邪剣士帖


 

 

其の二 双華繚乱


 美濃部狂八は遊女屋の帰り、ホクホク顔で通りを歩いていた。
(いや〜大した金になったな〜)
 相好を崩しながら七十宝(約二千万円)が入った財布を撫でている。昨日、仇討ちに来た女を思う存分楽しんだ後、売り飛ばしたのである。
(まああの器量で色狂いになったんだ、当然と言えば当然だな)
 笑いが止まらないとはこの事だろう。気に入った女を散々に犯し、飽きたら売り飛ばす。
(何で今まで気付かなかったんだ?これが俺の天職なんじゃねえか?) 
 無論、ちゃんと訳はある。今まで仇討ちを挑んで来た女がいなかったのである。おまけにどんな卑劣な手段で相手を倒すか、の点にかまけていてそこまで頭が働かなかった。
(金に困ったらまたやろう・・・)
 そんな武士の風上にもおけないコイツの事を人は軽蔑を込め、邪剣士と呼ぶ。そう言われて喜んでいるあたり、まだ悪代官の方がマシである。
「ん?」
 何か前に人だかりが出来て、随分と騒がしい。
「喧嘩かな?俺も混ぜてもらおう」
 コイツが仲裁に入る訳がない。もし、そんな事をすれば世界は破滅するだろう。
「どけどけどけ」
 あくまでも人ごみを押しのけながら、狂八は突き進む。やがて、最前列に辿り着くと四人の武士が険悪な雰囲気で向かい合っていた。
「もっとやれ!もっとやれ!」
 喧嘩最中の武士達に大声で声を掛けるのはこの男くらいだろう。案の定、
「何だ貴様は?」
 次なる標的にされた。
「見物人だよ、早く喧嘩しろよ」
 あまりにも露骨な催促に一同は呆れ返ってしまう。
「何だ貴様は?見世物ではないぞ!」
 当然の如く四人とも激昂するが、狂八は至って涼しい顔で
「天下の公道でする方が悪い」
 そう言いつつ手をひらひらさせた。
「見られたくないハズカシガリヤさんなら、さっさと消えろ。うっとおしいから」
 その言葉を聞くや否や、四人からゴムが切れるような音が聞こえた。
「貴様あっ!死にたいらしいなっ!」
「たかが浪人風情が・・・」
 各々、口汚く喚きながら抜刀する。
「みっともない理由で喧嘩してたクセに」
 余裕たっぷりに狂八は肩を竦ませる。
「何だと!?」
 貧血を起こしかねない程、激怒しているのが三人、意外にも少しは冷静なのが一人いる。
「だってアレが原因だろ?」
 狂八が示した先には姉妹と思える美しい二人の娘が震えていた。喧嘩に気をとられていたので、狂八といえどすぐに気付かなかった。
「痴話喧嘩で武士が大立ち回りとはねえ・・・」
 しみじみと言う狂八。美人姉妹を巡って醜い争いに発展した事くらいは誰でもすぐに分かる。もっとも狂八のことを知る人間なら
「お前にだけは言われたくない」
 と言うところであろうが。
「やかましい!」
「恥ずかしくないのか?こんな大勢の前で?」
 そう言われて初めて気がついたらしく、辺りを見回す。
「くそっ!」
 流石にきまりが悪くなったのか、四人は人垣を押しのけて足早に去って行った。
「どうも有り難うございました」
 喧嘩があっさり終わって安堵と落胆が半々の表情を浮かべつつ、人々が散った後で姉らしき方が声を掛けてきた。
「別にいいって。助けた結果になっただけだし」
 本心を正直に言いながら、二人を見る。
(おぉ〜)
 二人とも痴話喧嘩の対象となるだけあって、かなりレベルが高い。どちらも白くて艶やかな肌をしており、たおやか印象を受ける。妹の方はまだあどけなさが残っているが、腰
や尻のラインはもう大人だ。
「お礼をしたいのですが・・・」
 昨日の女(既に名は忘れている)と同じかそれ以上の二人。
「二人の家は?例の四人が待ち伏せしているかもしれないし」
 その言葉にちょっと顔を青くしながらも、
「こちらです」
 意外としっかりした声を出した。

 眉目秀麗な姉妹の後へ続いた狂八は、やがて人里から離れた一軒のそこそこ広い家に着いた。
「此処か?」
「はい。ここで祖父と三人暮らしをしているんです」
(そりゃ色々と好都合だな・・・)
 邪魔する者もおらず、自分の事を信頼しきっているエモノ。
「お茶でも出すので・・・」
 そう言って中へと連れ立って入る。
(ふ〜ん・・・あばら屋かと思いきや・・・)
 中は結構しっかりとしている。屋根に穴が開いている、なんて事もない。
「ところで二人の名前は?」
「あ・・・ご無礼をお許しください」
 慌てて二人は名乗った。
(姉がお袖、妹がお紺か・・・)
 狂八は送り狼になった気分で二人分からないように舌なめずりをする。
「じゃあ二人共、動くなよ」
 言うや否やお袖に抱きついた。
「きゃあ!?何をなさるのです!」
 当然の抗議を完全に無視し、押し倒す。
(黙れ)
 と『エモノの体』に指令を飛ばした後、脚を開かせる。お袖は信用した男に襲われた事と、叫ぼうにも口が動かないという事に恐怖している。
「お〜」
 と裾が捲れて露になった白い太腿に下品な賛辞を送る。お紺は体が動かない上に、完全に混乱してしまい、突っ立っている事しか出来ない。
 狂八はいきなり秘所に吸い付いた。
「あ・・・」
 寸前に呪縛を解かれたお袖はかすかにだが声をもらす。
(生娘じゃねえな・・・)
 そうと分かれば話は早いとばかりに激しい責めに出る。ワザと音を立てて舐め、お袖の羞恥を煽る。
「んっ・・・」
 クリトリスを舌で突っつき、膣の中に舌を差し入れ淫らに動かす。
「うん・・・」 
 堪えようとしても声がもれてるのと同じように、女の体も火照ってくるのを抑えきれなくなる。秘所に液体が溢れ始め、腰もくねり出す。
「感じてるんじゃないか?」
 その問いに首を振りながらも、狂八が指をいれると
「あぁ〜・・・」
 と声を出した。あらかじめ、感度を上げておいた所為で感じやすくなっている。
「いいか?」
 指をワザと止めて聞く。
「い、いけません・・・」
 お袖は喘ぎながらそう言うのがやっとだった。
「何?イケない?そうか、イキたかったんだな」
 指を今度は二本いれる。
「ち、違う・・・あぁ・・・」
 意思に反して体は勝手に感じる。ほとんど強制的に快楽を送りつけられているのだが、狂八の力と技によって抵抗など全く出来ない。
「嫌なのは妹が見てるからか?」
 怯えた顔をしたお紺の方を見る。
「んっ・・・あ・・・あ・・・」
 十分に濡れている事を確認すると、一気に貫いた。
「あっ・・・あっ・・・あっ・・・」
 激しく奥を打ち付けると、なりふりにかまってられなくなったお袖もよがり声をあげる。
「あ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
 イク寸前で責めるのを止められ、お袖は不満そうな声を出した。
「イカせて欲しいのか?うん?」
「う・・・」
 軽く突かれ、焦らされ葛藤に陥る。
「止めようか?ア〜ン?」
 刺激を与えつつ意地悪い質問をする。お紺の事もあって、苦慮してるっぽい顔を見てニヤニヤしている。
「お・・・お願いします・・・」
 その言葉に満足げな笑みを浮かべるが、容赦はしない。
「何をかな〜?」
「そ、それは・・・」
「言わないって事は止めていいんだな?」
 棒を半分抜く。
「ぁぁ・・・つ、突いて下さい」
「何処を?」
「アソコを・・・」
「何処それ」
「うぅ・・・」
 泣きそうな顔になるお袖。
「私のオ○ンコを貴方のペニスで・・・」
 消え入りそうな声で言う。
「じゃあ最初から」
 どこまでもヤな奴だ。
「貴方のペニスで私のオ○ンコを突いて下さい・・・」
 もうヤケクソなのだろう。が、
「妹が見てる前でそんな事を言うなんて、とんでもない淫乱女だな」
 自分が言わせたクセに、さも呆れたという顔つきになる。どこまでも外道だ。
「まぁゴホウビをやろう」
「ああーっ」
 待ち望んだ物を与えられ、お袖は悦びの声をあげて仰け反った。焦らされた上に激しく何度も突かれ、たちまち達してしまう。
「あっ、あっ・・・だ、だめ・・・イク〜っ」
 絶叫しながら力尽き、ぐたりとなったお袖をあっさり放し震えている妹の方を向く。
「さてと・・・め○んでぃっしゅといくか」
「ひ・・・」
 全身を強張らせるお紺との距離をあっさりと詰めて帯をほどいた。
「よいではないか、な〜んてな」
 サムイギャグを連発しながら、お紺を組み敷いた。
「そんなに怖がるなよ、ちゃんと気持ち良くしてやるから」
 そう言いつつ太腿を舐める。きめ細かい肌を舌で愉しみながら、クリトリスをつまむ。
「い、いや・・・ぁ・・・ああ・・・」
 未知の感覚に戸惑いつつも、必死に拒もうとする。
(嫌・・・いや・・・い・・・や・・・ぁ・・・あ・・・)
 体の動きを封じられ、経験した事もない快感に襲われてお紺は錯乱状態になる。
「嫌?すでに濡れているのにか?」
 狂八の言葉通り、秘所はしっとりと濡れている。
「姉が抱かれているのを見て濡れたのか?変態姉妹だな」
「ち・・・違う・・・」 
 必死に快感と戦いながら、答える。
「どこが違う?」
 と指で撫でると、ピチャッと音がする。
「う・・・」
(イジメるのはこのくらいにしておくか・・・)
 狂八は【全人未踏の聖域】へと口をつける。
「うん・・・」
 お紺は声を堪えるのも出来なくなってきている。 
「あ・・・あっ・・・あっ・・・」
 という声とピチャピチャという音のハーモニーが安閑とした家に響く。十二分に柔らかい肌と甘い液を堪能すると、固くなった欲望の塊をブチ込んだ。
 ズブズブと音を立て侵入した棒は最後の砦を抵抗をあっさりと破った。
「あ〜」
 思わず声を出して仰け反ったお紺だったが、痛みはまるでなかった。
「ぐ・・・」
 予想以上に強い締め付けに狂八は呻き声をもらす。動く前にお紺の体を全裸に剥く。
「ほぉ・・・」
 顔と同じくあどけなさが残り、お世辞にも豊満とは言えない体だが、着物を着ていた時以上に腰や尻のラインは魅惑的だった。
「くくくく・・・思った以上に上玉だな」
 つくづく昨日の女(しつこいようだが名前は彼の記憶に残ってない)以上のエモノだ。 
 取り合えず正常位に戻り、貫く。
「ああん・・・」
 艶かしい声を出した。既に体の方は受け入れ態勢だ。
「いいのか・・・?」
 自分もじっくり味わっている為、声もゆっくりになる。
「うんっ・・・いい・・・」
 その一言で呪縛を解き、一気に突き始める。
「あんっ・・・あんっ・・・あんっ・・・」
 まだ声を出さないようにしようと、無意識での働きがあるが明らかに悦んでいる。
「全く・・・とんでもないスケベだな」
 余裕があるような発言だが、実際はグイグイと締め付けられ、妖しい膣内の動きに爆発寸前になっている。
「出すぞ・・・!」
「イ・・・イク・・・」
 見事なまでに同時に達した。
「くくく・・・」
 不気味な笑い声を発しながら棒を取り出した。
「今度はさんぴ〜だな」
 三人しかいない家で狂八は宣言した。


「何時になったら出てきやがる!?」
 狂八が指摘した通り、四人は既に家の近くまで来ていた。後を尾けてきてから、既に二時間は経過している。
「オイ、出てきたぞ!」
 仲間の声で他の者の視線も例の家に集まる。狂八という共通の敵を得た事により、今の彼等は一つにまとまっていた。狂八は一人で出て来た。
「行くか」
「おう!」
 たちまち四人に囲まれた狂八は満足げな顔から不敵な笑みに変わる。
「恋の鞘当てってやつか?見苦しいね〜」
「貴様!」
 元々好戦的な連中はあっさりと抜刀するが、狂八は笑いながらそれを制した。
「場所を変えようぜ」
 そう言って荒野の方へと歩いていく。つくやいなや狂八は抜刀した。
「嫉妬に狂ったおバカさん、かかって来い」
 嘲弄するかのような言葉に、四人は同時に抜刀して襲い掛かってくる。間違っても一人が斬りかかり、その他は待っているなんて事は無い。
「いやあーーーーー」
 同時に似た声を出し、同時に飛び掛る。その四人に対して狂八は唾を吐きかけた。
「!!」
 反射的に後ろに飛んだ一人に短刀を投げつけて倒した。
「き、貴様あ・・・」
「卑怯な・・・」
 子供レベルの卑劣な技に残った三人は思わず抗議の声をあげる。それを聞いた狂八は
嬉しそうな顔になる。
「くっくっく・・・結局誰でもおんなじだなぁ・・・。卑怯?バッカじゃねえか?殺し合いに卑怯もクソもあるかよ。第一、卑怯なんて俺にとっちゃ褒め言葉だぜ?」
「!!そうか・・・貴様が噂の『邪剣士』だな?」
「何?じゃあコイツがあの『卑劣王』美濃部・・・」
 驚き納得したと言わんばかりの連中に対し、
「へぇ・・・そんな呼び方もあるのか。光栄だねえ」
 単純に喜んでいる狂八。彼は卑怯大好き人間であった。
「んじゃあ行くぜ?」
 珍しく、自分から攻撃を仕掛ける。キイィィンと右手だけで振り下ろした刀はあっさりと受け止められる。
「ふん・・・やはりこの程度か」
 相手はそう言うと両手と片手の力の差を利用し、刀を押し返す。完全に狂八が劣勢になったところで、左手で持っていた小石を相手の額に投げつけた。ゴンと鈍い音がし
「う・・・」
 と相手がよろめいた。その隙に刀を胸に突き刺した。
「これで後二人だな・・・」
「おのれぇ!どこまでも卑劣な奴!」
「・・・単純と言うか、ぼきゃぶらりーが足りんと言うか・・・」
 分かってはいても呆れてしまう狂八であった。

 
 


 忘れられてるかなぁと思いつつ久し振りに書きました。今回は自分にしては某シーンが長いなあと。これくらいで丁度いいんでしょうか・・・。
 書いてて焦らすのが好きなんだなあと再認識。焦らした方が快感は増幅するという先入観から抜けれないんです。
 時代劇って若年層(十〜三十くらい?)に人気ないんでしょうか・・・正直今のドラマより戦国時代とか、三国志とかの方はよっぽどドラマ性があって面白いと思うんですが。
 それとも単に江戸時代が人気ないだけとか?


 

 

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