ドアラっぽいなにか

原作:nakami


 

 

二話の1


「あ〜」

 ごろんとベッドの上で寝返りを打つ。朝からずっと付けっぱなしにしてあるテレビは誰と誰が結婚しただの離婚しただのと、くだらない話題で朝からずっと持ちきりだ。
 学校はサボった。朝、美結の奴が襲撃してきてギリギリまで俺を起こそうとしていたがガン無視してやったら、頬を膨らませて、

「お兄ちゃんのバカーッ!」

 とか捨て台詞を吐いて学校へと飛び出していった。夕方や夜がちょっと怖いが、その程度のことなどで今の俺がどうにかなりようにもない。
 昨日のババアとのバトルが物凄い堪えた。バトルなんて要らなかったのに、俺にはポップでクレイジーなエロがあればそれで良かったのに。あの布団ババアと戦うハメになっちまったからなぁ……
 結局、その後にババアに能力をやる事になっちまったし。その事を後悔している訳じゃないけど、この先の生活を考えるとちょっと悲しくなる。数週間前に戻るだけなんだけど、この数週間は間違いなく天国と言えるくらいの生活をしていたから。

 ババアとの激しいバトル、何とか勝利してる♪
 そこで聞かされた真実。一番楽しい現実♪
 ババアに力を授受、お礼はババアとのキス♪
 全てを失った俺、力を持ってるのは誰♪
 これで俺はパンピー、これでみんなはハッピー♪
 俺もう、何も出来ない、誰にも、手を出せない♪

 なんてライムで歌ってみたけど、だめだ、俺全然才能ねー。キラービー先生教えて下さい。
 考えて書くタイプと考えないで書くタイプっているじゃない? こういうのは考えないで書くタイプが圧倒的にヒット出すんだよね。だからといって考えて書くタイプがいけないって事じゃないんだけど、俺も明らかに考えて書くタイプだって思い知ったっていうかなんていうか、神が下りてこないんだよ。

「はぁ……」

 やめだやめ。
 全然良い感じに出来ねー。
 いいともみてたらリップが出てたから何となくラップでもと思ったのが間違いだった。
 俺にラップなんて歌えるわけねーじゃん。ラップっぽいなにかがせいぜいだぜ。
 サボりならサボりらしく寝て過ごすか、ゲーセンにでも繰り出すかしようぜ。っても、半引きの俺がゲーセンなんてなかなかの難易度だから家でゲーム三昧が良い所だけどな! ネトゲだって苦手なんだぜ。あー、ネット三昧も良いかもな。あの抹茶色のサイトのエロ小説も全部読んでないしな。

 ピンポーン。

 ん? 誰だ?
 玄関のチャイムの鳴る音に何となく時計を見る。
 三時半?
 こんな時間に誰だよ。新聞か? それとも、宗教か?
 どっちにしろ、めんどくさくて出る気がしない。美結はまだ学校だし、鬼母も今は出かけている。と言うわけで、今は誰も居ませんよーっと。

 ピンポーン。

 だから誰も居ないって言ってるだろ。

 ピンポン、ピンポン。

 しつこい奴だな。誰も居ないって言ってんだろ。諦めてさっさと帰れよ。

 ピンポン、ピンポン、ピンポン、ピンポンピンポンピンポンピンポンピポピポピポピポピポ……

「だーっ、もう、うるせぇっ!」

 延々と連打されるチャイムに根負けし、ドスドスと足を踏みならして俺は玄関のドアを開ける。

「誰だよっ! って、うわぁっ!?」

 ドアを開いた先に立っている人物を見てびびった。
 あまりの衝撃に腰が抜けて玄関にへたり込んでしまう。つか、誰だってそうなるだろ。開いた先にあの地上最後の美少女、藤沢綾音が立っていれば。

「ふ、藤沢……?」
「……やっぱりいた」

 え? 何? 何で藤沢? やっぱりいたって何? 何で藤沢が家に来るの?
 しかも、何か怒ってる? 無言の圧力が凄いんだけど。

「……ねえ、ちょっと付き合いなさいよ」
「え?」
「え? じゃなくて! 病気とじゃなくてどうせサボりなんでしょ。ちょっと付き合いなさいよこのヘンタイ」
「え、ちょっ、藤沢?」
「いいから来なさいっ。全くもう、信じらんない」

 え、何? 何なの?
 俺は何か訳のわからないことを言う藤沢に引っ張られて、近くのファストフード店へと連れ込まれた。
 訳のわからないまま適当に注文し、近くの席へと座る。
 何、何なの? いったい何が起こってるの?
 待て、落ち着け俺。落ち着いて冷静に状況を分析するんだ。
 ここはうちの近くのファストフード店。家から近いので俺も結構利用する。住宅街の中って言うのもあって結構繁盛している。今は放課後の時間帯というのもあって、近くの学校の生徒達が客層の大半を占めていて、様々な制服がちょこちょこと視界の端をかすめていく。でもって、俺の手元にはこの店自慢のハンバーガー。百パーセントの牛肉で作られたハンバーグとキャベツをパンズで挟んだいたってシンプルな物だが、八十円という値段設定とその味で学生層を初めとして沢山の客を取り込むことに成功している。その隣に鎮座しているフライドポテトも揚げたてでかりっとしていてうまい。これは俺のお薦めだ。
 そんな俺のお薦めを目の前で藤沢がポリポリと小さな口でくわえている。しかし、何故か微妙にそっぽを向いて、頬を赤く染めている。
 藤沢の手元にも俺と同じくポテトとハンバーガー、そしてコーラがおいてあった。
 つか、何この状況?
 藤沢が急に家に来たと思ったら、何故か藤沢とハンバーガーを食っているでござる。
 藤沢は今日も綺麗。動きの一つ一つが優雅というか、様になっていて、こんなファストフードでも藤沢が食べると凄い絵になるから不思議。

「で、なんで、今日サボったの?」

 一旦食べる手を止めて、ジロリと藤沢が俺を睨む。
 え、いきなり何?

「何でって……昨日あんな事があったわけだし……」

 ババアとのバトルも疲れたし、俺、能力をババアに渡しちゃったし。

「ふーん……」
「な、何?」

 何、何なの? 何でそんな疑いの眼を向けられないといけないの?
 俺が問い返すと、藤沢は途端に驚いたような貌になり、慌てて顔を背けた。

「べ、別にっ。じゃ、じゃあ、誕生日は?」
「え?」
「た・ん・じょ・う・びっ」
「じゅ、十月……」
「十月? 何日?」
「二十三日……」
「十月二十三日……何よ、近いじゃない」

 藤沢は携帯を弄りながら、何かぼそっと呟いた。

「え?」
「な、何でもないわよっ。……しゅ、趣味は?」

 ふんっとそっぽを向き、何かもじもじとしてからぼそっと呟く藤沢。その頬を何か赤く染まり、呟く瞬間、ちらりと窺う様にこちらに眼を向けていた。

「趣味?」
「いいから答えなさいよっ」

 ええ? 何でキレられてんの?

「……ネット」
「……もうちょっとまともな趣味持ちなさいよね。何が好きなの?」
「何がって?」
「食べ物よ! 好きな食べ物は何かって聞いてるのっ」
「鶏の唐揚げ、これでいい?」

 っていうか何なんだ?
 藤沢はなんか赤いし、質問の内容もいきなり藤沢とするような物じゃないし、そもそも藤沢がさっきからきょろきょろと辺りを見たり、俺を見たり、携帯に眼を落としたりと全然落ち着かない。

「一体何なの?」
「そんなのこっちが聞きたいわよ」

 俺が質問すると、むっと眉をつり上げて、藤沢が睨んできた。

「私にあんなことさせるなんて信じられない。他人の心がイジれるからって、勝手なことしないでよね。私はそんなに安い女じゃない。殺すわよ」

 え、何? 俺、何かした?
 つか何もしてないよね?
 だって俺、昨日ババアに能力渡しちゃったし。

「意味わかんないですが。僕、もう力はなくなりましたし」

 俺がそう言うと、更に柳眉をきつく傾け、藤沢が視線を強くする。何故か、その頬は赤く染まっていた。

「ウソばっかり。私を、こ、こんな気持ちにしておいて……とにかく、私は簡単な女じゃありませんから。お互いのことよく知りもしないで、そんな関係にはならない。あなたのことをもっとよく知って、ちゃんと段取りを踏まえた上じゃないと、そういうことは絶対しないから!」

 何言ってんのか意味わかんねぇ。
 藤沢が簡単な女じゃないのは知ってるけど、そんなとか、そういうとか言われたって何の事かが全然わかんねぇよ。

「いいから、それで、どういう女が倉島の好みなの!? はるかとかリナとか、いっぱい女いるくせに、私までこんな風にした理由はなに!?」

 は? こんな風って何?
 だから、俺はもう能力ないっての。

「ああ、もうっ!」

 俺と藤沢の話の食い違いに苛立ったのか、藤沢が不意に立ち上がる。そして、俺の手を再び引いた。

「来なさいっ」
「ちょ、まだ残って……」
「いいからっ」

 問答無用で引っ張られた俺は藤沢とテーブル席に食べかけを残したままファストフード店を出て行った。
 そして何故かラブホにいる。
 あのファストフード店から少し歩いた所。住宅街から少し離れ、人通りが少なくなった所に立っているその場所に顔を赤くした藤沢に連れ込まれた。
 あたふたと入口でもたつきながらも選択した部屋は簡素な物で余計な物は全く無い。
 状況の変化について行けずに呆然と立ち尽くす俺の前では藤沢がなんかもじもじとしながら、きょろきょろと辺りを見回している。

「え……なんでラブホに?」

 その部屋で呆然と立ち尽くした俺の口から漏れた言葉に藤沢の眉毛がきゅっと傾いた。そして、真っ赤に染まった貌で俺を睨み、叫ぶ。

「だ、だから、どうして私にいちいち言わせようとするのよ! あんたがそういう風に仕向けたんでしょ!」
「えー?」

 だからどうしてそんな事になってんの? 俺、能力無くしたって言ってるじゃん。

「昨夜は、私に、あんなエッチなことまでさせて……あ、あれだって、あんたのせいだってわかってるんだから! あんなことしたの初めてよ……しかも、どんどんあんたの顔が浮かんできて……やめたい、やめたいって思っても、手が止まらなかったんだからっ」

 貌を真っ赤にして恥ずかしい告白をする藤沢。
 何? もしかして藤沢が俺でオナッたの? 昨日? マジで?
 つか何で? あんなに嫌ってたじゃん。
 なのに何で俺達こんな所にいるの?
 俺何もしてないよ? できないよ?
 何でこうなった?
 全然わかんねぇ。でも、ま、折角ラブホに誘ってくれたんだしな。

「藤沢……」
「……っ」

 そっと、藤沢の身体を抱きしめる。ビクッと俺の腕の中で藤沢が体を震わせた。きゅっと身体を硬くする藤沢を見下ろすと、丁度見上げてきた藤沢と視線が絡む。潤んだ瞳に魅せられ、藤沢の美貌をじっと見つめる。藤沢は一瞬だけ俺と視線を絡ませたと思ったら、きょろきょろと眼を逸らせて、何かを逡巡した後、すっと瞼を下ろした。
 その瞼、そしてすらりと通った鼻梁の下、白く綺麗な肌に鮮やかに映える真っ赤で小さな唇に俺の瞳が吸い込まれる。俺も藤沢に倣って瞼を下ろし、唇を――

「あっ」

 ――重ねる前に藤沢に押しのけられた。









 シャーっと温かいお湯が俺の頭から足先まで伝っていく。備え付けのボディソープで全身を綺麗に洗い、ドキドキと高鳴る胸を落ち着かせるように長々とシャワーを浴びていた。
 壁の向こうには藤沢がいる。藤沢が俺を待っている。

『は、初めてなんだから、ちゃんとしたいの! 初めてがケチャップソースの味なんて嫌なんだからっ』

とは、藤沢の弁である。
 そう言って藤沢はどたばたと風呂場へと駆け込み、シャワーを浴びた。そして、藤沢と入れ替わりに俺もシャワーを浴びることになり今に至る。
 ドキドキと高鳴る胸は一向に治まらない。
 当たり前だ。これから行うことを思えば。その相手を思えば。っていうか、さっきは何か勢いがあったんだけど、藤沢に押しとどめられてから妙に意識してしまう。
 そりゃそうか。確かに俺は現実に渡辺とも三森ともヤッたし、形而上の世界では藤沢を除く、うちのクラス全員ともヤッている。だけど、それは形而上能力があったからで、俺のテクがすごいというわけじゃない。今までの経験値だって役に立つかどうか。藤沢を気持ちよくさせることが出来るのかとか、むしろ嫌われないかとか余計な心配をしてしまう。
 大丈夫だよな?
 いや、大丈夫だ。信じろ。
 きゅっとハンドルを捻ってお湯を止める。タオルで身体を拭きながら洗面所に出て、ふっと先程の藤沢の言葉を思い出した。
 歯も磨いておいた方がいいよな?
 さっきまで食べてたのはハンバーガーだったから匂いまでする訳じゃないと思うけど、確かにケチャップソースの味なんて嫌だ。
 というわけで、軽く歯を磨いて、俺は洗面所を出た。

 パタン。

 何の音もしない中、ドアの閉まる音が軽く響く。
 部屋の明かりは落とされていて、ベッドサイドに据えられたスタンドライトの柔らかい光が暗闇の中で辺りを照らし、ベッドの上に座っていた藤沢の背中を仄かに浮かび上がらせていた。その身にまとっているのは安っぽいバスローブだというのに、藤沢の美しさは微塵も損なわれていない。

「ふじ……さわ……」
「く、くら……しま」

 薄暗い中、ベッドに座る藤沢は俺の声に応えて、赤い顔をして振り向く。くりっと大きな瞳がうるうると潤んで俺を見ている。
 やっべぇ、すっげぇ可愛い。
 藤沢の美貌に打ち震え、誘われるように藤沢の隣へと座る。そして、藤沢の髪をなでつけるようにして、じっと藤沢を見つめた。気恥ずかしいのか、藤沢はきょろきょろと赤い顔のまま視線を四方へと動かす。

「藤沢」
「う……ん」

 俺の視線から逃れるように目を逸らし、逡巡していたが、藤沢はすっと瞼を閉じて、くいっと顎を上げた。
 白い肌に浮かび上がる紅い唇。鮮やかに映えるそれを目に焼き付け、俺も藤沢のように瞼を閉じる。藤沢の頭を手で押さえ、そっと唇を重ねた。

「ん……ぅ」

 これが藤沢の唇……やべえ、やばすぎる。
 何これ、本当にこんなの存在するの? まるでマシュマロとキスしているみたいだったんだけど。すっげえ柔らかい。でもって甘い。よくファーストキスはレモン味とか聞くけどそんなレベルじゃないね。マジでいつまででもキスしていたい。
 数秒続いた静かなキスは重なる時と同じようにそっと離れる。
 そっと目を開くと、藤沢は目の前でぼうっとしていた。

「藤沢?」
「ん……」

 俺の呼びかけに藤沢はぼうっとしたまま曖昧に答える。
 衝撃的なのは藤沢も同じなのか?
 っていうか、やばすぎだろ。藤沢の表情もすげえ色っぽいし。もっともっとキスしたい。
 そんな訳でほうと放心したような藤沢にもう一度キスをする。

「んっ」

 今度は目を開いたままだ。再び伝わった感触に藤沢は目を見開く。ギュッと身体を抱きしめてやるとビクッと体を震わせたが、すぐに力を抜いて俺に任せてくれた。
 さっきと同じように数秒で口を離す。ほうという息を吐いた藤沢はむぅと赤い顔のまま眉をつり上げた。

「もう、いきなりするから吃驚したでしょっ」
「だって、藤沢可愛いんだもん。マジ何回でもキスしたいし」
「もう、バカじゃないのっ」
「いや、本当だって。だから、もう一度。今度は大人なキスをしたいな」
「バッ、バカじゃなっ、んんぅっ!?」

 真っ赤な貌で声を荒げる藤沢の唇を三度奪う。
 藤沢の唇の感触はやばいくらいにいい。藤沢に言った通り、何回でもキスしたいくらいだ。だけど、これだけというわけにも行かない。なぜならこれはまだオードブルだ。これだけでも他の女子のメインディッシュに勝る勢いすらあるが、これで満足してしまったらメインディッシュの立場がない。
 というわけで、宣告通り今度は大人のキスをする。
 重なっている唇の隙間から舌を伸ばして藤沢の口内へとねじ込んでいく。

「んぅ!?」

 突然来た感触に藤沢はジロリと俺を睨み、がっちりと歯を閉じる。その視線を受け流し、丹念に藤沢の歯茎を舐め上げてやる。
 流石藤沢。歯並びも凄い綺麗だ。変な風に生えてきている歯なんて一つもなく、舌滑りも凄くいい。そして、やっぱり甘い。なんなの? お前何なの? すげえよ藤沢。

「んぅ……ん」

 ぴくっ、ぴくっと舌を動かす度に藤沢が俺の手の中で震える。
 藤沢、お前の歯もいいけど、大人のキスしようぜ。ちゃんと感じさせてやるからさ。
 余裕たっぷりにアイコンタクトで開いてと求める。
 藤沢は俺の視線から逃れるようにきょろきょろと視線を走らせていたが、やがて観念したように目を閉じておずおずと歯を開いた。
 開いた、開いたぞ! ついに藤沢の口が開いた。
 歯並びを再確認するように歯茎から、そして、歯の間を通り、藤沢の口内へと舌を伸ばしていく。

「んっ……ぅんぅ……」

 ぺろりぺろりとなぞるようにして、舌、歯、そして口腔と藤沢の中を確かめる。その動き一つ一つにぴくっぴくっと藤沢の身体が震えた。そして、びくっと藤沢の身体が震える事にその身体から緊張と共に力が抜けていく。
 そろそろいいか?
 藤沢の舌に舌を絡ませる。今までと違う感覚にビクッと身体を震わせる藤沢の緊張をほぐすようにゆっくりと丹念に舌を絡ませていく。

「あ……むぅ……ん……」

 そして驚いた。やばいぜ藤沢。お前何者だよ。
 いや、流石藤沢と言うべきか。藤沢は唇、歯並びはおろか口内まで完璧だった。
 まず唾液。これが嘘みたいに甘い。まるでジュースだ。毎日だって飲める。
 次に舌。これは物凄くすべすべで、触れる箇所に凄い気持ちよさを与えてくれる。
 そして口腔。これ、全身のスイッチでも入ってるんじゃねって思うくらいに藤沢が敏感に反応してくれる。ぺろりぺろりと舐める度にピクッと体を震わせて、そしてはあと吐息を漏らしながら脱力する。至近距離過ぎてちょっと見にくいけど、脱力する藤沢の頬は赤く染まって、零れる吐息が凄く悩ましい。つーか、すげえエロい。
 まだキスしているだけだって言うのにやばいくらいにエロいんだけど。っていうか、まだ俺からしか動かしていないって言うか、藤沢は俺の動きを受けているだけで、これが藤沢から動いたらどうなるんだよ。
 すげえ知りたい。っていうか、動かして欲しい。
 ほら、藤沢。お前も一緒に動かしてくれよ。
 つんつん、と誘う様に藤沢の舌を舌先でつつく。
 ほら、もっと気持ちよくなれるぜ。一緒に楽しもうぜ。
 何度かつついてやると、おずおずと藤沢が舌を伸ばしてくれた。

「んぅ……ふぅ……ぁむぅ」

 互いの唇の狭間、重なった位置で舌が絡む。ピチャピチャと水っぽい音が薄暗い部屋に響いた。
 戸惑っているのか、どうしたらいいのかわからないのか、藤沢の舌の動きはたどたどしく、それがまた可愛い。

「むっ、あんっ、ちゅぅ……」

 舌の動きを強く、速く、複雑にしてやる。
 藤沢、一緒に気持ちよくなろうぜ。もっとエロい藤沢をみせてください。
 目を白黒させながらも必死に付いてきてくれる藤沢に応えるように、精一杯舌を動かした。

「んっ、んぅ……むぅ、ふぅん……」

 歯茎、舌、口腔と次々に蹂躙され、ぴくっぴくっと小刻みに震える藤沢。それでも舌の動きを止めずに必死に俺に付いてきてくれる様が可愛くて仕方ない。
 絡めた舌を一度引き、口内に唾液をため込む。そして、刺激がなくなって戸惑っている藤沢に一気に流し込んでやった。

「んんんぅぅぅっ」

 突然の行動に藤沢はビクビクと体を震わせる。頭をがっしり固定してあるので逃れられない藤沢にはそれを飲み下すしか選択肢はない。

「ん、ん、んぅ……」

 驚き、戸惑いながらも藤沢がこくこくと唾液を飲み下したのを確認して、俺は口を離す。俺と藤沢の唇の間には唾液が銀色の糸を繋いでいた。
 ほう、と藤沢が溜息を吐く。そして、そっと自分の唇へと手を当てた。

「これが……大人のキス」

 頬を上気させたまま藤沢は呟く。
 陶然とした表情はすげえ色っぽい。
 ただでさえ超が付くほどの美少女だって言うのに、それで色っぽい仕草なんて反則だ。既に俺のあそこがもう我慢出来ないと思いっきりいきり立っていた。
 すぐにでも押し倒してしまいたくなる衝動を必死に抑える。
 落ち着け。順序だ。物事には全て順序があるんだ。もっともっと藤沢を感じさせてやれ。藤沢の中へ入れるのはそれからだ。イキまくって脱力した藤沢を見たいだろ。
 そんな俺の葛藤を知ってか知らずか、藤沢は潤んだ目を俺に向けて来た。

「……んぅ!?」

 そして、何も言わずにいきなり藤沢は唇を重ねてきた。しかも、藤沢から舌が伸びて、俺の口内へと侵入してくる。ピチャピチャと唾液の絡む音が口内から響き、藤沢の舌が俺の口内を蠢いていく。

「ちゅ……んぅ……あ……っむぅ……」

 積極的に動いてくる藤沢の舌。
 流石過ぎるぜ藤沢。ファーストキスをさっきしたくせに既にこんなに上手くなってるとか。学習能力が半端じゃなさ過ぎる。
 だけど、キスだけが前戯じゃないんだぜ。それを教えてやる。っていうかおっぱい触らせて下さい。

「藤沢……脱いで」
「えっ、なっ……」
「俺、藤沢の裸が見たいんだ」
「ば、バカじゃないの! このヘンタイっ!」
「バカじゃねーよ。これからセックスするんだろ。裸になるのは当たり前じゃねーか」
「……っ」

 貌を真っ赤にして文句を言っていた藤沢は俺の言葉に息を詰まらせる。そんな藤沢を俺はじっと見る。なんか非常に難しい顔をしていた藤沢はちらりと俺を見てはまたきょろきょろと周囲を見回す。

「〜〜〜〜っ」

 沈黙すること数十秒。藤沢は声なき声を上げたかと思うと、茹で蛸もかくやと言うくらいに貌を赤くして、そっと自分のバスローブの帯へと手を掛けた。

「……っち、向いてて」

 え? なんて言った?

「あっち向いててよ! このヘンタイ!」
「あっ、ああ」

 藤沢の叫びに慌てて背を向ける。その後ろからまだ何か躊躇するような息遣いが聞こえる。
 最終的に裸を見られるんだから脱いでる所を見られるのも大差ないような気がするんだけど……よくわかんね。
 後ろを振り向いて待つこと数秒。シュルッという音が聞こえてきた。この期に及んでまだ躊躇するような、途切れ途切れの衣擦れの音。その音が非常にエロく聞こえるのは恐らく俺の気のせいじゃないだろう。
 やべー、何でこんなにドキドキしてんの? あれだ、この衣擦れの音は人の快楽中枢でも刺激する変な音波が混ざってるに違いない。大発見だ。誰かを発情させる時には衣擦れの音を聞かせればいいんだ。へんてこな能力や危なげな薬なんて必要ない。この音さえ録音しておけばいくらでも好きなだけ犯すことが出来んだから。
 って、アホか。そんなので出来るんだったら、苦労なんてしねーよ。今は無き形而上能力を持ってた時だって死ぬほど苦労したじゃねーか。
 じゃあなんでこんなにドキドキしてるんだ?
 そんなの決まってる。そこに藤沢がいるからだ。今世紀最後の美少女――いや、今世紀始まったばかりだけど――がそこにいるんだぜ。すぐ後ろに。でもって、その藤沢が後ろで今にも生まれたままの姿へとなろうとしているんだ。これで興奮しない奴はもはや人類ですらない。女だろうと、ホモだろうと、藤沢という美の前では等しく興奮するだろう。セックスとか知らないガキだって、魅入るに違いない。それほどの美少女が俺の後ろで脱いでるんだ。興奮しないわけがない。
 ふぁさ。
 最後にちょっとだけ重たげな音が響き、衣擦れの音が止んだ。

「……こ、れ……でいい?」

 途切れ途切れのぼそぼそとした声が後ろから聞こえてきた。
 その声を合図に振り向いた俺の目に素晴らしい光景が飛び込んできた。
 脱いだバスローブをベッドの下へと落とし、全裸になった藤沢はベッドの上で胸とあそこを隠している。よっぽど恥ずかしいのか、赤く染めた顔を背けていて、キュッと胸を隠す手に力が入る。

「……」

 その姿を見て、俺は息を呑んだ。
 神だ……神がいる。
 そこにあるのは神の造形。黄金比に彩られ、染みも、吹き出物もない完璧な肢体だ。一昨日、藤沢の心の中で触手で再現したけれど、実物はまた違った感動を与えてくれる。
 これが、本当の藤沢の体。
 胸の大きさは三森には敵わない。舌技も渡辺に比べたら下手だ。だけど、藤沢の体の完璧なバランスの前にはそんな事はあっさりと霞んでしまう。まさしく楽園を追放される前のイヴだ。

「ちょ、ちょっと、黙ってないで何とか言いなさいよっ」
「綺麗だ……」
「え?」
「すげー綺麗だ。すげー、こんな綺麗な肌初めて見た」
「は、はるかやリナ……より?」
「ああ、渡辺も三森も綺麗だけど、藤沢はもっと綺麗だ」
「……バカ」
「え?」
「な、何でもないわよっ。それより何?」
「え?」
「え? じゃなくて。何で私が裸なのにあんたは服着てるのよっ。あ、あんたもっ、ぬ、脱ぎなさいよっ」
「何、そんなに俺の裸見たい? 心配しなくても大丈夫だぜ。俺はルパンダイブが夢なんだ。家で練習中だったんだけど、こんなに早く実践の機会が訪れるとは幸運だぜ」
「バ、バッカじゃないの! 冗談言ってないで早く脱ぎなさいよ」

 近くにあった枕をぶん投げてくる藤沢。その枕を避けて、俺はルパンダイブ……はまだ出来ないから、いそいそとバスローブを脱ぐ。

「な、何……それ……」

 瞬間、藤沢は絶句した。その視線は俺の相棒に集中している。ちなみに視線の先の俺の相棒はさっきまでのキス、そして藤沢の脱衣にこれ以上ないって位に完全に勃起している。

「何って……見りゃわかんだろ。ちんこだよちんこ。言わせんな恥ずかしい」
「え……ちんっ……そ、そんななの?」
「何、見た事ねーの?」
「な、ないわよ、そんなものっ! ……そ、それ、入れるの……よね?」
「何当たり前のこと言ってんだ。セックスを知らないなんて言うなよな」
「そうじゃなくて……そんなに大きいの……は、入るの?」
「ああ、大丈夫だよ。渡辺にも三森にも入ったんだから。藤沢に入らないわけないだろ」
「はるかや……リナ……にも……」

 ビキビキになっている俺の相棒を見なおして、藤沢はゴクリと息を呑んだ。
 ふふん、どうだよ藤沢。これが俺の相棒だぜ。これに渡辺も三森も屈服したんだ。次はお前だ。覚悟しろよ。

「おう、二人ともすげー気持ちよさそうだったぜ。今度はお前を感じさせてやるよ」

 そう言って、俺は藤沢の待つベッドへと進んでいく。ギシッとベッドが軋む音に藤沢の体がぎゅっと縮こまったように見えた。
 藤沢の頬に手を添え、じっと藤沢の顔を見つめる。俺に射竦められて、藤沢は頬を赤くしたまま視線を逸らす。

「気持ちよさそうって……ど、どうせ……変なチカラで、感じ、させ……たんでしょ……」

 視線を逸らしている癖にちらちらとこっちを窺いながら、藤沢は言葉を紡ぐ。
 確かにそうだが、そう言われると俺にテクニックがないように聞こえんぞ。そんな口をきけなくしてやる。

「んんぅ」

 さっきの続きとばかりに唇を重ねてやる。目を閉じて受け入れた藤沢は自分から手を俺の後ろに回し、口を開いて舌を絡ませてきた。
 さっきと同じように藤沢から舌を動かして、積極的に快楽を取り込もうとしている。

「ちゅ……ぅん、あむぅ……れろぉ……」

 本当にすげーな。さっき初めてキスしたって言うのにな。だけど、お前の知らないことはまだまだあるんだぜ。もっともっと気持ちいいことはあるって事、それを教えてやるよ。
 と言うわけで、未完成だが完璧な藤沢のボディ。その形のいい胸へと手を伸ばす。三森は別格だから当然だが、渡辺よりもやや小さい、しかし、形としては極上の胸へと触れた。瞬間、俺も藤沢もビクンと体を震わせる。

「んぅっ!?」

 な、なんじゃこりゃぁっ!
 思わず、触った掌を見つめてしまった。
 何、この触り心地。柔らかいのもそうだけど、適度に張りがあり、何よりすべすべだ。三森の最終兵器おっぱいは物凄くモチモチで柔らかい、そして手に余るほどのボリュームだ。渡辺のおっぱいも柔らかく良い感じの弾力を返してくれる。どちらも素晴らしいおっぱいなのだが、完成されすぎている感もある。だけど、藤沢のおっぱいは適度に硬く、適度に柔らかい。すべすべの肌が触り心地よくて、計ったかのように俺の手にぴったりと包まれる。完璧な藤沢の未完成な体だが、それはまるで俺のために作られているかのようだ。

「ちょ、ちょっ、くらしぁっ」

 やばい。マジやばい。本当にやばい。
 お前、いったい何者だよ。っていうか藤沢か。あ、藤沢って書いてルビは”てんし”な。”めがみ”でもいい。
 唇はずっとキスしてたくなるし、胸はずっと揉んでいたくなる。柔らかすぎず、硬すぎず、すべすべの肌は触っているのが病みつきになる。まさしく神の子だ。こんな神の子が何で俺なんかに抱かれてるのか全然わからないけど、俺はもうこの手を放さない。

「あっ……くらっ、しまぁっ!」

 ぺろりと藤沢の首筋を舐める。藤沢の味に舌が止まらない。
 甘い、甘すぎる。お前はいったい何で出来てるんだ。

「ぁぁっ……ちょっ……んぅっ、やぁっ」

 首筋から項へと舌が進む。
 まるで麻薬だ。何度舐めても飽きるどころか更に舐めたくなる。俺の腕の中で身じろぎする藤沢の声をもっと聞きたくなる。藤沢のすべすべの肌をもっと触りたくなる。藤沢のいい匂いをもっと嗅いでいたくなる。藤沢の悶える姿をもっと見たくなる。
 ぺろりと項を舐め上げるとビクンと藤沢が震えた。

「あぁ、んんぅっ……ひぁぁっ。やぁっ、倉島ァッ」
「藤沢、すっげぇいい声。もっと聞かせてよ」
「やっ、だめっ、んぁぁっ。倉島ぁっ」

 ビクビクと体を震わせる藤沢。その形のいい胸を揉んでいる掌の中心に何か硬い感触が生まれていた。
 こ、これは……もしかして。もしかすると、もしかするのか?
 ドキドキと高鳴る期待に心を打ち震わせながら、藤沢の胸の硬い感触、その源を手に摘む。

「ぁんぅっ」

 瞬間、ブルルッと藤沢が俺の腕の中で震えた。
 や、やはり! これは宝石だ! 真っ赤なルビーだ!
 くりくりと藤沢の胸の宝石を刺激する。柔らかい胸の頂点に君臨したルビーは適度な硬さを俺に返し、素晴らしい快感を藤沢に送る。ビクビクと体を震わせる藤沢。ハアハアと零れるその吐息を耳に感じる。

「ゃぁ……倉島ぁ……」

 藤沢の声が俺の官能を刺激する。
 なんだ藤沢。そんな声を出しても駄目だぞ。っていうか、そんな声を出されたら、もっと聞きたくなる。つーか、声を聞かせて下さい。
 項から首筋へと舌を戻し、つぅっと持ち上げて、耳へと至る。

「あっ、ちょぉっ、んんぅっ」

 ビクビクと体を震わせる藤沢を感じながら、縁に沿って耳を舐めていく。そして、耳たぶから、耳の奥へと舌をずらしていき、ぺろぺろと藤沢の耳を犯していく。ビクンと藤沢の体が跳ねる。ふるふると体を震わせ、何かに耐えるようにハアハアと吐息を漏らす。
 くりくりと胸のルビーを刺激してやると藤沢が俺の腕の中で身じろぎする。

「やぁっ、ちょ、あんぅ」

 うぉっ!
 ルビーから伝わってくる快感に震える藤沢。その身体がギュッと抱きついてきた。藤沢の柔らかい体、甘い匂い、綺麗な声が俺の頭の中に溢れる。
 ハアハアと零れる吐息が耳元で聞こえる。ビクビクと震える体が藤沢の感じる快感を伝えてくる。藤沢から立ち上る甘い汗の匂いがどれだけ藤沢がいい女かを伝えてくる。

「く、倉島ッ、なんっ、か、ひぃんっ、くぅ、るっ」

 イクのか? イクのか藤沢? まだ本番にも行ってないのにイッちまうのか?
 マジでか?
 あの藤沢が、あの完璧美少女が前戯だけでイッてしまうというのか。
 俺がイカせるのか。
 あの藤沢を俺がイカせるってのか。

「くぅ……ぁあんっ、やぁっ」
「藤沢、イクか、イクのかっ!?」
「イッ、イクッ、イクのぉっ」

 ギュッと藤沢が抱きしめる力が強くなる。そのため、余計に藤沢の体の感じる快感が伝わって来た。ビクビクと震える藤沢の体を感じながら、更に快感を感じさせてやろうとキュッとルビーを強く摘む。

「ああっ、倉島、イッ、イクッ!」

 ビクンと藤沢の震えが痛いほどに伝わってくる。快感に打ち震える藤沢を感じながら、止めとばかりに藤沢の耳たぶを軽く甘噛みした。

「ひっ、ああああぁぁぁぁぁぁっ!!」

 ギュゥゥゥゥ。
 力一杯俺を抱きしめ、耳元で絶叫を上げる藤沢。背中に立てられた爪がちょっと痛いが、藤沢をイカせたという事実の前には何ともない。
 イカせた……イカせたんだ。あの藤沢を俺がイカせたんだ。

「はぁっ……!」

 さっきの絶叫のせいでちょっとおかしくなっている俺の耳元に熱い吐息を吐いた藤沢の体から力が抜け、柔らかいベッドに沈み込む。そんな藤沢から離れてそっと眺める。。
 藤沢はハアハアと呼吸を整えながら、ベッドの上でくったりとしている。白い体は薄いピンク色に染まり、思い出したかのようにビクッ、ビクッ、と震えていた。
 すげえ色っぽい。さっきまでの悶える姿もやばかったけど、今の藤沢の姿もすげえやばい。俺、生きててよかった。こんなにいい物が見れるなんて最高だ。だからといってこのまま死んで良い訳じゃない。つーか、まだ本番にいってねーよ。
 藤沢をイカせはしたが、俺はまだ一回も抜いてない。藤沢のエロい姿、エロい声、エロい匂いをずっと感じていた俺の息子は当然のようにボッキしまくってる。
 つか、こんなにビキビキになってるのなんて初めてなんだけど。見た事もないくらいに大きくなって、いくらでも出せそうなんだけど。
 藤沢、わかってんのか? まだまだこれからが本番なんだぜ。

「ちょ、くらしああぁっ!?」

 藤沢が俺の行動に気付き、そして甘い声を上げる。
 ぺろりと、藤沢の胸のルビーを舐めてやったのだ。もちろん、これだけで終わりな訳ではない。もっともっと感じさせてやるぜ。覚悟しろよ藤沢。

「やっ、ちょっ、ああっ!!」

 藤沢のすべすべの肌をつうっと撫でてやる。脇の下から脇腹へと動いていく指の感触に藤沢がビクンと体を震わせる。
 すげえ敏感だな、藤沢。イッたからか?
 ま、もっともっと敏感にさせてやるんだけどな。

「ああぁっ、くらっ、やめっ、はぁんっ!」

 つつと脇腹から太股を経由して、まだ誰にも開かれていない藤沢のおまんこへと指を移動させる。薄い草むらの中に存在しているおまんこはぴっちりと閉じ、来る者を拒んでいる。
 こここそが、夢の桃源郷。誰もが求め、しかし誰もが辿り着けないエルドラド。数多の男共が聖地だと崇めて止まない伝説の理想郷だ。
 今度は形而上の話じゃない。真の桃源郷。現実の妖精郷だ。
 湿り気を帯びているそこの亀裂を手でそっと撫でてやる。もちろん、胸を揉むのも、その頂点のルビーを舐めてやるのも忘れない。ぐいぐいと俺の頭を押していた手は俺がルビーを舐めてやる度に力が抜けていく。ハアハアと零れる吐息が耳に心地よく、もっともっと感じさせてやりたくなる。

「ひゃっ、ああっ! んんぅっ、やぁっ!」

 胸のルビーを軽く噛み、歯でこりこりと刺激してやる。まるで電気でも流されたように体を震わせる藤沢はギュッと股間を閉じ、俺の手を押さえ込む。
 すっげえ気持ちいい。ラクロスで鍛え上げられたカモシカのような太股が、藤沢の閉じられたおまんこが調和された圧力を俺の手に加えてくる。その感触がすっげえ気持ちいい。
 びくびくと震えるおまんこから恥ずかしい液体が零れ出る。それがぬるぬると潤滑液になり手の動きを援助してくれる。

「ああっ、ぁめぇっ! やっ、はあぅっ」

 藤沢の可愛い声が耳に心地いい。聞いているだけで出しちまいそうだ。
 手の動きを速くする。ビクビクと震える体から徐々に力が抜けてくる。まんこから溢れ出た液体が俺の手を濡らしてく。その手を理想郷へと滑り込ませる。瞬間、藤沢が体を震わせた。

「ゃあっ!?」

 反射的に足が閉じられるが、もう遅い。指は侵攻を開始した。理想郷をこの手に入れるための聖戦だ。誰にも発見されていない聖域は全力を以て来る物を拒む。指が一本しか入ってないって言うのに、ぎゅうぎゅうと締め付けてくるまんこは逆に言えば誰も知らないことの証明だ。
 俺が初めてなんだ。一昨日、パーフェクトワールド内で既にわかっていたことだが、その感動の事実は何度でも俺を感動させてくれる。
 最高だ。最高すぎる。

「ぁっ、んんぅっ、やあっ、くぅ」

 藤沢の嬌声に紛れて、くちゅくちゅという慎ましげな音が耳に届く。敏感になっている体が藤沢に快感を与えて、ビクビクと反応する。それにあわせてふにゃふにゃと藤沢の体から力が抜けていく。

「ああっ、くぅっ! めっ、んぅっ」

 藤沢の中へと侵攻していく兵力を二倍に増やす。ぎゅうっと締め付けてくるまんこからはとろとろと愛液が溢れ、更に滑りをよくしていく。そして、掌に何か硬い感触が押しつけられてきた。
 ついに、ついに現れたのか……!?

「ぁぁぁあっっ!!」

 間違いない! クリトリスだ! ついに現れたんだ!
 藤沢に隠されたもう一つの宝石。乳首がルビーなら、クリトリスは真珠だ。貝の中に隠された宝石がついにその姿を現した。掌で軽く擦ってやっただけで藤沢の体が大きく震える。まだ半分は隠れているはずだって言うのにすげー感じてる。さすがは真珠。すげえ。

「そっ、そこっ、ぁっ、ぇぇっ」

 ビクビクと体を震わせながら、藤沢は必死に足を閉じる。カモシカのような太股はぎゅっと締まるが、俺の行動を制限するには至らない。
 ジュブジュブとまんこから聞こえる音が変わり、藤沢の口から漏れる嬌声も徐々に切羽詰まった物へと変わっていく。

「あ、ま、またっ! あ、あ、あっ、くっ、るぅっ!」

 誰もが振り返る美少女が俺の手の動きで悶えている。快感に咽び泣くその姿は世の男達誰もが求め、誰もが辿り着けない境地だ。そこに俺が辿り着いた。感動的だ。もう止まらない。止める気が起きない。

「あ、あ、あああぁぁぁぁっ!!」

 止めに真珠を刺激してやる。瞬間、藤沢は全身を緊張させ、ぎゅうっと痛いくらいに指を締め付けてくる。痛いが、この痛みが最高だ。藤沢がイッてる。腕で目を隠しながら、大きく開けた口から綺麗な悲鳴を上げている。
 ぎゅうぎゅうと締め付けていたあそこから、いや、藤沢の全身から力が抜ける。「はあっ」と熱い息を漏らして、ベッドに沈む。
 ルビーから口を離して、藤沢を見る。はあはあと吐息が零れる小さい口。ルビーが存在を主張する形のいい胸。ぱっちりと大きな瞳は腕に隠されて見えないが、ピンク色に染まる白い肌と全身から立ち上る甘い匂いが藤沢を淫靡に彩っている。
 黄金比に彩られた神の体はこんな淫靡になっても神々しい。むしろ美しさが増している。あまりの美しさに見てるだけで暴発しちまいそうだ。凄すぎる。

「んぅっ……」

 はあはあと荒い呼吸を漏らす藤沢の体。その一番大事な所から指を引き抜いた。てらてらと愛液に塗れている手をぺろりと舐める。甘い。こんな物まで甘いとかマジでどうかしてる。すげーよ藤沢。お前マジで最高だ。
 手の代わりに過去最高の硬度を出している俺の相棒を藤沢のまんこへと突きつける。俺の相棒と藤沢のまんこが軽くキスをしてくちゅりと音を立てた。
 瞬間、ビクッと藤沢の体が震える。

「く、倉島……っ」
「ん?」

 零れた声に藤沢を見ると、腕の下から俺を見ていた。その瞳は一昨日の勇姿が見る影もなく弱々しく、不安と恐怖に彩られていた。

「い、入れるの……よね?」
「ああ。藤沢もそれを期待していたんだろ?」
「……」

 俺の質問には答えず、しかし、頬を赤くして応えた。
 視線を逸らし、そして、また視線を戻す。

「そ、の……優し……く……して……」
「え?」
「だ……から、優しく……は、初めては……痛い……んでしょ」

 言い切った藤沢は、腕に隠されて半分しか見えない顔は、真っ赤に染まっていた。
 何それ、超可愛いんですけど。普段の強気な藤沢もかっこいいけど、弱々しい藤沢は物凄くやばい。普段、明るく可愛い藤沢のこんな姿、誰も見た事無いだろ? もしあるとしたらババアや藤沢の親父くらいか。しかし、それも最近は絶対見せなかったはずだ。なぜならババアは藤沢にとって最大の敵、憎むべき相手だったんだから。
 藤沢に隠されたもう一つの顔。やべ、超萌える。これがギャップ萌えってやつか。
 藤沢、かわいいよ藤沢。

「まかせろ、藤沢。俺が全力で感じさせてやる。最高の処女喪失にしてやるぞ」
「……ばか」

 藤沢の腰を引きつけ、俺の腰と密着させる。ビクッと体を緊張させる藤沢にすぐに入れず、まずは相棒を藤沢のまんこのすじへと擦りつける。
 やべ、これだけでもすげえ気持ちいい。すべすべの肌。そして、僅かに生えてる毛の感触が絶妙な刺激を与えてくる。

「ぁ……んんぅ……」

 まだ入れてもいないっていうのにびくびくと震える藤沢。
 とろとろと溢れた愛液を相棒へと塗し、改めて藤沢のまんこへと相棒を突きつける。

「いくよ藤沢。力を抜いて」
「……ん。来て……倉島」

 俺と藤沢は抱き合ってキスを交わす。そしてゆっくりと藤沢の中へと入っていった。

「んんんんぅっ!?」
「くっ……ぅぅっ」

 めりめりと自分の中を押し広げていく痛みに藤沢は絶叫を上げる。その痛みを紛らわそうと藤沢が背中に爪を立てる。がりがりと掻き毟られるが、そんな痛みはどうでもいい。藤沢はもっと痛い思いをしてるんだから。
 それにぎゅうぎゅうと締め付けてくる藤沢の処女まんこは壮絶に狭い。ともすれば、すぐに出してしまいそうなのを必死に我慢して藤沢の中をゆっくりと押し進む。
 そして、相棒の先がコツンと壁に突き当たる。渡辺や三森よりも浅い位置だ。もしかして、これが処女膜か? ツンツンと壁を押してみると藤沢の呻き声が大きくなった。

「あああぁっ! ああああぁぁっ!」
「もうっ少しっ、もう、少しだっ藤沢。いくぞ」
「〜〜〜〜っ」

 俺の声に応えて、藤沢がぎゅっと抱きしめる力を強くする。声なき声を上げてこくこくと頷く藤沢は目の端に涙を浮かべていた
 俺も藤沢をギュッと強く抱きしめて、一気に残りを突き刺した。

「あああああぁぁぁっ!!」

 藤沢の絶叫が部屋に響き渡る。まんこからと藤沢から、相棒と体の締め付けはいっそう強くなる。ぎゅうぎゅうのまんこ、ぎゅうぎゅうと抱きしめてくる藤沢からは力が抜けることはなく、ハアハアと切羽詰まった呼吸が聞こえる。
 やった……ついにやったんだ。俺はついに幻の桃源郷。誰も彼もが夢見た場所へと辿り着いた。誰も見た事のない伝説の妖精郷へと足を踏み入れたんだ。この一歩は小さな一歩なんてものじゃない。藤沢にとっても、俺にとっても大きな飛躍だ。最高だ。もうこれだけで出しちまいそう。新大陸を発見したコロンブスや世界一周を成し遂げたマゼランも、月に降り立ったアームストロング船長だって、こんな気分だったに違いない。
 ありがとう、藤沢。今日まで守ってくれて。
 ありがとう、藤沢。俺に捧げてくれて。
 そしておめでとう。お前も今日から大人の女だ。
 今だハアハアと浅い呼吸を繰り返す藤沢の真っ赤な唇に俺の唇を重ねる。祝福のキスだ。大人のキスはしない。触れては離れる微かなキスを繰り返すと藤沢の腕に込められる力が変わる。

「藤沢、大丈夫か?」
「大丈、夫じゃ……ない……すっごい痛い……よ……でも、はるか……も、リナも……これに耐えたの……よね」
「ああ、渡辺も三森も、誰だって通る道だ。初めてじゃ辛いかも知れないけど、絶対に気持ちよくしてやるからな」
「う……ん。おね……がい」
「任せろ」

 ちゅっと軽いキスをして、つうっと藤沢の肌を撫でていく。すべすべの肌はすげえ気持ちいい。
 そして、気付いたことが一つ。
 藤沢の中が気持ちよすぎる。
 何これ? マジで意味わかんねぇ。
 初めてだからか、渡辺や三森のような柔らかさはまだ無いんだけど、それでも信じられないくらいに気持ちいい。入口は根本を逃がさないようにきゅっきゅっと適度に締め付けて、奥は先を誘い込むようにうねうねと蠢いている。中も中で全体を舐め上げられているような感覚が走る。
 もしかして、っていうか、もしかしなくても、名器ってやつか。信じらんねー。いや、流石は藤沢って事なのか。究極の美少女、藤沢綾音は体の中まで究極だった。しかもこれで未完成だって言う事実。マジで信じらんねぇ。信じらんねぇが、完璧だ。完璧すぎる。
 未完成だが完璧。完璧だが未完成という感動が俺を包み込む。これから完成されていく肢体は未完成のままでも十二分に魅力的だ。っていうか、未完成の現時点でも神の子なんだ。完成した日には神として祭り上げられるぞ。いや、むしろ、俺が神に崇めるね。もちろん、祭祀は俺。神との交わりをもてるのは祭祀だけだからな。

「くら……しま?」

 不意にしたから声を掛けられる。見ると、藤沢が怪訝な顔で俺を覗き込んでいた。

「あ、わりぃ。あまりにも藤沢の中が気持ちいいから驚いちまった」
「気持ちいい……の?」
「ああ、すげぇ。気を抜くと、すぐに出しちまいそうだ」
「は…………かや……ナ……より?」
「え?」
「なんでも……なぃ」

 藤沢は真っ赤になり顔を背ける。
 何だ? 変なの。
 まあいいか。兎に角藤沢を感じさせてやらないとな。
 ゆっくりと、本当にゆっくりと腰を動かす。

「んんぅっ……」

 ちょっと動いただけで藤沢がブルッと震える。それに連動して、藤沢の中がうねうねと蠢き、信じらんない程の快感が伝わってくる。
 やべえ。マジやべえ。藤沢の中が気持ちよすぎて、下手に動くことが出来ない。藤沢も感じているようだけど、藤沢は既に二回もイッてるのに対して、俺は一回も出してない。下手に動こうものならあっという間に出しちまう。
 どうすっかなぁ……こんな事なら、さっき一回抜いとくべきだったか……

”大丈夫、ボクに任せて”

 ん? 何だ?
 何か聞こえたような……

「ひぃゃぁぁぁぁぁっ!?」
「うわぁっ!?」

 いきなり藤沢の体がビクンと跳ねた。
 何? 今度は何なの?
 見ると、藤沢が俺の下でビクビクと震えている。まったく動いていないのに絶叫を上げて俺に抱きついてくる。そして、その刺激で更に高い喘ぎ声を上げていた。
 きゅきゅっと締め付けてくるあそこは死ぬほどやばい快感を伝えてくる。やばい、このままじゃ一分と保たねえよ。
 動きもせずに絞り出されるとか恥ずかしすぎる。兎に角腰を動かさないと。

「ひぃ! ああっ! んぅっ! ああんっ! やぁっ、ひぅっ! す、ごいぃっ!」

 藤沢の絶叫が部屋に響く。俺だけじゃなくて、藤沢の腰も動いてる。初めてのはずの藤沢のまんこからとろとろと大量の愛液が溢れ出る。
 ホントになんなの? なんでいきなりこんなによがってんの?

「ぁっ、んぅっ、あああっ! くぅんっ、ひぅ! あくぅっ!」

 藤沢が髪を振り乱し、耳元で大音響を響かせる。その声が俺の快感神経も刺激していく。ぞわぞわと藤沢だけでなく俺にも鳥肌が立つ。

「あぁっ、んんぅっ、やあっ! ひぅ! あっ! いっ! んぅっ! あっ! またっ! だめっ! だめっ! ダメェッ!」

 ぎゅうっと藤沢が力一杯抱きついてくる。同時に藤沢のまんこも凄い勢いで締め上げてきた。すげえ、すげえ気持ちいい。藤沢、お前最高だ。もう、限界だ!

「あああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 俺の腕の中で藤沢の体がビクビクと痙攣する。ぎゅうぎゅうと締め付けるまんこはとんでもない気持ちよさで俺に抜く暇も思考も与えなかった。ドクドクと藤沢の中へと精液を吐き出す。見えないから感じでしかないが、今までの中で一番出してる気がする。いくらでも出てしまう。それくらい気持ちいい。
 全てを出し切った俺はガクンと藤沢の横に崩れ落ちる。
 ああ、もうだめだ。すげえ気持ちよかった。あまりの気持ちよさに気を失うかと思った。もう全部もってかれた。お前すげえよ藤沢。マジで神だ。一回で全部出し切って赤玉まで出してたらどうしよう。
 そんな事を考えながら、藤沢の中から相棒を引き抜く。抜ききったと同時に僅かに開いた藤沢のまんこからこぽりと精子が零れるのが見えた。
 マジで藤沢とやったんだ。誰も彼もが狙っているこの伝説の美少女と。藤沢の初めての男に俺がなったんだ。俺が伝説の未踏峰を踏破したんだ。やべえ、感動的すぎる。
 藤沢の可愛らしい顔を見ながら、軽く髪を撫でてやる。すると、藤沢が荒い息のままゆっくりと瞼を開いた。

「くら……しま」
「藤沢……」

 俺はもう一度藤沢の髪を撫でると、藤沢の手が俺の手に重なる。俺は藤沢と見つめ合ったままごろんと藤沢の横へと転がった。

「どうだった? 初めてのエッチは」
「すごかった……こんなに……すごいことだったんだね。なんか……すごい。私、始まったって感じ。何でこんなすごいことを今までやってこなかったんだろう。初めては痛いって良く聞くし、実際ちょっと痛かったんだけど、それ以上に気持ちよかった。今まで感じたことがないくらいに気持ちよかった」
「そっか。そりゃよかった。俺もすげえ気持ちよかったよ」
「うん」

 本当に気持ちよかった。藤沢の体はマジ完璧だ。ラクロスで鍛え上げたその身体は何処にも無駄な脂肪が無く、しなやかな筋肉が付いていると言っても女の子らしい柔らかさは何処も失われていない。ラクロスで日の下を駆け回っているにも関わらず、美白と言えるほどに白い肌には何処にも吹き出物も染みも黒子の一つもない。その白い肌に映える真っ赤な唇。渡辺と比べてやや小さいけれど凄く綺麗な形の胸。信じられないくらいに細いウエストは胸と同じように綺麗な形のお尻と合わさり素晴らしいくびれを見せてくれる。その黄金比に彩られた美しい体は外見だけではなく中身も完璧だ。口内も胸も敏感で、まんこに至っては信じられないほどの名器だ。
 こんな完璧な体は世界中何処を探しても藤沢しか持ち得ない。しかも、これだけの体はしかし未だ未完成だという事実を隠し持っている。現時点でも最高の体だというのにこの体が完成した日には究極と言っても言葉が足らないかも知れない。完成した体はミロのヴィーナスにも負けないくらいの人類最高の芸術作品になるはずだ。その日が来た暁には俺が写真に納めてやるから覚悟してろよ。

「倉島」

 藤沢は天使のような無垢な笑みを浮かべて、ぎゅうっとしがみついてくる。
 何このテンション。これ本当に藤沢か? 結局どうしてこんな事になったのかよくわかんねぇけど、まあいっか。だって、そのお陰で俺は形而上能力を無くしたにも関わらず、藤沢を抱く事が出来たんだからな。
 ギュッと藤沢を抱き返す。軽いキスを交わして俺達は互いに髪の毛を撫でつけた。
 幸せだ。すげえ幸せだ。
 そんな風に抱きしめあって数秒。不意に藤沢の体がぴくんと震えた。

「あ、今…私にまたエッチな命令した」
「え、してないけど」
「う、ウソばっかり!私、初めてなのに、こんなことしたくなるわけないもん!」

 また何言い出してるんだこいつは?
 藤沢は体を離すと、いそいそとベッドの上を移動する。そして、ふにゃりと力を失った相棒に白魚のような手で触れてきた。
 っていうか、何しようとしてんの? 藤沢さん、何しようとしてるんですか?
 垂れる髪の毛をかき上げて、藤沢は真っ赤な唇を俺の相棒へと近づけてくる。
 ちょっと、それ。それって……いいの? 正気?

「やり方とか、全然わかんないし……これでいいの?んっ、ちゅっ、もう、変な味する……やだもう、こんなの……んっ、ぺろ」

 何か訳のわかんない文句を言いながら、藤沢は俺の相棒へと舌を這わせる。
 何この状況? 意味わかんない。
 オナニーもセックスもキスすら初めてだった藤沢だ。フェラなんて当然した事ない。そんな藤沢が変な文句を言いながらしてくれるフェラは渡辺は当然として、三森よりも上手くはないけど気持ちいい。嫌だとか言ってる癖に、フェラしてくれるとか全然意味わかんないけど。
 つーか、何なのこの状況。
 だって、俺、藤沢に何もしてないよ?
 一昨日だってパーフェクトワールドを元に戻したよ。形而上の上の世界に行って藤沢の真実は見たけど、それも含めて全部元に戻したよ。だから、藤沢は俺を好きになる要素なんてないのに何でこんな事やってんの? つーか、命令したとか言ってるけど、俺、昨日に能力無くしたよ? 全部ババアにあげちゃったよ? どうやって、命令するのさ。
 って、あれ? ババア? もしかしてババアがやってんの? 昨日ババアが話しかけていたウサギってもしかして藤沢だったの? 変な命令でもされたのかな? 俺に惚れろとか……今だったら、フェラしたくなるとか?
 そう思った瞬間、ゾクッとした。
 何? 何なのこの感触。なんかいねえ? 俺と藤沢以外にさ。この部屋になんか別の気配を感じるんですけど。あれだな、アレ。霊感? いや、そんなちゃちなものじゃねぇ。中学時代からずっと厨二病を引きずってきた俺の中で第三の力が目覚めたのだ。邪気眼とかそんな感じの何か。その何かがこの部屋にいる何かを感じ取ってる。もしかして霊? この部屋で誰か死んだとかねえよな? いや、違うな。これは……この気配は以前にも感じた事がある。ババア? ババアか? ババアだな。ババアに違いない。正確にはババアの形而上の姿、ウサギ飼いの少女だ。今までずっと一緒だった俺の力の気配もそこにある。ババアが俺達のプレイを見ていて、藤沢に指示を出してるんだ。
 昨日言ってたアレって本当の事だったの? あの俺のためだけに力を使うって奴。もしかして、ババアは自分の娘を俺に捧げてくれたの?
 よし、試してみよう。
 藤沢は、俺にフェラするのが大好き美少女になーれっ!

”りょーかいっ”

 どこからかウサギ飼いの少女の声が聞こえたかと思ったら、藤沢の体がぴくんと震える。そして、次の瞬間には藤沢の舌の動きがいっそう激しくなった。

「ふっ、んっ、ねえ、これ気持ちいいの? 私、初めてだから、上手く、ふっ、できないよ。ん、ねえ、倉島は気持ちいい? 私、もっと練習しててもいい? んっ、んっ、なんか、やだ……んっ、私まで、熱くなってきちゃう……」
「バ、ババアだ。ババアの仕業じゃ!」

 マジでババアがいる! ババアが俺のために力を使ってる! 俺のために娘を捧げてる!
 マジか。何それ! 物凄い事になってんだけど!?
 藤沢はハアハアと呼吸を熱くしながら舌の動きを早めていく。やがて、舐めるだけでなく、咥えるようになった藤沢は熱い口内に俺の相棒を迎え入れる。藤沢が俺にフェラをしてくれている。そのとんでもない状況は渡辺ほどに上手ではない藤沢の舌技でもあっという間に俺の相棒に力を取り戻させた。
 でも、これじゃやっぱり藤沢に悪いよな。俺とババアの取引に彼女は関係ないんだし、俺も誰も不幸にしたくないって言ったばかりだし。よし、藤沢には本当のこと言おう。今すぐ言おう。

「私、んっ、これからもずっと、倉島の言いなりなんだね……んっ、ふぅん、こんな、エッチなことさせられて……それでも嫌いになれなくて、いろんな事させられちゃうんだ……もう、最悪……私、あなたには逆らえないから、仕方ないからしてるけど……んっ、こんなの、私はしたくないんだからね。んっ、私は、んちゅ、こんな事して喜ぶような女じゃないんだから、誤解しないでよね……んっ、んっ、ちゅぶ、ずずっ……ね、ねえ……これ、もっと深く咥えた方がいいの?」
「はい、お願いします」

 
 


 

 

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