BLACK DESIRE


 

 



3.


 僕が宮子を伴って検査道具の入ったバッグ片手に男子更衣室に向かうと、そこにはもう須藤茜が不機嫌そうな顔で待っていた。水泳帽と水中眼鏡は外し、耳が隠れるくらいの茶色いショートカットから水がぽたぽた垂れている。眉はしかめられ、口はヘの字に曲げられていた。まあ、ハルに勝って優勝した余韻に浸っていたかったろうに、そこに僕が水を差したのだから当然か。

「薬物検査なんて必要無いでしょ」

 開口一番茜は僕にそう食ってかかる。まあまあと僕は宥め、言い訳のように言い繕った。

「僕もそう思うんだけどさ。ランダムで君が選ばれちゃったんだから仕方無いよ。それに、『オリュンピア』の競技規則では参加選手が清廉潔白なアスリートである事を証明するのも勝者の最高の栄誉なんだし」
「あ……そ、そうね。薬物検査で潔白を知って貰うのも、勝った者の当然の義務よね」
「そうそう」

 この場に宮子がいるお陰で、インサーションキーを使用した新しい書き込みもすぐに伝播して共通認識となる。その為もあって、宮子には薬物検査時の「立会」を頼んでおいたのだ。

「納得して貰ったところで検査を始めようか? 安芸島さん、開始時刻を記録しておいてくれる?」
「はい」

 宮子は頷き、手元のバインダーに挟んだ紙に書き込みをした。さて、先程の認識書き換えによって、茜はこの薬物検査は「勝者にとっての栄誉ある行為」だと誤認している。ならば、勝ち気な彼女の事だ。誘導次第で面白いシチュエーションにする事も可能だろう。僕は茜の呼び出しをするまでに考えていたシナリオに沿っての演技を開始した。

「さて。ぶっちゃけ僕も忙しいし君もレース直後で疲れてるだろ? 呼び出して体面は出来たし、めんどくさいからやった事にして異常無し、で良いんじゃない?」

 僕のそういうやる気の無さそうな態度に、誤認中の茜は想定通り烈火の如く怒り出す。

「何を言ってるのよ! ちゃんと真面目にやりなさいよっ!」
「えーでもー。水着を脱いで男の僕に身体の隅々までチェックされるなんて、君も嫌でしょ?」
「ば……馬鹿な事言わないで! そんな男の子の喜びそうな事ぐらい、何とも無いわよ!」

 期間中、女子生徒は恥ずかしい格好で男子生徒を喜ばせるのも競技の目的になっている。だけど、その恥ずかしさについては特に書き換えはしていない。人にもよるけど、僕に裸を見られて恥ずかしくない訳が無いんだよね。ましてやこの更衣室内にはポロシャツにハーフパンツを着た男子の僕と、制服を着たままの宮子、そして検査対象者の茜しかいない。周りに似たような半裸の格好の女の子が沢山居るプールサイドとは状況が違うんだ。
 怒っているせいか、それとも自分がこれからやる事に対する羞恥か、茜は真っ赤な顔をしながら水着の肩紐に手をやった。

「こ……こんなの何とも無いんだから!」

 もう一度自分に言い聞かせるように叫ぶと、茜は肩紐を外して一気に水着を引き下ろした。薄い、手の平で包めそうな可愛らしい胸が露わになる。髪と同じく茶色く脱色した恥毛も股間部に見えている。そのまま少女は水着を足首まで下ろし、片足ずつ抜いて完全に生まれたままの姿となった。苛立ち紛れにロッカーに水着を放り込み、全身を赤く染めながら腰に手をやって仁王立ちする。

「これでチェックできるでしょ!」

 態度は立派だが、語尾が震えていた。僕は内心の笑いを押し殺し、真面目な風を装ってまずは立ち尽くす茜の周囲をぐるっと回って「ふーむふむふむ」と頷いた。

「な、何よ?」
「見た感じは異常無いね。ただ、おっぱいが小さめかな」
「……っ!」

 ギッと殺気すら込めた目で睨まれた。おー怖、でもこれで茜も元の勝ち気を取り戻したようだ。噛みつきそうな顔で「見るだけなの? もっとちゃんと調べなさいよ!」と挑みかかってくる。

「えー、面倒だよ。だって、君の身体の穴の部分を調べていかなきゃならないんだよ?」
「へ? 穴って……」
「耳とか」
「な、なんだ……それくらいで面倒がらないで、ちゃんと見て」
「むう。わかったよ」

 仕方ないなぁ。僕は薬物検査セットからペンライトを取り出すと、更衣室のベンチに座らせた茜に近付いて行った。

「耳に髪がかかってるから、押さえておいてくれる?」
「こう?」
「そうそう」

 ペンライトをかざし、反対の手で軽く茜の柔らかい耳たぶを引っ張りながら耳の中をのぞき込む。うーん、泳いだ後だから少し濡れている以外は異常無いなぁ。耳まで赤いのは僕に裸のまま色々観察されているせいだろうしね。
 そのままお医者さんの真似事で茜の眼、鼻、口の中を詳細に観察する。大きく開けた口の中で唾液に光る舌や、ひくついている喉の様子にふと、ここにモノを入れたら気持ちいいだろうなぁなんて考えてしまった。危ない危ない、それは後のお楽しみだ。

 「あーん」と開けていた口を閉じさせ、座ったままの茜の正面でペンライトを消した僕は腰を屈めた。

「じゃ、次は胸ね」
「胸!? 胸に穴なんて無いじゃない!?」
「有るよ、おっぱいの出る孔が」

 僕が笑いながら茜の胸の先端部にちょんと触ると、彼女は「きゃん」と似合わないくらい可愛い悲鳴を上げた。

「薬物を使うとホルモンバランスが崩れて、おっぱいが出る様になったりするんだ。まあ須藤さんなら心配無さそうだし、検査で吸ってみるのは省略しちゃっていいかな?」
「ば、馬鹿にしないでってば! 決めつけないで、ちゃんと吸ってみればいいじゃない!」

 そう言うと、茜は胸を張って僕の顔に無い乳を突き出した。「えー、もお、しょうがないなぁ」と不承不承のポーズで手を伸ばし、少女の微乳を摘む。

「……あー。ちなみに君、子供が居たりは……」
「そんな馬鹿な事有るわけ無いでしょう!」

 あちゃ。これは僕も調子に乗りすぎた。ちらっと背後の宮子の様子をのぞき見るが、特に変わった様子もなく椅子に座って用紙に書き込みを続けている。ポーカーフェイスなのか、それとも自分の記憶と感情を完全に切り離す術を身に着けているのか。取り敢えず、この場は置いておこう。
 茜の胸に向き直り、片側ずつその先端部を口に含む。懸命に声を殺しているが、きゅっと先っちょを吸い込むと「んくっ」と押さえきれない喘ぎを漏らした。

「うーん、出ないねぇ」

 ぺろぺろと突起を舐めつつ、反対の乳首を指でこねくり回しながら呟くように言う。それに茜は手で口元を押さえ、必死に喘ぎ声を堪えながら反応した。

「あ、当たり前でしょ……いい加減、諦めなさいよ……!」

 茜は無意識にか、口にやっている方と反対の手を身体の横に置き、ベンチの上をカリカリと引っかいている。それを横目で見ながら、僕は飄々ととぼけた。

「でもね、まだ乳腺が開いてないだけで、中ではおっぱいが作られている可能性があるんだよ。だから本当は胸への刺激だけで絶頂するまで検査しなくちゃいけないんだけど……須藤さんも辛そうだから、やめちゃっていいかなぁ?」

 ガリッとベンチの表面に茜の爪が立てられた。しばらくその手がぶるぶると震えているのを見ていたが、上からの少女の呟き声に顔を上げる。

「……え?」
「つ、続けて……」
「もう良いじゃない? たぶん出ないよ」
「いいからっ! 私がイクまでおっぱいを吸い続けなさいよ!」
「……もう、しょうがないなぁ」

 僕が再度茜の乳首に吸い付くと、今度はもう彼女は喘ぎ声を堪えたりしなかった。「あぁっ、ああぁん」と僕の吸い込みによって与えられる刺激に合わせて悩ましげな声を漏らす。もじもじと膝が擦り合わされ、その間にちらっと見えたベンチの表面は、彼女の股間から溢れた液体でぬらっと照り光っていた。

 やがて、茜の全身はただでさえ羞恥で赤らんでいたのが、さあっと火照った様にピンク色になる。全身から汗が滲み、発情した女の子の匂いがむあっと胸や股の間から立ち上り始めた。ベンチの表面を掻いていた手が縁を握り締め、ぶるぶると震え始める。

「ひっ……いっ……いくっ……いくっ……!」
「イきそう?」

 ガクンガクンと茜の顎が上下に揺れる。額から汗が滴り落ちた。頃合いと見た僕は彼女に強い刺激を与えるべく、最大の吸引力で片方の乳首を吸いながら、反対側を指先で摘んでコリッと押し潰した。

「……っ! 〜〜〜〜っ! 〜〜〜〜っ! 〜っ!」

 茜の馬鹿力に握り締められたベンチがみしっと悲鳴を上げる。少女は歯を食いしばり、声にならない喘ぎを噛み締めながらびくんびくんと全身を震わせ続けた。30秒くらいその状態が続き、唐突に終焉を迎えるとくらっと横に倒れかかる。

「およっ」

 僕は彼女の胸から顔を離して肩を支えてやった。力が抜け、自重を支えられなくなった彼女の体重がずしっともろに腕にかかる。

「はぁ、はぁ、はぁ……」

 茜は先程のレース直後もかくやという位息を乱している。焦点のぼやけた瞳で僕を捜し、ようやく視界に捉えるとそんな状態にも関わらず火照った顔で勝ち気に眉を上げた。

「こ、これでわかったでしょ。私が薬なんて使ってないって」
「ん。まあ、ホルモンバランスが正常な事は間違いない」
「……まだ有るの?」

 初めて茜の表情に少しだけ弱気な陰りが見えた。ちょっと、虐めすぎたかな? でも、やれって言ったのは茜本人だからなぁ。

「検査は体中の穴を調べるって言ったでしょ? 後は君の腰回りなんだけど……イったばっかりだし君も見られたくないよね? もう上半身だけの検査で終わりにして結果良好で終わりにしたいんだけど……」
「な……何言ってるのよ!」

 お、まだ元気だ。さすが現役体育会系は体力も気力も鍛えられているなぁ。茜は僕の手を振り払うと、自力で身体を起こした。

「ここまでやっておいて途中で止めるなんて出来ないわ! 続けてよ!」
「でもさ、君だって検査のためとは言え、男の僕に股間の割れ目を開いて見せるなんて出来ないでしょ?」
「っ!……で、出来るわ!」
「……無理しなくて良いよ」
「うるさいっ! 出来るって言ってるでしょ!」

 そう叫ぶと、ムキになった茜は両脚をベンチに上げ、M字開脚の格好をした。そして、勢いのまま両手をその間に持って行って茂みの中に隠れている割れ目を指を使って割り開く。

「ほら、これくらい簡単なの! だからちゃんと検査しないさいよ!」
「もう、わかったよ……」
「そんな遠くからじゃなくて、座ってちゃんと近くで見て!」
「はいはい」

 茜の指示通り、僕は膝を付いて少女の腰の高さに目線を置いて顔を近づけた。目の前で、絶頂を迎えたばかりでまだひくつきつつ濁った液体をこぼす少女の性器が露わになっている。そこは赤く充血しててらてらと濡れ光る粘膜を、少女自身の指によって広げられて僕の視線に余すところ無く晒されていた。

「……どう? ちゃんと見えてる?」

 僕が黙ってそこを観察していると、不安になったのか茜が目を逸らしながら尋ねてきた。僕は「ふーむ」と顎に手をやる。

「穴の中が良く見えないな。無理なら止めようか?」
「……っ! さっきのライトで見ればいいじゃない! 楽な事ばかり考えないでよ!」

 そう言いつつ、茜は指を持ち替えて膣口を引き延ばすように四方向に押し開いた。ペンライトを向けると、白い筋状の彼女の処女膜が入り口付近にばっちりと見えた。スポーツしている娘は知らぬ間に破れちゃう事があるらしいけど、茜は無事だったようだな。良かった良かった。

「処女膜が見えるね。男性経験は無いんだ?」
「そ、そうよ。悪い?」
「別の意味でね。処女の女の子にこの薬物検査はやっぱ悪いなぁと……」
「私は平気よ。処女膜を確認されるくらい、何でもないんだから」

 ふん、と鼻を鳴らしそうな勢いで勝ち誇った笑みを浮かべる茜。ふむふむ、まだ行けますか。

「でもさ、男性経験も無いのにお尻の穴の中まで確認されるのは嫌じゃない?」
「え?」
「検査、一応腰回りの穴って事で肛門を開いて直腸も見なきゃならないんだけど」
「……っ!」

 再び茜の顔色がさーっと真っ赤になった。膣は良くて肛門は駄目なのか。その基準が良くわからないんだけど。

「お尻は駄目って言うなら検査は打ち止めにするけど?」
「だ、駄目っ、とは、言ってない……じゃない」
「でも、恥ずかしいでしょ」
「検査だから、し、仕方ないわ……」
「もう良いじゃない。検査も8割終わりだし、後は適当に問題無しで用紙を埋めればさ」
「ま、またっ! そういう……!」

 ばっと顔を上げると、茜は猛然と立ち上がった。そして僕にお尻を向け、脚を開いて身体を倒し、片手をベンチに付ける。そして、僕に肛門を見せつけるように反対の手でお尻を引っ張った。

「私は平気! ぜんっぜん平気なんだから!」
「……無理してない?」
「してない! 恥ずかしくもないわ! 肛門くらい何よ! しっかり開けて、直腸の中までちゃんと確認して!」
「……わかったよ」

 そこまで一生懸命頼まれちゃしょうがないよね。僕はセットの中から透明な肛門鏡を取り出した。今日のこれは一味違う。最初から水着の魔力でお尻が解れていることを見越して、2回りは太く、長いサイズの物を用意してあったんだ。茜は水着を脱いじゃったけど、解れた括約筋や内部浄化の効果が即座に失われる訳でも無い。

「ほら、お尻を開くよ。力抜いて」
「遠慮なんかしないでよ」

 茜の強気な発言で意を決し、僕は器具を少女の窄まりに押し当ててぐいっと押し込んだ。魔法効果と絶頂による効果の相乗作用による物か、僕の指を4本束ねたぐらいあるそれは、ぬるるるるっと吸い込まれる様に中に入っていく。

「んぅううううっ!」

 茜が押し殺した悲鳴の様な声を上げる。だけどそれは苦痛によるせっぱ詰まった感じは無く、腰からこみ上げる熱に堪えきれず息を吐いた様な熱さを伴っていた。
 器具の縁の所まで完全に沈み込み、僕はそれのネジを回して開き始める。先端かペリカンの嘴のようにぱかっと割れて茜の内部の様子を晒し始めた。

「……よし」

 十分に回したところで固定し。僕はペンライトで茜の肛門の中を照らし出した。器具の先端部は5cm位割れて離れ、少女の直腸粘膜を露骨過ぎるくらい明け透けに晒しものにしている。

「うわぁ。君のお尻の中、綺麗にピンク色にてかてかしてるよ」
「せ、説明なんてしないでいいわよ!」
「なんで? 検査なんだし状況も知りたいでしょ?」
「くっ……!」
「奥の方にもう1つ狭いところがあるね。これ、何だろ?」
「し、知らない! それも検査に必要なのっ!?」
「いや……」

 奥に見えている窄まり、もしかしてこれが宮子に上に乗られた時に体感した「二重ノ扱キ(フタエノシゴキ・郁太命名)」の正体だろうか。こんなところまで自在に操るなんて、もう1人の宮子はどんな風に男に仕込まれたんだろう? ……やっぱり、ちょっと知りたくなってきた。

 茜の方はと言えば、勝ち気な態度を取っているけど肛門の中を覗かれさらに評価されて羞恥心は限度一杯ぎりぎりといった様子だ。僕の中にさらなる悪戯心が沸き上がる。……例えばだけど、茜にこのままみんなの前に出てって言ったらどうなっちゃうんだろう?
 僕は茜が恥ずかしさに僕の顔をまともに見れていないのを良い事に、「あれ? 呼び出しだ」とわざとらしく聞こえる様に言ってトランシーバーを耳に当てた。そして不安げな少女の注目がこっちに向いているのを確認し、宮子に目配せしてから大きな声で通信先と連絡しているフリをする。

「はい、委員長です……あ、もう表彰の準備できた? こっちはまだ検査の途中なんだよね」
「……!」

 茜の動揺が直腸粘膜の震えで見て取れる。僕は笑いを噛み殺しながら演技を続けた。

「進行が押してる? んー、じゃあ、検査もほとんどシロで決まりだし、続きは表彰の後って事で優勝者には表彰台に上って貰おうか?」

 おお、ひくひくと中がうねってる。動揺してる動揺してる。

「取り敢えず聞いてみるよ。準備だけ進めといて。じゃ、決まったら連絡するから」

 トランシーバーを腰に戻し、僕は真面目な顔をしながら前に向き直った。そこには、まだベンチに手を付いてお尻を器具に最大拡張されたままの茜が不安そうに横顔を見せている。

「ど、どうするの……?」
「仕方ないね。ここでお尻を閉じちゃうと『オリュンピア』の決まりでは検査はやり直しになっちゃうから、このまま表彰式に出てくれない?」
「はあ? こ、こんなの入れたままで、裸で表彰なんて……!」
「じゃあやっぱりここで検査止めようか? 別に僕は競技がスムーズに進行すれば文句は無いから君がシロだろうとクロだろうとどっちでも良いんだけど」
「ばっ……! そっ……!」

 茜は思わず起きあがって僕の方を向き直ろうとし、お尻の異物感にひょこっと腰を突き出した。さすがにあんなにおっきな口を開けた器具が入ってると、まともに立つのも大変か。笑いを懸命に押し殺して僕は言葉を続ける。

「大丈夫。みんなには須藤さんが薬物検査の途中でお尻を拡張している最中だって説明するからさ。何だったらカメラで君の直腸内部の様子をズームしてモニターに写して、みんなに見て貰えばいいよ。何たって『選手が清廉潔白なアスリートである事を証明するのも、勝者の最高の栄誉』なんだからさ」
「……!」

 茜の顔が怒りとは違う感情に真っ赤に燃え上がった。きっと、表彰台でメダルを貰いつつ、お尻側からマクロ撮影された内部映像が電光掲示板の横のモニターに大写しされる光景を思い描いたのだろう。僕も同じ光景を想像し、鼻の穴と股間を膨らませる。何て素晴らしい! 僕はもう、笑いを隠すつもりもなく茜に呼びかけた。

「やっぱ無理だよね。止めといた方が良さそうだ」
「……! や、やるわ! やってやろうじゃない!」

 茜はもう、自分でも何を言っているのかわからなくなってるんじゃないかな? 興奮のせいで呂律すら怪しい感じで早口に言い募る。

「わ、私が優勝したんだから薬物検査受けて裸になるのは当然でしょ!? おっぱい吸われてイキなさいって言うなら表彰台の上でイってあげるわ! お尻の中だろうが、処女膜だろうが好きなだけカメラで撮ればいいじゃない! みんなが納得するまで見せてあげるわよっ!!」

 うひょー! 茜がキレちゃったよー! 負けず嫌いもここまで徹底すると身を滅ぼしかねないよね。でも、本当にこれを実現してしまうと、毎種目の優勝者を同じ様に羞恥プレイに晒さないと不公平になっちゃうから、非常に名残惜しいけど今はお預け。僕は沸騰し過ぎて蒸気機関車みたいになっている茜を「どうどう」と宥めつつ再度トランシーバーを手に取った。

「……あ、そうなの? 手違いで表彰が遅れるんだ? なら、まだ時間有るね。うん、うん。検査が終わったらそっちに連れて行くよ。他には? 無い? うん、じゃあ」

 僕がトランシーバーを腰に戻した時には、茜はぽかんと口を開けっぱなしにしていた。全く、上も下も締まりがないなぁ、僕のせいだけど。

「聞いてた? という訳で検査の続きをする時間が出来たけど……やっぱここで止める?」
「……止めるわけ無いでしょっ!」

 茜はやけっぱちの様に怒鳴った。



 器具を茜の肛門から取り出した後、僕は自分の手でもその柔軟性を確かめてみたくなり、聞いてみた。

「検査官の指で括約筋の柔軟性を確かめなければいけないんだけど……男の指をお尻に入れるなんて嫌だよね?」
「へ、平気よ、お尻に指を入れられるくらい! 何本でも突っ込んで伸ばしてみればいいじゃない!」

 許可が出たので、言われた通りに左右の人差し指を第2間接まで押し込み、注意しながら上下に限界まで押し開いてみた。ぐぱぁと再度奥の方の狭いところまで晒された茜の直腸の光景にまたも感動する。女の子の身体って、ほんとこんな所も柔らかくて可愛いね!

 満足して茜の尻穴を解放した僕は、いよいよ最後の検査だと前置きして彼女に2枚の青と赤の付箋の様な紙片を手渡した。

「……? これは?」
「薬物試験紙。使い方は、これにおしっこをかけると色が変わるから、その色の変化具合で君の身体の中に残留する薬物を見るの」
「へえ。おしっこ、するんだ……」

 散々身体の内外を僕に見られている茜だけど、それでも排泄姿を見られるのはまだ戸惑いが有るようだ。僕は自分でも内心「僕もしつこいよねぇ」と苦笑しつつ、朗らかに笑顔を浮かべた。

「じゃ、後は1人でできるよね? 隣のシャワー室でやって、終わったら結果だけ教えてくれる?」
「はぁ!? ここまで来て放り出すの!?」
「だって、人の排泄姿なんて見たくないし、君だっていくらなんでも自分の放尿シーンは僕に見せたくないでしょ? 結果だけ教えてくれれば疑わないからちゃっちゃとやって来てよ」
「そんなの駄目よ! 当たり前じゃない! 検査なんだから嫌でも何でもちゃんと目で見て確認しなさいよ!」
「でも……恥ずかしくない? おしっこだよ?」

 僕が上目遣いに確認すると、茜は怯むことなく言い切った。

「おしっこするところを見られるくらい平気よ! ちゃんとあなたも私が出すところを確認して、検査の結果を確認しなさい!」

 そういう訳で、僕たちは茜を先頭に男子更衣室隣のシャワー室へと移動した。「ここにすればいいかな」と僕は排水溝の蓋を1つ開けてあげる。

「じゃあ、僕はあっちを向いてるから……」
「あなたも往生際が悪いわね。私の前でしゃがんで、近くでちゃんと見なさいよ」
「うう、わかりましたぁ」

 蓋の開いた排水溝を跨ぎ、茜がしゃがみ込む。見えやすいようにする為か自ら膝を一杯に開いた。それだけで腿の内側の筋に引っ張られて股間の割れ目が少し口を開く。僕はその前に渋々といった感じでしゃがみ、あからさまに目線を泳がせて少女の膝のあたりを眺めていた。

「……どこ見てるの?」
「え? その……膝?」
「ちょっと、やる気有るの!? ちゃんと出るところ見てなさいよ!」
「あ、うん。だけど、女の子のおしっこの出口なんて詳しく知らないから……」
「もう! 検査をやるならちゃんと勉強しておきなさいよ!」

 そう言いながらも、茜は先程の検査紙を僕に預けると指を使って自分の股間部を割り開いた。そして、反対の手でその部分を指さす。

「ここ! ここが女の子のおしっこの出るところ!」
「そのちょっと飛び出てるの?」
「それはクリトリス! その下!」
「えっと……これ、膣じゃない?」
「それとの間よ! ちょっと小さいけど穴があるでしょ?」
「ん〜……見えない」
「もう……!」

 茜は手を伸ばして僕の頭を掴み、自分の股間に数センチの位置まで引き寄せた。そして、僕の目の前で指を使っておしっこの穴をめいいっぱいに引き延ばして見せる。ぱくっとちっちゃくそこが口を開くのが見えた。

「ああ! これ! 全然気が付かなかった!」
「わかった? そこが女の子のおしっこするところなのよ」
「何て言うの?」
「尿道口……だったかな?」
「にょうどうこう、ね。勉強になるなぁ」

 僕が繰り返したのを聞いて、茜は頷いた。穴を周辺を開いていた手を離し、片手で割れ目を開くポーズに持ち変える。

「場所がわかったなら今から出すから、ちゃんと見てなさいよ」
「……あんまり見たくないなぁ」
「我慢しなさいよ! そんなに溜まってないからすぐ済むから!」

 相変わらず乗り気のしない様子の僕に苛ついて怒鳴る茜。そして僕に向かって片手を差し出した。

「?」
「検査の紙! さっき預けたでしょ!」
「ああ、はいはい。これね」
「本当にやる気無いわね……でも、ちゃんと最後まで見て貰うからね」

 じいーっと僕の目線が自分の股間に向かっている事を確認し、茜はしゃがみ疲れたのか一度足を踏み換えた。

「おしっこの穴、見てる?」
「見てる見てる」
「じゃ、出すからね」
「おっけー」

 僕が見つめる中、茜の秘部に開いた小さな穴からぴゅっと一瞬水流が飛び出す。「おっ」と僕が声を上げると同時に、続けてぴゅうーっと捩れた水流が出始めた。それは一気に勢いを増すと排水溝の中にじょろじょろと飛沫を弾けさせる。茜は顔を赤らめながら片手に持っていた2枚の色違いの試験紙を股間に近付けた。

「このまま濡らせばいいのね?」
「ちょっとでいいよ」
「……何か、赤っぽくなったけど……」
「そのままちょっと持ってて」

 先程の言葉通り、茜の放尿はすぐに終わりが来た。飛び出てきていた水流は急速に勢いを失い、ぽたぽたとした水滴に変わる。やがて、きゅっとお尻の穴の収縮に合わせてぴゅっと残滓が飛び、完全に止まった。僕は茜を待たせたまま排水溝の中をのぞき込み、そこからむわっと漂ってくる臭いに顔をしかめて茜を見上げる。

「あのさ、試験項目におしっこの出てるところの臭いチェックが有るんだけど」
「……か、嗅げば? みんな同じ様な臭いだろうし」
「女の子として、男子におしっこ直後の尿道口の臭い嗅がれて嫌じゃない?」
「〜〜っ! いいから嗅ぎなさいよっ! 女だろうが男だろうがそんなところ臭いに決まってるでしょ!」
「まあ、そうだよね」

 僕は納得したように頷き、まだ拭いてもいない茜の股間部を遠慮なくくんくんと臭いを嗅いであげた。一応、感想として無難に「おしっこの臭いがする」と教えてあげる。茜の顔は真っ赤に火照っていた。

「それよりこれ、試験紙! これはどうなのよ!」
「ああ、それ? ちょっと赤くなるくらいで正解。正常だよ」

 まあ、薬物試験紙なんて本物は用意できないし使い方もわからないから、ただのリトマス試験紙なんだけどね。健康な人の尿はだいたい弱酸性だから、ちょっぴり赤くなった茜のおしっこは正常値って事。
 僕の返答を聞いて、茜は目に見えてほっとしたようだった。色が変わったから何か反応が出たのかと心配していたんだろう。僕は一応後ろにずっと控えていた宮子を振り返り、「結果はどう?」と聞いてみた。

「検査した全項目、異常有りませんでした。薬物の兆候は見られませんね」

 一応記録用紙をざっと眺めながら宮子が答える。まあ、僕も異常なしとしか報告した覚えは無いし当然の事だ。

「じゃあ、これで薬物試験はパスって事ね?」
「そういう事。お疲れさま、疑いも晴れて君の優勝は確定したよ」
「そ、そうね。まあ、当たり前だけどね」

 僕からティッシュを受け取り、股間を拭きながらも茜は嬉しそうだ。初めてここまで無防備な笑顔を見た気がする。

 僕は宮子に「結果を役員席に報告に行ってくれる?」と頼んで先に帰す事にした。頷いて記録用紙と検査セットを手にシャワー室から出て行く宮子。考えてみたら、当たり前の様に僕ら出入りしてるけどここって本来は使用されない星漣女学園の「男子専用区画」なんだよなぁ。僕が星漣に侵入し続けているせいでみんなの感覚がおかしくなってきている気がする。

 茜はティッシュをゴミ箱に捨てると、一応という感じで僕に聞いてきた。

「終わったなら帰りたいんだけど」
「ああ、まあ、検査は終わりだね」
「帰っていいのね?」
「いいよ。けどね……」
「何よ?」

 僕は自分のハーフパンツの前を指さした。そこは結構前からぱっつんとテントを張っている。茜が「あっ」とまたも顔を赤くした。

「君の裸見てたら出したくなっちゃった」
「しゃ、射精したいってこと?」
「君のポイントになるけど……やっぱり自分の裸で射精されたら気分悪いよね?」
「そ、そんな訳無いじゃない! 好きなだけ見て、だ、出しなさいよ!」
「いいの? さっきの君のおしっこ姿思い出しながらするけど?」
「馬鹿っ! 聞かないでよ! 勝手にやって!」

 所在なさげに顔を逸らしたが、ちらちらとこっちの様子を窺っている様子はある。興味津々、って感じだね。試しにパンツを下ろしてモノを露出させると、息を飲んでこちらを凝視していた。僕はニヤリと笑いを浮かべ、先程茜が放尿した排水溝を跨いだ。

「さあて、じゃあ僕もせっかくだしこの排水溝に出しちゃうかな」
「え!? ちょ!? 待って! 何で!?」
「え? だって他に出すとこ無いでしょ?」
「男子生徒の精子は役員へのご褒美に取っとくんじゃないの!?」
「入れ物もないし。あ、しまった。安芸島さん帰っちゃった」

 白々しく入り口の方を残念そうに見つめ、それから予定通りの台詞を僕は言った。

「ま、飲む人も溜める入れ物も無いし捨てるしかないよ。いくら美味しいって言っても精子なんて気持ち悪いもの、須藤さんも飲めないでしょ?」
「……っ!」

 ……ああ、この表情。茜はほんとに楽しいなぁ。

「飲めるわよっ! 精子くらい、いくらでも飲めるわ!」
「あのさ、君は役員じゃないんだし。男性経験も無いでしょ? 精子飲んだ事、ほんとは無いんじゃない?」
「無いけどっ! だけど平気、飲めるわ!」
「……気持ち悪くなって吐いちゃわないかなぁ」
「平気だって言ってるでしょ!」
「……やっぱりいいよ、ここでするよ」
「ま、待ちなさいよっ! そんなところに出したら詰まっちゃうかもしれないでしょ!」

 茜は勢い良く僕の前に駆け込んできた。ピンと立った初めて見るペニスの姿に一瞬顔を赤くするが、ぐっと口をヘの字にしてさっきのように排水溝を跨いでしゃがむ。

「私の口に出しなさい! それでいいでしょ!」
「良くないよ。詰まらないようにシャワーで流しながらするから、無理しないで良いよ」
「無理なんてしてない! 見てなさいよ!」

 茜は僕の手から反り返ったモノを奪い、自分の顔に向けた。先端部がまともに眉間と向き合い、両目が寄って一瞬動きが止まる。

「……あのさ、言っとくけど男はここからおしっこも出すからね?」
「な、何よ! 大した事じゃ無いわ!」

 茜は一瞬怯む素振りを見せたが、目を瞑ってぱくっと僕のモノを口にくわえた。そのまま頭を突き出して喉奥の方まで飲み込んでしまう。

「んぅ!? ぐぅ……!」
「そんなに奥まで入れると苦しくない?」

 うっすらと涙を浮かべながら眉を寄せて僕を上目で睨む茜。その視線は相変わらず「平気に決まってるでしょ!」と強がりを言っていた。しょうが無いなぁ、僕は女の子に悪戯するのは好きだけど、苦しめるのは嫌いなんだ。

「喉の方まで入れなくていいんだよ。それにもうすぐ出るから、手で扱いた方が早い。半分抜くよ?」
「んっ……んんぅう〜〜〜!」

 腰を引いて茜の喉からモノを引き出す。ピンクの唇からぬろろろろと彼女の涎にまみれた竿が半分吐き出された。茜の熱い口の中から出てきて、濡れたその部分がひやりとした室温を知らせてくる。僕はカリの部分にうねうねとした茜の舌の動きを感じつつ、竿を握った。

「じゃ、出しちゃうね」
「……!」

 最近はいろいろと射精のシチュエーションが豊富な為、自分でも出すとき、堪えるときのそれぞれのツボの様なものを身につけつつあった。ギンギンに張り詰めていても出さないように沸点を躱したり、逆にそれなりに勃起していれば、放尿の様に軽く放出したり。今は当然後者だ。僕は腰の中にあるバルブをくいっと捻る様に小規模な快感を軽く解放した。ぶばっと尿道を白濁液が駆け、モノの先端に殺到する感覚が訪れる。

「んんっ!?」

 舌の上にどぶゅり、どぶゅりと弾ける熱い粘液の感覚に茜は目を丸くした。即座にそれは口の中を覆い尽くす勢いだったため、否応無く彼女は嚥下を開始する。ごく……ごく……と粘って絡みつく液体が喉を通っていく様が外からでもわかる。茜は目を瞑って眉根を寄せ、しゃがんだ姿勢のまま僕の太腿のあたりに手を置いて懸命に大量の精液を飲み干そうとしていた。
 軽い解放だけにこの射精はそれほど長くは続かない。せいぜい30秒くらいだ。甘くとろけるような陶酔感が去っていき、視界が直前にいたシャワー室の光景を取り戻す。僕はモノに伝わってくるもごもごと熱い感触に腰に茜をぶら下げていた事を思い出し、少し腰を引いた。

「……?」
「出し終わったよ?」
「んっ……」

 ぬるるっと茜の舌に乗っていたカリの部分が引き抜かれ、唇がちゅぽんと音を立てた。「ぷはっ」と茜が息を付いたとき、その口から濃い精液臭が漂った。

「ほ、ほらね? 大丈夫だったでしょ?」
「ほんとだ、全部飲んじゃったんだ?」
「当たり前よ。これくらい簡単なんだから」

 得意そうに言った側から「けぷっ」小さく口から音を出し、ついでに先程より強い臭いも発した。僕は笑いを堪えるのに必死にならなければならなかった。たぶん、茜の胃は縁の所まで僕の精子で一杯なんだろう。
 必死に真顔を取り繕い、茜を促して立ち上がらせた。

「じゃあさ、この後表彰式だから表彰台の所に行ってくれる? 場所はわかる?」
「役員席の西側のところでしょ? わかってるわ」

 そのまま少し膨らんだお腹を気にしつつさっき宮子が出て行った出口からシャワー室を出て行こうとする。ちょっと心配になり、その後ろ姿に声をかけた。

「念のため言っておくけど、水着を忘れないでね?」
「あ……わ、忘れてないわよ?」

 明らかに自分が裸な事、失念してたよね? まあ、こんだけいろんな事されちゃ、それくらいで動じなくなっても仕方ないか。くるりと更衣室側の出口に向かう茜を見送り、それからようやくぷっと吹き出した。あーおかしい。面白いなぁ、茜って。



 その後、ちゃちゃっとシャワー室の後かたづけをしてプールサイドの自分の席に戻ると紫鶴が立ち上がって「お疲れさまでした」と迎えてくれた。相変わらずの見事な腰つきです、紫鶴さん。

「ちょっと記録用紙借りますね」
「はい、どうぞ」

 約束だし、茜の分の記録を付けないとね。最初の用紙には先程の分が紫鶴のたおやかな字で記入されている。僕はそれをめくると、新しい用紙に必要事項を書き込んでいった。

(射精対象者は須藤茜、立ち会いは……僕でいいか。奉仕員は無し、射精場所は本人口内、精液の処置は本人が全飲……これでいいかな)

 一通り記入を終えて顔を上げると、紫鶴がこちらをじっと見つめていたので「えっと、何ですか?」と聞いてみる。

「もしかして、薬物検査で射精されたんですか?」
「ええ、まあ……」
「そうですか……」

 ちょっと上目で僕の方を見つめてくる紫鶴。ややあって、呟くように、しかしちょっと迫力有る声で僕に笑いかけながら言った。

「次、薬物検査の機会が有ったら私もお供しますね」
「え? 別に紫鶴さんは……」
「必ず教えて下さいね、郁太さん」
「は、はい……」

 ……仕事を取られたって、怒ってるのかな? 紫鶴に悪い事しちゃったかなぁ。
 ちょっと気まずくなった僕らだけど、ちょうどそこに宮子がやってきて表彰式の準備の完了を告げてくれた。これ幸いとちょっとだけご機嫌ナナメな紫鶴を置いておいて表彰場所へ向かう。

『25m自由形の結果発表を行います。第1位、3年榊組、須藤茜さん。時間……』

 結果はやはり優勝が茜で、ハルは2位だった。3位は驚いたことに1年生の娘で、びっくりするくらい手足がすらりと長い長身の娘だった。茜と同じ水泳部らしく、どうやら今年のホープみたいだな。新人戦でも活躍したんだろう。

 お馴染みのBGMをバックに表彰台に上がり、僕に金メダルを首にかけて貰うとまたも茜は例のナンバー1ポーズをした。お気に入りなのかな、これ。さっきまで真っ赤になっておしっこしたり精液飲んでたりした姿とは大違いだ。
 ハルの方もそれほど落ち込んだ様子も無く、胸を張って銀色のメダルを受け取った。まだもう1種目参加するんだし、次に期待だな。

 最後に会場のみんなから大きな拍手で讃えられ、表彰式は終わる。解散する直前、僕は茶目っ気を出して茜に耳打ちした。

「ねえ、次の種目で優勝しても、もう精子は飲みたくないよね?」

 茜はさーっと耳まで顔を赤くし、顔を背けて「ばっかじゃない!」と言い捨てる。そして、ちょっとだけ間を置いて付け足した。

「……でも、また捨てるって言うなら私が飲んであげるわよ!」

 はは、ほんとに茜って面白いよね?





4.


 競技は若干の遅れはあったが、おおむね順調に進行していた。25m競泳種目を自由形、平泳ぎ、背泳ぎ、バタフライの順に進行し、それぞれに結果発表と表彰式と健康チェックと偶に薬物検査、そしてそれ以外のセクハラ行為(ただし相手側からは喜ばれる)をこなしていく。
 さて、ここまでで競泳系の種目はいったん進行が止まり、次はいよいよ多人数参加の水上競技の一発目だ。もちろん僕が考えた特別ルールの奴ね!

『ブログラム5番。水上球入れに参加する選手の方は、各チーム応援席の最前列にお集まり下さい』

 アナウンスに従い、東西の階段状の観覧席に動きが起きる。予め登録されたメンバー達が声援を受けながら整列を始めたのだ。同時に数人の役員がポロシャツとポーチを外して全裸になり、プールに入って会場準備を開始する。

 「水上球入れ」は星漣体育祭にもとから存在した競技だ。ルールとしては深さ75cmに設定した浅いプール全面を競技エリアとして使い、その四隅に各組カラーのフラフープを浮かべてそこをゴールとしてカラーボールを投げ込む事になっている。だが、ゴールエリアであるフラフープから3m以内は、立ち入り禁止に指定されている。だから、ボールはそのエリアの外から投げ込まなくてはならない。また、ゴールとなるフラフープも大を2つ、小を1つ浮かべ、プールの内側に近い大に入ったら1点、一番遠い小なら3点で計算する。
 このゲームのミソは、最初にプールの中央部にたくさん浮かんでいるカラーボールを如何にして自分たちのゴールエリア付近まで持ってくるか、そしてぷかぷか浮かぶボールをゴールから弾き出さないように如何にコントロールして投げ込むか、である。
 参加人数は各組の各学年毎に4人。つまり1チーム12人の、計48人の女の子が入り乱れてボールを取り合い、投げ合うことになるのだ。
 なお、応援席とゴールエリアはプールの対角線上に配置されているため、基本的にプール外に飛んでいったボールは居残り応援組によってプール中央に投げ返される事になる。

 今回、この「水上球入れ」を僕好みにアレンジするために追加したルールは2つ。1つ、選手はチームTシャツを着て参加しても良く、それを着たままボール運びに利用しても良い。2つ、ゴールエリアの境目に水面ギリギリになる様に長い台を設置し、その台に腰から上の範囲の体を乗せてボールを投げても良い。この2つのルールの効果は……お、ちょうど解説役も到着したしその娘達に任せようか。

 役員の1人に引き連れられて運営委員長席の隣に設置された特設実況席・解説席にやってきたのはテニス部の次期ゴールデンコンビと噂の2年生・三嶋愛(みしまあい)と1年生・望月澪(もちづきみお)の2人だ。ウグイス嬢の水原菊子は放送席に張り付けだから、刻々と変化する競技実況には向いていない。そこで僕は事前に運動部の元締め早坂英悧に相談し、こういった実況解説に向いてそうな人物を貸し出して貰ったのだった。

「よろしくお願いしまーす」
「よろしくお願いします」

 澪の方は屈託無く笑いながら、愛は少し緊張気味に僕に向かってぺこりと頭を下げ、それぞれ「実況」と「解説」と名札が置かれた席に座る。2人のトレードマークとも言えるツインテールとポニーテールが一緒にぴょこんと跳ねた。一応、2人とも本番に強いタイプと聞いているけど、リハーサルも無しで大丈夫だろうか?

「自治会長の方からお墨付きで来て貰ったけど、こういうのやった事あるの?」
「ありませーん。でも、愛センパイと一緒なら大丈夫です!」
「……澪がこういう娘なんで、任せちゃいますけどいいですか?」
「ま、自信が有るなら、いっか」

 ちょっと不安もあるけど、澪の方は結構ノリの良さそうなタイプだし信じてみよう。
 僕の心配を余所に、張本人の澪は早く始めたくてウズウズしている様だ。八重歯を剥き出しに「委員長! もう始めていい!?」とこっちに身を乗り出してくる。トランシーバーで確認してみると、もう少し準備に時間がかかるとの事。

「じゃあさ、ざっと2人でルールのおさらいとかしてみて」
「らじゃーっ!」

 澪は右手で敬礼の真似事をするとマイクのスイッチを入れた。「あー、あー、マイクテス、マイクテス、テステステステス」と適当にマイクチェックした後、ちらっと僕を見たのでOKのサインを出してやる。すると突然マイクを握ってガタンと立ち上がり、急激にテンションを上げて放送開始した。

『はいどーもー! わたくし、水上競技種目の実況をやらせていただきます1年の望月澪でーっす! イェーッ! そしてお隣はー!』
『どうも、こんにちは。競技解説をやらせていただきます、2年生の三嶋愛です』
『はい拍手ーっ!(ぱちぱちぱちぱち)……そして更に、そのお隣! 今回の特別ゲスト!』

 え、僕に振る? あわてて自分のマイクのスイッチを入れた。

「ど、どうも。運営委員長の達巳です」
『以上の3人で水上競技の見所ご紹介、実況、解説、その他諸々放送させていただきまーす!』

 わーっ、ぱちぱちぱちと応援席からも歓声と拍手が響いた。「みおーっ! あいーっ!」と何処かから応援する声も聞こえてくる。テニス部の人かな? それに2人は座席から手を振って応えた。

『ありがとうございまーす。……では、早速なんですけど愛センパイ? この「水上球入れ」ってどんな競技なんでしょうか?』

 ひとしきり拍手や手を振って歓声に応えた後、澪は座席に戻って愛に振って場を仕切っていく。

『はい。この競技は星漣体育祭の伝統種目で、陸上での球入れを水上競技にアレンジしただけなんでイメージは掴みやすいと思います。詳しくは時間が無いので実施要項を読んでくださいね』
『おおー、早速ぶっちゃけますねー! ところで、今回の大会に限りいくつかのルール変更が有る様なんですが、これは何故でしょうか?』
『それは今年から学園に男子生徒が編入したので、その生徒に楽しんでもらえるようにアレンジしたからですね』
『これもぶっちゃけちゃいますけど、運営委員長の事ですね?』
『まあそうです。その分ご本人には楽しめるルールになっているのでは無いでしょうか』
『ははあ、なるほどー。自分を楽しませるために新ルールを追加するなんて職権乱用みたいな気がしますけどねー』

 そ、それは言わないお約束だろ! プールサイドのあちこちから笑いが起こる。何だか2人のノリにみんなが引き込まれつつある様だ。人をダシにしたのはマイナスだけど、自信たっぷりに豪語しただけの事はあるか。
 澪は僕からの注文も忘れてないよ、とこっちに軽くウインクしてからトークを続けた。

『……ではでは、競技開始前にその変更点を確認しておきましょー。ええと、まずは服装の変更ですね』
『はい。例年ですと水着とチームカラーの鉢巻きで参加になっていましたが、今年はチームTシャツのみ着用可能になっています』
『ほおー。下に水着は着ないんですね?』
『Tシャツだけです。だから、普通に立っているだけで下が見えてしまいます』

 君達も応援席から来たから今は同じ格好してるんだけどね。僕はほぼ無毛の澪の股間と薄い茂みがかすかに覆う愛の股間を見比べ、更に反対側の席にも目をやった。「どうかしましたか?」とにっこりしながら首を傾げる紫鶴。うう、この人の下半身は本当に僕の股間に悪いので、慌てて元の方に視線を戻した。澪と愛のコンビの解説は続いている。

『ふむふむー。いかにも男の子の喜びそうな格好ですねー。でも、Tシャツじゃプールの中での競技で邪魔になるんじゃないですか?』
『今回のルールでは、Tシャツをボール集めに使っても良い事になってるんです。シャツの裾を引っ張ってかご代わりにボールを入れて持っていけるんですね』
『あらまあ。ではせっかくシャツを着ていい事になってるのに、結局はボールを集めるのに自分からはだけてしまう訳ですね』
『そういう事です』

 ま、これがこのルールの第1の目的だからね。恥ずかしい格好になるとわかっていても勝利のためには自らシャツを捲らなくてはいけない。このアンビバレンツがエロスに繋がるわけですよ。

『でも、だったら最初からTシャツを脱いで縛って入れ物にしてしまえば良いんじゃないですかねー?』
『残念ながら、ルールではTシャツによる運搬は「着ている間のみ可」となっていますので、それは無理ですね』
『悪意というか、片寄った嗜好の感じられるルールですねぇ〜』

 ほっとけ。澪だけじゃなく愛までジト目で見つめてきたので、僕はトランシーバーから報告を聞く素振りでごまかす。ようやく視線が外れ、澪も次に移る気になったようだ。

『さて、もう1つの追加ルールに移りますけど。ゴール前に台を設定するとありますがどういう効果を狙ってるんでしょうか?』
『はい、これはですね。皆さんもお祭りの時の輪投げや射的をした事が有ると思いますけど、あれも投げたり撃ったりする時はできるだけ距離を近付ける為に前に出ますよね?』
『まあ、その方が成功率は上がりそうですよね』
『今ルールも、その状況を想定してボールを投げる人がこう……べたーっと台に張り付いて身体を伸ばせるようにしてあるんです』

 愛が実演し、マイクをずらして自分から役員用のテーブルに上体を倒して見せた。思わず背もたれに深く背中を預けて愛の後ろからの光景を覗こうとすると、ちょうど同じ格好の澪と目が合ってしまった。

(……フーッ!!)

 怒った猫のように威嚇されたのですごすごと身体を前に戻す。何事も無かったように澪はマイクに戻った。

『……あ! この格好は……』
『気付きましたよね? そうなんです、Tシャツしか着ていない状態で身体を台にうつ伏せにすると、後ろからお尻が丸見えになってしまうんです』
『な、なるほどー! その状態なら撮影班が背後から近寄ってお尻の穴やオマ(ピー)も撮影し放題なんですね!』

 ついに修正音まで入っちゃったよ。会場内も一瞬ざわめきが走るが、この放送に放送倫理協会のストップはかからないのだ。

『そうなんですよねー』
『エッチですねー』
『エッチですよねー?』
『変態ですねー』
『ですよねー』

 だから、そこでこっちを向かないでくれないか、君たち。この状況で僕に振られても何も言いようが無いんだからさ。
 と、そこで横合いから僕へ助けの手が伸びた。役員の一人が、手で丸を作ってこっちへ合図してきたのだ。僕は急いで愛と澪に指さしてそのサインの存在を知らせる。……別に、保身のためじゃないよ? 時間短縮のためです。

『いやー球入れ参加選手の方、ごち……いえ、ご愁傷様です……と、いったところで準備の方が整ったようです。みなさん、お待たせいたしました! 競技開始です!』

 澪のマイクに合わせ、プール内に菊子の声でアナウンスが響き渡る。

『プログラム5番、水上球入れの競技を開始します』

 よし、開幕だ。僕の操作でプールサイドに設置したラジコンカメラが動き出し、レンズの目前に整列した選手達を煽りで端から撮影開始する。そこからの映像は切り替えスイッチを操作して特大モニターに中継っと。並んだ参加者全員が澪達の解説通りチームカラーTシャツしか着ていない下はすっぽんぽんの状態だから、当然シャツの裾から伸びる両足の付け根に存在する48人分の茂みと筋が撮影され、余すことなく特大画面で放映されている。
 顔は……この角度だと鼻の穴が強調されちゃうし、僕の好意で股間部の更なるズーム映像にしておこっと。ちょっと顔を上げて確認すると、僕が潜り込めそうなサイズの巨大な割れ目がモニターに映っている。僕は大変満足してうむ、と頷いた。応援の声がだんだんと途切れ途切れになり、緊張感が増し始めた。

『位置について』

 頃合いを見たスターター係の役員が場内マイクで呼び掛けると、しぃんとプール内が沈黙する。整列した選手の娘達はプールサイドで思い思いにスタート姿勢を取った。

『……よーい……』

 ピーッ! 笛の合図で一斉に少女達が飛び込んだ! 応援席に近い水辺にザパーッと盛大な水しぶきが立ち、その中からTシャツ1枚の女の子達が中央部のボール目掛けてわーっと水を掻き分け走り出す。実況席の澪もガタンと椅子を蹴立てて立ち上がりマイクにかじり付いた。

『さぁー! 始まりました水上球入れっ! 早速参加選手48名がボール争奪へ向けてプールの真ん中へ殺到しています! おっと、何人か転んでしまっています!』

 先ほどプール内に裸で入った役員達は、そのまま審判を兼ねて水中カメラ撮影も行っている。我先に水の中を走っていく女の子達のお尻を撮影していたカメラの1つが、転んで頭から突っ込み、勢い余ってお尻がころんと剥き出しになる様をジャストタイミングで捉えていた。
 その間にも飛び出しの早い何人かが中央部に到達し、持ち上げたシャツにカラーボールをさっと掻き寄せていく。が、勢いが良過ぎたかシャツの捲りに思い切りが足りないのか、入れる側から波にさらわれこぼれ落ちる。気付いた1人が首まで捲ってぺろんとおっぱい丸出し状態でボールを集め出すと、みんながそれに習い始めた。

『あぁーっと! もうこれTシャツの意味ないですねー!? おっぱい丸見え! 選手の皆さん、ボールと間違えないで下さいよー?』

 撮影班も心得たもので、夢中になってボールを追いかける女の子達のはだけた胸を執拗に追いかけ、巨大モニターには水に濡れた少女達の乳房や乳首が何度も大写しになる。

 各チーム一応作戦は決めてたのか、分担してかご係とボール拾い係に分かれて集めるところも有れば、まずは数人で浮いているボールを囲い、それを集めて一気にシャツで拾うところも有った。ま、何にも考えないで見えたボールをひたすら手掴みで集めていく娘も沢山居たけど。
 ある程度集まったところで各選手は自チーム応援席の対角線にあるゴールエリアに向かい始める。全員、折角集めたボールをこぼさないよう、慎重に、かつ早足で進んでいく。真剣な表情だが、シャツを使っているせいでおっぱいもお臍も股間もお尻もぜーんぶ丸見えだ。カメラは容赦なくそんな彼女たちの姿も撮影していく。

 エリアに到着した娘達は愛の予想通り、身体を台にうつ伏せにしてゴールを狙い始めた。ぽんぽんとボールが宙を舞う中、そんな彼女達の奮闘を余所に撮影班は背中側からの映像を中継する。

『ひゃー! 撮影班もえぐい角度で撮りますねー! あー、あー! 皺までばっちりですよー!? うひゃー! すごーっ!』

 ルールでは台に膝を乗せなければOKなので、片足立ちになり、懸命に身体を伸ばす選手達の股間は後ろから丸見えだ。大興奮の澪の実況通り、僕のカメラ操作用PCには次々と顔も見えない女の子達の濡れた肛門どアップや、その下の割れ目を覆う恥毛の一本一本を確認できるようなズーム映像が送られてきた。
 嬉しくなって僕は特大モニターの表示を分割し、片方にはそういった恥ずかしい部位を専用で流し続けてやる。応援席も選手達の奮闘と痴態の両方に大喝采だ。やんややんやと声援を送りつつ、自分達の足下に転がってきたボールを出来るだけプールの中央部へと投げ返していく。

 そうやって大騒ぎしている内に、あっという間に競技時間が終了した。再度の笛の合図で選手達が自分達の応戦席前まで戻っていく。全チームが健闘を讃えられ、拍手で迎えられていた。



『さて、役員による得点集計の間、少し時間が有りますので記録されたVTRの方を確認してみましょー。運営委員長の編集作業を少し横から覗いてみたいと思いまーす』

 選手達をプールから上げ、役員がフラフープ内のボールの数を数えている間時間が空いたので、澪は場繋ぎに先ほどのリプレイを行う事を思いついた様だった。愛と連れだってマイクを持って僕の横にやってきたので、編集画面全部を上のモニターに表示させる。
 僕がちょうど確認作業をしていた動画の1つを指さし、澪は『わあっ』と喜びの声を上げた。

『ああ、いい仕事してますねぇ。これなんか膜とか色々見えそうですよね』
『果敢に攻めていってますねー』

 愛もそれに同調する。僕がその動画のその場面を拡大してやると、PCのモニターにお尻の皺と、その下方で脚の動きに合わせてちょっと口を開いた割れ目、そしてその中央部に黒く見えている膣口が表示された。
 更に別の動画を再生していくと急に澪が身を乗り出し、指示まで出し始めた。

『おぉおっと! 今のは巻き戻して確認してみましょう……あっと! ばっちりです! 奇跡の一瞬、オマ(ピー)が偶然誰かの手に当たって開いた瞬間が映ってます! すごいすごーい! これで手ぶれが無ければおしっこの穴も見えてましたねー!』
『カメラさんの手際の良さが光りますね。顔が映ってないのが残念です』

 ……等々。女の子の秘部を捉えた奇跡の一瞬を3人で吟味する間に、十分余裕を持って役員達は集計を終えることが出来たようだった。編集画面を止め、しーんと会場が注目する中、結果発表のアナウンスが流れる。

『……第1位、白組。得点、102点』

 結局、水上球入れは白組優勝、僕らの赤組は3位の結果で幕を閉じた。まあ、一番組織的に動いていたのが白いシャツを着てた娘達だったから、これは作戦とそれに従って自分の仕事をした参加メンバーのチームワーク勝ちって事だろう。わーっと白組が盛り上がった後、実況席の方にも向けて会場全部からぱちぱちと拍手が降ってくる。

『あ、どーも。どーも』

 澪が照れたように頭を下げ、愛もペコリと礼をした。拍手に見送られながら自分達の応戦席に帰って行く。
 2人とも、お疲れさま。なかなか堂に入った実況だったよ。また後で、残りの水上競技での実況と解説もよろしくね!





5.


 新ルールの「水上球入れ」が無事成功し、この時点で僕は今日の部の体育祭の最終的な大成功を確信した。プログラム6番の100m学年別リレーを無難に終了し、その次の7番はまたもや水上競技、しかもこれは完全オリジナルルールの新競技だ。
 その名も「アメンボレース」。ルールとしては、1チームにつき円形のウレタンボードを2枚用意し、1人の「アメンボ役」にそれに立ってプールに浮いてもらう。プールにはプールサイドに立つ人の腰の高さにロープを横断させ、それの前後に3人ずつ配置した「ロープ操作役」がそれを引っ張ってピンと張っておいてもらう。「アメンボ」の人はボードに立ったままそのロープに掴まり、後は自分で手繰るなり、ロープ操作の人に引いてもらうなりして一方のプールサイドから対岸へと渡りきればOKだ。

 ただし、この競技は僕の考えたものだと言うことからわかる通り、ただのスピードレースではない。というか、スピードはほぼ関係無い。
 競技の争点は、渡り切るまでの間に「どれだけ2枚のウレタンボードの距離を離したか」にかかっている。ボードには2枚とも同時に足が着いてなくてはならず、その状態で対岸に到着できなければ失格だ。
 この競技に参加する格好はお馴染みのTシャツ1枚のみだから「アメンボ役」の娘は股下丸出し。この状態で、ボードを出来るだけ引き離すため、ロープに掴まりながら脚を出来るだけ開かなくてはならない。もちろん、ボードの間からは測定係兼記録係の役員がばっちりカメラを向けている。必然的に、「アメンボ」の娘はカメラレンズに向かって股の間を見せつけるように脚を一杯に開くことになるのだ。

 レースが始まると僕の想定通りに次々と各撮影班からファンタスティックな女の子の「おっぴろげ」映像が届いた。すかさず大画面にその光景を送ってやれば、そこにはぱっくりと開いて首を突っ込んで覗けそうな割れ目や、ニット帽を被った人の頭サイズのクリトリスがでんと表示される。実況にまた呼んだ澪も興奮して放送禁止用語を連発。そしてまたまた観客はその実況放送と参加選手の奮闘・痴態に大喝采だ。

 結果は、またしても白組の優勝。これはルールを作った僕も盲点だったけど、無理に脚を開いた状態を維持してゆっくりゆっくり進むより、せーので一気に引っ張って短い時間で脚を開いて瞬間的に記録を狙った方が効率が良かったんだよね。白組の作戦参謀はよほど優秀なのか、ほとんどの参加選手が記録認定に必要な開脚の最低秒数経過とほぼ同時にゴールしていた。まあ、これは僕も一本取られた、作戦勝ちだね。素直に拍手を送りたい。かくして、僕考案特別ルールによる水上競技第2段も若干の改善点を明らかにしつつ、概ね成功裏に終了したのだった。

 これで、残りの種目は実施要項の競技順序によれば、

 8.50m自由形
 9.50m平泳ぎ
10.水上騎馬戦キャットファイト!(3騎×4名)
11.150m学年合同リレー(25m×6名)

 の、4つとなる。ここまでの各組の得点は若干の白組リードでビリの黄組を除いてほぼ横這いだ。だが、最後の2種目は共に得点率の高いチーム競技なので黄組だってまだ十分トップを狙える範囲内だ。それに頑張って僕を喜ばせてくれればスペシャルポイント獲得のチャンスも有る。そっち方面での総合評価も当然、順位を決めるから頑張ってくれないとね。





『……はいっ! 50m平泳ぎの表彰式も終わったところでっ! 本日のプログラムも残り2つ、水上競技としては最終種目となりましたー! 「水上騎馬戦キャットファイト!」でーす!』

 入賞選手の退場終了と同時の相変わらずのテンションの高い澪の実況開始に、場内から拍手が沸き起こる。たった今、今日の競技を開始したばかりといった疲れ知らずのマイクパフォーマンスだが、その理由は彼女の性格のせいばかりでは無い。僕はその理由説明の為を兼ねて撮影係を一人呼び、実況席を中継させていた。
 特大モニターに映った澪と愛、2人の実況コンビは今、コスプレとしか思えないネコミミの付いたカチューシャを頭に着けていた。先ほどの2人を応援した声の辺りからも「かわいいーっ!」と悲鳴のような歓声が起こる。

『ありがとーございまーす! 今回の実況にあたり、委員長のリクエストで私たち実況・解説組も騎乗者役の選手と同じ格好でやらせていただきまーす!』

 澪が手を振りながら応えた後、隣の愛の方に視線を向けて話を振る。

『えーと、愛センパイ! 選手にこういうネコのコスプレをしてもらうのも今年の騎馬戦の新しいルールなんですよね?』
『はい。この種目も、伝統種目の「水上騎馬戦」に今年独自のアレンジルールが付け足された改正版となっているんですね』
『「水上騎馬戦」プラス「キャットファイト!」ってことですねー! ところで、この「キャットファイト!」の「!(びっくりマーク)」って何なんでしょーね?』
『委員長の趣味じゃないでしょうか』

 ああそうだよ、悪いか。澪と愛はそうやって適当に僕をいじりつつ本題のルール解説を進めていく。まずは解説役の愛からの説明だ。

『例年の「水上騎馬戦」では水着に鉢巻き、それに怪我の防止を兼ねて軍手をしてやっていたんですね。それでも、やっぱり髪が絡んじゃったりする事故が起こっていました』

 お嬢様学校の星漣に水上競技とは言え「騎馬戦」が存在していたとは、僕も最初は驚きだった。だけど、よくよく考えてみればこの学園には結構な数の武道系の部活も存在しているし、そのために武道館なんてモノをこしらえてしまうくらいだから、こういう闘争心を刺激する競技が採用されるのもおかしくは無いのかも。

『そこで、今年運営委員長が考案されたのがこの「にくきゅうグローブ」を含めたコスプレセットなんです。この「グローブ」、特別なマジックテープ素材を使っていて、他のコスプレセットにぴったり張り付く様になっているんです』
『え、ほんと!?』
『試しにやってみますね……』

 愛が片手にそのヌイグルミみたいな猫の手を填め、澪の頭から飛び出たネコミミを軽く撫でる様に触れる。すると、すぽっと澪のカチューシャがそのグローブに引っ張られて外れた。

『わ、ほんとにくっ付いた!』
『……ご覧の通り、グローブはクッション性の素材になっていますから万一顔に当たっても安全です。髪を引っ張ってしまう危険性も有りませんから、安心して競技を行う事ができるんですね』
『たまには良い事するんですねー! で、で。やっぱり競技は騎馬戦と同じくこのネコミミを取られたら負けですか?』
『マジックテープ素材を使う事で触れば簡単に取ることが出来るんで、その分競技として狙う物は増やしてあります。騎乗役の選手が身に付けたコスプレセットにそれぞれ得点が配分されていて、取られる毎に減点法でポイントが引かれ、0になったらその騎馬の負けとなります』
『ネコのコスプレをするからキャットファイトなの? 安直〜!』

 だから、実況しながらついでに僕をディスるのは止めてくれませんかねぇ、君たち。きゃいきゃいとお互いにグローブでぽこぽこ遊ぶ2人に、人差し指をくるくると「巻き」のサインを伝える。それを見て澪はまだまだ説明する内容が沢山ある事を思い出したようだ。

『えっと、他のコスプレ衣装は何があるんでしょーか?』
『このグローブ以外のセットとしては、今お見せしたこの「ネコミミカチューシャ」、そして「ビキニブラ」、もう1つ「ネコシッポ」になります』
『あれえ? ビキニのブラは有るのにパンツは無いんですか?』
『無いんです。考案者の片寄った嗜好が感じられますね』
『ですねー』

 そこで一旦、2人は手に持っていたマイクをスタンドに戻した。そして愛がテーブル上のマイク向かって解説しながらTシャツの裾に手をやる。

『実は、私たち2人ともこの下にコスプレのブラ部分を身に付けて来てるんです。今からお見せしますね……せーのっ』
『うりゃーっ!』

 2人が体の前で腕をクロスさせる昔ながらのやり方でチームTシャツを脱ぐ。同じカラーの布地が少ない紐ビキニがその下から露わになった。愛の方は手の平から少ーしはみ出るくらいの形の良い胸、対して澪はほぼ平坦なぺったんこ。しかも、澪は勢いが良過ぎたのかブラがシャツと一緒に捲れて小さくぽちっと尖った先端部まで見えていた。

『きゃーっ! 澪、隠して! 隠して!』
『え? ありゃ? りゃりゃーっ!?』

 一時、実況席は大混乱である。澪はTシャツが脱げきれないでもごもごしてるし、慌てた愛はブラを引き下げてやろうとしてマイクを倒してしまうし。転げ落ちそうなマイクを捕まえた愛は、先ほどの解説時と同じくテーブルに胸を付けて伏せた姿勢でお尻がこっち向きに剥き出しになっていた。2人が持ち直すまでの間、澪の微乳と愛のお尻のお宝ハプニング映像は、職務に忠実な撮影班によって延々と特大モニターに放映され続けたのだった。

『……えー、お見苦しいところをお見せして誠に申し訳有りませんでした』
『にゃははー、ごめんねー』

 ようやく騒ぎが一段落し、世話を焼いていた方の愛の方が顔を赤くして謝罪を行う。ハプニング主の澪の方はあっけらかんとしたもんだ。「えへん」と咳払いをして、愛は途中で切れていた話を再開した。

『では、解説を続けさせていただきます。先ほど騎馬戦の得点は減点制と説明しましたが、競技開始時の持ち点は各騎5点です。競技開始後、カチューシャは外れたところでー1ポイントです。ブラもズラされて、先ほどの澪のように乳首が見えたらー1ポイントとなります。一度ズレたり外れたものは採点が終わるまで直せません』
『シッポも取られたらー1点? おりょ? 2点余った』
『いえ。シッポだけは合計でー3ポイント分なんです』
『合計?』
『……実物を見ながら説明しますね』

 愛が屈んで用意されていたネコシッポをテーブルの上に乗せた。長くS字型に曲がったふわふわの尻尾の根本に、ピンポン球よりちょっと小さい球体が3つ並んで繋がっている。

『はい。この尻尾の付け根を見て下さい。風船のような小さなボールが3つお団子みたいに並んでますね』
『はーい。何ですか、これ?』
『これは、この尻尾の特殊な装着法と関係してるんですけど、1つのボールが1ポイントに相当してるんです』
『あー、3つあるから3点なんですね! で、どうやったらポイントになるんでしょーか?』
『えっとですね、騎乗役の人はこのボールが外から見えないようにこの尻尾を身に付ける訳なんですけど……』

 説明しながら、愛の顔がだんだん赤くなってきた。

『……このボールの部分を、お尻の中に入れるんです』
『え? お尻に?』
『そうです』
『穴の中に? これを?』
『そういう事です』

 そういう事なんだそうですよ、みなさん。愛はさっさと説明を終わらせたいのか、赤い顔のまま少し早口気味に先を続けた。

『競技開始前に騎乗者の方はコスプレセットを正しく装着しているか役員に確認してもらいます。尻尾に関してはすべてのバルーンがお尻に収まっていればOKです。そして競技の終了後、バルーンの状態を確認してボール1つお尻から出ている毎にー1ポイント、全部抜けてシッポを取られていたら合計ー3ポイント、という事なんです』
『ほぇー、えっちいですねー』
『はい。ええもう、はい』

 ちなみに得点計算時は、実際に収まっている分を役員が引き抜いてみて確認しますからね?

『でもでも、これ結構大きいよ? 入るかな……』
『それは……ちょっとバルーンの1つを押してみてくれる?』
『うん……わっ! ちっちゃくなったっ!?』

 澪が促されてぐっとバルーンの1つの表面を押すと、すーっと空気の音と共にそのバルーンはちょっと縮まり、他のバルーンがぷくっとその分膨らんだ。

『実はこのバルーン、繋がっている部分に穴が空いていて、1つが押されると他のバルーンに空気が移動するようになってるんですね。そのため、押し込む場合は狭いところを抜けるバルーンだけ縮まるので、入れるのは簡単なんです』
『って事は、抜くのも?』
『ええ、このネコの手のグローブを使えば、ですけど』
『えー? どうしてなんですか?』
『……澪、今度は尻尾の部分を握ってみてくれる?』
『うん!』

 愛に言われて澪が勢い込んで曲がった尻尾の部分を掴むと、今度は3つのバルーン全部がちょっとだけ大きくなった。

『わ!? 何これ!?』
『この機能が有るんで、素手で引っ張っただけじゃこの尻尾はお尻から抜け難くなってるんです』

 澪が握って膨らんだ状態の尻尾にカメラが近付き、3連バルーンの様子を確認する。よく見ると、半透明の丸いバルーンを3つ貫通するように縦長のバルーンが内部で膨らんでいるのが見えた。

『さっきの例で言うと、お団子の串に当たるところに細長いバルーンが入っていて、シッポを握るとそのバルーンが膨らむんですね。そのため、内側から押されて丸い3つのバルーンも一緒に少し膨らむようになってるんです。しかも、その細長い内側のバルーンが膨らむと3つのバルーンの間に開いた穴も塞がってしまうんで、空気が移動できなくなるんですね』
『あ、ほんとだ! 押しても縮まなくなりました!』
『そのため、シッポを掴んでしまうと全部のバルーンが膨らんだままになってしまって抜けにくくなってしまうんです』
『なるほどー! あっ! だからグローブで張り付けて、握らないようにして抜かないといけないんですねー!』
『そういう事ですね』

 さて、ここで僕は役員の1人に参加選手達の準備状況を確認してもらった。その報告では、思った通りコスプレの装着――主に尻尾の――に手間取っているようである。少し、この解説の時間を伸ばして準備時間を稼がなくてはならない。
 そこで、僕は手元の紙に素早く指示を書くとそれをその役員に持たせてカメラ役の係の隣に立たせた。当然、澪と愛にその指示は見えるはず。

『えっと、少し準備に時間がかかっているようで……えええっ!?』

 ちらっとその指示を見た愛が頓狂な声を出す。同じ物を見た澪の方もさすがに恥ずかしいのか、顔を赤らめて慌てている。

『わっ、わっ、やるの!? ほんとにやるの!?』
『やるんですか?』

 生中継にも関わらず僕の方に向いて確認する2人。いいから、やれ、と身振りでサインを出してやる。あんだけ僕を本番中にいじってくれたんだ。これくらいの無茶振りはこなして貰わないとな。
 愛は真っ赤になって俯き、澪も同じ様な顔の色で目をパチパチさせてきょときょとと落ち着かない様子だ。だが、テニスのダブルスでコンビを組んでる2人は申し合わせたようにお互いの顔を見て視線を交わせると、ぐっと頷いた。信頼関係で結ばれた2人の美しい友情だなぁ。

『で、では……少し時間が有る様なんで、実況と解説の2人で実際にこの尻尾の装着と取り外しを実演してみたいと思います』
『実際にやってみまーす!』

 2人のテニスコンビはテーブルの下を潜って役員席の外に出ると、カメラに向かって背中を向けた。さっきTシャツは脱いでしまったし、そもそも今日はみんな下半身に「履き物」を身に付けていないので、首筋から足首まで、ブラ紐を除いてなだらかな背中や丸いお尻が全てレンズに向かって露わになっている。その状態で2人は自分達の席に手を突いてお尻を突き出すようにする。中継モニターに愛のスタイル良く丸みを帯びたお尻と、薄くて子供っぽい澪のお尻が大写しになった。

『はい……では、尻尾の装着の手順を説明しますね。バルーンには予め、滑りを良くする薬を塗っておきます……あ、ありがとうございます』
「これくらいは手伝うよ」

 僕も席から表に出て、3連バルーンに例のお尻をいじる時に使う薬を塗りたくる。ついでだし、2人のお尻の穴の付近にも塗っておこうね。

「はい、塗るよ」
『あっ、そこは……!』
『冷たーいっ!』

 カメラを引き寄せ、2人の肛門周辺をどアップで撮影させながら皺を解すように薬を塗ってやった。てらてらと濡れたように光る窄まり2つが交互にモニターに表示されている事を確認する。

『で、では……入れますね』

 まずは愛が自分の分の尻尾を取り上げ、根本の最初のバルーンを自分のお尻に押しつけた。片手で位置を調節し、もう反対の手で1個目だけを摘むように押し潰す。その状態で押し込んでいくと、驚くほど簡単にちゅるっと最初の1個が入ってしまった。

『こうやって、1個ずつ小さくしながら押していけば、比較的簡単に入れる事ができます』
「……1人でできる?」

 僕の小声での質問にこくんと頷く愛。2つ目からは中の1個が押されるので少し縮め難くなるはず。だが、それも多少の誤差の問題で、コツを掴んだのか愛はちゅるっ、ちゅるっと労せず残りの2つをお尻の中に入れてしまった。

『……これで、準備完了ですね』

 愛は自分でもモニターを確認し、赤い顔でそう言った。そこには尻尾の付け根の部分の大きさだけ口を開いたままになっている少女の肛門付近が、どアップで表示されたままになっている。僕は挿入部分が良く見えるよう、愛にお尻のお肉を左右に引っ張るように指示を出した。こくんと頷くと言われた通りにして、異物をくわえ込んだ少女の肛門が更に剥き出しにされて撮影される。

 愛のスムーズさに比べ、澪の方は少し手間がかかった。もともと小柄な澪だから、お尻のパーツも明らかに小さい。それでも、僕の設計は間違い無かった。愛が小さなお尻を開いてやり、2人掛かりで尻尾をゆっくりと押し進めていくと、最後には3つともバルーンを中に収めることに成功した。ひくひくと震えつつ丸い風船部を3つ収めた澪の尻穴の様子を、モニターは正確に僕を含めた視聴者へと伝えてくれる。

『……続いて、尻尾を外す場合ですね。この場合も、尻尾本体を握って風船を膨らませないように1つずつ引っ張っていけば……えっ!?』
『に゛ゃっ!?』

 さっさと終わらせようと言うのか、愛が取り外しの方の解説を始めたので僕は彼女と、ついでに澪の尻尾を思いっきり握って止めてやった。外側からでも肛門の中でぷくっとバルーンが膨らんだのが、その部分の盛り上がりでわかる。

(な、何するんですかっ!?)
(駄目駄目。「選手の」取り外しの説明なんだから、役員に得点計算して貰う時と同じ様に抜かないと)
(え。それって……)
(大丈夫、今は役員の代わりに僕がやってあげるからね)

 小声で文句を付けてきた愛は「うう〜……」と真っ赤な顔で俯いて唸る。ややあって、覚悟を決めたのかやけっぱちの様な口調で解説を再開した。

『さ、採点時に役員が尻尾の分の得点を計算する際、応援席のみなさんに出来るだけ見えやすいように尻尾を握って、最大限にバルーンが膨らんだ状態で引き抜きます。その様子は電光掲示板の横の特大モニターに表示もされますので、みんなで一緒にポイントを数えて下さいね』

 僕は澪と愛をお尻がくっ付くくらいに近寄らせ、1つのカメラに収まる様にした。そして指示を出して少女達には自分の肛門がしっかり見えるように手でお尻を引っ張らせる。

『じゃ、じゃあ……抜いていきますね……(お願いします)』
「了解。引くよ〜」
『……! あぁっ……!』
『にゃわっ! うにゃっ!』

 半ば粘膜部を外に捲り上げながら、膨らんでピンポン球サイズになったバルーンがに゛ゅるっ、に゛ゅるっ、と少女たちの体内から吐き出されてくる。愛は熱の籠もった喘ぎ声のような吐息をつき、澪の方はコスプレ通り猫になったような嬌声をこぼす。1つ出てくる度に、応援席からは歓声と「がんばれー!」と励ましの声が届く。だけど当事者達は肛門を内から押し広げる異物の感触にまともに声も出せないようだ。

 最後の1個のバルーンは、僕が尻尾を握った時には奥の方の比較的締め付けの緩いところまで入り込んでいたのか、一番でかい。括約筋につっかかって2人の肛門付近をきちきちに引き伸ばしながら、ゆっくりと中から顔を出す。モニター内で少女の体の限界を越えているとしか思えないくらい引き伸ばされた2人の尻穴と透明な特大バルーンの映像に、「がんばれ! がんばれ!」と競技中さながらの声援が飛んだ。僕はその声援に応えるべく、手の力を緩める事無く「えいやっ」と足を踏ん張って引っ張り出した。一瞬、限界突破して更に拡大した肛門が色を失って白っぽくなった粘膜ごと内側から捲れ返る。

『あぁああっ!』
『にゃぁああっ!』

 にゅぼんっ!と最後のバルーンが抜け出した。いきなり抵抗が無くなって僕は「おっとっと」とたたらを踏む。しかし何とか堪えて転ばずに済んだ。んもぉ、抜けるなら抜けるって言ってよねぇ? いや、無理だって事はわかってるんだけどさ。

 直腸内で大きく膨らんだバルーンを引き抜かれた2人の肛門は、ぽっかりと大きく口を開いたままになっていた。ぱくぱくと呼吸のように痙攣しているが、全然閉じる気配は見られない。縁の部分にぽってりと唇の様に赤く充血した粘膜を晒した状態で、指をそのまま粘膜に触れずに中に入れられるだけの空洞が開いていた。その中から湯気のように少女達の体内の熱気が漏れてきている気がする。見つめ続けていると、中から塗り薬が暖まって溶けたものか、それとも2人の体内からの分泌物か、どろっとした透明な粘液が溢れてきた。
 僕はそんな少女達の尻穴の詳細もカメラに言ってマクロで撮影させる。近寄ってズームをかければ、プール内の明るい照明に光っててらてらと濡れた反射を返す肛門内の粘膜の様子もばっちりと撮影できた。観客達もざわめきながらその様子にうっとり釘付けだ。ついでなんで、2人が動けないのを良い事に僕の両手の指を使ってお尻の穴を上下に更に開き、さっき茜に出来なかった直腸奥の狭い部分の特大放映も実現させた。うむうむ、良い絵が撮れた。難を言えば、これも自分達でモニターを見ながら実況して欲しかったんだけど、そこまで要求するのはさすがに酷かなぁ?

 数分後、回復してきた括約筋のお陰でお尻の穴がゆるゆると閉まるところまで中継して、2人を実況席に戻した。澪も愛も、この後がお仕事の本番だからね? ぽーっと夢見心地にふわふわしてる2人を励まし、僕は「水上騎馬戦キャットファイト!」競技開始の合図を送ったのだった。

 
 


 

 

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