TEST


 

 

**********4th−day Vol.6**********


【4th−day あらすじ】

 組織『セルコン』のTEST対象である陣内瑠璃子はその奔放ぶりを気に病む『ママ』から、連絡をとるようにと遣わされたメッセンジャー琥南と接触するが琥南もまた勝手な行動を起こしたために「ママ」からの回収を命じられた「ナイトホーク」によって退場を余儀なくされた。
 瑠璃子が遅ればせながら「ママ」に連絡をとったこと、本物の「陣内瑠璃子」を元手に瑠璃子が仕掛けた技でレディースワットの1人「飛鳥井園美」をママが手中に収めたことにより、「ママ」の溜飲も下がり瑠璃子は事なきを得る。
 琥南もナイトホークも去った学院のラボ室には瑠璃子や琥南、そしてナイトホークが道具として堕とした女教師や生徒が、そして彼らに追い詰められて心神喪失状態の、潜入捜査をレディースワットのチーフ明智祐実から命ぜられた新米警官、深田茶羅が残された。








【英語科 ラボ室】


 ラボ室の教壇脇に扉1枚隔てて小さな準備室がある。
 パソコン機器のサーバー類やラボ室用の音響機器の中枢がここに収められている。
 ラボ室との間は扉以外に大きな嵌めごろしのガラスが張られ教室の様子を窺える。

 陣内瑠璃子がその準備室に飛び込んだのは、茶羅に勢いよくタックルされて否応なく倒れこんだからだった。
 2人は抱き合うように準備室の床に倒れこんだ。
「いった〜い!何すんのよ!もうーっ」
 後頭部を倒れ様にしたたかに床に打った瑠璃子は上半身をやっと起こしながら頭を撫でた。
 茶羅はひるんだ瑠璃子から音叉を奪い、態勢を立て直すとすぐにドアをロックした。
 すぐさま半身を起こした瑠璃子に再び飛び掛ると瑠璃子の右腕をとり後ろ手にうつぶせに組み敷いた。
 茶羅は瑠璃子の腰に馬乗りになって彼女の右手を捻りあげる。
「いたたたたたたたったたった、いたいでしょォーっ!なにすんのよ!もォーっ!」
 顔を床に押し付けて瑠璃子が悲鳴を上げた。
「制服が汚れちゃうでしょォーっ!」
「うるさい!」
 茶羅は真剣な眼差しで瑠璃子を一括した。
 後手に締め上げる力に容赦はなかった。
 実技訓練で教えられたまま茶羅は瑠璃子を押さえつけていた。



 数分前、瑠璃子の人形と化したクラスメートに取り押さえられた茶羅は抵抗も出来ずに瑠璃子の前に連れ出されていた。
 レディースワットからの特命を受けて学院に飛び込んだ新米捜査員は、琥南に執拗に襲われ、想像だにしない能力を使う者の前に無力さを思い知らされ撤退さえままならず気力さえ失ってしまっていた。


 瑠璃子は、無抵抗、無気力となった茶羅を少なからず、甘くみていた。
 ナイトホークが琥南を連れて去り、瑠璃子だけラボ室に残って茶羅の取扱を思案し始めたとき茶羅が急に襲いかかってきたのだった。


「抵抗するならするで、諦めたような小賢しいフリはナシにしてもらいたいよ。茶羅」
 余裕の表情でおどけた瑠璃子の前で茶羅がかざした携帯のストロボが光り、シャッターの擬音が狭い部屋に響いた。
「なに?写真?だったら撮りたいって言えばいいだろ。別に減るもんじゃナシ、可愛く撮られてあげたのに。こんな床に押し付けられた後ろからの横顔でいいのかよ」

「黙りなさい!」
 茶羅は瑠璃子の言葉を無視してメールに瑠璃子の写真を添付して送信ボタンを押して携帯を閉じた。

(これで・・・これで陣内瑠璃子の実像だけでも祐実さんに送れる!)
 送信の結果を見ることもなく携帯をポケットに突っ込んだ。

「施錠したここなら、あなたはクラスメートたちに命令も出来ないし、あの人たちだって入っては来れない」
 ラボ室にまるで蝋人形のように無表情に立ち尽くすクラスメート達はピクリとも動かない。
「音叉も私が奪った。組み伏せられてはあの人たちに視線すら送れない。しかも、ラボ室とこの部屋は少なからず防音」
 茶羅は瑠璃子から取り上げた音叉をブレザーの内ポケットにしまいこんだ。


「ふ〜ん、考えてるじゃない。あれだけ自分の無力さ思い知らされて、まだ歯向かうつもり?」
 瑠璃子はねじ伏せられたまま、自分を睨みつける茶羅を見上げた。 
「私は警察官よ。与えられた職務には最後まで責任を持ってやり遂げる使命があるわ」
「ご立派!なら聞くけど、このまま私をねじ伏せておいて何時間、何日このままでいるつもり?おしっこ行きたくなったらどうすんのよ!」
「あのヒトはメールを見てきっと動いてくれる。定時連絡のない私を心配してくれる!そうすればみんなが来てくれる」
 半ば追い詰められた危機的状況に一縷の望みを捨てずにいる茶羅自身が自分に言い聞かせる。


 瑠璃子は冷めた表情のまま呆れたように鼻で笑った。
「はい、はい。それで?使命はまっとうできた?茶羅」
「呼び捨てにしないで!あなたに言う必要はない」
「陣内瑠璃子が誰なのか?あの新宿のホテルで保護した私とこの学院の陣内瑠璃子が同一人物なのか、あなたはそれを探りに来たワケだ」

「ど、どうしてそれを・・・・・・」
「送ったさっきの写真?おおかたレディースワットのリーダーに送ったんでしょ。みんなとはレディースワットのチーム6」
「な・・・・」
「チーフの名は明智祐実、若くしてチーム6のチーフになったエリート美人警察官。あなたの憧れってトコ?」
 茶羅の顔から血の気が引いていく。

「教えてあげる。私もさっき聞いたばかりだけど本物の陣内瑠璃子は保護されて間もなくこの学校に戻ってくるよ」
「えっ・・・・」
「残念だね、茶羅。キミの任務は徒労に終わったんだよ」
「そ、そんなことない。たとえ、そうであったとしても、あなたを、ニセの陣内瑠璃子の発見は成果だわ。私は是が非でもあなたの身柄を確保する」

「あら、あら。意地になっちゃって。麻衣ちゃんにも無理するなって言われなかった?」
「麻衣ちゃん・・って」
「フフフ、昨日会ってるくせに。キミがいけないんだよ、茶羅。任務漏らしたのは、あなたの口から」
「そ、そんな。まさか、麻衣子センパイが・・・・・。あなたは一体何者なの?」
 茶羅の表情が強張った。
「分かってるでしょ、私は陣内瑠璃子よ」
 瑠璃子は押さえつけられ床に這いつくばった姿勢のまま不敵にも微笑んだ。
(な、なんてコなの・・・・)



「言葉遊びをしようか、茶羅?」
「なんですって?」
「今から私の言うことはあなたにとって本当になる。私の言うことは現実になる」
「な、何を言ってるの?」
 茶羅は戸惑いを隠せない。今の自分の行動の自信のなさを見せまいとさらに瑠璃子の手を捻り上げた。

「痛い!痛いよ。茶羅、不安に思うことなんてないよ。このまま時間が経つのを待つのが退屈だからだよォ」
「ふざけないで!」
 怒りを顕わにしながらも瑠璃子の言葉に気を許そうとしている自分に『はっ』となる。

「もう!私さっきから抵抗してないでしょ。外のヤツラに大声で助けも求めない。観念したっていってるの」
「信じられない。あなたも、さっきのコも想像を超えた力を持ってる。観念したと言ったって油断できない」
「あなたに本当の任務を教えてア・ゲ・ル」
「本当もなにもないわ。私の任務は―」

「陣内瑠璃子を学内で探し出して逐次情報を送ること、よくやったわね。茶羅、上出来よ」
 茶羅の言いかけた言葉を瑠璃子がさえぎって言った。思いもかけない瑠璃子からの言葉に茶羅は組み敷いた瑠璃子を見た。
「な、何を言ってるの・・・・?」
 茶羅は動揺の色を隠しきれない。

「痛いわ。もういいのよ、放して、茶羅。よく見なさい!私よ、祐実よ」
「えっ」
 そう瑠璃子が言った瞬間に、茶羅の視界がまるで水のスクリーンがかかるように流れたかと思うと霧はパッと晴れ鮮明になった視線の先には自分が組み敷いている祐実が微笑みながら苦痛に顔を歪ませていた。

「あ。明智チーフ!えっ、わ、わたし・・・・えっ、ど、どうして」
「そうよ、私よ、明智祐実よ、茶羅。説明は後よ、私を楽にして」
 目を大きく何度も見開いて茶羅は自分を疑った。目の前で自分が渾身の力でねじ伏せているのは明智祐実だった。
「うそ!うそよ!そ、そんなはずはない。私は、私が組み倒したのは間違いなく陣内瑠璃子よ」
「かわいそうに。あなたも陣内瑠璃子の魔法のような不思議な力に取り込まれてしまっているのね」
「ち、違う!あなたは明智チーフなんかじゃない!あなたは、あなたは陣内瑠璃子よ!騙されるモンですか」
 茶羅は自分に強く言い聞かせるように語気を荒げた。


「だったらもう一度よく目を見開いて見たらどうなの?私がその陣内瑠璃子に見えて?」
 苦痛に歪んだ顔からそれでも笑顔を浮かべるのは紛れもなく明智祐実にしか茶羅は見えなかった。
「違う!絶対に違う!私は、私は・・・・・」
「もう一度言うわ!茶羅、私を解放しなさい。あなたが今拘束しているのはレディースワットの明智祐美、この私よ!」

「・・・・・・あ、明智チーフ」
 茶羅の拘束の手が緩む。
「落ち着いて、茶羅。あなたには本当の私が見えているはずよ。精神を集中して心の目で見るのよ!」
 祐実の笑顔。
 困惑の表情を浮かべる茶羅は意を決したようにあらためて祐実を拘束する自分の腕に力を込めた。
「痛っ!」
 祐実の苦悶の言葉が漏れる。
「わ、わたしは、私は自分の意志を信じて行動する!たとえあなたが本当のチーフであったとしても後からきっと分かってくれる!」



「いい加減になさい!茶羅。あなたの力でこの私が身動き取れないままでいると思うの!?」
「・・・・・・・・・」
「あなたの力量なんてまだまだじゃない。その証拠に私はいともたやすくあなたの拘束を解いて立ち上がることが出来るわ!ほら」

 祐実は言うや否やあっさりと立ち上がって茶羅の前に正対した。
 茶羅自身すでに祐実を拘束する力が入らないでいた。
 何故なのか理由すら見つからぬまま、祐実の言葉どおり茶羅は手を緩め、祐実は拘束から逃れた。


 あらためて目の前の祐実を見て茶羅はかぶりを振った。
「明智チーフ、すみません!」
 そう言って思いつめた茶羅は拳を振り上げた。
 視覚に映る見紛うことのない祐実の姿を茶羅の意志は否定していた。
 すべての幻影を振り払うつもりで茶羅は目の前の祐実に殴りかかる。


「明智祐実と知って何故拳を向けるかっ!」


 祐実の厳しい言葉に茶羅の振り上げた拳は動かなかった。
 機構としての徹底した上意下達の命令系統は警察学校を出たばかりの茶羅の身にも染み付いていた。

 うって変わって優しい口調で祐実が囁く。
「目を覚まして、茶羅。終わったのよ、もう何も心配しなくていいの」
 祐実がゆっくりと茶羅に近づく。
 振り上げた拳に手を添えてゆっくりと下ろさせると祐実は茶羅を優しく抱き寄せて胸の中に包み込んだ。
「もう恐いことは何もない。茶羅、よくやった、あなたは本当によくやったわ」
「あ、明智チーフ・・・・・」
「祐実でいいわ。恐かったでしょう。ごめんね、茶羅」
 力強く抱きしめられ、その温かく柔らかい手で背中と頭を撫でられた時、茶羅の全身から力が抜けて目に涙が溢れてきた。
「ゆ、祐実さん・・・・ううぅぅっぅぅぅ」
「いいのよ。茶羅、お泣きなさい。あなたは十分私の期待に応えてくれたわ」
「ううううぅぅぅうぅぅぅっぅぅぅぅぅ、祐実さん!祐実さぁーん」
 茶羅は祐美にすがりついて思い切り泣きはらした。
 感情が止め処もなくあふれ出し、たどり着いた安息の岸辺に体を預けた子どものようだった。
 


「私、私、今確かに陣内瑠璃子の身柄を拘束して、祐実さんにメールを急いで送って・・・・・」
「あなたも、あのコの不思議な力に取り込まれていたんだわ。どう?もう大丈夫、私が誰に見える?」
「・・・・あ、明智祐実チーフです」
 茶羅はじっと祐実を見つめた。
 すでに疑うことをやめ、信頼しきった表情で祐実を見つめている。


「よかった。元に戻ったのね、安心して、陣内瑠璃子の名を騙ったあの生徒は仲間が身柄を確保したわ」
「えっ?」
「ラボ室を見て御覧なさい。みんなの姿があなたに見えて?」
「あっ・・・・・・・」
 ゆっくりと立ち上がってガラス越しに見たラボ室ではチーム6の見知った仲間達が瑠璃子を取り囲むように立っていた。
「雪乃さん、麻衣子先輩、涼子先輩・・・・・・」



「よかったわ。わかるのね。任務は完了よ、ご苦労様。あなたは本当によくやったわ。あなたの潜入のおかげで私たちも仕事がしやすかったのよ」

「チーフ・・・・」
「みんな、あなたのおかげだわ。本当に感謝してる。恐かったでしょう?」
 祐実はそういうと茶羅の頬を温かく柔らかな手で撫でた。
「ち、チーフぅ〜」
 緊張感の糸が切れたのか、茶羅は小刻みに体を震わせて目を潤ませた。
 涙がこぼれんばかりにたまっている。
「恐かったのね、本当に。でも、あなたの勇気が私たちを助けてくれたのよ」
 祐実は茶羅の両肩をとって引き寄せた。


「こ、こわかった・・・・こわかったんですよぉーっ!本当に今度はもうダメかと思っ・・・・うっううう・」

 そこまで言うともう茶羅は言葉にはならなかった。
 祐実の胸で泣きじゃくった。
「よしよし、本当にいいコだわ、茶羅。いいのよ、思い切り泣きなさい。もう何の心配も要らない。私がいるわ」

「は、はい。はい・・・・ふえ〜〜ん」
 頭を優しく撫でられて背中をさすられると茶羅はやっと落ち着きを取り戻していった。


「かわいい、かわいい茶羅。私のことスキ?」
「えっ、は、はい。もちろんです。尊敬しています!」
「茶羅、私もあなたのことがスキよ。他の誰よりも」
「ほ、本当ですか」
「誰にも渡したくない。あなたは私だけのもの」
「う、嬉しいです!私、明・・いえ、祐実さんに憧れて警官になったんです。いつかはきっとスワットに入って祐実さんの下で働きたいと」
「そのために今回もよく頑張ってくれたわね」
「こ、光栄です!」

「でも、スワットになる以上、バージンでは困るのよ。バージンを失うがために取り乱すなんてことあっちゃダメ、あなたは多分・・・」
「うっ・・・・・・すみません。わたし・・・・・・」
「バージンなのね。そして大切に想う人がいるのね。なら諦めなさい、あなたはスワットにはなれない。でも私は茶羅、あなたについてきて欲しい」
 祐実はそういうと茶羅に背中を向けて扉に手をかけた。
「ま、待ってください!わたし、わたし、バージン捨てます。それがスワットの条件なら私、覚悟できてます!」
「スワットである以上、ある意味女であることを捨てなくてはならない時もある。それ故にバージンであることは敵に自分のプライドの一部を奪われるに等しい。実戦での喪失感はその後の平常心をも揺るがしかねないの」

「わ、わかります。わかって・・いるつもりなんですが」

「茶羅、本当は今回の任務はあなたのスワットへの適正試験も含めた任務だったのよ」
「えっ・・・・・・・」
「あなたは犯されることを恐れて逃げ出し、しかも捕まって無抵抗になり、任務を放棄しかけた」
「そ、そんな・・・あれは」
「それでもなお、あなたはスワットになりたい?」
「・・・・・はい。チャンスを、もう一度チャンスを下さい!お願いします!」
 茶羅は泣きながら懇願した。


「バージン、捨てられるわね」
「は、はい。で、でも・・・できればその・・・・それは・・・」
 茶羅は顔を赤らめた。
「フフフ、大好きな人に奪われたいのね」
 茶羅は顔を赤らめて俯きながらこくんとうなづいた。
「だれ?あなたの大切な人?」
「今、東都大に行っている高校時代の先輩の根室純一さん・・・・」
 茶羅は言われるがままに答えた。高校時代から付き合い始めた部活の先輩だった。


「私ではだめかしら?」
「えっ・・・・・」
 祐実は再び茶羅に歩み寄った。
「私があなたのはじめてのヒトになってあげる」
「ゆ、祐実さんが・・・私のはじめてのヒト・・・・・・」
「あなたはそれを嬉しいと思ってくれるはずよ。あなたはそれを必ず嬉しいと思ってくれるはず」
「は、はい。う、うれしい・・・です。たぶん、いえ、きっと・・・絶対」
「嬉しいでしょう?」
 祐実はそう言って茶羅の頬を撫でながら耳の周りを指で愛撫する。
「は、はい。嬉しい。嬉しいです」
「未知の世界は素晴らしいものよ。それを私が導く。あなたは何の不安も要らない」
 祐実はゆっくりと茶羅のふくよかな胸を制服のブラウスの上から優しく愛撫する。
「はっ・・・はぁ・・・・わ、わたし・・わたし・・知らないんです。ほ、ほんとに、ほんとに何も・・・」
 目を潤ませて茶羅はされるがままに祐実の愛撫を受け入れて、子どものような純粋な眼差しを向ける。


「優しくしてあげる。悦びをあなたに教えてあげる。楽しみ方をあなたに教えてあげる。あなたはオトナのオンナになるのよ」

「オトナのオンナ・・・・・・」
「はじめての不安を私が一つづつ取り除いていってあげる。純一さんとはそれからでも遅くはないわ」
「・・・・・・・・・・・・」
「どう?あなたはきっと『うん』と言ってくれるわ。だってあなたは私のことが好きだから」
「・・・・・は、はい。わ、わたし、祐実さんに、祐実さんにもらって欲しい。私のバージン、祐実さんに差し上げます」
「嬉しいわ、茶羅。そしてあなたはオトナのオンナになるのよ。純一の悦ぶことも全部教えてあげるわ。彼との最初のセックスが素晴らしいものになるようにあなたはこれから無条件で私の愛を受け入れるのよ。あなたにはそれが唯一の選択肢であり悦びでもある」


「は、はい。私は祐実さんが好きです。祐実さんの愛を無条件に受け入れます」
「わたしの言うことには絶対従うの」
「はい。従います」
「あなたのすべてが私のモノよ」
「はい。私のすべては祐実さんのもの」
 茶羅は目の前の瑠璃子をうっとりとした表情で見つめながら『祐実さん』と囁く。


「そしてバージンを捨てたとき、あなたにスワットになるための最後のチャンスを与えてあげる」
「は、はい」
「先に署に戻っている私をあなたが犯すのよ」
「私が、祐実さんを、犯す?」
「これから私が与える愛にあなたが報いる番よ。あなたがこれから経験する悦びを今度は全部私に返しにいらっしゃい。できるわね。これからあなたに起こる愛の行為をあなた自身が私に示して」

「はい。私は祐実さんから頂く愛に報い、スワットの一員になるための課題として、署に戻った祐実さんにこれから教わるすべて、身をもって祐実さんへの行動で示します」
「スワットへのテストも兼ねているのよ。私は抵抗する。あなたはそれでもやり遂げる自信があるわね」
「は、はい!私は祐実さんの与えた試練を必ずクリアしてみせます」
「そう。いい子ね。私が何を言ってもどんなことをしてもあなたは私から『クリア』の言葉を聞くまでは決して行動をやめてはダメよ」
「は、はい」




「さぁ、服を脱いで。これからあなたは今まで体験したことのない快楽におぼれるのよ。五体・五感のすべてで感じ取りなさい。素直なままで」

「は、はい」
 茶羅は不安げな表情で体が小刻みに震える。
「なにも不安はない。あなたは私が大好きだから。あなたは私の言葉に従うだけでいい。もうここがどこなのか、今がどういうときなのか気にしなくていいわ」


 茶羅は、祐実になりすました瑠璃子の前で制服を脱ぎはじめた。
「は、恥ずかしい・・・・・・・」
 瑠璃子の視線に恥ずかしがる初心な少女のような表情を見せ、一枚一枚自ら制服を剥いでいく。
「フフフ、言葉は無限の力。茶羅、あなたはすでに私に会う前から動揺してた。あなたを堕とすのは一言でよかったのよ。さて、あなたが処女を捨てる相手は誰にしようかな」

 ウキウキとしながら瑠璃子は準備室に茶羅を残し、ラボ室を見渡して、床に倒れ伏す奥津真矢を呼び起こした。

「起きなさい。名は?」
「おくつまや・・・で・・す」
「真矢。今からお前の主人はこの私だ」
「はい」
 すでにナイトホークの呪縛に絡めとられまま放棄された人形化した真矢には自分が主人であることを刷り込めばそれで十分だった。



「お前には今から女を1人犯してもらう。どう?嬉しいでしょう」
「嬉しい」
 真矢はニンマリと含み笑いを浮かべる。
 

「あなたは欲求不満を学院内で自分で楽しんで解消してたのかな?経験は?オナニー好き?レズ好き?なんかいいもの持ってる?」

「はい・・・自分で慰めてもいます。装具もあります。生徒をお仕置きの名で楽しむのが私の趣味であり、大好きです」

「ククククク、こりゃいいや。しかも装具って?真矢、今から犯す女を目一杯淫乱な色キチガイにしたてるの。あなたの好きにね、準備なさい。相手は処女よ」

「はい・・・・・ごしゅじんさま」
 そう言って真矢は酔った様な含み笑いを浮かべながらフラフラと教室を出て自室へと準備に行った。
「フフフ、女子高に巣食う女王様のねっとりとした淫乱な趣味、茶羅はそれを祐実からの好意として心の底から悦んで受け入れる。装具?アハハハ、なんだろね」

 瑠璃子が準備室に目をやると全裸になった茶羅が呆然と立っているのが見えた。

 瑠璃子の手元には、茶羅の制服から引き抜いた彼女の携帯と取り戻した音叉があった。
 開かれた携帯の液晶を確認する。
「ふふふ、思ったとおり。このラボ室と準備室は防音である構造上、圏外になるんだね。茶羅、残念だね。私の顔写真は憧れの祐実さんには届かなかったよ」

 茶羅の携帯には『送信できませんでした』のメッセージが寂しく表示されていた。

「明智祐実チーフさん。私に探りを入れて手間をかけさせた罰よ。あなたには可愛い刺客が行くよ。私からのプレゼント。アハハハハハ」
 瑠璃子の笑い声がラボ室に響く。
「あなたを堕とすのは最後にするわ。周囲を寝返った仲間の部下達に囲まれた絶望の縁で私の人形になればいい」

 
 


 

 

戻る