TEST


 

 





********** 4th−day   Vol.1 *******






【 聖オスロー中等学校 面談室】


 早朝、学内の面談室で学年主任の奥津真矢からの30分にわたる説明で琥南の転入手続と入寮手続が済まされた。
「寮には最初から必要なものが学校側から用意されていますからお母様はこれでお引取り頂いて結構です」
「はい。よろしくお願いします。琥南、男の子なんだから寂しがったりせずにお友達を早く作って楽しく過ごしなさい」
 早紀は丁重に挨拶をすると隣に座る琥南に頬擦りをして力いっぱい抱きしめる。
「いてテテテテテ、痛い、痛いよ、ママ(バカ、マジになんなよ、怪しまれるだろ)」
 そう言いながら琥南は奥津から死角になる方の手で早紀の胸を鷲づかみに愛撫した。
「はぁぁぁ、離れたくない。ずっと一緒にいたいの」
 早紀は切なげに琥南の耳元で囁いた。到底、親子の別れ以上の情感がこもっている。

「こ、コホン。お母様も、もう少し琥南君と距離をおいて見守って上げてください。ご主人からの急な編入理由として奥様の子離れを上げられておいでのようです」
 磯山は琥南にべったりの早紀をたしなめ、その溺愛ぶりに夫の困り果てた末の転入なのだと妙に納得した。
 そうでなければ暮れも差し迫ったこんな中途半端な時期に転入生など考えられなかった。
 転入生はというと中学生とは思えないほどの未成熟ぶりで体格をひとつとってみても小学生にしか見えなかった。
 これもまた母親の溺愛からくる発育障害の賜物かもしれないとさえ思えた。

 面談室の扉がノックされる。真矢はどうぞと声を掛けた。
「失礼します」
 そう言って入ってきたのは真っ白なジャージの上下に青いトレーナー、髪を後ろで束ねた長身の若い女性教師だった。
 ジャージのぴったりとしたボディーラインからまるで俊敏な小鹿のような印象だ。
 彼女は礼儀正しく一礼すると真矢の脇に立った。
 まだ大学生といってもとおる若い教師はあどけなさの残る笑顔で琥南を見た。
「琥南くんのクラスの担任、小西真奈先生です」
 真矢が真奈を紹介した。

「小西です。担当は体育になります。琥南君、ステキなお名前ね」
 そう言って真奈は涼しげなさわやかな笑顔を琥南にむけた。
「い、いいっ!すっっっごくいい!気に入ったわ、えらいベッピンだし、もうオレのストライクゾーンのド真ん中!」
 琥南はソファの上に立ち上がって、まるでトランポリンのジャンプのように小躍りして喜んだ。
「く、くやしぃぃぃぃ」
 早紀はまるで古女房のやきもちのように琥南の尻をつねった。
「いてテテテテテ!っってえな!てめぇ!なに嫉妬してんだよ」

 真矢と小西は琥南の言葉と態度にすっかり仰天していた。
「こ、琥南くんはもう少し言葉遣いに注意しましょうね」
「あ、いけね。は〜い、真奈先生よろしくおねがいしま〜す」
 琥南は慌てて取り繕った。
「それじゃあ、琥南くん。始業までまだ1時間近くあるから学校の中と寮を案内するわね」
「えっ」
「あら?私が案内するんじゃイヤかな?奥津先生のほうがいいかな?」
「ぜぜぜぜ、ぜんぜん!願ったり叶ったりで」
 琥南は意味深な笑顔にぶんぶんと風の音がでそうなほど首を振った。

「じゃあ、行きましょ。それじゃあお母様、琥南くんをお預かりします」
 琥南は自分から真奈と手をつないで面談室を出て行った。
「フフフ、琥南くんはまだ『お子ちゃま』なのかな?おませさんかな?いきなり先生の手を握ってくる男の子って初めてよ」
「そ、そうかい?いや、久しぶりの娑婆でイイ女見つけると、ついね」
 琥南は慌てて手を離して頭を掻いた。
「琥南くん、あなた『娑婆』ってどういう意味で使っているか分かってる?」
 琥南の受け答えがあまりにも大人じみて真奈は顔をしかめた。

「いままでお宅でどういう教育を?」
 奥津真矢は冷徹な表情で早紀を睨みつける。
「あ、そ、その、もう!すぐ調子に乗るんだから!」
 早紀は真矢の視線を逸らして部屋を出て行く琥南の背中を見送った。





【 聖オスロー中等学校 校内 】



 琥南の中に昨晩、ママから受けた指令がこだましている。廊下を歩きながらの真奈の校内説明に琥南は上の空だった。

「ひとつ、学内潜入後、直ちに陣内瑠璃子と接触すること
 ひとつ、接触後、陣内瑠璃子からTESTにかかる途中経過を組織に連絡させること
 ひとつ、陣内瑠璃子本人から報告不能な事態の場合はあなたが連絡すること
 これについては、現在、彼女の怠慢で連絡行為が途絶えているため、明日(つまりは今日)の午後1時半までに決行すること
 ひとつ、TEST期間であり、目標課題以外への軽挙妄動な能力の使用は差し控えるよう伝えること
 ひとつ、私からの携帯電話・メールには必ず応答するよう伝えること・・・・」

「接触っていうならイレてもいいのか?・・・痛てぇ、いてぇなぁ!冗談だろ、イッツジョーク!」

 ママは思い切り琥南の頭をひっぱたいた。あらためてコナンにも釘をさした。
「いい?とっちゃんボーヤ。あなたにも注意しておくわ」
「そのコンドームいや、コードネームで呼ぶなよな、おばさん。あ、イテ!」
 ママはゲンコツでこつんと琥南の頭を小突いた。
「まず、その口の利き方やめなさい。あくまで子どもらしくね。次に好き勝手に能力を使わない、特にあんたの性欲解消のためにだけ!」
「ひでぇ、それぐらい好きにさせろよ!ってぇな!転入早々の午後1時半までって、昼休みまでに接触なんて急すぎる!」
 琥南の目が吊りあがる。ママはまた頭を小突いた。

「やってもらうわよ!陣内瑠璃子への接触が最優先!いいわね、明日の編入日、必ず報告を入れなさい!」
「ちょっと待てよ!俺は中学に編入すんだろ?どうやってその陣内瑠璃子を見つけて接触しろってんだよ」
 ママはふぅっとため息をついて首を左右に振った。呆れた時の表情だ。
「少しは自分で考えなさいな。一応中等部はオスロー女学院の同一敷地内にある共学校よ、あとはあなたに任せる」
「任せるって、おい!なんの予備知識もなくいきなり潜入して自分で考えて行動開始しろってか!まだ未熟な子どものオレに!」
「そうよ。あなたの身勝手な性格にぴったりでしょ、指示したってあんたはそのとおりに動かないから」
「えげつねぇ、言い方がえげつねえぇ」
「どうせ長居させるつもりもないから、授業をサボるなり、女子高に乱入するなり好きにしたらいいでしょ」



 結局、具体的な行動を示されないまま琥南は命令に従うことになった。
「ふぅ、やってられんわ」
 琥南は思わずため息をついた。自分では口に出したセリフのつもりではなかったが真奈には聞こえていた。
「あら?私の説明じゃつまらなかったかしら?それとも疲れたのかな?」
 真奈は腰をかがめて琥南の顔を覗き込んだ。
 視界に真奈のふくよかな胸のふくらみが飛び込む。

「え、あ、ちがう、違うよ。別のこと考えてた。そ、そ、そそそ、そうだ、あれは?あの古びた建物は?」
 慌てて、琥南はどうでもいい窓ガラスの向こうの建物を指差した。
「ああ、あれは姉妹校になるうちの高等部、聖オスロー女学院よ。3階と6階と9階の渡り廊下でつながってるの。中等部は今年からここへ移転したの」
「あああ〜ん!あれかい!女学院ってのは!」
「でも、琥南くん、琥南くんはあちらには行けません」
 おどけながら真奈がちちちと唇を鳴らして人差し指を左右に揺らす。
「な、なして?」
「あちらは女子部しかないからよ。男女共学は中学まで、だから高等部は当然男子禁制なの」
「かかかかかか、勘弁してよぉ!こっちは仕事で来てんだぜ、ママだって、それくらいの情報調べて女のブリーダー使えよなぁ」
 琥南はその場でしゃがみこんで駄々っ子のように腐った。
「なに言ってるの?仕事?ブリーダー?何のお話?琥南くん」
「いいの、いいの。真奈先生には関係ないから」

「琥南くん、キミはどうも『おませさん』だから高等部の女の子に好きな子がいてここに編入してたりして、ウフフ」
「どうとでも言ってよ、落ち込んでんだからさ、オレ」
 真奈はからかうように「おませさん」っと琥南の鼻先を指でツンっとついた。
「まぁ、私は毎日のように出入りしているけどね」
 真奈の言葉に琥南はぴくりと反応した。

「毎日?先生、毎日あっちへ行ってんのか?」
「琥南くん、『行ってますか?』よ、言葉直しなさい。だって私は高等部の体育も何クラスか授業持ってるのよ」
 琥南の顔がにわかに明るくなった。
「おおおお、だったらサ、だったらサ、真奈先生、陣内瑠璃子って知ってる?」
「『知ってますか』ね。知ってるわよ、えーと、2年生の子よね、私の受け持つクラスのひとつに彼女いるわよ。は、はぁぁ、お目当ては陣内さんってわけね」
 真奈は意味深な含み笑いを浮かべた。

「ヒューヒューっ!第一段階突破ぁ!」
「でも呼んで上げないわよ。そういう異性の学部間接触は禁止だからね、キャンパス内でも」
 琥南は再び意気消沈。
「じじじじ、実は親戚なんだけど」
「だーめ!見え透いた嘘言うんじゃありません。お母様から提出された個人簿には当学内の親類縁者は生徒・教師間とも一切なしになってるわ」
「なら、先生、授業の時に伝言してよ、連絡くれって。オレ携帯持ってるから番号教えるよ」
「ダメよ、教師の私にそんなコトできるわけないわ。さぁ時間が押してる案内を進めるわよ」
「どうしても、どうしても、どうしてもダメなのぉ?これだけ頼んでるのに」
「ウチは校則の遵守は絶対。取り締まりには厳しいのよ。琥南くんも気をつけなさい。さ、歩いて」
 真奈はそう言って琥南の小さな背中を押すと前を歩き始めた。琥南はその後ろを俯き加減についていく。
 目の前に映る真奈のジャージに透けるパンティーの曲線に思わず目が釘付けになる。
(か〜っ、いいケツしてんなぁっ!)

「ここが家庭科室、調理実習などで使うわ。今の時間は、あ、ホラ開いた。中見てく?」
 扉を開けて真奈は自分から中に入った。

「ククク、やっぱこれっきゃねえかなぁ。あの女への接触のために能力を使うなとは言われなかったしよ。接触が最優先だったよな」
 家庭科室に足を踏み入れた琥南は1人でにやけると家庭科室の扉を閉めた。
 真奈はしきりに教室内の特徴を説明している。
(悪いな、真奈先生。これも仕事だから、ククク。オレの手足になってもらうぜ)


「先生、聞いていい?」
「なあに?質問かな?」
「先生はどうして先生になったの?」
「あら?やっとそれらしい質問してくれるのね。ウフフ、私、小さい頃から先生に憧れてたの」
 真奈は少し顔を恥ずかしげに赤らめた。
 琥南はそんな真奈の表情に表れる心理描写を見逃さない。

「あっれぇ〜?真奈先生赤くなってる?」
「えっ?まさか、ハハ、そんなことないわよ」
「好きな先生でもいたんでしょ」
 琥南はできる限り子どもが大人をからかうような口調で真奈のココロを突ついた。
「へへぇ、鋭いね琥南クン。名前どおり推理は好きなのかな?中学の頃の先生がとってもいい優しい先生でね。でも事故でなくなったの」
「若い男のイケメンの先生だ」

「まぁ、そんなところ。私以外に何人もの生徒の憧れ。その先生は私たち生徒の誰もまるで妹のように気さくに接してくれたの。いい先生だったなぁ〜」
「スキだったね、初恋?」
「コラ!まったく琥南くんはおませな言葉が多すぎるわ。大人をからかっちゃだめよ。でも体育の授業でケガをした生徒を自ら抱えて運んでくれたり、泳げなかった私を放課後つきっきりで教えてくれたり・・・」

「じゃあ、今の真奈先生はそのイケメン先生が下敷きになってるわけだ」
「うーん。私はそこまでまだ行き着かないなぁ。でも担任としてあなた達生徒を好き嫌いで判断せず、分け隔てなく接しているの」
「おぉ、すごい。俺達を愛してくれてるわけだ。イケメン先生がそうしたように」
「愛するだなんて。琥南くんはもう少し言葉の適切な使い方をお勉強しようね。でもわたしも賀集先生のようになろうと心がけているの」
「愛だよ、先生、イケメン・・・いや、その賀集先生を思い出してご覧よ、みんなを愛してたんだよね。そうじゃなきゃ、そこまでみんなから信頼されないよ」

 真奈はしばらく黙ったまま過去の思い出を紐解くように優しい顔で目を閉じていた。
 やがて、少し目を潤ませて琥南に言った。
「そうね、きっと私たち生徒を愛してくれていた。心の広い先生だったわ」
 真奈は亡くなった憧れの教師、賀集を思い出していた。
(ふっ、ちょろいぜ、このオンナ。少しいじっただけで感情起伏が出やがる)
 琥南の口元が醜く嘲笑を誘うように歪んだ。

「果たしてそうかな?」
「えっ」
 真奈の顔が急に思い出から引き戻されて、我に帰ったようにはっとなって琥南に向けられた。
「先生、ベドファイルって知ってる?」
「えっ?何ファイル?な、なに」
「恐らくは賀集先生はこれだったのさ」
「ちょ、ちょっと待って琥南くん、なに?先生はその言葉知らないの。もう一度言って」

「ダメだよ、先生。もっと勉強しなくちゃ」
「そ、そうね」
「賀集先生のことが知りたい。賀集先生に関することだから知りたいんだよね」
「えぇ、そうよ。琥南くんが何て言ったか分からなかったから」
「先生は賀集先生に憧れて、賀集先生のようになりたくて教師になることを夢見てたんだよね」
「そうよ」
「今の先生の理想像は賀集先生、だよね」
「えぇ」
 すべての琥南の問いに疑うところはひとつもない。真奈は真剣に聞き入っていた。
 琥南から発せられる言葉を真奈はすべて肯定した。

 琥南は調理台の上に乗っかって真奈と目線の高さを同じにした。
 真奈は編入生との不思議な問答にいつしか取り込まれていた。
「真奈せんせい、よく聞いて。ボクの言葉に集中してよ。そうじゃないとまた聞き逃しちゃうからさ」
「え、ええ、わかったわ」
「はい、しっかりコッチ見る」
 琥南は真奈の両頬に手を添えて視線を固定する。
 真奈は琥南に顔を触られても抵抗することもなくされるがままでいる。
 すでに琥南の言葉に集中するあまり、他のことが気にならなくなっていた。

 真奈をおさえた琥南の両手の親指がこめかみへと移動する。
 琥南は間もなくくるであろう『その瞬間』に期待が膨らみ、股間のものを怒張させていたが真奈は気づかない。

「賀集先生はね、ロリコンだったのさ。真奈もこの言葉ならわかるだろ」
「えっ・・・・」
「賀集先生はロリコンだった」
「が、賀集せんせぇが・・・ろりこ・・ん」

「フフ、そうさ、真奈、だからお前達は賀集の獲物として愛された。その賀集がお前の憧れ、お前の理想、お前の先生は小児性愛者」
「私の憧れ、私の理想、私の先生は小児性愛者」
「そうだ、だから、お前も・・・・・」
 そう言って琥南は真奈のこめかみを瞬時にキュッと押さえつけた。
 彼が極めて短時間に相手の深層心理に刷り込みをかけて暗示を固定させるためのテクニックだった。
「あぅっ・・・」
 小さなうめきが真奈の口から漏れた。


「そうだ、だから、お前もそうなるんだ。お前はこれからショタコン・ロリコンの二刀流だぁっ!」
 きゅっとこめかみを絞り上げる。
 電気に触れたように真奈は目を見開いたままビクッと体を体を振るわせた。
「賀集先生はお前の憧れ、お前の理想の教師。賀集先生はロリコン、だからお前も俺たち生徒に異常なまでに性的な欲望を抱く教師になるんだ」
「賀集先生は私の憧れ、私の理想の教師。賀集先生はロリコン、だから私も生徒に異常なまでに性的な欲望を抱く教師になる・・・・・」

「そうだ。それでいい。あくまで隠れて行動し獲物である生徒を狙え。お前の狙いはただ一点、今日編入してきた琥南だ」
「あくまで隠れて行動し獲物である生徒を狙う。私の狙いはただ一点、今日編入してきた琥南・・・・・」
 真奈の表情のない顔が暗く渦巻いた欲望の色が現れてくる。

「お前は琥南に異常なまでの淫欲な執着を持ってしまった。犯したい、自分のものにしたい」
 琥南は真奈の視線を威圧するように凝視して暗示を送り込む。
「私・・は琥南に異常なまでの淫欲な執着を持ってしまった。犯したい、自分のものにしたい」
 真奈はすでに言われるがままに反復して復唱する。
 そしてその言葉が自分の本心として心の奥に刻み込まれていく。


「琥南はお前の欲望を満たすためのただ1人の存在」
「琥南は私の欲望を満たすためのただ1人の存在」

「お前は琥南のことを思うたびに性的快感の波に襲われ、自分で自分をコントロールできない」
「私は琥南のことを思うたびに性的快感の波に襲われ、自分で自分をコントロールできない」

「お前は琥南を自分のものにしておくために彼の言葉には必ず服従する」
「私は琥南を自分のものにしておくために彼の言葉には必ず服従する」

「そのかわり、自分の欲望は彼を専有することで満たされる」
「そのかわり、私の欲望は彼を専有することで満たされる」

「憧れの賀集先生がお前を愛したように・・・獲物に服従し、獲物を手なずけ、獲物を貪欲なまでにむさぼり喰らう。自分の性欲のはけ口として」
「憧れの賀集先生が私を愛したように・・・獲物に服従し、獲物を手なずけ、獲物を貪欲なまでにむさぼり喰らう。私の性欲のはけ口として」

「お前自身の尽きることのない性の快楽を貪るため」
「私自身の尽きることのない性の快楽を貪るため」


「お前は琥南を愛する。琥南を愛する」
「私は琥南を愛する。琥南を愛する」


「おまえの理想は賀集先生」
「私の理想は賀集先生」

「だからお前はショタコン」
「だからわたしはショタコン」

「今のお前のターゲットは琥南ただ1人」
「今の私のターゲットは琥南ただ1人」


「他の生徒には手を出さない」
「他の生徒には手を出さない」


「だから琥南を気が済むまでしゃぶりつくせ、吸い尽くせ」
「だから琥南を気が済むまでしゃぶりつくす、吸い尽くす」


「それがお前の本質であり、本性」
「それが私の本質であり、本性」

「オレがもう一度お前のこめかみに触れるとこの状態になる。わかったな」
「・・・・・はい」

「今言った言葉はすべてお前の本心。ここであったことは忘れるがお前は心の奥にこの言葉を刻み込んだ」
「・・・はい」
「もうお前はオレの奴隷」
「・・・はい」



 琥南は真奈から両手を離す。
 真奈はふらふらとバランスを失って調理台にもたれた。

「ふぅ、早紀と一緒にさせたらまずいな。ここだけのオンナってことだ。イヤだね、外見見るからに子どもじゃあ成熟した女の恋愛対象にもなれないってか。イチモツ見せびらかすわけにいかないもんなぁ」
 そう言うと琥南は調理台を下りた。
「真奈、お前には陣内瑠璃子に接触するための俺の道具になってもらうからな。まずは、お楽しみ、お楽しみ。お前自らオレを犯す。ククク、1時間前までは考えもしない自分の行動を、お前は今までずっとそうしてきたように迫るわけだ」
 琥南はそういうと真奈のジャージの袖を引っ張った。


「真奈せんせぇ、せんせぇったらぁ。なに居眠りこいてんの?」
「あ、あれ?わたしったら、いけない。なんか急に眠くなって・・・・」
 真奈は一瞬にして我に返り周囲を見渡した。

「琥南くん・・・」
「なぁに?」
「さ、次のところを案内するわ」
 そう言ってまた真奈は琥南の前を歩き出した。
(ふん、まだ、深層意識の暗示が表層に表れてこないのか、はやくしろよ、久しぶりなんだからよ)



 廊下を出るために家庭科室の扉に手をかけたとき真奈の行動がとまった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「先生、真奈先生、どうしたの?次に行くんでしょ」
 わざと琥南が子どもっぽい声を出す。

 真奈の手が扉のロックをゆっくりと回した。
「先生、それじゃあ鍵かかっちゃうよ?」
「フフフフ、フフフフ、いいの、いいのよ、琥南くん。次はないの、ここが最後よ」
「えっ?どうして?(フフフ、始まったか?ケダモノへの変貌が)」

 振り向いた真奈はゆっくりとジャージのチャックを下ろした。
「先生さぁ、琥南くんみたいな男の子、食べちゃいたいくらい、ス・キ・な・のっ」
「えっ?」
 ジャージを脱ぎ捨てゆっくりとトレーナに手をかける。
「ウフ、ウフフッフ、怖がらない、怖がらない」
 琥南はわざとらしくあとずさる。

「ウフフフ、こなんくぅ〜ん。先生のハダカ、みたくない?」
「えっ?」
「あんな、陣内瑠璃子なんてほっとけばいいじゃない。先生の方があんなコよりとても魅力的よぉ〜。触って、ほら」
 真奈は別人のように腰を淫らにくねらせて胸をぎゅっとブラの上から両手で寄せると琥南の前に突き出した。

「えっ、えっ(くくくくく、そそる、そそるぜ、先生っよぉ)」
「わたしが何でも教えてあ・げ・る」
 すでに下着姿にまでなった真奈は足早に琥南に近づくとあっという間に抱えあげて調理台の上に押し倒した。

「先生、こんな切ない気持ちになったの初めて。琥南くん、あなたがいけないのよぉ」
「お。おおおお。おれ?」
「そう、あなたが、先生のココに火をつけたのっ」
 真奈はすでにブラもとった胸の中心を指差した。
 手はすでに琥南の制服を脱がしにかかっていた。

「うふふふ、琥南くん、琥南くんも堅くなってるじゃない?それにすごく立派よぉ〜大人みたぁい」
「そ、そ、そうっすか(すげえ、すげえ、こうも変わるか、たじたじだぜ、このオレ様がよぉ。当たりだな。この女)」

「ウフフフ、琥南くん、可愛いから先生がゆっくりとやさしく舐めてあげる」
 そういうと真奈は口元で舌なめずりをしたあと、ゆっくりと琥南のモノを口に含んだ。
「せ、せ、せ、せんせい」
「うふふふ、こわがらないで、先生にまかせてね、ウフ。琥南くんの『はじめて』はこの真奈先生のものよ」
「は、は、は、はいぃ(まぁ初めてじゃねえんだけどよ)」
 真奈はその後も琥南のありとあらゆるところを舐りまわした。

「先生、頼みがあるんだけど」
「いいわぁ、何でも言って。あなたの頼みを私が断るはずないじゃなぁい」
「なんでも?」
「えぇ。なんでもよ、ウフフ、もう貫通したい?」
「陣内瑠璃子に接触したい」
「フン、いいわよぉ、別に。叶えてあげる、あなたのためですもの。でも、あなたは私のものだからね」
「でもオレの言うことは聞くんだろ」
「えぇ、なんでも。頂くわよ、あなたの初めて」
「おう、食えよ、たっぷりと」
「ウフフフ、あなたってス・テ・キ。私の理想の相手よ、サイコぉ〜っ」
「1時間前にも会ったばかりのションベン臭いガキに同じセリフが言えたかね?」
「えっ」
「いや、こっちの話」
 真奈は調理台の上で琥南に馬乗りになってゆっくりと腰を下ろすと恍惚とした表情になった。
「腰、動かすね。すぐに出しちゃだめよ、男の子は我慢だからね。あっ、あああああき、きもちいいいいい」
 (ククク、微妙な教師と教え子の関係の成立ナ。矛盾する服従と支配の関係に真奈先生、あんた何も疑わないんだな。まあオレの暗示なんだけどな)
 琥南はゆっくりと腰を動かした。
「あん、ああああ、いい、いいよぉ、琥南、琥南ンンン」

 2人が始業に遅刻したのは言うまでもない。

 
 


 

 

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