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  習作

51: 名前:nakami投稿日:2010/12/03(金) 12:30
琉樹の館・8

「……青葉様」
「あぁ、おつかれさま、小春」
「この子は───」
「ん、なに?」
「この子は、容姿も優れて、頭もいい子です。それに、芯がしなやかで強い。もしも青葉様が合格を与えたなら、きっと素晴らしい調度品になることでしょう。この子を調度品になさるのなら、教育係は是非この私に」
「それって、彼女を君の後継者にしたいということ?」
「はい。できることなら」
「ふぅん……まあ、考えておくよ」

 ぼんやりとした頭に、2人の会話が入ってくる。
 寝てたんだ、私。何やってんだ、私。
 もっとちゃんとしたお仕事がしたいのに。しなきゃならないのに。なんて情けない女なんだ。
 体は重くて動かない。背中を誰かが撫でている。私の肌を傷つけないように、優しい手つきで拭いてくれている。
 その温かさに涙が出てくる。喉が詰まって、しゃくり上げる。
 背中の手は、それでも優しく撫でてくれていた。

「ルヴィ」
「は、はい」

 琉樹さんの呼びかけに背中の手が止まった。
 やっぱり、彼女だった。

「亜沙美さんをシャワーに連れて行って、きれいにして。僕はここで待っている」
「はい」

 私の手が、彼女に引かれる。

「行きましょう、お姉様。すぐにきれいになりますから」

 この子の手は、私を安心させてくれる。強く握ってしまう私に、彼女も優しくぬくもりを返してくれる。

「ルヴィ」
「はい」
「女になってもいいよ」
「……はい。ありがとうございます、ご主人様」

 私はルヴィに手を引かれて、ぐるぐる不明な廊下を歩く。
 彼女の手が、少しずつ汗ばんでいく。

 シャワールームで、服を脱ぎ捨てたルヴィに支えられて、私は頭からシャワーをかぶった。
 ルヴィの小さくて柔らかい体が、とても温かかった。

「……あぁ」
「お姉様、大丈夫ですか? お湯は熱くないです?」
「大丈夫…です。すみません、こんなことまでしていただいて……」
「いいんです。謝らないで。そのままじっとして、私に任せてください」

 ルヴィは汚れた私の体を、丁寧に手のひらで拭ってくれる。
 この子の手は大好きだ。小さいけど、暖かくて優しい。
 そして、こんな子どもに頼りきっている今の自分が情けなくて、私はまた涙が出てくる。

「どこか痛むんですか、お姉様? どこです?」
「違う…の。私…私、みっともない…あんなに、いやらしいこと…今も、あなたに、こんなことをさせて…」
「そんな! お姉様は、ちっともみっともなくありません。今もすごくきれい。本当です。さっきのお姉様も、すごくきれいでした」
「うそ…やめて」
「うそじゃないです。本当のこと教えちゃうと、私もお姉様を食べちゃいたいって思ってました。でも…なんだか、ドキドキして、恥ずかしくなっちゃって…」

 小さな手のひらが、私のお腹を、胸を、優しくまさぐる。ルヴィのため息が、なんだか甘く聞こえる。

「今は…ご主人様が、女に戻っていいっておっしゃったから…」
「ん…んんっ」
「お姉様の肌、やわらかい。気持ちいいです…」

 胸をすくうように撫で上げられる。思わず声を漏らしてしまう。

「あっ、あっ」
「吸っても、いいですか? お姉様の、柔らかくて美味しそうなおっぱい、ルヴィ、吸ってもいいですか?」

 金色の髪が濡れて、彼女の小さな顔に張り付いている。まるでゴールデンレトリバーの仔犬みたいに青い瞳が、私を見上げている。
 胸が切なくなるような瞳。

「んっ、いい、わ。ルヴィ、おいで」
「嬉しい……お姉様!」

 私は彼女に胸を許してしまう。まるで赤ん坊みたいに夢中で私の胸を吸うルヴィは、とても可愛かった。愛おしくなる。
 濡れた髪を梳く。小さくて柔らかい体がとても気持ちいい。この髪も。懸命な唇も。

「お姉様。ルヴィが一緒にいるから、大丈夫です。ルビィがお姉様を守ってあげます。小春様にぶたれても、そこ、ルヴィがペロペロしてあげます。だから、ルヴィと一緒にお勤めして欲しいです。この御館で、ルヴィと、ずっと一緒にいて欲しいです」
「はっ、あっ、そこ、あっ」
「絶対に、調度品になってください。お姉様なら絶対合格です。私も応援します。ルヴィは、お姉様の味方です」

 真っ直ぐな瞳を向けたまま、ルヴィが膝を折って、私の前にしゃがむ。
 そして柔らかい舌で、クリームだらけになった私のアソコをなぞっていく。

「ここも…お姉様のここも、きれいにしてあげます。お姉様の体は、ルヴィの舌で、全部きれいにしてあげます。お姉様…んっ」
「あッ……あぁッ、あぁぁッ」

 舌で中をほじくられて、大きな声が出る。
 私の声がシャワールームに反響して、耳に響く。
 いやらしく空気を震わせ、私の官能をさらに引き立てる。

「そう。この部屋の使い方は、それで正しいです。さすがお姉様。もっと、えっちなお声を響かせて、感じてください。ルヴィも、お手伝いしますから」
「やぁっ、あぁ、ダメっ、声、出ちゃう! あぁっ! あぁぁ!」
「可愛い、お姉様。ここも、とってもきれいで、美味しいです。ルヴィ、毎日ここ舐めたい。これからも、お姉様の体をきれいに洗うの、ルヴィのお仕事にしていいですか? ルビィと、毎日、お風呂に入ってくれませんか?」
「あっ、あぁ、ルビィ、あぁぁッ」
「お姉様、ちゅ、ルビィに、何でも言いつけて。んっ、ルヴィ、何でもしてあげます。お姉様の言うことなら、んちゅ、何でも、しますから」
「あぁっ、ダメっ…あぁっ、そこ、いい! 感じちゃう!」
「だから、お姉様…んっ、ちゅっ、私の、お姉様になってください。ルヴィを、お姉様の妹にしてくださいッ、んっ、んんんっ!?」

 私は、ルヴィの小さな頭を自分の股間に押しつける。
 熱いシャワーが降り注ぎ、反響する私の嬌声が、もっと私を官能に駆り立てる。

「ルビィ! きて、もっと!」
「んっ! んんんんっ!」

 感じたい。もっと深く。強く。
 髪をつかまれ、押しつけられて、苦しそうな声を出しながらも、ルヴィは私のそこに舌を這わせて、次々に滴る私の愛液をすすってくれた。
 私は腰を動かす。大きな声を出す。自分に聞かせるために大きな声を。
 ルヴィは、舌を私の中までねじ込んできた。右手で、自分の股間を触って、私のここをとても丁寧に情熱的に舐めてくれている。
 私たちは、夢中になって声を上げた。仕事はまるで進んでもいないというのに、私はこの快楽に押し流されていく。
 シャワーの水音。舌の音。そして私自身のいやらしい喘ぎ声。
 全ての音が子宮に響いた。全身にシャワーと音を浴びて、私の体は蕩けていく。

 琉樹の館に───溺れていく。

52: 名前:nakami投稿日:2010/12/03(金) 12:31
琉樹の館・9

 ルヴィの小さな手が、私の手に絡んでくる。私はそれをしっかりと受け止めて、離さないように深く握りしめる。

「行きましょう、お姉様」
「うん」

 このぬくもりが、私の足を支えてくれる。いろんな部屋を巡ったはずなのに、廊下に立つと、もう私の方向感覚と記憶はあやふやになっていく。自分がここにいる目的まで忘れてしまいそうだ。

 私が取材に訪れた建築デザイナー、琉樹青葉の私邸は変わったところだった。
 彼の祖父が設計した謎多き『琉樹の館』に招かれるためには、いろいろと条件があるそうだ。
 まずは、この館に相応しい調度品にならなくてはならない。それには体の美しさや気品や教養とか、厳しい審査基準があるらしい。
 私は裸にされ、琉樹青葉に抱かれ、道端小春に料理され、この館のメイドさんたちに全身を舐められ、泣かされ、そしてまた迷子になっている。
 仕事を進めようにも、自分の周りに何が起こっているかも把握できていなかった。
 しかも取材だというのに、カメラもレコーダーも手帳どころか、服までどこかで忘れてきてしまったようだ。
 一人前の記者になるには、まだまだ時間がかかりそうだ。自分のバカさ加減が、時々本当にイヤになる。
 それでも、仕事は諦めたくないけど。

「遅かったね」

 食堂には琉樹青葉と道端小春がいて、固く手を繋いでいる私たちをからかうように笑う。
 ルヴィの手が少し熱くなり、力がこもった。

「次へ行こう。小春も君たちに付き合ってくれるそうだ」

 私の取材に、小春さんも。
 道連れが増えるのは良いことなのか、そうではないのかわからないが、私はまだこの気難し屋の琉樹青葉に『失格』を言い渡されたわけではないみたいだ。
 まだ仕事を続けられる。
 なんだか二日徹夜したあとみたいに意識はぶつ切れだが、きちんと目的だけは整理して、忘れないようにしないと。
 この館では、不思議なことが起こるようだから。

「次は書斎に案内するよ」

 廊下に出ると、私の感覚はおかしくなる。
 颯爽と前を歩く琉樹さんと、その後ろに従う小春さん。その更に後ろに、手を繋いだ私とルビィ。
 私たちの距離はぐにゃぐにゃと変化して、歩く道のりも長いようで短い。時間の感覚すらおかしくなっているようで、どれだけ歩いたかもわからなかった。

「ここです」

 琉樹が立ち止まり、私の前で扉を開く。
 一歩、足を踏み入れると、空気がピンと張り詰めた。
 口を閉ざす。静かに動く。
 静寂が必要なのは、この部屋の主がそれを好むから。私は窓辺の製図机に吸い寄せられる。
 低く古いデスクだった。使い込まれた姿は持ち主の強い愛着を感じる。大事に愛されてきたに違いない。
 そして、それは椅子を必要としなかった。
 私は、自然と机の前に立ち、四つんばいになっていた。
 この部屋の椅子は調度品の仕事だった。
 衣擦れの音を聞く。見上げると、小春さんもメイド服を脱ぎ捨て、下着も外しているところだった。
 なんてきれいな体。豊かな胸。くびれた腰。
 女優というのは、やっぱり一般人とは何もかも違う。それとも、彼女だけ特別なんだろうか。
 いやらしさを感じさせず、むしろ気品を増したように見える。服を着ているときよりも、裸のほうが品があるってどういうことだろう。まるで彫刻のような芸術美。
 そして小春さんは、黙って私のそばに膝をつき、濃い陰毛の股間を私の脇腹に密着させた。くすぐったいが、すぐに慣れる。小春さんはそのまま腕を伸ばした。
 これで椅子の完成。私の背中が台座。小春さんの胸が背もたれ。腕が肘かけ。
 私たちの体は固定された。全身の筋肉が私の意志において弛緩し、この部屋の意志によって硬直した。私たちは決して動いてはいけない。
 琉樹さんが、私の背中に腰掛ける。細身とはいえ、男の人の体重は私には十分に重たかった。
 だが、その重みも一瞬で消えた。クッションのようにしなっただけで、私の背骨はその位置で固まってしまった。
 力を込める必要もない。この部屋の命ずるままに、体を委ねればいい。
 私はただの椅子だ。

「ここは祖父の書斎です。主に仕事のとき、休日や夜の読書、静かな時間な欲しいとき、ここを使っていたそうです」

 琉樹大介の残した静謐で重厚な空気は、今もこの部屋を支配している。
 私はその孫、琉樹青葉の言葉におとなしく耳を傾ける。

「祖父は調度品を椅子にして座るのが好きだった。時間があればこうして女の上に座って、もの思いにふけっていたそうです。そうすると、良いアイディアも浮かんできたとか。亜沙美さん、顔を上げて壁の写真をみてください」

 首をまっすぐ上げると、そこに写真がかかっていた。
 白髪の、精悍な男の人。顔も白い髭に覆われてるが、眼の輝きは若々しく野性的で、表情に年齢を感じさせない。ツイードのスーツがよく似合っていて、逞しき紳士といった風貌だ。
 これが、琉樹大介。日本建築史の巨人で、この館を設計し、支配してきた主。
 そして彼が椅子にして悠然と腰をおろしている女性は、どこかで見た覚えがある。

「わかります? 彼女、シルヴィア・ベアールですよ。『アラバマの貴婦人』でオスカー獲った女優さん。彼女が『嘘と追憶』の撮影で来日した時、のこのこと祖父に別宅の設計を依頼しにきて、調度品にされてしまったそうです。それ以来、よくお忍びで来日しては、ここで祖父の椅子になっていたとか」

 彫りの深い横顔をカメラに向けて、裸になり、四つんばいになって大介氏の体を支えている往年の名女優。
 豊かな胸をつり下げ、巨躯な大介氏の下で椅子にされている彼女は、それでもスクリーンの中の美しく凛としたシルヴィア・ベアールそのものだった。

「祖父は彼女の椅子がお気に入りだった。そして彼女も祖父の椅子になるのが好きだった。来日したときには、一日中でも彼女はここで椅子になっていたそうです。祖父は、彼女が3番目の夫と結婚したときも、ここで彼女の上に腰掛けながら、新居を設計してあげたそうですよ」

 主従の深い信頼関係か、あるいは価値の分かる蒐集家とその逸品の風格なのか、写真の中の2人は幸福そうに見えた。
 私も、彼女のようにピンと背中を伸ばした。こんな風に琉樹青葉を支えたいと思った。

「これの何が楽しいのか、僕にはわからないけど。亜沙美さんは楽しいですか?」

 琉樹さんは、そう言って私と小春さんに体重を預け、つまらなさそうに天井を仰いだ。
 私は『喜んでいただけなくて残念です』と答えた。シルヴィアさんのようになれなくて申し訳ないと思った。
 誇らしげな顔の大介氏が、主を満足させられないダメ椅子の私を見下ろしている。
 そしてふと、疑問に思った。
 書斎に飾られている写真は、これだけなんだろうか。

「…家族の写真は…ここにはないんですか…?」
「は? 家族の写真ですか?」

 私はその疑問を思いついただけで、口には出していないはず。
 なのに、琉樹青葉は意外そうな声を出して驚いた。

「そういえば、そうでしたね。あなたは心に浮かんだことを、隠さずに僕に言う。そういう遊びでしたっけ。えぇ、家族の写真、ありませんね。僕もあなたに言われるまで疑問にも思いませんでしたよ」

 ぐるりと書斎を見渡し、琉樹さんは愉快そうに笑った。

「たしかに、書斎といえば家族の写真だ。静寂と孤独と没頭のための空間には、癒しも必要だ。普通の人なら、家族や友人たちの笑顔を置くんでしょう。でも、この部屋にあるのは祖父の自慢の調度品の写真だけだ。まあ、家族写真なんて撮った覚えもありませんから、なくて当然ですけどね」

 そう言って、私の背中を指でくすぐった。
 ゾクゾクと震えが走ったが、椅子である私は声を殺して堪える。

「でも、いい質問です。そう、琉樹大介は家族の写真を欲しなかった。むしろ、家族など必要としていなかったんです。彼にとって女とは館のための調度品であり、子どもなんてのは、その間違った副産物にすぎない。その程度だったんですよ」

 私の髪を梳き、背中を撫でていく。
 長い話の手持ち無沙汰で遊んでいるだけなのだろうが、そのたびに体が反応してしまう私は椅子を続けるのが大変だ。

「孫じゃないんですよ。僕は琉樹大介が65歳のときの子どもです。祖父は30代で離婚したきり戸籍上は独身だったから、便宜上、孫と称しているだけです。同じような子どもは他にもたくさんいましたよ。みんなで、ここの裏の離れで暮らしていました」

 子ども? 孫じゃない?
 琉樹青葉さんのお母さんも、ここの調度品だったということ?

「母は体が弱かったけど、美しい人でした。物心つく頃には僕は離れに移っていたから、こんなにすぐ近くにいても母に会える機会は少なかった。だけど僕は母が大好きでした。彼女に会うためなら、何でもしたいと思っていた。でも、父はそのことを簡単には許してくれなかった」

 琉樹青葉が、踏み込んだ話をしてくれている。
 メモも取れないし、この体勢のまま聞かなければならないから、集中しなければならないのに、私は彼の話とシンクロして自分の過去を思い出してしまう。
 優しい母。暴力的な父。母のことは大好きだったが、父のことは死ぬほど嫌いだった。
 父にぶたれる母の背中を思い出す。私にまで手をあげようとした父から私をかばって、額にケガをした母のことを思い出す。

「…ええ。あなたの家と近いかもしれません。暮らし向きはまるで違いますけどね」

 まるで私の考えを読んだかのように、琉樹さんは同調する。私なんかのつまらない話、こんな時にしゃべったりするはずないのに。
 私は、いつのまにか開いていた口を閉ざした。なるべく空っぽにして、琉樹さんの話を頭に留めるようにする。

「僕らはこの屋敷に入ることを、父…いや、祖父から禁じられていました。もしも勝手に入り込んだりしたことがバレたら、ひどく殴られた。外壁に触れることすら、屋敷を汚すと言って怒られた。だから、母にこっそり会いに行くときはいつも命がけでしたよ。じつに楽しい冒険でもありましたけど」

 小さな琉樹青葉が、たった1人でこの屋敷を探検する姿を思い浮かべる。
 大人の私ですら迷子になるような屋敷なのに、大変だ。

「図面を作ったんです。玄関から母の部屋まで。家具の配置や、その意味まで分析して。何度も迷ったり催眠にやられかけたこともありましたけど、一つ一つの仕組みと配置を理解して避けていけば、なんとか進んでいけるんです。10才の七夕の日から始めて、11才の冬休みで初めて僕は1人で母の部屋まで辿り着くことができました。母はとても驚いて、そして喜んでくれた。『青葉はすごいね』って言ってくれたんですよ。僕も嬉しくて、これからはいつでもお母さんに会いにくるからって、大得意でしたよ」

 琉樹さんがお母さんのことをしゃべるときの声のトーンは、とても優しい。でもここで言葉を切ったのは、悲しいことを思い出したからだと私は思った。

「…えぇ。祖父にはすぐに見つかりましたよ。おそらく、調度品の誰かが報告したんでしょうね。母の部屋にいるときに祖父が踏み込んできて、僕をめちゃくちゃに殴りました。止めに入った母まで突き飛ばして、僕の顔の形が変わるまで殴った。当時でもう80才近いおじいちゃんのくせに、恐ろしい腕力でしたよ。そして、僕の描いた図面をビリビリに引き裂いて、床にたたきつけたんです」

 胸が痛んだ。
 同情ではない。私自身の過去と、彼の過去がだぶったからだ。私自身の痛みが、彼の話で掘り起こされた。

「でも、そのあと祖父はなんて言ったと思います? 自分でボコボコにした息子に向かって、手を差し伸べて、恐ろしい笑みを浮かべて…『琉樹の名にふさわしき息子よ、お前に全て譲ろう』だって。僕は認められたんです。この館と、仕事と、彼の血を受け継ぐに相応しい男に。当時まだ小学生でしたけど」

 琉樹さんが、首の向きを変えたのが、椅子の私にも伝わった。大介氏の写真を、彼は見上げている。

「それからは、僕はずっと祖父と一緒だった。中学を卒業するまでに基礎は全部叩き込まれた。高校を出てからは大学なんて片手間で、ずっと祖父の助手として家に帰る暇もないくらい働かされました。でも苦ではなかった。彼に認められれば、母もこの館も僕のものになる。祖父がガンだってことにも気づいてたけど、僕は知らないふりをした。一刻も早く彼を蹴落としてやりたかったんですよ。僕は必死で学んで、祖父のセンスと知識を吸収した。晩年の仕事では、僕が祖父の名前で描いた仕事もあります。今でも誰も気づいてませんよ。僕は完璧に琉樹デザインを受け継ぎ、そして祖父にもそのことを認めさせました」

 ずっと私の髪をいじっていた琉樹の手が止まった。私は彼の話に夢中で、その感触も忘れていた。

「…その祖父が亡くなって、僕は揚々とこの家に帰ってきました。ようやく母と2人きりになれると思って…そして、母がとっくの昔に亡くなっていたことを、僕は初めて知ったんです」

 小春さんの体が震えている。琉樹さんが、彼女の細い腕を力一杯に握りしめていた。小春さんは、じっと彼の感情を受け止めている。

「僕と祖父が凌ぎを削り合っているときに、母はこの館で、たった1人で亡くなったそうです。そのことを祖父は僕に隠していた。僕がそれを知れば、何もかも放り出してしまうとわかっていたから」

 じわりと、私の手に汗がにじんだ。体は苦にも感じてないのに、琉樹さんの体が、重くなった気がした。

「僕は最初から、琉樹の名声なんてどうでもよかった。母と、母のいる家と、母と暮らすための財産と仕事が欲しかっただけだ。奪い取りたかった。この男を、病で死なせたことを今でも後悔しています。僕の手で…殺してやればよかったって」

 小春さんは微動だにしない。完璧なまでに家具の一部になっていた。
 私は、動揺せずにいられない。
 彼の強い憎悪が部屋の空気を変える。私の意識から何かが剥げ落ちていく。
 私は…なぜ、こんなところで四つんばいになっているの?

「…もういいです。あなたは正しく椅子であることを理解した。反応も早かった。合格です。結構ですよ」

 ふと、琉樹さんの体から力が抜けた。
 同時に部屋の空気も変わり、私は再びこの部屋に取り込まれる。
 私は椅子だ。そして主の許可により、役目から解放される。
 この部屋でのことはもう終わりだ。

「次へ行きましょう」

 あるいは、琉樹さんはこの館が好きではないのかもしれないと、私は思った。

53: 名前:nakami投稿日:2010/12/03(金) 20:22
琉樹の館・10

「……さて、体が冷えませんか?」

 廊下に出て、数歩、あるいは数十歩ほど進んであたりで、琉樹さんが振り向いて言う。
 顔が紅潮する。思い出したように体が尿意を感じ始めた。ぞわりと鳥肌が全身を走り、下腹が辛くなった。
 小春さんも、ルビィも、同様に体を震わせる。

「ここがトイレです」

 そっけなく遠慮がちな扉が、この先にある不浄の場所を暗示させる。

「寄っていきますか?」

 快活なその笑顔が、逆に悪意を感じさせる。
 イジワルな人だ。私たちは唇を噛んで頷く。3人とも、おしっこが我慢できないところまで来ていた。この場所は、きっとそういう場所なんだろう。

 トイレの中は非常に広かった。私たち4人も余裕で入れた。
 便器は一つだが、とても奇妙な形をしていた。
 まるで小さな滑り台のようだった。横から見ると「へ」の字に傾斜し、その先がアンダーバーのように床に長く伸びている。
 そして両脇に照明のスタンドと、右側にスタンドと同じデザインのペーパー立てがある。
 照明が猥褻にトイレを浮かび上がらせていて、自分がそこで用を足す姿を想像するだけで、私の体は羞恥に震えた。
 その便器に座れるような場所はなく、膝を立てて跨るしかない。膝を置くべき場所は床に窪んで示されている。その傾斜の最も高い場所だ。そこに跨り、自分の小水が便器の先端まで、たっぷりと時間をかけて流れるところをみんなに晒しながら用を足すことになる。
 そんなことするぐらいなら、この辛い尿意を堪えた方がまだマシだと思えた。

「どうしました? しないんですか?」

 ここは、とても恥ずかしい場所だった。急に自分が全裸であることも思い出して、私は羞恥で身をよじった。
 心臓がドキドキする。琉樹さんのも、他の2人の視線も辛い。見られたくない。
 こんなに恥ずかしい思いをしたことは今までにない。

「…できないんですか?」

 琉樹さんが失望してる。
 この人は沸点が低い。気に入らないとなれば、それまでだ。私はここでおしっこをすべきだけど、でもそんなこと恥ずかしくてできなかった。
 奇妙な便器と淡い間接照明の灯りが、私の奥底から『羞恥』の感情を掘り起こし、曝いている。ここにいるだけで恥を晒している気分だ。

「できないんですか、亜沙美さん?」
「わ…私、私は…その…」
「あ、あの! ご主人様!」

 まごつく私を、庇うようにルビィが前に出た。

「お、お姉様は初めてだから、やり方がわからないのは、仕方ないと思いますッ…ですから、私が、まずお手本を見せたいと思いますがっ、よ、よろしいでしょうか、ご主人様?」

 カチコチに緊張した声でルビィが言う。
 琉樹さんは「へえ」と面白そうに笑って、ルビィの気持ちを値踏みするように、彼女の赤い顔を見下ろす。そして、「別にかまわないよ」と横柄に答えた。

「あ、ありがとうございます、ご主人様……そ、それでは、見ててくださいね…お姉様」

 ルビィは赤くなった顔を、恥ずかしそうにうつむける。
 彼女も、私と同じくらいの羞恥を感じている。なのに、私のためにその恥を晒してくれるという。
 真っ直ぐな優しさが、今の私には本当にありがたく、暖かかった。

「下着は…脱いじゃいます。そして、ここに、こうして膝を立ててください」

 ピンク色の下着を足首に引っかけて、ルビィは便器の一番高いところに跨った。彼女の白い太ももが妙に艶めかしく見えて、シャワーでのことを思い出して恥ずかしさが増した。

「…スカートは、こう持ちます」

 遠慮がちにスカートの前を摘み、ゆっくりと上げていく。
 女なのに、ドキドキした。
 私はルビィの間には秘め事がある。だから特別な目で見てしまうのは仕方のないことだと思う。でも、それにしてもこの鼓動は、特別だった。
 性的な興奮を、私はこの少女に抱いていた。
 スカートの下から現れた薄い翳りと、その小さな若草では隠しきれない控えめな色をした秘部に、私は欲情していた。

「で、では…ルビィは今から、お、おしっこ……します。どうぞ、見ていてください」

 ルビィは恥ずかしそうに顔を背け、唇を噛む。その股の下で、彼女の秘部が劇的な震えを見せて、ほんのわずかに、肉を開いた。

「いやッ!」

 ピシャリと、小さな飛沫が便器の滑り台の上で跳ねて、そこで止まった。しかし一度開放してしまったルビィの小さな性器は、嫌がる彼女の下半身を震わせ、栓の抜けた小瓶のように音を立てて中身をこぼしていった。

「あっ! あっ、あっ!」

 真っ赤になった顔をブンブンと振り回し、それでも止まることのない水流を持て余し、ルビィは腰をくねらせる。
 そのたびに変わる水音と流れる水紋が、ビリビリと私の性感を刺激する。

「いやッ、いやッ…やっぱり、ダメ! お姉様は、見ちゃいけませんッ…、恥ずかしいから、ダメぇ……」

 可愛いルビィが、とても素敵な光景をプレゼントしてくれた。
 その小さな性器からは想像できなかったほどの水量が、私の目と耳を歓ばせる。彼女の体から出るおしっこが便器を叩く湿った音は私の下腹にムズムズと響く。
 長い便器の槽は、彼女のおしっこの流れる軌跡を私たちにたっぷりと見せてくれる。右に、左に、生き物のように蛇行して終点まで行き着くさまを眺めていると、そこを指ですくい取りたいほどの愛おしさを感じる。
 そして彼女は、とても恥じているのだ。その仕草と表情が、余計に私の興奮を煽る。
 私はルビィの排泄する姿に感動すら覚えていた。激しい欲情に突き動かされ、便器を跨いで四つんばいになり、排尿を終えたばかりの彼女の股間に、顔を近づけていた。

「お、お姉様、いけません! そこ、汚いところです…ッ!」

 汚い? ルビィのここが?
 そんなわけがない。こんなにぷっくりとして、美味しそうなのに。
 私はルビィのそこに、舌を這わせていた。しょっぱくて…ツンとする匂いがした。

「あぁッ!? いや、いやッ、いけません、お姉様! お姉様は…そんことしちゃ、あっ、いけま、せん…あぁんっ、あっ、お姉様っ!」

 そう、これはとても“いけない味”だ。私の舌先を痺れさせる禁忌の苦い味。
 なのに、愛おしさが私の舌を動かしている。ルビィの可愛い声が聞きたくて、ますますこの舌で彼女の味を探りたくなっている。

「ダメです……そんなの、ダメ…ぇ…」

 ルビィの膝が震えて、腰がふわふわと頼りなく揺れる。少しずつ開かれていくソコを、私はじっくりと舌を這わせて柔らかくしていく。

「お姉様……私の、お姉様ぁ……」

 ルビィの指が、遠慮がちに私の髪をくすぐる。彼女の求めに応じて、私は舌の動きを大きくする。
 そして彼女に与えている快感は、私の体にも伝わってきて、膀胱を熱くする。

「あッ…、お姉様、おしっこ……」

 ルビィの指摘に頬が熱くなる。
 四つんばいになってルビィに舌を這わせながら、私も放尿していた。
 足の間の便器の槽が、私の排尿を受け止めて軽快な音を出していた。その振動は、尿を伝って私の体にも伝わってくる。ゾクゾクと全身を這い回る振動。
 この羞恥と快楽は例えようがなかった。
 顔がどんどん熱くなっていく。やがて私の脳も痺れさせる。全身が沸騰しそうだ。
 そのやり場のない興奮を、ルビィの小さなここに、舌でなすりつける。
 女の子のこんなところ舐めるのは初めてだったけど、不思議とイヤな気持ちはしなかった。味も形も、男の人のよりは舐めやすいかもしれない。
 ルビィの狭い穴の中に舌を伸ばす。鼻先をクリトリスのあたりに押しつける。次々に溢れてくる液体をすすってあげると、ルビィは恥ずかしそうに、可愛い悲鳴を上げる。
 楽しくなってくる。もっとルビィに悲鳴を上げさせたい。感じさせたい。
 私はすごく興奮している。

 ジロロ、と私のお尻の後ろで音が増えた。
 振り向くと、いつの間にか小春さんまで、スカートの裾をつまみ上げて便槽をまたいでいた。

「……わ、私も、もう我慢できなくて……」

 道端小春が、少女のように恥じらい、放尿している。見ているこちらの方までキュンとなるくらい、可愛らしい仕草で。
 思わず微笑ってしまう。すると、小春さんはますます顔を赤くする。
 私と小春さんの排尿の放物線が空中でぶつかり、はじけて、便槽をはみ出して床を濡らす。それが妙におかしくて笑ってしまう。小春さんも笑った。私たちは声を揃えて笑った。
 そして、もっと私の尿が小春さんのとぶつかるように、お尻を高く上げた。小春さんも、腰を突き出してきた。
 おかしい。私、道端小春とおしっこのぶつけっこしてる。
 笑いながら私と小春さんがおしっこしてると、ルビィが切ない声で私を呼ぶ。
 わかってるわ、私の可愛い子犬さん。ルビィのアソコに、口を寄せる。私と小春さんのはしたない水音を楽しみながら、私はルビィのクリトリスを舌で弾いて、吸ってあげる。
 3人が1つに繋がって、とても楽しく、いやらしい遊びに没頭していく。

 それを引き裂くように、重厚なオルガンの音が上から圧しかかってきた。

 比喩ではなく、本当に体が沈みこみそうなほど、その音は厚く、重く、そして支配的だった。
 体勢を崩したルビィが後ろに尻もちをつき、私も肘を崩した。小春さんは慌ててスカートの裾を直し、ペーパーを巻き取ってその中に手を入れた。

「……白兎、か」

 琉樹さんの声だけが、平然とそのオルガンの音の中で響く。

「この音色、僕を呼んでるんですよ。しかも今日はずいぶん機嫌が悪いようだ。どうしたんだろうな。困ったヤツ」

 言っているほど困った様子でもなく、肩をすくませて笑うと、琉樹さんは、両手を静かに広げて、パン、と打ち鳴らした。
 その音が個室の中に反響して私の耳を震わせると、上から滝のように落ち続けているオルガンの音が、途端に和らいだ。
 音から解放され、体が軽くなる。
 そうして改めて聞いてみると、それは私でも聞き覚えのあるバッハの曲で、階上の部屋から壁越しに響く程度の、小さな音に過ぎなかった。
 あんなにも身近に支配的に鳴り響いて聞こえたのに。そしてそれは、私だけではなくルビィや小春さんにまで。

「ついでだから、亜沙美さんを白兎を紹介しておきましょう。ルビィ、小春、行くよ」
「……はい」

 ルビィは浮かない顔で返事をすると、私に身を寄せるようにして手を握ってきた。

54: 名前:nakami投稿日:2010/12/03(金) 20:23
琉樹の館・11

 階段を昇り、少し廊下を歩いて、また螺旋の階段を上がる。
 私は館の最上階まで上げてもらえるようだ。
 オルガンの音はどんどん大きくなっていく。バッハは少しずつ旋律に変化が加わり、曲調を変えぬまま、いつの間にか私の知らない曲になっていた。
 階段を昇ってる私たちを見ているかのように、演奏は激しさを増していき、やがて小さな木の扉の前で琉樹さんがノブを回すと、オルガンは長い不協和音を鳴らして、演奏を止めた。
 小春さん、ルビィに続いて私が部屋に入ると、そこはまるで森の中のように緑と花の匂いに満ちていた。
 大きな窓。外に張り出すように、球体に近いカーブを描き、緑のツルを絡ませながら、天井まで余さず外の光を取り込んでいる。
 私が外から見た、尖塔の頂上にある部屋は、温室だった。
 でも、ここには大きなオルガンがある。大きなタンスがいくつもあるし、綺麗なドレッサーもあれば、青いソファに、小さな机も、バスタブまで置いてある。
 オルガンの前には、髪の長い女性が座っていた。まるで存在感がないから、さっきまでその音色を聴いていたはずなのに、奏者のことも忘れて誰もいないかと思ったいた。
 でも、その人がこちらに向けて顔を動いた途端、私は強い緊張を強いられた。
 彼女は裸身で、長い黒髪を背中までまとっているだけだった。
 驚くくらい整った顔をしている。瞳はぼんやりと濡れて寝起きのように見えるが、完成度の高い顔立ちは表情がなくても心を惹きつけられる。切れ長の黒い瞳が、本当に印象的。一度会ったら忘れられない、きれいな顔だ。
 まだその顔に残るあどけなさも、立ち上がった未成熟な体も、淡い陰毛も、ルビィと同年代くらいにしか見えないが、「近寄りがたい」としか言いようのないオーラを感じた。
 ルビィも、怯えるように私の手を握る力を強くした。

「おはよう、白兎」

 琉樹さんの呼びかけにも応じず、扉の前の私たちを、ぼんやりと彼女は見ているだけ。
 私は、そして小春さんもルビィも、緊張している。
 ここはきっと彼女の部屋。温室を自分の部屋にして住んでいる。
 一体、何者なんだろう?
 やがて、白兎と呼ばれた女の子は、その淡い色をした唇を開いた。

「この御館も、もう終わり」

 年相応の、高く細い声で告げられる終末宣言。
 あっけに取られる私の方に、白兎さんは静かに首を動かすと、さらに続けた。

「お兄様が、こんな女を連れてくるから」

 呆然となる私の横で、琉樹さんは、さもおかしそうに肩を震わせていた。

「気にしないで。彼女はいつも、ああいう感じですから」

 何がなんだか、わからない。白兎さんは、私たちのことなどもう興味を失ったみたいに、プイとオルガンの前を離れて、バスタブの脇に脱ぎ捨ててある自分の服に手を伸ばした。
 白い下着が、細い足をするりと通り抜け、小さなお尻をしまい込む。レースのストッキングに足を通して、バスタブのふちに腰掛け、太ももまで上げる。
 そこまでの動作に、私は息を呑み、欲情に似た感情を抱いていることに気づいて、目を逸らした。
 小春さんも、ルビィも、琉樹さんまでもが、気まずそうに咳払いした。
 白兎さんは、そんな私たちには構わず、黒いドレスを足から穿く。小春さんが「失礼します」と琉樹さんの脇を離れ、白兎さんの後ろに駆け寄り、彼女の背中のファスナーを上げる。
 よくわからないまま見とれていた私の前で、彼女が身につけ始めたのは、小春さんやルビィと同じメイド服だった。

「彼女は白兎。僕の腹違いの妹です」

 私は琉樹さんの顔を見て、それから白兎さんの顔を見て、また琉樹さんに視線を戻した。
 琉樹さんの妹?

「この館で琉樹の直系は、今じゃ僕と彼女だけです。僕は主として、彼女は調度品として、館に残ったんです。彼女は感受性が少し他人と違っている。鋭すぎるんです。だから、館の外では暮らせない。美意識の基準がこの館だから、一歩でも森の外に出ると、あまりの醜さにジンマシンが出てしまうんです」

 白兎さんは長い髪にピンを止めて、レースのリボンを巻いている。その後ろで小春さんが髪を梳いている。サラサラと、光のスジが髪の動きに合わせて流れていく。
 羨ましい。なに、あの髪。

「そんなわけで、彼女は自分から望んで調度品になりました。といっても、彼女はいつもこの調子ですから、時々どっちが主なのかわからなくなる。でも、もし僕がいなかったら、おそらくこの館の主となっていたのは彼女でしょうね。白兎ほどこの館を愛し、熟知している人間はいない。ここを維持できるだけの感性を持った人間も僕以外には彼女だけだ。というより、正直に言うとその点においては僕でも敵わない。彼女は、感性のバケモノなんですよ」
「その言い方は嫌いだと言っています、お兄様」

 リボンを口に咥えていた白兎さんが、ボソっと呟いた拍子にリボンを落とした。
 小春さんが優雅にそれを拾い上げ、また白兎さんに咥えさせる。そうして、白兎さんはもう一度髪を結び直す。
 どこか変。所作や振る舞いが妙に不自然な彼女。でも、私以外のみんなは白兎さんのことをよく知っているみたいで、平然と、彼女のすることに合わせている感じがする。
 私の隣のルビィは、本当におとなしく、私の陰に隠れている。

「どうして僕たちを呼んだんだい?」

 琉樹さんの問いかけに、髪を結びながら、白兎さんが振り向く。ほつれた髪が顔にかかる。白い肌は本物のウサギさんみたい。黒い髪がすごく良く映える。
 本当に、この人はいちいち私の目を惹く。

「ノウゼンカズラが咲いたから、教えて差し上げようと思っただけです」

 のんびりとした声で、白兎さんが言う。

「あぁ、本当だ。きれいに咲かせたね」

 バスタブの横の茂みに、琉樹さんが目を細める。ちなみに私にはどれがその何とかカズラなのかわからない。

「で、白兎はこの亜沙美さんをどう見ているの?」

 彼女はすぐには答えなかった。
 窓に映る薄い自分の影を見ながら髪を結び、そして見事に均整のとれた配置でリボンをまとめる。そして、スカートの裾を叩いて、ゆっくりとこちらに歩いてきた。
 思わず、身を引いてしまった。ルビィは本格的に私の後ろに隠れることにしたようだ。
 白兎さんは、私の全身がよく見える位置に止まる。そして、ぼんやりとした瞳で私をくまなく観察してから、ようやく口を開いた。

「私、この女嫌い」

 最初から好かれる予感はしていなかったが、こうもきっぱりと言い切られると、それは少し悲しいような、腹立たしいような。
 いや、はっきりと腹立たしかった。何この子。だんだん腹が立ってきた。この子の瞳を見ていると、妙に感情が揺さぶれる。
 琉樹さんの妹でなければ、無視してやるところだ。でもお身内の方ならば、挨拶くらいはしておくのが大人の対応だ。
 私は、感情が治まるのを待って、いつもの営業スマイルを浮かべた。

「はじめまして。おじゃましております。私、遠藤と申しまして、本日は琉樹青葉さんの取材に───」

 ぴたりと、白兎さんの指が私の頭上を指した。
 思わず、頭の上に何かあるのかと思って触ってみる。
 でも、そこには何も無くて、白兎さんの指も、私の正面を指したまま、ゆっくりと下へと降りていった。私はそれを目で追いかける。
 そして、私の腰のあたりを指したところで指が止まると、そのまま、シャッと右に払った。

「私はあなたを要りません。あなたをこうして切り取って、半分だけならお庭に残しておいてあげます。でも残りは元の汚らしい場所に帰してください。あなたはこの館に住むことはできません」

 何か、絶望的な気持ちになってきた。
 意味不明にしか聞こえない彼女の言うことは、なぜか私の気持ちを動かし、響いた。泣きたくなった。

「……半分合格で、半分失格ってこと?」

 琉樹さんは、白兎さんの言葉を楽しむようにあごを撫でる。

「興味深いな。白兎の判定はいつもシロかクロだった。もう少し、亜沙美さんの話をしてくる?」

 琉樹さんは彼女の反応を不思議がっているようだ。
 白兎さんは、不満げな表情を少しだけ見せたあと、「夢を見たの」と呟いた。

「夢? ……どんな夢?」
「お兄様が堕落する夢」

 琉樹さんは、片方の眉だけを器用に上げて、くっくと笑い出した。

「堕落。いいね。憧れる響きだよ。でもまさか、亜沙美さんのせいで僕が堕落するっていうの?」

 白兎さんは、ぼんやりとまた表情を薄くして、小さな動物みたいに、首を傾げて私を見た。

「きっと、それは少し違う。堕落はお兄様が望んだこと。お兄様は安堵の寝床で涙を流す。私は可哀想なお兄様を慰めるため、新しいお花を摘んでまいるでしょう」

 琉樹さんは、何も言わなかった。口元に手を当てて、難しい顔をしている。白兎さんも、悲しそうな顔を俯ける。

「彼女にお兄様の作品をお見せになればいい。そうすればわかります」
「……何がわかるの?」
「この人は、隠し事をしています」

 琉樹さんが、訝しげに私を見る。
 何を言っているのだろう。もちろん、私に隠し事なんてあるはずがない。
 でも、白兎さんの言葉の真意もわからず、この兄妹のやりとりの意味もわからない私は、小さく愛想笑いだけ浮かべるくらいしかできない。

「お兄様」

 白兎さんが、琉樹さんの細い腰にしがみつく。

「今日の白兎は、汚い言葉をたくさん使ってしまいました。キスをしてください」

 つま先立ちをして、目を閉じる。その小さな唇に琉樹さんが唇を合わせる。深く重なった口の中で、2人の舌が激しく動いているのが頬の動きでわかる。
 兄妹でも、キスってするんだ。
 一人っ子の私は、不思議な気持ちで2人のキスを眺めている。
 やがて長いキスが終わって、白兎さんが顔をこちらに向ける。ルビィが私の手を握る。緊張がこっちにまで伝染する。

 そして、いきなり白兎さんに唇を奪われてしまった。
 私よりも背の低い彼女が、意外にも力強く私の後頭部に腕を回し、唇を押し当ててくる。
 ルビィが甲高い悲鳴を上げる。でも私は抵抗もできない。口の中にぬるりと舌が入ってきた途端、私の体から力が失われ、膝を落としてしまった。

「んっ、んっ、んんっ……」

 それでも、頬を手で挟まれ、白兎さんの唇と舌は容赦なく私の口中を蹂躙し、とろりとした唾液が私の喉に落ちてくると、ぼうっとしてしまうほど体は熱くなっていった。

「ちゅ…んっ、ちゅ…ちゅく…くちゅ……」

 なんて巧みで甘いキス。
 舌から喉へ快楽が降ってくるようだ。口の中の痺れる感覚が背骨を震わせ、腰もつま先も震えてしまう。
 たっぷりと翻弄してくれてから、白兎さんはようやく私の唇を解放して、またぼんやりとした瞳で私を見下す。

「―――私、あなたが大嫌い」

 ゾクゾクと震えが走った。この子に見下ろされることに、快感が伴った。
 甘い唇と、冷たい視線。私は、彼女のキスに魅了されてしまった。心を持っていかれた。
 自分でも恐ろしくなって、震える体を抱きしめる。ルビィが心配そうに私の背中をさする。

「お兄様、私は森をお散歩してまいります」

 ふわふわとした足取りで、白兎さんは部屋を出て行く。追いかけてしまいたい気持ちを、私は押し込める。バタンと、扉がしまったとき、ようやく私は息を吐いて、大きく振れていた心を落ち着けることができた。
 不思議な子。忘れがたい人だった。

 琉樹さんは、難しい顔をしている。小春さんが、そっと彼に近づき、たおやかな笑みを浮かべる。

「青葉様。白兎様のお言葉が難しいのはいつものことです。亜沙美さんの試験を続けましょう」
「いや……予定は変えよう。白兎の夢を確認する」
「でも、青葉様」
「次は僕のアトリエだ。ルビィ、亜沙美さんを連れてきて」
「はい。さ、早くここを出ましょう、お姉様」

 ルビィは少しでもここにいたくないのか、私の手を引いて立ち上がらせると、琉樹さんに続いてすぐに部屋を出た。
 小春さんは、何か言いたげな顔をして、私と琉樹さんを交互に見ていた。
 部屋を出ると、すぐにぐにゃりと私の視界は歪み、階段もおぼつかなくて、またルビィに寄りかかる。ルビィが口を寄せてきて、秘密めいた声と息で、私の耳をくすぐった。

「お姉様、さっきの人のことは気にしないで。あの人は変なんです。言ってることも、全然でたらめばっかり」

 何か気に入らないことでもあったのか、ルビィは少し興奮気味だった。
 確かに変な人だった。でも、彼女琉樹さんの妹さんだと言っていた。
 無礼があって嫌われたのなら、私は彼女にお詫びしないといけない。

「夢を見たとか言ってたけど、ウソですよ。あの人、眠ったこともないくせに」
「え?」
「ずっと起きてるんです。生まれてから一度も眠ったことないんですって。だから、本当は夢なんて見たこともないんですよ、あの人」

 そんなバカな、と言いかけたけど、真剣に私の心配をしているルビィの目を見て、何も言えなくなった。そして、白兎さんがときおり見せていた、現実から離れていくようなぼんやりとした瞳を思い出した。
 それにあの温室には、ベッドがなかったことも。
 でも、ルビィから目を逸らすと、すぐに私の見ている光景も頭の中もぐちゃぐちゃになっていって、何を悩もうとしていたのかもわからなくなる。
 琉樹の館は中身もそうだが、人もまるで迷路みたいで、私には戸惑うことばかり。
 青葉さんも白兎さんも、ここで生まれた子供なんだ。

55: 名前:nakami投稿日:2010/12/03(金) 20:24
琉樹の館・12

 階段を下りていったと思う。
 それから長い廊下を歩いて、いくつか角を曲がった気もする。私は琉樹さんたちに連れて行かれるまま、扉の前に立つ。

「どうぞ、お入り下さい」

 整然とも雑然ともいえる広い部屋だった。仕事のための場所であることはすぐにわかった。
 壁には、おそらく最近の仕事と思われる建物やセットの完成イメージ図。あるいは、何かのプロモーションに使用したと思われるポスター。それらを展示しておくためのスペースを残して、あとは資料や模型を並べておくための棚に埋め尽くされている。
 中央の大きなテーブルには、数枚のパースと本が広げられたままになっている。PCが2台。大きなモニターと、小さなモニターが2つ。
 仕事に必要なもの以外は何もない。
 私の勤めている編集部とはまるで違った。空気まで研ぎ澄まされている感じだ。
 少し動いただけでも、ここの空気の邪魔をしているようで憚られる。小春さんもルビィも、緊張したように体を硬くしている。
 琉樹大介氏の書斎とは違った。ここは、調度品すら必要としていない、完全に主一人のための場所だった。
 琉樹さんは、私を部屋の中央まで案内して、テーブルの前に立たせる。
 ここは琉樹さんの仕事部屋なんでしょうか、と私は掠れた声を出す。「そうですよ」と軽く答えて、琉樹さんは棚から大きなアルバムを引きずり出して、テーブルの上に広げた。

「ここは僕のアトリエです。普段なら調度品たちも中には入れない。ここに必要なのは最低限の資料と道具と、僕のイマジネーションだけだ。余計なものなど、一切ありません」

 ピリピリした空気が、私の剥き出しの肌に突き刺さる。
 ご案内いただけて光栄です、と私は声を絞り出す。お腹が痛くなりそうだ。一流の現場には、そこにしかない緊張感がある。ここで琉樹青葉は、あの数々の天才的なデザインを生んだんだ。
 すごい。私、そんなところにいるんだ。

「とりあえず、このへんから見てみますか」

 琉樹さんがアルバムをめくる。B3くらいありそうな大きなアルバムだ。そして最初に見せられた一枚には、私も見覚えがある。
 自信を持って答える。

「琉樹さんが、7年前にヨーロッパのコンペティションで入賞された作品ですね」

 私の回答に満足したように、琉樹さんは微笑む。

「まあ、今から見るとお粗末なものですけどね。それでも、頭の固い日本の連中の目を覚ますくらいのことはできたようだ」

 まだ独立したばかりだった当時の琉樹さんは、日本ではどうしてもの祖父の名前に注目が集まり、彼自身の評価はそれに追いついてはいなかった。しかしこの入賞から、一夜にして琉樹青葉の名は世界的なものになり、海外においては、今や祖父よりも有名なデザイナーといってもいい。
 この作品は、彼の出世作、というより、実質的なデビュー作といってもいい。当然、そのくらいの予習は私もしてきている。
 大胆なカットと、無駄のない動線。禁欲的なまでに削られた構造の中で、ほんの数点落とし込まれた歪みが、官能的なラインを作り出す。
 その後の琉樹青葉を象徴するような作品だ。ここからさらに彼は官能と無駄の排除を深化させ、独自の空間作りへと進んでいく。
 今見ても素晴らしいです、と私はお愛想を浮かべる。琉樹さんは、軽く笑ってページをめくる。
 これも知っている。お台場にあるギャラリーだ。彼氏と一緒に観にいった。その先にあるカフェも琉樹さんの作品だ。どれも若々しく、周囲の景観に溶け込んでいるのに、一目で印象に残るセンスが際だっていた。
 素敵でした、と私は言う。琉樹さんのデザインは、この頃から国内にも広がっていく。今の私と、たいして年も変わらない頃だ。すごいなあ、と素直に感心してしまう。
 著名なカメラマンの別荘、地下鉄の駅、野外劇の舞台から海外女性アーティストのPVセットまで、建築士や空間デザイナーといった肩書きを超えた仕事の数々が、アルバムの中でめくられていく。
 もう感嘆するだけだ。世界で活躍する人はやっぱり違う。質も高いけど、次々に作品を生み出すペースもすごい。天才って本当にいるもんなんだなあと、あきれるくらいだ。

「……それで?」

 顔を上げると、琉樹さんが腕を組んで私を見ていた。
 それでって……なんだろう?

「それだけかい、君の言いたいことは」
「え、いえ、あの、もちろん、どれも素晴らしくて、あの、申し訳ありません。私はあまり語彙が、その」
「いや、そんなことはいいんだ。聞いてないし。それより、君が隠してることってなんだ。僕の作品に言いたいことがあるんじゃないのか?」

 隠してることなんてない。あるはずもない。
 さっき、白兎さんが何かそんなようなこと言っていたような気がするが、なんだか遠い過去のような気もして、はっきりと思い出せない。
 そうだ。私が琉樹さんに隠し事してるって。
 でも、そんなのないのに。あるわけない。

「全部、素晴らしいお仕事です。私はこちらに伺うことになって、琉樹さんの作品をあらためて見せていただきましたが、もうどれも素敵で、楽しんで勉強させていただきました」
「そんなこと、どうだっていいって言ってるだろ」

 ますます不機嫌になっていく琉樹さんに、私の愛想笑いも固まる。
 なんでだろう。何か失礼があったんだろうか?
 デザイナーの人たちが自分の作品の評価を気にするのは当然だ。でも、それはあくまで依頼者や評論家たちの評価であり、その他の感想などは彼らにとって取るに足らない草の声だ。
 草代表の私が精一杯褒めちぎったところで、琉樹さんにしてみれば「そんなの当然」なのは違いないのだろうけど。
 私だって求められたから答えてるだけなのに、どうしてこんなにイヤな雰囲気になるんだろう。
 でも私の少ない経験から言っても、この状態は危険だ。ゴシップ誌じゃあるまいし、相手を怒らせていい取材なんて、私たちの仕事にはない。
 このままじゃ失敗する。琉樹さんを観察して、慎重に言葉を選べ。

「…白兎は何が言いたいんだ?」

 琉樹さんは難しい顔でアルバムをめくる。
 褒めても不機嫌になる彼の求めている反応がわからなくて、私は肩を狭くして沈黙する。

「青葉様。亜沙美さんも萎縮してしまっているようですし、とりあえず白兎様の件は後回しにされて、試験を続けてはいかがでしょうか?」

 小春さんが、優しい微笑みとともに、琉樹さんの肩に優しく触れた。
 彼女の柔らかい肌が琉樹さんに密着する。美男美女のとても似合いのカップルにも見えるし、仲むつまじい姉弟にも見える。
 琉樹さんは、小春さんの微笑みをじっと見返す。そして、思いついたように私の方をぐるりと向く。

「亜沙美さん、あなたは僕の作品を直に見て回ったと言いましたね」
「青葉様、あの」
「小春は黙っていて。いいかい、正直に答えるんだ。取り繕うための言葉は君の心の中だけにして、君の感じたこと、そのまま口に出してくれればいい」

 私は琉樹さんの迫力に押されたまま頷く。小春さんが心配そうな顔で私を見る。

「君は、僕の作品の中でどれが一番好きだ?」

 それは、正直に言って、拍子抜けするほど簡単な質問だった。
 私は予習を完璧に済ませている。琉樹さんのここ最近の国内作品の中で、最もスケールが大きく、制作期間も長かったのは、とある私立大学の記念館だ。
 私は余裕の笑みで、その大学記念館の名前を挙げる。

「特にありません」

 琉樹さんは少し目を大きくして、にやりと笑った。
 小春さんは、目頭を押さえてため息を吐いた。
 んん?
 私、なんか変なこと言ったかな?

「へえ、そうなんだ。君は僕の作品のこと、正直にどう評価してるの?」

 笑いを噛み殺すようにして、琉樹さんが私に問う。
 もちろん、素晴らしいの一言だろう。
 世界中の評論家やセレブな人たちが、琉樹さんの作品を絶賛し、自分のものにしたがっている。
 斬新で官能的なデザインでありながら、豊かな居住性と空間を作り上げる確かな技術。エキセントリックな演出で興奮を煽るかと思えば、落ち着きと癒しの空間を作り上げて包み込む配慮も見せる。
 伝統を知り尽くしてるが故に、大胆にそれを再構築できる。激しさと冷静を自在に操るデザイン力は、この若さで最高の評価を受けるのに相応しい才能だ。
 そう答えればいい。ちゃんと予習してきたから大丈夫。

「賢い子どもが、大人に褒められるために描いた絵だと思います」

 琉樹さんは、若くして多くのことを知っている。そして、誰の評価を得れば自分が得をするのかもよく知り尽くしている。
 私が一番感心したのはそこだ。素人の私にもそれがわかるくらい、彼は賢く、そして才能の使い方が上手だった。
 天才っていう言葉は、こういう人のためにあるんだろう。嫌味ではなく、そう思える。自分の才能に振り回されず、最大限に利用できる人だ。
 だから彼の作品は、驚きと賞賛で迎え入れられる。人々をそのセンスで酔わせ、彼と仕事をしたことを誇りに思わせる。
 だが、それは果たして、どこまで利用する人のニーズや将来を見通した作品なのかは、少し疑問だ。
 さっき私に見せたギャラリーも、場所柄にマッチして、とてもおしゃれで素敵だったが、展示物に勝ちすぎ、そのセンスに合わせるためには必然的に展示数が絞られ、どちらが作品なのかわからない状態だった。
 そこのオーナーは、確かに洗練されて目立つギャラリーを、琉樹さんの若い才能に求めたのだろう。でも、おかげでオーナーの本当の望みである、数多くの若い才能を自分の手で広めたいという意欲は、微妙に失敗している気がする。
 もちろんそれはオーナー自身の失敗だ。しかしデザイナーには、その失敗を未然に防ぐ責任もあるはずだ。自分のデザインが前に出すぎてはいけない仕事だったんじゃないだろうか。
 カフェについても、そう思った。ゆったりと寛げるカフェだ。
 でも先のギャラリーとコンセプトを合わせ、あえて近いデザインで統一したようだが、カフェのオーナーの趣味とはマッチしておらず、メニューやBGMとはちぐはぐな印象だった。
 そこのオーナーもはっきりと言っていた。
 最初に設計を見せられたとき、センスの高さに惹かれて思わず頷いてしまったが、やっているうちに、自分の思い描いていた店との違いに悩むようになったと。
 琉樹青葉が悪いわけではない。おそらく、自分の最高のデザインを描いてみせただけだろう。だから、その才能がどれほど他人を魅了し、時には他人の夢すら眩ませるほどの輝きを持っていたとしても、それは琉樹青葉の責任ではないんだ。
 でも、なんだか、それでは優しさが足りないと私は思う。使う人のことを思うのなら、ときには自分のセンスや、やりたいことを殺してでも、人に尽くすのが設計者の仕事なんじゃないかと、私は思う。

 新米記者の私には、彼の作品を的確に評価する知識も、そのインスピレーションやセンスに追いつく感性もない。
 ど素人だ。
 だから、私は人の話を聞いた。使っている人を見た。彼の作品とともに生活している人たちと、会って話をした。それが私の勉強だ。
 始めのうちにそういう現場を見てしまったせいで、偏見ができてしまったのかもしれない。それからいろいろ見て歩いた琉樹青葉の作品も、どうしても彼の傲慢な才能が鼻についた。
 人を驚かせたい。自分の才能を認めさせたい。その思いが勝ちすぎているんだと思う。
 そうして世界に評価され、権威に認められ、それでも飽くことなく賞を狙い続け、他分野にまで手を伸ばし成功を求める彼を追いかけているうちに、ふと私はなんだか怖いような、悲しいような、そして自分に近いものを感じて胸が締め付けられた。
 この人も、ひょっとしたら私と同じように、最も近い人たちに愛されていないと、だから愛されたいと、必死で足掻き続けた子どもなのかもしれないって。

「もういい。黙れ」

 琉樹さんの低い声に、体が縮み上がった。
 顔を上げると、琉樹さんが怖い顔で笑っていた。

「……なかなか、面白い評価だ。子どもの絵。そんな風に言われたのは初めてだ。あぁ、とても面白いよ。僕が君と似てるって? ははっ、本当に面白いことをいうな、君は」

 なぜ、笑われているのか、私にはわからなかった。
 またおかしなことを言ってしまったんだろうか。本で覚えたとおりの琉樹青葉評を並べただけなのに。

「青葉様、どうかお気を静めてください。この子は自分でも言っているとおり、本当にただの素人で、勉強が足りないだけなのだと思います。調度品に仕立て上げていただければ、あとは私の方でしっかりとした教育を───」
「小春は黙っていて」

 ひどく雰囲気が悪かった。
 私のせいなのか、それとも違うのか、わからくて困る。琉樹さんと小春さんのやりとりを、小さくなって聞いている。

「建築デザイン誌の編集のくせに、僕の作品も理解できないほど感性が鈍いド素人。そんな女が、知ったような顔でこの僕を分析するなんて、ははっ。気持ち悪い」

 琉樹さんが私を見てる。
 なんとか、口を引き攣らせないようにして、笑顔を作る。

「隠しごとって、そんなことだったのか。君はその男に媚びるいやらしい愛想笑いの影で、僕を侮辱していたのか。同情までしてくれていたのか。あぁ、おかしい。この僕が、ずいぶんと可愛がられたもんだな!」

 ビリビリと、空気が震える。私は下を向いて、そっと琉樹さんの顔色を伺う。
 おかしい。どうしてこの人は怒ってるんだろう。なんだか、本当にお腹痛いんだけど。

「…僕の作品を理解できないなんて」

 そんなわけない。本当に。
 どれもこれも素晴らしい出来だった。才能のカタマリだった。それは嘘偽りない感想だ。
 ただ、生まれつき鈍い私の感性が、琉樹さんのセンスに追いつかないというだけで。
 上手く言えない自分がもどかしい。
 あぁ、そういえば、あれは本当に素晴らしかった。あの家は大好きだ。
 琉樹さんが、同級生のために無償でリフォームを設計したという、あの家。

「リフォーム? あぁ、千葉の家かい? あんなの全然だろ。同級生に頼まれて、簡単に描いただけだ。金もないくせに、奥さんのお腹には三人目の子もいるって言うから。あいつには学生の頃にちょっとした借りもあったし、適当に図面を引いて、安い工務店を紹介してやったってだけですよ」
「でも、本当に素敵な家でした。旦那さんも琉樹さんには本当に感謝してるって言ってました。奥さんも、すごく暮らしやすくて、大好きな家だとおっしゃってました」
「あんな田舎まで、わざわざ見に行ったのか。君、本当にヒマなんだな。いいけど、あんな安物住宅を僕の作品と並べて評価されても迷惑だよ。あれは僕にとっては仕事でも何でもないからね。ただの遊びさ」
「あぁ、そっか」
「ん?」

 あの家がすごく素敵だった理由がわかった。どうして、こんなに強く私の心にまで響いたのかもわかった。

「仕事じゃないから、描けたんですね。すごく素直で、暖かい家。大きくはないけど、子ども達が遊べて、旦那さんが寛げて、奥さんの目が全部に行き届いてて。あなたの本当に作りたい家がわかった気がしました。まるで小さな子がクレヨンで描いたみたいに、真っ直ぐでシンプルで、愛情に溢れた素敵なおうち。こんな家も作れる人なんだって、私、琉樹さんのことを誤解し───」

 ガラスの割れる音がして、小春さんとルビィが悲鳴を上げて、私の口が止まった。
 しゃべっているつもりはなかったのに、いつの間にか自分の口が何かを語っていたことに気づいて、慌てて閉ざした。アルバムがテーブルから払い落とされて、キャビネットのガラスを砕いていた。
 琉樹さんの拳が震えている。
 何か私、余計なことを言ってしまったんだろうか。さっきから、勝手に口が動いているような気がする。

「……知ったように僕を語るなと言っただろう。君なんかに何がわかる。僕は芸術を描いているんだ。選ばれた人間にしかないセンスと、技術と、血の滲むような努力の結晶だ。三文雑誌の三文記事すらロクに書けない女が、安っぽい人情劇なんかで僕の作品を貶めるな! そんなんじゃないっ。僕の作品は、そんなのなんかじゃない!」

 激しい感情を剥き出しにし、顔を歪めて琉樹青葉が叫んだ。洗練された紳士の仮面も脱ぎ捨て、髪を振り乱してテーブルを叩く。
 私は、怖くて体が震え、何も言えずにいる。
 何を失敗してしまったんだろう。どうしてこんなに怒らせてしまったのか、自分でもわからない。
 小春さんが私をきつく睨みつけて、琉樹さんの体を抱く。私は何をしていいのか、オロオロとみっともなくうろたえる。
 ルビィが私の手を取って、子犬みたいに不安そうな目で見上げた。そんな目で見られても、私にもどうしようもなく。

「……失格だ」

 唇を震わせながら琉樹さんが言う。血走った眼は、私を鋭く射貫く。

「失格だよ、君は。こんなバカで無礼な女だとは思わなかった。調度品どころじゃない。クズだ。ゴミだ。一刻も早くここから出て行け! 顔も見たくない!」

 足も震えて何も出来ない。自分の失敗がわからなくて、萎縮するだけだった。
 ルビィが、私の横から進み出て、琉樹さんの前で膝を折った。

「ご主人様、あの、お、お気を静めください。お姉様は、その、まだ御館のこと、よくわかっておりませんし、ご主人様の作品の素晴らしさも、まだ、これからお勉強しなきゃならない人ですから、その、あの……」
「……何が言いたいんだ、ルビィ?」

 琉樹さんの冷たい目が、ルビィの小さな体の上から突き刺さる。ルビィは細い肩をさらに縮こまらせて、しゃっくりのような声を出す。

「お、お許しくださいっ。お姉様の試験を、続けてください。私が、お詫びします! ご主人様のお怒りを、お姉様の代わりにルビィがお受けしますから!」

 そう言ってルビィは、メイド服をはだけて肩を露わにした。
 鎖骨の浮き出た白い肌には、まだ柔らかい彼女の幼さしかないのに、その悲愴な決意の表情と相まり、妙な迫力と色気を感じさせ、私たちをギクリとさせた。

「どうか、ルビィをぶってください…! ご主人様の気の済むまで、ルビィをぶって、足蹴になさって下さい。だから、お願いします。お姉様のことはお許し下さい。このとおりです。お姉様をイジメないでください」
「……何を言っているんだよ。どうして僕がお前を」
「お願いです、ご主人様! ルビィはどんなことでもいたしますから───」
「しつこいぞ、ルビィ。僕を怒らせるな」
「あ、う…ッ!」

 ルビィの体が硬くなり、ビクビクと痙攣する。琉樹さんの眼光一つで、まるで体を縛られたように固くする。胸をはだけ、膝をついたまま、ルビィは大粒の涙をこぼした。

「お、お願いします…いっ…ご主人様……お姉様を、あっ、ゆ、許し……」

 この子の苦しんでいるのは、おそらく私のせいだ。私は琉樹さんに頭を下げる。どうか許してほしいと。どんなお詫びもしますと言って、何度も何度も頭を下げた。

「……青葉様、よろしいでしょうか」

 とても静かでおだやかな声で、小春さんが割って入った。場違いなまでの優しい笑みが、なんだか不気味に見えた。

「なんだ? 小春まで彼女を庇うのかい?」
「いいえ、まさか……このような愚かな小娘など、庇う余地などございません」

 小春さんの私を見る目は、本当に冷たく無慈悲で、背筋がゾクゾクとした。

「愚かで、無礼で、醜い女。心の底から軽蔑いたします。ルビィさんも、立ちなさい。いつまでもみっともない格好をしないで。青葉様が亜沙美さんを失格だと判定されたのです。主の決定は絶対です。彼女はもう、この館の調度品にはなれません。わかってますね?」
「う、うぅ…」
「さあ、早く立ちなさい」

 小春さんに抱えられるようにして、ルビィは立ち上がった。
 ルビィに一言かけようとする私から守るように、小春さんはルビィを抱き寄せる。
 とても寂しく思った。小春さんともルビィとも会ったばかりだが、私はこの2人に親しみを感じていた。それを突き放された気持ちだ。

「青葉様。追い出すだけでは、青葉様への侮辱の償いにはなりません。このような愚か者は、壊して捨てるのがよろしいかと思います」
「ん?」
「御館の主への侮辱は、御館にて晴らすべきです。ルビィの道案内なしに、彼女を館に放ちましょう。出口もわからぬこの女が、どのくらいで狂うのか見物するのも一興かと」
「……ふっ、くくくっ」

 小春さんの言葉にとても愉快そうに頷いて、琉樹さんは表情を歪めた。

「それもいいかな。彼女の記憶を消して家に帰すだけでは、気分もしばらく晴れないだろうし。たまには人を思うさま壊してみるのも楽しいかもな」
「ご主人様……そんな……」
「ルビィさん、あなたはこちらへいらっしゃい。大事なお洋服をよくも破いてくれたわね。すぐに着替えて、あなたも青葉様へお詫びするのよ」
「いや、いやです……私、私はお姉様の……」
「来なさい」
「うぅ…」

 私は絶望に肩を落としていた。私は失格。罰を受けなければならないらしい。
 味方だと思っていた小春さんにも見捨てられ、私を助けてくれたルビィも連れて行かれる。
 ダメな女だ。何もできなかった。記者失格の烙印を押され捨てられるんだ。
 いつのまにか私は泣いていた。
 鼻をすすって、頬を指でこすった。

「顔を上げなさい」

 凛、とした声が響いた。思わず顔を上げると、小春さんが肩に抱いたルビィに声をかけているところだった。
 ルビィも驚いて顔を上げ、そして、小春さんの顔から、私の顔へゆっくりと視線を動かした。

「泣いているヒマなんてどこにもないわ。あなたの仕事を全うしなさい」

 それはルビィへの説教だ。でも、張りのある小春さんの声は、お腹の底にまでズンと響いて、私の背筋を伸ばした。
 仕事。そうだ。私は仕事をしに来たんだ。
 ルビィは、小春さんと私の顔を交互に見合わせ、小春さんに頷いた。小春さんは、とても優しい笑みを浮かべた。

「青葉さま、私たちはここで失礼いたします。後の始末は私どもでいたしますので、ごゆっくりお楽しみください」
「あぁ、そうさせてもらうよ」

 笑みをたたえたまま、小春さんはルビィの肩を抱いて私の横を通りすぎる。
 そして私の耳元で、こっそりと唇を動かした。

 “あおいとびら”

 くすぐるような小さな声だけど、確かに彼女はそう言った。「青い扉」と。
 意味はわからないけど、それはきっと重要な言葉だ。私は心に留めておく。
 小春さんは振り返ることなく、ルビィを連れて部屋を出て行った。
 残されたのは、私と琉樹さんだけだ。

「さて、行こうか亜沙美さん。後ろの扉を出て、好きなところへ行くがいい。君の自由だ」

 私の自由。
 そうか、自由。この館に入って得た、初めての自由だ。
 私の仕事は琉樹青葉の取材と、そして叶うなら『琉樹の館』の内部を見て取材してくること。
 向こうから許可してくれたんだから、いいんだ。私はこの館を好きに見て回ることができる。これは失敗ではない。チャンスだと思おう。

 私は仕事をするんだ。

 そして、一歩廊下に出た途端、立っていられないほどの目まいに襲われる。
 いや、これは目まいじゃない。廊下がうねっているんだ。
 その場にしゃがみ込んで手をつく。まるで海の上に立っているように、うねうねと波打つ廊下。生き物のように私に襲いかかってくる錯覚に、恐怖を覚える。

「あ、…あ……」

 立っていられない。吐きそう。ルビィがいたときは、ここまで酷くなかったのに。
 私は廊下を這って進み、手に触れたドアノブをひねった。
 それがどんな扉か確かめる余裕もなかった。

「ここは、まあ、僕の第2アトリエというか、今のアトリエが完成するまで、一時期仕事場にしていた書斎です」

 安堵したのもつかの間、私は胸が苦しくなってくる。締め付けられ、息も苦しくなってくる。

「たいした部屋でもないですが、一応、琉樹家の館ですからね。正しい手順を踏んで調度品となった者でもない限り、当然、この館は牙を剥きますよ」

 正しい手順を踏んできてない私は、ただの侵入者だ。館はとても苦しい場所だった。胸が押しつぶされて、息が止まりそうだった。

「まあ、こんなところで簡単に狂われてもつまらないですからね。ヒントを上げますよ。この部屋の、ある部分が催眠を緩めるカギになっている。それを口に咥えなさい。そうしないと、あなたはこの部屋から出ることもできません。どうにかなってしまう前にカギを探しなさい」

 カギを咥えるために、私は部屋の中をはいずり回った。こうしている間にも胸は苦しくなり、呼吸が辛くなる。なのに、私の頭の中は奇妙な興奮に満たされ、動悸と呼吸はますます速くなっていく。
 戸棚のつまみを咥えた。舌を這わせた。ひんやりとした固い感触が、私の官能を刺激する。こんなときにまで性的な悦びを感じている自分に呆れる。でも、とてもいやらしい気持ちになって、べろりと舌でつまみを舐め回した。
 でも、これはカギじゃない。私は次の突起物を探す。突起物。カギは突起だ。私はとなりのつまみを咥える。口の中でくちゅくちゅと唾液をまぶす。違う。これでもない。

「ハハッ、まるで犬のようですね、亜沙美さん。頑張って探さないと、一部屋目であなたはジエンドですよ。仕事したいんでしょう? だったらもっと、頑張らないと」

 机の引き出しにも、突起がついていた。私は床に四つんばいになり、一番下の段から順番にしゃぶっていく。咥えて、頭を前後に動かし、一つ一つ確かめていく。時間がない。なのに気持ちいい。もっとしゃぶっていたい。でもこれは正解じゃないから、次の場所を私は探す。

「こんな女に、ルビィも小春も何をさせようというんだか。ねえ、僕が気づいてないと思いましたか? 小春、あなたに何か耳打ちしてましたよね? 僕を除け者にして、何か楽しいことでも始めようっていうんですか?」

 ドアのそばに立っているスタンドハンガーには、とても長くて立派な突起が揃っている。私はつま先立ちをしてそれに舌を伸ばしていた。
 小春? 耳打ち? なんのことだろう。
 そんなことより、このハンガーは背が高くて、私の舌は届かない。突起の裏を舐めるだけだ。すごく切ない。

「小春もルビィも知らないんだ。彼女たちは一度の試験で合格してるし、調度品の暮らしが長いからね。だから、琉樹の館の本当の恐ろしさを知らない。主人でも調度品でもない者に、琉樹の館は容赦しないんだ。獲物のように弄んで、咀嚼し、壊すだけだ。今のあなたなら理解できますよね? 何をしようとしても無駄なのがわかりますよね? あなた、自分が何者で、何のためにここにいるか、覚えてます?」

 そんなこと知らない。全然わからない。
 今はそれより、咥えたい。しゃぶって、舐めて、息がしたい。私はスタンドハンガーを押し倒し、その上にまたがった。そして突起を咥えてぐちゅぐちゅと顔を動かした。濡れたアソコも擦りつけて、ひたすらにしゃぶった。

「あなたをゆっくりと弄んで壊したあと、小春もルビィも壊して捨ててしまいましょう。どうやら僕は調度品どもを甘やかしすぎたようだ。どいつもこいつも勝手なことを言う。じいさんの時代よりは優しくしてやろうと思ってたのに、感謝されるどころか、調子に乗らせるだけなら意味もない。いっそのこと、全員壊してやろうか」

 スタンドハンガーをごろりと転がし、突起をしゃぶっていく。でもどれも正解ではなかった。苦しい。切ない。体が火照る。
 私は机の上に這い上がり、ペン立てのペンを一本ずつしゃぶっていった。

「そうだ。そうしよう。白兎だけ残して、全員廃棄だ。いっそ、その方が清々しい。次からは僕は厳しく尊大な主人として振る舞いますよ。徹底的に自我を奪い、完全なる調度品だけを揃えて、使い潰してやるんだ」

 ない。ない。カギがない。私は舌を突きだして探し回る。

「ひょっとして、あなたの探しているのはこれじゃないですか?」

 ファスナーの下りる音。そして、パンツの中からとても素敵な突起が現れる。
 琉樹さんのペニスだ。
 私は喜び勇んでそれを咥える。それは私が求めてきたモノのような気がする。
 舌で唾液をまぶして、丹念にしゃぶった。裏側を舌でチロチロくすぐり、吸いながら顔を前後に動かした。
 徐々に固くなっていく。私は鼻を鳴らして、速度を上げた。体が熱くなっていく。
 でも、胸は相変わらず苦しく、重い。これは本当に正解なんだろうか。

「ハハッ、そんなわけないでしょう。これじゃありませんよ」

 私は口の中のモノを吐き出して、次の突起を探す。アソコがしびれて立ってられない。這い回るしかない。

「さて、いつまで保つかな、亜沙美さん。子供の頃、僕が館を攻略するのにかかった期間は約一年。催眠対策にヘッドフォンとサングラスと手に画鋲を握って一年ですよ。手ブラで乗り込めば数時間で人は壊れるでしょうね。僕もこの館で人を壊すのは初めてですよ。ハハッ、なんだかゾクゾクしてくるな」

 うずく体と、圧迫される肺。私はさかった犬のように腰を突き出し、舌を垂らした。

「アハハハハッ」

 琉樹さんは愉快そうに笑ってる。
 私は椅子をひっくり返して、脚を一本ずつしゃぶっていく。〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 「琉樹の館」は、ここまでしか書いてないんで終了です。
 結構昔に書いてたんですけど、たぶん長いわりにエロくないんで投稿しなかったんだと思います。忘れたけど。
 『古い館が催眠装置だった』という設定で書くなら、「中高生くらいの男女で空き屋敷を探検したら催眠ハウスでエロいことになった」という話にすれば、もっと簡単にエロかったなぁと今なら思います。
 誰か書いてみてください。

 もう一本、短いの貼っときます。これも書きかけですが。

56: 名前:こむしょー投稿日:2015/05/17(日) 16:12
感想書いていいのかな?
naamiさんはなぜあっちに投稿しなかったんだろう?不思議です。

やかんさんはなんか私と相性いいのか分かりませんけど、ツボな確率高いです。LLLSSS秘蹟モラトリアム的小遊戯顔の檻
>もうしませんすいません。
なんでだぁぁぁ! 私ギャグとエロが一緒になってるの好きなんですけどねぇ。某コマキも興奮して(規制)。

57: 名前:やかん投稿日:2015/06/05(金) 23:48
ずっと前に書いたのを発掘したのでここに置いておきます。
何処にも投稿する訳にもいかずお蔵入りしてたので、供養を込めて。
エロは全くないんだ。すまんな。
……エロをよどみなく書ける才能が欲しい……。


 またいらしてくれたんですね。ありがとうございます。
 そう言いながら彼女は、その白磁のような手でもって私を家の中へと導く。玄関の靴箱の上には、白い百合を生けた花瓶が置いてある。まだ新しいのだろう、百合の花心からは静謐な香りが漂ってくる。上品で気高いその空気を肺一杯に吸い込んでから、私はいつもの通り彼女の後ろについて防音室へと向かう。
 防音室につくまでのほんの少しの間、私は前を歩く彼女の後ろ姿を眺める。重力の方向になだらかな波を描く栗色の髪が、歩くのに合わせてかすかに左右に揺れる。そうして、反対側へと動く向きを変える時にささやかな甘い香りを発するのだ。女というものの髪は皆このようなものなのか、私にはわからない。ただ、彼女は私とは根本的に何かが違うのだということはわかる。柳のように強靭な芯を、その全身に触れただけで壊れそうな繊細さを纏うことによって隠しているのに違いない。
 女。先日街の裏で出会った女は、彼女とも私が今までに会った他のどんな女とも違った。露出の多いドレスで抜群のプロポーションをした身体を包み、この世のものとは思えない美貌を極上の化粧で引き立たせていた。妖艶としか言いようのないその女からは、しかし人間の匂いというものがしなかった。指の数が一本多いような、目が左右逆についているような、そんな得体の知れない違和感が存在した。だが、私の記憶にはその女の顔が残っていない。ただ美しいという思いだけが残っている。
 防音室に入る。真ん中に置かれたグランドピアノ、その傍の机の上にワインのボトルとグラスが二つ置いてある。丁度知人からもらったものがあったんです、よろしかったらどうぞ。そう言って彼女はワインのボトルをあけ、グラスに注ぐ。グラス越しの室内はゆがみ、赤く染まっている。そこにあの女を見たような気がして気持ちが悪くなるが、気づかれないように何気ない風を装って左手でグラスを持つ。薬指のリングとグラスがぶつかり、透明な音が出る。一口飲む、ワインはよく冷えている。赤い液体の流れが私の喉を通り、食道を通り、胃に注がれるのがわかる。美味い。そう口に出して初めて、自分はこれを美味いと感じたのだと知る。
 彼女は微笑むと、自分のグラスには注がずにボトルを元のように机に置く。喉を冷やすと、歌に支障が出てしまうので。そう断ってから、彼女はグランドピアノの天蓋をあけ、椅子に座る。ピアノの横には、世界的なコンクールにも使用されている海外の有名メーカーを示す名前が金字で刻まれている。
 いくつかの鍵盤を弾き、音の高さを確認すると、彼女は発声練習を始める。Cから一オクターヴ上のCまで、次はDから一オクターヴ上のDまで。そうして、Hまで練習した後、彼女は一度大きく深呼吸をし、私に曲名を告げる。声楽の素養のない私には耳慣れない名前の作曲家の曲だ。ひと呼吸置いて、彼女は歌い始める。
 彼女の白い喉が震え、周囲の大気が震え、私の鼓膜が震え、それが心地よい振動となって私の心を揺らす。時には激しく、時には優しく、淀みなく流れる河のように、音が彼女から紡がれる。私はいつものように彼女の美しい横顔を眺めながら、その独唱を聴きつつ、沸き上がる感情に思いを馳せる。
 私は、彼女が憎かった。私の一番大切なものを間接的とは言え奪い、のうのうと生きていることが許せなかった。殺したくさえあった。そして実際、何度か殺す夢を見た。決まって絞殺だった。その白い喉に指を絡ませ、渾身の力を込めるのだ。柔らかい皮膚に爪が食い込み、肉を破って骨まで達する。そうして、頸動脈と気道を同時に圧し潰す。その喉から一言も発させずに殺すのだ。窒息の苦しみに跳ねる喉の白さが、まるで死んだ珊瑚のようだと思ったのを覚えている。それが夢である。
 またそれから、無慈悲に執拗に犯す夢を見た。美しい旋律を紡ぐ喉に、逆に己の肉棒を何度も突き入れ蹂躙する。そして声帯を汚すように、精液を叩き付けるように、幾度も口内奥深くで射精する。むせる彼女を押し倒して縛り上げ、上質な陶器のように滑らかな肌全てに執拗に舌を這わせる。初めはいやがる彼女の肌にだんだんと朱が差し、その美声でもって官能の嬌声を挙げるのを聞いた。幻の中の声はどこまでも淫らであった。
 そして最後に――そう、先日あの女に出会って以来だ――彼女のすべてを手に入れる夢を見た。毎日であった。彼女が自分のすべてを私に捧げると言い、その美しい裸体を惜しみなく晒す。跪いて私の足を舐めながら、服従の言葉を紡ぐのだ。私の言うどんなに恥辱的な命令をも一字一句違わず復唱し、心から喜んで遂行する。人間としての尊厳を捨てきり、全裸で街中を歩き回った挙句、自分の犯した罪を告白しながら公衆の面前で自慰をする。そして絶頂を迎えた後に道行く人々と無差別に性交をし、同時に喉が潰れるまで鎮魂歌を歌う。全てが終わった後に、私に対して心からの感謝をしながら舌を噛み切る。吹き出る血で白い喉が赤く染まり、透き通るような声が濁る。楽しそうに笑いながら彼女は自らの意志で絶命する。私は夢精をする。
 今言った全てのことを可能にする力を、今の私は持っている。左ズボンのポケットである。小さなガラスの瓶に入った錠剤は、たった一粒で人の精神を容易く変えてしまうことができる。あの赤い女はそう蠱惑的に言って、赤いルージュの引いた唇を舐めた。その赤を見るうちに私の中の劣情や憎悪といった感情がマグマのように沸騰していくのを感じた。そうして私はここに居る。ここに居て彼女の歌声を聴いている。
 彼女の歌声は深く、多彩である。単に美しいというだけではない、誰もが所持する心の琴線、それを確実に揺らすだけの何かが確かにそこには満ちている。私はその声を奪うことを思う。蝶の羽根をむしるような優越感、初恋の女性の写真を切り刻むような背徳感、注連縄の内側で排尿をするような恍惚感、そういった類いの何かが混じり合い、私の中を嵐のように跳ね回る。心臓が加速し、血液がものすごい速度で身体中を駆け巡る。今仮にどこかを傷つけられれば、その傷から血が天井まで迸るだろう。血管では押さえきれなくなった血が汗と混じり身体中の穴から吹き出る。呼吸する空気が水飴のように粘つき、喉に絡まる。唾が出る。私は目の前のグラスに手を伸ばす。赤いワインを構成する冷たさが、指先から一直線に私の熱くなった背骨を射抜く。
 そこで、私は突然に気づいてしまう――彼女の声の深み、その理由に。彼女の声はその白い喉が生み出しているのではない。彼女の心の琴線が、彼女の抱えている闇の中でどこまでも響く。そうして反響され増幅された音が、声帯という門を通して外界へと溢れ出しているのだ。抱えている闇が深いほどその声は色彩を増す。一人の人間の命を奪うことで生まれた闇は、これほどまでに彩り豊かに彼女の音を造り変える。私が彼女のすべてを奪うならば、闇は再び塞がれ、この声は永遠に失われてしまうだろう。
 だとすれば――嗚呼、すべてはこのためだったというのだろうか。この美しさを完成させる為に、すべては犠牲になったというのだろうか。事実命の深さを得た彼女の声は、天上のものかと惑うばかりにすばらしい。個人的な怨恨で奪ってしまうには、この声は余りに神聖である。この声を破壊することは、この声に彩りを与えた愛おしい命すらも侵略することにつながるのではないか。そういう意志が音に乗って耳から私の脳髄を削る。
 ならば、私のしようとしていることはどうなるのだ。わずか果物一つほどの重みしかないこの薬の瓶が、今は大地につながれた鎖のごとく重い。今にもポケットを突き破り地面に落ちて砕け、私の思惑を彼女の前に無様に露呈するような気がしてならない。たまらなく不安で、今すぐに投げ捨てたい心地で胸が破けそうになる。
 だが、今更戻れはしない。私は知っている。彼女の名声と幸福を許容するには、私という人格の器は狭すぎる。無理に受け入れようとすれば、跡形もなく砕け散るだろう。私はかつて愛されていた自分を愛している。この存在が消え去ることを思うと恐ろしい孤独感に肺が潰れる。
 けれども――この歌声を聴いていると、それでもいいような気もしてくる。私という一個の人格の保全の為に、人類の宝を奪うことは許されないのではないか。それならいっそ、私という人間など完膚なきまでに砕け散った方が、それ以外の全てのものに対して幸福なことなのではないか。
 そう思っているうちに、彼女の歌が終わる。私は拍手をすべく両手を眼前に掲げる。左の薬指から光が私の網膜を貫き、精神をぐずぐずと腐らせていく。それに抗う術を私は知らない。私の心は崩れていく。彼女は次に私に感想を求めるだろう。私の心は腐っている。荒れ狂った感情が身体中の内臓という内臓を噛み砕く。口を開けば私のすべてはその穴から吹き出すだろう。そうして私は死んでしまうだろう。
 私は無意識に左ズボンのポケットに手を伸ばす。固い無機質な手応えが震える指先に伝わる。力を込めて瓶を掴む。薬指の根元の鉱物がガラスとぶつかり、どこまでも冷たい音を私の腐り堕ちた心に届ける。

58: 名前:風狂の振り子投稿日:2015/06/06(土) 23:40
どうも、風狂の振り子です。

……気になる。
その瓶の中の薬品で彼女の全てを手に入れるところが見たいです……。

と、それはさておき習作というかお話のワンシーンを切り取ったような感じですね。
こういう、ひとつひとつの表象や描写、語彙の選択に趣向を凝らしたような文章、けっこう好きなんですよね(あと、ほとんどの文が断定調っていうのも特徴ですけど、断定調の文章って独特のリズムが出ていいんですよね)。
もともとがギャグやコメディ系のショートショート書いてたワタシには縁遠い部分もあるんですけど、それでも、ほとんど表には出してませんけどこういう文章の練習ってしてったんですよね。
ていうか、今でも練習はしとかなきゃいけないんですけどね。
でないと、いろんな表現や雰囲気を描く練習をしておかないと、知らないうちに語り口や描写がワンパターンになってる気がするんですよね。
そんな人間ですから、『スキッツォイド』 のやかんさんのレスにあった、
>自分はなるべく一作ごとに作風を変えてみたいと思ってて、その一貫でこのような「二人称での進行」にしてみました。
>これまで、純愛系、悪堕ち系、コメディ系、純愛系、崩壊系、悪堕ち系、崩壊系と来てるので、次にはコメディ系あたり書きたいかなと思っています。
っていうのがすごく同感できます。
なんか、同じ作風のものばっかり書くのが怖いというか……怖いのとはなんか違うかな?とにかく、同じ雰囲気の話ばっかり書くいてるとなんか落ち着かなくなるんですよ、ワタシの場合。

で、昨日読んだときには、こういう表現のお話だったらもうちょっと間を取ってゆったりしたテンポの方がいいかな?って思ったんですけど、さっき読んだら、あ、こういう時に詰まった感じもいいかなと思ったり。
実際、ゆったりと間を開けた文章と、ぎっしりと字の詰まった文章ってそれぞれに良さがあって、そういうのはお話のタイプによって向き不向きがあるって思ってたのに、読む側の気分で変わることもあるんだって思った次第です。

でも、久しぶりにこういう文章読んだので、ワタシも最近そういうのをサボってたのでちょっと練習しとかないとって思いましたです。

59: 名前:やかん投稿日:2015/06/07(日) 16:16
風狂の振り子さん、どうもありがとうございます。……ここで返事とかしちゃっていいかな……とも思いつつ。
習作スレということなので、習作を投下してみました。
色々な作風の模索って手間はかかるんですけど、現状に満足してしまうと新しいものを作れなくなるというか、停滞してしまう感じがするんですよね。
停滞だけならまだいいのかもしれませんが、自分の場合放っておくとどんどん劣化してしまうので、現状維持するのにさえ努力が必要なんですよね……。むむむ。

今回は、語り手の心境も表現させてみたいと思い、わざと改行を少なくしてみました。思考がどんどん早くなって焦る感じを出したかったんですね。
読む側の気分でも変わるっていうのは面白いですね。確かに、自分も小説を書いている最中に間を開けるか詰めるかを一日ごとに変えていた記憶があります。

それにしても、よく考えると、一粒で人格を変えられる薬を瓶で持ってるこいつヤベェ。

60: 名前:紅夢抄投稿日:2015/06/08(月) 19:35
折角なので感想書きますね。
この文章はかぎかっこがないのが特徴的です。地の文で会話を表現するのって意外と難しいよなぁって思ったり。
行が空いてないというのは普通の書籍ならある意味当たり前なんですけど、ネット小説って行を空けるスタイルの方が一般的ですよね。視覚的にそちらの方が読みやすいということなんでしょうけど、小説読み慣れてる人からするとスカスカな文章は頭悪く見えちゃうんでしょうかねぇ。中高文章かよ!って。私は行空いてた方が読みやすいですけどw。

内容ですけど、この読者に想像させる小説ってもはや、やかんさんの作風の一つなんじゃなかろうかと。そう思いました。女何者やねん、彼女何者やねん、男何者やねん、何を奪われたんや(なぜ似非大阪弁)。

語り手の心境の表現とのことですが、その通り語り手の5感から、女性の魅力や現在の状況が読者に訴えかけてくるかのようです。
薬物は、ダメ。ゼッタイ。ダメ。ゼッタイ君がブチ切れですよ。

61: 名前:紅夢抄投稿日:2015/06/08(月) 20:07
間違いました(汗)
× 中高文章かよ!
○ 中高生の書いた文章かよ!

62: 名前:やかん投稿日:2015/06/08(月) 22:59
紅夢抄さん、どうもありがとうございます。
高校の頃友達と携帯小説について議論したことがあるんですが、そこで出たのが「ページめくりのスケールダウン」でした。
たとえば漫画とか本はページをめくりますが、ネット小説だと主にスクロールじゃないですか。
紙媒体だとページをめくる度に何かしら変化があると思うんですが、ネット小説だとそれがスクロールに置き換わっていて、つまりインパクトの大きさを減らす代わりに回数を増やしたのがネット小説なのかな、とかいう話をしました。他にも、エロゲとかも一文ずつ読み進める形ですし。
臨場感とか、刻一刻と変わるものを表したりという、ネット小説という媒体の強みを生かすのは、むしろ改行が多い書き方かもしれません。
あと、書いてる方も楽ですし(ォィ)。

自分はどうも、何でもかんでも記述するのは格好悪いと心のどっかでは思ってるみたいなんですね。
今回のも、男の妻が彼女を(何かしらから、例えば交通事故とかから)守った結果死んでしまって、その為に彼女を憎んでいる男が街角で変な美女から怪しげな薬を貰うっていう話なんですが、それを本文に書くのもなんか違うなー、と感じたりしてまして。
裏設定として、彼女は男の妻と声楽学校で競ったライバルかつ親友で、男を影で取り合ったりもしていて。男を慰める&贖罪という名目で男に毎週歌を聴かせることになっているんだけれど、男の妻に対する罪悪感と、男の前で歌うことが出来る、男を独り占めできるという歓びの狭間で揺れている感じで。そんな感じの背景を考えてました。
しかしそこまで書こうとすると技量的にむりぽな気がしたので中止しました。だめじゃん。

薬物は興味がないわけじゃないんですが、法律でも禁止されてるし、後遺症が怖いし……。トリップ中の感覚とか思考とかに興味はあるんですけど。危険。
>ダメ。ゼッタイ君がブチ切れですよ。
なにそれこわい。

63: 名前:二重螺旋投稿日:2015/06/11(木) 01:21
【エロの最中で終わっちゃってる書きかけ品ですが、話が広がらなそうなのと、これ以上書く意欲がなくなっちゃったのと、シチュエーションは好きなので、ここに投下】


「真理さん、バリ旅行は誰と行っていたんですか?」
「秘密です♪」
「秘密?」
「ご想像におまかせしま〜す」
「そっか〜。ご想像しておくわ〜」

こうして、神崎始は失恋した。

会社の年下の先輩にあたる真里とは、最近親しく話すようになって、ときどきはプライベートのことを聞かれるようにもなったし、ちょっと良く思ってくれているんじゃないか、と思っていたのだけど。

彼氏持ちだった。なるほど、これは口説くのは諦めるしかない。

「あのさ、真里さん」
「なんですか?」

「これちょっと見て」
パカッ。
「じっと見てね」
パチン。

真里に見せたロケットを閉め、真里の心をその中に閉じ込めた始は、給湯室の扉を締めると、真里の心に指示を出す。

曰く、真里は始に最初に会った日から、始のことを性的に魅力的に感じており、機会があれば是非セックスしたい、と折りに触れて思っていた。
曰く、真里は、始と同じ場所にいたり、始と連絡をとっていたりすると、つい始とのセックスを妄想し、始とセックスしたいと考えてしまう。
曰く、真里は、始と二人きりになると、体が始をあからさまに誘惑するように無意識に動いてしまう。
曰く、始からのアプローチがあると、誘惑的に動いていたことに気付き、恥ずかしく思うが、自分の誘惑に応じてくれたことも嬉しく重い、自分から誘った以上は責任をもってどんなエッチな要求にも応えなければならない、と思い込む。

パカッ、とロケットを開き真里に見せて。パチン、とロケットを閉めて、心を真里に戻す。

「自分が旅行行くとなると、男の悪友たちと行って、夜も男だけでグダってる感じになっちゃうから、羨ましいや」

始はあなたに彼氏がいることは良く分かりましたよ、という趣旨の会話を続けながら、たわいのない自虐に走る。

真里の方は、給湯室の壁に背中を預けると脚を組むようにして、右ももで、ミニスカートを持ち上げる。際どいくらいまで持ち上げると、左手をさりげなくスカートに当てて押さえると、右足をさげる。始にはパンスト越しのショーツが丸見えである。


真里の顔を観察すると自分がスカートをたくし上げているのに全く気づいていない風だし、始が真理の下腹部を凝視しても気づかないようだ。

真理はたわいのない話を続けながら、ブラウスのボタンを一つ、いや、二つと順番に一つを残して全部外すと右腕を自分の胸の下に差し込んで持ち上げて、結構ある胸をブラ丸見えで公開する。

ここまで暗示が効いているなら、他の暗示もかかっているとみていいだろう。真理の頭の中は始とのセックスで占められているはずだ。

「真理さん、エロすぎますよ」
始はまず手の平で真理のあそこを覆う。
「えっ、ええっっっ」
真理は、始に触られて始めて自分が下腹部をたくし上げて晒していたことに気づき、
「胸もあそこも全開で誘われちゃ我慢できませんよ」
胸を鷲づかみにされて、自分がブラも公開していたことに気づく。
「僕も前から真理さんとエッチしたかったんです。真理さんから誘ってもらえて嬉しいな」
「えへへ」
自分の無意識な誘惑に気づいていなかった真里としては驚きの急展開だが、自分でしたことなので、とりあえず適当に笑ってごまかした。始くんとは前々からエッチしたかったし、ついさっきだってエッチな妄想を始めそうになっていたところで、迫られて不満というやけではない。ええい、このままエッチに雪崩れ込んでしまえ。
「始くん興奮してくれたの?」と、真里は始の股間に手をのばしてさする。
「もう、ギンギンですよ」
真理がぎゅっと力を込めてみると、確かに堅くなっている。
「あのね、お願いしてもいい?」
「何ですか?」
「エッチするならあそこをいっぱい舐めて欲しいの」
「もちろんいいですよ!」
「あと、入れるときは激しくしてほしいの」
「わかりました!僕からも一つお願いしてもいいですか?」
「なーに?」
「生でして、中で射精したいんです。真里さんに彼氏いるのは分かってますが、ぜひ生中出しがしたんいです。お願いします」
「本当はダメだけど」真理が口をとがらせる「今日は私が誘惑しちゃったから、責任取らないとね」
「中出しいいんですか?!」
「今日だけね。そのかわりいっぱいクンニしてくれないとダメだからね」
「頑張ります!」
真理がパンストとショーツを脱ぎ捨てて、改めて体を壁に預けると、始はその前にひざまずく。中出しまでさせてあげるんだし、一方的にご奉仕させてもいいだろう。
「真理さんのあそこ、思ってたとおり、きれいです」
「そっ、そんなの褒められても、恥ずかしっいっ」

始のクンニは真理が想像していたよりも気持ち良かった。
10分ほど、なめられ、吸われ、ときには指を入れられて刺激されると、真里の脚の力も抜けてくる。

 コンコン

と、給湯室にノックがあるが、始が「とりこみ中です!」と答えると、去っていく。会社の従業員は、閉まっている扉のむこうでどんな変な音がしてもかならずノックするし、とりこみ中と言われれば、変な音を聞いたこと自体を忘れて去るように改変済みである。

【始くんは多分会社で何人かセフレを作って会社の中でも外でもエッチしてるけど、ここで終了】

64: 名前:風狂の振り子投稿日:2015/06/12(金) 04:53
どうも〜、風狂の振り子です〜。
習作に感想を書くのって、たしかにどうかとも思いますけど、気になったので書かせていただきますね。

ていうか、ロケットに相手の心を閉じ込めて、その心に向かって指示を出してからそれを相手に戻して操るっていうのがワタシ的にはすっごく気に入りました。
この方法って、ひねり方次第ではすごく面白そうなのです。
それに、ロケットに心を閉じ込められているときの、おそらく人形みたいにぼんやりと突っ立っているであろう真理ちゃんの描写があったら、この長さだけでもけっこう興奮したかもとか思います。

でも、あれですね、ネックは一度にひとりの心にしか指示が出せないってことでしょうね。
きっと、会社の従業員みんなにやるの大変だったろうなぁ……。
こういう、1対1でしか操れないものって、短編ならいいんですけど、結果として大人数操るとなると途中でだれてきちゃいそうですよね。

でも、すでに会社の中はみんな改変済みで、何人かセフレがいるっていかにも二重螺旋さんらしいですよね。
ていうか、相手にカレシがいても普通にやっちゃうんですね(笑)。

65: 名前:二重螺旋投稿日:2015/06/21(日) 01:57
ご感想ありがとうございます。習作スレで感想へのお返事もなんですがなるべく趣旨に沿うようなお答えにすると(笑)
「おそらく人形みたいにぼんやりと突っ立っているであろう真理ちゃんの描写」というご指摘にハッとしました。いつもMCシーンが足りないという指摘を受けるのですが、今回は催眠描写は比較的書いていたつもりだったのです。だから、「なるほど、そこが欠けているとMCシーンが完成しないのか」と納得しました。
書いた催眠方法については、誰が自由に使ってくれても構わないです。水戸黄門の印籠みたいに掲げて集団催眠できてもいいですね。

66: 名前:紅夢抄投稿日:2015/06/22(月) 20:07
折角なのでちょっと感想書きます。
短い文章でも、作者さんの色、というか、らしさ、みたいなものがありますよね。
二重螺旋さんの場合、即エッチとか、お手軽催眠とか、ライトな雰囲気だけど、やってることはかなり鬼畜とか。
既に会社を支配してるあたり、チートな洗脳アイテムですねwそしてエロい!

67: 名前:二重螺旋投稿日:2015/11/24(火) 02:05
>紅夢抄さん

 ご感想ありがとうございます。こんな習作でもエロいと言ってもらえると嬉しいです。

 私のパターンがだいたい同じなのは仰るとおりです。思いついた状況は大体「エロいと楽しい」に入れ込めるので、あるシチュエーションが「エロいと楽しい」では書きにくいときにパターンを少しだけ変えてみる感じかも。

「即エッチ」で無いパターンも一つ書いてみたのですが、これは本番前に力尽きてしまいました。
「お手軽催眠」「ライトな雰囲気」「やってることはかなり鬼畜」「既に周囲を支配」あたりはいつものパターンと同じです。

■お嫁さんの新常識
 婚活コーディネーターの柳沢さんから強く勧められて会った、城川始というその男性はいきなり変なことを言い出した。
「僕、柳沢さんから、岬さんのプライベートなことも色々聞いちゃったんですけど、『疑問や不信を感じない』で欲しいんです。むしろ、『プレイベートなことも話しやすいことに好感』を持って欲しいんです」
「ああ、そうなんですか。もちろんいいですよ」
 好感を持てと指示されるのは話がおかしい…と岬は一瞬感じかけたが違和感はすぐに消えた。柳沢さんには相手に秘密にして欲しいと頼んだことも色々話しているが、それが始くんに伝わっていても…何も問題はないだろう。気にする理由が思い付かないし。むしろ、始くんは個人的なことでもなんでも話せそうな気がしてきて、ちょっと安心したくらいだ。
「岬さん、男性に胸をジロジロ見られたり、胸が大きいことをわざわざ口に出されるのが嫌いなんですってね。芸能界はそういう男ばかりで、恋愛対象にもならないって聞きましたよ」
 高崎岬は、元グラビアアイドルのモデル事務所社長。本人も小学生後半からスーパーモデルになることに憧れて活動してきたが、中学三年の夏休みに身長が伸びなくなり、代わりに胸が急激に成長しはじめ、ファッションモデルへの道は絶たれた。
 岬はグラビアライドルの道を勧められ、漫画雑誌への掲載2回と写真集1冊を出したが、自意識に合わない無教養巨乳キャラを押し付けられ、芸能界のセクハラ体質にも耐えかねた岬は芸能活動を早々と撃ち切っていた。
「それは本当にそうなんですよ。自分のブラのカップがJなことくらい、自分がいちばん分かっている訳じゃないですか。隠せる大きさじゃないから、だれだって大きいのは分かるのに、わざわざ口にして何がいいたいのか意味不明です。ジロジロ見られるのも不快以外の何者でもないです。用があるなら目を見て話せと思いますね」
大学を出てアパレルやモデル事務所などで経験を積んだ岬は、2年前に女性の多様な美しさを打ち出すモデル事務所を設立し、メディアの注目も集めて順調に拡大を進めているところだった。
宣伝にもなるから「美人すぎるモデル会社社長」と書かれるくらいはしかたない。しかし、ある「巨乳すぎる」と書かれたときは、週刊誌のそのページを破り捨てたくらいだ。
「男としては見ないほうが大変ですよ。だから、僕との関係では『自分の胸や、それに僕が寄せる関心を好意的にしか捉えない』で欲しいんです。じっくり『見られても、それは自分が好きな自分の胸を僕も好きということだから、親近感を感じて嬉しく思う』ようにして欲しいんです」
岬としてはなかなか考えたことの無い視点だが、始くんと話していると、自分の胸が好ましいと思えてくるのは確かだ。さっきからチラチラ見てたのが気になっていた気分は消えたし、顔から視線を逸らされてガン見され始めたのも気にならないというか、ちょっと嬉しい。
「私の胸、そんなに気になります?実はこーんな感じでのっちゃったりするんですよ」
J75の大きさを強調するために、テーブルに両腕をつき、胸をテーブルにポテッと置いてあげる。
「これは凄い…最高です。結婚するなら是非、岬さんみたいに美人で巨乳な奥さんが欲しいです」
「またまたー」クスクスクス、と笑ってしまう。
顔はまあ、けっこう褒められるし、婚活で褒めておくのは実際マナーに近いところかもしれないが、褒められて悪い気はしない。そして、始くんがこの胸が本当に好きだというのは素直な賞賛として、心に響いてくる。胸を褒められて嬉しかったのは何年振りだろう。
なんか、テンション上がってきたし、こちらから質問しちゃおう。
「あの、事前にもらった写真と顔がちょっと雰囲気違う気がするんですけど、あれはいつ頃の写真なんですか?」
岬は、このことが正直かなり気になっていた。一瞬別人かと思ったくらいだったからだ。
「写真自体は、先々週撮ったものなんです。これも『不信に思わない』で欲しいんですが、柳沢さんのところで勝手にイケメン加工してたみたいで、顔面偏差値がだいぶ上がっちゃってるんですよね」
「写真は偏差値70くらいとすると、本物の始くんは55くらいですかね」
「岬さんきっついなぁ。でもまあ、平均以上と思ってくれて嬉しいです。ついでに、僕の顔も、『偏差値70の写真と同じくらい魅力的に感じて』欲しいんです。『どんな表情のときでも』ね」
まあ、始君の第一印象は確かに偏差値55といったところだが、話しているにコロコロ変わる表情を見ているとかわいく見えてくるし、角度によってはドキっとするくらいのイケメンだ。どの表情、どの角度から見てもそれなりな魅力のある甘いマスク、ではある。と、岬は思う。
…良く見てるとかなりのイケメンに思えて、ジロジロ見てるのがなんか恥ずかしくなっちゃって、うつむいてしまう。

柳沢さんから教えてもらった事前情報のとおり、岬さんは自分の考えをはっきり持っていて、しかもそれを遠慮無く口に出せる人だった。自分の考えが言える人のほうが、自分好みに改造しやすくていい。
もちろん、自分が色気付いた小学生のときにグラビで見て大興奮した美貌と巨乳も素晴しい。顔や体は性格のようには自由に改造できないから、見た目が一級品であるというのは妻にする女性を選ぶ第一の条件だ。
「始君、普通に話も面白いし、頭も良さそうなのになんで大学行かなかったの?」
「家庭の事情ですね」
「家庭の事情って?」
お酒も少し入ってきたからかもしれないが、岬さんも質問が無遠慮になってきた。でも相手に家族関係の問題があるかを聞いておくのも、婚活では当たり前だろう。
「これは事情が複雑で分かりにくいと思うんで、『俺が指でこう丸を作ったら、そこの部分の話は不信に思わないんで下さい』」
「はいはい。始くんそういうパターン多いね」
「うち、子供が多くて。10歳にならない妹が2人いて、姉が一昨年産んだ姪がひとり。これじゃあ、俺が大学行ってる余裕はないですから、すぐ働きに出たんです。俺が家に給料入れるようになったら楽になるかと思ったらまた今年、母と、2つ下の妹が妊娠しちゃったんですけどね」
「えーと、何人家族になるのかな?」
「父と母、姉1人に妹3人、姪1人で計6人と、母とすぐ下の妹のお腹に一人ずつですね」
「凄い子沢山な一家なんだ。じゃ、始くんおむつ替えとか得意そう!」
「むっちゃ得意ですよ。まだ独身なのにイクメンです!赤ちゃんはやっぱり可愛いですから、僕は結婚したら、すぐ子どもが欲しいんです」
「へー、若いのに凄いねえ」
「今時は珍しいかもしれません。だから、『僕が早く結婚して、家庭を築きたいと思っていることは、とても男らしくて、責任感があって魅力的』だと思って欲しいんです。岬さんは子どもは欲しいですか?」
「ん〜。おいおいは欲しいんだけど、今はまだ具体的に考えられないかな。仕事も勢いが出て来たところだし」
「それはいけません。『もう30も近いんだから少しでも早く自分の子どもを生むべきだ』と考えるようにしましょう。そして『これから年をとっていく自分のことを考えると、子作り、子育てを一緒にするのは、精力も強くて体力のある若い男が一番いい』と思って欲しいんです」
そう言いつつも、本当は早く子供が欲しくてたまらないし、自分の年齢を考えると、精力抜群の若い子が理想だな、とは思っていたんだよね。あくまで理想で、現実性はないと考えていたけど…始くんはまさに精力が有り余っていそうな若い子だし、イクメンで体力もありそう。ある意味、理想的じゃない?
さっきから私の胸を見まくっているのは、私をセクシーだと思ってくれているということだよね。始くんみたいなイクメンなイケメンだと悪い気はしないな。
「あ、メインディッシュがやっと来ましたね、おいしそうですよ」
「ほんとだねー」
やばい。盛り上がってきちゃった。もしかすると、もしかするかも。

 レストランから駅までの帰り道。
「あの、もし良かったらなんですけど…」
「なんですか?」
これは次のデートの誘いが来たかな?ドキドキ。どんなところを提案してくれるだろうか?今日は時間制限があることは伝えてあるので、さすがにこれからホテルに誘ってくることはないと思うけど…
「手、繋ぎませんか?」
やばい。キュンと来た。
「えっと…」
「嫌ですか…」
「嫌じゃないですけど…ここだと…」
人通りが多くないとはいえ、一応駅に向う道で、普通に人がいるし、ちょっと恥ずかしい…
「じゃあ、こっち行きましょう」
人通りの少ない横道に入ることを促されるが、つい足を止めてしまう。該当も少ないし、良く考えると始くんとは初対面だし、これまでは紳士に振る舞ってくれているけど、もしかして一皮むけたら野獣かもしれない…
『私が連れていくところに付いていくことには、不安をもたなくていいですよ』
ああ、それなら良かった。手を繋いでみること自体は、ちょっとロマンチックでいいな、と思っていたから。
住宅街の中に十分入ったからと思って、自分から手を繋いでみた。あたたかい。ということは、
「私の手、冷たくない?」
「いいえ、あたたかいです」
「本当に?」
と聞いたら、手を恋人繋ぎに繋ぎ変えられた。
「こうやってぴったりくっつきたいくらいあたたかいです」
 もう。

「岬さん、ハグしてもいいですか?」
「えっ、はい」
公園に入ったときに不意打ちで聞かれて、なんかついOKしてしまい、そのまま抱き締められてしまった。
「おっぱい、柔らかくて素敵ですね」
「あ、ありがとうございます」
本当に胸を褒められるのには慣れない。…正確にいうと、褒められるのが嬉しいのに慣れない。
『僕が岬さんの胸を愛撫するのは、手を繋ぐのと同じくらい自然と感じて欲しいです』
ん?何か言われたなと思うと、始くんがおっぱいを揉みはじめた。手を繋いだのだから、胸を揉まれるのに違和感はないが(といっても、手を繋いだときのように一言断ってくれても良かった)、ちょっとくすぐったい。
『僕におっぱいを愛撫されたら、ロマンチックな前戯のときと同じくらい感じて』
しかも、愛撫がゆっくりと乳首に近づいてきて、期待を煽ってくる。別にセックスじゃないし、手をつないでイチャイチャするくらいのことなのに、自分は何でこんなに期待しているの?
 始君がお尻に手を伸ばしてきたのは断った。けれど、始君が愛撫を乳首まで伸ばして、やさしくされると、キスを拒む抵抗力が失われてしまった。舌は入れられなかったけど。…入れられたら自分は拒んだだろうか?

そして、駅のホームで。
「岬さん、いきなりでごめんなさい。でも、ボク、岬さんのことが、とても好きになってしまいました。すぐに答はいりませんから、真面目にお付き合いを考えてもらえませんか?」
「えっと…」
「答はすぐにはいりません。でも、来週末、またデートしてもらえませんか?」
「あっ、はい。それくらいなら、ぜひ。楽しみにしています」

 岬さんと別れるときに、手をとって、手の甲にキスしてあげた。
 クスクス笑うばかりで嫌がらないので、そのまま乳房を掴んであげて、服の上から、乳首にちょっとキスをしてあげる。
「ちょっと、そんなに何度もしなくてもいいでしょ」
 気にしていたはずの規格外の胸にキスされても、手の甲にキスされたくらいにしか感じていない。
 これは来週が楽しみだ。

68: 名前:二重螺旋投稿日:2015/11/24(火) 02:18
あ、前の習作と主人公の名前が「始」で被ってますが、特に関係のない別人です…

69: 名前:風狂の振り子投稿日:2015/11/25(水) 01:26
どうも〜、例によって例のごとく、習作に感想書くのもどうかと思いつつもやっぱり書いてしまう風狂の振り子です〜。

ていうかですね、認識を歪められる系のMCが好きな人だったら、これだけでも充分興奮できると思いますよ。
相手の言葉通りに認識や常識がするっと変わっていく感じはワタシも好きですし。
話の中程にある、指で丸を作りながら話したことは不審に思わないっていうの、最初から二重カギカッコのところはそうやって話してるってしたらいいのに、とか思ったり。
その方が、岬さんがなにかされてる感が読み手に伝わるかな〜って思うんですよね。

それと、これってほぼ岬さん視点で最後だけ始くん視点になってますけど、どっちの視点かでかなり感じが変わってきますよね。
ワタシとしては断然岬さん視点押しですけど。
ちなみにワタシの場合、岬さん視点で、最初は地の文の部分でも城川さんって他人行儀な感じで呼んでるのが、始くんの言葉で不自然なまでに親近感が高まって始くんって呼ぶようになる変化があったりするとなお興奮します。

でも、こういのって、とりあえずメモだけしておけばなにかの時に使えそうな気がします。
すぐにお話に仕上げられなくても、時間を置いたら案外すっと仕上がったり、別なお話を書いてるときにすっとはまってくれそうな感じもしますけど。
ワタシも忙しくてロクにお話が書き進められないときでも、思いついたお話になりそうなアイデアやネタはこまめにメモするようにしてます(←メモしておかないと確実に忘れるので(笑))。
今現在、ちょっと忙しくてまともにお話を書けない状況ですけど、そんな時でもメモのファイルだけは貯まっていって、これ、ちゃんと書けるんだろうか……て思ったりもしますけど。
そのメモが日の目を見るのかどうかは神のみぞ知るって感じです(笑)。

70: 名前:二重螺旋投稿日:2016/01/30(土) 21:05
>風狂の振り子さん

ご感想ありがとうございます。習作スレの使い方は決まっていないので、気にせずいきましょう。

自分でも読み直してみましたけど、私も岬さん視点の方が好みですね。指マルと『』は微妙に違うのですが、伝わるようにできてないので、見直し必要ですね。

女性視点で一貫すれば、「エロ楽」にはないものが書けそうなので、ちょっとあたためてみます。

71: 名前:やかん投稿日:2016/02/20(土) 04:38
あけましておめでとうございます(二ヶ月弱遅れ)。やかんです。
大変ご無沙汰しております。
深夜テンションで書いてたらなんかできたので貼らせていただきます。
頭のどこからか「やめておけ」という声が響きますが、深夜テンションなので構わず貼らせていただきます。
喰らえ明日の自分!
エロないです。厨二病です。すみません。




 世間では最近、この近辺に住む妙齢の女性達が相次いで失踪するという怪事件で賑わっているらしい。
 現在テレビに映っているワイドショーでも、やれ失踪した女性達は皆美人だの、やれ誰かに誘拐されているだのと、いろいろと騒いでいる。
 僕は『失踪した女性たちは某国の工作員で、それが引き揚げたということはいずれ大規模な戦争が起こる前触れだ』などと幼稚な憶測を恥ずかしげもなく披露するコメンテーターを鼻で笑いながら、目の前で熱弁を振るう仄佳へと目を向ける。

「つまり、失踪した人達が消えたと思われる場所の付近には、少しも争った形跡がないの。だから、犯人は失踪した彼女達を何らかの方法で説得したと思うんだ」
「……なるほど?」

 熱弁を振るうのは良いが、その内容はワイドショーと何ら違いのない憶測でしかないものだということを自覚して欲しい。
 そういった意味を込めて返事をする。幸いこの飲み屋はそれなりに騒がしく、誰も僕たちの会話など気にしていないだろうが、人に聴かれたら恥ずかしいのは仄佳だ。
 が、仄佳は全く気にもとめない様子で話し続ける。

「私が考えるに、犯人は失踪した子達と面識は特にないと思う。なんでかって言うと、失踪した子達の間の共通点が少なすぎるから」
「……そもそも、誘拐犯が居るとは確定していないじゃないか。」
「いーや、居るね! こんな短期間で連続失踪するなんて、それこそありえないよ。少なくとも絶対に誰かしらの介入はあるはず」

 仄佳は断言する。全く、新聞記者というものは誰も彼もこんな感じなんだろうか。別に自分の人生には全く関係ないであろうことを、こんなにも必死になって調べたりする。きっと、彼らはそうしなければ死んでしまうのだろう。好奇心は猫をも殺すが、退屈は神をも殺す。

「つまりはうみみゃぁ! って感じなのかな」
「?」
「ああいや、なんでもない」

 思わず変なことを言ってしまった。
 それより、と居住まいを正して、僕は仄佳の目を見る。

「これは本心からの忠告なんだけれど」

 そう前置きをしてから僕は言う。

「この事件に、これ以上関わらないほうがいい」

 きょとんとした仄佳の顔を眺めながら続ける。

「これは、僕の予感なんだけど。この事件は、きっと、ろくなものじゃない。具体的にどうとはわからないし、言えないけれど。多分、よくないもののはずだ」

 関わると、不幸になるような。

「……まいったなー、孝典くんの勘ってよく当たるからなぁー……」

 後ろに仰け反りつつ、仄佳は顔をしかめる。
 しばし目をつぶって考えた後、仄佳は顔を上げた。
 その顔を見て、説得を諦める。

「ああ、もう。絶対に調べる気が満々じゃないか」
「あ、ばれちゃった?」

 よく見てきたこの顔は、絶対にやると決めた時の表情だ。今僕が何を言ったところで、彼女の心は変わらないだろう。

「えへ、よくわかったね」
「どれだけ君のそんな顔を見てきたと思ってるんだ。じゃあ、せめて身の回りには気をつけなよ。人通りのないところとか、暗い道とか、一人で通らないようにね」
「はいはい。わかりましたよー」

 仄佳がいたずらっ子のように笑う。素直にかわいいと思う。表情豊かな彼女の顔は、見ていて飽きない。
 僕は一抹の寂しさを感じながら、さりげなく肘で水の入ったグラスを押す。

「……あっ」

 テーブルから押し出されたグラスが床に落ち、水を撒き散らしながら割れる。鋭い音が店内に響き渡る。

「ああ、ごめん! うっかり当たっちゃった! 大丈夫、怪我はない?」
「あ、うん、私は大丈夫。孝典くんこそ大丈夫?」
「僕も大丈夫だよ。うわ、結構飛び散っちゃってる……ああ、ごめん! 足に水がかかっちゃてる!」

 僕は申し訳なさそうに紙ナプキンを持って、水が飛んだ仄佳の両足を拭く。そして、今更気づいたかのように慌てて手をどける。

「わ、ほんとごめん! つい……」
「あは、大丈夫だよ。ちょっと冷たいくらいだし、すぐに乾くよ」
「本当ごめんね。……だいぶ長話したし、そろそろお開きにする?」

 奥から店員がやってくるのを確認して、仄佳に切り出す。

「そうだね。思いの外話し込んじゃった。いつものことかもしれないけどっ」

 そう言って仄佳は笑う。
 僕は今きっと、幸せなんだろう。
 そして、それを自分で台無しにしようとしている。
 でも、するしかない。僕にはその意志と、実行するだけの力がある。
 行わなければ、ならない。
 僕は自分の会計を済ませると、仄佳と一緒に店の外に出る。
 いきなり気温ががくっと下がり、思わず身を震わせる。隣では仄佳が同じように身を震わせていた。
 簡単な別れの挨拶、そして再会の約束をし、僕たちは反対方向へ歩き出す。
 僕は十数歩歩くと足を止め、振り返り、仄佳が去った方向へと歩く。そして、店の5メートルほど先にある、ビルとビルの隙間に入る。

 その路地裏に入ると、彼女が横たわっていた。

 彼女の足はまるで人形になったかのようにぴくりとも動かず、彼女は未だ自分に何が起こっているのかわかる様子もなく、混乱したままなんとか立ち上がろうとしていた。
 僕のギフトは、酷く限定的だ。
 この道は、あの店で飲んだ後に駅に向かうため、仄佳がよく通る道だ。僕はそれをよく知っている。

「だから言ったのに。人通りの多い道を選んで帰りなよって」

 もし彼女が僕の忠告を素直に聞いていたら、どうなっただろうか。こうして路地裏に這いつくばることもなく、なんら変わりのない、平凡な、それでいて何よりも貴重な毎日を過ごすことができたのだろうか。
 いや、そうでなくても、足がいきなり動かなくなったとして、人通りの多いところだったら問題はなかっただろう。誰か親切な人に助けられ、これから先『自分のものではなくなった』両足に不自由しながらも、なんとか幸せに生きて行けたのかもしれない。
 最も、そんなことはさせるわけがないのだけれど。
 そんな下らない、取るに足らないことを考えながら、僕は仄佳に近づいていく。

「あ、孝典くん? おかしいの、なんかいきなり足から力が抜けちゃって」

 仄佳は困ったように笑った。まだ状況が理解できていないらしい。無理もない。

「ちょっと手を貸してもらえるかな? あと、できれば病院に連れてってくれると嬉しいかも……」
「大丈夫だよ、仄佳。焦らなくても良い。君は病気なんかじゃない。単純に、君の両足は僕の許可がない限りもう二度と動かないってだけだ」
「……え?」

 仄佳は、僕の言葉が理解できないようだった。

「簡単だ。簡単な話なんだ。僕が、さっき君が言っていた『誘拐犯』なんだよ」

 仄佳が、目を見開いたのが、光量の少ない路地裏の中でもわかった。

「君にこれ以上あの事件のことを調べられると、僕はとても困る。だから、悪いんだけど、君という人間にはここで死んでもらわなくちゃならない」

 仄佳は鋭い。事件のことを辿っていったなら、いずれ僕にたどり着くだろう。正義感の強い彼女のことだ、警察とかに通報するかもしれない。それは、非常に困る。

「『強欲な罪人(Nobody's Fault But Mine)』。そう名付けた。僕のギフトだ。君の両足は、もう僕の支配下にある」
「ギフト……?」
「君が知る必要はないよ」

 僕はそう言って、仄佳の喉に手を触れた。

「ほら、これでもう、声も出せない。君の身体が君の意志から切り離されていくのはどんな気持ちだい」

 言いながら、仄佳の両手にも触れていく。もうこれで、彼女は自分の意志で身体を動かすことはできない。もっとも、それを彼女が苦痛に思うのもあと少しの時間だけだが。

「『わけがわからない』、そんな顔をしているね。本来なら、今君に起こってることを説明するべきなのかもしれないけど。でも僕は、そんな無駄なことはしたくないんだ。だって君はもうすぐ死んでしまうんだから」

 仄佳。
 かわいそうな、仄佳。
 こんな路地裏で、彼女は死ぬのか。

「仮に運命なんてものがあるとして。夢や希望や熱意なんてものは、それにくらべりゃどうでもいいものなんだろうな。仄佳、君のことは好きだったよ。君がこの事件なんかに興味を持たなけりゃ、ずっと良い友達、いやもっと親しくなれると思っていたんだけど」

 そしてそれは、もう永遠に叶わない。

「どうだい? 得体の知れない能力を使う僕が怖いかい? 自分の人生を生きていこうとしているのに、それを奪い去って行く僕が憎いかい? でも、今君が心の中に抱えている全ての感情に全く関係なく、僕は君を殺す。君の抱えている感情は、僕を含めこの世界に少しも影響を与えることなく、君の精神とともに消えていくんだ」

 僕は淡々と発語する。諭すように。言い聞かせるように。仄佳に対して。自分に対して。

「つまるところ、今の君は、何も残さないまま、ここで死んでいくんだ。悔しいかい? なら、僕を存分に恨むといい。君のそんな思いに関係なく、僕はこれからも生きていくから」

 仄佳の体が震える。「なぜ?」とでも言いたいのだろうか。
 彼女の心の中を知りたいと思った。僕のギフトには、それができない。
 なんだか、少し、悲しかった。

「……実を言うとね、僕は自分のこの才能があまり好きじゃないんだ。自分の手で以って相手のいろいろなものを奪うことが、あまり好きじゃない。誰だってそうだろう? 自分とは関係ないところで、自分に都合がいいように物事が上手くいくのが一番いいって、誰だって思っているはずなんだ。誰だって、犯人にはなりたくないはずなんだ」

 僕の手が向かう先を悟り、仄佳はその目に涙と絶望を浮かべる。

「じゃあ、さようなら、仄佳」

 そう言いながら、僕は仄佳の頭を両手で包み込んだ。
 彼女が心の中で叫んだであろう悲鳴は、僕にはちっとも聞こえなかった。

 どのくらい時間が経っただろう。
 無表情のまま、こちらを焦点の合わない目で見る仄佳に、僕は嘆息する。
 こうするしかなかったとはいえ、『仄佳』を殺してしまったということは、とても残念だ。
 彼女のコロコロとよく変わる表情は見ていてとても楽しかったし、バイタリティ溢れる彼女の行動は見ていてとても気持ちが良かった。
 そんな彼女はもう死んだ。
 今ここに居るのは、僕の命令に従うだけの肉人形だ。
 仄佳だった肉人形の目の端から垂れる涙を指ですくい、舐める。感情が詰まった味がした。

「立て」
「ハイ」

 感情の込もらない声と共に、仄佳だったものが立ち上がる。

「お前は、今からここに書いてある住所に行け。インターホンを鳴らしてそこに書いてある言葉を言えば、中に入れる。そしたらそこで指示される格好に着替えて待っていろ」
「ハイ、ワカリマシタ」

 僕は仄佳の顔をした人形に、紙を渡す。僕の人形たちが保管してある場所の住所と、その合言葉だ。

「それから、その紙は覚えたらすぐに破いて飲み込め」
「ハイ、ワカリマシタ」

 目の前の人形は無機質な声で答える。普通ならためらうような命令にも、意志のない人形は即答する。
 僕は試しに、人形にキスをする。唇は柔らかく、暖かい。舌で歯を割って入ると、弾力のある舌が触る。僕はそのまま口内を蹂躙する。
 数十秒のディープキス。それに対しても、人形は顔色ひとつ変えない。
 僕は唇を離す。唇同士の間に、唾液の橋がかかって、伸びて、切れた。

「じゃあ、行け」
「ハイ、ワカリマシタ」

 踵を返し歩き出す人形の背にふと手が伸び、そして行き場を失って漂った。
 滲む視界は、きっとこの寒さのせいだ。




きっとこの後家に帰って、ビキニに着替えた仄佳ちゃんやその他といろいろエロいことをするんだと思います。「これはセックスじゃない。こんなものは、ただの自慰だ」とか言いながら。
勝手に人形にするわ、犯すわ、それでいてオナニーと言うとか、こいつ頭おかしいのかって思います。
人形化した女の子相手のエロが書けないのでここで供養させていただければと思います。
そのうちちゃんとした投稿もしたいと思っています。
今年もよろしくお願いします。

72: 名前:みゃふ投稿日:2016/02/20(土) 10:01
読んだーw
なんかこのまま人形オナニーも飽きて人形をぶっ壊しそうな勢いでぅねw
え? それはみゃふだって? いやいや、そんなことはないでぅよ?
みゃふがそんな酷いことできる訳ないじゃないでぅかー
そんな何もかもがむなしくなって自分にギフト使って見るなんて思いつかないでぅよーw

であ、ちゃんとした投稿を楽しみにしていますでよ〜

73: 名前:風狂の振り子投稿日:2016/02/20(土) 23:53
どうもです〜、今年もよろしくお願いしますです〜。

あ〜、人形化ですね〜……ていうか、
>勝手に人形にするわ、犯すわ、それでいてオナニーと言うとか、こいつ頭おかしいのかって思います。
それでいいんじゃないかとも思ったり(←こら)。
そもそもMCっていうジャンル自体が、人を理不尽に操ったり操られたりするものがほとんどなんですけど、人形化ってその最たるもので、行為自体もそうですけど、そのきっかけも理不尽なほどぴったりはまる気がします。

いや実際、相手を人形化するのを、「殺す」っていう表現がすごくしっくりしててワタシは好きです(←完全に人としてダメな発言ですが(笑))。
肉体的には死んでなくても、精神的に死んでしまってもう元に戻らないのなら、それはその人にとっては死と等価ですものね。
でも、見た目には生きているようにしか見えないから、人形化された女の子の縁者がその居場所を突き止めるっていうのもワタシとしてはすごく見たかったり。
どう見ても生きているようにしか見えないのに、その子はもう自分の知ってる彼女じゃなくて、しかも、もう絶対に元には戻らないという絶望感とか、もう最高です。
う、ダメだ……発言すればするほどいかに自分が人として終わってるか晒してしまう……。

74: 名前:やかん投稿日:2016/02/21(日) 13:38
みゃふさん、風狂の振り子さん、ありがとうございます。
案の定「なぜアップしたぁぁ!!」って悶えておりました。やかんです。
習作スレで感想返しをするというのも(ry
というかこんなエロもない話にどうもありがとうございます。感謝しかないです。

>みゃふさん
いつもありがとうございます。
多分こいつはそんなことできる勇気はないですね。自分大好き野郎なので、引きこもりっぽくずっとイジイジといじけたままのような気がします。更に迷惑なやつだな、こいつ。
さすがはみゃふさんです。「思いつかない」と言いながら全破滅エンドまで考えられているとは……。破壊王と鬼畜王のお二人が並び立っていた時代が懐かしいですね。Panyanさんお元気でしょうか……。

投稿に関しては、エロが書け次第です……。そんなに時間はかけたくないですし、骨子自体は出来上がってはいるのですが、まあ自分のことなので結構かかると思います。気長にお待ちください。
これからもよろしくお願いします。

>風狂の振り子さん
いつもありがとうございます。今年もよろしくお願いします。
確かにおっしゃる通り、理不尽な方がこう、萌える気がします。すれ違った綺麗なお姉さんを、人格や人生すべて無視してただの肉人形にする、みたいなシチュエーションいいですよね。
他にも、生意気な後輩は肉体操作、元気な同級生は常識変換、憧れの先輩はドMの肉奴隷、みたいな。いや、個人の趣味ですけれども。

特に相手の個性や人格を奪う類のMCって、やってることほとんど殺すのと変わらないなぁと思いながら書いてました。また、人形化とか奴隷化って、結局のところ人格の塗り替えなわけですから、力が強力であるほど画一的になってしまって、キャラの個性が出せずに難渋するという……(笑。だからハーレム物って書くのが難しいんでしょうね。
自分はどうしても主要な登場人物の中だけで話が完結してしまうので、振り子さんみたいな「縁者が居場所を突き止めて絶望」みたいなストーリーは考えつきませんでした。さすがです。確かにそのシチュエーションは、NTRみたいで結構いけますね。覚えておきます。
振り子さんの感想は、MCの被害者側の心情に深く切り込んでいくので、参考にさせていただくと話に厚みが出る気がします。自分には難しいですが……。どうしても人の心を掘り下げて考えるのって苦手なんですよね。自分サイコパスなので。

なるべく早く、新作を投稿できるように頑張りたいと思います。
これからもよろしくお願い致します。

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