女子能力開発研究所


 

 



――ふう〜

 俺は嫌がる彩美を何とか浴室に押し込めると大きくため息をついた。だがまだ油断は出来ない。俺はスリガラスの向こうの我が娘がちゃんと脱衣するところを確かめるため、外で見張っていなければならない。彩美がいわゆる「引きこもり」状態になってからもう半年以上たつ。初めは朝学校に行く時間におなかが痛いと言ってしぶるようになり、そのうちどんどん行動範囲が狭まって、今では24時間自分の部屋にこもってトイレと風呂以外は姿を現さない。放っておくと入浴もしたがらないので、1週間に一度は必ず風呂に入るようにと半ば強制的に約束させたのだ。

「彩美、早く風呂に入りなさい。パパはここで見張ってるからな」

 案の定脱衣する気配のない彩美に焦れた俺は声を掛けた。つい大声で怒鳴りたくなる衝動を覚えたが、カウンセラーの言葉を思い出して努めて冷静に言葉を選んだつもりだ。

――焦ってはいけませんよ、田中さん。彩美さんのような大人しい子供さんは、親から強く当たられると却って自分の殻に閉じこもってしまい、取り返しの付かないことになってしまう危険があります。ここはじっくり本人の成長を待ち、長い目で見守ってあげて下さい……

 彩美が不登校になったのは高校に入学して半年ほどたった頃だった。担任の話では、いじめなど学校生活における問題はないはずだと言う。その頃まだ俺には口を利いていた彩美も、学校が嫌なわけではないと繰り返し言っていた。でも、どうしても朝腹痛が起こってしまうのだ、と。学校から紹介された専門機関のカウンセラーの男によれば、よくある典型的な不登校・引きこもりの症状だそうだ。思春期に特有のことらしく、焦っても特効薬はないし、時間が解決してくれるのを待つのが一番だと言う。

――くそ! こんな調子でいつまで待ってやればいいんだ……

 欠席がかさみこのままでは落第するぞ、と言っても彩美の不登校は一向に改善されなかった。それどころか部屋に引きこもるようになり、俺にさえほとんど口を利かなくなってしまった。カウンセラーの言葉通り待ってやるのは良いが、俺の目には彩美の症状は悪化の一途を辿っているように見えた。

 部屋にこもった初めの頃はまだケイタイを弄ったり、雑誌を読んだりしていたようだが、今はただ無気力に何をするでもなく無為な時間を過ごしている。朝と夜の食事は俺が差し入れてやっているが、朝のトーストは食べたり食べなかったり。夜はコンビニ弁当だ。父子家庭なので仕方ない。中学生の頃はたいてい彩美が夕食を作ってくれたのだが。

 どうも食べることだけが楽しみらしく、俺は彩美が朝筆談で希望を寄越すお菓子類と弁当を買って帰り黙って差し入れるのだ。朝になりトーストと飲み物を運んでやる時、夜の食べ物がなくなっているのを見て、俺はまだ彩美が生きていることを確認するようなものだ。色白でお人形さんみたいにかわいらしかったのに、今では髪はボサボサの伸び放題、風呂にもあまり入らないから、見るも無惨な姿に変わりつつある。だから最低の人間らしさを保つためにも、週1回の入浴だけは譲れないと思っている。

――お、観念したか……

 俺の願いが通じたか、ようやくスリガラスの向こうの彩美が着た切りスズメのホームウェアを脱ぎ始めたようだ。下着を脱いでいるらしき様子が目に痛い。

――俺は一体何を考えてるんだ。引きこもりの娘を入浴させるため見張ってるだけなんだぞ……

 スリガラス越しの娘の脱衣の目視で股間を固くしてしまった俺は自責の念にかられた。血の繋がった、それも引きこもりでバケモノ化しつつある実の娘に欲情するなんて、我ながら鬼畜だ。いや鬼畜ではない。ごく自然な感情だとは思う。

 俺は生来大の女好きだ。彩美と良く似た、色白でスレンダーな美人と結婚し1男1女をもうけたのはいいが、女好きがたたっての浮気が発覚し、彼女から三行半を突き付けられたのが5年ほど前のことだ。実の所三度目だったから、さすがの彼女も堪忍袋の緒が切れたのだろう。子供たちを引き取って別れたい、と言われた。

 彼女はナースで、しがないサラリーマンの俺より経済力もある。だから2人の子を両方寄越せと言ったのだ。俺も自分の不始末が原因だし、わずかの養育費を払って子供たちの親権を彼女に渡すことに同意しようと思った。ところが驚くべきことに、当時小学校高学年だった妹の彩美は、パパの方がいい、と俺と暮らすことを望んでくれたのだ。確かに彩美は俺によくなついていたが、まさか母親より女癖の悪いボンクラな父親を選んでくれるなんて思ってもいなかったので、俺はとても感激した。だから俺なりに改心して、父子家庭でも彩美が寂しがらないよう毎晩早めに帰宅し、娘を大切にかわいがって育てて来たつもりだ。 

 その甲斐あってか、彩美は中学まで何も言うことのない素直な良い子だった。学校でも優等生だし、ボンクラな俺の替わりに家事までこなしてくれた。おまけに彩美は親のひいき目を差し引いても、本当に絵に描いたような美少女だ。俺は内向的で大人しい彩美を猫かわいがりし、いつしか実の娘にけしからぬ感情を抱くようになっていた。

「彩美、入るぞー!」

 俺は脱衣した彩美が浴室に入ったのを確認すると、大声でそう呼び掛けて脱衣所に入った。もちろん浴室に入ろうなどと言う不埒な目的ではない。それが出来たらどんなに幸せだろうとは思ったが。彩美が上がった時のために下着などの着替えを用意して置き、同時に1週間着衣を続けた服を没収してしまうためだ。ここまでしないと、今の彩美はいつまでも着替えようとさえしないのだ。俺はスリガラスの向こうで物音1つさせずに入浴している彩美のシルエットに、ますます良からぬ興奮を覚えながら、出来るだけ早く作業を終え彼女の下着とホームウェアを抱えて脱衣所を出た。

 自分が入浴しているすぐ外で、実の父親が1週間の汚れが染み付いた下着などを持って出るのに当然気付いているであろう彩美は、一体どんな思いでいるのだろうか。シルエットの愛娘は物音1つ立てずただ湯船に浸かっているだけで、彼女の気持ちは何1つうかがい知ることは出来ない。せっかく1週間ぶりの入浴だと言うのに体を洗う様子のまるでない彩美は、恐らく次に俺が声を掛けるまでそのままじっとしているのだろう。無気力な娘の行動を予測した俺はぬる目の湯を張っているので、逆上せたり反対にかぜを引いたりすることはないと思うが。

――彩美の体を洗ってやりたい……

 もちろん人の親としてそんなことが出来るわけはないが、俺はどうしてもそれを想像してしまい、浴室から離れる途中で情けないほど興奮して股間を手で抑えていた。彩美が完全な引きこもり状態になってもう数ヶ月。恐らく垢とぜい肉にまみれた娘の体中を優しく洗い流して、真っ白な博多人形のようだった美少女の姿に戻してやるのだ。

 今外界との接触を拒み、唯一俺にだけ心を許している彩美は、俺が部屋に入っても壊れた人形のように無感動無反応だ。正直に言おう。俺はそんな彩美を見ていると襲ってやりたいと言う強烈な衝動に駆られて怖くなり、いつまでも娘の側にいることが出来ないのだ。今一糸まとわぬ姿で湯船に浸かっている彩美は、俺が浴室にちん入してもなお無反応でいるだろうか? そしてそんな無反応な彼女をいいことに、父親として体を洗い流してやることは許されない行為だろうか?

――何をバカなことを考えているんだ。 彩美の心を壊してしまうつもりか?

 俺は危うくそんな危険な衝動に押し流されそうになる自分を、何とか理性で抑え込もうとした。引きこもって他人から心を閉ざしている少女に性的な悪戯を加えれば、さらに彼女の心を傷付けてしまうのは間違いない。それも仮にも実の父親からとなれば、一生消えないほどのトラウマを負わせてしまうであろうことは、俺にも十分理解出来ることだ。

 だが今全身に横溢する狂いたちそうに凶暴な欲情の嵐をどう発散すれば良いのか。俺は玄関に置いてある洗濯機まで彩美の脱いだ衣服を運ぶと、しゃがみ込んでズボンを下ろし爆発しそうな脈動を示している欲望の塊を摘み出す。そして引きこもる前から着用していた彩美の白いパンツを手に取ると、染みがベットリと付着し茶色くなった布地をクンクンかぎながら自慰行為を始めてしまった。

――臭い……これが彩美の生きている証か……

 あっと言う間に訪れた股間の爆発に、俺は慌てて手にした彩美のパンツで白濁液を受け止めた。

――すまない、彩美……

 俺は娘に心の中で頭を下げながら残り滓までそのパンツで拭き取ってしまい、他の衣類と一緒に放り込んで全自動洗濯機のスイッチを入れる。凄まじい罪悪感と自己嫌悪に陥りながら廊下を引き返す俺はしかし、まだ一向に衰えぬ股間をいきり勃てていた。そしてこの機会に掃除してやろうと、彩美の引きこもっている部屋に入り込む。

――な、何だ、この異臭は……

 部屋に入るなり男にとっては過酷な、女の臭いが鼻を刺激した。引きこもりの娘などを持たなければ、一生馴染みになることもなかったであろう、汚穢に満ちた悪臭だ。掃除をしてやるなどと言ったが、何の活動もしていない彩美は部屋を汚すこともない。食べ物や菓子の包み紙などは部屋の隅のごみ箱に捨てている。だがこの悪臭はその箱が発生源だ。俺は何と言う変態野郎だと自分を責めながら、彩美に対する募る思いを発散出来ず夢中でごみ箱を漁る。あった。彩美が使った生理用品だ。

――お前がこんなど変態の父親だから、彩美はこんなになってしまったんだ……

 俺はやり場のない怒りを自分にぶつけながら、自棄になったように彩美の生理血の臭いを嗅ぎ舌で舐めながら、なおも変態丸出しの自慰行為に耽った。そして2発目と言うのに驚くべき量の精液を、彩美の使用済みナプキンでぬぐい取り、彼女の血で亀頭を汚して倒錯気分を味わってしまう。

 その時だった。俺がケイタイから呼び出しを受けたのは。

「田中さん! 彩美さんのご様子はいかがでしょうか?」
「どうもこうもありませんよ。相変わらずです」

 掛けて来たのは誰あろう和田さんだった。俺と同じ父子家庭で、その娘も同級生と言うことで、ずっと家族ぐるみの付き合いをしている男性である。そしてその娘が高校に入学してからドロップアウトし掛けている、と言う共通の悩みまで抱えて、お互いに連絡を取り合い励まし合っている仲だ。俺は彩美の部屋で彼女が使用した生理用品を漁り自慰に耽ると言う狂気じみた行為から、正気に戻されたようでハッとした。こんな状況だから、いつもは湿っぽいグチを言い慰め合っている和田さんが、今日の口調は妙に明るく興奮しているようだった。

――そうだ。和田さんは娘の奈津子さんを矯正施設に入れたとか言ってたな

「奈津子さんは……」
「それなんですよ! 今日施設から戻って来たんですが、もうビックリなんですよ、これが!」

 どうやら奈津子さんが更生されて帰って来たらしい。俺が「更生」と言う言葉を使うのは悪いと思い少し黙っていると、興奮仕切りな様子の和田さんは1人で話し始めた。

「私も半信半疑で金をドブに捨てるつもりだったんですが、奈津子がまるで別人になってくれたんですよ! ホントにもう信じられません! 思い切って預けてみて正解でした、奈津子がこんな、立派になって……」
「それは良かったですね。おめでとうございます」

 何と和田さんはここで涙声になり、言葉に詰まってしまった。和田さんは俺より少し年下で、体育会系でガタイがデカいだけが取り柄の俺と対照的に小柄で優しそうな人だが、涙まで見せるとはよっぽど嬉しくて感激しているのに違いない。俺は素直に祝福する気持ちになって言葉を掛け、彼との会話を続けた。奈津子さんは違う高校だが、引きこもりの彩美と違い、悪い不良仲間と付き合うようになって生活が乱れ家出したり学校にも行かなくなり、彩美と同じく1年生で留年して新学年を迎えてしまったのだ。俺も何度か奈津子さんを見掛けたことがあるが、髪を妙な色に染めて下品な厚化粧を施し、制服をひどくだらしなく着崩した完璧なヤンキー娘になっていて、快活で感じの良い子だった彼女のあまりの変わりように驚かされたものだ。

 奈津子さんはついに警察沙汰にまでなり、退学処分になるのも時間の問題となって、困り果てた和田さんは、わらをもすがるつもりで人伝に紹介されたその「施設」に彼女を強制的に入れたのだそうだ。そして親元を離れて寝泊まりし1か月間の矯正教育を受けた結果、奈津子さんは生まれ変わり前以上に素晴らしい娘さんになって、和田さんの元に帰って来たのだ。

「電話口でいくらお話してもおわかりにならないでしょうから、今度うちに来て頂けませんか?」

 和田さんはそう俺に誘いを掛けると電話を切った。しょっちゅう家を出て遊び歩き警察のお世話にまでなったヤンキー娘の変わりようを、俺に自分の目で確かめろと言うことだろうか。和田さんは俺なんかと違ってとても誠実な苦労人で、軽々しく冗談を叩くような人ではない。俺は彩美の使用済み生理用品を処理しながら、俄然興味がわいて来た。

――しまった。かなり時間がたってしまったな……

 彩美を風呂の中に放置して、すでに1時間以上経過していた。俺が慌てて浴室に戻ると、彩美はやはり物音1つたてず浴槽に浸かっており、何の変化もない。下手すると明日の朝まで一晩中でもじっとしているのではなかろうか。俺はこんな無気力で生気の感じられない状態に陥って一向に出口の見えないわが娘の行末を案じ、一縷の望みを抱いて和田さんの家を訪問する決意を固めていた。 

「失礼します。父がいつもお世話になっております」

 数日後さっそく訪れてみた和田さんが暮らすマンションで、茶菓子を運びそう礼儀正しく三つ指を突いて挨拶するブレザーの制服姿の少女を見て、俺はハンマーで頭を殴られたような衝撃を受けた。

――これ、本当に奈津子さんなのか……

 和田さんから話を聞いてはいたが、どこからどう見ても良い所のお嬢さんみたいな奈津子さんは、パツキンのヤンキー娘と同一人物とはとても思えない。それに小学校時からよく知っている、明るく活発で人見知りしない奈津子さんとも違う。

「こんにちは。あの……なっちゃん、でいいのかな?」
「はい。もちろんそう呼んで頂いて結構です」

 和田さんとは家族ぐるみの付き合いをしており、お互いの娘が道を踏み外してしまう前は、よく見知った仲である。奈津子さんは皆からなっちゃんと呼ばれる人気者で、俺もそう呼ばせてもらっていた。あんまり美人ではないが、陽に焼けてコロコロと良く笑う奈津子さんは、内向的で人見知りする彩美とはまるで正反対だ。だが今俺の目の前で妙に羞ずかしそうに頬を染め、落ち着いた口調で話す奈津子さんは、とても大人びてドキッとするほどの色気さえ感じさせる。そんな奈津子さんを見たことなどない俺の方が情けないことにドギマギしてしまい、じっと黙って彼女に見とれてしまう始末だった。

「いかがですか、田中さん」
「はい……正直言って驚きました」

 和田さんがゆっくりとそう言う口調は誇らしげと言うより心底嬉しそうだった。そしてバカみたいに呆然としている俺に向かって、突然完璧なお嬢様に変身した感じの奈津子さんが、聞いたこともない言葉使いで話し掛けて来る。

「そうだろうと思いますわ。私は研究所の方がたのおかげで、生まれ変わらせて頂いたんです。ところで、おじさまの方はお変わりございませんでしょうか?」

 俺は「なっちゃん」に「彩美ちゃんパパ」と呼ばれていたので、「おじさま」などと呼ばれて一寸参ってしまった。そして困ったことに、彼女に対して覚えるゾクゾクするような胸騒ぎがますます強まり、何と股間が張り切って来てしまったのである。娘の彩美に続き奈津子さんにまで欲情してしまうとは、我ながら俺の女好きも呆れたものだ。もっとも奈津子さんに対して「女」を感じたことは、これまでに一度もない。

「あ、いや、相変わらずですよ」
「彩美さんは……」
「これ奈津子」
「これは大変失礼致しました。ご無礼をお許し下さいませ」

 もちろん奈津子さんも彩美が引きこもって学校に行ってないことを知っている。だが余計な詮索をするなと和田さんに注意された奈津子さんに深々と頭を下げられて、こちらの方が申し訳ない気持ちになった。

「あ、いや、いいんですよ。彩美は相変わらず部屋にこもっています」
「それはおじさまも大変ご心配なことでしょう」
「はあ……恐れ入ります」

 一体どういう教育を受けたらここまで成長するのだろうか。奈津子さんの言葉は同級生を心配する高校生と言うより、立派な大人の発言だった。俺は少し混乱して来て、娘の同級生に対して恐縮し頭を下げてしまった。

「お父様、ぜひおじさまに研究所を紹介してあげて下さい」
「そ、そうだね……あの、差し出がましいようですが、奈津子もこう申しておりますし……」

 何と言うことだ。父親を含む大の大人2人を前にして、更生したばかりの高校生である奈津子さんが、完全に話の主導権を握っていた。奈津子さんと和田さんの話によると、その施設の正式名称は「女子能力開発研究所」。社会に出る前にドロップアウトしてしまった少女を教育し立ち直らせるためのものだと言う。要するに奈津子さんや彩美のような少女が対象だ。

「効果のほどは奈津子をご覧になればおわかりでしょう」
「そうですね……」

 和田さんにダメ押しのようにそう言われた俺はもちろん頷くよりなかった。こんな立派に更生されるのなら、日本中の不良娘をとっつかまえて、その「研究所」に入所させれば良いと思ったくらいだ。

「ただ、彩美は引きこもりですし……」
「心配ありませんわ、おじさま。研究所は引きこもりの方もたくさん預かっておられました。恐らくどんな女性でも、前非を悔いてあるべき姿に戻して頂けるものと、私は確信しております」

――一体、どこからその自信が来るんだ……

 まるで「研究所」のスポークスマンみたいなしゃべりになって来た奈津子さんに、俺は逆に疑念を抱いてしまう。ところが俺が質問すると、奈津子さんは不自然なくらい羞ずかしそうに目を伏せ口ごもってしまったのである。

「研究所ではどんなことをするのですか?」
「それは……絶対に口外してはならないことになっておりますので……」

 急に詰まってしまった娘を助けるかのように、和田さんが口を挟んだ。

「あの、もし興味がおありでしたら、事前に施設を見学すれば良いですから」
「わかりました」

 俺は奈津子さんがかわいそうになってアッサリそう言ったのだが、この後驚天動地の事態が待ちかまえていたのである。和田さんが、急に人見知りの羞ずかしがり屋になったような奈津子さんに言った。

「奈津子、研究所の内部は口外出来ないけど、お前がどんな素晴らしい女性になったのか、田中さんに教えて差し上げなさい」
「おじさまに……はい、承知致しました」
「田中さん。とても驚かれると思いますが、よろしいでしょうか?」

――な、何だ。俺はもう十分驚いてるぞ……

 どう返事して良いかわからず戸惑うばかりの俺は、奈津子さんの言葉を聞いてぶっ倒れそうになった。

「おじさま。奈津子にご奉仕させて下さいませ」
「田中さんお願いします。奈津子に奉仕させて、お情けをやって頂けませんか?」

「ご奉仕」だの「お情け」だのと言う言葉は、俺にはすぐにピンと来る。なぜなら俺と和田さんには、大の女好きでSMに興味があると言う共通項があって、一緒にその筋の店でプレイを楽しんだ仲だからだ。俺たちが知り合ったのは小学校高学年だった彩美を引き取ることになり最初の保護者参観日。ここぞとばかりに着飾ったお母さん方の中で俺は非常に居心地の悪い思いをしていた。それまでなら当然お母さん連中の品定めでもしていただろうが、何せ浮気で離婚して彩美のために心を入れ替える決心をしていた頃である。絶対そんな不道徳なことは考えぬようにと思った俺は、もう1人女性に囲まれてやはりバツが悪そうにしていた男性に話し掛け、それが和田さんだったのである。

 父と娘1人と言う同じ境遇であることがわかった俺たちはすぐに意気投合した。三度目の浮気が原因で妻に去られた俺と違い、和田さんは実に気の毒な事情だった。女好きではあるが気弱で女性との付き合いが苦手と言う彼は、職場で先輩の女性の方からアプローチされて関係を持ってしまったのだが、その女性は何とバツ1で子供まで連れていたのである。それでも心優しい和田さんは彼女のプロポーズを受け入れて結婚した。ところがその女性はひどい浮気性で、他に男を作って和田さんの元を去っていく。しかも和田さんの気がいいのを良いことに、自分の娘まで押し付けて。それが奈津子さんだったのだ。

 俺が、内気で友達を作るのが苦手なわが娘の友達になってくれるよう奈津子さんに頼むと、彼女は快く受け入れてくれ、おかげで彩美の交友関係は一気に広がった。彩美が小中学校まで楽しく充実した学校生活を送ることが出来たのは奈津子さんのおかげだと言って良い。そして父親同士もSM好きと言う共通の趣味がわかって、正に家族ぐるみで仲良く付き合って来たのである。

「おじさま。立って頂けますか?」
「お願いします」

 耳たぶまで真っ赤に染めて羞じらいを見せながら、ブレザー姿の奈津子さんが迫って来ると、俺は情けない小声を発して立ち上がる。

「おじさま、こんなになさってる……うれしい……ああ、奈津子にご奉仕させて……」
「すみませんね、田中さん。不器量な娘ですが……」

 和田さんはそんなことを言ったが、とんでもないことだ。「なっちゃん」は確かに色が浅黒く美人ではないが、愛嬌があってかわいらしい顔をしている。何より若い。俺はロリータ志向が強く、和田さんはそのため奈津子さんに制服を着せていたのではないか。立った俺の股間に正座した奈津子さんがズボンとパンツを下ろしてしまうと、すでに勃起してしまっていた俺のイチモツは、娘の同級生で顔なじみの少女に「ご奉仕」される喜びに彼女の柔らかい手の中凄い勢いでドクドクと脈動した。

「ううっ!」

 俺は奈津子さんの「ご奉仕」の口が肉棒に被さって来るなり、だらしなく呻いていた。俺の劣情をこよなく刺激するシチュエーションに、いきなり素晴らしい歓びが込み上げて来たのだ。俺が奈津子さんの、女学生らしく髪をショートに切りそろえた後頭部に両手を回すと、和田さんが彼女の背後にしゃがみ込んで来た。

「しっかりくわえたかい、奈津子。パパがお乳を揉んであげるから、お前は自分の指をアソコとアナルに入れてオナニーしなさい」

 すると奈津子さんはすぐに従い、片手を正座したスカートの中に潜らせ、もう片手は何と後ろからお尻の方に入れて行ったのである。和田さんは彼女の背後から服をはだけ、ノーブラだった乳房に両手を被せたようだ。何やら鼻声で呻いた奈津子さんは、メチャクチャに悩ましい情欲で溶け崩れたメスの表情で見やると、愛情のこもった粘っこい口使いで俺の劣情の塊をネットリとしゃぶり上げて来た。

――何て上手なんだ、奈津子さん……うう、も、もうダメだ、出ちまう……

 これも研究所の教育の成果なのだろうか。奈津子さんの口唇テクニックは高校生とは信じられない巧みなもので、あっと言う間に押し上げられた俺は、この歳になって恥ずかしいがコントロールが利かなくなって、彼女の口内にドッと「お情け」を吐き出してしまった。すると同時に奈津子さんは全身をビクビクとおののかせ、グッと背筋を反らせて呻く。

「よしよし、ちゃんと一緒にイケたんだね、いい子だ、奈津子……」

 相変わらず彼女のまだ膨らみ切っていない固そうな乳房を揉みながら和田さんが言う。俺としても射精と同時に奈津子さんが達してくれたのには大きな喜びを感じた。彼女は確かに、素晴らしい「女」である。そして奈津子さんは、俺が射精したペニスをくわえたまま、すみずみまで舐め取るべく舌と唇を這わせ、ゴクリと音までさせて飲み取ってくれた。

「では奈津子。田中さんにお前が汚したモノを進呈しなさい」

「お掃除フェラ」を終えた奈津子さんに和田さんがそう言うと、彼女は正座から腰を浮かして、何とはいていた白いパンツを脱ぎ取り、俺に恭しく差し出した。

「おじさま。奈津子のえっちなお汁が染み付いたパンツでございます。どうか受け取って下さいませ」
「ありがとう」

 和田さんは俺のそんなフェティッシュな趣味も良く知っているのだ。奈津子さんがオナニーで気をやって見事に汚し、納豆のような粘液が糸を引いている幼い感じの白パンツに、思わず俺はにおいを嗅いだり舐めたりしたいと言う衝動を覚えたが、何とか堪える。そして和田さんが言う。

「田中さん、まだまだ大丈夫そうですね」 

 一緒にSMクラブでプレイを楽しんだ仲なので、和田さんは俺の強精ぶりをよく知っている。奈津子さんと言う魅力的な若いメスに奉仕された俺の欲棒は、一発抜かれても収まるどころかむしろより硬度を増してそそり勃っていた。

「奈津子の尻を犯してやってくれませんか?」
「お尻なんか……いいのですか?」
「はい、奈津子はアナルの方が……奈津子、お前からもお願いしなさい」
「おじさま、奈津子のオシリにお情けを頂けませんでしょうか?」

――これは夢ではないのだろうか……

 あまりにもオイシ過ぎるシチュエーションに、俺はそう疑った。何を隠そう、俺はアナルセックスが大好きで、あの狭い場所に無理矢理押し入って強烈に締め付けられる感触が最高だと思っている。だが現実にアナルを許してくれる女には、なかなかお目に掛かれないものだ。もともと性交をする場所ではないので、ゆっくり時間と手間を掛けて開発しないとアナルセックス自体不可能なのである。嫌がる女に無理矢理押し入って体を損なってしまうのは最低だ。そう言う残虐なサディストの男もいるだろうが、俺は違う。女性に歓びを与えるのが男の本懐だと思っているのだ。

 ところがまだ年若い女子高生の奈津子さんが自らアナルセックスを俺に所望して、四つんばいになり制服のスカートに包まれた形の良さそうなお尻を高く上げて見せている。これはロリータ趣味の俺の夢が理想的な形で実現したようなものではないか。俺は夢なら醒めないでくれと古典的なフレーズを頭に浮かべながら、奈津子さんのスカートをめくり上げノーパンのお尻を獣のように後ろから貫いた。

「あ〜っ! おじさま、すてきです……ああ、気持ちいい……」

 奈津子さんが大声で悲鳴を上げるのでやはり痛いのかと思いきや、何とはしたなく快感を口にする彼女。こんな素晴らしいアナル開発も、研究所の仕業なのだろうか。

「奈津子、パパからもご褒美をやろう」
「ああ……お父様、奈津子にご奉仕させて下さい」

 そこで何と和田さんはズボンを下ろし、四つんばいでアナルを犯された歓びに打ち震える娘の顔の前に、ギンギンに力の漲るペニスを差し出した。すると奈津子さんも嬉しそうにパクリと父親のモノをくわえたのである。すると無関係な俺にも発揮した素晴らしい愛情に満ちた口技で、奈津子さんは和田さんを舐めしゃぶり頂上に導いていった。

「奈津子っ! 出すよ!」
「ふうんっっ!!」

――げ〜っ! な、何てスゲエ締め付けだ……うわあっ!

 和田さんはそんなにセックスが強い方ではなく、あっと言う間に射精が訪れたのだが、奈津子さんは父親に合わせて自分も絶頂に達しようとするのか、アナルに喰い締めた俺のペニスを物凄い力でギュッギュッと締め上げて来たのだ。そしてアッと思ったら、和田さん、奈津子さん、そして俺は三者ほぼ同時に思いを遂げていたのである。

――この子は素晴らしい! まるでセックスの女神だ……

 形としては大人の男2人が奈津子さんを責めているのだが、実質的には彼女が主導権を握って俺たちを一緒に天国に導いたのだ。俺は研究所が授けたと思われる奈津子さんの性能力に舌を巻き、魅力的な制服を着たままの女神様に心の中で素直に賛辞を送った。

 そしてだらしなく射精の余韻に浸っている俺たちに対し、奈津子さんは甲斐甲斐しく和田さんに「お掃除フェラ」を施すと共に、俺のナニをお尻で喰い締めたまま離してくれず、二度放出したのに俺はまだ狂ったように股間を猛らせていた。若い頃ならいざ知らず、50歳手前の俺としては信じ難い絶倫ぶりだ。まるで奈津子さんの若いエキスが俺まで若返らせてくれたようで、それは又俺よりセックスの弱い和田さんにもしっかり作用しているようだった。なぜなら奈津子さんが丁寧に精液を舐め取っている彼のペニスも、全く勢いの衰えを見せていないからである。

 父親の精液を飲み下した奈津子さんは、今度はハッキリと俺たちをリードし始めた。

「おじさま、奈津子のお尻を犯したままで仰向けになって頂けますか」

 文字にすればずいぶん冷静そうだが、奈津子さんも無論2度の絶頂の後で火のように熱く吐息を弾ませ、声もハスキーでメチャクチャに悩ましい。俺は言われるままに横になり、女の子としては大柄な奈津子さんの肉の重みをしっかり感じながら、素晴らしくよく締まるお尻の穴を堪能し続けていた。そして俺の上に重なった奈津子さんは、あろうことか自分で両脚を大きく開き和田さんを誘ったのである。

「お父様、来て下さい! 奈津子の恥知らずなおまんこに、お父様のモノをぶち込んでえっっ!!」
「奈津子おっっ!!」

 感極まって敬語でなく痴語をわめいた奈津子さんに、いつも穏やかな和田さんも冷静さを失い大声で彼女の名を呼びながら覆い被さって来た。まさかまさかのサンドイッチファックだ。奈津子さんはこんな過酷なセックスにも順応するようで、すっかりエキサイトし歓喜の言葉をわめき散らして乱れまくる。和田さんも凄い勢いで容赦ないストロークを娘のアソコに叩き込み、一番下で動けない俺も万力のような力で締め上げて来る奈津子さんのアナルに責められて何と三度目の天国に導かれていったのである。

 嵐のような狂乱の後、やはり俺たちは三者ほぼ同時に思いを遂げたのだが、前後の淫穴を責められた奈津子さんは口から泡を吹いて失神していた。そこで和田さんと俺は冷静になり、ゆっくりと彼女の体から怒張を引き抜いたのだが、それぞれの白濁液がダラリと奈津子さんの股間の前後に垂れている。俺はさすがに心配になって和田さんに言った。

「いいのですか?」
「ええ、奈津子はそれ、このように幸せな顔をして眠っていますよ」
「いえ、そうではなくて、中に出してしまいましたよね?」

 だが、和田さんの返事に俺は又もや驚かされた。

「いいんです。私は、その……奈津子と所帯を持つことになりましたので」

――はあ!? 一体どういうことだ……

 健全な常識人と思っていた和田さんの、娘と結婚すると言う信じられない言葉に、俺はどう反応して良いかわからず黙っていた。

「奈津子と私は、血の繋がった父娘ではありません」

 確かにそうだが、それにしても……ところが又もや驚くべきことに、この話は奈津子さんの方から持ち掛けられたのだと言う。

「研究所の方の話では、奈津子は強いマゾヒズム願望を隠しており、それが満たされないため非行に走っていたのだそうです」
「…… なるほど」

 ボソリと呟く俺の言葉は慄えていた。

「そしてさらに、彼女はこの私と結ばれて性的にイジメて欲しい、と強く願っていたのだと言うのです。私は帰って来た奈津子が求めるままに性交渉を持ち、彼女からのプロポーズを受け入れました。私は今、日本一の果報者だと思っています」
「それは……大変おめでとうございます」

 そんな夢のような話があって良いものだろうか。それまでは大変な厄介者だった娘が生まれ変わり、和田さんに性的な服従を望む理想的な女性として、30も年下の妻になると言うのだ。俺は目の前で快楽の極みに失神した奈津子さんを眩しそうに見つめる和田さんを祝福すると同時に、羨望の念を抱かずにはいられなかった。ブレザーの制服を着て股間に俺たちのザーメンを滴らせながら、幸福そうな寝顔で自失している奈津子さんの姿が、わが娘に重なって見えてしまう。

――彩美も満たされない性的願望を抱えて、あんなになってしまったんだろうか? だとすれば、彩美は俺に……

 自分勝手な妄想だが、どうしてもそう思ってしまう。だって彩美は幼い頃から内向的で男友達の1人もいなかったはずだし、今は他人との接触を拒み唯一接しているのが父親の俺なのだ。彼女が俺に性的なコンプレックスを抱えていると考えても不思議ではないだろう。

「いかがですか、田中さん。彩美さんも研究所に預けられては……」
「考えてみたいと思います」

 もう俺の気持ちは半ば固まっていた。こうして次の休日、俺は和田さんに案内されて「女子能力開発研究所」の見学に行くことにしたのである。

――え、ここは……

 和田さんに車で研究所まで案内された俺はビックリした。意外に近くです、とは言われていたが、まさか駅前の繁華街にあるなんて思ってもいなかったからだ。こんな街の中心部に「女子能力開発研究所」があるなんて聞いたこともない。

「ここって……伸々塾じゃないですか」

 しかも和田さんが車を駐めたのは、この街では大手の学習塾である。小学生から大学入試の受験生まで対象は幅広く、7階建てくらいの大きな建物だが、この中に矯正施設などがあるのだろうか? が、車を止めた和田さんは何度も口にした言葉を繰り返すばかりだった。

「きっと驚かれるだろうと思いますが、心を平静に保って、絶対に秘密厳守でお願いしますよ」

 あの素晴らしいM女に変身して帰ってきた奈津子さんから想像すれば、研究所の教育内容にいかがわしい性的なものが含まれることは間違いない。俺は休日で制服を着た学生たちがたくさん出入りしている伸々塾の入り口に向かいながら、一気に緊張が高まるのを感じていた。

 受付で和田さんが二言三言告げると、俺たちはすぐに「塾長室」と言う立派な部屋に案内された。

「これは和田さん、よくいらっしゃいました。その後奈津子さんのご様子はいかがでしょうか?」
「はい、もう何も申し分ありません。これも全て研究所のおかげです。本当にお世話になりまして、感謝の言葉もございません」

 塾長は俺たちと同年代かむしろ年下のようだったが、パリッとした高級感溢れるスーツを着こなした妙に眼光の鋭い男だった。学習塾を経営している教育者には見えなかったが、いかがわしい猥褻な事業に手を染めているようにはもっと見えない。俺はどことなく警察か自衛隊の関係者のようだと思ったが、和田さんは平身低頭と言う感じで深々と頭を下げていた。

「いえ、私どもはただ奈津子さんの中に眠っていた能力を目覚めさせただけのことですよ。一人ひとりの能力を最大限に伸ばす。これは伸々塾のモットーでもありますから」

 俺はあっと思った。「一人ひとりの能力を最大限に伸ばす」これは確かに街中でよくみかけるこの塾のキャッチフレーズではないか。だがもちろん、それと「女子能力開発研究所」に関係があるだなんて夢にも思ってはいなかった。

「こちらが和田さんの紹介で来られた方ですね。申し遅れましたが、私が塾長の柳沢です」

 渡された名刺には「伸々塾塾長 柳沢伸一郎」とあった。そしてここで塾長は急に真剣な面持ちになり、低い声で言ったのである。

「娘さんを更生させるため、研究所の方の見学をなさりたい、ということでよろしいでしょうか?」
「は、はい、そうです……」

 塾長の一層鋭さを増した眼光に気圧された俺は、その目に引き込まれるようにそう答えていた。やはり間違いなくこの男が「女子能力開発研究所」の所長でもあるのだ。

「ではご案内さしあげる前に、こちらの書類にサインをお願い致します」

 ずいぶん物々しいなと思ったが、その書類は和田さんが言っていたことと同じような内容の、一種の誓約書だった。すなわち、これから見学する内容に関して絶対に口外してはならず、その禁を破った場合は多額の賠償金を請求される、と言った内容である。

「恐らく和田さんからお聞きになられたことと思いますが、研究所の方では、世間一般の常識からは逸脱しているように見られ兼ねない教育を行っておりますので……これ以上のことは、ここでは申し上げられませんが」

 俺は誓約書にサインしながら、緊張すると同時に興奮して胸の高鳴りを覚えていた。股間の方は早くもズボンを突き上げる勢いになってしまっている。我ながら女好きでしようがないやつだと思うが、奈津子さんのことを思うと淫らな期待を持ってしまうのも仕方ないことだろう。そして研究所は予想以上の、とんでもない場所だったのである。

「誓約書にサイン頂けましたか? それではご案内致しますが、非常に刺激的ですので決して誓約書の内容をお忘れなきよう、お願い致します」

 立ち上がった塾長に合わせて俺たちも立ち上がったのだが、「刺激的」だと嫌らしい期待をますます煽られて、俺は歩くのに差し支えるほどの股間の張り切りようになっていた。すると何と塾長がニヤリと笑って言ったのである。

「ナニをたくましくしておいでのようですね、田中さん」
「あ、いや、これは……」

 いくら何でも初対面の相手に失礼ではないかとも思ったが、俺は情けなくうろたえてしまった。が、急に親しげな態度に変わった塾長が言うのである。

「いえいえ気取らず自然に反応して頂ければよろしいのですよ。下手に正義感を振りかざして、私どもの教育内容に口を挟むような厄介な連中より、よっぽど良い。健全な男性であれば大いに興奮なさるはずですが、それで大いに結構です。矯正中の女の子たちをしっかり見てやって下さい」

 そして塾長がボタンを押すと、奥の壁がゆっくりと反転して隠されていたドアが出現したのである。まるでアクション映画に出て来るような物々しさに驚いていると、塾長が手を触れてドアを開いた。

「このドアは私や、限られた教官にだけ反応する生体認識のロックが掛かっています。従って勝手に中に出入りすることは出来ません。もちろん矯正中の女の子たちもね」

――まるで最新の監獄みたいだな

 俺は率直にそんな感想を抱きながら、和田さんと共に塾長の後に従いドアの向こうの小部屋に入った。エレベーターになっていて下に降下して行ったのだが、繁華街の学習塾の地下に隠された「女子能力開発研究所」で、どんなことが行われているのだろう。俺はいつの間にか彩美をここに入れるための見学と言う目的を逸脱し、学齢期の女子たちの痴態をあれこれ妄想してドキドキワクワクしている、ただのロリコン助平親父に成り下がっていた。

「これをご覧下さい」

 エレベーターから降りると、先ほどと同じ部屋に戻ったのではないかと錯覚を起こしそうだったが、どうやらこちらは「女子能力開発研究所」の所長室であるらしかった。柳沢氏が書類を出して来たので又誓約書かと思いきや、今度はこちらの研究所の入所案内パンフレットのようなものだった。

「いきなり失礼とは存知ますが、娘さんを入所させる気の全くない方に見学して頂くのは、ちょっと……」

 俺は彩美のことそっちのけで見学に胸流行らせてしまっていたのだが、所長に機先を制されてしまった。興味本位の冷やかしには見せられない、と言うことだろう。もちろん相応の覚悟をして来ているのだが、一応確認してみた。

「見学した結果、やっぱり娘を入所させない、となっても良いのですね?」
「それは恐らく田中さんの方がバツの悪い思いをされるでしょう。手付金で1万円だけ頂けませんか? 娘さんが入所されれば、費用に含めますので」

 つまり見学だけなら1万円だぞ、と言うことか。ちょっと高いのではないか? 俺がそう思っているとしかし、和田さんが言った。

「1万円くらい、どうってことありませんよ。お釣りが来るくらいです」

 同じSM趣味を持つ彼の言葉だけに、俺はそれを信じることにした。第一ここまで来て引き返すわけには行くまい。理性では納得しても、猛り狂っている股間が納得しないだろう。それに単なる付き添いのはずの和田さんまで当然のごとく1万円を払っていたので、俺もすんなり柳沢氏にお金を支払った。

「それではさっそく見学の準備をして頂きましょう。支度して参りますので、服を脱いでそちらのカゴに入れて置いて下さい」

――何だって!?

 たかが見学でなぜ服を脱がねばならないのだろう。だが、戸惑う俺を尻目に和田さんはサッサと脱衣しながら言う。

「まあだまされたと思って裸になって下さい、田中さん。本当に素晴らしい見学が待っていますので……」

 どんどん脱いであっと言う間に全裸になった和田さんにそう言われて、俺も思い切って服を脱ぎ生まれたままの姿になった。下腹の突き出た中年男2人の全裸は情けない姿だと思ったが、和田さんも逸物をすっかり張り切らせていたので、彼以上にギンギンに欲情をみなぎらせていた俺も安心だ。何せ一緒にSMクラブで商売女とプレイを楽しんだ仲だ。今さら恥ずかしがっても仕方あるまい。そして部屋から席を外していた柳沢所長が戻って来ると、俺の股間のボルテージはますます上がった。彼は2人の少女の首輪を引いて連れていたのだ。

「ではこのガウンを着て下さい」

 手渡されたガウンを着ても年甲斐もなくギンギンに勃起した股間は丸出しで、これではまるで露出狂の変質者みたいだ。だがそんな変態を見たらキャーキャー悲鳴を上げそうな年頃の2人の少女は、犬のように四つ足で股間をモロに露出した俺たちの方に粘り着くような視線を送って来るだけだ。よく見ると2人の手足には大きなグローブのような肉球が嵌って人間の手足の機能を失わせており、首輪をチェーンで引かれた姿は犬同然だ。これはSMプレイの愛好家ならおなじみの家畜プレイではないか! しかも2人の少女はまだ幼く、ロリコン趣味の俺はこれを見ただけで股間が爆発しそうだった。

「見学の付き添いに研修生をお付けします。どちらかお好みの方をお選びください」

 1人はセーラー服を着ていたが、もう1人は私服である。

「こちらは暴走族に入って遊びまわっていた中学生です。まだ矯正が十分ではないので口に嵌めておりますが、遠慮なく奉仕させてやって下さい。こちらはもう十分に矯正されておりますが、引きこもりで学校に行っていなかった小学生です」

 すると和田さんが言った。

「私は中学生の方でお願いします。ナニに自信がありませんので……」
「ご心配なく。よろしければこれをお飲み下さい。当研究所が極秘ルートで入手しました輸入物で、極めて強力な精力剤です」

 和田さんは所長に渡された怪しげなアンプル剤を飲んでいた。俺は正直ヤバいのではないかと不安だったが、彼も飲んでいるのだからと思い、勇気を出してその薬を服用した。すると喉を嚥下するとすぐに体がカーッと熱くなり、まるで猿みたいにシタくてたまらなかった高校生の頃のように、股間に無尽蔵の欲情がこみ上げて来る気分に陥ったのである。

 さて和田さんの元に四つ足で這っていった元暴走族の娘は、所長が言ったように口に黒い器具を装着されていた。嫌がる女性の口を無理やり開けると同時に、奉仕する男根に歯を立てたり噛み切ろうとする狼藉を防止するSMプレイ用の嵌口具だが、和田さんは股間にやって来たその娘の黒い器具の中にペニスをねじ込んでいった。

「お客さま、ももこに、ご奉仕させてください」

 一方、俺の股間にやって来た、元引きこもりの小学生は「ももこ」と名前を名乗り、上目使いでそんなぶっ飛んだことを言う。そして俺が彼女のお下げ髪の後頭部に手をやって引き寄せると、まだ幼い容貌のももこちゃんは嬉しそうにパクリと俺の肉棒を頬張ると、とても小学生とは思えないほど積極的にチュパチュパと舌や唇を使って来たのである。
 

――ううっ! も、ももこちゃん、どうしてそんなにお上手なの?……

 イタズラっ娘のような表情で上目使いに俺を見つめるももこちゃんは、まるでソフトクリームを舐めている女児のように見えるが、研究所の教育の成果なのか、亀頭と竿のミゾに丁寧に舌を這わせ、裏筋をレロレロと舐め上げたかと思うとチューッと強く吸引してみせる、商売女も顔負けのテクニックを発揮して来るのだ。俺は彼女の幼い外見とのギャップに激しく萌え、尻穴に力を入れて猛然とこみ上げて来る射精欲求と戦わねばならなかった。

 こうして俺がいきなり小学生のももこちゃんに精を抜かれる醜態を晒すまいと苦闘している間に、柳沢所長は研究所の概要をパンフレットに基づいて説明していた。

「当女性能力開発研究所は、すでに20年近く当地でお世話になっております伸々塾が、その教育ノウハウを生かして設立しました、うまく社会に適応出来ない女子生徒を矯正するための施設です。一応対象年齢は未成年女子に限ります。最近は、引きこもりの生徒さんをお預かりすることが増えております……

――彩美!……うう、パパはもうダメだ!

「引きこもり」と言う言葉でわが娘彩美の顔を浮かんだ俺は、同じ引きこもりだったももこちゃんの口内にドバッと精を吐き出してしまった。ところがももこちゃんは嫌がるどころか、嬉しそうな笑顔を見せてゴクゴクと飲み干し、一滴も残さず舐め取る「お掃除フェラ」まで施してくれるのだから、俺は参ってしまった。 

「そういう問題を抱えている女生徒さんは、ほとんどが思春期ゆえの抑圧された性衝動が原因なのです。まだまだ日本では、男性に比べると女性は健全な性の欲求を表すことをタブーとされておりますので」

 ここでももこちゃんが口を離してくれたので俺はホッと一息入れたが、彼女はエヘヘと小悪魔のように笑うとグローブで覆われた「前脚」でムスコを握り締めて来た。これではまるで勃起が治まる間が得られない。ふと見ると和田さんも中学生にナニを握られていたので、一発抜かれてしまったらしい。歯を立てぬよう嵌口具を嵌められた娘の口はぎこちないに違いないが、それはそれで刺激的なのだろうと思った。

「当研究所ではさまざまな手段を用いて、女生徒さんの抑圧された性衝動を解き放ってやり、秘められた女子としての能力を最大限に引き伸ばすという矯正を施しております。入所した研修生さんは、ここで1か月間寝食を共にしながら矯正教育を受けていただくことになります」

 ももこちゃんに一発抜いてもらって少し落ち着いた俺は、パンフレットに目を通してその料金に驚いた。俺の手取りの給料が半年分くらい飛んでしまうではないか。和田さんはよくこんな大金を払う気になったものだ。すると所長は俺の気持ちを見透かしたかのように言う。

「値段が高いとお思いかも知れませんが、それだけの価値は十分にあるものと、私どもは確信しております」
「そうですよ、田中さん。私は安いくらいだと思いますよ」

 和田さんもそう言ったが、確かに彼はそれだけの金を払ってもおつりが来るくらいの幸せを手に入れたのだ。俺は元引きこもりで今は「犬」にされている少女の手の中でペニスをビクビクとおののかせながら、揺らぐ気持ちと戦っていた。

「矯正が失敗することもあるのですか?」
「私どもの教育は絶対に効果が出るまで徹底して行いますので、矯正自体が失敗することはまずありません。これまで百名を超える研修生が百パーセント学校に復帰して、まじめに勉学に励むようになった実績がございます。ただし」

 ここで所長は間を置いた。やはり何か裏があるのかと俺が注目していると、彼はこう続けたのである。

「矯正された結果が期待していたものとは違う、という苦情がたまにございます」
「それはどういう場合ですか?」
「よくありますのは、娘さんが近親の男性に親密な関係を迫って困る、というものです。しかしこれは、その女生徒さんの秘められた願望を解放した結果ですから、致し方ないものと考えております」

 俺が和田さんの様子を伺うと、彼はニコニコしている。彼にとってはそれこそが素晴らしい矯正の成果だったのだ。では俺はどうか? 彼と違い、血の繋がった実の娘である彩美が、もし俺に「親密な関係」を迫って来たら?

――今さら何を考えてるんだ。俺は彩美とヤリたい。彼女がそれを望んでくれるなら、何をためらうことがあると言うんだ……


 彩美と同じ引きこもりだったと言うももこちゃんに「ご奉仕」されて今なおペニスを優しく握り締められている俺は、理性を喪失しつつあったのかも知れない。これは研究所の狡猾なやり口か、とも疑ったが、トロけそうな背徳の歓びを覚えている俺の股間は、大金をはたいて彩美を入所させることに半ば同意してしまっていた。

「もうご質問がなければ見学に参ります。研修生を連れて来て下さい」

 俺たちは渡されたチェーンで、当てがわれた少女たちを犬のように引いて行くことになった。中学生の子は嵌口具のせいでしゃべれないようだが、ももこちゃんは四つ足で首輪を引かれる屈辱的な仕打ちにも関わらず、

「どうかよろしくお願いします」

 と実に丁寧に挨拶して頭を下げていた。

「この子たちは矯正期間は長いのですか?」
「小学生の子は22日目です。中学生の方はまだ18日目くらいですから、全然未熟でございます」

――これでもまだ研修日が残っているのかよ……

 俺の目には従順なペットのようにふるまう少女たちは十分に「矯正」されているように見えるのだが。やはり聞きしに勝る徹底的な矯正教育が行われているようだ。

「こちらが第一研修室です。入所して5日間はこの部屋でさまざまな検査を受けながら、研究所の決まりなどをみっちり教え込んでいきます。ちょうど今2人心理検査を受けているところです」

 第一研修室は最初の部屋だから大したことはないのかと思いきや、とんでもなかった。これも所長の生体反応で開いたドアの向こうには一面ガラス張りの仕切りがあって、2人の女の子が何と全裸でこちらに向かって机に座り、パソコン画面を見ながらマウスらしきものを操作していた。

「こちらにお座りください」

 そしてガラスの仕切りからギリギリの至近距離に見学者用の椅子があったのだが、そこに座ると検査を受けている少女たちの股間がバッチリ見えてしまうのだ。

「これはマジックミラーではありませんから、研修生の方からも人に見られていることをしっかり意識することができます。これも研修の1つですから、どうか穴が開くほどしっかりこの子たちの体を眺めてやってください」

 温泉街でよくあるババアのストリップショーなど見たくもないが、学齢期の女子の秘め所を至近距離から拝めるとは。和田さんの、1万円払ってもおつりが来る、という言葉は本当だった。さらに、椅子に座った俺の股間にはももこちゃんが入り込んで上目使いで聞いて来る。

「ご奉仕させて頂いてもよろしいですか?」

 小学生にしては立派過ぎる敬語を使いこなすももこちゃん。俺はもちろん許可をして、彼女の頭をよしよしと撫でてやりながら、ミラーの向こうの検査の猥褻さに息を飲んでいた。

「2人とも高校生です。田中さんの前は不良仲間に染まりシンナーを吸って退学させられた生徒です。和田さんの前の子は、重度の引きこもりでもう2年間部屋から一歩も出たことがありませんでした」

 俺の前の女子は髪を変な色に染めたままだったから、まだ入所したてなのだろう。和田さんの前の女子も髪の毛を伸ばし放題で、ホラー映画に出て来る呪われた少女みたいだった。

「髪の毛などはおいおい矯正して参ります。体も見苦しいのですが、入所したばかりですのでご容赦ください。退所までには必ずシェイプアップさせますので」

 シンナー中毒と引きこもりと言うだけあって、2人とも若さのかけらも感じられない不健康そうなたるんだ体付きだった。特に引きこもりだった子はブヨブヨの脂肪の塊みたいだ。その脂肪の塊が全身に大粒の汗を滴らせている姿はまさしくバケモノと言っても過言ではない。

――彩美も大差ないだろうな。あのまま放っておけば、いずれこんなバケモノに……

 俺はどうしても我が娘と比べてしまう。まだ引きこもり歴が少ないから、2年も引きこもっていた少女ほどバケモノ化はしていないと思うが。

「こちらの声などは一切向こうには聞こえませんが、彼女たちの声は増幅されてこちらに聞こえる仕組みになっています」

 確かに向こうの娘たちがマウスをカチカチと操作している音までしっかり聞こえて来る。が、何と言っても2人が妙に悩ましい鼻声を仕切りに洩らしているのが卑猥で、俺はももこちゃんの口内で肉塊をビクビクとおののかせた。

「乳首をご覧ください。電極を取り付けています」

――電極だって!?

 よく見るとシンナー娘の両乳首には細いコードが延びており、何と針のような電極がブスリと乳首を貫通していた。

「鍼灸の専門知識のある教官が、麻酔を施してから処置しておりますので、体を傷つける心配はありません。電極はクリトリスにも刺しております」

 何と言うことだ。俺がまさかと思い乳首から視線を下にやると、確かに良く目をこらさねば見えないくらい細いコードに繋がった小さな電極が、いたいけな少女の股間の突起を刺し貫いているのがハッキリ確認出来るではないか。普通のSMクラブではまずお目に掛かることの出来ない残虐なピアッシングに、どんどん興奮が高まる俺はももこちゃんの口腔を怒張で突き上げていた。

「ふうんんっっ!!」
「んああ〜っっ!!」

 その時ひどい苦痛を訴えるような呻きが聞こえて来て、はっと見ると2人の顔も恐ろしく歪んでいた。2人の口はボールギャグで塞がれていたが、それでも洩れ聞こえるくらい強烈な絶叫なのだろう。

「脚は出来るだけ開いて見学者に羞ずかしい箇所をよく見せるよう言っておいたのですが、あなたたちの視線を羞ずかしがり脚を閉じようとしましたのでセンサーが感知し、電極を通じて激しい苦痛が与えられたのです」
「うふうんっ!」
「あはあ〜っ!」

 そんな恐ろしい所長の説明が終わった頃、今度は明らかに性的な喜悦を訴える呻きが聞こえた。苦痛に歪められていた2人の表情もだらしなく緩んでいる。

「ちゃんと脚を大きく開き直したので、今度は快感が与えられました。どうやら2人とも失禁したようですね。潮吹きかも知れませんが、いずれにしても娘たちが激しい感覚に襲われたことはおわかりでしょう。地獄の痛みの直後の快感はきっと天国のはず……」

 おわかりどころか、シンナー娘がハッキリと股間から水しぶきを吹き上げるのを目撃した俺も「激しい感覚」に襲われて、ももこちゃんの口の中で又も暴発してしまっていた。彼女はもちろん喜んで後始末に精を出してくれる。俺はハーレムの王様になったような気分だった。

「このようにして、決まりや命令に従わないと厳しい罰が与えられ、素直に従えば素晴らしいご褒美が与えられることを、5日間で体に叩き込むのです。どんなに素行の乱れた不良娘でも、半日もすれば羊のように大人しくなりますよ。引きこもり系の子だと、もっと効果はてきめんです」

 心理検査を受けている2人はもう苦痛に晒されることもなく、至福の表情を浮かべ素直に検査を受けているようだった。

「そしてこの5日間で、徹底的に身体と心を検査します。身体検査では体中くまなく性感帯の所在をチェックし、どのような刺激で快感を得る傾向があるのか調べ、今後の矯正メニューに反映されるのです。例えばアナルが感じ易い研修生は、浣腸やアナル開きなどが重点的に施されるわけです。そう言えば、失礼ながら奈津子さんはその典型でしたね」
「は、はあ、確かにそのようで……」

 突然娘の話を出された和田さんは頭をかいていたが、俺もあのサンドイッチファックを思い出して、そうだったのかと納得していた。奈津子さんは研究所で1か月間徹底的にアナルを開発されて、あんな素晴らしいセックスの女神のような体と心を手に入れたのだ。

「心理検査も徹底して行いますが、嘘を検知すると苦痛を与えるので、かなり真実味のある検査結果を得ることが出来ます。何度も引き合いに出して申し訳ございませんが、奈津子さんはこの段階で相当強いマゾ傾向があると判断され、それを伸ばすように矯正教育を施したのです」

――こんな検査をしていたら、どんな女の子もマゾになっちまうんじゃないのか?

 俺はふとそんな疑問を抱いたが、黙って聞いていた。男にはわからない極めて鋭敏な性感帯であるクリトリスと、乳首をブスリと貫いた電極の刺激はいかばかりか凄まじいものだろう。俺は2発目の精液を抜いてくれクチュクチュと口を動かしていたももこちゃんに聞いてみた。

「ももこちゃんも、あんな針を大事なトコロに刺されたの?」
「うん。いい子にしてると、とっても気持ちいいんだよ。だけど言いつけを聞かない悪い子は、すっごく痛いの。だからももこはいい子にする」

 非常にわかり易く効果抜群の教育だ。俺はこんな小さいのにすっかり被虐の歓びに染まっているももこちゃんを見て、この研究所では「どM」の女性を教育しているのに違いないと勝手に判断していた。それはごく普通の性癖の男性にとっては歓迎すべきことだろう。俺も無論そうだ。

――彩美もどMの「いい子」になってくれるだろうか?

 俺はもう娘を預ける気になって、妄想を膨らませていた。今は見る影もなくなりつつある彩美がお人形さんのような美少女ぶりを取り戻し、「お父様」と俺を呼んで、小ぶりな口で「ご奉仕」してくれるのだ。そして夢にまで見た愛娘とのベッドイン。実の娘を孕ませるのはさすがにヤバいが、アナルなら……俺が望めば、研究所で鍛えられるであろうかわいいお尻をどMの彩美は差し出してくれるはずだ。

 こうして現実と妄想の双方で全身が打ち震えんばかりの興奮に包まれた俺は第一研修室を後にし、次の部屋へと向かった。第二研修室からはまるでSMクラブに置いてあるような拘束装置や性的拷問道具が何部屋にも渡って置かれ、誰もいない部屋も多かった。陰毛剃り取りや浣腸、拘束くすぐりや電動の快楽器具による責めなどオーソドックスなものから始まりさまざまな「研修」が用意されていたが、俺が意外に思ったのは、鞭打ちや蝋燭、三角木馬、と言ったおなじみのSMプレイ的研修は一切なかったことだ。所長によれば、研修生の体を傷つけたり痕跡を残す危険があるものは避けているそうだ。

 確かに苦痛ではなく娘たちの羞恥を煽り快楽を味わわせるような「研修」ばかりに思われた。第一研修室での5日間でコッテリ油を搾られてすっかり従順になった女の子たちの続く部屋で時折見かける姿は、羞ずかしい研修を唯々諾々と受け入れ、被虐の歓びに表情をだらしなく緩めているように見えた。見学者側に聞かせる声も、うら若い未成年の少女たちとは思われぬ、艶かしいアヘ声やアクメを告げる甘い悲鳴ばかりで、俺たちも飼い犬のように股間にじゃれて来るかわいい研修生に何度も精を抜かれてヘトヘトになった。

「第2クールの5日間では、1日何十回もの絶頂を経験させ、女の子たちの性への抑圧を徹底的に解放してやります」

 大真面目にそんなことを言う所長に、俺は冗談半分で聞いた。

「これではひどい淫乱になって、手が付けられなくなるのではありませんか?」
「それが彼女たちの本来持っている女子能力を目覚めさせるということなのです。しかし残りの20日間では肉体だけでなく精神面の教育もしっかり行いますので、決して誰かれ構わず男を求めて遊び回るようなふしだらな娘に育つことはありません。むしろ、これと決めた男性に一生操を捧げ貞淑にふるまう、理想的な女性に育つはずです」

 俺はたくさん精を抜かれて足元がフラついている和田さんを見て、所長の言葉に納得した。奈津子さんは確かにそんな女性に育ったのだ。そして心優しいばかりに不遇を囲っていた彼の人生を一変させバラ色に変えてくれたのである。

――俺も彩美と……

 血の繋がった親子である俺たちは和田さんのように結婚するわけにはいかないが、どうしてもそれを想像し期待してしまう。

 研修室はまだ倍以上あるみたいだが、二桁近い射精を果たした俺たちはリタイヤし、それ以上の見学は固辞して所長室へと戻った。

「ご希望ならば、この子たちの下着をお土産に差し上げます。よろしければご自分で脱がせてお持ち帰りください」

 所長に言われた俺は、四つ足で立っているももこちゃんのスカートの中をまさぐり、完全におもらし状態の子供っぽいアニメプリントのパンツを脱がせてありがたく頂戴した。和田さんはさほどフェティッシュな興味はないはずだが、やはり中学生の子の股間をチェックして楽しんでいるようだった。全くこれだけでも1万円出して惜しくない。素晴らしい見学だった。

「お客様、今日は本当にありがとうございました」

 度重なるフェラ抜きという過酷な任務を終えたももこちゃんは、ニッコリ笑って礼儀正しく頭を下げると、中学生と一緒に所長に連れられ部屋を出て行った。そして戻って来た所長は別の少女を連れて来たのだが、彼女は鎖に繋がれたり四つ足で歩いたりはせず、ごく普通でメガネを掛けた真面目そうな生徒に見えた。ただしブレザーの制服のスカートはかなり短い。奈津子さんの高校の制服かも知れない。所長が言った。

「最終段階に入った研修生です。最後に伸々塾で同学年の授業を何時間か受けさせ、真面目に出来ることを確認してから退所と言う運びになります」

 なるほど。珍しくまともな内容だなと思ったら、これにも裏があった。

「ただし研修の成果を最終確認するため処置を施してあります。せいらさん、スカートをめくってお客様にお見せしなさい」
「ああ……羞ずかしい……」

 あんな淫らな「研修」を1か月近く受けて来たと言うのに、羞恥心を磨耗させていないのも教育の成果なのだろうか。せいらと呼ばれた、一見ごく普通の真面目そうな女子高生は、羞じらいを満面に浮かべながらミニスカートを両手で持ち上げていった。するとせいらさんは、ムチムチした若さ溢れる太股の付け根にピッチリと喰い込む黒革のパンツをはいていたのである。所長は嫌らしい手付きで何だかモッコリと膨らんでいる黒革パンツの前部を撫でて言う。

「せいらさん、あなたのおまんこには今何が入っていますか?」
「男の人のおちんちんの形をしたお道具です……ああ、羞ずかしい……」
「あなたはおちんちんが好きですか?」
「はい、せいらはおちんちんが大好きです……ああ……」

――こんな真面目そうな子が!

 まるで大人しく生真面目な学級委員のように見えるせいらさんの羞じらいながらのふしだらな告白に、俺は心を動かされていた。すっかり精を搾りつくされたように感じていた股間が性懲りもなくムズムズするのを感じたくらいだ。そして所長の嫌らしい尋問はさらに続いた。

「後ろを向きなさい」

 俺たちに見せ付けるように、せいらさんの引き締まったお尻を撫で回しながら所長は続ける。

「ここには何が入っているのですか?」
「ああ……お、おちんちんです……」
「ほほう。前のとどちらが大きいのですか?」
「同じくらいです」
「どんな気持ちですか?」
「…… キモチイイです……」

 メガネ娘はどうしてこんなに劣情を煽るのだろう。俺は枯れ果てたはずの股間で、新たな生命の息吹がムクリと鎌首をもたげて来るのを感じていた。

「あなたは羞ずかしいお尻にまでおちんちんを受け入れて歓びを覚えてしまうのですね?」
「はい。せいらはおまんこにもオシリにもおちんちんを受け入れて歓んでしまう、とてもえっちな女の子です……」

 恐らくこんなわざとらしい口上も教育の成果なのだろうが、優等生っぽい端正なマスクを湯気が出そうなほど羞恥に染めて隠語を述べるせいらさんに、俺はすっかり当てられてしまい、股間がついに奇跡的な回復を始めていた。極めて冷静そうに見えた所長も矯正教育の成果が嬉しいようで、相好を崩しさらにもう一撫でせいらさんのお尻を撫でると言ったのである。

「よしよし、すっかり素直でいい子になりましたね。お浣腸されただけで、大泣きしていたせいらさんとは別人のようです。それではご褒美をあげましょう」
「ありがとうございます!」

 すると既にそうするようにしつけられているのか、嬉しそうに感謝の言葉を述べたせいらさんは、両手を首の後ろに組む姿勢をとった。

「前を向いてお客様によく見て頂きなさい」
「はい。お客様、どうかせいらのえっちなご褒美を見てください」

 ペコリと頭を下げるメガネ娘に向けて所長はリモコン装置を操作した。せいらさんすぐに、ああ〜っ! と悩ましく鼻声を洩らして体をくねらせる。

「授業に出る研修生には、胸と股間に黒革の快楽装置を着けさせています。せいらさん、おっぱいは気持ちいいですか?」
「は、はい……もう、トロけてしまいそうです、ああんっ!」

 高性能のリモコンバイブの類なのだろう。所長が一々責める箇所を告げながらリモコンを操ると、せいらさんはその部分がどれだけ気持ち良いのか告白しては制服に包まれた体をガクガクと揺さぶって悶絶し、俺たちの目を大いに楽しませてくれた。

「では、あなたの一番好きなアナルですよ」
「お、おシリいいっっ!! ああ、せいらはオシリでイッテしまいます!……い、いぐうううっっっ!!!」

 アナルを責められると知ると、しつけよろしくサッと後ろを向いたせいらさんは、やや前かがみになり俺たちに見せ付けるようにミニスカに包まれたお尻を狂ったように激しく揺さぶり生々しい歓喜の声を張り上げながら絶頂を迎えていた。

――何てことだ、あり得ない……

 ももこちゃんに10発近く精をしゃぶり取られて、ザーメンの一滴も残っていないかと思われた俺の股間は、浅ましいことに何とも見事に勃起させてしまっていた。するとそれを見逃さず所長が言う。

「せいらさん、こちらのお客様はあなたがお尻でイクところを眺めて、たくましくさせておいでだ。ご挨拶して奉仕させてもらいなさい」

――待ってくれ!

 俺はさすがにヤバいのではないかと健康上の懸念を拭いされなかったが、真面目な学級委員タイプのせいらさんは、いそいそとやって来て股間にしゃがみ込み、上目使いで聞いて来た。

「せいらのオシリえっちで興奮して頂き、本当にありがとうございました、お客様。ご奉仕させて頂いてもよろしいでしょうか?」
 
 空砲っぽいが、俺の股間はもうどうにも治まりが付かないくらいガチガチに勃起しており、性懲りもなくせいらさんに「ご奉仕」の許可を出してしまった。

「お願いします」

――ううっ! ももこちゃんと違う口の感触だ……

 すると別の女の子の口唇の感触は異常な酷使に遭っている俺のムスコには新鮮な刺激となって、枯れ果てたかと思われた欲情が新しく体奥からこみ上げて来るのである。俺はメガネ娘の「ご奉仕」から何とか気を紛らわそうと、所長に質問した。

「せいらさんは、なぜここに来たのですか?」
「引きこもりですよ。最近はとにかく多いのです。しかし、こんなに立派に矯正されて、恐らくもう大丈夫でしょう」

――ああ、彩美……駄目だ、又出ちまう……

 逆効果だった。俺はほぼ同年齢でよく似たタイプのせいらさんに彩美の姿をダブらせてしまい、もう何発目だかあやふやなほど繰り返された射精で彼女の口腔をベットリと汚すと、下腹部に差し込むような痛みと猛烈な虚脱感に襲われながらメガネ娘の「お掃除フェラ」にも耐えねばならなかった。

「お客様は満足されたようですね、よく出来ましたよ、せいらさん。ご褒美に今日はあなたの大好きなアナルを多めにセットしてあげましょう」
「ああ……ありがとうございます」

 丁寧に俺のペニスの後始末を終えたせいらさんが満足気な笑顔を股間から上げると、所長がそんなことを言いさらに俺に向かって説明した。

「彼女の体に取り付けた快楽装置は、これまでのデータを基にランダムな刺激を与えて歓ばせる仕組みです。せいらさんは一般の生徒に混じり、誰にも悟られぬよう気をやりながらしっかり授業を受けねばなりません。この時間の講師には無論本当の事情は知らせていませんが、入塾希望者の体験テスト授業だと伝えています。そこでせいらさんが真面目に授業に付いていけたかどうか報告されますし、講師には必ず彼女を指名して皆の前で黒板の問題を解かせるようにと、伝えています……」

 まるで好色な男のよこしまな被虐欲をそのまま形にしたような所長の説明だ。だが今すでに、見知らぬ俺たちに快楽装置に敗れてアクメに昇り詰める様子を晒したせいらさんは、メガネを掛け大人しそうな表情をウットリと上気させ、従順に立ち尽くしているばかりであった。正に「どM」に矯正されてしまったらしき研修生の魅力的な姿である。

「では行きましょう、せいらさん」

 スーツを着込んだ所長とセーラー服のせいらさんは年恰好的にはちょうど父娘くらいだろうが、スカートの短いせいらさんが妙に親密な態度で所長に寄り添っていると、まるで援助交際の少女を買った中年男のように見える。

――俺と彩美もあんな風に見られるのだろうか?

 もうすっかり引きこもりの娘が立ち直り、自分と父娘の範を超えて親密になっている未来図を妄想した俺は、そんな気持ちでエレベーターの中に消えていく所長とメガネ娘を見送っていた。そして所長が戻って来るまでの間、俺は気になっていたことを和田さんに聞いてみた。

「奈津子さんは、よく施設に入ることに同意しましたね」
「いえ、同意などしていません。家にいる時研究所の人に来てもらい、無理矢理車に乗せて連れていってもらったのです」
「なるほど……」

 俺はちょっと口ごもってしまった。それではまるで拉致ではないか。だが、恐らく和田さんの言うことなどまるで聞かず、悪い仲間と遊び回って警察沙汰にまでなった娘を立ち直らせるためだったのだ。彼の気持ちが痛いほどわかる俺には、和田さんを責めようなどと言う気持ちはまるで起きなかった。

「奈津子はあのままでは駄目になるところでした。私にはもうあれ以上、あの子を放って置くことは出来なかったのです。いずれ鑑別所に送られるくらいなら、と思い、奈津子の意思など聞かず強制的に施設に引き取ってもらったのですが、それで大正解でした」
「和田さん! それで良かったんですよ。あなたは勇気のある立派な父親だ。私も」

 そこまで口にした所で戻って来たエレベーターが開き、所長がせいらさんと入れ替わりのように又別の少女を連れているのに、俺たちの注意は奪われた。見覚えのあるセーラー服。これは正しく彩美の通う学校の制服ではないか! 表ではそんなマネは絶対に出来なかったに違いない柳沢所長は、こちらに戻って好色な本性を表す下卑た笑いを浮かべ、やはり超ミニにしている彼女のお尻を触りながら、俺たちに言った。

「この子も引きこもりだったのですよ。あなた方の娘さんより3学年上ですが、卒業出来ず留年してしまったのです」

 そうか。ならば全く見覚えのない娘さんでも説明が付く。そしてハタチ前とあってすっかり大人びた風貌の娘は、やはり火が吹き出るような真っ赤な顔で、激しい運動直後のようにハアハアと息を荒げていた。だが俺たちの姿を見て、羞ずかしそうに所長の後ろに隠れようとしていた。

「ははは、まいかさんは羞ずかしがり屋ですね。でもちゃんとお客様の前で、自己申告しなさい。今日の授業中、あなたは何回、気をやりましたか?」
「ああ……わかりません、ごめんなさい……」
「では教えてあげましょう。あなたは今日の授業中、23回絶頂に達したんですよ。そうメインコンピュータに報告が入っています」

 どうやら研究所は思った以上にハイテクで、女の子たちの矯正教育をコンピュータで管理しているらしい。仮に少女が羞ずかしがって虚偽の申告をしようとしても無駄なのだ。そしてあえて見知らぬ俺たちの前で羞ずかしい絶頂の回数を報告させることによって、まいかさんは自分の中に芽生えた淫らな「女子能力」を再認識させられるのだ。

「どうしてそんなにたくさんイッちゃったのですか? 2、3分に1回と言うすごいペースですよ」
「だって……クリが凄くて……」
「やっぱり包皮を切除したのが良かったみたいですね。お望みなら、研究所を退所する前に記念のクリピアスを着けてあげましょうか?」
「……ぜひ、お願いします……ああ、所長さん、抱いてください……」
「お客さんの前でイケない子ですね……申し訳ありません、彼女は母子家庭でして……」

 すると人の良い和田さんが言い、俺も同意した。

「どうぞ所長さん。私たちは気にせず、まいかさんを抱いてやって下さい」
「遠慮なくどうぞ」
「では、失礼して……まいかさんは羞ずかしい所を見られたい、と言う露出願望も強く持った子です。申し訳ございませんが、そこで見ておいてやってくれませんか」

 意外な展開だったが、その後始まったビックリするくらい激しいセックスに突入する前に、俺は柳沢所長に言っておいた。

「終わった後、契約の話をさせて頂いてよろしいでしょうか? ぜひうちの娘も入所させたいと思いますので……」

 さっそく次の休日、約束通り研究所からきちんと背広を着た2人の男が我が家に派遣された。一見平凡なビジネスマンに見える彼らはしかし所長と同様鋭い眼光をしており、こんな男たちにわが娘を連行させることに俺の胸は痛んだ。だがもう後戻りは出来ない。和田さんのように、俺も勇気を出してかわいい娘を矯正してもらうのだ。

 さっそく彼らを彩美のこもる部屋に案内する。何も知らされていなかった彩美はいつも通り何もせずベッドに腰掛けていたが、知らない男2人の姿を見てもチラリと入り口を振り返っただけで、一言も発せず生気のないボロボロに破れた人形のような姿はいつもと同じだった。

「薬を使ってもよろしいでしょうか?」

 男の1人が小声で俺に聞く。

「薬?」
「すぐに昏睡させる、強力な睡眠薬です。ちゃんとアフターケアしますから、健康上の心配はありません」
「……どうぞ」

 さすがにためらった俺だが、今さら拒否しても仕方ない。2人の男と一緒に彩美の近くに行き、相変わらず魂を抜かれたような娘の取り扱いを見守った。

「お嬢さん、腕を貸してください」
「注射しますよ、いいですか?」

――彩美! お前、そんなことされても黙ってるのか?

 彩美は俺以外の人間には完全に心を閉ざしており、何を聞かれても、何をされても死んだようにじっとして無反応なのだが、何の説明もされず自分の体を痛める注射にさえ反応しない娘に、俺は愕然とした。下手したらレイプされたっておかしくない状況なのだ。彩美の心の病が自分の思っていた以上に深刻であることを思い知らされた俺は、ここはやはり研究所に賭けてみるよりない、と改めて決意を固めた。

「……パパ……」

 だが、死んだようだった彩美が、1人に腕を押さえられもう1人に注射を打たれた瞬間、俺の方に怯えた表情で視線を送り呟くようにそう言った時、俺は愛娘に自分がやろうとしていることの罪深さに胸が潰れるような思いになった。

――すまない、彩美。でもこれはお前を救うためなんだ

 彩美が言葉を発したのも束の間、あっと言う間に効き始めた薬の効果で目がトロンとなり、男の腕の中にもたれるように倒れてしまう間、俺は自己弁護のように心の中で言い聞かせていた。だが、もう1人の俺も問いかけて来る。

――彩美のためだって? 嘘をつけ。お前は実の娘とヤリたいと言うとんでもない願望を実現するために、いかがわしい施設に彼女を引き渡す、鬼畜のような変態親父じゃないか……

 だが後悔しても後の祭り。こうした少女の「拉致」に慣れているらしき男たちは、こともなげに昏睡した彩美の肥満になり掛けの体を車の中に運び込むと、さっさと走り去って行ってしまった。

 それから1ヵ月。俺は彩美のことが気になって仕事もまともに手に着かず、落ち着かない日々を過ごしていた。休日に伸々塾に行ってみても、受付嬢が首をかしげるばかりで全くとりあってくれないのである。俺は休日の講義で出入りしている大勢の学生の中に、快楽装置を体に取り着けられて密かに悶絶しているミニスカの少女がいやしないかとジロジロ眺めてしまったが、ハッと気付いてやめた。これではアブないロリコン変態男である。いや実際そう言われても仕方ないのだけれど。

 本当にこの大きな学習塾のビルの地下に、男のよこしまな妄想をそのまま形にしたような矯正施設「女子能力開発研究所」が存在しているのだろうか?そして俺の指図で強制的に施設に収容された彩美は、身も心も丸裸に晒け出されて女子としての能力に磨きをかける淫らな「矯正教育」に汗を流しているのだろうか? 俺は正直な所、あの日の出来事はまやかしで、彩美は本当にヤバい男たちに拉致され連行されて、二度と戻って来ないでないのではないか、と言う大きな不安にかられていた。

 だが、和田さんが「自分のときもそうでした」と教えてくれたので気が楽になった。どうやら研究所はその秘密を厳守するため、保護者であっても新規の顧客を案内するとき以外は、外部から人を入れないらしい。確かにあんな素晴らしい「見学」がたった1万円で出来るとなれば、希望者が殺到して収拾が付かなくなるだろう。

 娘の身を案じる俺はしかし、和田さんに誘われるままに足繁く彼のマンションを訪れ、奈津子さんとの3Pを楽しんでいたのだから、我ながら仕方のないエロ親父だと思う。だが奈津子さんの素晴らしく鍛えられた口唇や、発展途上だが感度抜群の乳房、そしてまだ狭小な上に驚くほど良く締まるアソコや尻穴と言った若い肉体を堪能し劣情を吐き出しながら、俺は見事な成果を上げた研究所の矯正教育を信頼し、彩美が生まれ変わって帰って来る日を心待ちにしていたのである。

 そして研修期間の1月が明ける日の前夜、それまで音沙汰なしだった研究所の柳沢所長からじきじきに、待ちに待った電話連絡があった。

「彩美さんの矯正教育は完璧に成功しました。何も問題もなく復学され、まじめに学校生活を送られることでしょう」
「ありがとうございます! 何とお礼を言ったら良いか……

 俺は所長の自信に満ちた口ぶりに思わずガッツポーズを取り、恥ずかしいくらい声を弾ませてしまった。だが所長は続けて言う。

「ただ申し上げにくいのですが、彩美さんは実の父親であるあなたに、道ならぬ感情を抱いているご様子です」

――ようし! 来た〜っっ!!

 俺は今度は心の中でガッツポーズをとっていた。

「きっと驚かれ困られることと思いますが、うまくコントロールしてやって下さい」
「所長さん、あの、彩美はやはり私に対する感情が原因で引きこもっていたのでしょうか?」
「率直に申し上げて、それが大きな原因の1つであることは間違いないと思います」
「では、彼女の思いをむげにはねつけてはいけませんね?」
「そうですね。ですからその辺りをうまく扱って頂きたいのです」
「わかりました」

――彩美が求めて来たら、受け入れてやれば良いのだな……

 俺は不道徳な近親相姦のお墨付きを、専門家である柳沢所長にもらったような気になっていた。そして彩美を明日引き取りに行く時間の打ち合わせを所長と話した後、俺はもうあまりにも強烈に勃起してしまった股間を自分でシコシコと慰めて出してしまう。もちろん頭の中には、かわいい彩美の姿を思い浮かべて。

 さて翌日、約束の時間が来るのを待ち兼ねて車を飛ばし、伸々塾に向かった俺は、受付嬢に名前を告げると今度こそすぐに話が通じて塾長室に案内された。そこに待っていたのは柳沢氏1人である。彩美は一体どこに? そう俺の顔に書いてあったのだろうか、塾長兼研究所の所長でもある彼はすぐに口を開いた。

「娘さんはすぐに研究所から連れて上がります。ところで昨夜電話でお伝えしたことの続きですが」
「はい、何でしょうか」
「驚かないで下さい。彩美さんは間違いなく、お父さんに強い性的なコンプレックスを抱いておられました」
「ええ……わかってます」

 驚くどころか、ハッキリ言って大歓迎だ。だが、次に所長が示した大きなアタッシュケースの中身には、さすがにビックリしてしまうことになる。

「この中には、彩美さんが望まれた、今後の生活のための道具が入っています。研究所ではアフターケアも万全を期すようにしておりますので、生徒に応じて必要な物品を提供することがあるのです。後は……待っている間にご自分で中身を確かめ、心の準備をしておいて下さい」

 そこまで話した所長は、俺に質問もさせずサッサとエレベーターを呼び出して研究所に下りて行く。俺は妖しい胸騒ぎを覚えながらアタッシュケースを開いて、目がテンになった。

――マジかよ。こんなのを彩美が望んだと言うのか……

 中に入っていたのは、俺のような趣味の人間なら一目でわかる、SMグッズの数々である。手錠に首輪、擬似ペニスの付いたT字帯。さらには目隠しだの、鳥の羽毛だの、バイブレータやローターの類だの、浣腸器だのと言った、正にSMプレイを楽しむための道具一式と言っても良かった。俺はSM好きだが、双方合意の上で楽しむのが本当のSMだと思っている。だとすれば、俺が密かに恋焦がれている愛娘がSMグッズを自ら望んで持ち帰ると言うのは、夢のような話ではないか。

「お父様、彩美にご奉仕させて下さいませ」

 俺は待っている間SMグッズを眺めながら、手錠と首輪で拘束されたわが娘がそう言ってチンポをくわえてくれるのを想像して、痛いくらいに股間を張り切らせていた。そして所長が連れて帰って来た彩美は俺の期待通り、いやそれ以上の魅力的な外見を取り戻していた。どこからどう見ても良い所のお嬢様風で、アイドル並みの美貌は光り輝いて見える。

「所長さま、本当にお世話になりました。このご恩は一生忘れることはありません。これからは父を助けて家事をこなしながら、真面目に勉学に励む所存です……」

 俺はそんな立派過ぎる退所の挨拶を深々と頭を下げて述べている彩美の「矯正」された姿をまぶしく眺めた。態度も立派だが、伸び放題だった髪の毛は女学生らしくきちんと切り揃えられ、お真っ白なお人形さんみたいな容姿は、正真正銘の美少女と言って良かった。

 そして柳沢氏と別れ2人で部屋を出ると、彩美は妙に緊張した面持ちで何もしゃべらず、俺も無言で駐車場までの道を歩んだ。だが彩美は大勢の塾生が出入りしている手前そんな態度をとっているのであり、引きこもっていた時の壊れた人形のような生気のない様子とはまるで違っていた。俺は嬉しそうにピタリと寄り添って上目遣いに見つめて来る彩美に、まるで初めて女の子とデートする高校生のような気持ちになり、心臓が爆発しそうなくらいドキドキと興奮してしまった。

――こりゃマジで援助交際みたいに見られるだろうな……

 ガタイがデカいだけで、ビール腹の上この頃頭髪も薄くなってしまった冴えない中年男が、人目を引くこと間違いないセーラー服の美少女と仲良く寄り添いながら歩いているのである。俺は彩美が愛情を込めて見つめるまなざしの色香にクラクラしながら、そんなつまらない世間体を気にしてしまう有様だった。何と彩美が自ら今後の生活で使用するため研究所から拝借したと言うSMグッズの詰まったアタッシュケースを持つ手は緊張で汗が滲み、俺はまるで天上を浮遊しているようなフワフワした幸福感に包まれて、彩美と車までの道のりをゆっくり歩んだのである。

 そして車に乗り込みエンジンを始動させて発車すると間もなく、助手席に妙にぎこちなく座った彩美が、ようやくゆっくりと口を開いてくれた。

「…… パパ……」

――え!? お父様、じゃないのか……

 予期していた呼ばれ方と違い一瞬戸惑った俺だが、すぐに思い直した。もともとそう呼ばれていたのだし、こんな1対1の空間で「お父様」などとかしこまって呼ばれるより、「パパ」の方が良いではないか。奈津子さんだって俺がいる前だから、和田さんを「お父様」と呼んでいるのかも知れない。だが、しばらく間を置いて彩美の口から出た言葉に今度こそ俺はビックリ仰天し、危うく事故を起こしそうになっていた。

「……おうちに帰ったら、えっちしよ。カバンの中のお道具を使って……」

 俺はもうはやる気持ちを懸命に抑え付け、本気で事故を起こさぬよう身長にハンドルを握った。万一ここで事故を起こしてあの世行きとなったら死んでも死に切れないだろう。彩美はそれ以上何も口にせず、助手席にチョコンと座りニッコリ嫣然と微笑んで、小悪魔みたいななまめかしい視線を送って来るばかりだった。

 家に着き玄関をくぐってドアを閉めるなり、彩美はいきなり俺に飛び付いて来た。

「お、おい、彩美……」

 期待していたとは言え、あまりにも大胆で身もふたもない娘の行動にタジタジとなった俺は、彩美が求めるままに唇を合わせ、すぐにお互いの舌を絡ませ吸い合うディープキスに突入した。女の子とこんな熱烈な愛情表現を交わすなんて久しぶりだ。もしかすると彩美の母親との新婚時代以来かも知れない。

 それにしてもこんな積極的で激しい求愛行動も研究所の教育の成果なのだろうか? 彩美は唇を吸いあったまま手を俺の股間にやって、ギンギンに突き上げているペニスをズボンの上から掴むと、口を離して言った。

「パパも彩美とえっちしたかったんだね。嬉しい……」

 俺の方はまだ彩美の体に触れることを躊躇していたのだが、これはもう抱いてやらなければなるまい。そう覚悟を決めた俺は脱ぎかけだった靴を脱ぎ捨て、玄関から入ってすぐの居間に入った。俺がいつも布団を敷いて寝ている畳敷きの部屋だ。もちろんガッチリ握ったアタッシュケースも持ち込む。いよいよ娘と合意の上での、SMグッズを用いた藍の営みが行われるのだ。和田さんの言葉を借りるならば、俺は「日本一の果報者」だった。

「ねえパパ。パパだけ脱いでよ」

 2人で居間に入り、アタッシュケースを置くと、彩美が妙なことを言った。

「男の人ってセーラー服を着たままエッチする方がコーフンするんでしょ?」

 おお、何と言う素晴らしい提案だろう。余人は知らず、少なくとも俺に関してはその通りである。これも研究所の教えかと思えば、大金をはたいた甲斐があろうと言うものだ。俺は彩美がニコニコとみつめる前で、暑苦しい背広を脱いでいった。そしていよいよパンツまで下ろそうとした瞬間彩美が声を掛けて来た。

「パパ。こんなのコーフンする?」

 パンツを脱ぎ掛けていた俺が目を上げると、何と彩美は両手でセーラー服のスカートをガッと上げる挑発的なポーズを取っていた。もちろん下に興ざめな黒い衣類など着用してはいない。チラリとだがハッキリ覗けてしまっている下着は小学生がはくような何の飾りもない白だったが、俺は脳の血管が切れそうなくらい興奮して一気にパンツを脱ぎ捨てると、娘の名前を大声で呼んだ。

「彩美っっ!!」
「このヘンタイオヤジっっ!!」

――ええ〜っっ!?

 娘の意外な言葉に驚愕した俺の股間に、次の瞬間彩美の強烈な蹴りが炸裂し、モロに急所を痛めつけられた俺はグエッと言う感じの低い悲鳴を上げ、あまりの痛さに股間を押さえてしゃがみ込んで動けなくなった。情けないがボロボロ涙が出て、ショックと激痛でわけのわからない俺の両手を彩美は捻り上げて背中で手錠の音をガチャリと鳴らす。あっと思った次の瞬間には、首輪まで嵌められて彩美にチェーンでグッと引っ張られていた。

「立つのよ! パパ」
「……」

 彩美の口調はさほどきつくはなかったが、強烈な痛みでもんどりうっている俺の首輪を引く手の力は全く容赦がなく、俺は悪夢の中にさまよい込んだような気持ちで前かがみになり何とか立ち上がる。情けないが完全に息が上がってしゃべることも出来ず、うつろな涙目を彩美に蹴られた箇所にやった俺は再び衝撃を受けた。

「パパってどMなんでしょ?」

 言葉の出ない俺は、そんなことをかわいらしい声で口にする彩美に怯えた視線を送り、首を振って否定した。

――彩美の方がどMのはずだぞ。研究所の矯正教育を受けて……

「じゃあ、どうしてチンコを蹴られてそんなに射精するのよ」

 俺が受けた衝撃はそれだ。彩美と「親密な関係」になることを期待して、ナニが痛くなるくらい大量に溜め込んでいたザーメンが、股間を蹴り上げられた瞬間激痛と同時に放出されて俺の脚や畳にまで飛散しているのだ。だがそれはショックで失禁したようなものだと思う。断じてエクスタシーを感じたわけではない。

「私、パパのこと大好きだったの。ううん、今でもだ〜いすき」

 彩美は首輪を引いて立たせた俺に告白した。

「パパがママと別れて、私ホントは嬉しかったの。だって大好きなパパと2人切りで暮らせるんだもの」

 俺はジンジン頭に響く痛みと精神的ショックでまとまらない意識の中で、娘の気持ちを納得しながら聞いていた。そうだ。そうでなければ、家では何もせず他の女と密通して妻に愛想を尽かされる俺のような父親に、娘がついて来るわけはなかった。

「でもね、その時はそこまで良く自分の気持ちがわかってなかったの。研究所で生まれた時からのことを振り返って、今やっと本当の自分の気持ちに気付いたわ……座っていいよ、パパ」

 彩美が首輪を緩めてくれたので、俺はその場に正座した。言われたわけではないが、正座する気分だったのだ。

「中学に入って、私もっとパパのことが好きになった。私が家のことしてあげないと、何にも出来ないんだもん。だから私、パパのためにご飯も作ってあげたし、掃除も洗濯もやってあげたでしょ」

 その通りだった。ボンクラな俺のために彩美はまるで妻のように尽くしてくれる、申し分のない良い子だったのだ。

「私ね、パパがえっちな目で私を見てたのも、良くわかってたよ。セーラー服が好きだよね、パパ。それにパパはえっちなだけじゃなくて、ヘンタイなんだ……」

――まさか、知ってたのか、彩美……

 彩美に「ヘンタイ」と名指しされた俺はドキッとしたが、娘は俺が思っていたよりずっと大人で、何もわかっていなかったのは俺の方だったのだ。

「私の下着や生理用品でよくえっちなことしてたよね、パパ。私、初めは意味わかんなくて、すごくショックなだけだったの……でもだんだんヘンタイな人のことがわかるようになって、パパも私のことが大好きなんだな、と思えるようになった。私ってとてもえっちな子なの。小学校から1人えっち知ってたし、パパが私の下着でシテるんだと思ったら、私もパパのこと考えながら1人えっちしちゃってた……」
「…… 彩美」

 ようやく口から出たその言葉は、しゃがれた小声でしかなかった。

「私、パパとえっちしたいな、と思った。でも、そんなことしちゃいけないことだし、パパが私のこんな気持ち知ったらどう思うだろうと考えたら、怖かった。それで、だんだんどうして良いのか、わからなくなって、気が付いたら……」

 彩美の声が涙声になり、俺も引きこもりの理由を告白する娘に心を打たれて、再び涙で頬を濡らしていた。

「研究所で、私は自分の本当の気持ちと向き合うことが出来たの。そして自分の気持ちに素直になればいいんだ、って教わった。だから私、パパとえっちする!」
「…… だったら、手錠を外してくれ……」
「ううん、ただのえっちじゃないの。私、パパを奴隷にして、一生一緒に暮らすんだ……」
「な、何をバカな……」
「バカじゃないもん。パパと結婚は出来ないけど、奴隷として死ぬまで飼ったげる。嬉しいでしょ、パパ」
「別に奴隷にならないでも……」
「お黙りなさい!」

 再び彩美に首輪を引かれた俺は、無様な丸裸のままヨロヨロと立ち上がった。

「私、研究所で本当の自分の気持ちに向き合うことが出来たの。それはどMでヘンタイなパパをイジめてあげたいってこと……」
「俺はどMなんかじゃないぞ! 勝手なことを言うな!」
「じゃあ、どうして又、そんなに腐れチンポをおっ勃ててるのよ!」

――う!……こんなバカな……

 ハッとして目線を下にやると、さっき大量に射精したにも関わらず俺のムスコはあっという間に回復を果たし、急角度でツンと勃起していた。研究所の見学で、小学生のももこちゃんに奉仕されて異常な勃起を続けてしまった俺だが、この状態で50歳手前の俺が勃起してしまうなんて、考えられないことだ。

「パパは目覚めてないだけなのよ。女の子の生理なんかに興奮しちゃう男の人は、たいていどMだって研究所で習ったよ」
「パパは違うんだよ、彩美……」
「うるさいいっっ!!」

 俺はSM愛好家だが、Mの女性をイジめることに興味があり、愛娘の彩美を同意の上でM女として調教してやるのだと胸を膨らませていたのだ。断じて娘にイジめられたい、などと言う倒錯した被虐願望などありはしない。だが、鋭く言い放った彩美の強烈なパンチをみぞおちの辺りに叩き込まれ、再び激痛で崩れ落ちた俺は、下腹部を抉られるような鋭い痛みと同時に、ゾクゾクと妖しい興奮が全身にこみ上げて来るのをハッキリと感じてしまった。ヤバい。これはヒョットして……

――違う! 俺はMなんかじゃない……

 そうだ。俺のようないかつい巨漢が、か弱い小鹿のように愛らしい娘の彩美をイジめてかわいがってやるのが当然だろう。だが、現実はどんどん逆に向かっていた。

「ホラホラ、男だったらしっかり立ちなさいよ、パパ! チンポを勃てるだけが能じゃないのよ!」

 激痛で崩れ落ち呻いていた俺は引きずられるようにして何とか立ち上がったが、彩美は次に勃起がどうしても治まってくれないペニスをピシャリと手で叩いて来た。

「パパがどMでないんだったら、この腐れチンポを引っ込めなさい!」

 恐らく研究所に仕込まれたのだろう。彩美が繰り出すキックやパンチや平手打ちは、格闘技の心得がある人のように的確に俺の急所を痛め付ける。こうして再びもんどり打ってへたり込んでしまった俺に、彩美はアタッシュケースから新たなグッズを持ち出して装着し始めた。

「ちゃんと立てないパパは人間じゃないわ、イヌよ。四つ足で歩きなさい」

 それは研究所で小学生のももこちゃんらが手足に嵌められていた、大きなグローブである。それを手錠を外した両手に嵌められファスナーをきっちり閉められると、人間の手の機能を失った俺には外すことは出来ない。ある意味手錠よりさらに屈辱的な仕打ちであった。そうは言っても相手は小柄でさほど力のないわが娘である。巨漢の俺が本気で抵抗すれば逆に彼女をやりこめてやることも出来ただろう。

 だが、俺にはもうこの引きこもりから脱したかわいい愛娘に、逆らうことは出来ない心理状態に陥っていた。それどころかどんどんこみ上げて来る倒錯した興奮が抑え難く、股間のモノはカチカチで狂ったように勃起が治まらないのである。俺は自分の中に芽生えてしまった「どM」の性癖を懸命に否定し、理性で抵抗しようとしていたが、研究所で目覚めて教育された彩美の「S」っぷりは見事で、俺の理性は徐々に麻痺してのっぴきならぬ状態に近付いていた。

「さあ、おいで、パパ」

 両手両足にグローブを嵌められて本当に「イヌ」のように四つ足で歩くより能がなくなった俺は、彩美に首輪を引かれて歩く屈辱に悶えたが、全身に横溢する凄まじい興奮にはもう抗い難く、あまりに急角度で勃起させたため腹に当たるペニスの浅ましさを感じながら、まるで娘に甘えるように擦り寄っていた。

「うふふ、こんなにおっきくして、イケない子ね、パパは……」

 彩美の手が優しく股間のモノを撫でて来ると、俺はビクンビクンと激しく脈動を高鳴らせて、危うく暴発してしまいそうになる。

「じゃあ、パパ、約束しましょ。パパは死ぬまで私の奴隷。お家じゃずっとその格好でいるのよ。大丈夫、エサはあげるし、おしっこもうんちも全部私が面倒見てあげる……」

 股間撫での心地良さに理性を喪失し、ついウットリと彩美の言葉の異常さを受け入れそうになっていた俺だが、さすがにすぐに承諾することはためらわれた。彩美の奴隷になることはもう了解していたのだが、自分がどこまで堕ちてしまうのか、怖かったのだ。いや、そうではない。もう1人の俺が悪魔のように呟いた。

――自分に正直になれ。お前はここで拒否して、彩美にきつい「お仕置き」をされたいと、思ってるんだろ?

 それが正解だ。これはもうお互い了解の上でのSMプレイの真髄ではないか。MはSからお仕置きして頂くために、わざと言いつけを守らなかったり逆らったりするものである。こうして俺は心の底では彩美からさらなる責めを受けることを期待して、いやいやと首を振り彩美の提案を拒絶するフリをした。

「どうしてイヤなの? 仕方ないわね、パパが素直になれるようにお仕置きしてアゲル」

 思った通りの展開に俺は思わず、くう〜ん、とイヌのような鳴き声を出し、怯えた視線を彩美に送った。でも実際にはどんな「お仕置き」が与えられるのかと、ドキドキワクワクして全身が慄えおののくばかりの興奮に包まれていたのである。

「わんちゃんの大好きなボールだよ〜」

 そう言った彩美は、俺の鼻を摘み開いた口に柔らかくて穴がたくさん開いたボールを押し込めて来た。言葉を封じ、しゃべろうとすればダラダラ涎がこぼれて屈辱を煽ってくれる、ボールギャグと言う定番の嵌口具だ。

「イケない子を素直にするおクスリだよ〜」

――ちょ、ちょっと、待て……

 すぐにピンと来た俺は狼狽してしまった。恐らく痒み薬の類だろう。俺がM女を責めるのにもっとも好きなプレイの1つだが、SMクラブでも限られた女性しか使わせてくれなかった。最も辛い責めであり、体を損ねてしまう危険があるからだ。だが、俺の四つ足で立った体は痺れたように動けず、彩美が楽しそうにペニスにベットリと軟膏のようなクスリを塗り込めて来るのを甘受してしまった。

「もちろんオシリにも塗ったゲルね〜」

――や、ヤバイぞ、マジで、コレは……

 予想通りとは言え、次に彩美の白魚のような細い指が、俺の汚い尻たぼの狭間の穴にクスリを塗り付けて来ると、俺は本気で心の底から怖くなって来た。女のアナルを責めるのが大好きな俺だが、決まって女性器よりはるかに乱れてしまうものだ。そして男女共アナルが最も強烈な性感帯である、と言うこともわかっている。まさか自分がその脅威に晒されてしまうとは思ってもいなかったが。

――あ、彩美! もう、そんな奥まで塗らないでくれ……

 そして彩美の指を受け入れた俺のアナルからは、生まれて初めての快感がハッキリと背筋を走り抜けて来るのである。俺は大きな不安を覚えると同時に、「お仕置き」への期待と興奮で被虐の歓びにドップリと漬かり始めていた。

「さ、パパ、お外に出るのよ〜」

――何だって!

 俺の股間の前後にベットリとクスリを塗り終えた彩美が嬉しそうにそう言って首輪を引くと、口を塞がれた俺はさすがに拒絶の意思を表して首を振り、へたり込んで抵抗した。彩美が引っ張る方向は表通りに面した玄関でなく、裏口のようだったが、俺たちの暮らす安アパートの裏路地は同じアパートの住人が顔を合わせる危険がある。俺のようなガタイのデカイ男が全裸で野外にいれば完全に変質者ではないか。それなりに付き合いのある近所の人にバレてしまったらと思うと、ゾッとした。

「何イヤがってんのお! 奴隷のくせに生意気よ!」

 だがためらう俺を見た彩美は、容赦なく火の出るような強烈な往復ビンタを俺の顔に炸裂させた。一度や二度ではない。10回近く殴打された俺の顔はヒリヒリと焼けるように痛く、恐らく真っ赤な火ぶくれのように腫れ上がったのではないかと思われた。

「う〜ん、ブサイクな顔がますます目も当てられなくなったわね〜 隠してアゲル」

 俺の顔を見た彩美はそう言うと、鼻の部分だけ辛うじて穴の開いた全頭マスクを被せて来た。冷たい生ゴムがズキズキと痛む頬にヒンヤリと心地良かったが、同時にそのムチムチベリベリと言う感触にますますゾクゾクとこみ上げる妖しい興奮を覚えた俺は愕然とする。生ゴムの感触で興奮してしまうのは、どMの女性に良く見られる性癖だ。俺はもう彩美の手で完全に「どM」に堕とされ、戻れなくなりつつあるのだ。そしてもちろん視界まで奪われたのも、俺の被虐の歓びをこの上なく増幅する。

「ホラホラ、へたり込んでないで、四つ足で立ちなさい!」

 俺が全身を襲う痛みと同時におぞましく昂ぶるものを感じながら何とか四つ足になると、彩美は猛り狂う股間の肉塊をムンズと掴んだ。もちろんまだ「ご褒美」を下さるわけではない。

「全くイヤらしい子ね。ココにも折檻してあげる」

 彩美は涙が出る程強烈な力で握り潰すようにペニスを掴み、もう一方の手で陰毛を何本も一気にブチッと引っこ抜いた。俺はあまりの痛さで、んん〜と呻き全頭マスクの下を涙と涎で濡らしていた。

「こんな毛は邪魔よ! 全部抜いてあげなきゃね……」

――やめてくれえっっ!!

 彩美がさらに数回容赦なくブチブチと陰毛を引っこ抜くと、俺は何も考えられないくらいの激痛に苦悶したが、同時にペニスの方は際限なく興奮を露にし、娘の手に恐ろしい勢いの脈動を伝えていた。

「これは時間がいくらあっても足りないわ。今度じっくり抜いたゲル」

 彩美がそう言って俺がホッとしたのも束の間、今度は陰毛を引っこ抜いていた手がシュッと音を立てた。もう片手は相変わらずペニスを強く握り締めている。

「ライターの火で焼いてみようか」

 目の見えない俺は恐怖で動けなくなった。彩美はまず陰毛をチリチリと焼いたが、それだけで終わってくれるわけはない。炎にペニスの根元を炙られると、俺は又恐ろしい呻きを洩らしていた。

「腐れチンポを火で炙られる気分はどうかしら、パパ? 言い付けを守らなかったら、今度は本気で焼いてあげるからね……」

 彩美はそんな恐ろしい言葉と共にライターでペニスをスーッと炙り、最後に亀頭を炎の脅威に晒してから火を収めてくれた。

「それじゃお外に行くわよ。いいわね、パパ?」

 俺はもちろんウンウンとうなずいて承諾の意を表した。すると彩美は次に四つんばいで踏ん張る俺の背中に乗ってきた。彩美が幼い頃よくこうやって遊んでやったのを思い出したが、今や立派に成長した娘は体重がその頃の何倍にも成っており、体力が消耗している俺には大変な苦行だった。

「さあパパ、私を乗せて歩くのよ! はい、まっすぐよ、歩いた、歩いた!」

 彩美は全体重を俺に掛けると、尻をペシペシと叩いて来た。

――ああ、彩美。こんなに大きくなったんだね。パパが何でも言うことを聞いてあげるよ……

 幼い頃から小柄で内気な子だった彩美は、なついていた俺にだけはよく甘えてわがままを言ったりすることもあった。俺も惚れていた母親似でかわいらしい彩美を溺愛していたから、まだ小さい頃こんな感じで飽きもせずお馬さんごっこをしてあげたこともあったっけ。俺はそんな昔を思い出し、こうして美しく大人に成長した娘の奴隷になって一生仕えると言う、彩美の非現実的な提案も俺たち父娘にとって必然のことだったのではないかと思い始めていた。

「じゃパパ、しばらくここで反省してなさい。私は晩御飯とパパのエサでも買いに行って来るわ」

 こうして「イヌ」と化した俺は勝手口の外に首輪で繋がれ放置された。彩美を乗せて何とか保っていた四つ足の辛い姿勢は、彼女が行ってしまった気配を感じるとすぐに崩してうつ伏せでへたり込む。すると首輪がグッと引かれて俺の被虐気分はますます盛り上がり、全裸で野外にいると思うと心臓が口から飛び出るほど興奮がゾクゾクとこみ上げてどうしようもなかった。目が見えないのでうつ伏せでどれだけ体を隠せているのかわからない。マスクで顔も隠れてはいるが、俺は巨体だから近所の人が目撃したら絶対にバレてしまうだろう。だが、視界を奪われている俺は逃げも隠れも出来ず、ただじっとして彩美が戻って来るのを待つしかないのだ。

――うう、ヤバい……痒くなって来た……

 そして俺自身大好きなSMプレイだが、実行したことはほとんどなく、したがって効果のほども半信半疑だった、下半身に塗られたクスリがジワジワと効き始めて来た。何しろあの研究所が開発したクスリなのだろうから、恐ろしいことに効果は間違いなさそうだ。

――うああ、こ、コレは……マジでキツイぞ、たまらない!

 俺はペニスに無数の虫がたかって蠢いているような強烈な痒みに耐え兼ねて、いつしか負傷する危険もかえりみず地面に擦り付け始めていた。すると痒みが癒されると同時に天にも昇る快感が突き抜けて、俺の地面擦り付け行為はどんどん浅ましくなっていく。

「あらあら何をやってるの? 全く恥知らずなオスイヌね!」

 彩美の声にハッとした俺は、慌ててペニス擦り付けオナニーを中断した。

「な〜んか、そこいら中濡れてるんだけどお? オシッコでもしたの、パパ」

――彩美いっ! もっとしてくれ、お願いだあっ!

 彩美がそう言いながら執拗な痒みに疼き上がるペニスを握り締めて来ると、俺は心中絶叫していた。買出しに行っている間だからそんなに時間が経過してはいないはずなのに、目が見えず時間の経過がわからない俺には永遠とも思われるほど長く感じられ、どんどん辛くなって来る一方の痒みに狂った俺は夢中で地面擦り付けオナニーに耽り、何と4回射精していたのである。それなのにまだまだ刺激を欲しがってペニスをそそり勃てている俺の体は、野外露出の興奮と淫薬によって狂ってしまったのに違いなかった。

「シコシコしたげよっか、パパ?」

 うんうんと大きく頷く俺。

「だったら、一生私の奴隷になって奉仕するんだよ」

 俺はもちろん承諾して頷いた。

「ココも弄って欲しそうね」

――そ、そうです、彩美様あっっ!! オシリのアナをめちゃくちゃにイジって下さい!

 後で知ったが、その時彩美は大きなペニスバンドをスカートの下に装着しており、四つ足で立たせた俺のアナルを一気に後ろから貫いて来た。放置されていた間何も出来ず火を吹き上げそうな激しい掻痒感に疼き上がっていた尻穴は、たちまち強烈極まりない快感を見舞われて、俺は一気にアナルの歓びにまで目覚めてしまう。そして彩美がゆっくりとストロークを送り込みながら、ペニスを握った手もシコシコと動かして来ると、俺は男でありながら股間の前後の壮絶な快楽に悶え狂い何度も達して白濁液を吐き出してしまい、ついには意識が薄れてなくなってしまったのだった。

「気付いた、パパ? そこに正座してくれる?」

 次に意識を取り戻した時、俺の体からは全ての拘束具が外され、全裸で居間の畳の上に転がっていた。彩美も愛らしいセーラー服を着たままである。俺が言われるまま正座すると、目の前に美しく成長した愛娘が立った。

「パパ、ホントに私の奴隷に成ってくれる? 確かめさせてちょうだい」
「……ああ、成るよ。パパは一生彩美の奴隷だ、約束しよう」
「じゃあ、これを着けてもいい?」

 もう実質的には了解しているのだが、彩美は自分と俺との将来に渡る約束を確認しようと、言葉使いも普通の父娘の会話だ。だが、彼女が手にしているのは手錠と首輪。

――これを着けてもらえば、俺は彩美の奴隷に成れるんだな……

 そう理解した俺は、これを機に言葉使いも改めることにした。

「もちろんでございます、彩美、さま」
「嬉しい……」

 彩美様は遠くを見つめるような目でそうおっしゃった。昔からこれまでの俺との思い出に浸っておられるのだろうか。目に涙まで浮かべながら、嬉しい、と口にされた彩美様の手で、背中に回した手に手錠を掛けて頂き、首輪まで授けて頂いた俺も、感激で泣きそうになっていた。

「お舐めなさい」

 彩美様がそう言って片脚を上げ、今日ずっとはいておられて汗で少し黒くなった白いソックスの裏を差し出されると、俺は顔を前へ突き出して舐めさせて頂いた。

「両脚の付け根までゆっくり舐めるのよ」

 ああ。彩美様の汗ばんだ素晴らしいおみ足を舐め尽くすことが出来るなんて。俺は奴隷にして頂いた幸せを噛み締めながら、ゆっくり舌と唇を若さ溢れる彩美様の下肢に這わせていった。俺はもちろんウットリと陶酔していたが、ふと目線を上げると彩美様も気持ち良さそうに切れ長の目を細めておられて、俺は感激した。いつの間にか彩美様のフトモモがビクビクとおののき、下肢全体もワナワナと切ない慄えが大きくなって来たではないか。

――彩美様も、俺に奉仕されて感じていらっしゃる!

 それがわかった時俺は天にも昇るような感激に包まれ、ますます熱を込めて愛情に満ちた下肢へのご奉仕を続けていった。そして両肢を舐め終えた時彩美様の言葉も慄えておられた。

「パ、パパ! お前の大好きな白いパンツよ、しっかりお舐めなさい。パンツの上から、私がイケるまで舐めるのよ!」

――彩美様! 私にお任せ下さい、朝まででもずっと舐めて差し上げます……

 ああ。本当に夢にまで見た実の娘である彩美様の、清楚な白パンツが目の前にある。まさかこんな日が来るとは想像も出来ず、幾度となくコソコソと盗んで密かに自分を慰めた日々が思い出された。いつから俺はこんなに娘の下着に欲情するようになったのだろう。妻に去られた時からか? だが、彩美様への募る想いが決定的になったのは、彼女が引きこもりに陥った時に違いない。

――私たちはこうして結ばれる運命だったのです、彩美様……

 スカートを自ら両手で持ち上げた彩美様が、俺の舌使いに合わせてああ、ああ、と素晴らしいよがり泣きを聞かせて下さるのを天上の調べのように聞きながら、俺はそう思った。彩美様が血の繋がった父娘だからと言うくだらない理由で自分の気持ちを押し殺し引きこもりに陥ってしまったのと同様に、俺も又彩美様と関係を持つことに強いためらいを覚えたがために、その代用として彼女の使用した下着や生理用品に強く惹かれるようになったのだ。

 研究所のおかげでタブーを解き放たれた彩美様が、こうして自分に正直に俺への愛情を注いで下さる今、俺も彼女の愛を受け止めて、精一杯の愛をお返しせねばならない。彩美様の汗と体液の芳しい匂いが充満する股間で、俺はクラクラと脳髄まで痺れ切らせ、いつまででも続けるつもりで執拗に白い布地に舌を這わせた。すると一面に唾液で塗れた白パンツは、彩美様が溢れさせて下さった愛液と相まって素晴らしい透け具合になって来たのだ。

――ココが彩美様の女のいのちだ。ココをしっかりお舐めしなくては

「あん、ぱ、パパ、そ、そこお〜っっ!! いくっ! いくうううっっっ!」

 俺が彩美様の美しいワレメと、その部分の唇の合わせ目に隠れた宝石を探り当てて、決して乱暴にならぬよう気遣いながらスルスルと繰り返し舌でなぞると、彩美様は俺の舌に押し付けるように股間をグッと押し出し、愛らしい悲鳴を上げながらとうとう絶頂に達して下さった。

「ご、ご褒美よ!」

 そして天国に到達した彩美様はその場で白パンツを脱ぎ、タラリと納豆のような粘液が糸を引いている魅力的な布地を、俺の完全に萎えたペニスに被せて下さった。するとあれだけ酷使して、もう一滴の精も残っていない筈の肉棒がムックリと起き上がり始めたのである。

――奇跡だ…… 

「口をお開けなさい」

 ハッと上を見ると、彩美様は俺の顔に向かって麗しい腰を下ろし始めているではないか。俺が慌てて大きく口を開けると、彩美様はシャーッと聖水を俺の口めがけて降り注いで下さった。

――飲んでもよろしいのでしょうか、彩美様……

 俺は彩美様の分泌物を頂戴する栄誉に満ち足りた幸福を覚えながら、夢中でゴクゴクと喉を鳴らす。俺のために溜め込んでくださっていたのか、大量の聖水は飲み切れず、口を外れるものと一緒に顔も体もベトベトになったが、俺はもう幸福の絶頂にいるような気分だった。

「仰向けにおなりなさい」

 彩美様はそう言うと自ら俺の体を押し倒し、白パンツの寵を受けて奇跡の回復を遂げた男根が天を向いて勃起するのを満足そうに見つめられた。そして俺の体の上に馬乗りになった彩美様がゆっくりと腰を下ろして来ると、最後に残った俺の理性が呟く。

――本当にいいのか?

「バージンをあげるわ」

 恐らく研究所の研修で肉体的には処女でなくなっておられただろう。彩美様はバージンと呼ぶにはあまりにもスムーズに合体を果たされたが、それは精神的なロストバージンの意味だと、俺は受け止めた。が、驚いたことに数回腰を上下させてよがり声を上げた彩美様はすぐに結合を外し、今度は違う秘穴のバージンまで下さったのである。そしてアナルで繋がった彩美様のよがり狂いぶりは、前部の比でない激しさであった。パパ、パパ、と俺を呼びながら彩美様は次々に連続絶頂に昇り詰められ、俺もどこに残っていたのか生命の雫を吐き出していた。

「パパあ〜、ま、又いくうっっ!! 約束よ、パパは一生彩美の奴隷なんだからね!」
「承知しました、彩美様あっっ!!」

 こうして俺たちはその夜結ばれて、一生続く主従の誓いを確かめあったのである。

「田中君、どうした? ぼうっとして。会議はもう終わったぞ」
「あ、すみません、部長……」

 俺はその日、会議中に動き始めた貞操帯のアナルバイブに耐え切れず、彩美様に禁じられている射精でペニスサックの中を汚してしまい、フラフラになっていた。俺は今、研究所が開発したらしい男性用の黒革貞操帯で、彩美様に射精を管理して頂いている。この貞操帯はガッチリとサックの中に俺のペニスを収容し、辛うじて小用は可能だが刺激を与えることは出来ず、もちろん他の女に使うことなど不可能だ。そして彩美様に連日のように開発して頂き、すっかり貪欲になった尻穴にグネグネした軟質で太いバイブが入っているため、俺は常にペニスを張り切らせてサックを一杯にしてしまっている。

――今日まだ彩美様は生理中のはずだが……そうか、何と素晴らしい!

 彩美様がリモコンで動かして下さるアナルバイブは、その夜のプレイのお誘いなのである。彩美様はおとといから生理中ということもあってもう4日間お誘いが掛からず、俺の方もたまって来ていたため久しぶりのアナルバイブのあまりの心地良さに会議中貞操帯の中を汚すはめになったわけだ。

 彩美様はもちろん勝手に射精してしまった恥知らずな俺を咎め、厳しいお仕置きを下さるに違いない。何しろ彩美様は生理の真っ只中だ。聖水以上に素晴らしい聖なる経血を俺に飲ませて下さるのではないだろうか。ひょっとすると俺の顔を経血の滴る股間で窒息しそうなほど強く挟み付け、ベトベトの血で真っ赤に汚して下さるかも知れない。

「田中さん、もういいですか?」

 俺が会議が終わったのにぼうっとして部屋に1人たたずんでいると、会議室のテーブルを拭き掃除するフリをした三十路独身の女子社員が現れた。彼女は人目を引く美形だが、選り好みをしていたのがたたって婚期を逸し結構な年齢となって、すっかり「お局」さんとなってしまったのだ。かなり結婚を焦っていると言う噂だが、以前は鼻も引っ掛けてくれなかったバツ1シングルファーザーの俺を狙っているらしいと言うのだから驚きだ。

 なぜだろう。彩美様の生涯の奴隷になることを誓った頃から、俺は会社で妙に女子社員のウケが良くなった。彩美様と繋がっていると言う心の支えが精神的な余裕をもたらし、プレイ時以外は妻のように尽くして下さる彩美様が俺の身だしなみにもよく気を配って下さっているからだろうか?

「あの、田中さん。もし良かったら、今度食事でもご一緒させて頂けませんか?」

 そら来た。美形のお局様は、俺がわざわざ1人で残って自分と2人切りになる機会を作ったのだとでも、大きな誤解をしたのだろう。彼女の方から誘いを掛けて来た。

――この女、よく見ると色白でスタイルがいいし、ムネもデカいよなあ……

 三十路女の色香を振りまきながら迫って来た彼女に、俺はそんな感想を持った。正直に言えば、かつての俺なら彼女のような美人の誘いには一も二もなく乗って、あわよくばホテルで一発、と目論んだに違いない。40台後半の俺にとって、彼女はストライクゾーンど真ん中の魅力的な女性である。

「申し訳ありませんが、娘が待っていますので。それでは失礼」

 だが今の俺は無論、どんなフェロモンムンムンの女性にも心を動かされることはあり得ない。そうアッサリと彼女の誘いを断った俺は、経血を飲み顔面を真っ赤に染められる至福の時を予想して胸をワクワクさせながら、生涯を誓い合った最愛の彩美様の待つ家路へと着いたのだった。

 
 
< おしまい >


 

 

戻る