教室の恋人


 

 



「さって・・・帰るか・・・・」

 男子生徒は一伸びして、そう呟いた。
 読んでいた本をぱたりと閉じて鞄へとしまう。そして、前髪を軽くかき上げると日差しの強い屋上を後にした。
 校舎は静かで、先程まで満ちていたテスト後独特の喧噪は生徒達と共に下校していったようだ。
 男子生徒は静寂に満ちた階段をステップを踏むようにテンポよく下りていく。そして、三階へと辿り着いた時、男子生徒は一人の女性に目を奪われた。
 すらりとした女性。清潔な白いノースリーブのタートルネックにさわやかな空色のロングスカート。肩にトートバックを提げ、腰まで伸びたストレートの黒髪がその肌の白さに浮かび上がり、鮮やかに映えている。
 外部の人だろうか? 私服を許可していないこの学校でその姿は異質な物だった。
 遠く、ちょうど反対側の音楽室の前にその女性は立っていた。音楽準備室から音楽教諭、月野 硯(つきの すずり)が現れて、二人で男子生徒が居るのとは違う階段へと消えていく。
 男子生徒は思わずその後を追っていた。
 二人は階段を下りると渡り廊下を歩いていき、一つの教室へと入っていく。その教室。自分が毎日通っているところだというのを確認すると、男子生徒はくるりと向きを変え、放送室へと走った。







 女性は光の差し込んでいる教室を見回す。誰もいない教室の中を嬉しそうに歩くと、クスリと笑い、懐かしそうに机を触る。

「懐かしい?」

 その背中に声がかかる。その声は優しく、柔らかい響きがあった。

「ええ」

 女性はくるりと振り向き、硯へと優しく微笑む。そんな女性を硯はにこやかに見る。

「戻りたくなった?」

 にやりと笑い、硯は問う。その問いに女性はただ微笑んだ。

「それもよさそうですね」

 その答えが教室に吸い込まれる。普段は教室に満ちている喧噪も今はもうない。

「あの頃は・・・・」

 女性がぽつりと零す。

「あの頃は何も考えず、ただ毎日を過ごしていました。ずっとこんな日が続けばいいなと本当に思っていました・・・・・でも」

 顔を上げ、硯に向かって微笑む。

「でも、そんなことはないんですね」

 その貌はどこか寂しそうだった。

「同じ日が続くなんてあり得ないよ。毎日何かが違うんだから。それを楽しめるかどうか。要はそこなんじゃないかな? それに、みんな離ればなれになるって言っても、友達でしょ。思っていればいつか会えることもあるよ・・・・・・・私の先生の受け売りだけどね」

 硯はにこりと女性へ笑顔を見せる。その笑顔につられて、女性の貌にも笑顔が浮かんだ。

「硯さん・・・・ありがとうございます」

 女性がそう言った時、校舎中に放送が鳴り響く。

『月野先生、月野先生。お電話です。至急、職員室までお願いします』
「電話? ごめん、茜。ちょっと行ってくるね」
「あ、じゃあ、私も」
「いい。茜はここで待ってて。すぐ戻ってくるから」

 硯はついて行こうとする茜と呼んだ女性を押しとどめ、教室を飛び出す。そして、教室を出たところで男子生徒と遭遇した。

「ちょっ、ごめん。今急いでるの」
「先生。電話は行かなくても大丈夫ですよ」
「え―――」

 男子生徒は硯に見えるように鍵をひねる。途端に、硯の顔から表情が抜け落ちた。

「だって、俺があの放送を流すように仕組んだんですから」

 茫然と立っている硯を見て、男子生徒はクスリと笑った。

「先生、聞こえる?」
「聞こえ・・・・ます」

 男子生徒の問いに硯は訥々と答える。

「中にいるのは誰?」
「あかね・・・・ゆき・・・・・一昨年・・・の・・卒業生・・・合唱部の部長・・・もやってまし・・た」

 硯の答えに男子生徒はなにやら考え込み、そして硯へと向き直った。

「先生。先生は目が覚めた後、誰にもこの教室の中を知られないように廊下に立っているんだ。僕がいいと言うまでここへ人を近づけてはいけない。わかりましたか? 分かったら先生は目が覚めますよ」

 そう言って、男子生徒は教室の中へと入っていった。

「あ・・・・」

 男子生徒を見て、茜と呼ばれた女性は驚いた。テスト初日の午後、こんな時間にまだ残っている生徒が居るとは思っていなかった。
 しかし、女性はすぐにクスリと笑い、男子生徒を見た。

「こんにちは」
「え、あ・・・こんにちは」

 女性は窓をがらりと開けると、男子生徒に再び振り向く。途端に蝉たちの合唱が大きくなった。
 湿気を含んだ重い風がぶわっと教室に舞い込み、女性の長い黒髪がふわりと軽やかに舞う。

「君、この教室の生徒?」

 柔らかな笑み。向けられたその笑みにどぎまぎしながら、男子生徒は頷いた。

「は、はい・・・・あの・・・あなたは?」
「私? 私は茜 由綺(あかね ゆき)。ここの卒業生なの。今日は学校に遊びに来ててね。さっきまで硯さん―――月野先生が一緒にいたんだけどね」
「ああ、さっき放送で呼ばれていましたね。月野先生」

 男子生徒はちらりと教室の外を窺う。そして、由綺と名乗った女性を見た。

「ところで・・・茜先輩? 茜先輩もこの教室だったんですか?」
「ええ・・・ちょうど三年前。私もこの席で学んでいたの。その時の担任が月野先生。まあ、私は合唱部もやっていたけどね」

 由綺は先程触っていた机をもう一度触る。その指の先の合板には彫刻刀か何かで彫られた傷があった。
 その傷を見て、懐かしそうに目を細める由綺。そして、男子生徒ににっこりと笑いかけた。

「君は? 今日はテスト初日でしょ? みんな帰って勉強してるよ?」

 ん? と上目遣いに男子生徒を見る。男子生徒は軽く笑って、その問いに答えた。

「あはは・・・テストはもう捨ててます。まあ、戻ってきたのは忘れ物をしたからなんですけど」

 そう言って、男子生徒は由綺へと近づいていく。
 
「だめだよ、諦めちゃ〜」

 困ったように言う由綺をよそに、男子生徒は近くの机をがさごそと漁るふりをする。

「でも、学校の勉強よりも楽しくて、ためになることもあるんですよ」
「へぇ・・・やりたいことをもう見つけてるんだ」
「そう言うのとはちょっと違うかなぁ? 先輩、ちょっと深呼吸をしてください」
「深呼吸?」

 キョトンとする由綺に男子生徒はこくんと頷く。突然の言葉に驚きながらも由綺は言われた通りに深呼吸を始めた。
 軽く瞼を閉じると、胸を押し上げて空気を取り入れる。そして、横隔膜を押し上げて肺の空気を吐き出していく。

「そう、すぅ・・・はぁ・・・・すぅ・・・はぁ・・・・・」
「すぅ・・・・はぁ・・・・・・すぅ・・・・・はぁ・・・・・」
「空気を吸い込んで・・・・・そう。ほら、吐き出すたびにリラックスしていきます。ほら、体がすうっと楽になってきます。すぅ・・・・はぁ・・・・・」

 男子生徒の言葉に合わせて、由綺の胸が膨らみ、萎む。
 その表情は徐々にゆるみ、その体からは徐々に力が抜けていく。

「すぅ・・・・はぁ・・・・・そう、吐く空気と一緒にあなたの体から力が抜けていきます・・・・瞼が重くて、もう開くことができません。とても気持ちいい。深呼吸することがとても気持ちよくて、やめることができない。はぁ・・・・すぅ・・・・・」
「すぅ・・・・はぁ・・・・・すぅ・・・・・・はぁ・・・・・」

 ゆらりと由綺の体が揺らめく。力が抜けていく由綺の体は風に揺れる薄のようだ。

「ほら、もう立っていることができません。座ってしまいましょう」

 近くの椅子を引き出し、由綺を座らせる。完全に力の抜けきった由綺は前のめりになり、髪が一房さらりと垂れた。
 そうなってもまだ深呼吸を続けているようで、丸まった背中が膨らんだり萎んだりしている。

「力の次はあなたの意識が息と共に抜けていきます。それがとっても気持ちいい。気持ちがいいのでやめることができません。ほら、頭の中が真っ白になっていく。何も考えることができなくなっていきますよ。ほら・・・・はぁ・・・・・すぅ・・・・」

 その声が聞こえているのかいないのか、由綺の体はぴくりとも動かない。
 男子生徒は由綺の上体を持ち上げて背もたれにかけさせる。頭は後ろに引かれ、顎が上がり、喉のラインを露わにする。
 反った上体には胸のラインがはっきりと浮かび、そのラインは呼吸に合わせて上下に動いた。
 ぐらりと傾いでいく椅子。その後ろへと回り込んだ男子生徒は、倒れないようにそれを支えた。

「ほら、もう頭の中が真っ白。何も考えることができません。でも、とても気持ちいい。気持ちいいからずっとこのままでいたい」

 さらり。重力に引かれ、下へと垂れ下がる由綺の髪。その細い髪をかるく撫で、男子生徒は言葉を続ける。

「私の言葉を聞いているとあなたはずっと気持ちいいままでいられる。だから、あなたは私の言葉に従ってしまいます。他には何もない。私の言葉があなたの全て」
「あなたの声・・・・わたしのすべて・・・・・」

 由綺の口が僅かに開き、ぼそぼそとした声が漏れる。
 しかし、その微かな声は大きく響き渡る蝉たちの声にかき消されていった。

「さあ、三つ数えるとあなたは目を覚まします。目を覚ました時、目の前にいる男性があなたの恋人です。そして、あなたは私とSEXをしたくてたまらなくなります。それと、この鍵を開くと、あなたは再びこの気持ちいい世界へ戻ってこれます。目が覚めた時に今のことを思い出すことはできませんが絶対にそうなります」

 後ろへと引っ張られた由綺の頭を男子生徒は持ち上げる。由綺の頭を軽く俯かせるようにすると、由綺の手を取り、立ち上がらせた。
 男子生徒に導かれるまま立ち上がった由綺の体はふわふわと揺れていた。

「さあ、一つ、二つ、三つ」

 数を数えてパンと勢いよく手を鳴らす。その音をきっかけに由綺の体に力が入った。
 ふわふわとしていた体はしっかりと地に足をつける。
 二、三、目を瞬かせると、軽く頭を振った。

「ん・・・・・」

 そして、改めて男子生徒を見る。その頬がほのかに染まっていた。

「あれ・・・・私・・・・? どうしたんだろ・・?」
「どうかした?」
「ううん、何でもない」

 男子生徒の問いに由綺は答える。その顔はにこやかでどこか妖艶な物が混じっていた。
 男子生徒が椅子に座る。それをみて、由綺は男子生徒の隣に椅子を持って行きしなだれかかるように座った。
 ふわり。
 由綺の体からいい匂いが薫り、男子生徒を誘惑する。男子生徒はそのままで、しばしその匂いを愉しむ。
 開かれた窓から夏の風が舞い込んでくる。その風が、二人の髪を揺らした。

「はぁ・・・・」

 隣で由綺が吐息を漏らす。その吐息は吹き込んだ風に負けないくらいに熱く、湿っていた。
 つと、由綺の顎を持ち上げて、軽くキスをする。柔らかい唇。その感触を愉しみ、口を離す。

「んふぅ・・・・」

 由綺が上目遣いに男子生徒を見上げる。震える睫毛。その瞳は欲情に染まり、ウルウルと潤んでいた。

「ねぇ・・・・しよぅ?」

 腕を男子生徒の首へと絡みつかせ、耳元で由綺が囁き、耳に息を吹きかける。
 そして、今度は自分から男子生徒にキスをした。
 押しつけられる唇。どちらからともなく舌が伸び、互いの舌を絡ませあう。
 ぴちゃぴちゃという唾液の音が窓から入ってくる蝉の鳴き声にかき消されていく。
 綺麗に揃った歯を舐め、男子生徒は刺激を与えていく。熱にうかされたように由綺は舌を動かし、快感を貪っていく。

「ふっ・・・・ぅふ・・・・・・ぅ・・・」

 二人の間、僅かに開いた隙間から呼吸が漏れる。
 男子生徒は由綺の口の中へと唾液をとろとろと流し込んでいった。
 由綺はその唾液を次へ次へと飲み込んでいく。甘露でも飲んでいるかのようにその顔は緩んでいた。

「っはぁ・・・・」

 長いこと由綺の口内を愉しみ、男子生徒は口を離す。つうと銀色の糸が名残惜しそうに二人を繋ぎ、ペロリと動かした由綺の舌に切られた。
 ぐいっと男子生徒は口の周りの唾液を拭う。
 由綺は盛り上がっている男子生徒の股間に手を当て、妖艶に見上げる。

「気持ちいいことしてあげる」

 クスリと笑みを浮かべて、由綺は男子生徒のズボンを下ろしていく。
 既に大きなテントを張っていたパンツを脱がすとその中から固くなった肉棒が現れた。その肉棒を由綺は愛おしそうに眺めて、そっと触れる。
 白く細い由綺の指が男子生徒の肉棒を撫で上げる。その感触にビクンと男子生徒の肉棒が震えた。

「ふふっ・・・・感じてくれてる」

 歌うように由綺は言い、指の動きを速めていく。
 その最中も男子生徒の表情を具に観察し、気持ちいいところを探していく。
 竿、雁首、球袋。由綺の綺麗な指がそのいずれをも刺激していく。男子生徒の肉棒はますます硬度を増し、その先端がぬめりに包み込まれる。
 そのぬめりを掬うように指へと絡みつかせ、そっと男子生徒の肉棒を包んだ。
 クスリと笑い、由綺は陶然とした表情のまま男子生徒の肉棒へと顔を近づける。その先端にフッと息を吹きかけると、舌を伸ばしてペロリと舐めた。

「・・・っ!」

 ビクンと震える男子生徒の肉棒。その反応に由綺は満足そうに笑みを浮かべて、その肉棒を頬張った。
 固く大きくなった肉棒。それを口いっぱいに頬張りながら由綺は頭を動かしていく。

「んっ・・・・」

 唇を細めて、キュッと肉棒を締め上げる。口内では舌を動かし、何重もの刺激を男子生徒に与えていく。
 ビクンビクンと男子生徒の肉棒が震える。その反応に由綺は嬉しそうにすると、男子生徒を見上げながら頭の動きを速くした。

「ふ・・・・ん・・・・」

 口内の粘膜が男子生徒の肉棒に吸い付いていく。
 ころころと白く綺麗な指で男子生徒の球袋を弄び、男子生徒の肉棒を口内深くまで飲み込んだ。

「っ・・・ぁっ!!!!」

 突き抜ける鋭い刺激。その刺激に男子生徒の肉棒はビクンと震える。そして、その肉棒の先からビュクビュクと白濁液が由綺の口内へと吐き出された。

「んっ・・・・んん・・・」

 僅かな呻き。その刺激に由綺は動じることもなく、吐き出される白濁液を受け入れる。
 長い射精。男子生徒が口内に白濁液を出し切るのを待って、園に公方から口を放した。
 由綺は口の中をもごもごとさせて、その味を確かめると意地の悪い笑みを男子生徒に向ける。

「んふ・・・・おいしぃ」

 ペロリと舌を出し、その上に乗っている白濁液を見せるとごくんとそれを飲み込んだ。
 そして、クスリと淫蕩に微笑むと再び男子生徒の股間へと顔を寄せる。

「ふふっ・・・・」

 嬉しそうに、楽しそうに射精したばかりの男子生徒の物を舐める。
 ペロリ、ペロリ。
 舌が動くたびに男子生徒の体が、肉棒が震える。
 達した後の肉棒はその鋭い刺激にみるみるうちに硬さを取り戻していった。
 由綺は男子生徒を見上げて、淫蕩に微笑む。そして、ロングスカートを持ち上げた。

「もっと気持ちよく・・・・」

 スカートの裾を銜えて男子生徒にその大事なところを見せつける。その場所を覆った布は内側より溢れ出る液体により、しとどに濡れていた。

「んっ・・・」

 布に手をかけ、由綺は布を下ろしていく。布と秘所の間をつうと糸が伸びていき、やがてぷつんとちぎれた。
 鼻から息を荒くして、由綺は布を脱ぎ捨てる。そして、男子生徒へ近づくと、その肉棒へと手を添えて、自らの秘裂へと宛った。
 ちらりと男子生徒に目をやり、淫蕩に笑うと、由綺は口を放す。
 ふわりと由綺のスカートが舞い降りるのと由綺が体を沈み込ませるのは同時だった。
 ぬるり。
 蛞蝓が這うような感覚が男子生徒に走る。
 その感覚に男子生徒は由綺の中で暴れ回り、その刺激に由綺の体が男子生徒の上で踊りを踊る。

「ふぁぁっ! ああっ!! ああああっ!!」

 ぎゅっと由綺は男子生徒の体を抱きしめ、必死に腰を振る。
 ビリビリと体を伝わる快感に顔を蹙め、口を開く。男子生徒の首に回された腕にはかなりの力が籠もっていた。

「ああああっ!! ああああああっ!!!」

 開かれた口から涎が垂れる。ビクンビクンと体が震え、男子生徒の一突き毎に由綺は歓喜の声を上げていた。

「ぁああっ!! いいっ!! いいのっ!!」

 由綺の体が反り上がり、重力に引かれて後ろへと下がっていく。男子生徒はそれに引かれるように立ち上がり、由綺の体を近くの机へと横たえた。
 背中を机の上に乗せ、体が落ちないように両手で机の端を握る。子宮を突き上げられ、その衝撃で前後に動きながら由綺は体を震わせる。

「由綺さんっ・・・って、淫乱なんですねっ!! 教室でこんなっ!!」
「いいのっ!!! こんなに気持ちいいのっ!! 教室でもどこでもいいのっ!! あなたが欲しいのっ!!!」

 男子生徒の言葉に由綺は叫ぶ。男子生徒は手を伸ばし、形のいいその胸を乱暴に掴んだ。

「あああぅっ!!」

 男子生徒は腰を動かしながら、由綺の胸を揉みしだく。その刺激に顔は緩み、体を何度も震わせる。

「もっとっ! もっとっ! もっと突いてぇっ!!」

 男子生徒は由綺の左足を持つと、自分の上を通して、ぐるりと由綺を反転させる。
 由綺はつながったまま俯せになり、男子生徒は後ろからのしかかるように覆い被さる。
 ノースリーブの中へと右手を差し込み、ブラジャーのホックを外す。
 服の中でブラジャーのみを上に押し上げ、固くしこった乳首をつまみこりこりと刺激する。

「っぁ!! ぁあぁぁっ!! はぁぁっ!!」

 右手は服の中。左手は服の上から男子生徒は晒け出された胸を揉む。もちろん、腰を叩きつけるのも忘れない。
 胸からの微妙に違う感覚。そして腰から伝わる鋭角の刺激に由綺の体は震え、頭は真っ白になっていく。
 その膣内はうねうねとうねり、男子生徒の肉棒を中へ中へと誘い込んでいた。

「由綺さんっ!! 気持ちいいですかっ!!」
「いいっ!! いいわっ!! イッちゃう! イッちゃうっ!! イッちゃう!!!」

 由綺はしっかりと机の端を掴み、男子生徒は由綺の腰を掴む。
 男子生徒と由綺、二人の腰の動きがシンクロし、互いの快楽のために動いていった。
 二人の体は絶頂に向かい、ブルブルと震えていく。

「ああっ!! ああぁうっ!! ひあぁぁっ!!」
「くぅっ!! ぅっ!! っ!!」

 二人の声が教室に響く。それは辺りを包む蝉の声に負けず響いていた。
 エアコンのついていない夏の教室。立ちこめた熱気により二人は激しく汗をかいていた。
 ズン、ズンと由綺の子宮を男子生徒の肉棒が突き上げていく。
 それに合わせてビクッビクッと由綺の体が震えていく。その感覚がどんどん短くなっていった。
 絶頂が近い。
 続々とした感じが腰から駆け上がっていく。男子生徒は歯をくいしばり、最後の一突きを打ち込んだ。

「っっっっっっ!!!」
「っっっっっっ!!!」

 二人の体がビキリと固まり、快感の波が二人を襲う。男子生徒は肉棒を抜くどころか奥へと差し込み、ドクドクと由綺の膣内へと白濁液を吐き出した。
 放出が納まり、二人の体から力が抜ける。もはや力を失った肉棒を雪の中から引き抜くと、男子生徒はどかりと椅子に座り、ハアハアと息を吐く。
 そして、服を整えると机の上に潰れるように俯せている由綺へと声をかける。

「由綺さん、由綺さん。大丈夫ですか?」
「ん・・・・・はぁ・・・・・大丈夫・・・・」

 ふらふらとよろめきながらも由綺は立ち上がる。慌てて男子生徒は由綺に手を貸し、そっと近くの椅子へと座らせた。
 ふぅと息を吐き、由綺は椅子の上で脱力する。由綺は自分の秘裂から白濁液が溢れてくるのを感じた。

「ふふっ・・・・中だしされちゃったぁ・・・・・」

 けだるそうに男子生徒を眺め、由綺はクスリと笑う。その顔は快楽に蕩けていた。
 そんな由綺の目の前へと立ち、男子生徒は鍵を差し出す。

「?」

 何なのか分からずに由綺は男子生徒を見上げる。
 男子生徒はクスリと笑みを見せ、その鍵をひねった。

「あ・・・・・・」

 すとんと由綺の顔から表情が抜け落ちる。
 体からは更に力が抜けて、椅子から落ちんばかりに体を椅子へと寄りかからせた。

「先輩・・・・由綺さん。聞こえますか?」
「・・・・・はい」

 男子生徒の問いにぽつりと由綺が答える。

「これから言うことは由綺さんにとって、とても大事なことです。由綺さんは硯先生が入ってくると目を覚まします。目を覚ました後、由綺さんは今あったことを覚えていません。しかし、これから言うことは由綺さんの心の奥底に刻み込まれます」

 言葉を切り、男子生徒は由綺の後ろへと回り込む。
 そっと由綺の頭を支えて、瞼の上に手を置いた。

「由綺さんは普段は私のことを忘れていますが、私からの電話を受けるとこの気持ちいい状態になり、私のことを思い出せます。そして、周りに誰か居る場合には誰にも怪しまれないようにしてください。」

 言って、男子生徒は由綺から離れる。
 催眠状態で脱力している由綺を数秒眺めた後、教室を出た。
 廊下では硯が辺りをキョロキョロとしていた。そして、男子生徒を、その手に持つ鍵を見て体を硬直させた。
 男子生徒が鍵をひねる。
 その瞬間、先程と同じように顔から表情が抜け落ちた。

「先生。先生は今まで電話の応対をしていました。そして、電話が終わったので、急いで由綺さんの元へ戻る途中です。いいですね。先生は一分後に目が覚めます」

 男子生徒はそう言うと廊下を歩いていった。

 
 
< 了 >


 

 

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