震える。

「んんっ、あはぁ、はぁ」
 竜泉寺の肉棒から口を離した由佳が佐知子の方を向き、口を開けてみせる。
 その、由佳の舌の上には、白く濁った竜泉寺の薬が溜まっていた。
「ん、こく」
 由佳は口を閉じると喉を鳴らして薬を飲み込む。

「あふう、ん、どうです、木下先生、こうやって竜泉寺先生のお薬をいただくんですよ」
 竜泉寺の薬を飲んで、少し頬を紅潮させた由佳が佐知子に向かって微笑む。
「あ、私も竜泉寺先生のお薬、お口から欲しい」
 無意識のうちに、佐知子はそう呟いていた。
「え?でも、これにはコツがいりますよ、木下先生」
 少し戸惑った表情で聞き返す由佳。
「ああ、かまいませんよ、木下先生」

 竜泉寺からかけられた声に、佐知子の表情がぱっと輝く。

「はい、はいっ、ありがとうございます、竜泉寺先生」
 すると、由佳が佐知子に場所を空ける。そして、さっき由佳がしていたように佐知子は竜泉寺の前に跪く。

 たしか、さっき栗原さんはこんな風にしていたわよね。

 佐知子は、おずおずと舌を伸ばし、竜泉寺の肉棒に這わせる。
「ひゃっ」
 竜泉寺の肉棒がビクッと震えて、思わず佐知子は舌を離す。
「どうしました、木下先生?」
「あっ、いや、なんでもありません。ん、ぴちゃ」
 怪訝そうな表情で見下ろす竜泉寺に、慌てて返事をして、佐知子はもう一度肉棒に向かって舌を伸ばす。
「あふ、ぴちゃ、んふう、ちゅ」
 よく舐めてみると、肉棒は少し生臭いようなおかしな味がした。

 でも、ここはお薬が出てくる所なんだから、美味しいはずがないのよね。

 佐知子はそう自分を納得させて、肉棒を舐め続ける。
「んふぅ、ぴちゅ、んっ、あふうっ」
 
 肉棒を舐めているうちに、不思議と体がジンジンと熱くなってきて、熱っぽい吐息が鼻から漏れる。
 気付けば、肉棒は舐め始めたときよりもだいぶ大きくなっていた。

「あふ、あむ、んん、んふ」
 こらえきれなくなって、佐知子は肉棒を口に含む。すると、生臭い臭いと味が口の中いっぱいに広がる。
「んふ、ん、じゅ」
 佐知子は、舌を絡ませて熱心に肉棒をしゃぶっている、つもりだった。

「だめですね、木下先生。これではお薬を出せそうにないですよ」
 不意に、竜泉寺から浴びせられた言葉に佐知子は動揺する。

 どうして?なんで私にはお薬を出してもらえないの?

 佐知子は、必死で肉棒をしゃぶりながら上目遣いに竜泉寺の顔を窺う。
 目が合うと、竜泉寺は佐知子を見下ろしながら首を横に振る。

 このままでは、お薬がもらえないかもしれない。

 そんな竜泉寺の様子を見て、佐知子は、無性に悲しくなってくる。

(お薬をいただくのにはコツがいるんですよ)
 さっき、由佳が言っていた言葉が佐知子の頭をよぎった。

 最初に、栗原さんからコツを教わっておけばよかったわ。

 いまさら佐知子がそう思ってももう後の祭りだ。

 このままじゃだめ、このままだとお薬がもらえない。

 肉棒を口に含みながら佐知子が焦りを感じ始めたその時。
「しかたがないですね、木下先生。僕がお手伝いしましょう」
 竜泉寺がそう言ったかと思うと、両手を伸ばして佐知子の頭をがっちりと押さえこむ。そして、腰を突き出し、肉棒で佐知子の喉の奥を突く。
「ぐっ、んぐぐっ、くふっ!」

 喉の奥を肉棒で突かれて、佐知子は呻いた。

「くっ、ぐふっ、ぐぐうっ!」
 佐知子の頭を押さえたまま、竜泉寺が腰を前後に動かし、喉の奥を突かれるたびに佐知子は苦しげに呻き声を漏らす。
「ぐっ、くっ、ぐふっ!」
 あまりの苦しさに、いっぱいに見開いた佐知子の目に涙が溢れてくる。
「じゃあ、そろそろ薬を出しますよ、木下先生」
 佐知子の頭を押さえる手に力を込め、竜泉寺が肉棒を佐知子の喉深く挿し込む。
「ぐぐぐぐぐっ!ごふっ!んっ、ごくっ!」
 熱いものが佐知子の喉の奥に注がれ、息つく余裕もなく、佐知子はごくんとそれを飲む込む。
「んぐくくっ!ぐふっ、げほっ、ごほっ!」
 気管に薬が入り、肉棒を抜かれるのと同時に佐知子は咽せて咳き込む。
 そのため、まだ口の中に残っていた分をこぼしてしまう佐知子。

 ああ、もったいない……。

 佐知子は、そんなことを考えながら床の上にこぼした薬をぼんやりと眺める。

「まあ、最初はなかなか難しいですよ」
 竜泉寺の声に佐知子が見上げると、竜泉寺が穏やかな眼差しで佐知子を見ていた。
「でも、そのうち慣れますよ」
「は、はい」
 竜泉寺に優しく言われ、佐知子はようやく落ち着きを取り戻す。

 その時、佐知子は背後から抱きかかえられた。
「え?」
 一瞬、何事かと戸惑っている佐知子は、手際よく服を脱がされていく。
「あ、栗原さん?」
「忘れたんですか、木下先生?これから検診を受けなきゃいけないんですよ」
 佐知子の服を脱がせながらそういうと、由佳がくすっと笑う。
「あ、そうだったわね」
 口で薬を上手くもらえなかったのがショックで、大切なことをすっかり忘れていた自分に気付いて、佐知子は照れ笑いを浮かべる。

「さあ、木下先生、こちらへ」
 見れば、竜泉寺はベッドに上がり、いつでも検診を始められる状態だ。
「はい」
 佐知子も、裸になってベッドに上がると、前回と同じように四つん這いになって竜泉寺に尻を向ける。
「うくっ、はううっ!」
 竜泉寺の指が秘裂の中に入ってきて、佐知子が小さく呻く。
「うん、すごくいいですよ、木下先生。前回よりもさらに水分が多くなってますね。ホルモンのバランスがだいぶ安定してきている証拠ですよ」
 かき回すように指を動かしながら竜泉寺が言う。

 きっと、栗原さんの触診のおかげだわ。

 佐知子は、そう信じて疑わない。もちろん、さっき竜泉寺の肉棒をくわえているときに、自分がそんなに濡らしてしまったということに気付くはずもない。
「この分だと、体調もすぐに良くなりますよ」
「ああっ、はいいっ、ありがとうございます」
「それでは、次にいきましょうか」
 そう言うと、竜泉寺は佐知子の股間から指を抜き、今度は佐知子の腰を押さえる。
 それだけで、佐知子の胸が期待で高鳴る。この1ヶ月、竜泉寺の検診を受けるのをどれだけ待ちわびたことか。

「じゃあ、始めますよ、木下先生」
「はっ、はいっ、ああっ、んあああっ!」
 股間の裂け目から、固い物が佐知子の中に入ってくる感覚。
 しかし、前回の時のような苦しさや圧迫感はない。むしろ、佐知子は自分の中が満たされていくような感覚に浸っていた。
「あんっ、はあっ、んんっ、ふあああっ!」
 佐知子の口から甘く喘ぐ声が漏れる。

 気持ちいい。なんて気持ちいいの。

 快感。そう、それを快感だと佐知子は自覚していた。
 しかし、佐知子にはそれを不思議と思う気持ちはなかった。由佳も、触診をしながら言っていた。気持ちよさが効くんだと、気持ちよさに身を任せろと。だから、佐知子は快感に体も心も委ねるのに何のためらいもなかった。

「んはあっ、はんっ、ああっ、気持ちいいですっ、竜泉寺先生っ!」
 いつしか、佐知子は竜泉寺の動きに合わせて自分から腰を動かし始めていた。
「うんっ、検診に体がなじんできたみたいですね、木下先生」
「あんっ、あっ、ありがとうございますっ!はあっ、ふわああああっ!」
 甘い声をあげながら、竜泉寺に合わせて体を揺らしてた佐知子の胸に、突然快感が走る。
「んあああああっ!ああっ、くっ、栗原さんっ!?」
 気付くと由佳が佐知子に体を寄せて、その手を佐知子の乳房に伸ばしていた。
「うふふ、触診ですよ、木下先生」
「んくううううっ!こんな時にっ、触診されたらあああっ!」
 佐知子は、大きくかぶりを振って叫ぶように喘ぐ。
「でも、こうすると、お薬をいただくのが楽になりますよ」
 由佳が、佐知子の乳首をつまみながら囁く。
「あふうううっ!んはああああっ!」
 首を大きく仰け反らせ、それでも体を揺するのをやめない佐知子に、今度は竜泉寺の言葉が降りかかる。
「それにしても、だいぶ体調が良くなってるみたいですね、木下先生。もう薬は必要ないんじゃないかな?」
「いやあああああっ!くださいっ、私にっ、お薬くださいいいいっ!」
 イヤイヤをするように首を振りながら叫ぶ佐知子。
 その姿を見て、竜泉寺と由佳が顔を見合わせてニヤリと微笑むが、むろん佐知子はそれに気付かない。

「それでは、今回も薬を出しておきましょうか」
「はいいいっ、どうかっ、竜泉寺先生のお薬っ、私にいぃ!」
 竜泉寺の動きが力強くなってくるのを感じながら、佐知子は甲高い声で薬を乞う。
「それでは、お薬ですよ、木下先生」
 そう言って竜泉寺がひときわ強く佐知子に腰を打ち付けると、佐知子の中に熱いものが吐き出される。
「ああああっ、来ましたっ、お薬きましたあああっ、ふあああっ、熱いいいいいぃっ!」
 そして、思い切り腕を突っ張り、体を硬直させた佐知子の頭の中が真っ白に弾けた。



 今月の検診を終え、服を着た佐知子は、自分の願望を言い出そうかどうか迷っていた。
「どうしました、木下先生?今日の検診は終わりですよ。次はまた来月に」
「あの、そのことなんですけど。検診を週1回にしていただけませんか?あ、もちろん竜泉寺先生さえよろしければ、ですけど」
「ふむ。僕のみたところ、木下先生の体調はだいぶ良くなってますよ。普通は、元気になると医者にかかる回数は減るものなんですけどね」
「いや、それはっ、竜泉寺先生にお薬をいただいているからです!先生のお薬がなかったら、1ヶ月も体が保たないです」
「そんなことはないと思いますけどね……。でも、まあいいでしょう、木下先生がそこまで仰るのなら」
「本当ですか!?ありがとうございます」
 佐知子は、表情を輝かせて竜泉寺に頭を下げる。断られると思っていたのに、快く受けてもらって、佐知子は心底嬉しかった。
「それでは、次は来週の火曜日でいいですか?」
「は、はいっ!」
「じゃあ、来週の火曜日、お待ちしてますよ」
「ありがとうございます!」
 もう一度竜泉寺に頭を下げると、佐知子は由佳に見送られて保健室を出ていった。



* * *




 翌週、月曜日。

「木下先生、このところ、元気いっぱいですね」
「あら、そうかしら?」
 午後のホームルームを終え、佐知子は帰宅しようとする生徒に声をかけられる。
「ひょっとして、好きな人でもできたんですか?」
「もう、先生をからかわないの。早く帰りなさい」
「はーい、それじゃさようなら、先生」
「気をつけて帰るのよ」
 帰宅する生徒や、部活に向かう生徒を見送りながら、佐知子は教室を見回す。
 今日も保健室に行くのだろうか、カバンを提げて立ち上がった由佳の姿があった。

「栗原さん、ちょっといいかしら?」
「なんですか、先生?」
「ちょっとお願いしたいことがあるの。あとで国語科準備室に来てくれるかしら?」
「はい?いいですよ」
 少し首を傾げた後、由佳は笑顔で頷く。
「じゃあ、お願いね」
 それだけ由佳に告げると、佐知子は教室を出る。

 生徒たちの言うように、佐知子はこのところ体が軽く、元気いっぱいだった。その理由はわかっている。もちろん、竜泉寺の薬の効果だ。
 ただ、佐知子には、ずっと気がかりなことがあった。明日の検診までには、この問題を解決しておかなくてはならない。



 夕方、国語科準備室。

「失礼します」
 一礼して部屋に入ってきたのは栗原由佳だ。
「あの、お願いしたい事ってなんでしょうか?」
「あのね、その、竜泉寺先生のお薬を口でいただくコツを教えて欲しいの」
「はい?」
「それは、あの、明日また検診だから、それまでに……」
 怪訝そうに首を傾げていた由佳が、大きく頷く。
「ああ、そういうことですか。いいですよ」
「本当!?ありがとう、栗原さん」
「いいんですよ。それでは、どうしましょうか?あっ、そうだ、ここで私がやってみますね」
「やってみるって、どうやって?」
 由佳の言葉の意味が理解できない佐知子の腕を、由佳が掴む。
「私に向かって人差し指を出してください」
「え?こう?」
 佐知子が、由佳の方に人差し指を突き出す。
 すると、由佳は佐知子の指を少し下に向け、跪くと佐知子の指にしゃぶりつく。
「く、栗原さん?」
「ん……。あ、木下先生の指を竜泉寺先生に見立てて私がしゃぶりますから、どういう風にするのか覚えてくださいね。ぴちゃ、ぺろ」
 いったん、佐知子の指から口を離してそう言うと、由佳はふたたび佐知子の指を舐め始める。
「ん、れろ、あふ、ぺろ」
 両手で佐知子の腕を掴み、舌を伸ばして、付け根から指を舐めあげると、由佳が今度はれろれろと舌先で弄るように舐め回す。
「んふ、ぴちゃ、あふ、えろ」
 ときどき上目遣いに佐知子を見上げながら、熱心に佐知子の指を舐める由佳。
 そんな由佳の姿を見ながら指を舐められると、下半身の方が熱くなってくるように佐知子は感じた。

「ん、あむ、んふ、んむ」
 由佳が、今度は佐知子の指を口に含み、しゃぶり始める。
「ちゅる、あふ、ん、んむ」
 口の中で、由佳の舌が、時には先を尖らせて指の腹を刺激し、時には舌先を広げて舌の上で指を転がすようにする。
 その、複雑な舌の動きは、外から見ていただけだと、とてもではないがわからない。
「ん、んふ、あふ、んっ、んっ」
 そして、由佳が口をすぼめて頭を前後に動かし始める。
「ああっ、栗原さん!」
 すぼめた唇が滑らかに動いていく刺激が心地よくて、思わず佐知子は声をあげる。
「んっ、じゅばっ、ちゅぱっ、んっ、んふっ、んんんっ」
 じゅぼじゅぼと湿った音を立てながら、由佳は頭を前後に振っていたかと思うと、今度は横に頭を振るように動かし、さらには捻りを入れるような動きも加えて佐知子の指を刺激していく。すぼめた唇で指を閉める刺激だけでなく、口の中で舌を使って刺激を加えることも忘れていない。
「んふ、ちゅばっ、あふ、んっ」
「ふあっ、あああっ」
 まるで、人差し指が快感を得るための新たな器官になったような錯覚を覚えて佐知子が切なげに喘ぐ。
「んっ、じゅるっ、んふっ、ふっ、んっ、んっ、んっ、んんんっ」
 由佳の頭の動きが激しくなっていき、最後に奥まで深く人差し指を口に含む。
「ふあっ、んああああっ」
 それだけで、体を軽く震わせている、佐知子のその瞳は潤み、肩で息をしていたのだった。

「ん、ふう、どうですか、木下先生?」
 ようやく佐知子の指から口を離すと、由佳が佐知子を見上げて微笑む。
「んんぅ、あぁ、すごいわ栗原さん。口の中で、あんな風に複雑に舌を動かしていたなんて、私、知らなかった」
「ええ。それじゃ、今度は木下先生が練習する番ですよ」
「え?」
「こういうのは、実際にやってみないと身に付きませんよ。だから、私の指を舐めてください」
 そう言うと、由佳は立ち上がって佐知子に向かって人差し指を差し出す。

「さあ、これを竜泉寺先生のだと思ってください、木下先生」
「あ、う、うん」
 佐知子は、椅子から降りると跪いて由佳の指を手に取る。
「あふ、ぺろ、ん、ちゅ」
 舌を伸ばすと、佐知子は由佳の指を舐めていく。
「ん、えろ、れろ」
 さっき、由佳がやっていたのを思い出しながら、指の先を舌で弄る。
「もっと素早く舌を動かすんですよ、先生」
「んふ、ん、れろれろ」
 由佳に指示されて、佐知子は小刻みに舌を動かしていく。
「そう、いいですよ、先生」
「んふ、ぴちゃ、えろ、ん、あむ」
 舌先で丁寧に由佳の指を舐めているうちに、佐知子は竜泉寺の肉棒を舐めているような錯覚に陥り、たまらなくなって由佳の指をくわえ込む。

「ん、んふ、あむ、んちゅ、んにゅ」
 佐知子の指を由佳がしゃぶっていたときのことを思い出しながら、佐知子は口に由佳の舌をくわえたまま舌を動かす。
「もっと舌の先を固く尖らせてください、木下先生」
「んっ、んん、んふ」
 佐知子は、由佳の言葉のままに舌先を尖らせて由佳の指の腹をなぞる。
「舌を広げたときはもっとうねらせるような感じで」
「うむむっ、んにゅっ、んっ」
「指を吸うにして、舌と口蓋の間で挟みこんで」
「んっ、んちゅ、ちゅぼっ、あふ」
 由佳の言う通りに佐知子は舌を動かし、由佳の指を口の中で刺激していく。
 なんだかぼんやりとしてきた頭で、口蓋なんて難しい言葉使って、さすが栗原さんは保健委員だわ、などととりとめのないこと考えながら、佐知子は由佳の指をしゃぶり続ける。

「だいぶいい感じになってきましたね。それでは、口をすぼめて頭を前後に振ってください」
「んふ、んっ、んっ」
 佐知子は、言われた通りに口をすぼめてぎこちなく頭を振り始める。
「口の中に唾液を溜めて、湿らせながらやるともっと滑らかにできますよ」
「じゅっ、ちゅぼっ、じゅぼ、じゅるる」
 由佳の言うままに、口の中に唾液をいっぱいに溜め、湿った音を立てて頭を振る佐知子。
 本当に、由佳の言った通り、口に唾液を溜めると、スムーズに指を出し入れできる。
「そう、だいぶ上手くなってきましたね、先生。これだときっとお薬が頂けますよ」
「あふ、ちゅるる、しゅぼ、じゅぼっ」
 そのうちに、由佳の指が本当に肉棒のように思えてきて、佐知子は夢中でしゃぶり続ける。
 そうしていると、下半身が、じんじんと熱くなってくるように佐知子は感じた。
「んふ、じゅるるるる、んふう、ちゅぼっ、ちゅるる」
 さっき由佳がしていたように、横の動きを加えながら佐知子は頭を振り続けていた。

「うふふ、よくできましたね、木下先生。それではご褒美ですよ。お薬をさし上げましょう」

 え?栗原さんがお薬を?と、佐知子は上目遣いに由佳を見上げる。
 微笑んだまま佐知子を見下ろしている由佳と目が合ったかと思うと、佐知子の口から由佳の指が引き抜かれ、由佳の顔が自分に近づいてくる。
 そして、佐知子の顔が由佳の手で抱えられたかと思うと。

「んん、んむむむむむっ!」

 佐知子の口の中に、由佳の舌と一緒に熱い唾液がいっぱいに注ぎ込まれる。

 あ、ああ、お薬が……。
 それが、本当の薬のように感じられて、一瞬、佐知子の目が大きく見開かれたかと思うと、すぐにトロンとなり、佐知子はペタンとへたり込む。

「ん、んむ、んふう」
 ようやく由佳が口を離すと、佐知子の口から悩ましげな熱い吐息が漏れる。

「木下先生、私が教えてあげられるのはこれだけです。後は、自分で復習しておいてくださいね」
「ん、んん、はい。ありがとう、栗原さん」
 立ち上がって笑みを浮かべる由佳をぼんやりと見上げながら、素直に頷く佐知子。
「それでは、私はこれで失礼します」
 礼をして国語科準備室を出ていく由佳を見送る佐知子。その視線は心なしか焦点が合っていないように思えた。



 その晩。

「ん、んちゅ、ちゅるる、んふ」
 ベッドの中で、自分の指をしゃぶっている佐知子。

 夕方、由佳に言われたとおりにちゃんと復習しておかなければいけない。
 何度も検診や触診を受けるうちに、佐知子は竜泉寺や由佳の言うことには何の疑いも持たずに従うようになっていた。
 それに、竜泉寺も由佳も、自分のことを思って言ってくれているのだ。
 そう思うと、佐知子はふたりの言葉をおろそかにはできなかった。

「あふ、ちゅば、しゅぼっ、んちゅ」
 ベッドの中、熱心に自分の指をしゃぶり続ける佐知子。

 佐知子には、恥ずかしさや後ろめたさは全くない。
 だって、これは竜泉寺のお薬を口からもらうための練習なのだし、なんらいかがわしい事ではないのだから。

「ちゅぼ、ちゅば、あふ、あむ」

 真っ暗な中、佐知子の寝室に湿った音だけが響いていた。



* * *




 翌日、放課後。

「ん、あふ、ちゅ、んむ」
 保健室の中で跪き、竜泉寺の肉棒をくわえ込んでいる佐知子。
「ああ、素晴らしい、たった1週間ですごい上達ですよ、木下先生」
 そう竜泉寺に言われて、佐知子はすっかり嬉しくなる。

 でも、竜泉寺先生はひとつだけ間違っているわ。練習したのは1週間じゃなくて一晩だけなんだけど。

 たった一晩の努力で、それ程までに上手になったのかと思うと嬉しくて、竜泉寺の肉棒をしゃぶる佐知子の舌の動きに熱が入る。
「んふ、んっ、ちゅぼっ、しゅぼっ」
 昨日由佳に教えてもらった通り、そして、夜、ベッドの中で練習した通りに、口をすぼめて頭を前後に振って肉棒を扱き、左右に捻り、舌を絡ませる。
「うん、これなら薬を出してあげることができますね」
 不意に頭を撫でられて佐知子が上目遣いに見上げると、穏やかに微笑んでいる竜泉寺と目が合った。
「あふっ、んっ、ちゅぱっ、んふ、じゅるる」
 嬉しさと期待に胸を高鳴らせながら肉棒をしゃぶる佐知子の頭ががっしりと押さえられる。

 あ、お薬が来る!

 そう感じた佐知子は、先週みたいに薬が気管に入らないよう咄嗟に息を止める。
「さあ、お薬ですよ、木下先生」
 竜泉寺がそう言ったかと思うと、佐知子の口の中に熱い薬が注ぎ込まれる。
「んんっ、んむむむむむっ!」
 佐知子は、今回はしっかりとそれを受けとめる。

「んんんっ、んっ、こくっ、んはああぁ」
 その、熱くて少し生臭い薬を飲み込むと、それだけで体が熱くなってきて佐知子は床にへたり込む。
「いやあ、木下先生、どんな練習をしたんですか」
 竜泉寺にそう訊かれて、佐知子は潤んだ瞳を上げる。
「あの、栗原さんにコツを教えてもらって、指を使って練習を」
「そうですか。うん、栗原さんは教えるのが上手なんだね」
「はいっ!それに私は木下先生のことが大好きですから!」

 竜泉寺の言葉に、笑顔ではきはきと答えた由佳が、佐知子の方に歩み寄る。

「それでは、検診を受ける準備をしましょうね、木下先生」
「うん」
 佐知子は、ひとこと頷くと、由佳に手伝われながら服を脱いでいく。佐知子のショーツが、まったく用をなさない程にぐっしょりと濡れていることに気付いた由佳が、ニヤリと淫靡な笑みを浮かべる。しかし、検診に胸を高ぶらせている佐知子には、それに気付く余裕もなかった。

 そして、いつもの検診の時のように、佐知子は裸になるとベッドの上に四つん這いになる。いつもなら、ここで竜泉寺がまず佐知子の裂け目に指を入れて湿り具合を確かめるのだが。

 それが、今日は竜泉寺は佐知子の腰を掴むと、そのまま肉棒を挿し込んでくる。しかし、そこは佐知子の後ろの穴だった。
「ええっ!?えええええええっ!?」
 混乱して大きな声をあげる佐知子に、竜泉寺が落ち着いた声で言う。
「もちろん、これも検診ですよ、木下先生」

 そ、そうね、こういう検診もあるわね。
 まだ少し戸惑いながらも、佐知子はそう自分に言い聞かせる。

「それに、お尻の穴から入れる薬もありますよね、木下先生」
 いつの間にか、裸になっている由佳が、佐知子に体を摺り寄せて囁く。

 うん、そういえば鎮痛剤や解熱剤の座薬はお尻の穴から入れるわ。
 そう考えると、佐知子の心は次第に落ち着きを取り戻していく。

「んくうっ!くううううううっ!」
 そうは言っても、尻の穴にこんなに大きな物を入れた経験はないので、その圧迫感と異物感に佐知子は苦しげに呻く。

「でも、お尻の穴で検診を受けるのも、とっても気持ちいいんですよ、木下先生」
 由佳にそう言われた瞬間から、佐知子は自分の尻に感じている圧迫感が、快感であるように思えてきた。
「んんんんっ!ふあああああっ!」
 佐知子の声が、苦しげなものから、艶のあるものに変わっていく。
「どうですか、木下先生」
「ふわああああぁ、気持ちっ、気持ちいいいいいぃ」
 耳に口を寄せて囁いてくる由佳に、蕩けた目を向けて佐知子は答える。
 竜泉寺が腰を打ち付けてくるたびに、佐知子は息が止まりそうになった。しかし、それがたまらなく快感に思えてくるのだ。

「はあああっ、すごいっ、気持ちいいですぅ!」
 声までも蕩けさせて佐知子は喘ぐ。そうするのが検診の効果を高めるのだと聞かされている佐知子は、完全に快感に身を任せきっていた。
「んんんっ、ふああああっ!」
 やがて、だらりと舌を出して、自分でも腰を動かし始める佐知子。
「ふふふ、それじゃ、私も触診を始めましょうか」
 そう言うと、由佳が佐知子の胸に手を伸ばす。
「ああっ、あふうっ、ひああああっ!」
 新たに加わった快感に、佐知子の首が思い切り反り上がる。
「んふ、もっと気持ちよくなってくださいね。あむ」
 佐知子の乳首を弄りながら、由佳がもう片方の乳首に吸いつく。
「んああああっ、ふあっ、はうっ、あああっ!」
 頭をガクガクと震わせ、口からは涎を垂らしながらも、佐知子は腰を揺らすのを止めようとしない。

「くっ、こんなに締め付けてっ、ああ、木下先生のお尻も薬を欲しがっていますよ」
「んっ、ああっ、くらさいっ!お薬くらさいいいいっ!」
 焦点の合わなくなった目を泳がせながら、それでも竜泉寺の薬という言葉に反応する佐知子。
「ひあああああっ!先生のお薬っ!わらしのお尻にくらさいいいっ!」
 舌が上手く動かなくなって、呂律の回らない声で佐知子は竜泉寺に薬をねだる。
「んふふ、ちゅぱ、あむ」
「ひあっ!ふあああああっ!」
 だらしなく喘ぐ佐知子の姿を見ながら、淫らな笑みを浮かべた由佳が佐知子の胸を掴み、舐めていく。その度に、佐知子はビクンと体を震わせて喘ぐ。
「さあっ、お薬ですよ、木下先生!」
 竜泉寺が佐知子の腰を掴み、肛門の奥深く肉棒を突き入れると、熱い薬が腸にまで届くのを佐知子は感じた。
「あ゛あ゛あ゛っ!お薬っ、お薬があああっ!あづいいいいいいっ!」
 体を硬直させて、その熱い薬を受けとめたところまでは佐知子は覚えていた。しかし、そのまま佐知子は完全に気を失ってしまったのだった。



* * *




 早朝、学校の廊下。

「おはようございます、木下先生。今朝も早いですな」
「あ、おはようございます!教頭先生」
「おやおや、このところ木下先生は元気いっぱいといった感じですね。何かいいことでもあったんですか?」
「そんな、いいことなんて!私はいつでも元気いっぱいですよ!」

 教頭に向かって、笑顔で手を振ってごまかす佐知子。
 もちろん、佐知子には自分が元気な理由はわかっている。週に1回受けている竜泉寺の検診と、そのたびにもらう薬のおかげだ。

「それでは、失礼します、教頭先生」
 教頭に礼をすると、佐知子は廊下を歩いていく。

 次の検診は、前と後ろと、どちらでやってもらおうかしら?

 歩きながら、そんなことを考える佐知子。それだけで、体が熱くなってくる。
 今の佐知子は、以前悩まされていた手足の冷えは微塵も感じなくなっていた。近頃は、夜になると、自分の指を舐めて口で薬をもらう練習をしたり、時には、触診の真似事をしたりするのが佐知子の習慣になっていた。そうしていると、体が熱いくらいになって冷えるどころではなかった。

 ネチャ……。

 まだ朝だというのに、ショーツが濡れて、足を踏み出すたびに湿った音を立てていたが、佐知子は気にも留めない。だって、ここに水分が豊富なのはいいことだと竜泉寺が言っていたのだから。

「おはようございます!木下先生!」
「あ、おはよう!」
「おはようございます、先生!」

 次々と生徒が登校してきて、次第に学校の中が賑やかになっていく。

 ネチャ、クチャ……。

 賑やかさが増した学校の中で、佐知子が歩くたびに聞こえるかすかな音に気付く者は誰もいなかった。



* * *




 実験記録 No.2

 対象:28才、教師。

 実験対象は由佳のクラスの担任。今回の実験は、性行為を別な行為と認識させる実験だ。手順を全て由佳に教え込んで、仕込みの手筈を整えさせる。由佳の仕事は、対象が保健室で見たこと、体験したことに疑問を持たず、常識的なことだと対象に認識させることと、私と由佳の言うことをそのまま受け入れ、その通りに行動するようにさせること。
 結果はほぼ完璧。まず、由佳が”手本”を見せることによって、性行為を”検診”だと認識していることを確認する。その後は、対象への”検診”の実行、及び、それを検診だという認識を深めること。
 その結果も上々。肩こりや目の疲れ、朝、起きにくいなどという症状は、たいていの社会人には普通に見られるものであるし、冷え症も、女性ならばそれに悩まされている例は多いので、そう言っておけば普通あてはまるもなのだが、由佳の仕込んだ暗示もあって、簡単に性行為を検診と認識したようだ。ただ、たった1日で射精を投薬だと認識するまでになるとはさすがに思っていなかった。
 次に、どこまでこちらの言うことを素直に受けとめるまでになっているかの実験。これも由佳に実行させる。少し考えたら、保健委員が触診なんかできる筈はないのだが、そう言うことに疑念すら持たないレベルにまで達しているようだ。あのタイプの、生真面目で明るい性格の教師は自分の受け持つ生徒の言うことは信用したがる傾向が強いのはよく見られることだが、どうやら、実行した由佳にもこの方面の才能があるようだ。今後も役に立ってくれるだろう。
 後は、フェラチオやアナルセックスなど、様々な性行為を検診や投薬と認識させてみる。結果、対象は全てこちらの思い通りに認識している事を確認した。
 それにしても、実験対象はあの年齢で、今までそういう行為をしたことがない訳でもないだろうに、完全に性行為を検診だと認識しているようだ。それなら性行為はどうするんだと一度聞いてみたい気もするが、この実験結果は面白いのでしばらくこのまま放っておく事にする。

 20XX年、7月4日。竜泉寺岳夫。

 
 
< 終 >


 

 

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