茶室の花


 

 

2.新聞部の2人


 身体を重ねる二つの影、上になった長い髪の女性は身体を弓ぞりになり、快楽から逃げようとしているようにも、受け入れようとしているようにも見える。
 女性の目は虚ろで口は緩み、身体を支えるために後ろについた両手はガクガクと震えている。
「もう…もう限界です!…イきます…イっくー!!」


『我が校の茶室は離れにある。二年前再建された茶道部が使うだけで、他に使う者などいない神聖なる空間だ。そんな茶室に最近変なうわさが流れている―――』

 新聞部の部室に入ると、目の前が真っ白になる。
「どう!?こんな書き出しで!」
 そう言って、走り書きの白いメモを鼻につきだしてきている女の子は浅井千春。
 近所に住んでいて、随分小さい頃からの付き合いだ。
 猫みたいな目で、髪はくせ毛が気になるという理由から男顔負けのベリーショート。
 クラスに一人は居る、
「ねぇ!聞いてるの?」
 声がやたらと大きい女の子だ。
「うん。いいんじゃない?流れてる噂って言うのは、よく聞く“可愛い〜ちゃんが突然茶道部にはいりましたー”ってやつ?」
「そう!変じゃない?二年ソフトボール部のセカンド小田さん、同じく二年吹奏楽部ホルンの柳さん」
「まだ二人じゃないか。偶然ってことも…」
「ところが今日!一年美術部の三宅さんが入部したらしいのよ」
「三宅さんと言えば、一年で“輝く白い肌部門”ぶっちぎりで一位の!」
「そうそうあの二の腕が何ともいえず、是非我が新聞部に…ゴホン。…ということで、今年三人目の美女が茶道部の毒牙にかかったのよ」
「でも証拠ないんだろ?」
「まぁそこは囮捜査でも…」
「…もっと髪が長くて、おしとやかで胸が大きかったらな」
「ちょっと!どう言う意味よ!?」
「いや茶道部のイメージを言っただけで…」
「ふーん…まぁいいわ、とにかく取材よ取材!」
「ただ茶道部の可愛い女の子と遊びたいだけだろ?」
「バレタか…」
「乗った!俺も行く!」
「さすが!アポはとってあるから今から行くよ!」
「…俺が断ると思っても無かったのね…」
 テヘっと舌を出す彼女と離れの茶室を目指す。
「お前、ホントに噂が真実だと思ってるの?…茶道部が脅して無理やり入部させてるって」
「んーまぁ脅してはないでしょ。柳さんとは結構仲良いんだけど、別におびえてるわけでもなく、楽しそうに部活行ってるよ。ただあんな噂が流れてるの、ほっとけないでしょ?美女三人から茶道部の魅力を聞けば記事にもなるだろうし…」
「お!たまには良いことするんだね」
「たまには余計です。…あれ?あの花、やたら多くない?」
 茶室の周りには、赤い斑点の入った白い花が咲き誇っていた。名前は知らない花だけど、血が付いているみたいで、なんとなく不気味な花だな、と思った。


「皆さん、今日はお客様が来るので、いつも通りの茶道部でいましょう」


 座敷の前に着くと着物を着た茶道部部長、三年の中曽根さんが迎えてくれた。
「いらっしゃい。取材って聞いているけど、どんな取材がしたいの?」
「最近うわs「部活の内容を詳しくです!」
 ずいっと千春が前に出る。
 中曽根さんは、気圧されたようにも面白そうにも見える態度で、
「あぁ…」
 とつぶやくと、
「私は聖徳太子じゃないわ。話すのはどちらか一方にして欲しいのだけど」
 と続けた。
 千春は、俺の“譲る”ジェスチャーを見たのか見ないのか、
「校舎から離れてて、ちょっと敷居の高い茶道部がどんな活動をしていて、どう魅力的なのか、いつも通りの部活動を見つつ、新しく部員になった方々から個人的にお話しできれば、と…」
 とまくし立てた。
「わかった、わかったわ。とにかく中でもてなすから。それが取材にもなるでしょう?」
 なかば押しかけるような形で茶室へと入っていく。
 この時の俺には、中曽根さんの微笑みが、ただただ上品で清楚に見えて、近づくことさえおこがましいなんて考えていた。


 ほのかに甘い香りのする広い部屋へ通された。
 案内されるがまま座布団へ…。
 当然正座で坐り、隣で同じく不格好な正座を披露する千春と小声で話す。
「何分もつ?」
「…五分」
「俺が三十三ぷ「うるさい」
「流石に足しびれましたなんて言えないよな?」
「うん…よし、手分けしよう」
「乗った」
 すぐに千春が斬り出す。
 こんな時だけは頼りになる。
「中曽根さん、長時間おじゃまするのも心苦しいので、私は別室で新しく入った部員の方と面談したいのですが…」
「あら、気にしなくてもかまわないのに」
「そういう訳にも行きません!我ら新聞部のポリシーに反します!」
 よくわからない説得に首を傾けながらも、中曽根さんが折れてくれた。
「じゃあ…柳さん、浅井さんを小間へお連れして」
「はい」
 末席でちょこんと座っていた柳さんは、千春を連れて出て行ってしまう。
 千春が部屋のふすまを閉める直前、こちらにブイサインする。
 しまった、と思った。
 こちらに残ってしまった俺は、正座から逃れられない。
 前言撤回、こんな時の彼女は頼りにしてはいけない。

 この座敷の匂い…お香だろうか?あまり好きな匂いでは無い。
 どこかで嗅いだ覚えがある…確かあれは…
「あちらは柳さんに任せるとして…どうししようかしら?お茶でも点てましょうか?」
 と急に話を振られ、少し焦る。
「いえいえいえ!お構いなく…取材がお話を少し聞いたら失礼しますので」
 早くも、正座でしびれはじめた足の先の上下を変える。
 その姿を見たのか、中曽根さんが笑顔で、
「崩してかまいませんよ」
 と、言ってくれたことで地獄から救われた。
「ありがとうございます。せっかく二手にわかれましたので、取材させてください」
 と、精一杯格好をつけて手帳を取り出した。
 …半分しびれてしまってジンジンする足を崩し、あぐらすらかけずお姉さん座りになっている自分を考えないようにして。
 
 だいたい部活動の内容は聞いたような話ばかりだった。
 固辞し続けたものの、結局出されてしまったお茶は口に合わず、最初のひとくちだけ飲んで少しずつ飲んでいるふりをしていた。
 向こうの部屋の様子が気になったが、しばらくすると柳さんが出てきて、小田さんと三宅さんが入れ替わりになって入って行った。
 三宅さんはたった今、向こうの部屋に入ったばかりだが、こちらは取材が終わってしまい、手持無沙汰だ。
 取材で頭と口を動かしていたうちは良いが、静かで下手に身動きできない空間で座っているだけだと、妙にカチッコチッという音が心地よく、電車に乗っている時のような眠気が襲ってきた。
 手持無沙汰がゆえに、あまり好きでない匂いが鼻につく。
「…そろそろいいかしら?ねぇ、暑くない?」
「…いえ?この部屋は温度管理がなされているようですし」
 暑いわけではないが、頭がボーっとして、眠りかけているのがバレタのかと、精一杯取り繕う。
「そ…そう?もう、話すことはないし、浅井さんは心配しなくて良いから先に帰ったら?」
 もしかしたら空調の件はもう帰れと言う遠回しの表現なのか…?
 本当は三人とも取材が終わるまで、他の部員の足止めをしておいてやるつもりだったが、限界だ。
「俺、ちょっと他にやることもあるので帰りますね」
 頭が働かず、下手な言い訳も考えつかなかったが、もう我慢できなかった。
 “カフェインは眠覚ましに良い”とどこかで聞いた気がして、グイッとほとんど口をつけていなかったお茶を飲み干した。
 座っていた時間が長かったのか、立ち上がるときにふらついてしまった。
「あらら、だいじょうぶ?」
 と中曽根さんに支えられる。
 自然とあたってしまった胸にドキッとして、あわてて逃げるように部屋を出た。
 小間を覗いて、帰る旨を伝えようとしたが、中曽根さんに、
「込み入っている話をしていたら悪いから…」
 と諭された。
 この分なら取材の邪魔はされないだろうと安心した。
「足、ふらついているから気をつけて帰ってね。…それと浅井さんのことは心配しないで、そのまま家に帰ってね」
 
 ボーっとする頭で考える。
 茶室って、秒針の音がする時計なんか置くものだろうか?
 
 
「きいているのか、きいていないのか、判らない反応だったね。もう一人のお客様はどう?」


 次の日、放課後になると昨日の取材を文にまとめるべく部室へ向かう。
 部室ではすでに千春が自分の手帳とにらめっこしていた。
「うーん、そうよね!やっぱり冒頭は…でもなーちょっと語呂が悪いし…」
 いつも通りの騒音を無視してペンをとりだす。
「よし!決めた!もう一回取材してくる!」
 突然出た結論に驚く。
「!?なんでそうなるんだ!?」
「文が考えつかない=情報が足りないのよ!じゃ、行ってきまーす」
「ついて行こうか?」
「いいよ!昨日もすぐに先帰っちゃったでしょ?」
 部室を出る千春の背中を眺めながら、俺も結構な時間待ってやってたんだけどな、と思った。

 次の日、千春は部室に顔を出さなかった。
 
「昨日はどうしたんだ?」
 気になって様子を見ていたが、授業中、休み時間等変わった様子はなく、放課後になって話しかけてみることにした。
「んー?なにが?」
「なにがって、部活だよ」
「あぁ、だってこの学校兼部出来ないじゃない」
「兼部ってお前、まさか茶道部に入ったなんて言わないよな?」
「茶道部だよ?」
 背筋がゾワリとした。
『別におびえてるわけでもなく、楽しそうに部活行ってるよ』という彼女自身の言葉が思い出される。
「私、早く部活行きたいからもういいかな?」
 と言って、すでに歩き始めた彼女の背中に声をかける。
「茶道部に入った理由、教えてくれないか?」
 彼女はこちらを振り向かず、
「んー私ももうちょっと、おしとやかな女性になりたいと思ったから…かな?」
 と答えた。

 俺は走って新聞部へ向かい、千春の残した取材資料に目を通した。
 絶対的に取材内容が薄い。
 あんなに遅くまで取材していて、こんなに資料が少ないのはおかしい。
 彼女がまとめた、三人の茶道部志望動機に目を通す。
 ・柳さん:茶室の静かな雰囲気が好きになったから
 ・小田さん:ソフトボール部に魅力を感じなくなったから
 ・三宅さん:着物を着てみたくなったから
 その下に走り書きで、
 ・三人とも茶道自身に対する興味は薄い。
 ・動機はあいまいかつ自信がなさそうに応えるが、茶道部に対する執着は強い。
 ・三人とも友達の紹介で入部前の見学をして、数日の間に部活を変更している。
 
 俺は早足で茶室へと向かった。
 彼女の考察と彼女自身の行動が同じで、彼女が四人目に思えてならなかったからだ。
 …いや、四人目ですらないのかもしれない…。

 茶室前に着くと不躾に中に入っていく。
「おい千春!話があるんだ!」
 小間の扉を勢いよく開けたところで思考が止まってしまった。
 部屋の中からブワッと甘い匂いが広がり、目の前に全裸の虚ろな眼をした美しい女性が座っていたのだ。
 髪の毛は長く、猫みたいな目…まさか…
「千春…なのか?」
 髪の毛は長いが、確かに千春だ。
 誰かが部屋に入ってきた気配に振り向くと、中曽根さんがほほ笑んで立っている。
 彼女の笑顔は以前見たものと同じだったが、どこか妖艶で思わず見入ってしまった。
 力が抜けた俺に、きれいな顔が近付き、肩を抱かれたかと思うと、そのまま唇を重ねられる。
 唇を舌で無理やりこじあけられ、同時に何か流れ込まれる。
 思わずその液体を飲みこんだ俺は、なされるがまま唇を蹂躙され続け、突然意識を手放した。
 「あらら、少し濃すぎたかしら?」
 そう言いながら唇をぬぐう中曽根さんはやっぱり綺麗だった。

 
 身体を重ねる二つの影、上になった長い髪の女性は身体を弓ぞりになり、快楽から逃げようとしているようにも、受け入れようとしているようにも見える。
 女性の目は虚ろで口は緩み、身体を支えるために後ろについた両手はガクガクと震えている。
「もう…もう限界です!…イきます…イっくー!!」
 そのまま糸が切れたように女性は倒れてしまった。
「あら?君、目が覚めたのね?もう…アポイントメントなしの訪問はダメよ?んんっ」
下になっていた中曽根さんが膣に入ったピンク色の棒を抜きながら話しかけてくる。
「やっぱり…無理やり勧誘してたん…ですか?」
 身体は気だるく、頭はもやがかかっているようにはっきりとしない。
「まさか…浅井さんが嫌がっているように見えた?」
「でも、皆同じ様に…」
「そう、同じ様に気付いたのよ。自分を解放できる茶道部の素晴らしさに」
「おそらく、そう思わせているだけでしょう?千春は最初から…」
「あったのよ、解放したい素直になりたい自分っていうのが」
「え?」
「ありがちな幼馴染の関係に決着をつける勇気がなかったのね。まぁ、私の好みの顔立ちっていうのもあったけれど」
「…そんな…」
「君はどうなの?彼女の気持ち、気付いていたんでしょう?」
「俺は…」

 1.ちょっとくさいセリフを言うので、退出して頂けますか?
 2.中曽根さん、あなたは大切なものを盗んで行きました…私の心です。
 3.今はそんなことよりも、俺は新聞部としてこの異常な部活を公表する。










1.


「ちょっとくさいセリフを言うので、退出して頂けますか?」
 中曽根さんはニヤリとすると、返事もせずに小間から静かに出て行った。
 やはり相手の意識がなくても、恥ずかしい。
 閉まったふすまに向かって話し始める。
「起きているか判んないけど、恥ずかしいから今言っとくな。お前は怒るかも知んないけど、俺はカツラなんかつけなくたって、うるさくたって、胸が小さくたって…そのままのお前が好きなんだよ。気恥ずかしくて素直に言えなかったけど…おっと」
 口移しのお茶が効いてきたのか、足元がふらつく。
「ありがとう」
 そう言いながら、千春が身体を支えてくれる。
 相手が全裸であることを思い出し、胸ばかり見てしまう。
「…起きてたのか…」
「うん」
 唐突に彼女は俺のズボンを脱がし始める。
「何やっt「私ね、中曽根先輩に教わってとっても上手になったんだよ」
 彼女の裸で半勃ちのモノをペロペロとなめ始める。
 彼女の表情が、声が、しぐさが、先日とは別人のように艶めかしく感じた。
「ニセモノしか…ペロ…舐めたことないんだけどね…ペロ」
 本当に慣れているように裏筋から雁首、鈴口と絶妙な強さで舐めてくれる。
 自分で小さな胸を揉みながら舐める千春が妙に艶めかしい。
「今のままの私で良いんだよね?」
 舐めるのをやめ、上目づかいでこちらを見つめている。
 目は少し焦点が合っていない様にも感じる。
「…うん」
「じゃあ…私の…君に直してほしいところを言うね」
「……ん…?」
 何か変だなと思いつつも、すぐに千春の痴態と口淫の続きの方が気になってしまう。
「まずはね…私だけを見て…私だけを愛して…」
 そんなに嫉妬深い奴だったっけ…そんな…話よりも…続き…。
「それでね…ん…私の姿を見るだけで興奮して欲しいの」
 続き…つづき…ツヅキ…!!
 期待と千春の淫猥な行為を見るだけでドンドン硬くなっていく。
 千春は胸の刺激では足りなくなったのか、M字に開脚した下へ右手が移動する。
「嬉しい…触ってないのに…んん…どんどん大きくなってるよ。私の言ってる事が理解出来たら再開してあげる」
 もう、選択肢なんかなかった。
「する!浮気なんかしないし千春を見ただけで興奮する!」
「しょうがないなぁ…私が良いって言うまでイっちゃダメだよ。私にされると、いつもの快楽の2倍感じられるからね」
 千春はこちらを見たままゆっくりと再開する。
「うっ」
 情けない声とともに、鈴口からジワリと粘液が出る。
「ニセモノは出なかったけど、カウパーっておいしいね…君のだからかな?」
 本当は口に合わないのか、彼女の片方の眉が下がる。
「もっと…もっと…」
「へへへ、素直になってくれたね?私も欲しいな、準備はバッチリだから」
 そう言うと口を離し、射精したくてピクピクしているモノを導いて行く。
 舐めながら自分で愛撫していた膣は、適度に濡れていた。
「来て…」
 導かれるまま挿入していく。
 ズプリと抵抗なく奥まで進んでいく。
「あっ、私!すぐにイけそう!!」
 自分からも腰を振り始めた彼女ともっと続けたくて、とっさに声が出る。
「ダメ…だよ!千春も、俺がイくまで…イけないから!」
 彼女の身体がピクッと反応する。
「あれ?私イけない!今イけそうだったのに!気持ちいいのに!」
「っく…」
 だんだん動きが大きく、速くなっていく。
 双方、猿のように腰を振っていたが、いつしか腰を振っているのか痙攣しているのか判らなくなっていく。
「ダメ…ダメなの!」
「んぎぎぎ」
 どっちがどんな条件でイけるのか、正常な判断が出来なくなった俺たちは、ただただ快楽を求めて腰を振り続けた。

「あらあら…」
 性器が擦り切れそうなほどの時間がたったころ、ふすまが開く。
「あんまりにも長いから何事かと思えば、二人ともバカなの?」
 フゥっとため息をつく中曽根さん。
「二人とも、私がイきなさいって言ったら、今までイけなかった分の快楽が一気に体中を駆け巡っていくことが出来るわ。イきたい?」
 俺も彼女もガクガクと何度も頷く。
「イきなさい。私に感謝しながら、ね」
 その瞬間、身体に電気が走ったようだった。
「やっと…やっと!!」
「イく、イくーーーー!!」

「あはは、面白いわね二人とも。そうだ!今日から二人とも私の玩具よ。あなたも茶道部に入って一緒に遊びましょう?」
 繋がったまま気を失った僕らに、中曽根さんの声が染み込んでいく…。

 次の日、僕と彼女は手をつないで一歩一歩茶室へ向かう。
 彼女を見るだけで、彼女と手をつなぐだけで…

『アァ、シアワセダ…』

<エンディングNO.1『ペア人形』>










2.


「中曽根さん、あなたは大切なものを盗んで行きました…私の心です」
「冗談よね?」
「いえ、残念ながら」
「本気?私、嗜好が変わっているからきっと大変よ?」
 黙って頷くと、中曽根さんになみなみと注がれたお茶をさしだされる。
「覚悟があるなら、自分で飲み干して。その後のことは…そうね、今の自分ではなくなってしまっていると思うけど」
 短い人生の中で一番きれいで、残酷な笑みを見た俺は一気に飲み干した。


 二度目の気絶から目が覚めると、俺は裸で仰向けに横たわっていた。
「あ、おはよう。寝ている間に結構イタズラしたから覚悟してね?」
 中曽根さんは胸で知らないうちに勃起していた俺のモノを挟んでいた。
 ビックリして飛び起きようとしたが身体が動かない。
「な…何したんですか?お姉様!」
 !?お姉様??
「おーきちんと効いてるね。君は効きにくいみたいだったから不安だったんだけど」
 右手の人指し指を口の前にさしだしてくる。
 間髪いれずに俺の舌が勝手に人差し指を舐めまわす。
 俺の唾液で光る人差し指をそのまま俺の肛門へと当てがうお姉様。
「ちょ…それは流石に無理です!」
 あわてて否定したが、
「足開いて、おねだりして?」
 足が自動的に開いて行く。
「…肛門に…入れてください…」
「んーイマイチね…。君、今から一人称を私にしなさい。それにもっと笑顔でわかりやすく」
「私の…汚い肛門にお姉様の綺麗な指を入れてください…」
 張り付いた笑顔で動く口。
「…後はちょっとずつ教えて行こうかしらね」
 そう言いながら、またも勝手に力が抜けた私の肛門に指を入れはじめる。
 絶対痛いよな、と顔をゆがめて指が入ってくるのを待つ。
 …なんでだ?気持ちいい。
「ははは、ビックリしてるね」
 お姉様は指の動きに合わせて私の陰部を咥え、顔を前後する。
 上品な顔が間延びして、頬をすぼませて吸ってくれる。
 その淫猥な顔と、初めて会ったときに抱いた印象とのギャップに興奮を覚える。
 前と後の快感に身をゆだねる。
「出したい?」
 咥えながら話されて、腰が砕けそうになる。
「出したいです」
「良いよそのまま出せるなら出して」
 その言葉に、腰の緊張を解いた…はずだった。
「う…出ない!?…お姉様…まだ、私に何かしてますね!?」
 お姉様は笑うと左手で私の乳首をつまむ。
「あ、イく…!!」
 私は乳首から与えられる快感で射精し始める。
 お姉さまはゴクゴクと喉を鳴らして飲んでいる。
 ふぅこれでひと段落…あれ?射精が止まらない?
 そんな私の表情を見たのか悪戯っぽくほほ笑むお姉様。
 絶対に自分の意思では止まらないと気付いた私は、これ以上は身体が持たないと、あわててお姉様の肩を何度も叩く。
 名残惜しそうに左手でつままれた乳首を離されると、射精がぴたりと止まる。
「私は蛇口じゃないんですから…」
「美味しかったわよ?ごちそうさま」
 長い射精から酷い疲労感に襲われ、脱力する。
「あら…私まだイってないのだけれど…」
 お尻に入った指がゴニョゴニョと動くと、スイッチが入ったように私のモノが硬さを取り戻していく。
 勃起したのを確認すると私の体にまたがるお姉様。
「まだまだ、君の体に不発弾埋まっているんだからね」
 私はあきらめるように目を閉じた。


 身体を重ねる二つの影、上になった私は身体を弓ぞりになり、快楽から逃げようとしたのか、受け入れようとしたのか自分でもわからない。
 口からは涎が垂れ、身体を支えるために後ろについた両手はガクガクと震えている。
「もう…もう限界です!…イきます…イっくー!!」
 絶頂とともに倒れ込んでしまう。
「すっかり私のを受け入れられるようになったね」
 私の肛門からピンクの双頭バイブを抜きながらお姉様が言う。
「仕上げにこれ、つけてあげるね」
 手には首輪と尻尾型のバイブ。
 両方を装着されたとたん私の中で何かが切り替わる。
「わん!わん!」
 私は四つん這いでご主人様の胸に飛び込み、ペロペロと舐める。
「んー!いい子いい子!一生、飼ってあげるからね」
 やっぱりご主人様は美しい。

<エンディングNO.2『愛玩動物』>










3.


「今はそんなことよりも、俺は新聞部としてこの異常な部活を公表する」
 立ち上がろうとするが、足に力が入らない。
「…ふー。君、それなりの覚悟があって言っているのよね?それとも、さっき口移しで飲ませてあげたの忘れたの?」
「やっぱりあのお茶、何か入ってたんですね?それにお香も…」
「うふふ、気付いていたのに無鉄砲に乗り込んできたの?バカね…最初無事だったのは君が効きにくい体質だっただけよ?」
 そう言いながら中曽根さんはお茶を口に含み、また俺に無理やり飲ませてくる。
「…君、新聞部なら知っているわよね?この部は再建されてまだ二年なのよ」
「再建したのは男…だったはず…?」
「そう、私達の人生を変えた彼は今も茶道部よ。今年度に入るまでは部長だった。ただ彼は部員を増やすにつれ、一人一人に対する暗示のかけ方が雑になっていったわ。私にかけられていた暗示は『快楽に忠実になること』『部のために尽くすこと』だったかしら?彼自身に対する好意や服従は入って無かったの。それで、彼が飲んでいた根を煮た汁を入れ替えて…あら?もう聞いてないかしら?」
 俺はもう、話の半分も理解できないほど、頭の中がグチャグチャだった。
「まぁ、いいわ。実は彼だけじゃ部員全員を満足させられなくて…」
 股間をさすられながら耳元で中曽根さんに何か言われている…キモチイイ…あぁ彼女の言っていることに逆らわなければ、きっともっと…もっと……。


「千春!部活行こうぜ!」
「おぉとも!」
 髪の毛がだいぶ伸びてきた千春と二人、部室へ向かう。
 二人の足は迷うことなく茶室へと向かっていった。

 広間に入ると、昔は嫌いだった匂いがする。
 そのまま広間の掛け軸の横、隠し階段から地下へ降りていく。
 すでに先輩たちは部活動を始めていた。
「あっ、あっ、んん…そこ…そこー」
 二人の女性を相手にする…というよりもさせられている男性の先輩。
「今日は先輩とシてくるね」
 軽い足取りで先輩の元へ向かう。
 彼女を見送りながら、部活熱心だなと思っていると、二の腕のやけに白い女の子が股間をさすってくる。
 彼女が二の腕だけでなく控えめな胸も真っ白なことは、この部活に入って知ることが出来た。
 この子の名前はなんだっただろうか…そうだ三宅さんだ。
 なんとか思い出せたが、この茶室では名前なんて大した意味を持たないのかもしれない。
「あの…いいですか?」
 うつむき、恥ずかしそうに尋ねてくる彼女がかわいくて、そっと腰に手を回し、唇を重ねる。
 突然、背中に二つのふくらみが当たる。
「そろそろ同時に二人くらい相手にしないとね…君の乳首は今から敏感になるよ」
 中曽根先輩が耳元で呟くと、後ろから乳首をつまんでくる。
 電流が走ったような快感に動きが止まる。
「そんなことで大丈夫?茶道部の活動は長いわよ?」
 耳を甘噛みされる。
「やっぱり、大きい方が良いんですか?」
 三宅さんは俺の足元にひざまずき、パンツをおろしながら言った。
「個人的には大きければムグ…」
 中曽根さんが唇を重ねてくる。
「私は嬉しいけどね」
 陰部を太ももにすりつけ、俺の乳首をもてあそぶ中曽根さん。
「私は気にしませんよ?」
 …目が笑ってないきがする…。
「…良いってわけでもないですよね?」
 あわてて取り繕う。
「そうですよね。あなたの口は本当に思っていることを言ってしまいます」
「大きい方が良いです」
 口が俺の意思とは関係なく動き、三宅さんが少し、いやかなり強めの力で陰のうを掴んだ。
 その痛みに顔がゆがみ、腰を引く。
「しょうがないわね…君はどんな刺激も快感になるわ。」
 やれやれと言った中曽根さんの言葉で、陰のうの刺激がとたんに大きな快楽へとかわる。
「どんな小さな刺激でも、すぐに射精してしまいますよ」
 三宅さんの絶望的な言葉で、精子が尿道を上ってくる。
「で…出ます!」
 そのまま三宅さんの白い肌をより白くしてしまう。
 仕返しとばかりに一度出してまだ敏感な亀頭の先を控えm…形のよい胸に押しつける。
 そんな刺激も、今の俺には十分な刺激のようだった。
「イく…イく!!」
 連続で出してしまい、力が抜けた俺は三宅さんに押し倒される。
「まだまだ私は満足していませんよ?」
 自分から騎乗位で挿入すると、動き始める。
 中曽根さんに助けを求めようと、視線を送るが
「あなたがまいた種でしょう?それに私も満足していないわ」
 といいながら顔にまたがってくる。
 下半身への刺激と、また乳首で遊び始めた中曽根さんの刺激ですぐに三度目の射精を迎えた。
「だめですよ?気を失っては。先輩は今日、私と中曽根先輩が満足するまで何度でも射精し、気を失うことはできません」
 かわいい顔して残酷なことを言う三宅さん。
 口は災いのもとってよく言ったものだなぁ、と四度目の射精をしながら思った。

<エンディングNO.3『大団円』>

 
 


 

 

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