花の帝国


 

 

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<<ガーデナーさんからのアドバイス>>

 孝典君、2学期が始まってしばらくたつと思うけれど、様子はどうかな? 初代のセルウスやディシプレ、ペルベルタたちはちゃんと夏を越えられたかな? 気になっていますので教えて下さい。夏の終わりに君がくれた成長観察日記から察するに、ディシプレの宿主になっている香村千沙さんは相当賢くて、適性があると思います。もし貴方が魔道植物の栽培に飽きつつあったら、あるいは女の子たちと遊ぶことに没頭しちゃっていたら、栽培や種の掛け合わせは千沙さんに任せるのも一つの考えだと思います。ディシプレはマザリアに代わってマザリアのために働いてくれますから。

 気が向いたら、一報くださいね。


。。。



 9月21日(月)

 植村さん、平賀孝典です。しばらく観察日記の更新が途絶えていてごめんなさい。魔道植物の栽培には全く飽きていません。それどころか、毎日お花の生息域を拡大させています。今ではうちのクラスはもちろん、体育館を女子バスケ部と一緒に利用する、男子バスケ部や女子バレー部、体操部、卓球部もほぼ全員が、僕のセルウスかピュピレかロボタの花を頭に咲かせてくれています。

 男子バスケ部や卓球部、体操部の男子は体育館の外回りを日が暮れるまでランニングして、体育館に入ろうとする人を、理由を作って引き止めてくれています。その間、体育館の中に男子は僕だけ。あ、時々、使いっぱしりのシゲルが行き来するぐらいですね。行き来と言えば、最近はシゲルに加えて、新人パシリの数学教師、師井佳世先生にも体育館の中と外を頻繁に往復してもらっています。そして閉じきった体育館の中では、僕が気にいった子を呼んで好き勝手にエッチをさせてもらっています。みんなそれが部活動だと思って、あるいはそういう素振りを自分に強いて、毎日僕に奉仕をしてくれます。

 琴子は可愛い女の子たちを取り纏める、リーダー役。僕が胸の大きな子を探している時やお尻のプリッと締まった子を探している時。すぐに僕の思いを汲み取って、「喜び組」からベストチョイスを呼び出してくれます。個人練習やワン・オン・ワンをしていた子達も、琴子の声がかかると、電気が走ったみたいに「きをつけ」の姿勢になって、すぐにこっちに駆けつけて、それぞれのユニフォームやコスチュームを脱ぎながら僕への奉仕に入ります。あ、ちなみにこの子たちにとって、個人練習とは性感帯開発のためのオナニー。ワン・オン・ワンとは女の子同士のレズプレイのことです。なので、僕への奉仕が始まる時には、もう肌は赤いし目はトロンとして、可愛い乳首は限界まで立っています。もちろんアソコの中は僕のモノを待ち焦がれていたみたいにヌルヌルです。若くて可愛いアスリートたちの全身を使ったサービスを次から次へと受けていると、すぐに日が暮れてしまいます。マザリアの効果なのか、僕は1日に6回から10回くらい射精しても平気ですし、とにかく回復が早いから、少しずつ日が短くなってくるのが残念なくらい、毎日の放課後を楽しんでいます。お陰様で、植村さんへの報告がすっかり遅くなってしまいました。ごめんなさい。

 魔道植物の掛け合わせや新種、変種の作成は、植村さんのアドバイスともピッタリなのですが、千沙が一手に引き受けてくれています。つい昨日、新しくて面白い種を作り出してくれました。今日はそのことが報告したくて久しぶりの更新のためにPCを開いたんです。

 あとで送りますが、種はすっごく小さくて、真ん中が膨らんだ三角形の形。でもとにかく小さくて見過ごしそうですよね。これを先生とか女の子とか用務員さんとかに植えると、すぐに小さなオレンジの花が咲きます。ほんとうにすぐなんです。これまでで一番成長が早かったドーラより早い。15秒とか30秒とかっていうスピードです。

 そしてこの花を咲かせた人、種を撒いた人やマザリアの僕が呼びかけると、目が遠くなったみたいにボンヤリと前を向いたまま、立ち尽くして僕らの話を聞きます。その姿はドーラの効果とよく似ています。でも、僕らの命令を聞き終えると、夢から覚めたみたいに目をパチクリさせて、周りをキョロキョロしています。僕らの命令の中身も覚えてませんでした。それでいて、意識を保ったままでも、僕らの命令をきちんと遂行してくれるんです。ドーラとピュピレを掛け合わせたって千沙が言っていましたから、2つの効果が上手く混ざったのでしょうか?

 最初にこれを試した相手は、用務員さんと一緒に校内の修繕箇所をチェックしていた、安全委員で化学を教えている姉川ツカサ先生。あと用務員の山本さん。二人はボンヤリした目で千沙に「キスしなさい」って言われるのを聞いた後、表情からすると我に返ったはずなのに、直後にお互い、当たり前みたいに顔を近づけていって、チューをしました。白衣の姉川先生と作業着姿の山本さんの、美女と野獣カップルは、ギャップもあって、なかなかの見ものでした。千沙が「お二人とも、学校でそんなことしてていいんですか?」って聞いたら、顔を赤くしてしどろもどろ。自分たちがどうしてそんなことをしたのか、良く説明が出来ないみたいでした。

 懸命に言い訳をする姉川ツカサ先生はちょっとキツ目の顔立ちをした美人。理数系の美女っていうんでしょうか? 僕は先生のもどかしい言い訳を遮って、指示を出してみました。

「先生、髪を解いてこっちにウインクして」

 僕が言い終わるまで、言い訳を止めて夢を見てるみたいな顔をしていた先生が、急に霧が晴れたような表情になって、言い訳を続けようとします。でも喋りながら、後ろに束ねた黒髪を解いて、首を左右に振ると、ファサファサって髪がほどけます。その後の思わせぶりなウインクも、普段の姉川先生っぽくなくてとってもセクシーでした。

「正直に答えて。なんでそんなことをしているの?」

 千沙が聞くと、先生は立ち尽くして、今までの言い訳とは違うことを言います。

「わかりません。でもどうしても、こうしたくなって、してしまいます。・・・というのか、気がついたら、しています。」

「何か、私たちが怪しいことしてると思う?」

 千沙は追及を止めません。このあたりの探究心は、僕も見習わなければいけないですね。

「・・・思いません。誰も怪しくなくて、ただ私が変なことしたり、思ったりしちゃっただけだと思います。」

 平然と答えた後で、姉川先生は、自分が何でこんなことを呟いているのか不思議そうに、首を傾げています。それでも疑惑の目は僕らには向きません。これはなかなか便利そうな花だと思いました。

 腕を組んで考えている千沙を無視して、僕はどんどん姉川先生と用務員の山本さんに指示を出してみました。

「ベロを思いっきり出してみて」

「そのままバンザイしてみて」

「そのまま、ここの廊下でケンケンパーってしてみて」

 小さい子供がお馬鹿なポーズを喜んでするみたいに、2人の大人がベロを突き出し、両手を挙げながらピョコピョコと飛び跳ねています。僕はさっきの効果を確かめるように、先生に聞いてみました。

「ねえ、姉川先生。なんでそんなことしてるの?」

「わからひゃいの。へも、こうひたふてひょうはひゃいの」

 ベロを出したまま、困ったような顔で返事をする先生。ケンケンの拍子に舌を噛んじゃったりしないように、2人をストップさせました。片足を上げているので、ベロを出したグリコの看板みたいです。

「千沙。これ、ひょっとしたらドーラよりも使いやすいかもね。でかした。褒めてあげるよ。」

「ちょ、ちょっとまだ待って・・・・あぁっ・・・・あぁあああん」

 僕のお褒めの言葉を遮ろうとした千沙でしたが、結局褒められて、その場でイッてしまいました。内股を擦り合わせて、僕にしがみつくようにしながら千沙が僕を見上げます。潤んだ目に知性が戻ってきました。

「嬉しい・・・んだけど、ご主人様、ちょっと待ってよ。私、さっきの、先生の言葉、『変なことしたり、思っちゃったりしただけ』って言葉に引っかかってるの。これ、ドーラの効果だけだったら行動しか支配出来ないかもしれないけど、ピュピレが持ってる、相手の考えを捻じ曲げられる効果も入ってるなら、他にも使い道があるかも」

 千沙の目が冷静さを取り戻しました。僕たちをチラチラと見ながら、なおもベロを限界まで出して片足バンザイしている2人の前に、千沙が近づきます。

「2人とも姿勢を楽にして良く聞いてね。貴方たちは、カエルよ。カエルちゃんになるの。」

 千沙が喋り終えると、夢見心地の目から素に戻ったと思えた2人が、そのまま廊下にしゃがんで、両手をつきます。

「ケロッ。・・・ケロケロッ。」

 大きく膝を割ってしゃがんでいる姉川先生は、小さく鳴いてピョコンと跳ねました。後ろでは用務員の山本さんが喉を膨らましては飛び跳ねています。でも僕の視線は姉川先生の白衣の下。タイトスカートが捲れ上がってご開帳となっている、水色のパンティーに釘付けになっていました。青い刺繍の入った大人のパンティーがストッキング越しに見えちゃっています。

「あら、姉川先生、パンツ見えちゃってますけど、大丈夫ですか?」

 千沙が聞く。最近の千沙の言葉責めはすっかり堂にいっています。

「香村さん。今、先生はカエルちゃんだから、パンツ見えても、全然気にならないケロッ」

 姉川先生は、いつもよりもちょっと高い、鼻に掛かったような「カエル声」で答えてくれました。その言葉通り、僕らの前で大きく膝を開いたまま、何回もジャンプ。水色のパンツはすっかり丸見えですが、平気な顔をしてケロケロ言っています。

「じゃぁ・・・先生。本当にカエルになってるんでしたら、あ・・あの、昔から、カ・・・・『カエルの面に小便』っていう諺がありますよね? あれって本当なのか、教えてくれませんか?」

 千沙はわざと、自分でも恥ずかしがりながら意地悪な質問をします。どれだけ深く、相手の考えを歪ませられるのか、試しているということはわかりましたが、僕はちょっとだけ嫌な予感を持ってしまいました。

「本当だケロ。いつでも引っ掛けてくれればいいケロ。先生は平気ケロッ」

 犬が尻尾を振るかわりみたいに、先生はその場でピョコピョコ跳ねて見せます。千沙は用務員の山本さんに声をかけました。

「山本さん、貴方は元通り、人間のオジサンに戻ります。でもここは飲み屋街の裏通り。貴方はビールをたっくさん飲んで、お手洗いを探していました。でもあれれっ。ここにいるカエルちゃん、オシッコひっかけられても平気っていう顔してますよね。ちょっと悪戯をしてあげましょうか?」

「うっ・・・ウィーィ。てやんでぃ、馬鹿野郎・・・。この両生類ごときが、人間様、舐めんじゃねぇぞう」

 立ち上がったけれど、フラフラとした足取りで姉川先生に近づいていく山本さん。両手をチャックに伸ばしています。でも姉川先生は笑顔で山本さんを見上げています。

「ちょっ・・・ちょっと、もういいよ。ストップ!」

 僕が割って入ると、山本さんと姉川先生は、時間が止まったみたいに目を開いたまま、ピタッと動きを止めてしまいました。僕が咎めるような目で千沙を見るのですが、千沙の顔は真剣そのものです。

「本当に蛙になりきってるんだったら、会話も出来ないし、諺も知らないし、パンツ見えて平気どころか、パンツ履いてることがおかしいってなるはず。・・・やっぱりこの花は、2人の想像力に働きかけて、私たちの言葉を暗示として膨らませているんだと思う。この花の効用は、相手の無意識に働きかけて行動を支配するだけじゃなくて、無意識から深層心理に作用して、思いや認識、考えを捻じ曲げるっていうことなんじゃないかな。」

 千沙の推測は当たっているのでしょうか? 4つ採れていたこのとても小さい種のうち、2つを使ってしまっているので、2つしか残っていませんが、そのうち1つを植村さんにお送りします。この種の正体を分析してください。よろしくお願いします。

 あと、更新遅れてしまってごめんなさい。毎週のようにチェックしてもらっていたなら、悪いことをしちゃったな、と反省しています。

 ちなみに先生たちは、正気に戻したあとは、何で自分たちがカエルになったりオシッコしそうになったり受け止めそうになったりしていたのか分からないって困ったり恥ずかしがったりしていましたので、「今日のことは全部忘れて」って伝えたところ、修繕が必要な箇所も思い出せなくなっちゃって、頭を掻きながら家に帰って行きました。


。。。



<<ガーデナーさんからのアドバイス>>

 孝典君、ご連絡ありがとう。更新は無理せず自分のペースを守るのが秘訣ですので、焦らなくても大丈夫です。ただ、その後が気になっていたので、私もつい、催促してしまって大人気なかったかな?

 それより、ドーラとピュピレの掛け合わせ、ついに成功しましたね。これは環境と土壌をしっかり整えても、なかなか簡単に成功するものではないので、君たちの若い情熱の賜物だと思います。私にとってもとても嬉しいことです。次世代を楽しみにしてください。その繁茂方法にきっと驚くと思いますよ。

 香村千沙さんの観察眼は大したもので、私が解説することが無くなりはしないかと、心配するほどでした。その種は昨今の魔道植物業界ではトランシアと呼ばれて浸透していますが、欧州の一部では昔ながらの名称を使って、マリオネッタと呼んだりもします。千沙さんの分析通り、変性意識を作り出して、主の言葉を深層心理に素通りさせる。その結果、投げかけられた暗示や指示に対して無防備になった、土壌である人たちはその暗示を自分の考えとして正当化したり、なんの疑問も持たずに行動に移したりします。

 その効果は無意識の間に行動だけを支配するドーラや、相手の認識は正常なまま服従を強いるロボタ。そしてこちらの命令や言葉を受け入れて考えを変えつつも、その指示があったこと自体ははっきり認識されるピュピレと異なり、使い方の幅はとても広いと思われるでしょう。そしてその成長の早さ。芽吹くまでに10秒。開花までに20秒という速さは使い勝手も良い。魔道植物のマーケットでもとても人気が高い種です。しかし、その分、他の種と比べて弱点もあります。成長があまりにも早く、初期段階に置いて指示出し等の養分すら必要としないせいからか、寿命も早い花です。長い種でも3日もすれば枯れてしまいます。同じ土壌に何度も植えることは出来るのは良いのですが、同じ人を長くトランシアの影響下に置こうとすれば、繰り返し植えてあげなければなりません。なので芽吹きまでの容易さとは裏腹に、実はなかなか手のかかる花でもあります。

 そして、相手の変性意識、深層心理、想像力に働きかける花であるために、その反応には個人差が出てきます。そこはドーラやロボタの効用の安定感や徹底ぶりと比べると、やや心許ないと感じる購入者もいますね。

 こうした花それぞれの効用をよく考慮して、場面や相手によって使い分け、自分好みの庭を、自然と相談しながら作り上げていく。それが庭師の醍醐味でもあります。楽しみながら勉強してください。


。。。



 数学教師で女子バレー部の顧問をしている師井佳世は、厳しい教諭として定評があった。主に特進コースのクラスを受け持っているため、一般コースの生徒に対しても自然と要求レベルが高くなる。一度、中学一年生で秀才と鳴らしていた香村千沙という優等生も、そんな問題の解き方では効率が悪いと、クラスの生徒たちの前で公然と叱咤したこともある。それもこれも、生徒たちのため。分かってくれる子たちだけが、分かってくれるべき時になって理解してくれればいい。そんな思いと情熱で、あえて生徒たちにキツく当たってきた。生まれ持った端整な顔立ちもあり、生徒たちからすれば近寄りがたい存在となっていたかもしれない。しかし今の佳世は、生徒たちに見つからないよう、必死に駆けていた。青梅台学園中等部2年、平賀孝典の一味の使いっパシリとして酷使されているからだ。

「っていう訳で、買い物済ませたらダッシュで戻ってきてねー。」

「はいっ。かしこまりました。」

 左手でスマホを耳に当てながら、右手で敬礼する。命令を頂いている間は直立不動で聞くのがルールとのことだった。電話口の向こうでは平賀孝典という男子生徒が無邪気な口調で話す。腹立たしい思いで電話が切れるのを待っていたが、電話は他の誰かに代わったようだった。多少遠慮がちな口調で話しかけられる。

「あ、あと佳世ちゃん。お腹がすいてたら全力ダッシュも出来ないと思うから、途中でいつもの道草、買い食いしちゃっていいよ。でも3分で掻きこんでね。」

「はいっ、お気遣い、ありがとうございます。」

 女子生徒の香村千沙の声に、師井佳世はもう一度敬礼して答える。道を行く通行人たちが怪訝な顔つきで佳世を見ていく。振り返ってヒソヒソ話している人もいる。

「・・・あ、もう一つ。佳世ちゃんに質問忘れてた。」

 声は穂波琴子という女子生徒のものに代わっていた。いやだっ。師井佳世は人目を気にして顔を赤らめる。また例の質問が来るのだ。

「佳世ちゃん、今日もお胸はおっきいの?」

 直立のまま、敬礼している右手を下しておもむろに自分の胸を揉む。公道で、目を丸くする通行人たちから顔を背けながら、真っ赤な顔の佳世がスマホを口に近づけた。

「はいっ。生理後は若干張りが失われるような気がしますが、いつも通り、バスト89センチDカップは維持していると思われます。」

「か・・・感じやすさもいつも通り?」

 若干、聞きにくそうにしながら穂波が聞く。もはや誰とも目が合わないように、佳世は両目の瞼を閉じていた。スマホの端を口に咥えると、両手を使って服の上から、乳首の辺りをつねり上げて擦ってみる。通りに学校関係者だけはいないことを願っていた。

「はいっ。感度も良好です。26歳を越えて、師井佳世は感度も性欲も絶好調でございます。ありがとうございます。これからも所用ございましたら、師井佳世にお申しつけください。」

 言いたくないことを次々と言わされる、その発想には畏れ入るほどだった。申し訳なさそうな・・、でも我慢出来ないといった笑い声が響いて、電話が切れた。直立の姿勢で指示を仰いでいた師井佳世は、指示遂行のためにダッシュする。

 走るとそれだけでボリュームのある胸が左右交互に上下に揺れる。自然に男性の視線を集めていることを理解して、また顔が赤らむ。あの女の子たち、香村千沙と穂波琴子を恨んではいけない。佳世は自分にそう言い聞かせながら走った。平賀孝典が、彼女らに、『自制心を全部解いちゃって、師井先生への恨みや嫌な思いを解放させてみてよ。不満が溜まってるなら、意地悪な命令しちゃって』 と告げた後から、香村と穂波の佳世への指示には棘が入るようになった。彼女たちも、自分たちの口から出てくる意地悪な指示を抑えたいのかもしれないが、おそらく佳世同様に、平賀の言葉に抗うことは出来ないのだろう。子供でも、女はなかなか底意地が悪い。それを玩具にしているのは平賀だろうと思った。それでも、時折、香村が平賀に、「花の使い方は色々と試せ」などと指示しているところを見る。一体、誰が黒幕で誰が操られているのか、佳世には良くわからなくなっていた。

「私たちの不利になるようなことはしないで、命令に従順に忠実に従いなさい。今、自分がどうしてこうなっているのかとか、どうしたら今の状況から抜け出せるだろうかとか、調べたり行動したりするのも駄目。助けを求めても駄目。指示を遂行してパシリをしたり玩具になったり、笑いものになったりしている時以外は、普通の生活をしてなさい」

 そう香村に言われたときも、師井佳世は人差し指を突き出して、怒鳴りつけてやろうとどれだけ思ったかわからない。しかし結果的には上げた手で敬礼をし、直立して「かしこまりました!」と叫んでいた。それ以来、「花がどう」とか言われていても、聞き耳を立てることすら出来ない。誰かにこの状況を伝えようとすると、何とも言えない嫌な気持ちになる。彼らから逃れようとか逆らったりするくらいなら、公道の真ん中でスマホを咥えて乳首を摘んでいる方がマシだとすら思えた。

「いつもの食事」と指示を受けたので、佳世は「吉津家」のオレンジの看板を見つけて駆け込む。ビジネススーツに身を包んだメガネ美女の乱入に、店内の男性客たちの視線が集った。

「ぎ・・・牛丼特盛り一丁! ・・・は、ハラペコなんでマッハでお願いします!」

「お客様、あちらで食券をお買い求め下さい。」

 何度も来させられているのでシステムは百も承知だが、指示は一つずつ丁寧に遂行しなければならない。佳世が赤い顔を冷やすように手で風を送りながら発券機に千円札を入れ、食券をカウンターに置くと丸いイスに斜めに腰掛ける。

 誰も見ていないで・・・。祈りながら顔を上げて、周囲を見回してみると、残念ながらと言うべきか、当然と言うべきか、男性客たちは佳世に注目していた。バシッとスーツを着込んだメガネの美女がここまで豪快に注文を決めると、みんなチラ見くらいはしてしまう。佳世はがっくりと俯いたが覚悟は決めた。牛丼を待つ間の行動にすら、細かい規定がある。男性たちの視線を集めていたら、彼らの目を楽しませてあげないと失礼だ。そんな論理、理不尽だと分かっていても、佳世の体は佳世の言うことなんて聞いてくれないのであった。ジャケットを脱いで汗ばんだ体を手で扇いでは風を送る。シャツのボタンを1つ、2つ、3つも外して、襟元を開くと、豊満な胸の谷間にも風を送った。

「おぉぅ・・・・」

 いつの間にか、男たちは身を乗り出して佳世の胸元を凝視している。回転するイスを回しながら、右足をツンと上げてみる。美脚が太腿まで露わになって、もう一声、歓声を受けた。は・・・早く来て・・・。佳世の願いを知ってか知らずか、特盛りの牛丼がすぐにカウンターに置かれた。これでサービスタイムは終了。この時ばかりは、吉津家のスピードに惚れそうになる。料理がいつまでも出てこなければ、佳世は全裸で大股開きまででもしていたかもしれない。男たちの目を楽しませ続けるという命令の前では、佳世の羞恥心も社会人生命も法律も、綿埃みたいなものなのだから。
 佳世はこれまで魅せられていた男たちがドン引きするほど、丼に顔を近づけて牛丼をガツガツと掻き込んだ。割り箸を激しく振り回して口一杯に肉を頬張り、米を流し込む。紅生姜は器から直に食べる。残り時間が短い。背筋を弓なりにして丼を逆さにするほど傾けて全部胃に収めようとするが、体が反射的にそれを拒み、佳世は大きく咽た。それでもまた、飛ばした米粒を頑張って頬張る。時計の針が3分経過を示す頃、佳世は味噌汁も口に含み、なお口一杯にお米を頬張ったまま、手で「ご馳走様」と示した。店員も、周りの男性客も唖然としながら、彼女が店を去るのを見送った。口がハムスターみたいに横に膨れている美女は、メガネのレンズにも米粒を付けて、鼻の穴からは紅生姜を1、2本垂らしながら、颯爽と店を後にした。

 最終目的地。やっと辿り着いたのは、師井佳世もうんざりするほど寂れた雰囲気の、場末の「大人の玩具屋さん」であった。店に入ると、薄暗い店内には、未だにブラウン管のテレビにコンバーターを付けてサスペンスの再放送を見ているお婆さんが店番をしている。佳世を見て微笑んだが、笑みが如何にも厭らしい。怖気を振るうようにして、店内の、埃を被ったショーケースを見回す佳世。目の前には、黒々としてボコボコと凹凸を見せるディルドーが陳列されていた。他のアイテムも探す。革のバンド。この2つが組み合わされば、ペニスバンドという道具となって機能するのであろうことは、妙齢の佳世にもおおよそ想像はついた。これらと潤滑油を買うと、3万4千円にもなる。新しい時計を買うために貯めていたはずのお金が、みるみる財布から無くなっていく。佳世はしょんぼりしながら、店番の御婆さんに声をかけた。

「こちらのディルドーと、レザーバンドというのと、あとゼリーローション。頂けますか?」

「はい。全部で33,800円でございます。お包みしますから、ちょっと待っててくださいね。」

「あ、あの。すぐに使いたいですから、梱包は結構です。」

「あらまぁ、お元気ね。でも、このチラシも入れないといけないからねぇ」

 お婆さんは首を傾げて困っている。下品な宣伝文句が並んでいるピンクチラシを、そのまま受け取って、佳世はお金を支払う。商品3種を裸同然に受け取って、両手で抱きかかえた。店を出ると、このままダッシュ。これがご主人様の命令なんだから仕方が無い。生徒たちへの指導、躾の厳しさで鳴る、美人教師は、アダルトグッズを両手に抱えて学校の体育館へ向って駆け出した。

 かつて生徒が青梅台学園のすぐ近くで、買い食いをしているという連絡を受け、師井佳世は手厳しく説教をした上、反省文を提出させたという過去がある。泣いて謝る生徒たちを前になお、学園の校風に似合わない、女性として恥ずかしい行為をしたとして叱咤した。その話を知っているからだろうか、平賀孝典一派はことあるごとに、佳世をパシリに使う際には吉津家に寄り道をさせる。一時的にお腹がポッコリ膨れるほどに牛丼を掻き込まされる佳世。かつての生徒に見られでもしたら、切腹ものの醜聞となるだろう。メガネのレンズにまでびっしりとご飯粒を付け、紅生姜を鼻から垂らしながらもなお、佳世は中学2年生の子供たちの指示に懸命に従う。服従に失敗すれば、これまで厳しく指導してきた生徒たちの前で、どんなことをさせられるか、わかったものではない。それを考えるだけで、佳世の頬は紅潮して、呼吸が荒くなる。頭が熱っぽくなって、まともな考えがまとまらなくなるのだった。

「あっ。さすが佳世ちゃん。早いっ。ホントに間食もして買い物してきたの? ・・・って、顔見たらわかるか。ひっどい顔だもんね。」

 穂波琴子が、すこし申し訳なさそうに眉を下げて小さく手を合わせながら拝むように、それでも酷いことを言う。この子は悪くない。ただ思いついた悪口を隠さず言わされているだけ・・・。そう思いながらも、佳世の顔が少し固くなった。この子が実際に思いついていることではあるわけよね・・・。そう考えると、少しは琴子にも腹が立つ。それでも佳世は子供たちの前で直立して敬礼する。腕からポロリとレザーバンドが零れ落ち、それを追ってピンクチラシがヒラヒラと舞い降りた。

「師井佳世、只今戻りました。見苦しい顔で申し訳ございませんっ!」

 背筋を伸ばして胸を張ると、ツンとしたバストが上を向く。シャツのボタンが、吉津家で外したままだったことに気がついて、また顔が赤くなった。呼吸が荒くなる。汗でしっとりと湿ったシャツが、胸や腹に張りついていた。受け答えの中では元気良く自分を卑下しながら回答するように命じられている。


「あぁ、お疲れ〜」

 気の入らない返事をかえすご主人様。にっくき平賀孝典は、体育館のマットの上で、横になっていた。上には白衣を纏った後姿が揺れている。見覚えのある後姿。佳世は思わず声を出して、駆け寄った。

「あっ、姉川? アンタも・・・こいつらに?」

「気をつけっ」

 香村千沙が冷静に制すると、佳世はマットに近づく途中で鉄の棒のように真っ直ぐになって直立した。解除する命令を頂くまでは、佳世はこのまま棒になるしかない。白衣の後姿の前に回りこむことは出来なかったが、ゆっくりと孝典の上で揺れている女性は振り返った。

「あっ、先輩。師井先輩も、私の発表、見に来て下さったんですか? 嬉しい。」

 姉川教諭は白衣の下には何も身につけておらず、肩からかけた白衣以外は全裸という姿で平賀孝典と下半身で繋がっていた。両手を孝典と握り合って、上の姉川がグリグリと腰を捻り上下させている。

「はっ・・・発表って、何? どういうこと?」

 姉川は、キョトンとした目で先輩を見る。ブリキの兵隊のように直立不動になっているのは確かに不自然だが、姉川教諭の方がはるかに不思議な動きをしているはずではあった。

「私、すっごい発見をしたんです。大学時代に研究者の道を諦めて、ずっと化学教師として教育に専念しようとしてたのに。今朝、急に閃いたんです。そこで今、学会の皆様に発表してるんです。先輩。信じられないかもしれないですけど・・・」

 化学オタクだとばかり思っていた、後輩教師の姉川が、キラキラした笑顔で勝ち誇ったように微笑む。

「実は・・・女性の膣って、刺激を与えると、愛液っていうものを出すんです。すっごくないですか? 私、ノーベル賞取っちゃたら、どうします? ・・・キャー」

 頭を抱えて、姉川が悶える。下で寝そべっている平賀が、それを微笑ましそうに見上げていた。何かが、決定的におかしい。いつも真面目な姉川ツカサが、根本的な勘違いを重ねて、酷いことになっているような気がする。

「あれ? ・・・やっぱり。先輩、信じてないでしょう。こちらの学会のえっらーい先生方も、すぐには信じてくれないんで、私が自分の体を使って証明してるんです。ほら、海外の『サイエンス』とか『ネイチャー』とか『ムー』とか、権威ある科学雑誌もこの実験を取材してくれてるんですよ。ねー?」

 嬉しそうに小首を傾げて、白衣以外は全裸の姿でピースサインをする姉川先生。股間は平賀のモノを咥えこんだまま、上下するたびにクチュクチュと音を立てている。その周りを回転するようにして、川島シゲルという問題児が一眼レフを駆使してバシャバシャと撮影している。

「姉川っ、アンタ、騙されてるってば。・・・こらっ、川島っ。写真なんて止めなさいっ。」

「先輩っ。ひょっとして、私の発見に懐疑的って言うか・・・、嫉妬してません? 私の大発見は、こちらの平賀大博士先生も認めて下さっているんですよ。」

 いつもの姉川の、落ち着いたというか、少しシレっと冷めたような口調とは違い、明らかにハシャいで、ハイになっている。化学の大発見という幼い頃からの夢がかなうと、こんな少女みたいな喜びようを見せてしまうのか。

「うん。この姉川君の成果は素晴らしい。まさにセイキの発見だよ。」

 平賀孝典がニヤニヤしながら、気をつけの姿勢で棒立ちする師井佳世に声をかける。佳世はいつもながら、このご主人様の子供っぽいおふざけにハラワタが煮えくりかえる思いを持った。明らかに、後輩の姉川は、この男子生徒に何かいかがわしい手段で正常な判断力を奪われている。師井佳世が先々週、26歳にして処女をこの男子に捧げた際は、嫌々ながらもご主人様の命令だからと仕方無しにロストヴァージンした。体育館のマットの上、今の姉川そっくりの体勢で初体験を済ませることになった。姉川は今、これを自分の大発見の証明のために、嬉々としてカメラにポーズを取りながら実践している。

 理性を残されたまま命令絶対遂行という体にされている佳世と、理性を歪めさせられて、大発見の披露と信じて体を捧げているツカサ。果たして2人のうち、どちらがマシな目にあっているのだろうか? それを考えているうちに、佳世の頭はまた沸騰しそうになってきた。

「ほら・・・、やっぱり師井先生、ちょっと指示通りに動いて、恥ずかしい行為を恥ずかしくなってるだけじゃ、ない気がするんだけど」

 穂波琴子が、寝そべって気持ち良さそうに姉川先生の奉仕を受けている平賀孝典の側に行って、裸の孝典を遠慮がちにつつく。

「そう? ・・・千沙もそう思うんなら、確かめてみたら?」

 両腕を頭の下で組んで、快感に耐えながら両目を閉じて微笑んでいる平賀孝典がそう答えると、香村千沙が、真剣な顔つきで佳世の前に立つ。

「佳世ちゃん・・・。貴方、今、感じてる? ・・・正直に答えなさい。」

 直立のまま、佳世の右手が額まで上がって敬礼する。

「わかりませんっ。こんな感覚、最近まで感じたことがありませんでしたっ!」

「最近まで・・・最近は感じてるんだ。確かに顔が赤いだけっていうより、目も潤んじゃってるね・・・。佳世、靴とスカートを脱いで、パンツを渡してみせなさい。」

 返事と同時に、佳世はベルトを弾いて、スカートのホックを外していた。靴から跳び抜けると、躊躇いも見せずに、両手でタイトスカートを下ろしてショーツに手をかける。両手でパンツの端をつかむと、一気に足首まで下して見せた。ショーツの股の部分。シルクの生地が重なっている場所が、濡れて色濃くなっている。両足を抜いてショーツを手渡す時、佳世の両手は震えていた。香村はショーツのクロッチ、生地が重なる真ん中に人指し指を押し当ててゆっくり離す。

「佳世ちゃん、性的に興奮してます。」

「う・・・嘘よ。そんなの。私はアンタたちに次から次へと屈辱的な命令をされて、それを必死に従ってただけ。興奮とか言うの止めてっ!」

 若干感情的に、ムキになって否定しようとする佳世を、香村千沙が冷静に質問責めにする。佳世の生徒への詰問も、相手に逃げ場を与えないとして学年主任にたしなめられたことがあるが、これまで指導を受けてきた生徒たちもこんな気分だったのだろうか。

「正直に答えなさい。このショーツを濡らす原因になった感情が性的な興奮だとしたら、それは貴方が道端で胸を揉んだり乳首をつねったりした時に感じたもの? それとも男の目を楽しませようとサービスショットを提供していた時? 女を捨てて牛丼ガツガツ食べさせられた時? 大人の玩具を買わされた時? いつ興奮したの?」

 答えちゃ駄目―! 私が教師として生徒たちの前に立てなくなるっ。お願いっ。誰かこの口を止めてっ。佳世の必死の懇願も空しく、右手が額の高さへ指を揃えて上がっていく。唇もジリジリと開かれていってしまう。

「・・・・・ず・・・・ずっと、であります。佳世は・・・、恥ずかしい命令を与えられて、イヤイヤ従わせられている間、・・・醜態を晒すたびに・・・、興奮していたんだと・・・思うのであります。」

 気をつけの姿勢でブルブル震えながら、目に涙をためて敬礼している師井佳世は、まるで玉砕しようとする上官に別れの挨拶をしている下士官のようだった。


「もっ・・・・もうすぐ、イクよっ・・・ツカサッ。」

「はいぃっ・・・大博士先生っ。」

 下半身裸で敬礼しながら秘めた性癖を告白させられている佳世と質問を続けている千沙の脇。マットの上では、姉川ツカサが孝典と両手をさらにキツく握り締め合って、腰のピストン運動を激しくさせていた。

「僕が射精したと感じた時、ツカサも同時にオルガズムを迎えるからね」

「はい・・・・あっ・・・あっ凄いぃぃぃぃいいいいっ、イキますっ」

 孝典の指示を受けた瞬間だけ反応が小さくなったツカサは、すぐまた孝典の上で喘ぎ出し、腰を回転させるように上下させる。その動きがさらに早くなると、孝典は何回かに分けて、ツカサのなかに熱くて濃い液を放出した。同時にツカサが頭をのけぞらせると、なかからは愛液のシャワー。セイキの大発見を見事証明出来た、化学教諭兼研究者は、幸せの絶頂という表情を見せた。ガリ勉、化学オタクと学生時代から呼ばれてきた美人理数系女子は、人生最大のエクスタシーを、生徒たちの前で披露していた。頭からはボトボトと、何か玉のようなものが落ちた感触。それでも、姉川ツカサはまだ、焚かれるフラッシュの前で絶頂のさなかにいた。


。。。



「それで、佳世ちゃんのマゾっ娘体質は、もともとあったものなの? それとも、ロボタが変種してたの? 千沙の仮説を教えてよ。」

 マットの上では、姉川先生が白衣を肩に申し訳程度にかけた以外は全裸という格好で、正座をして髪を触りながら独り言を話している。公式記者会見の場にいると思っているのだ。彼女の目の前には国内外のメディアの取材陣が見えているようだ。時々初歩的な英語も交えて自分の発見、「膣は刺激で濡れるの法則」を懇切丁寧に説明している。彼女の相手をしているのは今、カメラを構えたシゲルだけだが、ツカサは幸せそうに、実験の苦労話などを語っていた。

 それを脇目に、孝典、千沙、琴子というタカノリア領土のブレーンたちが相談している。目の前では師井佳世が全裸で床に正座して敬礼の姿勢を取っていた。

「まだ、ちゃんとしたことは言えないかな? 本人にも土壌としての適性があったことは間違いないから、私たちの開発のおかげで、佳世も気づかなかった性癖が顔を出してきたっていう可能性もあるし・・・、あと、佳世に植えたロボタって、いつ収穫したものだっけ?」

 千沙が尋ねると、琴子がノートをめくる。女の子たちの取り纏めと情報管理は、リーダータイプの琴子が上手く務めていた。

「えっとね、バレー部のリョーちゃんと、ヒロちゃんと、あとセイコちゃんに美冬さん。4Pで大量にロボタの種を収穫って記録になってる。」

「3人はロボタだけど、一人。美冬さんはペルベルタだよね・・・。もしかしたらそのせいで、佳世ちゃんに植えたロボタの種は、ペルベルタの効用、性癖の追加と強化っていうのも併せ持ってたのかもしれない。その時に採れた他の種が咲かせてる花の外見とか効果とかと、比べてみようか。」

「へーぇ、色々あるんだね。でも、それっていうことは、佳世ちゃんは、ただのパシリと君たちのストレス発散はけ口っていうだけの使い方じゃなくて、もうちょっと色々と観察する対象にした方が良さそうだよね。」

 2人の美少女を従えて、孝典が偉そうに話している間も、佳世はただただ全裸のまま正座をして背筋を伸ばしている。汚れた孝典の股間を、穂波琴子がかいがいしくウェットティッシュで拭取っていた。その琴子の頭を、まるでペットを撫でるかのようにヨシヨシと撫で撫でする孝典。

「ストレス発散のために意地悪な指示をっていうのは、私たちがやりたくってやってる訳じゃないんだけどね・・・。」

 立ったままの千沙が少しキツめの指摘をする。千沙は孝典と琴子がベタベタしていると、コメントがほんの少しだけ厳しめになるようだった。

「わかってますよ。召使いの皆さん。みんな良く僕の命令を守ってくれてて嬉しいよ。」

「はうぅっ・・・」

「んはぁあっ」

 やはり、この子たちも孝典に支配されている。佳世はそう確信しながらも、裸で敬礼を続けることしか出来なかった。このまま大人しくしていろという指示をされてしまったからだ。それでも、悔しい思いは表情に出る。孝典が、それに気がついたようだ。

「あ・・・、佳世ちゃん。もう少し、君とツカサちゃんの生やしてるお花の性質確認のために、つきあってね。まずは立ってみようか。」

「はいっ。かしこまりましたっ。」

 イヤイヤながらも、指示には従ってしまう。声も元気一杯、ポジティブな体育会系パシリの設定のままだった。

。。。


 体育館の中央に、女の子たちが集められる。みんなが体育座りで見上げているのは、マットの上で四つん這いになって、両足を大きく開いてお尻を突き上げている裸の師井先生。そしてその後ろでペニスバンドを装着してニコニコしている、同じく裸の姉川先生。先輩後輩の仲だと聞いたことがあるが、2人ともルックスは抜群の美人教師だった。

「は〜い、皆さん。先生が先日、学会で報告してきました、大発見について、今日皆さんの前でも実証実験をお見せ出来ることを嬉しく思います。今日は私の尊敬する先輩、師井先生が実験台になってくださるんです。みんなちゃんとノートを取っておくようにね」

「と・・・取らないでいいんだけどっ」

 頬をマットに押しつけた師井佳世先生は、ヒップを突き上げて大股開きという姿勢のままで、皆の前にいる屈辱に体中を赤くしている。それでもその表情はどこか切なげで、呼吸が荒くなっていた。

 姉川先生が晴れやかな表情でピョンピョンと跳ねるたびに、装着している黒いディルドーが上下に揺れる。先生はいまも、大発見に浮かれていた。普段の学校での白けたような落ち着いた様子とは正反対だった。

「皆さん、見てください。この師井先生のスタイル。惚れ惚れするようなナイスバディですね。・・・でも、ちょっとお腹がポッコリしてるかな?」

 生徒たちの興味を持続させるために、軽い話題も口に出来る。姉川先生は教師としてもレベルアップして自信を持っているようだった。

「こっ、これはさっき吉津家で・・・・いえ、・・・何でもないの。姉川先生、続けて・・・それで、早く終わらせて・・・」

 一方の師井先生は、これまでの厳格な態度と違って、どこか自信なさげの様子。全裸で屈辱的なポーズを取らされながら、熱い溜息を何度も漏らしていた。

「普段の女性の膣はこの通り、生き物の粘膜としての適度な湿り気しか持っていません・・・って、あれ? この膣は、もうかなり、ビショビショですね・・・。先輩、ちょっとこれだと、刺激の前後での差が確認しづらくって困るんですけど・・・。」

 姉川先生が困る以上に、師井先生は眉を潜めて困っていた。後ろから、牛の直腸検査でもするように遠慮ない手つきで大事な部分を開かれ、指を入れられて生徒の前に晒される。「実験に協力しなさい」という指示のせいで、姉川先生が佳世のアソコを生徒にしっかり見せたがっていると察するだけで、足の位置が変わり、腰を捻ってアソコを生徒たちにきっちり披露してしまった。体を捻る時に擦り合わさるだけでクチュっと音がするので、自分でも濡れ具合は良くわかった。生徒たち全員に、佳世がこうして扱われていることで股間がビチョビチョになっていることをはっきり伝えてしまう。

「ご・・・ごめんなさい。拭き取ってから、実験再開しましょうか。」

 後輩と生徒たちに、自分の被虐的な性癖と濡れやすい体質を詫びる。謝っている間も、生徒たちの呆れたような顔を見るたびに、腰がピクッと震え、膣内の湿度は増してしまう。教え子たちに軽蔑されてる・・・そう思った時、愛液は太腿を伝ってマットまで垂れていた。

「まっ・・・いいです、先輩。刺激を与えて、今よりもっともっと濡れたら、実証実験は成功ですから。でもそのぶん、遠慮はしないですよっ。私の成果発表をわかりにくくする実験台ちゃんには、ちょっとお仕置きもしなくちゃいけませんから。」

 明るい口調で後輩のツカサが言う。白くて長い指を揃えたツカサの両手が佳世の腰骨を掴んだ。パックリ開いてしまった恥ずかしいアソコの口の辺りに、ゴムで覆われた人工物があてがわれる。これが実験なら、協力しなくては・・・、忠実な腰が微妙に角度を調節して、さっき自分で買ってきたディルドーを受け入れる。佳世の理性とは裏腹に、体は忠実な実験台。そして胸は被虐と露出の妖しい喜びに高鳴り続けていた。まだ経験の少ない佳世の膣内。これまでに受け入れた固形物は、生理用品以外では、大事な膜を突き破った孝典のおチンチンと、この玩具だけだった。遠慮なく押し入ってくる、大型のディルドー。口を開けて感じている表情は、生徒たちにしっかり見られていた。

「先輩、おじゃましま〜す。」

 軽いトーンで、姉川がディルドーを根元まで押し入れる。強い刺激が脳天まで火花を散らしたが、佳世も懸命に、実験のトーンに合わせて、苦し紛れの笑顔を作って応じた。ここまで自分を捨てて、こんな実験に協力する必要があるのかわからないが、佳世の理性にはもう、佳世自身のどの部分も従ってくれない。

「どっ・・・どうぞ。いらっしゃ〜い。」

 全裸で笑顔の美人教師たちが後背位の体勢で結合した。生徒たちは生真面目そうにノートを取っている。チラチラと佳世を見る生徒たちの目が、実験動物を見るようだと思うと、さっきの刺激が増幅されていくような感覚を得た。

「ほら、すぐに効果が出てくると思いますよ。数えてみましょうか。1・・・2・・・3・・・4・・5・・」

 ディルドーが押し込まれては引き下がる。ピストン運動の度に、ツカサが数をカウントする。佳世も絶え絶えの息で、カウントを手伝った。すぐに果てそうになる。何度果てても、さっきと膣内の濡れ具合がはっきりと分かるほどドロドロになるまでは、許してくれなさそうな、強い意志を持った腰の運動だった。

「佳世ちゃん、凄い。昨日まではただのロボタだと思ってたら、加速度的にペルベルタの側面も開花してきてるね。」

「こういう成長っていうのもあるのね。興味深いわ」

 冷静にコメントしている千沙に、孝典がまた悪戯っぽい声をかける。

「ところで、対照実験って、もちろん博学な千沙は知ってるよね。条件をほとんと同じにして、要因と思われるところだけ変えて比較してみるの。アソコ以外、例えばお尻の穴への刺激でもアソコは濡れるのか、横で試してあげたら、より実験の精度を上げられるんじゃない?」

 孝典が話している間に、すでに琴子が先ほど佳世の買ってきたローションゼリーを左手に持ち、右手にはナップサックから出した緑色のゴム製指サックを装着し始めている。千沙はご主人様を一睨みしたあとで、「イーッ」と歯を剥き出して威嚇する。その後すぐに先生たちの横で四つん這いになると、腰を突き上げスカートを捲くり、パンツを膝まで下したのだった。

 
 


 

 

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