お洗濯しましょ!

洗濯糊 後編


 

 



「沙紀、ほら、お茶でも飲んで」
「なんやねん。ゴマ摺ってもサービスせえへんで。次からはきっちり金取るさかいにな」
「わかったわかった。まあ、これでも飲んで落ち着いて」
「しゃあないな。もろうとくわ」
 俺から受け取ったコップを傾け、沙紀はコクッと分離剤入りのお茶を飲む。



 いつも通り、布状の心が体から分離した沙紀を前に、俺はしばし途方に暮れる。
 そりゃ、人によって、そして使う分量によって効果が違うっていうのは聞いてたけどよ。
 あまりにわけわからなくねえか、ジジィ。
 俺は、心の中でジジィに悪態をつく。
 



 実験その4 柔軟剤 3杯

 ああ、めんどくさい。堅い方はあきらめて、今度は一気に柔らかくしてみるか。
 俺は、柔軟剤をキャップで3杯分洗濯機にぶち込んで、布状沙紀を洗濯機にかける。

 優紀がキャップ1杯でああなったのを考えると、ちょっとやり過ぎたかな?
 まあでも実験だし。変なことになったら元に戻せばいいか。
 て、ちゃんと元に戻せるんだろうか?

 あ、一抹の不安が。

 そんなことを考えてるうちに洗濯と乾燥が終わったので、俺は布状沙紀を体に戻す。 



「ん、あ、私?」
 体を起こし、寝ぼけたように目をこすっている沙紀。
「おい、沙紀?」
 声をかけると、沙紀が俺の方を向く。
「あ、兼一様」
「け、兼一さまぁ!?」
「はい、兼一様です」
 そう言って、にっこりと微笑む沙紀。
 なんか、いつもの妖艶な笑みではなく、澄み切ってどこか清々しい笑顔だ。
「ええっと、どうしたの、沙紀?」
 われながら随分と間の抜けた質問だよな。あんだけ大量に柔軟剤使っておいて。
「ようやくわかったんです。私は兼一様にお仕えするためにここにいるんだって」
 んーと、それって、今までの記憶とちゃんと合ってるのかな。
「じゃ、じゃあ、今まではどうだったんだ?」
 俺の問いに、沙紀は頬を染めてうつむく。
「え、あの、それは、大変失礼なことをしたと思います。でも、兼一様と一緒に過ごしてみてやっとわかったんです。兼一様にお仕えして喜んでいただくために私は生まれてきたんだって」
 うーん、そうきたか。でも、なんなんだ、この違和感は?
 いや、確かに今日やった中では一番予想できる結果にはなってるんだけど。

「えーと、沙紀」
 俺は、沙紀の方に手を伸ばそうとして、思わず途中で引っ込める。
 別に沙紀が裸だからじゃない。そんなのはもう見慣れている。
 ただ、何というか、どう扱っていいのかよくわからない。

「えっ、あのっ、よろしいんですよ、兼一様」
 そう、顔を赤らめたままで沙紀は言う。
「この体で、兼一様に喜んでもらうのが私の役目ですから」
 上目遣いに俺の方を見つめてくる沙紀。
 しかし、そそられるというよりかは、戸惑いの方が大きい。
 なんでだろう、よく考えたら、こういう風にしたかったんじゃなかったのか、俺は。それなのに、なんでこんなに違和感があるんだろう。

「ま、まあ、とりあえず服を着たらどうだ、沙紀」
 時計を見ると、もう夕方近く、そろそろ優紀が帰ってくる時間だ。
「え、あ、はい、わかりました」
 赤い顔で、しかし、どこか残念そうな表情を見せる沙紀。

「あ、あの、兼一様。この服はちょっと」
 沙紀が拾い上げたのは、今朝、沙紀が着ていたTシャツとジーパンだ。
「え、それはおまえが朝着てたやつだろ」
「そ、それはそうなんですが、やっぱり、兼一様にお仕えするのならそれなりの制服というものが…」
「まあ、いいからとりあえずそれを着ておけって。そろそろ優紀が帰って来るぞ」
「は、はい」
 少し戸惑いながらTシャツを着てジーパンを穿く沙紀。
「これでよろしいですか?」
「あ、ああ、なあ、沙紀?」
「何でしょうか、兼一様?」
「あ、いや、何でもない」

 そのまま、お互いに黙り込む。そうやって、戸惑い混じりの沈黙の時間が流れ。

 部屋のベルが鳴った。

「ケンイチ!沙紀!ただいま〜!」
「おう、おかえり、優紀」
「お帰りなさいませ、お姉様」
「お、お姉様?」
「はい、お姉様」
「どしたの、沙紀?」
 出迎えた沙紀の様子に、首を傾げる優紀。そりゃ、ふつうおかしいと思うよなぁ。
「あっ、いや、そうっ!罰ゲームなんだ、これは!俺が沙紀と勝負してな、俺が勝ったら沙紀がメイド役をやるっていう」
「えっ、そんな、兼一様!」
「け、兼一さまぁ!?」
「な、ほら、完璧に演じてるだろ、メイド役!」
「完璧ねぇ。Tシャツにジーパン姿で?メイド役ならもっとそれっぽい服があるでしょうが」
「そうですよねっ、お姉様!」
「いや、あのっ、それはっ。あっ、そうだ!俺もう腹がペコペコなんだよ!」
「ああっ、申し訳ありません!すぐに晩ご飯の支度に取りかかります!」
「うーん、まあいいか、じゃ、私も手伝うよ沙紀」
 沙紀に続いて、荷物を置いた優紀もキッチンに立つ。

 ふう〜、こ、こんなんでうまくごまかせたのか?
 俺の心臓はまだバクバク鳴っていた。






 その夜。

「やっ、そんなっ、兼一様!お姉様までっ」
 俺に抱えられて、優紀と俺に挟まれる体勢で喘ぎ声を上げている沙紀。
 背後から優紀の手が沙紀の胸を這い、舌を伸ばして首筋をチロチロと舐める。
「あああっ、けっ、兼一様!そこはっ、そこはお許し下さい!」
 俺が沙紀のアソコに指を突っ込むと、甲高い声をあげて沙紀の体がビクンと跳ねあがる。
「ふうん、ケンイチも沙紀もこういうプレイが好みだったの?」
 こういうプレイって。まあ、優紀からしたらそうだろうなぁ。
 今の沙紀は、優紀から見たら、メイドの役を演じてるだけなわけなんだから。
「んんんっ、プ、プレイだなんてそんなっ、お姉様!ああああっ!」
「はいはい、沙紀は可愛いメイドちゃんだったわね。ふふっ、こんなに乳首を固くしちゃって」
「あっ、やぁっ、お姉さまぁ!」
 優紀に乳首をつままれた沙紀が大きく喘ぐ。
「んんっ、はぁはぁ、兼一様。こんな事、自分から言うのははしたないのですが、私、もう我慢できません。あの、兼一様の、お、おちんちんを私にっ、挿れて下さい」
 肩で大きく息をしながら、潤んだ瞳をこっちに向けてくる沙紀。

 つうか、ホントに沙紀かよ、これ。

「ほらほら、可愛いメイドちゃんがああいってるじゃないの」
 くそう、優紀の奴、面白がってやがるな。
「さ、早く挿れてやりなよ、ケンイチ」
「お願いします、兼一様」

 何か調子狂うんだよな。
 なんだかんだ言っても、今まで受け身が多かったしな。主導権を握ってる沙紀の隙をついてこそ燃えるものがあったんだよな。

 などと考え込んでいると、突然相棒をむんずと掴まれた。
「ぎゃ!」
「なにしてんのよ、ケンイチ?こんなに大きくしてるんだから早く沙紀にしてあげなさいよ」
 沙紀の脇から手を回して俺の相棒を掴み、沙紀の肩越しに怪訝そうに俺の顔を覗き込んでいる。

 うう、ここにもう一匹モンスターがいたんだった。

「もう、沙紀も、メイド役だからっていっても、もっと積極的にいってもいいんじゃない?」
「そ、そんな。でも、お姉様」
「なんだったら私が手伝ってあげるから!」
「きゃっ、お、お姉様!」
 優紀が、俺のチンポを掴んだまま、体を押しつけるようにして沙紀のアソコに宛う。
 つうか、やけに今日の優紀は沙紀にさせたがってるな。どういう風の吹き回しだ?

「ほーら、行くよ!」
「きゃああっ!ああああっ!」
「くうっ、こらっ、優紀!」
 完全に優紀に仕切られて、なし崩し的に絡みが始まってしまう。

「あああんっ、すっ、すごいです、兼一様!くはああっ!」
 いつになく派手に喘いでいる沙紀。なんだ?柔軟剤を大量に使うとそういうところも弱くなるのか?
「うふふ、気持ちよさそうね沙紀」
「んっ、はいいいっ、兼一様のが大きくてっ、ああああっ!」
「じゃ、私も昨日のリベンジといきましょうか」
「んくっ、あっ、そんなっ、お姉様!」
 背後から体を密着させて、沙紀を愛撫し始める優紀。

 リベンジって、目的はそこかよ。

「あふうんっ、きゃあっ、お姉様!んくうっ、ああっ、兼一様っ、そんな深くっ!んんんっ!」
 そんなことを言いながら、より深く入るように自分で腰を動かしているのは沙紀の方だ。
 しかし、この調子だと、さすがの沙紀も優紀にリベンジを果たされてしまうんじゃないか。
「あっ、きゃ、あんっ、あんっ、はあっ!」
「ん、イイのね、沙紀。んむ、くちゅ」
 体を密着させ、沙紀の耳たぶを後ろから甘噛みする優紀。
「きゃあっ、お姉様!あああああーっ!」
 沙紀の体が大きく跳ねたかと思うと、首を反らせてイってしまう。 
「ふふ、イっちゃったの?でも、昨日私は何度イカされたかしらね。んふ、ぺろ」
 そう言うと優紀は、今度は沙紀の首筋に舌を伸ばしてペロッと舐め上げる。
「あぅぅっ、やあああああああっ!」
「ホント、可愛いんだから。じゃあ、次はここなんかどうかしら?」
 昨日のお返しとばかりに、優紀の手が俺と沙紀が繋がっている部分に伸びる。
「んんんっ、んふううううっ!おっ、お姉様っ、そこはっ!はぁはぁ、あんっ、あっ、あああっ!」
「すごいわ、沙紀ったら、こんなにドロドロじゃない」
「やっ、ああああああっ!」
 優紀の凄まじい猛攻が続き、沙紀は首を大きく振りながらイキ続ける。
「そろそろいいかしら、ね、ケンイチ」
「あうっ!ああっ、けっ、兼一様あああああああっ!」
俺の体をきつく抱きしめて奥深くで精液を受けとめる沙紀。真っ赤な顔で、ぎゅっと閉じた目の端に涙の粒が光っている。
「んくうっ、はあっ、あっ」
 俺のチンポから、射精の続く間、体を何度も震わせて喘ぎながら、沙紀は精液を搾り取り続けた。

「ん、はあああぁ、はぁはぁ、兼一さまぁ」
 ようやく優紀が体をどけて、俺が体を抱いていた腕を離すと、沙紀はぐったりとベッドの上に倒れて、肩で大きく息をしている。



「うふふ、兼一様ねぇ。沙紀ったらとっても気持ちよさそうじゃない。じゃあ、私も」
 私もって、おまえも、兼一様、とか言うつもりなのか、優紀?

「沙紀、まさかあなたがこの程度で果てたわけじゃないわよね?」
「はぁはぁ、はい、お姉様」
「じゃあ、私のことも気持ちよくしてちょうだい、沙紀」

 て、そっちかい!

「はい、お姉様」
 足を広げて誘う優紀の方に、這うようにして近寄ると、沙紀は優紀のアソコに顔を埋める。
「ん、んふ、ぴちゃ、ちゅる」
「ひゃあっ、そこっ、すごいわっ、沙紀!」
 沙紀が顔をつけているあたりから湿った音が聞こえたかと思うと、優紀が首を反り返らせる。

 それにしても、沙紀の奴、やけに素直に優紀の言うことを聞くじゃないか。ああ、そうか。沙紀の心には俺の名前と一緒に優紀の名前も赤ペンで書いてあるからなんだな。

「んちゅ、じゅる、くちゅ」
「やあっ、すごすぎるわっ、ああっ、きゃっ!」
 後ろ手に体を支えていた腕が滑ったのか、優紀の体が倒れて仰向けの姿勢になる。
 なんか、このシチュエーションを一番楽しんでるのは優紀のような気がするんだが。
「んっ、ふうっ、ちゅるるる」
「あああっ、さっ、沙紀ったらっ!くあああっ!」
 優紀の体が倒れたことなど気にする素振りもなく、優紀のアソコをしゃぶり続ける沙紀。いやらしい湿った音が、一際大きくなると、優紀の喘ぐ声も大きくなっていく。
「んっ、んっ、ちゅっ、くちゅ」
「いやああああっ!舌をそんなに中に入れたらっ、ああっ、ああああああああっ!」
 優紀が頭で体を支えるようにして体を持ち上げたかと思うと、ビクビクッっと、数回からだを震わせて、どさっとベッドの上に優紀の体が落ちる。

 やっぱり沙紀は沙紀だ。クンニだけで優紀をイカせやがった。
 死せる孔明、生ける仲達を走らす。じゃない、メイドの沙紀、素の優紀をイカせる、てか。
 この状態の沙紀にやられてるようじゃ、優紀には勝ち目がないだろうなぁ。

「んん、はあっ、はあっ。え?あっ、やっ、ちょっと!沙紀!?」
「ちゅ、ぺろ。ん、お姉様、もっと気持ちよくなっていただきます」
 沙紀が、優紀の体に乗っかる格好で胸の方に向かって舌を這わせていく。
「あっ、ああっ、沙紀!んっ、あふっ、んんむ!」
 沙紀の舌が優紀の口に差し込まれ、濃密なキスを交わす姉妹。その間も、沙紀の手は優紀の乳首を弄り続けている。
「んんっ!ぐむむむむむっ!」
 不意に、優紀の体が大きく跳ね上がる。と、よく見たら、沙紀がもう片方の手の指を優紀のアソコの中に突っ込んでいる。
「んんーっ!んっ、ふんっ、むむむーっ!」
 沙紀の指が大きく動き、また、時には小刻みに出し入れさせるたびに優紀の体がビクンと跳ねる。

 なるほど、アソコを手で愛撫するときはああいう風に動かせばいいのか。うーん、意外と勉強になるなぁ。

「んっ、んっ、んっ、ぐぐっ!んむむむむむむーっ!」
 優紀の体がまた反り上がったかと思うと、アソコから、ブシュッ、と汁を吹き出す。
 おおっ、これが話に聞いていた潮吹きというやつか!

「ん、んん、はぁはぁ」
「さあ、準備が整いました、兼一様。では、どうぞお姉様の中に」
 そう言って俺の方に振り向き、妖しい微笑みを浮かべる沙紀。
 いや、準備が整ったって、おまえ、優紀を2回もイカせちゃってるじゃん!

「さあ、どうぞ、兼一様」
 沙紀が俺の手を引っ張って優紀の方に来させる。
 しかたないな、こうなったらもうやっちまうしかないか。
「んん、はあぁ。え?沙紀?ケンイチ?あっ、ああああああああっ!」
「どうですか、お姉様。気持ちいいでしょう?」

 いやいやいやっ!今、優紀の奴、挿れただけでイっちゃいましたよ!?沙紀、おまえ何をやったんですか!?

「くううううううっ!あっ、ああっ、けっ、ケンイチいいいいぃっ!」
「どうです、兼一様、お姉様。私のご奉仕は?」
 俺に突かれるたびにイっているかのような優紀。そんな俺たちを見ながらにこやかに微笑む沙紀。

 こっ、こんなの沙紀じゃない!
 いや、このいやらしさはどう見ても沙紀だけど。つうか、やっとわかった。性格をどう変えても、沙紀のエロさは変わらないんだっ。

「さあ、兼一様。もっと激しく」
「あっ、ひああああっ!あ゛っ、あ゛っ、あ゛っ、あ゙あ゙あ゛ーっ!」
 何度も体を跳ねさせ、俺が腰を動かすたびにイってしまう優紀。

 はあ、こうなったら、とりあえず行くとまで行くしかないな。

「あ゛あ゛っ、んはぁっ!んくうううううっ!」
 俺が腰を突く激しさに、優紀の体がガクガクと大きく揺れる。
「ああああっ!ケンイチのがっ、また大きくなってビクビクとおおおおおっ!」
「ああ、出そうなのですね、兼一様」
 体を揺らせながら喘ぐ優紀と、妖しげに目を輝かせる沙紀の表情に、俺の相棒が弾ける。
「ひあっ、ああああああああっ!」
 優紀の体が一際大きく跳ねたかと思うと、その体勢で硬直する。
「ああああああああっ!ああ、あ、あぁ」
 やがて、体から力が抜けると、そのままぐったりと動かなくなる優紀。



 沙紀と優紀の夜のバトルは、今夜も沙紀の圧勝だった。




* * *




 翌朝。

「おはようございます、兼一様」
 俺が起きると、ピンクのワンピースにエプロンをつけた沙紀が朝食の準備をしていた。
 ……ピンクのワンピース。そんな服持ってたんだ、こいつ。
「おはよう、ケンイチ。ねえ、沙紀のこの罰ゲームって、いつまで続けるの?」
 俺より早く席に座っている優紀が、味噌汁を啜りながら暢気そうに訊いてくる。
「いや、まあ、もう少し」
「ふーん」
 つうか、本気で罰ゲームだって思ってるんだな、優紀の奴。
「さあ、席について下さい、兼一様」
「あ、うん」
 なーんか、調子狂うんだよなぁ。



「ごちそうさま。じゃ、沙紀、ケンイチ、仕事行ってくるね」
「それでは、いってらっしゃいませ。お姉様」
「あんたも頑張るわねぇ、沙紀」
「兼一様とお姉様のお世話をするのが私の役目ですから」
「はいはい、じゃ、いってきます」

 深々と頭を下げて優紀を見送る沙紀。
 なんつうか、そんな沙紀を見ているだけで尻の据わりが悪いような感じがする。

「それでは、兼一様」
 沙紀が、椅子に座っている俺の前にしゃがみ込んで、ズボンをずらそうとする。
「ん、おい?何やってんだ、沙紀!?」
「え、あの、朝のご奉仕がまだでしたので」
 そう言うと、沙紀は俺の相棒を掴み出す。
「ご奉仕って、そんなのいいから!」
「いいえ、これは必ずしないといけない決まりなんですから」

 いつ誰がそんなこと決めたぁ!
 つうか、ピンクのワンピース姿で、潤んだ瞳でそうやって上目遣いにこっちを見るんじゃない!凶悪すぎるぞ、その姿は。

「それでは、始めさせていただきますね。ん、あむ」
 俺の返事も聞かずに、チンポをくわえ込む沙紀。
 夜は夜で搾り取っておいて、朝は朝でさらに絞ろうとするのな
 俺の相棒はそこまで無尽蔵じゃないんだけど。

「んふ、ちゅ、くちゅ、あふ」
 うう、悔しいけどやっぱり気持ちいい。
 心地いい刺激に、俺の相棒がどんどん元気になっていく。
「ん、ちゅる、んふ、もう、ほんなにおおひふなっへまふ。あむ、ちゅ」

 うん、気持ちいい。気持ちいいんだけど、何でだろう、この違和感は。

「あふ、ふ、ん、ん、ん、じゅるる、ん、ふ、ふ、ふん」
 前後に首を振りながら俺のチンポを口で扱いていく沙紀。

 いや、こんなの違うだろ、なあ、沙紀。
 やっとわかった。沙紀はやっぱり沙紀らしくないといけないんだ。

「んっ、んっ、んっ、んんんっ!ぐむっ、んんんんん!」
 それにしても、まじめに考えながら、出すものはしっかり出してる俺って。
 だって、やっぱり気持ちいいんだもん。

「ん、こく。はぁ、あ、お掃除させていただきますね。あむ、ぺろ」
 俺の精液を飲み込むと、丁寧に俺のチンポを舌で舐めている沙紀。
 確かに、従順だし可愛らしいけど、俺の心はもう決まっている。

「ん、はい、朝のご奉仕終了です、兼一様。あ、兼一様?」
 立ち上がってキッチンに向かう俺を、怪訝そうに眺める沙紀をしり目に、俺はコップにお茶を注ぎ、分離剤を入れる。

「ほら、お茶だ、沙紀」
「え、そんな、もったいない。さっき兼一様のをいただいたばかりなのに」

 なにがもったいないだ!

「いいから飲め。俺の命令が聞けないのか?」
「いえ、それではいただきます」
 沙紀は、俺の手からコップを受け取り、口をつける。



 すると、倒れた沙紀の体から、布状の心が浮かび上がってくる。
 その布状沙紀を、俺は洗濯機にかける。



 今さらながらわかった気がする。こんなのは沙紀じゃない。

 やっぱり、俺はバカなのかもしれない。
 従順なエロメイドなんて、男のロマンのはずなのに、それよりも、エロはエロでも、口は悪いし、主導権はあっち持ちだし、俺のことをバカでスケベでサイテーな男だと思ってる方がいいなんて。
 けど、沙紀は沙紀らしくなくちゃいけないんだ。
 だから、断固として俺は沙紀を元に戻す。

 これくらいかな?
 すすぎの終わった洗濯機に、洗濯糊をキャップに1杯入れて脱水にかける。
 そして、乾燥が終わった布状沙紀を体に戻す。すると、布状沙紀が体の中にスッと消えていく。



「あ、ケンイチくん」
 目をこすりながら俺を見上げている沙紀。
 ケンイチくんか。まだ、洗濯糊が足りなかったかな。
「どうしたの、ケンイチくん?なんだかコワイ顔してるよ」
 頬に指を添えて、沙紀は小首を傾げる。
 その仕草がなにげに可愛らしく見えるが、そんなことよりも、今はただ元の沙紀に戻って欲しい。
「いや、なんでもない。沙紀、ほら、これ飲めよ」
「うん、ありがとう、ケンイチくん」
 沙紀は、無邪気な笑みを浮かべて俺の差し出したお茶を飲む。



 落ち着け。落ち着いてじっくり考えるんだ、俺。

 またまた、布状沙紀を前にして、俺は考え込む。
 最初、優紀を柔らかくするときに、沙紀にもキャップに5分の1ほど柔軟剤を使ったよな。
 で、昨日、まず洗濯糊をキャップで2杯、それで男役沙紀になった。
 次に、柔軟剤をキャップ半杯でド○ンジョ様。さらにキャップ半杯で関西人。
 最後に、一気にキャップ3杯柔軟剤を使ったらエロメイドになって、その後キャップ1杯の洗濯糊で今の状態だ。

 よーく考えろ。
 つまり、あれだ。計算してみると、−0.2+2−0.5−0.5−3+1だな。
 イコールは、−1.2か。
 もし、洗濯糊と柔軟剤が完全に反対の効果なら、洗濯糊をキャップに1杯と5分の1で元の沙紀に戻るはずだ。

 俺は、布状沙紀を洗濯機にかけて、脱水の前に洗濯糊をキャップに1杯と5分の1入れる。
 そして、脱水の終わった布状沙紀を乾燥にかける。

 これで、元に戻らなかったらどうしよう。
 ジジィの所に持ち込んだらなんとかしてくれるんだろうか。

 そんなことを考えているうちに乾燥が終わり、俺は、祈るような思いで布状沙紀を体に戻す。



 少し待っていると、沙紀の目が開く。
「ん、あれ、ケンちゃん?やだ、私、また寝てたんだ」
 うん、ケンちゃんだ!イントネーションも関西弁じゃない!
「沙紀!おまえ沙紀だよな!」
「ど、どしたの、ケンちゃん!?」
 俺が沙紀の肩を掴むと、沙紀が驚いたような表情をみせる。
「うんうん、なんか久しぶりだな、沙紀!」
「ケンちゃんたら、なにバカなこと言ってるの?私たちずっと一緒にいたじゃない」
 なっ、そうか、その記憶はあるのな。
「まあ、ケンちゃんがバカなのは今に始まった事じゃないけどね」
 うんうん、この感じ、間違いなく元通りの沙紀だ。
 こんなにきちんと元に戻せるなんて、俺って意外と頭良くね?

「あ、テーブルの上、朝ご飯の時のままだわ。すぐに片付けますから少し待っていて下さいね、兼一様」
 沙紀が、そう言って俺に向かって頭を下げる。

 一瞬、自分の表情が凍りついたのを俺は感じた。

「え?沙紀?」
「なーんてね!まあ、ああいうゲームもたまにはいいけどね!」
 沙紀の表情が一気に緩み、満面の笑みを浮かべる。
 こいつの記憶の中でもゲームで片付けられているのか。
 つうか、ホントに一瞬心臓が止まったかと思ったじゃないか!
「おおお、おまえなぁ!そういうタチの悪い冗談はやめろって!」
「何怒ってるの?ケンちゃんがやらせたくせに」

 いや、違う、断じてそれは違う。

「うふふふ〜!それにしても、ケンちゃんああいうのが趣味だったの?やっぱり、ケンちゃんったらスケベでサイテーなんだから!」
「違う!あれは俺の趣味じゃなくてだな!」
「やだもう、そんなにムキになるとまるわかりだよ〜」
「だから、ホントにあれはっ!」
「もうー、わかったって、ケンちゃんがやりたかったら、またいつでもやってあげるから。ね、兼一様〜」
「だからやめろって!」
「ふふふふっ!きゃ、もう、ケンちゃんったら!」
 俺は、笑いこけている沙紀の腕を掴んで抱き寄せる。

「沙紀、おっ、俺はそんな沙紀のことが好きだからな!」
「ぷっ、ぷふっ、顔真っ赤にして何言ってるの?ダメダメ、ケンちゃんにはそういうの似合わないって」

 ……沙紀が元に戻って嬉しいけど、これはこれでしんどいよな、やっぱり。



* * *




 で、その晩も。

「あっ、んっ、けっ、ケンちゃん!」
 結局3人でエッチすることになるのな。
「ねえっ、沙紀!もうメイド役はやめたの?」
「うんっ、もう終わり。ああっ!まあっ、たまにはいいけどっ、いつもはねっ。んんっ!」
「ふうんっ、そう、なのっ」
 なんか、今、一瞬残念そうな表情を見せなかったか、優紀。
「そっ、そうだっ今度は優紀ねぇがやりなよっ、メイド役!あああっ、ケンちゃん!そっ、そこっ!」
「いやっ、私はいいからっ!」

 まったく、エッチしながら何の話してるんだか。
 まあ、これからずっとこういう生活が続くんだよなぁ。
 よし、決めた。今度ジジィの所行って、精力絶倫になる物もらうことにしよう。でないと、こいつら相手に俺が保たない。



「んんんっ!くああああああっ!」
「うふふ、イったのね沙紀。今夜こそ私が勝たせてもらうわよ」
「ん、はぁっ、はぁっ!そう簡単にはいかないんだからね、優紀ねぇ」
 だから、何の勝負だっての。



 結局、その夜も沙紀の圧勝に終わったのは言うまでもない。



* * *




 翌朝。

「ん?」
 俺の目が覚めたときには、ベッドの中に優紀の姿はなかった。時計を見ると、もう午前10時過ぎだ。そら、仕事に行ってるわな。
 でも、俺の体に、沙紀の体が触れているのを感じる。

 珍しいな、こいつがこんな時間まで寝てるなんて。

「おーい、沙紀、もう10時過ぎてるぞ、そろそろ起きろー」
 俺が沙紀の体を揺すると、眠たそうに沙紀の瞼が開く。
「ん、うん。あっ!」
 目をこすっていた沙紀が、突然大きな声をあげて俺の方を見る。
 その顔は真っ赤になっていて、パッチリと大きく開いた瞳がフルフルと潤んで揺れている。

「ん、どうしたんだ、沙紀?」
「あ、うん、兼一クン…」

 つぶらな瞳でこっちを見ながら、沙紀がそう俺のことを呼んだ。

 
 


 

 

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