悪魔の流儀

〜堕天使たちの挽歌〜


 

 

大門エンド


「やっぱりダメだ」
「大門様!」
「おまえが俺の下僕だと言うのならなおさらだ。おまえたちを守るのは俺の役目だ」
「し、しかしっ!」
 必死の形相で食い下がろうとする綾。しかし、綾にはやってもらわなければならないことがある。
「幸たちの側にいてやってくれ、綾」
「え?」
「前に言っただろう、幸たちを守ってくれと」
「はい」
「だから、おまえはここにいて、幸たちを守っていてくれないか?」
「大門様…」
「もし、冴子のことでおまえが責任を感じているのなら、幸たちのことを守りきってみせろ」
 倭文は、さっき電話であんなことを言っていたが、今までにあいつが俺たちにしてきたことを考えると、あいつの言うことは信用できない。
 だから、綾には家にいてみんなを守っていて欲しい。それが俺の偽らざる願いだ。
「……わかりました」
「頼んだぞ、綾」
「はい。それでは、失礼します」
 綾は、俺に礼をすると部屋を出ていく。



 自分でも、バカだとは思う。
 たぶん、倭文の奴は、単に話し合いをするだけのつもりで俺を呼びだしたわけではないだろう。おそらくは、物騒なことになるに決まっている。
 だから、綾を連れて行けば戦力になるだろうとは俺も思う。綾と倭文との因縁を考えたら、綾を連れて行くべきじゃないかと、そうも思う。
 しかし、倭文の狙いが俺である以上、これは俺とあいつとの問題だ。これ以上あいつらを巻き込むわけにはいかない。
 それが、あいつらの主人としての最低限のけじめだ。



「さてと、そろそろ出るとするか……」
 もう深夜0時を回っている。これから歩いて行けば約束の時間に丁度いい頃合いだろう。
 廊下に出ると、家の中はすっかり静まり返っていた。俺が言ったとおりに、もうみんな休んでいるんだろう。おそらく、綾を除いては。

 俺は、黙って家を出ていく。何も言う必要はない、必ずここに戻って来るつもりなのだから。




* * *




 公園 AM0:55

 公園に入る時、俺は結界をくぐり抜けたのを感じた。
 倭文の奴、結界まで張っておいて何が話し合いだ。

「5分前行動とは立派ですね、大門さん」
 広場まで行くと背後から声をかけられる。この声は、もちろんあいつだ。

 俺が振り向くと、そこに倭文が立っていた。

「倭文、なんでおまえは俺を狙う?人間界にこんなに悪魔を送り込んで、魔界や天界が黙っていると思うのか?」
「ご心配なく、大門さん。魔界は今や僕のものです」
「なんだと!?」
 倭文の口から出た言葉は、にわかには信じがたいものだった。しかし、それから倭文が語りだした話は、俺の想像を遥かに超えたものになった。
「僕は、まず、あの会社、マジック・クラフト・エンジニアリングを手中に収めました」
「そんなっ、あの会社の上層部には強力な悪魔が沢山いたはずだろ?」
「今では、彼らは全員僕の部下です。ああ、社長だけは、封印して、その能力を僕の中に取り込みましたけど」
「ばっ、バカなっ!?」
 たしか、あの会社の社長は魔王クラスの強力な力を持っていたはずだ。それを封印したというのか?
「その後、ディー・フォンの新アプリを使って、魔界の悪魔のほとんどを僕の手駒にしました。魔界が僕のものというのは、つまりそう言うわけです。ついでに天界ですが、今は僕の部下が陽動のために撹乱工作を行っているので、そちらの対応に手一杯で、人間界まで手が回らないでしょう」
 
「おまえっ、そんなことしていったい何をするつもりだ!?」
「決まってるじゃないですか、天界と戦争をするんですよ」
 倭文は、平然としてとんでもないことを話し続ける。
「てっ、天界と!?」
「天界を屈服させて、全てを僕が支配するんです」
「そんなことできるわけがっ!正気か、おまえ!?」
「ええ、いたって正気ですよ」
「しかし、だったら、なんで俺を狙う?」
「あなたの力を取り込むためです。天界に勝つには、あなたの力を手に入れる必要がありますからね」
 俺の力が天界との戦争に必要だって?何を言っているんだ、こいつは?
「おまえは、もうすでにあの会社の社長の力を取り込んでいるんだろうが。なんで今さら俺みたいな中級悪魔の力を取り込む必要がある!?」
「あなた自身、もう気づいているんじゃないんですか?自分の力がただの中級悪魔のものじゃないって」

 倭文の言う俺の力。それは、あの力のことか。

「おまえ、俺のこの力について何か知っているのか?」
「まあ、僕も詳しいことまで知っているわけではありませんが。大門さん、あなたは、今からずっと昔、太古の時代の大魔王に能力を封印された伝説の悪魔らしいですよ」
「なっ、俺がか?」
「なにしろ、はるか大昔のことですから、調べるのもなかなか大変でしたけどね。あなたは、その力のあまりの強大さ故に大魔王にすら怖れられ、隙をつかれて力を封印されてしまったんです」
「そんなこと、俺は知らないっ」
「もちろん、能力の封印と同時に、記憶も封印されてしまったので、あなたがそのことを覚えているはずはありません」
「そんなバカな話が…」
 そんな話、信じられるわけがない。たしかにあの力は強力だが、俺が伝説の悪魔だなんて言われても。
「僕の調べた限り、あなたのその力が、神に対抗しうる唯一の力と思われたので、だから、あなたの力を取り込む必要があると考えたんです」
「いや、それなら、魔界にいた時にいくらでもそのチャンスはあっただろうが!」
「あなたの力が封印された状態では、あなたの力を取り込んでも、ただの中級悪魔の力を取り込むだけです。僕としては、どうしてもあなたの封印を解いて、能力を完全に覚醒させる必要があったんです」
「能力を完全に覚醒させる、だと?」
「まあ、あなたの封印を解くために、僕もいろいろと考えましたよ。魔界で力を覚醒させて、上層部に気づかれるのもまずいですし、だいいち、魔界ではあなたの封印を解く手段がない。そこで人間界に行くように仕向けたんです」
「くっ、そんな頃からっ」
「ええ、その間に僕は魔界を手中に収めました。そして、天界が干渉できないように陽動の工作を行ってから、あなたの封印を解く作業にかかったわけです」
「なら、なんでうちの連中を巻き込んだ!ターゲットが俺なら、俺だけを狙えばいいだろうがっ!」
「大門さん、あなたの封印は3つの種類に分かれているんです。ひとつは能力の封印、ふたつ目は記憶の封印、そして、もうひとつは感情の封印です」
「感情の、封印?」
「あなたの能力はあまりに強力なので、大魔王ですら完全に封印することはできなかったようです。あなたがその気になれば、自力で解除できてしまう程度の封印しかできなかった」
「どういう、ことだ?」
「その気になる。つまり、感情が一定のレベルを超えて高まると、眠っていた力が目覚めて封印が解けてしまう可能性がある。だから、感情が簡単には激発しないように、感情にも封印をしたわけです。だから、苦労しましたよ、感情の封印のせいで、あなたは悪魔のくせに妙に真面目でお人好しで、人並みには怒ったりしても、決して自分を見失うほどには感情を高ぶらせない。しかし、璃々栖(りりす)の報告で、あなたの下僕に手を出すのが効果的だとわかったので、実行させてもらいました」
「倭文、てめえ…」
「あなたの下僕に手を出したのはそういうわけです。それにしても、想像以上に効果がありましたね」
「貴様!赦さねぇ!」

 怒りに体が震えているのが自分でもわかる。それと同時に俺の体から、魔力のオーラが溢れ出してくる。
「そうそう、その力ですよ、大門さん。それでは、完全に覚醒したあなたの力がどれほどのものか確かめさせていただきますよ」
 倭文が、パチッ、と指を鳴らすと、俺の周りに無数の悪魔が姿を現す。百体は軽く超えているだろうか。その数は、さっきの比じゃない。しかも、10体を超える数の上級悪魔も混じっている。
「いけない人ね、大門くん。私にあんなことした上に、倭文さまに逆らうなんて」
 悪魔の群の中から前に出てきたのは、後森、いや、ゴモリーと呼んだ方がいいのか。見かけはそう変わらないが、あの威圧感、悪魔としての本性を現していやがる。
 なぜだ?あのダーツの洗脳が解けてやがる。それに、倭文さまだと?
「さあ、おとなしく倭文さまの力になるのよ、大門くん」
「黙れ」
 俺は短く答えると、腰を沈めて身構える。

 じりじりと、俺を取り囲む悪魔の輪が縮まっていく。見れば、倍紋や波留間といった、俺の見知った顔もある。いずれも本性を現しているのでパイモン、バルマとでも呼ぶべきだろうか。
 上級悪魔を含めた、これだけの数の悪魔を俺は相手にできるのか?しかし、俺は倭文に取り込まれるわけにはいかない。俺には、待っている奴らがいるんだ。
「まだまだ足りませんか、大門さん。それなら、これからあなたの家に悪魔を送り込んでもいいんですよ」
「倭文っ、貴様っ!」
 叫び声とともに、俺の体から大量の魔力が一気に噴き出す。たしかに、あいつの言うとおり、俺の力は感情に左右される部分が大きいようだ。
 だが、今はそんなことはどうでもいい。俺は、左手を横薙ぎに払う。

「ギャアアアアアッ!」
 俺の手の動きに合わせて、魔力の帯が悪魔どもを薙ぎ払っていく。
 続けて、俺が右手を上に向けると、それに合わせて魔力の帯が動き、上空に浮いていた悪魔が消滅する。

「やるじゃないの、大門くん!さあ、あなたたち、全員で襲いかかるのよ!」
 残った悪魔が、ゴモリーのかけ声で一斉に襲いかかってくる。
「邪魔だっ!」
 俺が力を込めると、周囲の魔力が密度を高めていき、それに触れた悪魔が消滅していく。
「なんですって、これほどの力がっ!倭文さまっ!」
 ゴモリーを残して、俺に向かってきた悪魔は全て俺の力に触れて消えていく。

「後ろに下がるんだ、絢華。さすがにこれ以上の損害は、今後の行動に響きますからね。それにしても、さすがですね大門さん。この数の悪魔を、しかも上級悪魔も結構いたんですけど。それをこんなにあっさりと片付けるとは」
 あれだけの数の悪魔を短時間で消し去ったにもかかわらず、倭文は顔色ひとつ変えていない。
「なに余裕かましてやがるっ!倭文っ、次はてめえの番だっ!俺の力を覚醒させたことを後悔させてやる!」
「まあ、そんなに慌てないでください。まだ僕は手の内を全部見せてはいませんよ」
「なんだと?」
「ほら、もうそこまで来ていますよ」
 そう、倭文が言って俺の背後を指さす。

「待ってください、奥様!薫さん!」
「奥様!薫さーん!どこまで行くんですか!?」
 俺の背後から聞こえてくるこの声は?綾と梨央の声!?
「どうしておまえらがここに!?なっ?」
 振り向いた俺の目に飛び込んできたのは、梨央の体を引きずるようにこちらに歩いてくる幸と薫の姿だった。
 ふたりとも、目の光を失い、うつろな表情でふらふらと夢遊病のように歩いている。
「倭文!てめえだなっ!」
「そうですよ」
 倭文は、悪びれる素振りすら見せない。
「てめえっ、電話ではあいつらには手を出さないと言ったじゃないか!」
「別に、そんなことは言っていませんよ。僕はただ、あなたの家は襲わせないと言っただけです」
「なんだとっ、貴様!」
 怒りとともに、俺の体からさらに魔力が噴き出して来る。

 その時だ、俺の体から赤い糸、いや、綱ほどもある太いものが2本、俺に近づいてきた幸と薫に向かって伸びた。
「なにっ、何でこの糸が?しかも2本もだと?うっ、ぐわああああっ!」
 突然、もの凄い脱力感に襲われて俺は膝をつく。同時に、俺の周囲に漂う魔力のオーラが、目に見えて少なくなっていくのがわかる。
「ふうん、それだけ下僕がいながら、ふたりにしか赤い糸を使っていないとは、あなたも甘い男ですね、大門さん」
「ぐっ、なっ、どういうことだ!?」
「その糸には、人の心を読んだり、思念を送って相手を操る以外にもいろいろと機能が隠されていましてね。糸の使用者を経由して被使用者を間接的に操る、というのもそのひとつです」
「そ、それで幸と薫がっ!」
 昨夜、幸と薫に起きた異変、そして、幸と薫に共通するもの、その理由はそれだったのか!
「でも、これを発動させるためには、いろいろと条件がありましてね。まあ、そのために璃々栖を送り込んだんですが。まあ、璃々栖はちょっと悪ふざけが過ぎたようですが。またこれで奴隷からペットに降格ですね」
「なんの話だっ?」
「いや、それはこっちの話です。まあ、それはおいといて、この糸に隠されたもうひとつの機能、それは、糸と、糸に操られた人間を媒体にして魔力を放散させる機能です。この糸をあなたに仕込んだ一番の目的はこれなんですよ」
「人間を、媒体にして、魔力を、放散?」
「あなたがふたりにしかこの糸を使っていなかったとは思いませんでしたが、まあ、問題はないでしょう」
「なんだって?」
 俺が、幸と薫を見ると、ふたりとも虚ろな表情のまま、口を大きく開けて悶えているように見える。俺と繋がった糸を伝って、魔力がふたりの方に流れていくのが俺にもわかる。
「くそっ、幸っ、薫っ!」
「「奥様っ!薫さん!」」
 梨央と綾が悲鳴を上げる中、俺はなんとかふたりから糸を外そうとするが、糸は俺のコントロールを受け付けない。
「無駄ですよ、大門さん。あ、それはそれとして、そこのふたりには少しおとなしくしていてもらいましょうか」

 倭文がまた指を鳴らすと、上級悪魔数体を含む、30体ほどの悪魔の群が現れる。

「きゃあああっ、ご主人様!」
「大門様っ!」
 今度の奴らはかなり強力そうな奴らばかりだ。さっき綾が一瞬にして片付けた雑魚とはレベルが違う。いくらなんでも綾ひとり、しかも、梨央を庇いながらじゃさすが相手をするのは難しいだろう。
「綾っ!梨央を連れてここから逃げろ!」
「いやっ、そんなことできません、大門様!」
 綾がそう言うのはわかっていた。しかし、今のこの状況は危険すぎる。
「俺ならもう少しの間は粘れる。だから、梨央だけでも安全なところに連れて行ってくれっ。頼む!」
 そう言うと、俺は綾に目配せする。それに託したのは、その後に戻ってきても構わないというメッセージ。どうせ、こうなってしまった今では、たとえ止めても綾は聞かないだろう。
「大門様……わかりました」
 俺の真意を察したのか、真剣な表情で綾は頷く。
「いやあっ、梨央はご主人様の側にいますっ!」
「早くしろっ!綾っ!」
「ごめんね、梨央ちゃん」
 綾が、梨央のみぞおちに当て身をくらわす。意識を失った梨央を抱えて、綾はこの場から立ち去っていく。

「優しいご主人様ですね、大門さん。あなた、本当に悪魔ですか?」
 口許を歪めて倭文がニヤリと笑う。
「うるさい、倭文っ!」
「まあ、いいでしょう。僕の目的はあなたですから。それでは、そろそろ取り込みにかかるとしましょうか」
「取り込みだと、いったい、どうやって!?」
「僕があなたに渡した道具が他にもあるでしょう。僕が、何の意味もなくあなたに道具を渡していたと思うんですか?」
「なんだと!?」
「それじゃ、始めましょうか」

 そう倭文が言った途端に、俺の視界が真っ青に染まる。
「なっ、これはっ?くううっ!」
 この視界が青く染まる感じ、間違いない、これは俺の体の中に埋め込まれた<反転のささやき>だ。いつものような薄い水色のセロハンを透かしたような感じではなく、他の物が見えないくらいに濃い青一色になっている。
 それと同時に、俺の存在自体が<反転のささやき>の中に吸い込まれていくような感覚に襲われる。

「これはっ、<反転のささやき>だと?なんでこれがっ!?ぐはああっ!」
「持った者が発した言葉と反対の感情を相手に持たせるなんて機能は、別に、宝石でなくても他の物に簡単に組み込むことができます。それの真の役割は、その宝石自体の特徴にあるんですよ」
「この、宝石、自体の特徴だと?」
「ええ、その宝石は、発動すれば天使や悪魔など、およそ霊的存在であればどんなものでも吸収してしまうんです。僕の計算では、おそらく、神ですら吸い込んでしまうでしょう」
「な、に?」
「ただ、難点は、その宝石自体を封じる相手の体内に埋め込まなくてはならないことなんです」
「そ、それでおまえは俺にこれをっ」
 あいつは、あの頃からこうすることを考えて俺にいろいろと道具を渡していやがったのか。
「ええ。ただ、さすがに、覚醒したあなたの力は未知数ですからね、もしかしたらこの宝石に収まりきらないくらい魔力が大きいかもしれない。だから、こうして保険代わりにこの糸で魔力をある程度放散させているわけです」
「くううっ!きっ、貴様!」
「この方法で、僕はあの会社の社長も宝石に封印してその力を取り込んだんですよ」
「おまえはっ、おまえはそうやって人の力ばかり利用してっ!」
 もう、視界は青一色で何も見えないが、俺は倭文の声のする方に向かって叫ぶ。
「今さらなにを言っているんですか、大門さん。僕の能力は、相手の精神を操ることです。それ以外に僕には、飛び抜けた戦闘力があるわけではないですし、強力な術が使えるわけでもない。だから、操ったり取り込んだりして、人の力を利用する。それが僕の流儀です」
「し、倭文!き…さ…ま」
「ふふふ、だいぶ封印が進んだみたいですね、大門さん」
「く、そ…」
 俺の体からどんどん力が抜けていく。もう、この吸い込まれるような感覚に抗えそうもない。


 俺の脳裏に、幸、薫、冴子、梨央、そして綾の顔が浮かんでは消えていく。
 すまない、みんな。俺はおまえたちとの約束を守れそうにない。








 俺が、意識を手放しかけたその時。

「大門様!」
 俺を呼ぶ声が聞こえ、背中に手が触れたかと思うと、俺の体が何か暖かいものに包まれていく。視界は依然として青く染まったままだが、それでも俺の周囲に光り輝くものがあるのがわかる。
 すると、朦朧としていた意識が次第にはっきりとしていく。

 そして、俺は、封印されていた本当の記憶を思い出す。

 かつて、たった一度だけ神と大魔王が協力したことがあった。それが、この俺を封印すること。
 その気になれば、ほぼ無限とも言えるほどに大きくなる俺の力を、神も悪魔も怖れたのだ。
 俺は、いわば、始源の存在とでもいうべき存在だった。俺の中から無限に湧き出る純粋なエネルギーは、その気になりさえすれば神の力をも凌駕した。
 無垢にして自然の、純粋な存在。そこには、あまりの純粋さ故に善とか悪とかいう価値基準もない。そして、まさに俺の力の大きさはその純粋さに由来するもの。つまり、俺の感情や欲求次第でいくらでも力は増大する。
 だが、あまりに純粋すぎて、善とも悪とも判断つきかねる俺の存在は、天界にとっても魔界にとってもやっかいなものだった。
 だから、俺が暴発したときに御しきれなくなるのを怖れて、神と大魔王は俺をだまして封印したのだ。
 その後、俺は魔界に送られることになった。俺の存在は、悪ではないが、決して善でもない。それ故に天界に置くわけにもいかず、ましてや人間界に置くわけにもいかない。だから、俺の行き場は魔界しかなかった。
 魔界としても、御しきれないほどの俺の力を目覚めさせるつもりは毛頭なかった。俺の過去に触れることをタブーとして、周囲は避け続け、そしていつしか、一部の者を除いてはそんなことがあったことすら忘れ去っていった。
 そうして俺は、上級悪魔のように固有の名前を与えられることもなく、ただ、漠然と魔を意味する言葉であるダイモーンという名で呼ばれて、一介の中級悪魔として魔界で過ごし続けるはずだった。

 今、目の前で俺の力を取り込もうとしている男さえいなかったら、俺は未だに中級悪魔として魔界で暮らしていたことだろう。 

「なんだと、この力は?まさか、おまえっ!?」
 うろたえたような倭文の言葉に我に返ると、いつの間にか視界を覆っていた青色が消えていた。
 俺の体は、白い光りに包まれ、体の底から力が漲ってくる。
「これは、糸が!?」
 気づけば、赤い糸の制御ができるようになっている。
 俺は、直ちに、幸と薫に繋がった糸を断ち切る。
「すまん、もう少しだけ辛抱してくれ」
 地面に倒れ込んだふたりに、俺は小さく声をかける。
 そして俺は振り向いて、俺の背中を支え、力を送り続けている者を見る。

 そこにいたのは、背中に純白の翼を生やしてやはり真っ白な衣装に身を包み、左手には大剣を下げて、右手を俺の方にさしのべている綾の姿だった。

「綾…」
 ひとこと名前を呼ぶと、綾は黙ったまま大きく頷く。
「ああ。このけじめは俺がつける」
 そう言って、俺も綾に頷き返す。

 純粋な存在であるが故に、そして、力の源がその純粋さであるが故に、俺の力は感情や欲求に大きく左右される。
 俺は、地面に倒れている幸と薫の方をちらっと見る。次いで、冴子、梨央の顔が脳裏に浮かぶ。
 今、俺を突き動かしているもの、俺が、心から欲していること。

 それは、目の前にいるこの男を倒し、大切な俺の家族を守ることだ。

「倭文いいいいっ!」
 吼えるように雄叫びをあげると、俺から噴き出た魔力が一気に倭文に向かって殺到する。
 さっき倭文が呼び出した悪魔が飛びかかってくるが、そのほとんどが溢れ出た俺の魔力に触れて消滅し、残りは綾に切り払われる。

「ぐはっ」
 倭文を包み込んだ魔力の塊が、逃げられないようにその体を締め上げる。
「これでおまえも終わりだ、倭文!」
「ふっ、たとえここで僕を消しても、いつかまた復活しますよ!」
 倭文は笑みを浮かべたままだが、さっきよりも余裕は感じられない。
「本当にそうか?おまえは俺の力を神に対抗しうるものだと言ったよな。だったら、俺に消されたら、いくらおまえが上級悪魔でも復活できないんじゃないのか?」
「くっ!」
 一瞬、倭文の表情が歪む。
「だいたい、俺の力をまともに見た奴はほとんどいないんだろ?それじゃ、復活できるかできないか、おまえにもわからないんだよな」
「それが、どうした!」
「まあ、たとえ復活したとしても、また消してやるだけだ」
「ク、ククク」
 倭文が、声をあげて不敵に笑う。
「なんだ、なにがおかしい!?」
「大門さんこそ、僕を消してしまっていいんですか」
「なんだと?」
「あなたが自分の家族だと言っている女たち。彼女たちは、僕があなたに与えた力で従えたんでしょう?僕を消してしまうと、彼女たちの心もあなたから離れてしまいますよ」
「そっ」
 ほんの一瞬だが、俺が怯みかけた、その時。

「「そんなことはないわ!」」

 俺の背後から聞こえてきた叫び声、それは、幸と薫の声。
 見ると、弱々しく上体を起こしながら、幸と薫が俺たちの方を見上げている。

「たとえあなたなんかいなくても、そんな力がなくてもっ、私たちの心は武彦さんから離れたりしない!」
「その通りよ。局長は私たちを愛してくれる。だから、私たちも局長を愛し続ける!」
 苦しそうな表情で、しかしはっきりとそれだけ言うと、ふたりの体は再び崩れ落ちる。

「なっ、愛だとっ。認めないっ!僕はそんなものは認めない!」
 倭文の顔から笑みが消え、血相を変えて幸たちの言葉を否定する。
「倭文、さっきおまえは言っていたよな。人の力を利用するのがおまえのやり方だと」
「それが、どうしたというんですっ!?」
「だったら、俺は自分の力でこいつらを守り、愛し、こいつらの心をを繋ぎ止めてみせるっ。それが俺のやり方だ!」
「くっ!」
「俺の前から消えろ、倭文!」
「ぐわあああああっ!」
 俺が力を込めると、一声叫んで、倭文の体が消滅する。

 ようやく全てが終わった安堵感に包まれ、俺の心が落ち着いていくのとともに、周囲を漂っていた魔力が少しずつ消えていく。
 これで、俺の魔界時代からの全ての因縁にけりをつけることができたんだな。

「大門様」
 不意にかけられた声に俺は振り向く。
 まばゆいばかりの銀髪に純白の翼、そして白い衣装に身を包んだ天使の姿の綾が立っていた。
「綾、こうやって見ると、おまえ、本当に天使なんだな」
「ええ」
 綾は、少し頬を赤く染めて答える。
「大門様、これで、全て終わったんですね」
「ああ」
 ひとことそう答えると、俺は倒れている幸たちの方に歩いていく。その後ろから綾もついてくる。



 意識を失ったままの幸と薫に向かって綾が手をかざすと、ふたりの体が白い光りに包まれていく。
「これが私の力、精神に影響を及ぼす邪悪な力を遮断し、精神を安定させ、正気を保たせます。ある程度なら、精神的なダメージを回復させることもできます」
 ふたりに向かって力を送り込みながら、綾が俺に説明する。
 さっき俺が立ち直ることができたのも、この力のおかげか。
「おそらく、大量の魔力の媒体にされて、精神に負荷がかかりすぎたんでしょう。さいわい、深いダメージは受けていないみたいですから、奥様も薫さんも、2、3日も休めば目を覚ますはずです」
「ああ。それで、梨央は?」
「向こうのベンチに寝かせて、周りに結界を張っておきました。だから大丈夫です」
「そうか」
「大門様、天界は、あなたが魔界にいたときから警戒を怠ったことはありませんでした。数年前、あなたが人間界に出てきたことを知って、天界は近くで監視する者を派遣することに決めたんです」
「それが、おまえだったってわけか」
「はい。あの男によって私たちの部隊が壊滅させられた後、唯一の生き残りの私は、今の上司に拾われて、諜報や潜入を担当する部署に移ることになりました。それで私は、命令を受けて大門様の家に入り込むことになったんです。その後のことは、大門様も知っての通りです」
「おまえは、倭文が俺と関係があることは知っていたのか?」
「はい。ただ、私の任務は、あなたの封印が解けないように、あなたのすぐ近くで見張ること。そして、何かあったら天界に報告することです。まさか、魔界があんなことになるとは、私も想像していませんでした。あの男が魔界を乗っ取ったことを私が知ったのは、つい最近のことなんです」
「それで、おまえはここに来た本当の理由を俺に話さなかったわけか」
「はい。天界としては、その力のことは知られたくなかったので……」

 俺は、しゃがみ込んで幸と薫の頬をさする。
「幸も、薫も、冴子も、みんなこんなにボロボロになってしまって。まったく、主人失格だな、俺は」
「大門様…」
「みんなを守るって言ったのに、こいつらをこんなにしてしまって。それに、守るはずのおまえに守られて、みっともないったらありゃあしないな」
 そう、綾がいなかったら、きっと俺は倭文の奴に取り込まれてしまっていた。
「そっ、そんなことはありません、大門様」
「綾、もういいよ」
「え?」
「おまえは自分のいるべき場所に戻れ」
「どういう、ことですか?」
 俺の言葉に、怪訝そうに首を傾げる綾。
「俺には、おまえの主人でいる資格なんかありゃしない。だから、おまえも天界に帰るんだ」
「そんな、大門様!?」
「どうせ俺の封印が解けて力が覚醒したからには、それを報告しなければならないんだろ。だったら、もう、俺の下僕の真似事なんかしなくていいさ。おまえは、おまえ本来の任務に戻れ」
 綾が、何か言いたげな表情をするが、あきらめたように押し黙ってうつむく。

 そのまま、少しの間、沈黙の時間が流れた。

「……それでは、任務ですのでダイモーンと呼ばせていただくことにします。あの、私から提案があるのですが、天界に力を貸していただけませんか、ダイモーン」
 しばらくして、綾がようやく口を開く。普段とは違う、事務的な口調。しかし、ことさらに静かな口調で話そうとしているのがありありとわかる。
「なんだと?」
「今回のことはあなたの力がなければ解決できませんでした。その功績は、きっと上層部も認めてくれるはずです。それに、あの男が消えた以上、魔界は大混乱に陥るでしょう。その余波が人間界に及ばないとは限りません。だから、私たちに協力してください。私からも上に掛け合ってみます。だから、お願いします、ダイモーン」
「……」
「ダイモーン…」
「ダイモーンじゃない」
「えっ?」
「俺の名前は大門武彦だ。綾、戻っておまえのボスに伝えろ。俺は天界に協力する気はないってな。もちろん、天界とケンカをする気はないし、魔界の奴らが襲ってきたら追い払う。だが、俺は誰ともつるむ気はない。俺は、自分の力で幸たちを守る。今度こそ、俺自身の力でな」



* * *




 翌日 大門の寝室

「と、昨日俺はああ言ったはずだが、なんでおまえがここにいるんだ?」

 俺の前で正座して頭を下げているのは、メイド服を着た銀髪の天使。

「天界は、あなたを敵とは見なさないと決定しました。やはり、今回の事件でのあなたの功績を認めてくれたんです。ただ、放っておくわけにもいかないので、監視役を近くにおいておくことになりました」
 堅い表情で俺を見上げ、事務的に述べる綾。
「で、それがおまえってわけか」
「はい。それに」
 そこまで言って、綾は下を向く。
「それに?」
「私はこの家のメイドですから!」
 再び俺の方を見上げ、綾は表情を緩めて微笑む。
「いや、それはもういいって言っただろうが」
「私のいるべき場所に戻れと大門様は昨日仰りましたよね?私のいるべき場所は、ここ以外にないんです」
「いや、だからそれはっ、て、おい!何してんだ!?」

 綾は、こっちににじり寄ると、ベルトを外して俺のズボンをずらしはじめる。
「私の主人でいる資格がないと、大門様が思うのは大門様の勝手です。でも、大門様がどう思おうと、私は大門様の下僕ですから!」
 そう言うと、綾は俺のモノをつかんで俺を見上げる。
「ね、いいですよね?お願いします、大門様」
「まったく、天使のくせに。地獄に堕ちるぞ、おまえ」
「たとえどこであっても、大門様の行くところに私はついて行きますから。ん、はむ、んっ、んっ、ちゅるるっ」
 ニヤッ、と淫蕩な笑みを浮かべると、綾は俺のモノにしゃぶりついてくる。
「ちゅ、じゅるっ、ちゅるるっ、んちゅ」
 俺のモノの先をしゃぶりながら、添えた手の親指と人差し指で輪を作って竿の部分を扱いていく綾。
「綾、いつの間にそんなこと覚えたんだ?おまえ、本当に天使かよ」
「くちゅっ、じゅっ、んっ、あふ。ふあ、そんなこと、言わないでくださいぃ」
 俺のモノからいったん口を離し、綾は、俺の方を見上げて抗議してくる。しかし、欲情に瞳を潤ませて、上目遣いで俺の方を見上げる様は、どう見ても男を誘っているようにしか見えない。
「ちゅ、あふ、はふ、あ、大門様の、また大きくなって。感じてくださっているんですね。んふ、ちゅるっ、ん、ん、んふ」
 ふたたび俺のモノにしゃぶりつくと、綾は奥まで咥え込んで、唇をすぼめて口全体で俺のモノを扱きあげる。鼻で息継ぎをするたびに、熱い息が俺にかかってくる。
 本当に、いつの間にこんなテクを身につけたのか、まるでアソコでやっているように気持ちいい。
 きっと、こんなにフェラの巧い天使は他にいないだろう。
「ん、んふ、ん、ん、ふ、んっ、んんっ、んちゅっ、んむむっ、んんんんんんっ!」
 射精の瞬間に、綾の口が吸いつくようにして俺のモノを奥深く飲み込み、俺の精液を受けとめる。
「ちゅる、ふあ、ん、ほあ、ほんなに、いっはい。ん、こく」
 口を開けて、中に溜めていた精液を見せるようにしてから、綾はそれを飲み込む。
「んふう、おいしい」
 蕩けた表情で大きく息をつくと、綾は、口の端についた精液を舌でペロリとすくう。

「ん、ああ、大門様のおちんちん、まだこんなに大きい」
 綾は、愛おしそうに俺のモノを指でさすると、立ち上がって服を脱ぎ始める。
「大門様、どうか、私に……」
 裸になると、綾はベッドに座ったままの俺に跨ってくる。
「綾、おまえ、幸たちの命に別状がないからって、あいつらが寝てる間に俺を独占する気じゃないのか?」
「私がそんなことするはずないじゃないですか」
 そう言いながらも、綾の目は淫靡に微笑んでいる。
「確信犯だろ、おまえ」
「奥様たちなら大丈夫ですよ。明後日までには必ず目を覚まされます。冴子さんも、天界から持ってきた傷薬で先程治療しておきましたから、程なく目を覚ますはずです。おそらく、後遺症も残らないでしょう」
「そうか。……なあ、綾、ひとつ訊いてもいいか?」
「なんですか、大門様」
「あの時、倭文の奴が、自分を消すと幸たちの心が俺から離れていくと言っていただろ」
「いやだ、そんなこと、本当に気にしていたんですか?」
「しかしだな」
「大丈夫ですよ。最初のきっかけはあの男の道具によるものだったとしても、奥様たちには、今まで大門様と過ごした時間があります。その間に深められた絆があるんです。だから大丈夫ですよ」
「そ、そうか」
「ええ、大門様は最高のご主人様です。大門様と一緒に過ごした時間が一番短い私が言うんですから間違いないですよ。ね、だから、大門様のおちんちん、私の中に挿れさせてください」
「おまえ、「だから」の使い方間違ってないか」
「そんなこと言っちゃ嫌です。ねえ、お願いします、大門さまぁ」
 だだっ子のようにイヤイヤと首を振って、甘えるようにせがんでくる綾。
 だから、そういうのをどこで覚えてきたんだ、おまえは。

「ね、大門様の、こんなに大きいんですよ」
 俺の首に手をかけて、綾が顔を近づけてくる。俺の目の前にアップになった綾の瞳は、潤んでふるふると揺れていた。
 俺に跨っている綾のアソコが俺のももに当たっているあたりから、クチュ、と湿った音が聞こえてくる。まあ、こんなにいやらしい体になっちまったら天界にいるわけにはいかんだろうな。
「しかたのないやつだな、いいだろう」
「ありがとうございます!大門様!」
 俺の許しを得ると、綾は満面の笑みを浮かべて俺のモノを握り、アソコに宛って腰を沈めてくる。
「ん、はんんんんっ!」
 すっかり湿った綾のアソコが淫靡な音を立てて俺のモノを呑み込んでいき、綾の体が大きく仰け反る。
「ああっ、すごいっ!大門様のおちんちん、私の奥まで入ってっ、すごく気持ちっ、イイですっ!ああっ、大門さまぁ!」
 反らせていた上体を戻して、今度はしがみつくようにして俺に抱きついて腰を動かし始める、淫乱で少し跳ねっ返りの天使。

 いや、こいつも堕天使のクチだな。

「んんっ、こうするとっ、奥の方までっ!ああんっ!」
 横の動きを加えて、俺のモノを奥までねじ込むようにして喘ぐ綾。
 その時だ。

「あっ、綾さんったら何してるんですか!」
 見れば、梨央が俺の部屋のドアを開けて仁王立ちしている。
「もうっ、奥様たちが寝込んでいるこんな時に!」
「はんっ、んっ、だ、大丈夫よ、梨央ちゃん。奥様たちはもうすぐ目を覚まされるから。あんっ、はあっ」
「そういう問題じゃないんですっ!」
「あっ、そうかぁっ、梨央ちゃんも一緒にえっちしたいのねっ、あうっ、んんっ」
「もう、綾さんったら!私の方がここでは先輩なんですからねっ!」
 顔を真っ赤にしてムキになる梨央。その姿に俺は思わず噴き出してしまう。
「梨央、だからおまえはガキなんだよ。ほら、加わりたいんなら拗ねてないでこっちに来たらどうだ」
「で、でもっ、ご主人様」
「一緒にやりたいのかやりたくないのかどっちなんだ、梨央」
「ううう、したいですぅ」
「じゃあ、さっさと服脱いでこっちに来い」
「さあっ、こっちにいらっしゃい、梨央ちゃんっ」
「もうっ、綾さんったら」
 まだブツブツ言いながらも、梨央は服を脱ぎ始める。

「んんっ、大門様!?きゃんっ!」
 俺は、いったん綾の体を抱き上げるようにして、綾を上に乗せたまま仰向けの姿勢でベッドに横になる。
「ほら、こっちだ、梨央」
 梨央を、綾と差し向かいになるように俺の上に跨らせる。
「こう、ですか、ご主人様?ああっ!ひゃん!」
 梨央のアソコに指を突っ込むと、叫び声とともに梨央の体が跳ねる。なんだかんだ言っていたが、梨央の中はもうドロドロだ。
「なんだ、おまえ、もうこんなにグチャグチャに濡らしてるじゃないか」
「やっ、それはっ、あのっ」
「まったく、素直じゃないやつだな」
「ひゃあっ、ごっ、ご主人さまぁ!」
 俺が、突っ込んだ指でアソコの中をかき回すと、梨央は身をよじって喘ぐ。
「んんっ、あふっ、ちゅ、ん、梨央ちゃんのおっぱい、大きくて、柔らかくて、気持ちいい」
「やっ、綾さんったらダメですっ!梨央のおっぱいは、ご主人様のモノなんですぅ!」
「んふ、そんなこと言わないで、梨央ちゃん。私、梨央ちゃんのこと大好きなんだから」
「わ、私も綾さんのこと好きですけどぉ。きゃっ、ご主人さまぁっ!ひゃうんっ、あああっ」
「あっ、大門さまっ!そんなに強くっ、突かれたらっ!んんんっ、激しいっ!」
 俺は、梨央のアソコの中をグチャグチャにかき混ぜ、下から綾のを突き上げる。
 すると、ふたりとも嬌声をあげて体を跳ねさせはじめ、梨央のあそこから噴き出すようにドロッとした汁が俺の上にこぼれてくる。
「ひゃあっ、ご主人さまっ!きゃうんっ!あっ、ああっ、綾さんっ、今そんなに強くおっぱい握ったら感じちゃいますぅ!」
「あんっ、はんっ、ああっ、だって、梨央ちゃんっ、大門さまのがっ、すごくてっ!」

 思えば、これだけ純粋に楽しんでやれるのはずいぶんと久しぶりな気がする。
 俺は、心おきなくこいつらとのエッチが楽しめる幸せをかみしめていた。
 うん、幸たちの目が覚めたら、あいつらとも。

「あっ、綾さんっ、次は、梨央がご主人様に挿れてもらう番ですからねっ!」
「もっ、もちろんよ梨央ちゃんっ。大門様に出してもらったら交替してあげるっ!はあんっ!」

 今度こそ、俺の力でこいつらを、この幸せを守ってみせる。
 綾と梨央の声が響く中、俺はそう決意を新たにしたのだった。

 
 


 

 

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