堕楽の家


 

 

第1話 美奈


「これは、本当……なわけ、ないよなぁ」

 俺は、パソコンの画面とにらめっこしながら呟いていた。
 深夜、エロサイトや裏物のDVDなんかを売っているサイトをぼんやりとみて回っていたときのことだ。

 ”これひとつで、好きなあの子はきみの思いのまま!!!”

 とかいう謳い文句が目に飛び込んできた。
 その下に、『世界初の完全な人間操作装置!』とも書いてある。

 思わず、そのページに視線が釘付けになった。
 どうやら、その装置の効果範囲内にいる人間を、言葉や思考で操ることができる機械らしい。

 で、その値段が1万290円。

 それが、さっきの呟きにつながったわけだ。

「こんなの、絶対にバッタもんに決まってるよな」

 サイトの文言を読みながら、俺はひとりごちる。
 だいたい、もし本当なら、世界で初めての、人を完全に操れる装置がそんなに安いわけがない。
 だから、これはきっと偽物だと思う。

 ああもう、よくあるんだよな、こんなあり得ないもんをネット通販で売りつけるのが。

 そう思って、他のページに行こうとする。
 しかし、俺はパソコンの画面から目を離すことができなかった。
 絶対に嘘のはずなのに、どうも気になってしょうがない。もしかしたら、と思ってしまう。

 しかも、そのサイトにある、聞いたことのない名前の研究所に、まず料金と送料を先に送り、それと引き替えに商品を発送する、とか書いてある。
 こんなのは、金をだまし取る時の常套手段だ。
 サイトを見た馬鹿が金を送る、で、その後何もないか、ちゃちなまがい物が送られてくる。
 後から騒いでも、その連絡先にはもう何もないし、サイトすら閉鎖されているとかに決まっている。

 そのはずなのに……。

 どうしても、その装置のことが気になって仕方がない。
 1万290円……。
 出せない額ではないが、高校生の身にはかなり大きな出費だ。
 しかも、だまし取られる確率がかなり高いというのに。

 パソコンの前で、俺は1時間近く唸っていた。
 そして、なけなしの貯金をはたいてその研究所に送る決心をした。





 そして、2週間後、それは届けられた。

「ちょっと、シンゴー、あんたに荷物が届いてるよー!」

 おふくろに呼ばれて、二階の自分の部屋から、その荷物を取りに下まで降りる。
 言い忘れていたが、俺の名前は飯田進吾(いいだ しんご)。近所の高校の2年生だ。

「進吾、これ、いったいなんなんだい?」

 おふくろに渡されたのは、何も書いてない無地のダンボール箱だ。
 荷物の送り主の欄に書いてある名前には全く覚えがない。

「うん、ちょっとね。引っ越しした友だちが、貸してた物を返したいって言ってたから」

 適当にごまかして自分の部屋に戻る。
 外側のダンボールを開けると、中から、一回り小さな箱と、お買いあげありがとうございますという、例の研究所からの言葉の書かれた紙切れが1枚出てきた。
 ざっと目を通すと、物が物なので、伝票の送り主の欄には、全くでたらめの連絡先を書いている、とかいうことが書いてある。
 用心深いと言えばそれらしく聞こえるが、だますための言い訳のようにも思える。

 しかし、この際そんなことはどうでもいい。
 俺は、ダンボールに入っていた箱を開ける。
 すると、中から出てきたのは、電源プラグの付いた、丸いドームのようなものだった。
 その形は、どう見ても液体蚊取りの本体にしか見えない。液体ボトルの取り付け口がないだけだ。
 それに、横にいくつかボタンやつまみが付いているのが違いといえる。

 箱の中には、一緒に簡単なマニュアルも入っていた。
 それによると、これは、起動させて、使用者の声紋と脳波を装置にすると、装置を中心に半径15mの範囲内にいる人間を、言葉での命令や頭の中での考えの通りに操ることができるという物らしい。
 それが本当なら、それはすごいことだと思うのだが、問題はそこだ。

 俺は、プラグをコンセントに挿し込むと、装置のスイッチを入れる。
 そして、マニュアルに従ってボタンを押し、登録モードにすると、まず自分の声を登録する。
 次は、脳波の登録だ。これには少し時間がかかった。
 装置に向けて意識を集中させながらつまみをゆっくりと回していく。
 チューニングするようにしばらく回していると、装置の上側で光っていたランプの色が赤から緑に変わったので、そこでボタンを押す。
 これで声紋と脳波の登録は終了だ。後は装置を操作モードにする。

 これで今、この装置から半径15mの空間の中の人間は、俺の思いのままにできるはずだ。

 半径15mというと、俺ん家がすっぽり入って、いくらか隣にはみ出るくらいだな……。

 目算でだいたいの距離を測りながら考える。
 少なくとも、この家の中の人間は俺の言ったとおりに行動してしまうことになる。
 とはいえ、言葉や考えで人を操れるといっても、どういう風に、どういうことまでさせることができるのかはわからない。
 そこのところは、マニュアルにも書いてない。

 ま、自分でやってみるしかないな。

 とりあえず、実験してみることにして、俺は下の階に降りていく。
 今、この家には俺とおふくろしかいない。
 俺は、居間でテレビを見ていたおふくろに声をかける。

「ちょっと、母さん」
「ん、何?」
「……あ、あのさ、お小遣いくれよ、1万円でいいからさ」

 おそるおそる俺はそう切り出す。
 つうか、1万円でいいからもへったくれもない。
 本来なら、おふくろがそんなことを聞くわけがなかった。
 中学から高校に上がるときに、月々の小遣いの額を千円上乗せするのでさえ、血の滲むような交渉の末にようやく勝ち取ったんだ。
 そんなおふくろが、ポンと1万円出すはずがない。

 まあ、もし本当に1万円くれたら、あの装置を買った金もチャラになるんだけど。

「あ?ああ、仕方がないね。ほら」

 が、予想に反しておふくろは財布から1万円を取り出すと、俺に向かって差し出した。

「え?ええっ?」

 驚いて、思わず1万円札とおふくろの顔を交互に見比べる俺。

「なんだい。あんたがくれって言ったんじゃないか」
「あ、ああ。そうだね」

 不思議そうに首を傾げているおふくろの手から1万円札をつかみ取ると、ポケットにしまい込む。

「まったく、無駄遣いするんじゃないよ」

 ぶつぶつ言いながらも、おふくろはまたテレビの方に顔を向ける。

 文句は言っているが、おふくろは俺の言ったとおりに1万円をくれた。
 本当ならそんなことはするはずがないあのおふくろが、だ。
 あまりにすんなりといってまだ実感は湧かないが、あの装置の効果と考えなければ説明がつかない。

 じゃあ、こんなのはどうだ?

「母さん、俺、今日の晩ご飯は餃子がいいな」

 いや、これは別に冗談じゃない。
 何気ないことのように思えて、餃子は飯田家ではタブーになっている食べ物なんだ。
 まあ、単におふくろがニンニクとニラが大嫌いだから、というだけなんだが。
 ともかく、餃子が食いたいという言葉を、おふくろが、うんと言うわけがないのは事実だ。

「餃子かい?しょうがないねぇ……」

 一瞬顔をしかめたものの、おふくろは立ち上がると台所の方に向かう。
 いつもなら、「餃子なんて名前も聞きたくないよっ!」と、ものすごい剣幕になるおふくろが、渋々といった様子ながら、餃子を用意しようとしているのだ。

「ちょっと、餃子なんて作れるの?母さん?」

 もちろん俺は、おふくろが餃子を作っているところなんか見たことがない。

「あ?ああ、そうだね。仕方ない。ちょっと買いに行ってくるよ」

 おふくろはめんどくさそうに財布を取り出すと、またもや文句を言いながら出ていこうとする。

「えええっ?買いに行くの?」
「ああ。鍵は掛けないからちょっと留守番しといてよ」

 いや、俺が心配してるのはそこじゃない。
 買い物に行くってことは、あの装置の有効範囲から出ていくってことだ。
 もしかしたら、装置の効果が切れてなにか変だということに気づかれるかもしれない。
 そうなれば、餃子はともかく、さっきの1万円のことはやばい。
 下手をすると、間違いなく血の雨が降る。

「買いに行かなきゃいけないんだったら、無理しなくても……」
「ああ、すぐそこまで行ってくるだけだから」

 俺の言い方が中途半端だったのか、おふくろはそのまま家を出ていく。

「ちょっと!おふ……くろ……」

 慌てて追いかけると、おふくろはもう隣の家の先まで行っていた。
 明らかに装置から15mは離れているのに、特に変わった様子はない。
 びくびくしながら見ていると、何事もないようにその先を曲がっていった。



 結局、不安は俺の思い過ごしだったらしい。



 その晩、我が家の食卓に初めて餃子が上った。

「ん?こりゃあ……」

 テーブルの上のその物体を、不思議そうに見つめているおやじ。
 そりゃそうだろう。うちの晩飯に餃子が出るなんて、事件もいいところだ。

「おい、これはなんだ?」
「何って、餃子じゃないの」
「いや、そんなことは見ればわかる。おまえ、たしか……」

 そう言って、おやじはおふくろの顔をまじまじと見る。

 まずい、さすがにこのままだとおやじに怪しまれる。なんとかしないと。

「なに言ってんだよ、父さん。餃子は母さんの大好物じゃないか」

 とっさに、おやじに向かってそう言うのと同時に、頭の中でも無我夢中で念じた。

「ね、母さんは餃子が大好きだもんね」

 そして、続けて今度はおふくろに向かって同じことをする。
 
 すると、おやじとおふくろがぼんやりとした表情になった。
 口をぽかんと開けて、遠くを見るような目をしているもんだから、何が起きているのかと俺は少し不安になる。

 だが、それも少しの間だった。

「あ、ああ、そうだったよな」

 おやじが、今思い出したみたいに呟く。

「そうよ、父さん。私、餃子が大好物じゃないの」

 おふくろは、そう言ってうまそうに餃子をパクついている。
 ふたりとも、何事もなかったかのような様子だ。

 ……すげえ、あの装置、こんなこともできるんだ。

 俺は、ようやくあの装置のすごさに気づかされる思いだった。
 おやじとおふくろの記憶や、好みまで変えてしまうことができるなんて。
 ちゃんと使えるようになれば、完全に人を操れるという謳い文句も決して嘘ではないように思える。

 これは、どんなことまでできるのかもっと調べてみないと。
 今は無我夢中で念じたけど、念じる強さや言い方の強さで効き方が違うのかな?

 俺は、あの装置の効果がどんなことにまで及ぶのかもっと実験してみることにした。





 晩飯の後、俺は居間でAVを観ていた。
 そのすぐ横でおやじは新聞を読み、おふくろは台所で後片付けをしている。

 なんのことはない。
 俺のすることは全く気にならない。ふたりに向かってそう強く念じただけだ。
 それだけで、おやじもおふくろも、本当に俺のすることに関心がないかのように振る舞っている。
 両親のいる前で堂々とAVを観ているっていうのもなんだか変な感じだ。

 それにしても、よくもまあこんなに大きな音でエロDVDが流れてる前で普通に新聞が読めるよな。

 テレビの画面では、ロングヘアのOL風の美人が、スーツを着たまま男の上に跨り、髪を振り乱して騎乗位で喘いでいた。
 それには目もくれず、おやじはじっくりと新聞に目を通している。

「あんた、はい、お茶」
「うむ……」

 おふくろが、湯飲みを置くと、おやじは新聞の方を見たまま湯飲みを手に取り、ひとくち啜る。
 目の前で繰り広げられている光景のシュールさに、AVの内容にちっとも集中できない。

 しかし、本当にすごいな、あの装置。

 おやじとおふくろの様子を窺いながら、俺はつくづくあの装置の威力に感心する。
 これはつまり、装置の有効範囲内では、俺は王様にもなれるし、空気にもなれるってことだ。
 この中では、誰もが俺の言うとおりに動くし、誰にも気づかれることなく、なんでもできる。

 俺は、自分の部屋に戻ると、改めて装置をまじまじと眺める。
 この装置でこれから何をするか想像しただけで、今夜は興奮で眠れそうになかった。





* * *






 翌朝。

 思った通り、昨日はベッドの中でもいろんな妄想が膨らんでよく眠れなかった。
 いや、眠気をまったく感じないくらい興奮していた。
 学校に行く道々も、あの装置を使って何をするか考えながら歩いていた。

 でも、まずは、誰にどういうことをするかだな。

 あれを使えば、誰でも俺の思いのままだ。
 問題は、あの装置を使う相手を誰にするか。
 せっかくなんだから、美人を相手にしたいってもんだ。

 そんなことをぼんやり考えながら歩いていた時。

「あっ!おはよう、進吾お兄ちゃん!」

 後から、パタパタと駆け足で近づきながら挨拶してくるその声を聞けば、その相手はすぐにわかる。
 近所に住んでいる明野美奈(あけの みな)だ。
 振り向けば、ほんのりと淡い色の髪をツインテールに結んだ、幼げに見える丸顔の美奈がこっちに走ってきていた。

「おう、おはよう、美奈」

 駆け寄ってきた美奈に、俺も挨拶を返す。

 そして、美奈がいるってことは……。

「よ、おはよう、沙奈」

 美奈の後からゆっくりと歩いてくる髪の短い女に声をかける。
 それは、姉の沙奈(さな)。
 沙奈と俺とは同級生で、今も同じクラスだ。
 ぱっちりとした大きな目は美奈とそっくりだけど、ふっくらとして愛嬌のある美奈とは違い、ほっそりとした顔立ちで、美奈が可愛らしいといった感じなら、身長もある沙奈は溌剌とした健康的な美人と言ったらいいだろうか。
 実際、沙奈はスポーツ万能で成績も良く、学校では人気者になっている。女子バスケ部とバレー部を掛け持ちしているのも、なんでも両方のキャプテンに土下座されたからと言う噂だ。それも、180cm近い身長と運動神経の良い沙奈ならありそうな話だ。

 しかし、沙奈は俺に挨拶を返すことも目を合わせることなく、すっと目の前を通り過ぎていく。

 別に、俺が沙奈とケンカしているわけじゃない。いつものことだ。
 それに、これは沙奈だけのことじゃなかった。
 俺は、同じ学年の女子からは無視され、クラスの男子からはパシリ扱いされていた。

 それも、中学に上がって間もない頃からずっとだ。
 きっかけは、クラス対抗の球技大会で俺がお荷物だったとか、そんなことだった。
 たしかに俺は鈍くさくて運動神経の欠片もない。サッカーをやらせても、ソフトボールでも、足手まといになりこそすれ戦力にはならない。

 それに、俺は人と話をするのが苦手で、人付き合いもうまくない。
 お世辞にも、明るくて社交性がある性格とはいえない。
 それが、とろいとか鈍くさいとか言われているうちに、ますます頑なになってしまった。
 気がつけば、学年中の女子からは馬鹿にされ、まともに話してももらえない、男子にはさんざんからかわれた末に、今ではクラスの主だった奴らのパシリにされている、そんな状況になっていた。
 いわば、学年の中で最下層に属していると言っていい。

 でも、沙奈だけは違う、はずだったんだ。
 沙奈と、ふたつ年下の美奈の明野家の姉妹とは、家が近いこともあって小学校の頃は一緒によく遊んでいた。
 このふたりだけは、俺が普通に話ができる女子だった。
 なのに、みんなに無視されるようになった頃から、沙奈も俺のことを無視するようになった。
 どうせ、他のみんなに同調したとか、そんなところだろう。
 周りに馬鹿にされても何も言い返せない俺に呆れたのかもしれない。
 小学生の間はそれ程でもなくても、中学に上がると、人のいいところ悪いところを意識するようになるし。学校の中での自分の立場とか順列かいうものを気にするようになる。
 どうみても、俺は学校で人の上に立てるような人間じゃない。そんなことは自分でもわかっている。
 どのみち、スポーツ万能で活発な沙奈と、運動神経がなく、話し下手でどちらかというと暗い俺では立場も性格も違いすぎた。

 だから、今、自分が置かれている状況も当たり前だし、もっとあからさまにいじめられないだけましだと自分に言い聞かせて、納得させようとしてきたんだ。
 それでも、沙奈に無視されるようになったときはやっぱりショックだった。
 それまでは、普通に遊んでいたし、挨拶もしていたというのに。俺は、何も悪いことはしていないというのに。
 あの日のことを俺は忘れることはできない。
 朝、いつものように挨拶をした俺の前を、沙奈が初めてさっきのように完全にスルーしていった日のことを。
 他の奴だったらそんなに気にもならなかったかもしれない。
 しかし、小学生の頃はいつも俺と遊んでいて、あの頃からとろくさかった俺を何かとフォローしてくれていた沙奈の態度が変わったことが悔しくて、裏切られた思いだった。
 あの日は、家に帰ってからさんざん泣いたっけ。

 それから、俺は生きるのに投げやりになり、学校でも最下層の立場に甘んじる日々が続いた。

 そして、その状況は今でも一切変わっていない。
 無邪気で人懐っこい性格の美奈は、今でも俺に会うと必ず挨拶してくれる。
 しかし、沙奈は……。

「何してるの美奈。遅刻しちゃうよ」

 もう、だいぶ先に行った沙奈が、美奈に声をかける。
 まるで、俺のことなど存在していないかのような扱いだ。

「うん。じゃあ、またね、進吾お兄ちゃん」

 俺に向かって小さく手を振ると、美奈は小走りで沙奈を追いかけていく。
 昨日までの俺は、そんな沙奈と美奈の後ろ姿をただ見送ることしかできなかった。

 しかし、今の俺は違う。俺には、あの装置があるんだ。
 あれを使えば、今までさんざん俺を馬鹿にして、無視してきた女子どもに復讐することができる。
 夜、ベッドの中で俺はあの装置を使ってクラスの女子に何をするか想像していた。
 その中にはもちろん沙奈も入っている。
 いや、沙奈こそが真っ先に復讐を受けるのにふさわしいんじゃないか?

 俺のだいぶ前を歩く沙奈の後ろ姿を眺めながら、俺は沙奈への復讐の計画を考えていた。





* * *






 昼休み。

「シンゴ、俺、ツナサンドな」
「俺はカレーパンと玉子サンド」
「今日はおにぎりにしとこうかな。ツナマヨと鮭」

 いつものように、パシらされる。
 まあ、ほとんどの奴は弁当だから、人数自体はそんなに大したもんじゃない。

「飲み物忘れんじゃねえぞ!」

 と言う声を背中に聞きながら、俺は教室を出ていく。

 あいつらにパシらされるのなんて、毎日恒例のことだ。
 俺だってすき好んでやってるわけじゃない。毎日パシらされるのが苦痛じゃないといえば嘘になる。
 でも、自分にはどうすることもできない。今の環境から這い上がる力なんか俺にはない。
 今までそう思ってきた。
 男子には毎日パシらされ、からかわれて、女子からは見下したように徹底的に無視されても、それで俺の居場所ができるなら少しくらい辛くても我慢するしかない。
 そうやって自分をごまかしてきた。

 でも、今日はそれがまったく苦にならない。

 今の俺には、あの装置がある。その気になれば、あいつらだって俺の言いなりだ。
 午前の授業中、そのことばかり考えていた。

 クラスの女子が俺の言いなりになっているところを想像しながら、ぼんやりと教室を見回していく。
 そして、気が付けば、いつも自然と沙奈の方に視線が向いていた。
 午前中は、そんなことの繰り返しだった。 

 よし、じゃあ具体的にどうするか、午後の授業の間に計画を立てないとな。

 俺は、手の中の小銭を握りしめると、売店に向かって駆けていった。





* * *






 放課後。

 俺は、うなだれたまま家への道を歩いていた。
 とぼとぼと歩く、その足取りも重い。

 学校の奴らを思い通りにするなんて絶対に無理だ。

 それが、午後の授業の間ずっと考えて出た結論だった。
 だいたい、学校の奴らをどうやってあの装置の有効範囲内に入れるんだ?
 あの装置はプラグを挿し込むコンセントがないといけないから、屋外で使うのは無理だ。
 あれを学校に持っていって教室のコンセントを使うという手もある。
 しかし、半径15mだと、せいぜいうちのクラスと、両隣の半分が入るくらいだろう。
 それだと、変なことをしたらすぐに気づかれるに決まってる。
 かといって、学校中の全員をあれの有効範囲に入れるなんてことは不可能だし、数人ずつやっていてもすぐに気づかれる可能性の方が高い。
 誰にも邪魔されずに学校中の人間を支配するなんて不可能じゃないか。

 じゃあ、いったいどうしたらいいのか?

 俺の家の中に相手を連れ込むということも考えた。
 今のところ、あそこは俺のテリトリーだ、俺が何をしても、おふくろが気にしないようにはできる。
 とりあえず家の中に連れ込んでしまえば、相手は俺の思うままのはずだ。
 でも、クラス中の女子から無視されている俺が、どうやって自分の家の中に相手を連れ込めばいいっていうんだ?
 家どころか、声をかけても相手にされないに決まっている。

 くそ、このままじゃ俺はおやじとおふくろを操るためだけに1万290円はたいたのかよ。

 いや、金のことはどうでもいい。
 それならおふくろから小遣いをもらって元は取れている。
 せっかくこんなすごい装置を手に入れたのに、使う相手が自分の両親だけだなんて情けなさ過ぎる。

 そんなことを考えながら歩いていた時。

「あ、いま学校の帰りなの?進吾お兄ちゃん!」

 手を振りながら、美奈が駆け寄ってきた。

「おう」
「お姉ちゃんは?」
「ああ、あいつなら部活じゃね?あいつ、バスケとバレーかけ持ちしてるみたいだしな」
「あ、そうかぁ」

 追いついてくると、美奈は俺と並んで歩きはじめた。
 こいつだけは、今でも小さい頃と同じように俺と接してくれる。

「ねえ、進吾お兄ちゃんは部活やらないの?」
「バカ言え。俺が運動苦手なの知ってるだろうが」
「えー、でも、得意苦手と好き嫌いは違うと思うんだけどな」
「そう言う美奈は部活入ってないのかよ」
「えへへ、ホントは私も運動苦手なんだ」
「へええ?沙奈はスポーツ万能なのにか?」
「……お姉ちゃんはお姉ちゃんだよ」

 ん?なんか今、微妙な間がなかったか?

「それに私、お姉ちゃんみたいに背も高くないし、体育祭でもみんなに迷惑かけてばっかりだもん」
「そうか、俺と一緒だな」
「うんっ、一緒だね!」

 どうして運動が苦手で、みんなに迷惑かけてるってのにそんなに嬉しそうなんだよ。

 並んで歩きながら、美奈が俺の方を見上げて、へへっと笑みを見せる。
 俺と比べるとだいぶ身長差があるので、肩を並べて、という感じでもない。
 すらりとして背の高い沙奈とは違って、背が低くて童顔の美奈は、歳もふたつしか違わないはずなのにだいぶ年下に見える。

 そんなこんなで、他愛のない話をしているうちに俺の家が見えてきた。
 美奈たちの家は、そこからひとつ先の角を曲がったところだ。

 その時、ふいに思った。
 俺の部屋は、二階の路地に面した側だ。
 ひょっとしたら、家の前の道路はあの装置の有効範囲に入ってるんじゃないだろうか。

 これは、チャンスかもしれない。

 美奈の無邪気な笑顔を見ていると、少しだけ後ろめたさを感じる。
 しかし、あれの効果を女の子相手に試してみたい衝動を抑えきれない。

(俺の家に来るんだ)

 家のすぐ前まで来たとき、俺は、怪しまれないように、そっと念じてみる。
 俺が、玄関の方に曲がると、美奈もそのままついて来た。

「どうしたんだ、美奈?」
「あ、れ?なんでだろう、私?」

 俺は、わざと訊いてみる。
 美奈は、自分でもわからないといった表情だ。

「まあ、家に寄ってけよ。久しぶりだろ、うちに来んの」
「うん……」

 促してやると、美奈は素直に頷いて俺のすぐ後から中に入ってくる。

「ただいま」
「おかえり……あら?美奈ちゃん?ずいぶんと久しぶりね」
「はいっ。学校の帰りに進吾お兄ちゃんとそこで会ったんで」
「まあ、あがって行きなさい。お茶でも淹れてあげるから」
「いえっ、大丈夫です」
「そうそう、俺と美奈のことは全然気にしなくていいから」
「ああ、そうかい……」

 おふくろは、急に興味をなくしたみたいに奥へと引っ込む。

 もちろん、俺が心の中で強く念じていたことは言うまでもない。
 これで、家の中では俺たちはいないも同然だ。
 俺と美奈が何をしても、おふくろが気にすることはない。

「上がれよ、美奈。俺の部屋に行こう」
「うん」

 俺が声をかけると、美奈は靴を脱いできれいに揃えた。
 そして、おとなしく俺の後について階段を上がってくる。

「ん?どうした?」

 俺の部屋に入ると、美奈は不思議そうな顔をして立ちつくしている。

「うん、私、どうしてお兄ちゃんの家に来ようと思ったんだろう」

 そう言って首を傾げる美奈。

 少しずつわかってきたけど、どうやらこの装置の効果は、言葉や念じ方の強さで相手を縛る度合いが違ってくるみたいだ。
 軽い口調で言うと、今の美奈のように自分の行動の説明がつかないままに行動したり、昨日のおふくろみたいに、気持ちのわだかまりが残るみたいだ。
 強く念じたり命令したりすると、そんなのを通り越して動いてしまうというか、昨日のおやじやおふくろみたいに記憶や好み、意識そのものまで操れるような気がする。

 ま、まだはっきり確かめたわけじゃないんだけど。

 それよりも、今は美奈だ。

「いいじゃないか。小学校の頃は沙奈とふたりでよく来てたんだし」
「うん。それもそうだよね」
「じゃあ、久しぶりにおまえの成長を確かめてやるから、ちょと胸見せろよ」

 まずは軽く言ってみる。

「なに言ってるの、お兄ちゃん!え?ええっ?!」

 俺の言葉に驚く美奈。
 しかし、その腕は自然と動いて服の裾を持ち上げはじめる。

「勝手に腕がっ!?ど、どうなってるの、お兄ちゃん!?」

 美奈が、驚きと恐怖の入り交じった顔をこっちに向けてくる。 
 自分の腕が、意志とは関係なく動いているらしい。
 それでも、もう制服は胸元まで持ち上げられて、淡いピンクのブラジャーに包まれた胸が顔を出していた。

 へええ、これは……。

 戸惑いに涙目になりながらさらけ出された美奈の胸。
 間違いなく、俺が初めて見る女の子の胸。
 しかし、それはブラに収まったままでも想像以上にボリュームがあった。

 見た目の幼さとはえらい違いだ。
 下手をすると、うちのクラスに連れていってもかなり上位にはいるかもしれない。
 とても年下とは思えないくらいじゃないか。

「どういうことなの、お兄ちゃん?はずかしいよ、私」

 制服をたくし上げたまま、顔を真っ赤にして戸惑っている美奈。

「だって、久しぶりなんだから、俺におまえの成長具合を見てもらわないといけないだろ?」
「う、うう。でも、やっぱりはずかしいよぉ」

 涙で潤んだ目で美奈は俺を見つめてくる。

 なるほど、このくらいの言い方ならこんな感じか。
 俺は、美奈の反応を見ながら、自分の言い方の効果を確かめてみる。

「ほら、それじゃまだわからないだろ。ブラもどけろよ」
「ええっ?そんなのっ!いやあああぁ!?」

 嫌がる言葉とは反対に、美奈の片手がブラジャーをずらし、ぷるん、とたわわなふくらみが露わになる。

「い、いやあぁ。はずかしいよう、お兄ちゃん」

 顔を真っ赤に染め、目には涙をいっぱいに溜めて、それでも制服を持ち上げたままの美奈。
 思わず、俺の手が美奈の方に伸びる。

「ええっ?なにするのっ?」
「ほら、逃げるなよ」

 後ずさって逃げようとした美奈の足が俺の言葉でピタリと止まる。

「いやっ、やめてよ、お兄ちゃん!やあああっ!」

 手で触れると、柔らかくてふにっとした感触が伝わってきた。

「ふむ、なるほど……女の子のおっぱいってこんなに柔らかいのか」

 ついつい、正直な感想を口にしてしまった。

 なんだろう、この感じ?

 ふにゃふにゃと柔らかいのに、軽く力を入れると、ぷるるん、と控えめな弾力を感じる。
 こんなの、初めての感触だ。
 胸とか乳房とか、そんな言い方じゃこの感触は伝えられない。
 そうか、男は女の子のおっぱいを手で理解するんだ。
 触ってみないとこれは絶対にわからない。

「いやあっ、やめてよお兄ちゃん!」

 いやいやと首を振る美奈には構わず、その柔らかい感触を楽しむ。

「こんなのおかしいよ、やっ、もうやめてええっ!」
「なに言ってんだよ。こんなに立派なおっぱいしやがって。いつの間にこんなに大きく育ったんだよ」
「知らないようっ!いやっ、いやああっ!」
「それもこれもおまえの成長を確かめるためだろ……。うん、本当にいいおっぱいだな」
「いやっ、変だよっ、こんなの絶対におかしいよっ!もうやめてよぉっ!」

 制服の裾を持ち上げたままの美奈の目から、大粒の涙がこぼれ落ちる。
 しかし、その表情がまた刺激的で、ゾクゾクしている自分がいた。

 さっき、美奈に対して感じた後ろめたさはすっかり消え失せていた。
 むしろ、もっといじめてやりたい。
 そんな衝動が俺の中に湧きあがってきていた。

「よし、じゃあ、次はこっちの方を確かめてやる」

 俺は、しゃがみ込むと美奈のスカートを持ち上げる。

「やああっ!そこはダメっ!」

 頭の上から降りかかる声には耳を貸さず、ブラと同じ色のショーツに手をかけ、下にずりおろす。
 すると、俺の目の前に、うっすらとピンクに染まった割れ目が姿を現した。

「ふーん、女の子のここって、こんな風になってるんだな」

 美奈のそこはAVで見るような茂みは全くなくて、どうなっているのかがよくわかる。
 はずかしさからなのか、怯えているからなのか、美奈の両足が小さく震え、割れ目のあたりも時々ひくひくと震えていた。

 俺は、手を伸ばしてその割れ目に指をかける。
 すると、美奈の体がビクッと大きく震えた。

「いやっ、ダメえええっ!そこはダメだよううっ!」

 ボロボロと涙を流しながら泣き叫ぶ美奈。
 でも、両手はしっかりと制服を持ち上げた体勢のままだ。

「いやっ、いやああっ!あっ、ああああっ!」

 割れ目をかき分けて中に指先を押し込んでみたけど、押し返されるような感じでうまく入っていかない。

 おかしいな?AVだともっと指がスムーズに動いてるんだけど……。

 DVDで見た、潮吹きっていうやつ?
 あれは、もっと派手に指を動かしていて、おしっこを漏らしたみたいに女の子のあそこから水が吹き出してた。
 ああいう風にやってみたいのに、全然うまくいかない。

「いやあっ、もうやめてっ、お兄ちゃん!あうっ、いやあああっ!」

 嫌がる美奈には目もくれず、いろいろと角度を変えながら指を動かしてみる。
 そのうち、指先に少しヌメっとしたような気がした。
 それに、気のせいか割れ目が少し広がっている気がする。
 その奥が真っ赤に染まっているのが見える。

 俺は、さらに指を動かしていく。
 間違いない、指先がヌメヌメと滑ってる。

 ひょっとして、これが濡れてきてるっていうことなんだろうか。

 まだまだ頼りない湿り具合だけど、指の動きがだいぶ滑らかになってきた。
 それに任せて俺は指を動かし続ける。

「いやああっ、だめえええっ!ああっ、ひああああああっ!」

 いきなり、指がズボッと深い所に入ったような感じがして、温かいものに包まれる。
 そして、美奈の体がビクビクッと大きく痙攣した。

 これは、もしかして中に入ったってやつ?

 美奈が力んでいるせいか、指がぎゅっと締め付けられるようだ。

「いああっ、あっ、はうううっ、いやあああっ!」

 俺が、抜けないように注意しながら指を動かすと、美奈が派手に泣き叫ぶ。
 でも、なんだかさっきまでと感じが違う。
 指を出し入れする動きに合わせて、びくっ、びくっ、と体が震えている。

「いあああっ、ああっ、いやっ、だめええっ、あううっ!」
「美奈、おまえ、感じてるのか?」
「いやああっ、あうっ、あああっ!」
「感じてるんだろ?」
「いっ、ち、違うっ、いああああっ!」
「違うったって、こんなにぐっしょぐしょだぞ」
「いやああっ、わかんないよっ、そんなのっ!あうっ、ひああっ!」

 美奈は、泣きながらぶるぶると頭を横に振る。

 でも、俺の言ったことは間違いない。
 美奈のそこは、俺が指を動かすたびに奥からどんどんヌルッとした汁が溢れてきていた。
 おかげで、指の動きがどんどんスムーズになっていくような気がする。

 これは、ホントに潮吹きってやつが見れそうだな。

 俺の期待感も、次第に高まっていく。
 なにより、泣き叫び、嫌がりながらもぐっしょりとあそこを濡らしている美奈の姿に興奮してしまう。

「もっと感じてもいいんだぞ、美奈。ほら、自分で自分のおっぱいを揉めよ」
「いいいいっ!やっ、そんなのっ!あああっ!?やだっ、またっ!?いいいっ、いあああっ!」

 美奈の両手が、自分の胸をつかんだ。
 手からはみ出した部分がぷにっ、と揺れている。

 またもや自分の手が勝手に動いたことに戸惑いを見せるが、俺が手の動きを早くすると美奈の顎がガクッと跳ね上がる。
 もう、美奈のそこから溢れた汁は、ぼたぼたと床にこぼれ落ちて行くほどだった。

「ひいいいっ、あううっ、やめっ、もうやめてええっ!いあああああっ!」

 どれくらいの時間そうやってたんだろうか。

 うーん、なかなか潮って吹かないもんだな。

 美奈の両膝はがくがくと震え、床には小さな水たまりができているというのに、ちっとも潮吹きしそうにない。

「あううっ、ううっ、あああっ、あうっ、あっ、いああっ!」

 なんだか、美奈の叫ぶ声も短くなって、俺の声への反応が鈍くなってきてるような気がする。

 ……潮吹きさせるのはこれくらいで諦めるか。
 けっこう難しいもんなんだな。……ん?

 俺は、ばっくりと開いた割れ目の上の方に、ぽつっ、といぼのようなものが突き出ているのに気づいた。

 へええ。これがもしかしてクリトリスってやつ?

 なんかで読んだことがある。
 クリトリスって、男のチンポと一緒で、感じると勃起するんだって。
 確かに、美奈のそれは小さいながらもつんと突き立っていた。
 そして、クリトリスを触られると女の子はものすごく感じるらしい。

 それを確かめるんなら、今、この時だ。

 俺は、好奇心から、その突起を指でつまんでみた。

「い゛い゛っ、いぎいいいいいいいいいっ!」

 変な叫び声をあげて、いきなり美奈が両足をぎゅっと閉じる。
 俺の指を挟み込んだまま、あそこからどんどん汁が溢れてきて俺の手を伝う。
 かとおもうと、今度は足から力が抜けたみたいにその場にへたり込んだ。

「美奈?」

 まだ、自分の胸に手をかけたまま、美奈は目を開いているのに、なんだか遠くを見ているようだ。

 ひょっとして、イっちゃったのか?

「美奈、おい、美奈!」

 体を揺さぶってやると、美奈がぼんやりと俺の顔を見た。

「おまえ、イっちゃったのか?」
「あ、あああ?」

 一瞬、何がなんだかわからないといった顔をする美奈。

「おまえ、感じすぎてイっちゃったんだろ?」
「いいい、いや……ち、違う……」

 ようやく何があったのか思い出したのか、怯えた表情で美奈は首を振る。

「違うったって、気持ちよくて感じすぎて、イったんだろ、おまえ?」
「わかんない!そんなのわかんないよううううっ!」

 美奈は頭を抱えて、ぶるんぶるんと大きく横に振る。
 その姿を見ていると、もう少しいじめてやりたいと思う気持ちが湧いてくる。

「強情なやつだな、本当のことを言えよ。気持ちよかったんだろう?」
「……うん」

 この家の中じゃ、誰も俺には逆らえない。
 俺が、「本当のことを言え」と言ったら、美奈は本当のことを言うしかないんだ。

「やっぱりな。あんなにぐしょぐしょに濡らして、すごいイキっぷりだったもんな。あんなことされて気持ちいいなんて、おまえ、本当にエッチなやつだな」
「ち、違うもん!私はエッチじゃないもん!」
「でも、気持ちよかったんだろ?感じてたんだろ?」
「そ、それは、そうだけど……」
「どうせ、家でも自分でああいうことやってるんじゃないのか?」
「違うもん!私、そんなことしないもん!」

 ムキになって首を振る美奈の目から、またぼろぼろと涙がこぼれ落ちてくる。

「ううう……。なんで?なんでこんなことするの、お兄ちゃん?」

 泣きながら訴えてくる美奈。

 なんでって、そりゃ、男が女の子を思うようにできる方法を手に入れてすることは決まってる。
 たまたま、一番手近にいたのが美奈だったってだけだ。

「なんでって言われても、おまえの方からうちに来て、自分で胸を見せてきたんじゃないか」
「それはお兄ちゃんが見せろって言ったから!」
「ふーん、おまえは男が見せろって言ったらほいほい胸を見せるのか?」
「ち、違うもん!」
「本当は、こういうことがしたかったんじゃないのか?」

 俺は、美奈の両膝をつかむと、ぐっと大きく広げさせる。

「い、いや……助けて、お願い」

 美奈が完全に怯えた表情で俺を見上げてくる。
 その泣き顔に、いっそうそそられる思いだ。

「誰も助けてくれないよ。それとも、おまえの大好きなお姉ちゃんが助けに来てくれるとでも思ってんのか?」

 俺が、そう言ったときのことだった。



「お姉ちゃんなんか大嫌いだもん!」



 美奈が、吐き捨てるようにそう叫んだ。

「……なんだって?」

 その口調の激しさに、俺は一瞬呆気にとられる。

「みんなお姉ちゃんのことばっかり!小さいときからいつもそう、みんな、沙奈、沙奈って!みんなお姉ちゃんのことばっかりで、私のことは誰も見てくれない。お姉ちゃんは運動も勉強もできるのに、私には何もないから、比べてすらくれない。私がテストでちょっといい点取っても、誰も褒めてくれない。お姉ちゃんはもっと頑張ってたって、もっといい点取ってたって。私がどれだけ頑張っても、誰も褒めてくれない。なによ、お姉ちゃんなんか、お姉ちゃんなんか、大っ嫌い!」

 美奈は、そう一気にまくし立てた。

 ……そうか、さっきの「本当のことを言えよ」ってやつの効果がまだあったのか。

 だから、普段は表に出ない本当の気持ちが出てきてしまったんだ。
 それにしても、全然気が付かなかった。
 美奈の、いつも無邪気で人懐っこい笑顔の裏に、沙奈に対するこんなに激しい嫉妬が隠れていたなんて。

 初めて知った美奈の沙奈に対する気持ちには、さすがに俺も驚いた。

 ……でも、これは使えるんじゃないか?

 だが、すぐに俺の頭にある考えが浮かぶ。

「俺がおまえのことを見てるじゃないか」
「え?」
「さっきおまえは言ったよな、どうしてこんなことするんだって?それは、沙奈よりもおまえの方が可愛らしいと思ったからなんだよ」
「私の方がお姉ちゃんより可愛い?」
「ああ。俺はずっとおまえのことを見てた。おまえの方が沙奈よりも可愛いとずっと思ってた」
「……お兄ちゃん」

 ふっ、と、美奈の表情が少し緩む。
 そこにすかさず俺は言葉に力を込める。

「いいか、よく聞くんだ、美奈」

 力強くそう言うと、美奈の目がぼんやりとして、遠くを見つめるような表所になる。
 昨日、おやじやおふくろに向かって強く念じたときと同じだ。
 いや、あれよりも、今の美奈の方が、瞳がぼんやりとしているくらいだ。

「俺だけが、おまえのことをずっと見てきたんだ。俺だけが、沙奈じゃなくておまえのことを認めていた。おまえには、俺しかいないんだ」

 俺は、一言ずつ強く念じながら言葉を続けていく。
 美奈の瞳はぼんやりと霞んだままで、俺の声が届いているのかわからない。
 だいいち、まだまだあの装置を完全に使いこなせているわけじゃない。
 でも、結果はすぐに分かる。

「だから、おまえにとって俺がすべてだ。それに、俺がおまえを沙奈よりもいい女にしてやる」

 そう言ったとき、微かにだけど美奈の目が反応したような気がした。

「おまえはこれから、俺に抱かれて、女にしてもらうんだ。そうなれば、女としては沙奈よりも上になれる。俺がおまえを沙奈よりもずっといい女にしてやるよ。だから、なんの心配もいらない。俺のやることに任せておけばいい」

 そこまで言うと、俺はいったん口をつぐむ。
 とりあえずはこんなもんだろうな。
 装置の効果に間違いはないだろうし、ちゃんと伝わってなかったり、何か問題があったときにはまたやり直せばいいんだ。
 なにごとも実験実験、と。

「美奈、美奈?」
「ん、んん……」

 軽く体を揺さぶってやると、美奈は短く呻く。
 さっきまで焦点が合ってなかった視線が、ちゃんと俺の顔をとらえる。

「進吾お兄ちゃん……」
「おまえ、俺の話をちゃんと聞いていたのか?」
「うん、聞いてたよ……」

 そう、ぼそりと言うと、美奈は顔を真っ赤にする。

「私は、これからお兄ちゃんに女にしてもらうんだよね。それって、つまり、お兄ちゃんとセックスするってことだよね?」

 耳の先まで赤くして、ぼそぼそと喋る美奈の表情は、はずかしそうというよりかは、どこか嬉しそうにすら見える。
 どうやら、俺がさっき言ったことはちゃんと聞こえていたみたいだ。

「いいのか、美奈?」
「うん。だって、お兄ちゃんだけはずっと私に優しくしてくれてたし。私のこと、お姉ちゃんよりも可愛いって言ってくれたし。だから、私はお兄ちゃんとセックスしてもいいよ」
「ありがとう、美奈」

 潤んだ瞳で俺を見つめ、こくりと頷いた美奈に、俺も精一杯優しく笑いかける。
 もちろん、内心ではうまくいったことにほくそ笑んでいるんだけど。

 俺がもう一度美奈の両膝に手をかけると、美奈は緊張した顔で体を強ばらせた。
 でも、さっきみたいに泣き叫んだりはしない。

「どうしたんだ?さっきはあんなに嫌がってたのに?」
「あっ、あれはお兄ちゃんが悪いんだよ!なにも言わずにいきなりあんなことするから!」

 俺がからかうと、美奈はムキになって唇を尖らせる。
 どういう仕組みになってるのかわからないけど、俺の命令で体が勝手に動いたことへの恐怖はすっかりなくなってるようだ。

「じゃあ、今はいいんだな?」
「うん、いいよ」

 俺は、美奈の膝をぐっと広げて、割れ目に顔を近づける。
 そこは、最初にショーツをずらして見たときとは全然様子が違っていた。
 ひくひくと震えながら開いた割れ目からは、とろとろと汁が溢れてきていて、割れ目の中は真っ赤になって、気のせいか小さくひくついているような気がする。

「そんなに見たらはずかしいよぉ……ひああっ!」
「ぶっ、ぐむっ!」

 俺は、顔をさらに近づけて舌で割れ目をなぞる。
 顔を持ち上げて抗議しようとしていた美奈の体がいきなり反り返って、美奈の股間にまともに顔を埋める形になった。

 でも、潮っていうけど、そんなにしょっぱいわけじゃないんだな。

 舌先に感じたそれは、ちょっと生臭いような、しょっぱいような感じがした。
 それに、なんだろう?もわっと、蒸せるような匂い。
 汗くさいのとはまたちょっと違う匂いが漂っている気がする。

「あっ、あううんっ、あっ、ひああっ!」

 舌を伸ばして割れ目の中に入れると、美奈の体がびくっと跳ねる。
 その声も、さっきまでと感じが違う。
 声こそ大きいけど、嫌がってる感じが全然しない。

「いいいっ、ああっ、そこっ、感じちゃうっよっ、お兄ちゃん!」

 本当にさっきまでと全然違うな。
 さっきは感じたことを認めようとしなかったのに、今は自分の方から感じてるって言ってるよ……。

 装置の威力に感心しながら割れ目に舌を這わせていると、真っ赤に充血した突起がすぐ目の前にあるのに気づいた。

 さっきは、これをつまんだらイっちゃったんだよな。

 俺は、さっきよりも注意して、目の前の突起を舌先でつつく。

「あうううっ、だめっ!そこは、刺激強すぎだよううううっ!」
「うわっ!」

 また、美奈が思い切り顔を仰け反らせた。

「ううう、お願い、お兄ちゃん。私、もう我慢できないよう」

 またもや顔をまともにその股間にぶつけてしまった俺に向かって、涙目で美奈が訴えてくる。

 確かに、こうやって美奈の反応を見るのはそれはそれで面白いけど、気持ちよさそうなのは美奈ばっかりでこっちは全然気持ちよくない。
 エロDVDなんかでこういうのをよくやってるから自分でもやってみたけど、なにが楽しいんだろう?

 それに、なんだかんだ言って俺の息子はもうだいぶ前からギンギンにスタンバイ状態だ。

「あ……」

 ベルトを外してズボンをずらすのを見ていた美奈が、剥き出しになった俺の息子を見て息を呑んだ。
 俺は、それの先を美奈の割れ目に当てた。
 すると、美奈がぎゅっと固く目を閉じる。

「行くぞ、美奈」
「うん」

 美奈の裂け目、それも、さっきからどくどくと汁が溢れている方の穴に向かって、俺はガチガチに勃った息子を突き入れる。
 すると、途中でなにかに当たる鈍い感触がした。
 
 あ、これが処女膜ってやつなのかな?

 それも、何かで読んだことがある。
 でも、俺も初めてだから、そんなことをゆっくり考えてる余裕はなかった。
 そのまま、腰を押しつけるように突くと、それほど抵抗もなく奥まで入っていった。

「くううっ!痛いっ、痛いいいいいっ!」

 美奈が歯を食いしばって叫ぶものだから、一瞬、入れる穴を間違えたんじゃないかと不安になってしまう。

「だ、大丈夫か、美奈!?」
「うっ、うんっ!痛いけどっ、私、頑張るからっ!」

 そう言って、美奈が俺の体にしがみついてくる。

「んっ、くううっ、くあああっ!」

 美奈が、固く目を閉じ、歯を食いしばりながら必死に腰を擦り寄せてくる。

「んっ、くうううっ!うあっ、美奈!」
「いあああっ!いっ、痛いけどっ、お兄ちゃんが私の中に入ってるのっ、感じるよっ!いいいいいいっ!」

 俺の息子が、美奈のアソコにぎゅうぎゅうと締め付けられる。
 それだけじゃない。美奈の中は温かくて、ヌメっていて、俺のチンポにまとわりついて刺激してくる。
 いつも、自分の手でやってるのとは全然違う感触だ。

「んくううううっ!どっ、どうっ!?気持ちいい、お兄ちゃんっ!?」
「あっ、ああっ!」
「んんっ!お兄ちゃんが気持ちいいんなら、わたしっ、うっ、嬉しいよっ!くああああっ!」

 どう見ても苦しそうに唇を噛んでいる美奈。
 でも、気持ちいいのは本当だった。
 美奈のアソコの中が、ヌメヌメとまとわりついてくるこの感じ。
 こんな刺激は初めてだ。

「くっ!くううっ!美奈!」
「くあああっ!おっ、お兄ちゃん!いああああっ!」

 必死に痛みに耐えている美奈の表情を気にするどころじゃない。
 俺は、夢中になって腰を動かしていた。
 しかし、悲しいかな、初めての快感に俺の息子はすぐに限界に達してしまう。

「うっ、うああっ!美奈っ、美奈っ!」
「いあああああっ!あっ、なにっ、これっ!?あっ、ああああああああっ!」

 俺は、美奈の体を固く抱きしめて、そのままその中に射精してしまう。

「あぅ!やっ、なにか来てるよっ、お兄ちゃん!あっ、いあああああっ!」

 ぎゅっと抱いた俺の腕の中で、美奈の体がビクビクビクッと震えるのがわかる。

「あくうっ、くうううっ!あっ!はぁ、はぁ……」

 そのまま、俺も美奈もぐったりとしてしまう。

「出しちゃったんだ……」
「ああ……」
「よかった。私でもお兄ちゃんのこと気持ちよくすることができたんだね」

 少しの間を置いて、美奈が俺を見上げてくる。

「ごめんな、美奈。痛い思いさせて」
「ううん、いいの。お兄ちゃんが気持ちよかったんなら、私はそれでいいの」
「美奈……」
「私、もっとがんばるから。今日は初めてで痛かったけど、もっとお兄ちゃんのこと気持ちよくすることができるように頑張るから。だから、私をもっといい女にしてね、お兄ちゃん」

 そう言うと、美奈は俺を抱きしめてくる。
 俺も、美奈を抱き返しながら、胸の内でにやついていた。
 これで、これから美奈を思いのままにできる。
 これからのことを想像すると、思わず頬が緩んでしまう。
 その、いやらしい笑みを美奈に気づかれないようにするのに俺は必死だった。





* * *






 あの日から、俺の生活は変わった。

「ごめん、待った、お兄ちゃん!?」

 毎日、学校が終わると美奈が俺の家にやって来る。

 そして……。





「ええええっ!?こんなになるの!?」

 居間で、美奈とふたり並んでAVを見ている。
 その横で、おふくろがなんでもない顔で洗濯物を畳んでいた。
 この家の中で俺と美奈が何をしていても、おふくろが気にすることはない。

 テレビの画面では、男優の手で弄られて女の子が盛大に潮を吹いていた。

「うん。これ、本当は俺もやろうとしたんだよな、おまえに」
「ええ?私に?」
「ああ。女の子って、ああするとこうなるみたいなんだけどな」
「こんなの嘘だよ。だって、おもらししてるんじゃないの、これ?」
「それが、違うみたいなんだよなぁ」

 目を丸くして画面を見つめている美奈の隣で答える俺にもあまり自身はない。
 俺だって、こんなのはAVでしか見たことないし、実際に美奈のときには失敗してるんだし。

「ねえっ、もう一度やってみてよ、お兄ちゃん!」
「なんだって?」
「だって、あの女の人、すごい気持ちよさそうなんだもん!なんか悔しいよ!」

 ……とりあえず、この何日かでわかったことがある。
 美奈は、相手が沙奈に限らず、かなりの負けず嫌いだってことだ。
 だからこそ、沙奈相手にあれだけ嫉妬していたんだろうけど。
 つうか、AV女優相手になにを張り合おうってんだ、おまえは。

「ねっ、お兄ちゃん、ほらっ!」

 とか考えてる間に、美奈はさっさとショーツを脱いで俺に向けて大きく足を広げる。
 最初は、おふくろの前でそんなことをするのを気にしていた美奈も、今ではそんな素振りも見せない。
 ま、それは俺が「おふくろのことは気にするな」って言ったせいもあるんだろうけど。

「ほら、やってよ、お兄ちゃん。今度はちゃんとあんな風にするから」

 そう言って俺にさらけ出された割れ目のあたりは、早くも少し充血してピクピクと痙攣し、とろりと汁が滴り落ちてきていた。

 こいつ、DVD見てるだけで感じてやがったな。

 俺も、この何日か美奈といやらしいことをあれこれしていたおかげで、女の子のことが少しはわかったような気がする。
 体のどこが感じやすいのか、まあでもそれは実際に触ってみないとよくわからないことではある。
 それと、女の子の体は、雰囲気とか気分に簡単に反応してしまうってことも。
 こうやってAVを見た後に、美奈がぐしょぐしょに濡らしていたことが何度かあった。
 まあ、あの後から、いっつも美奈はショーツを濡らしてうちに来てるんだけど。

「さあ、早くぅ……」
「しかたないな、もう」

 俺は、せがまれるままに、割れ目の中に指を伸ばす。

「あっ、んんっ!」

 美奈が、軽く目を閉じて体を震わせる。
 十分に湿っているせいか、最初の時よりもずっとスムーズに指が中に入っていく。
 それに、あの時は、俺も女の子のここがどうなってるのかよくわからなくて、おっかなびっくりだったけど、今ではどこをどう弄れば美奈が感じるのかわかる。

「ああっ、ふあああああっ!」

 手を動かし始めると、すぐにクチュクチュと湿った音がして、美奈が甘ったるい声をあげる。

 ここまではできるんだけどなぁ。

「あうんっ、あぅ!あっ、あああっ!」

 顎を反らせて美奈が喘ぐ。
 早くも俺の手までぐっしょりと濡れるくらいに溢れてきていた。

 でも、難しいのはこれからなんだよな。
 確か、こんな感じだっけか?

 俺は、AVで見た手の角度と動きを思い出しながら、次第に動きを早くしていく。

「ひあああああああっ!」

 いきなり、美奈の声が甲高くなった。

「いいいいっ、はっ、激しいよ、お兄ちゃん!あうっ、うああああっ!」

 腰が浮くくらいに体を反らせて叫ぶ美奈。
 俺の手が出入りしてるその割れ目からは、クチュクチュクチュっという音が響き、ぼたぼたと溢れた汁が床に落ちている。

「ああああああっ!あっ、いああああああっ!あ、ああーっ!」

 大きく喘いでいる美奈の体がビクンと跳ねて、割れ目からプシュ、となにか吹き出した気がした。

 お?これは!

 ひょっとして、行けるんじゃないかと思った次の瞬間。

「い、い、いっ、いああああああああああああああああっ!」

 美奈の割れ目から、大量に汁が噴き出してきた。

「うああっ、あああああああああああっ!」

 泣きそうな顔をしながら、美奈は本当にDVDで見たように盛大に潮吹きをしていた。

 ふうん、思ったよりもサラッとしてるんだな。

 派手にイキまくっている美奈をよそに、妙に冷静に感心している俺。

「あああっ……。ふあああああぁ」 

 俺が指を引き抜くと、美奈はそのままぐったりとなる。

「大丈夫か、美奈?」
「うん。なんか、気持ちいいのがずっと続きっぱなしで、すごかったよ」

 心配して声をかけると、美奈は持久走の後のように激しく息をしながら、それでも涙目で笑みを見せる。

「本当だったんだな」
「うん……」
「なあ、これって、やっぱりお漏らししてるんじゃないのか?」
「ええっ、違うよぉ。絶対にお漏らしじゃないもん」
「ふうん」
「でも、本当に気持ちよかったよ、お兄ちゃん」

 そう言って起きあがると、美奈は俺に体を擦り寄せてきた。

「じゃあ、今度は一緒に気持ちよくなろうよ!」
「ちょ、ちょい待て、美奈!」

 ベルトに手をかけてきた美奈に俺は待ったをかける。

「え、なに?」
「とりあえず、俺の部屋に行こう、な?」

 そう言うと、俺は立ち上がって階段の方に向かう。

 あんなことをしといてなんだけど、やっぱりおふくろの前でセックスするのは気が進まない。
 いくら、俺たちが何をしても空気のようなもんだっていってもだ。
 だいいち、やってる最中におふくろが視界に入ってきたらムードもへったくれもないし、まったくそそるシチュエーションじゃない。

「ああっ、待ってよっ、お兄ちゃん!」

 美奈が慌てて立ち上がると、俺についてくる。





 ――俺の部屋。

「ねえ、どうしたの、お兄ちゃん?」

 中に入るなり、美奈が不思議そうに聞いてくる。

「まあな。こっちの方が落ち着くだろ?」
「そうかな?」
「それに、ここだとベッドがあるし」
「あっ、それもそうだね」

 それで納得してくれたのか、美奈はしゃがみ込んで俺のズボンを脱がしにかかる。

「じゃ、いっぱい気持ちよくなろ、お兄ちゃん!」

 パンツもずらして、もうだいぶ元気になっている俺の息子をかるく握る美奈。
 そして、満面の笑みで俺を見上げてきた。

 
 


 

 

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